特許第5773453号(P5773453)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECディスプレイソリューションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5773453-表示装置および表示装置の校正方法 図000002
  • 特許5773453-表示装置および表示装置の校正方法 図000003
  • 特許5773453-表示装置および表示装置の校正方法 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773453
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】表示装置および表示装置の校正方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/66 20060101AFI20150813BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20150813BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20150813BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   H04N5/66 A
   G09G5/00 550H
   G09G5/00 550C
   G09G5/00 X
   G09G5/02 B
   G09G5/10 Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-546618(P2012-546618)
(86)(22)【出願日】2010年11月30日
(86)【国際出願番号】JP2010071400
(87)【国際公開番号】WO2012073341
(87)【国際公開日】20120607
【審査請求日】2012年12月20日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】NECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】藤村 隆一
(72)【発明者】
【氏名】松井 勝之
【審査官】 岩間 直純
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−310943(JP,A)
【文献】 特開2000−276094(JP,A)
【文献】 特開2003−295851(JP,A)
【文献】 特開2003−288057(JP,A)
【文献】 特開2008−166892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/66 −
H04N 5/74
G09G 1/00 −
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を受け取り、画像を表示する表示装置であって、
前記映像信号を補正した補正映像信号を出力する映像信号補正部と、
所定の使用期間が経過したときにメニューを表示し、前記メニューを通じて校正処理の開始が入力された場合、前記映像信号に基づいて非画質補正画像を表示し、前記補正映像信号に基づいて補正画像を表示する表示部と、
前記非画質補正画像に基づいて補正前画質特性値を取得する補正前画質特性取得部と、
少なくとも第1の目標画質特性値および第2の目標画質特性値を記憶する目標画質特性記憶部と、
前記補正前画質特性値と前記第1の目標画質特性値とに基づいて第1の補正データを生成し、前記第1の補正データを前記映像信号補正部の記憶領域に書き込み、前記目標画質特性記憶部の記憶領域に前記第2の目標画質特性値が記憶されている場合、前記補正前画質特性値と前記第2の目標画質特性値とに基づいて第2の補正データを生成し、前記第2の補正データを前記映像信号補正部の記憶領域に書き込み、前記目標画質特性記憶部の記憶領域に前記第2の目標画質特性値が記憶されていない場合、前記映像信号の補正データの生成を終了する補正データ生成部と、を備え、
前記映像信号補正部は、前記補正データ生成部によって前記映像信号補正部の記憶領域に書き込まれた前記第1の補正データまたは前記第2の補正データに基づいて前記映像信号を補正する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記目標画質特性記憶部から前記第1の目標画質特性値または前記第2の目標画質特性値を選択して取得する目標画質特性取得部をさらに備え、
前記第1の補正データは、前記第1の目標画質特性値が取得された時に生成され、前記第2の補正データは、前記第2の目標画質特性値が取得された時に生成される
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記補正前画質特性値は、前記非画質補正画像の輝度対階調データであり、
前記第1の目標画質特性値および前記第2の目標画質特性値はいずれも、目標画質に対応する輝度対階調データである
ことを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
【請求項4】
前記目標画質特性記憶部は、さらに、第3の目標画質特性値を記憶し、
