(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773457
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】帯電体除電容器とこれを用いた帯電体除電方法
(51)【国際特許分類】
H05F 3/04 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
H05F3/04 B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-121269(P2013-121269)
(22)【出願日】2013年6月7日
(65)【公開番号】特開2014-238988(P2014-238988A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2014年12月25日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135427
【氏名又は名称】株式会社ハーモ
(74)【代理人】
【識別番号】100077621
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100146075
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100092819
【弁理士】
【氏名又は名称】堀米 和春
(74)【代理人】
【識別番号】100141634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 善博
(74)【代理人】
【識別番号】100141461
【弁理士】
【氏名又は名称】傳田 正彦
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 弘樹
【審査官】
高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−081917(JP,A)
【文献】
特開2001−315894(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05F 3/04
B65G 53/00−53/66
B65D 88/00−90/66
B29C 45/00−45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電体が収容可能であると共に電気的にフロートさせた金属容器と、
該金属容器と電気的に接続した状態で前記金属容器の外表面に立設されたコロナ放電用電極と、を有し、
前記金属容器内に収容された前記帯電体が有する静電エネルギーは、前記金属容器で発生する静電誘導を介して前記金属容器の外表面に移動すると共に、前記コロナ放電用電極からコロナ放電されることにより前記静電エネルギーが消費され、前記帯電体が除電処理されることを特徴とする帯電体除電容器。
【請求項2】
前記帯電体は樹脂ペレットであり、
一端が前記金属容器に連結され、他端が前記樹脂ペレットの材料タンクにそれぞれ連結された管路に形成された搬送路と、
前記金属容器に接続されたエア吸引装置と、をさらに有し、
前記エア吸引装置によるエア吸引により前記樹脂ペレットが前記搬送路内を搬送可能に設けられていて、
前記金属容器は、前記管路の前記エア吸引装置と前記材料タンクとの中途位置において、前記樹脂ペレットを樹脂成形部に供給するためのホッパーとして配設されていることを特徴とする請求項1記載の帯電体除電容器。
【請求項3】
搬送路内において帯電体を搬送する際に生じる静電気を前記帯電体から除去するための帯電体除電方法であって、
前記搬送路の中途位置に配設された請求項1または2に記載の帯電体除電容器における金属容器の内部に前記帯電体を収容する工程と、
前記金属容器の内部に収容した前記帯電体の静電気による静電エネルギーを、前記金属容器で発生する静電誘導を介して前記金属容器の外表面に移動させると共に、前記コロナ放電用電極からコロナ放電させることにより、前記静電エネルギーを消費する工程と、を有していることを特徴とする帯電体除電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電体除電容器とこれを用いた帯電体除電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸引装置を用いて樹脂ペレットをホッパーとしての金属容器に搬送する際、樹脂ペレットが搬送路を形成する搬送ホースとの接触や樹脂ペレット同士の接触により帯電することが知られている。また、樹脂ペレットは搬送路内を搬送される前に既に帯電している場合も多い。
