(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ぱちんこ遊技機10の前面側における基本的な構造を示す。
【0019】
以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
【0020】
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
【0021】
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口62の拡開機構を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動口62の拡開機構が拡開されたとき、始動口62の開口幅が拡がって入球容易性が向上する。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
【0022】
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備えて構成される。
【0023】
遊技領域52の左方に設けられた特別図柄表示装置61および遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190を含む演出画像の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。ここで、特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。
【0024】
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動する形で装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなどの機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
【0025】
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。
【0026】
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。特別図柄表示装置61の下方には、抽選保留ランプ20が設けられ、その対称的な位置である遊技領域52の右下部には、普通図柄表示装置59の下に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。さらに演出表示装置60の上方および下方には、それぞれ遊技効果ランプ90が設けられている。操作ボタン82は、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
【0027】
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
【0028】
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口66の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
【0029】
特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである変動時間短縮遊技(以下、適宜「時短」という)が開始される。変動時間短縮遊技においては、特別図柄および装飾図柄の変動時間が通常より短縮される。特別図柄および装飾図柄の変動時間は、所定の変動回数の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻される。特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確率変動遊技(以下、適宜「確変」という)が開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
【0030】
図2は、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構造を示す。
【0031】
電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容や複数の可動役物140の動作、遊技効果ランプ90の点灯を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させ、その演出の進行に沿って可動役物140や遊技効果ランプ90の点灯を作動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
【0032】
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。
【0033】
ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90、可動役物140のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や可動役物140、電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
【0034】
メイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、変動パターン決定手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。サブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134、役物制御手段136を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。なお、本実施例のぱちんこ遊技機10は特別遊技終了後に実行される特定遊技の内容を遊技者に報知しない、いわゆる「非報知機」である。
【0035】
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
【0036】
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。当否抽選手段112は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確率変動時には通常確率より当たりの確率が高くなる当否テーブルを参照する。当否抽選手段112は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄の形で変動表示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す装飾図柄が演出表示装置60において変動表示される。
【0037】
図柄決定手段114は、特別図柄を決定するための特別図柄抽選値を取得し、当否抽選手段112による当否判定結果と特別図柄抽選値とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。この特別図柄の停止図柄によって当否および時短や確変への移行可否が決定される。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。図柄決定手段114は特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄の停止図柄を当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。
図4は、当否抽選手段112で使用される当否テーブルにおける当否抽選値と当否の対応関係、及び図柄決定手段114で使用される特別図柄決定テーブルにおける特別図柄抽選値と特別図柄の対応関係を示す説明図である。
図4の場合、通常時に参照する通常確率の当否テーブルにおける当否抽選値を示している。例えば、当否抽選値「0」〜「255」が当たりであり、当否抽選値「256」〜「65535」が外れとなる。また、図柄決定手段114は、当否抽選手段112による抽選が当たりの場合、「0」〜「254」の間の特別図柄抽選値を用いて複数の特別図柄の中からいずれか1つを決定する。本実施例の場合、「0」〜「9」の10種類の特別図柄の中からいずれか1つを決定する。例えば、特別図柄抽選値「0」〜「99」が特別遊技終了後に「確変」へ移行することを示す「確変図柄」であり、特別図柄抽選値「100」〜「255」が特別遊技終了後に「非確変」へ移行することを示す「非確変図柄」である。なお、「非確変」の場合は、「時短」へ移行するものとしてもよい。そして、特別図柄抽選値「0」〜「19」が確変図柄「9」に対応し、特別図柄抽選値「20」〜「39」が確変図柄「8」に対応する。以下同様に、特別図柄抽選値「40」〜「99」が確変図柄「7」〜「5」に対応する。一方、特別図柄抽選値「100」〜「130」が非特別図柄「4」に対応し、特別図柄抽選値「131」〜「161」が非特別図柄「3」に対応する。以下同様に、特別図柄抽選値「162」〜「254」が特別図柄「2」〜「0」に対応する。一方、当否抽選値「256」〜「65535」で外れとなった場合、図柄決定手段114は、特別図柄抽選値「255」として、特別図柄とした外れを示す「−」を決定する。