前記補正データ生成部は、さらに、前記目標画質特性記憶部の記憶領域に前記第3の目標画質特性値が記憶されている場合、前記補正前画質特性値と前記第3の目標画質特性値とに基づいて、前記映像信号の画質特性をテキスト表示に適した画質特性に補正するための第3の補正データを生成し、該第3の補正データを前記映像信号補正部の記憶領域に書き込み、前記目標画質特性記憶部の記憶領域に前記第3の目標画質特性値が記憶されていない場合、前記映像信号の補正データの生成を終了し、
前記映像信号補正部は、前記第1の補正データ、前記第2の補正データ、前記第3の補正データのいずれか1つの補正データに基づいて前記映像信号を補正する
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
電源投入時または画質設定変更時に、前記第1の補正データまたは前記第2の補正データは生成される
ことを特徴とする請求項1または2記載の表示装置。
【請求項6】
映像信号を受け取るステップと、
所定の使用期間が経過したときにメニューを表示し、前記メニューを通じて校正処理の開始が入力された場合、前記映像信号に基づいて非画質補正画像を表示するステップと、
前記非画質補正画像に基づいて補正前画質特性値を取得するステップと、
少なくとも第1の目標画質特性値および第2の目標画質特性値を目標画質特性記憶部に記憶するステップと、
前記補正前画質特性値と前記第1の目標画質特性値とに基づいて第1の補正データを生成し、前記第1の補正データを、前記映像信号を補正した補正映像信号を出力する映像信号補正部の記憶領域に書き込み、前記目標画質特性記憶部の記憶領域に前記第2の目標画質特性値が記憶されている場合、前記補正前画質特性値と前記第2の目標画質特性値とに基づいて第2の補正データを生成し、前記第2の補正データを前記映像信号補正部の記憶領域に書き込み、前記目標画質特性記憶部の記憶領域に前記第2の目標画質特性値が記憶されていない場合、前記映像信号の補正データの生成を終了するステップと、
前記映像信号補正部が、前記映像信号補正部の記憶領域に書き込まれた前記第1の補正データまたは前記第2の補正データに基づいて前記映像信号を補正するステップと、
を有することを特徴とする表示装置の校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示装置の校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特性が異なる複数の画質特性プロファイルデータを記憶し、これら画質特性プロファイルデータのうちいずれかを設定して動作する液晶パネル表示装置が知られている。この液晶パネル表示装置は、表示に適用する画質特性プロファイルデータを、ユーザによる操作ボタンの操作によって選択し設定する。よって、ユーザは、用途や目的等に応じて画質特性プロファイルデータを切り替えて液晶パネル表示装置を使用することができる。
【0003】
このような液晶パネル表示装置は、長期間の使用に伴い、例えば液晶パネルの経時劣化等によって画質特性が変化することがある。よって、高品位な表示画質を保つためには、液晶パネル表示装置の画質設定を校正する必要がある。
従来、蛍光体の経時劣化による輝度変化に対応してホワイトバランス調整を行う表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−274124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の表示装置では、画質特性プロファイルデータごとに表示を切り替えて画質を校正する必要があり、画質の校正作業は手間がかかるものであり煩雑であった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、長期間の使用に伴って変化した画質を簡便に校正することができる、表示装置および表示装置の校正方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である表示装置は、映像信号を受け取り、画像を表示する表示装置であって、前記映像信号を補正した補正映像信号を出力する映像信号補正部と、所定の使用期間が経過したときにメニューを表示し、前記メニューを通じて校正処理の開始が入力された場合、前記映像信号に基づいて非画質補正画像を表示し、前記補正映像信号に基づいて補正画像を表示する表示部と、前記非画質補正画像に基づいて補正前画質特性値を取得する補正前画質特性取得部と、少なくとも第1の目標画質特性値および第2の目標画質特性値を記憶する目標画質特性記憶部と、前記補正前画質特性値と前記第1の目標画質特性値とに基づいて第1の補正データを生成し、前記第1の補正データを前記映像信号補正部の記憶領域に書き込み、前記目標画質特性記憶部の記憶領域に前記第2の目標画質特性値が記憶されている場合、前記補正前画質特性値と前記第2の目標画質特性値とに基づいて第2の補正データを生成し、前記第2の補正データを前記映像信号補正部の記憶領域に書き込み、前記目標画質特性記憶部の記憶領域に前記第2の目標画質特性値が記憶されていない場合、前記映像信号の補正データの生成を終了する補正データ生成部と、を備え、前記映像信号補正部は、前記補正データ生成部によって前記映像信号補正部の記憶領域に書き込まれた前記第1の補正データまたは前記第2の補正データに基づいて前記映像信号を補正することを特徴とする。