【0003】
複数種類の樹脂ペレットを用いた樹脂成形を行う際において樹脂ペレットが帯電していると、複数種類の樹脂ペレットを均一に分散させることができないことがある。すなわち樹脂ペレットを適切な配合状態で樹脂成形部に供給することができなくなり、色ムラの発生や、機械的強度の低下等に代表される樹脂成形品の品質に悪影響を与えることがあるといった問題がある。
また、帯電状態にある樹脂ペレットは、周囲に静電誘導や
誘電分極を引き起こし、搬送先である金属容器等に投入された後、静電気の作用により金属容器等に付着してしまい、金属容器等に配設された材料検出センサが材料の有無を誤検出し、材料切れのために後工程が停止してしまうといった問題もある。
【0004】
このような問題を解決すべく、金属容器内に自己放電用電極を配設した樹脂ペレットの除電装置を配設した構成(たとえば特許文献1)や、樹脂ペレットの搬送路中のいずれかの箇所に樹脂ペレットを除電するためのイオナイザーを配設した除電装置の構成(たとえば非特許文献1や非特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−113837号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】株式会社イーエステクノ、“静電気は、空気(ダクト、ホース、パイプ)輸送時の輸送物同士、内壁面との接触により電位を蓄え、ゴミ 異物の付着、輸送量のバラツキ、詰り、など静電気トラブルの原因となります。対策には静電気除去装置 AT型を!”、[online]、[平成25年6月7日検索]、インターネット<URL:http://estecno.jp/seidenki/AT_gata.html>
【非特許文献2】株式会社松井製作所、“イオナイザ(静電気対策機器) / 改善提案商品 / 提案商品 / 株式会社松井製作所”、[online]、[平成25年6月7日検索]、インターネット<URL:http://matsui-mfg.co.jp/suggest/isp/ionizer.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されている除電装置では、樹脂ペレットが収容される容器の内部空間に自己放電用電極が配設されることになり、万が一自己放電用電極が破損してしまうと搬送路内へ異物が混入するおそれがあるといった課題がある。また一般に樹脂ペレットは低湿度に管理されているが、この除電装置はイオンを拡散させるために外部から空気を導入しており、樹脂ペレットが吸湿してしまうといった課題がある。
また、非特許文献1や非特許文献2に開示されているイオン中和方式の除電装置の構成によると、帯電している樹脂ペレットにイオンを付着させることにより樹脂ペレットを電気的に中和させている。このため、樹脂ペレットを電気的に中和させるために必要なプラスまたはマイナスのイオンを樹脂ペレットの表面に適切に供給するように運用できなければ、想定しているような除電効果が得られないことがあるといった課題もある。
【0008】
そこで本発明は、帯電体を外部から間接的に除電することが可能な帯電体除電容器とこれを用いた帯電体除電方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意研究を行った結果、以下の構成に想到した。
すなわち、帯電体が収容可能であると共に電気的にフロートさせた金属容器と、該金属容器と電気的に接続した状態で前記金属容器の外表面に立設されたコロナ放電用電極と、を有し
、前記金属容器内に収容された前記帯電体が有する静電エネルギーは、前記金属容器で発生する静電誘導を介して前記金属容器の外表面に移動すると共に、前記コロナ放電用電極からコロナ放電されることにより前記静電エネルギーが消費され、前記帯電体が除電処理されることを特徴とする帯電体除電容器である。これにより、容器内部には何ら手を加えることなく、間接的なコロナ放電により帯電体を除電することができる。
【0013】
また、前記帯電体は樹脂ペレットであり、一端が前記金属容器に連結され、他端が前記樹脂ペレットの材料タンクにそれぞれ連結された管路に形成され
た搬送路と、前記金属容器に接続されたエア吸引装置と、をさらに有し、前記エア吸引装置によるエア吸引により前記樹脂ペレットが