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一態様である表示装置の校正方法は、映像信号を受け取るステップと、所定の使用期間が経過したときにメニューを表示し、前記メニューを通じて校正処理の開始が入力された場合、前記映像信号に基づいて非画質補正画像を表示するステップと、前記非画質補正画像に基づいて補正前画質特性値を取得するステップと、少なくとも第1の目標画質特性値および第2の目標画質特性値を目標画質特性記憶部に記憶するステップと、前記補正前画質特性値と前記第1の目標画質特性値とに基づいて第1の補正データを生成し、前記第1の補正データを、前記映像信号を補正した補正映像信号を出力する映像信号補正部の記憶領域に書き込み、前記目標画質特性記憶部の記憶領域に前記第2の目標画質特性値が記憶されている場合、前記補正前画質特性値と前記第2の目標画質特性値とに基づいて第2の補正データを生成し、前記第2の補正データを前記映像信号補正部の記憶領域に書き込み、前記目標画質特性記憶部の記憶領域に前記第2の目標画質特性値が記憶されていない場合、前記映像信号の補正データの生成を終了するステップと、前記映像信号補正部が、前記映像信号補正部の記憶領域に書き込まれた前記第1の補正データまたは前記第2の補正データに基づいて前記映像信号を補正するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、長期間の使用に伴って変化した画質を簡便に校正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態である表示装置の機能構成を表すブロック図である。
図2】同実施形態における表示部の画質の校正処理の手順を表すフローチャートである。
図3】同実施形態における輝度対階調データをグラフ化した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態である表示装置の機能構成を表すブロック図である。同図に示すように、表示装置1は、外部の映像信号発生装置から供給される映像信号を取り込んで映像を表示する装置である。映像信号は、例えば、赤色・緑色・青色(RGB)各12ビットのデータである。
表示装置1は、補正前画質特性記憶部20と、目標画質特性記憶部30と、目標画質特性取得部40と、補正データ生成部50と、ルックアップテーブル60と、表示部70と、操作部80と、制御部90とを備える。
【0011】
図1において、表示装置1には画質特性検出部10が接続されている。画質特性検出部10は、例えば光学センサであり、その受光部側を表示部70の表示面に対向して設けた状態で画質特性値を検出する。画質特性値は、表示部70の画質特性を表すデータであり、例えば、ガンマ特性を表す輝度対階調データ、表示画像における白色点(ホワイトポイント)の座標値、色域におけるRGBの各色度座標値である。本実施形態では、画質特性検出部10は、表示部70が表示する非画質補正画像の光束の一部を受光して補正前画質特性値を検出する。非画質補正画像は、画質の補正を行っていない状態で表示部70に表示される画像である。よって、補正前画質特性値は、画質を補正する前の画質特性値である。
画質特性検出部10は、表示装置1の画質の校正を行うときに設けられるものとしてもよいし、表示部70が発光する光束の一部を常に受光可能に設けられるものとしてもよい。
【0012】
表示部70は、ルックアップテーブル60から供給される、補正された映像信号(補正映像信号)または補正されない映像信号(非補正映像信号)を取り込んで映像を表示する。表示部70は、画像を表示する表示パネルを含むものであり、例えば、液晶表示パネル、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro−Luminescence)表示パネル等を含んで実現される。なお、表示部70は、D/A(デジタル/アナログ)変換回路とCRT(Cathode Ray Tube)とを含んで実現されるものであってもよい。
【0013】
表示部70は、長期間にわたって映像を表示することにより、表示パネルやCRTの劣化が発生して画質特性が変化することがある。よって、表示装置1は、表示部70の画質特性が変化する可能性がある使用期間を経過するたびに、画質の校正処理が実施される。本実施形態では、当該使用期間を例えば1000時間とする。
【0014】
補正前画質特性記憶部20は、画質特性検出部10が検出する補正前画質特性値を取り込んで記憶する。例えば、補正前画質特性記憶部20は、画質特性検出部10が検出する非画質補正画像の輝度対階調データを取り込んで記憶する。補正前画質特性記憶部20は、例えば半導体記憶装置により実現される。
画質特性検出部10と補正前画質特性記憶部20とは、補正前画質特性取得部を構成するものである。
【0015】
目標画質特性記憶部30は、複数種類の画質特性を表す目標画質特性値を記憶する。目標画質特性値は、表示部70の補正される画質特性の目標値であり、例えば、ガンマ特性を表す輝度対階調データ、表示画像における白色点の座標値、色域におけるRGBの各色度座標値である。図1においては、目標画質特性記憶部30は、三種類の画質特性を表す目標画質特性値をプロファイルデータ31a,31b,31cとして記憶する。例えば、目標画質特性記憶部30は、印刷プレビューに適した画質特性を示す輝度対階調データをプロファイルデータ31aとして記憶し、ビデオカメラによる撮影映像の表示に適した画質特性を示す輝度対階調データをプロファイルデータ31bとして記憶し、テキスト表示に適した画質特性を示す輝度対階調データをプロファイルデータ31cとして記憶する。