前記搬送路内を搬送可能に設けられていて、前記金属容器は、前記管路の前記エア吸引装置と前記材料タンクとの中途位置において、前記樹脂ペレットを樹脂成形部に供給するためのホッパーとして配設されていることが好ましい。この構成によれば、除電された状態の樹脂ペレットを樹脂成形部に供給することが可能になり、樹脂成形品に色ムラが発生することがなく、設計通りの機械的強度を得ることができる。
【0014】
また、他の発明として、搬送路内において帯電体を搬送する際に生じる静電気を前記帯電体から除去するための帯電体除電方法であって、前記搬送路の中途位置に配設された上記のうちのいずれかに記載の帯電体除電容器における金属容器の内部に前記帯電体を収容する工程と、前記金属容器の内部に収容した前記帯電体の静電気による静電エネルギーを、
前記金属容器で発生する静電誘導を介して前記金属容器の外表面に移動させると共に、前記コロナ放電用電極からコロナ放電させることにより、前記静電エネルギーを消費する工程と、を有していることを特徴とする帯電体除電方法の発明もある。この構成によれば、除電された状態の樹脂ペレットを樹脂成形部に供給することが可能になり、樹脂成形品に色ムラが発生することがなく、設計通りの機械的強度を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる帯電体除電容器およびこれを用いた帯電体除電方法の構成によれば、容器内部には何ら手を加えることなく、間接的なコロナ放電により帯電体の除電を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態における帯電体除電容器の構成を示す透視正面図である。
【
図2】第2実施形態における帯電体除電容器の構成を示す透視正面図である。
【
図3】
図2に示した帯電体除電容器を備えた樹脂成形装置の概略構成図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本実施形態にかかる帯電体除電容器について図面に基づいて具体的に説明する。本実施形態においては、帯電体Pとして帯電状態にある樹脂ペレットを例示して説明を行うが、帯電体Pは帯電状態にある樹脂ペレットに限定されるものではない。
図1に示すように、帯電体除電容器10は、電気的にフロートな状態にした金属容器20と、金属容器20の外表面に配設されたコロナ放電用電極30とを有している。本実施形態にかかる金属容器20は、円筒と中空の逆円錐台体を組み合わせてなるいわゆるホッパー形状に形成された本体部21と、本体部21の上面開口面を覆う上蓋22とを有している。
【0019】
本体部21の底面には本体部21(金属容器20)を設置部分から電気的にフロートさせるために、絶縁部としての絶縁部材21Aが取り付けられている。
図2に示す本体部21の底面は開口部に形成されており、本体部21の底面の開口部の形状にあわせて平面視円環状の絶縁部材21Aが取り付けられている。この他の形態としては本体部21の底面を閉塞底面に形成し、本体部21の外底面に絶縁部材21Aを取り付けるようにしてもよい。
【0020】
上蓋22は本体部21と同一材料により形成されている。上蓋22は本体部21と螺合等の手段により着脱可能に形成されている。上蓋22の上面側にはコロナ放電用電極30が立設されている。コロナ放電用電極30は、金属容器20(本体部21および上蓋22)と電気的に接続している。
【0021】
本実施形態におけるコロナ放電用電極30としては、いわゆる除電ブラシが採用されている。除電ブラシ以外には、いわゆる金属ワイヤを上蓋22に単数本または複数本立設させた構成や、単数または複数本の金属製の突状体を上蓋22に立設させた構成をコロナ放電用電極30として採用してもよい。なお、金属製の突状体を上蓋22に立設させてコロナ放電用電極30とする場合には、自由端部を先鋭に形成した突状体を採用することで、突状体(コロナ放電用電極30)からのコロナ放電を促進させることができるため好都合である。
コロナ放電用電極30は、上蓋22の取付面に対して直交させておくことが好ましい。
【0022】
次に
図1に示す帯電体除電容器10を用いた帯電体の除電方法について説明する。
図1に示す帯電体除電容器10の本体部21の上蓋22を取り外し、本体部21の内部空間にマイナスに帯電した状態の帯電体Pを適宜の方法で収容させた後、本体部21に上蓋22を装着する。
【0023】