なお、目標画質特性記憶部30は、ユーザによって定義されたプロファイルデータを記憶するようにしてもよい。
【0016】
目標画質特性取得部40は、制御部90の制御によって選択される一種類の目標画質特性値を目標画質特性記憶部30から読み込んで保持する。すなわち、図1においては、目標画質特性取得部40は、目標画質特性記憶部30に記憶された輝度対階調データを含むプロファイルデータ31a,31b,31cの中から制御部90の制御によって選択される一種類のプロファイルデータを読み込んで保持する。
【0017】
補正データ生成部50は、補正前画質特性記憶部20から補正前画質特性値を読み込む。また、補正データ生成部50は、目標画質特性取得部40から目標画質特性値を一種類ずつ取り込む。補正データ生成部50は、補正前画質特性記憶部20から読み込んだ補正前画質特性値と、目標画質特性記憶部30から順次取り込む目標画質特性値とに基づいて、補正データを順次生成し、補正データをルックアップテーブル60に重複しないように記憶領域を区分して書き込む。
【0018】
例えば、補正データ生成部50は、補正前画質特性記憶部20から補正前画質特性値である輝度対階調データを読み込み、目標画質特性取得部40から輝度対階調データを含むプロファイルデータ31aを取り込む。そして、補正データ生成部50は、読み込んだ輝度対階調データと取り込んだプロファイルデータ31aとに基づいて、印刷プレビューに適した画質特性に補正するための第1の補正データを生成し、この第1の補正データをルックアップテーブル60に書き込む。
また、補正データ生成部50は、目標画質特性取得部40から輝度対階調データを含むプロファイルデータ31bを取り込む。そして、補正データ生成部50は、補正前画質特性記憶部20から既に読み込んである輝度対階調データと取り込んだプロファイルデータ31bとに基づいて、ビデオカメラによる撮影映像の表示に適した画質特性に補正するための第2の補正データを生成し、この第2の補正データをルックアップテーブル60の第1の補正データの記憶領域とは異なる領域に書き込む。
また、補正データ生成部50は、目標画質特性取得部40から輝度対階調データを含むプロファイルデータ31cを取り込む。そして、補正データ生成部50は、補正前画質特性記憶部20から既に読み込んである輝度対階調データと取り込んだプロファイルデータ31cとに基づいて、テキスト表示に適した画質特性に補正するための第3の補正データを生成し、この第3の補正データをルックアップテーブル60の第1および第2の補正データの記憶領域とは異なる領域に書き込む。
補正データ生成部50が補正データを生成する処理の具体例については後述する。
【0019】
ルックアップテーブル60は、補正データ生成部50が書き込んだ補正データによって映像信号を補正する映像信号補正部であり、例えばフラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体記憶装置によって実現される。ルックアップテーブル60は、映像信号のデータをアドレス入力とし、アドレス指定されたデータ領域に記憶された補正データを補正映像信号として出力し表示部70に供給する。ルックアップテーブル60に記憶された補正データ(例えば、第1−第3の補正データ)のうち補正に使用する補正データの記憶領域は、制御部90の制御によって指定される。制御部90は、例えばアドレスデコード処理によって記憶領域を指定する。
また、ルックアップテーブル60は、映像信号を補正しない非補正データをあらかじめ記憶しており、制御部90によるアドレスデコード処理によって非補正映像信号を出力することもできる。
【0020】
操作部80は、複数の操作ボタンを具備し、これら操作ボタンの操作に応じてキーコードを発生し制御部90に供給する。操作ボタンは、例えば、表示装置1の電源を入切するための電源オン/オフボタン、表示装置1の各種設定値を変更するためのOSD(On Screen Display)メニューを表示させ、このOSDメニューから所望の項目を選択するための設定値変更用ボタン、OSDメニュー上のカーソルを移動させたり、設定値を増減したりするための移動指示ボタンである。
【0021】
OSDメニューは、表示部70の画質の校正処理を開始させるための画質校正処理開始タブを含む。また、OSDメニューは、プロファイルデータ31a,31b,31cに対応させてルックアップテーブル60に設定した第1−第3の補正データのうちいずれかを選択させるための三つのプロファイル選択タブを有するプロファイル選択メニューを含む。また、OSDメニューは、ユーザに定義させたプロファイルデータを目標画質特性記憶部30に新たに登録(記憶)したり、既に登録されているプロファイルデータ31a,31b,31cの内容を変更したり、ユーザ定義用のプロファイルデータを削除したりするためのプロファイルデータの編集メニューを含む。
【0022】