マイナスに帯電した帯電体Pが収容された本体部21は、静電誘導の作用により本体部21の内表面にプラスの電荷が引き寄せられる。このとき、電荷は導体内の電位差を打ち消すように移動するため、プラスの電荷の反対側である本体部21の外表面にはマイナスの電荷が現れる。さらに金属表面は等電位であるから、本体部21と電気的に接続された上蓋22、つまり金属容器20の外表面はマイナスの電荷が等間隔に拡散した状態になり等しい電位を持つ。ここで、もし金属容器20がアースに接続されていれば、外表面の電荷はすみやかにアースへ流れて外表面の電位は0となるが、金属容器20は電気的にフロートさせられているため、外表面の電位は失われない。
【0024】
前述のとおり、金属容器20は絶縁部材21Aを介して設置面に設置されることにより電気的にフロートさせた状態になっていることに加え、金属容器20の一部を構成する上蓋22にはコロナ放電用電極30が配設されているので、本体部21の外表面におけるマイナスの電荷による静電エネルギーにより、コロナ放電用電極30から大気中に向けてコロナ放電が生じることになる。コロナ放電用電極30からコロナ放電がなされると、金属容器20の外表面の静電エネルギーが消費されることになる。すなわち、帯電体Pの持つ静電エネルギーは静電誘導を介して金属容器20の外表面に移動し、コロナ放電によって消費されるから、帯電体Pの静電エネルギーは漸減し、結果的に帯電体Pを除電することができるのである。
【0025】
以上のように、帯電体Pを金属容器20に収容し、収容した帯電体Pの静電エネルギーによって金属容器20の外表面に立設したコロナ放電用電極30から大気中にコロナ放電させた後に、金属容器20の上蓋22を取り外して本体部21から取り出せば、除電された状態の樹脂ペレットを得ることができる。本実施形態にかかる帯電体除電容器10により除電された樹脂ペレットは、帯電体除電容器10(金属容器20)から直接次の工程に送られ、一旦除電処理が行われた樹脂ペレットが再度帯電しないような構成になっている。
【0026】
このように本実施形態にかかる帯電体除電容器10を用いることで、容器内部には何ら手を加えることなく、間接的なコロナ放電により帯電体Pを除電処理することができるため、容器内部に除電装置を組み込むことにより生じていた各種の不具合(電極の破損による異物混入や外部空気の導入による樹脂ペレットの吸湿)を回避することができる点で好都合である。またコロナ放電は帯電体Pの電荷量に応じて自動的に適宜静電エネルギーを消費するので操作や調整が不要である点も好都合である。
【0027】
(第2実施形態)
次に
図2、
図3に基づいて第2実施形態について説明を行う。
図2は、第2実施形態における帯電体除電容器の構成を示す一部透視正面図である。
図3は、
図2に示した帯電体除電容器を備えた樹脂成形装置の概略構成図である。本実施形態における帯電体除電容器10において第1実施形態で説明した帯電体除電容器10と同じ構成部分については、第1実施形態と同じ符号を付すことによりここでの詳細な説明を省略する。
本実施形態にかかる帯電体除電容器10は、
図2に示すように、本体部21の下部が開口部に形成されている点および本体部21に外部との連通部が配設されている点が特徴的である。
【0028】
本体部21(または残量確認部40)の底部に取り付けられている絶縁部材21Aは平面視円環状に形成されている。このように形成された絶縁部材21Aはパッキンとして用いることができる。具体的には
図3に示すように、樹脂成形部90に対して帯電体除電容器10を電気的にフロートさせた状態で取り付けする際において好都合である。
本実施形態では、帯電体除電容器10の直下位置に残量確認部40が配設され、この残量確認部40の直下位置には樹脂成形部90が配設されている。このように本実施形態における帯電体除電容器10は残量確認部40と共に樹脂成形装置100における材料供給ホッパーを構成している。このため絶縁部材21Aは本体部21の底部ではなく残量確認部40の底部に取り付けても構わない。
【0029】
また、
図2に示すように本実施形態における金属容器20には、金属容器20の内部空間と外部とを連通する第1の連通部および第2の連通部が配設されている。
具体的には、金属容器20の本体部21の側面には、第1の連通部としての材料投入部23が配設されている。材料投入部23は、管路である合成樹脂製チューブにより形成された搬送路50を介して材料タンク60に連結されている。また、上蓋22の上面外側には、第2の連通部としてのエア吸引部25が配設されている。さらに、上蓋22の上面内側には、金属製金網などにより空気の通過を許容し帯電体Pの通過を許容しないフィルタ部材27が配設されている。エア吸引部25は、合成樹脂製のエア吸引用チューブ70を介してエア吸引装置80と連結されている。