制御部90は、それぞれ図示しない、CPU(Central Processing Unit)とRAM(Random Access Memory)とROM(Read Only Memory)とを含んで構成され、ROMに記憶されたプログラムをCPUがRAMに読み出して実行することによって、表示装置1の各部を制御する。
【0023】
例えば、操作部80の設定値変更用ボタンが押されたことにより設定値変更用ボタンのキーコードが制御部90に供給されると、制御部90は、ROMからOSDメニューを読み出して表示部70に表示させる。また、OSDメニューが表示された状態で、操作部80の移動指示ボタンが押されたことにより移動指示ボタンのキーコードが制御部90に供給されると、制御部90は、カーソルをキーコードに応じて移動させて表示させたり、現在カーソルが示している項目の値をキーコードに応じて増加または減少させたりする。また、OSDメニューが表示され、カーソルが画質校正処理開始タブを示した状態で、操作部80の設定値変更用ボタンが押されたことにより設定値変更用ボタンのキーコードが制御部90に供給されると、制御部90は、表示部70の画質の校正処理を開始する。また、プロファイル選択メニューが表示され、カーソルが所望のプロファイル選択タブを示した状態で、操作部80の設定値変更用ボタンが押されたことにより設定値変更用ボタンのキーコードが制御部90に供給されると、制御部90は、当該プロファイル選択タブに対応する補正データの記憶領域をルックアップテーブル60に対して読み出し可能に指定する。
【0024】
次に、本実施形態である表示装置1が表示部70の画質を校正する動作について説明する。図2は、表示装置1の表示部70の画質の校正処理の手順を表すフローチャートである。約1000時間の使用期間が経過した表示装置1について、この校正処理は実行される。画質特性検出部10が、その受光部側を表示部70の表示面に対向させて設けられた状態で、表示装置1は、同図のフローチャートによる処理を実行する。
【0025】
まず、ステップS1において、OSDメニューが表示部70に表示され、カーソルが画質校正処理開始タブを示した状態で、操作部80の設定値変更用ボタンが押されたことにより設定値変更用ボタンのキーコードが制御部90に供給されると、制御部90は、表示部70の画質の校正処理を開始する。
【0026】
次に、ステップS2において、制御部90は、ルックアップテーブル60の非補正データを読み出し可能に制御し、ルックアップテーブル60から非補正映像信号を出力させる。次に、制御部90は、画質特性検出部10に補正前画質特性値の検出を指示する。次に、制御部90は、画質特性検出部10が検出した補正前画質特性値を補正前画質特性記憶部20に記憶させる。例えば、制御部90は、画質特性検出部10が検出した非画質補正画像における輝度対階調データを補正前画質特性記憶部20に記憶させる。
【0027】
次に、ステップS3において、目標画質特性取得部40は、制御部90の制御によって目標画質特性記憶部30に記憶された複数種類の目標画質特性値の中から一種類の目標画質特性値を選択して読み込み保持する。例えば、目標画質特性取得部40は、制御部90の制御によって目標画質特性記憶部30に記憶された輝度対階調データを含むプロファイルデータ31a,31b,31cからプロファイルデータ31aを読み込んで保持する。
【0028】
次に、ステップS4において、補正データ生成部50は、補正前画質特性記憶部20から補正前画質特性値を読み込み、目標画質特性取得部40から目標画質特性値を取り込む。次に、補正データ生成部50は、読み込んだ補正前画質特性値と取り込んだ目標画質特性値とに基づいて補正データを生成する。例えば、補正データ生成部50は、補正前画質特性記憶部20から補正前画質特性値である輝度対階調データを読み込み、目標画質特性取得部40から輝度対階調データを含むプロファイルデータ31aを取り込む。次に、補正データ生成部50は、読み込んだ輝度対階調データと取り込んだプロファイルデータ31aとに基づいて、印刷プレビューに適した画質特性に補正するための第1の補正データを生成する。
【0029】
ここで、補正データ生成部50が補正前画質特性値と目標画質特性値とに基づいて補正データを生成する具体例について説明する。
図3は、輝度対階調データをグラフ化した図である。同図に示すグラフは4象限図であり、そのうちの第1象限が目標画質特性を表し、第2象限が補正前画質特性を表し、第3象限がルックアップテーブル60による補正画質特性を表す。第1象限の目標画質特性は、横軸が表示装置の入力階調であり、縦軸が表示部の輝度である。第2象限の補正前画質特性は、横軸が表示部の入力階調であり、縦軸が表示部の輝度である。第3象限の補正画質特性は、縦軸が補正LUT(ルックアップテーブル)入力階調であり、横軸が補正LUT出力階調である。
【0030】
まず、手順Aとして、補正データ生成部50は、第1象限において表示装置入力階調値xを選択し、その表示装置入力階調値xに対応する目標輝度値yを求める。
次に、手順Bとして、補正データ生成部50は、第2象限を適用して、目標輝度yに対応する表示部入力階調値x’(シングルクォーテーション)を求める。
次に、手順Cとして、補正データ生成部50は、表示装置入力階調値xを補正LUT入力階調値xとし、この補正LUT入力階調値xと表示部入力階調値x’(シングルクォーテーション)との交点を補正データとして決定する。