【0030】
このような金属容器20(帯電体除電容器10)の構成によれば、エア吸引部25にエア吸引用チューブ70を介して連結されたエア吸引装置80によりエア吸引がなされると、金属容器20の内部空間が減圧状態になる。これにより材料タンク60に貯留されている帯電体P(すでに帯電状態、あるいは非帯電状態にある樹脂ペレット)が搬送路50および材料投入部23を介して金属容器20に取り込まれることになる。このとき、材料タンク60からエア吸引された帯電体Pは、搬送路50内をエア搬送される際における搬送路50との摩擦により帯電した状態で金属容器20に取り込まれることになる。エア吸引部25と本体部21との間にはフィルタ部材27が配設されているので、金属容器20に取り込まれた帯電体Pがエア吸引部25から金属容器20の外部に吸引されてしまうことはない。
【0031】
本実施形態にかかる樹脂成形装置100は、図示しないコンピュータに組み込まれた動作制御プログラムにより動作制御がおこなわれている。
具体的には、残量確認部40の内部あるいは外部には材料検出センサが配設されており、材料検出センサの検出結果に基づいてエア吸引装置80のエア吸引動作が制御されている。
【0032】
本実施形態においては、残量確認部40に帯電体除電容器10によって除電処理された樹脂ペレットが供給されることになるため、残量確認部40の内表面に樹脂ペレットが付着することはない。これにより材料検出センサの誤検出がなく、質的および量的に常に適正な状態の樹脂ペレットを樹脂成形部90に供給することができる。したがって樹脂成形部90により得られた樹脂成形品には、色ムラの発生や機械的強度が設計強度に対して低くなってしまうといった不具合がなく、樹脂成形品の歩留まりを高めることができる。
【0033】
本実施形態における帯電体除電容器10における帯電体Pの除電メカニズムは、第1実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本実施形態においても帯電体Pの除電処理はバッチ処理ではあるが、コロナ放電用電極30からコロナ放電による静電エネルギーの消費を利用するので帯電体除電容器10(金属容器20)内は単なる空間にすることができるため、樹脂ペレットが搬送される空間内に破損が生じ得る構成がなく、樹脂成形品に異物が混入するおそれがない点において樹脂成形装置100の維持管理上好都合である。
【0034】
以上、実施形態に基づいて帯電体除電容器10とこれを用いた帯電体除電方法についての詳細な説明を行ったが、本願発明の技術的範囲は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。たとえば、以上の実施形態においては、マイナスに帯電する樹脂ペレットを帯電体Pとして説明しているが、除電処理の対象となる帯電体Pは、プラスに帯電するものであってもよい。
【0035】
また、以上の実施形態におけるコロナ放電用電極30は、上蓋22の上側表面に単純に立設させた構成であるが、この形態に限定されるものではない。たとえば、コロナ放電用電極30の取り付け部分は上蓋22に限定されるものではなく、本体部21の外表面であってもよい。金属表面は等電位であるから金属容器20の外表面にコロナ放電用電極30が立設されていれば効果は変わらないのである。
【0036】
さらには、アースまたは電圧源に接続した他の電極をコロナ放電用電極30の先端部に対して放電ギャップを隔て、かつ、コロナ放電用電極と対向させた状態で配設することが好ましい。この構成によれば、コロナ放電用電極30からのコロナ放電(帯電体の静電エネルギーの消費)が促進されることになり、帯電体の除電処理効率を向上させることができる点において好都合である。
【0037】
また、金属容器20は絶縁部材21Aによって常に電気的にフロートされている必要はない。金属容器20内が空の時は金属容器20をアースに接続して電気的中性にリセットすると、帯電体Pが金属容器20に投入されたときに常に安定した静電誘導が生じるので好都合である。
【符号の説明】
【0038】
10 帯電体除電容器
20 金属容器
21A 絶縁部材
21 本体部
22 上蓋
23 材料投入部
25 エア吸引部
27 フィルタ部材
30 コロナ放電用電極
40 残量確認部
50 搬送路
60 材料タンク
70 エア吸引用チューブ
80 エア吸引装置
90 樹脂成形部
100 樹脂成形装置
P 帯電体(帯電状態にある樹脂ペレット)