補正データ生成部50は、上記手順Aから手順Cまでを全ての階調に対して繰り返し実行することによって、第3象限に示す補正画質特性を得ることができ、この第3象限の補正画質特性値をルックアップテーブル60に設定する補正データとする。
【0031】
次に、ステップS5において、補正データ生成部50は、ステップS4の処理において生成した補正データをルックアップテーブル60に書き込む。例えば、補正データ生成部50は、生成した第1の補正データをルックアップテーブル60に書き込む。
【0032】
次に、ステップS6において、制御部90は、目標画質特性記憶部30に他の目標画質特性値が記憶されているか否かを判定する。そして、制御部90は、目標画質特性記憶部30に他の目標画質特性値が記憶されていると判定した場合は、ステップS3の処理に戻る。一方、制御部90は、目標画質特性記憶部30に他の目標画質特性値が記憶されていないと判定した場合は、本フローチャートの処理を終了する。
【0033】
2回目のステップS3において、目標画質特性取得部40は、制御部90の制御によって目標画質特性記憶部30に記憶された残りの種類の目標画質特性値の中から一種類の目標画質特性値を選択して読み込み保持する。例えば、目標画質特性取得部40は、制御部90の制御によって目標画質特性記憶部30に記憶された輝度対階調データを含む残りのプロファイルデータ31b,31cからプロファイルデータ31bを読み込んで保持する。
【0034】
次に、2回目のステップS4において、補正データ生成部50は、目標画質特性取得部40から目標画質特性値を取り込む。次に、補正データ生成部50は、ステップS2の処理において既に読み込んである補正前画質特性値と本ステップS4において取り込んだ目標画質特性値とに基づいて補正データを生成する。例えば、補正データ生成部50は、目標画質特性取得部40から輝度対階調データを含むプロファイルデータ31bを取り込む。次に、補正データ生成部50は、既に読み込んである輝度対階調データと取り込んだプロファイルデータ31bとに基づいて、ビデオカメラによる撮影映像の表示に適した画質特性に補正するための第2の補正データを生成する。
【0035】
次に、2回目のステップS5において、補正データ生成部50は、2回目のステップS4の処理において生成した補正データを、ルックアップテーブル60の前回の書き込み領域とは異なる領域に書き込む。例えば、補正データ生成部50は、生成した第2の補正データをルックアップテーブル60の第1の補正データの記憶領域とは異なる領域に書き込む。
【0036】
3回目以降のステップS3−S5の処理については、2回目のステップS3−S5の処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、例えば1000時間等の使用期間が経過するごとに一回の画質校正処理を実行することにより、表示装置1は、画質特性検出部10が検出した補正前画質特性値と目標画質特性記憶部30に記憶された全ての目標画質特性値とに基づいて、ルックアップテーブル60に設定された全てのプロファイルに対応する補正データを更新することができる。
よって、本実施形態である表示装置1によれば、長期間の使用に伴って変化した表示部70の画質を、簡単な操作によって全てのプロファイルに対応して補正することができる。
【0038】
なお、上述した実施形態である表示装置の一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。この場合、その機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺装置のハードウェアを含むものである。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに内蔵される磁気ハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバ装置やクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はその実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、図2の校正手順では補正データの作成を行わず、補正前画質特性値の記憶だけを行うことが考えられる。この場合は、後日、特定のプロファイルデータが指定された時点で補正データを計算する。指定された時点とは、例えば、電源投入時やユーザによる画質設定変更時である。補正データを記憶するルックアップテーブルは、現在表示されているプロファイルデータの容量だけを有すればよい。このため、プロファイルデータの数が多くなった場合の、ルックアップテーブル数や計算時間等、実装コストを削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、表示装置、例えば、表示パネルを含む直視型の表示装置、CRTを含む表示装置、投射型投影装置であるプロジェクタに利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 表示装置
10 画質特性検出部
20 補正前画質特性記憶部
30 目標画質特性記憶部
31a,31b,31c プロファイルデータ
40 目標画質特性取得部
50 補正データ生成部
60 ルックアップテーブル
70 表示部
80 操作部
90 制御部
図1
図2
図3