【0038】
図柄決定手段114は、決定した特別図柄の停止図柄を示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。また、演出決定手段132では、取得した変動パターンの変動時間値に従って実質的に同じ変動時間値の演出パターンを選択する。
【0039】
なお、図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
【0040】
変動パターン決定手段115は、パターン決定抽選値を取得する。なお、変動パターン決定手段115は、特別図柄の変動過程が定められた変動パターンとパターン決定抽選値との対応関係が互いに異なる複数のパターン選択テーブルを保持する。変動パターン決定手段115は、複数のパターン選択テーブルのうち一つを参照して、取得されたパターン決定抽選値に対応する変動パターンを選択する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間値をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
【0041】
本実施例の場合、変動パターン決定手段115は、特別図柄が当たりを示す場合、その特別図柄の表示に起因して発生した特別遊技の終了後の通常遊技が特定遊技に移行している間に使用するパターン選択テーブルを変更する。変動パターン決定手段115はこのようなパターン選択テーブルの変更を行うために参照するテーブルとして、それぞれが複数種類の当たり特別図柄を含む複数の当たり図柄群とパターン選択テーブルとの対応関係を定めた図柄対応テーブルを保持する。当たり図柄群に含まれる複数種類の当たり特別図柄は、それぞれによって実行される特別遊技の終了後に互いに異なる遊技状態に移行すべきことを示す。つまり、当たり図柄群は、例えば確変状態に移行することを示す「確変図柄」と確変状態に移行しないことを示す「非確変図柄」を含む。そして、変動パターン決定手段115は、図柄決定手段114によって当たり特別図柄が選択された場合、次回以降で変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルを図柄対応テーブルを参照して、特別遊技への移行を示した特別図柄に応じて変更する。
【0042】
図5は、図柄対応テーブルが規定する複数の当たり図柄群と各当たり図柄群に含まれる特別図柄と、パターン選択テーブルとの関係を示している。なお、図柄対応テーブルによって決定されるパターン選択テーブルは、通常遊技が特定遊技でない場合に常用的に使用する常用パターン選択テーブルと区別するため、本実施例では「特殊パターン選択テーブル」と呼ぶ。
図5の場合、説明を簡略化するため当たり図柄群を2個とする場合を示すが、当たり図柄群の数は複数であれば適宜変更してよい。
【0043】
図5の場合、当たり図柄群Aは確変図柄として「9」、「8」、「7」を含み、非確変図柄として「4」、「3」を含む。そして、図柄決定手段114によって選択された特別図柄が、当たり図柄群Aに含まれる場合、特別遊技終了後に変動パターンを選択するときに使用するパターン選択テーブルとして、当たり図柄群Aに対応する第1パターン選択テーブルが選択される。一方、当たり図柄群Bは確変図柄として「6」、「5」を含み、非確変図柄として「2」、「1」、「0」を含む。そして、図柄決定手段114によって選択された特別図柄が、当たり図柄群Bに含まれる場合、特別遊技終了後に変動パターンを選択するときに使用するパターン選択テーブルとして、当たり図柄群Bに対応する第2パターン選択テーブルが選択される。つまり、特別図柄が例えば確変図柄である「9」の場合でも非確変図柄である「4」の場合でも同じ第1パターン選択テーブルを使用して同じ選択傾向により変動パターンを選択することになる。また、特別図柄が例えば確変図柄である「6」の場合でも非確変図柄である「2」の場合でも同じ第2パターン選択テーブルを使用して同じ選択傾向により変動パターンを選択することになる。また、特別図柄が同じ確変図柄でも「8」の場合と「5」の場合では、「8」の場合は第1パターン選択テーブルを使用して変動パターンを選択し、「5」の場合は第2パターン選択テーブルを使用して変動パターンを選択することになる。同様に、特別図柄が同じ非確変図柄でも「3」の場合と「0」の場合では、「3」の場合は第1パターン選択テーブルを使用して変動パターンを選択し、「0」の場合は第2パターン選択テーブルを使用して変動パターンを選択することになる。つまり、同じ確変への移行を示す確変図柄でありながら当たり図柄群が異なれば、異なる選択傾向により変動パターンを選択することになる。
【0044】
図6は、第1パターン選択テーブルにおけるパターン決定抽選値と、変動パターンNoとその変動パターンNoが示す変動時間との関係を概念的に示している。
図6に示すように、第1パターン選択テーブルは、変動時間として「90秒」〜「30秒」等の比較的長い変動時間が多く選択されるように定められたパターン選択テーブルである。
図6の場合、全体の約80%が30秒以上の長い変動時間に対応付けられ、残りの約20%が「15秒」以下の比較的短い変動時間に対応付けられている。したがって、第1パターン選択テーブルを使用する場合、長い変動パターンが頻繁に選択されるようになる。
【0045】
図7は、第2パターン選択テーブルにおけるパターン決定抽選値と、変動パターンNoとその変動パターンNoが示す変動時間との関係を概念的に示している。
図7に示すように、第2パターン選択テーブルは、変動時間として「5秒」〜「20秒」等の比較的短い変動時間が多く選択されるように定められたパターン選択テーブルである。
図7の場合、全体の約80%が20秒以下の短い変動時間に対応付けられ、残りの約20%が「60秒」〜「80秒」等の比較的長い変動時間に対応付けられている。したがって、第2パターン選択テーブルを使用する場合、短い変動パターンが頻繁に選択されるようになる。
【0046】
つまり、特定遊技中に、図柄決定手段114によって確変図柄「9」、「8」、「7」が選択されても非確変図柄「4」、「3」が選択されても長い変動パターンが頻繁に選択されるようになる。一方、特定遊技中に、図柄決定手段114によって確変図柄「6」、「5」が選択されても非確変図柄「2」、「1」、「0」が選択されても短い変動パターンが頻繁に選択されるようになる。言い換えれば、当否結果が当たりのときに選択された特別図柄が確変図柄であっても非確変図柄であっても同じ当たり図柄群に含まれていれば次回以降で変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルとして同じパターン選択テーブルが使用される。また、当否結果が当たりのときに選択された図柄が確変図柄でも過去の確変図柄と異なる当たり図柄群に含まれるもにであれば、次回以降で変動パターンを選択するときに参照すべきパターン選択テーブルとして、過去に選択されたパターン選択テーブルとは異なるテーブルが使用される。このように特別遊技後の遊技状態が遊技者に有利な遊技状態に移行している場合でも遊技者に有利な当たり態様を示唆する変動パターンをあまり選択しない第2パターン選択テーブルを使用する状況を作れる。逆に特別遊技後の遊技状態が遊技者に有利な遊技状態に移行していない場合でも遊技者に有利な当たり態様を示唆する変動パターンを選択し易い第1パターン選択テーブルを使用する状況を作れる。例えば、第1パターン選択テーブルに含まれる変動パターンの選択傾向と第2パターン選択テーブルに含まれる変動パターンの選択傾向を互いに大きく異ならせることもできる。この場合、確変であることをにおわせないような短い変動パターンばかりが選択されるが、実は確変状態で短い遊技時間で特別遊技に移行させるような意外性の強い遊技性を作ることができる。逆に確変であることをにおわせるような長い変動パターンが頻繁に選択されるが、実は非確変状態でなかなか特別遊技に移行しないが、変動時間の長いスーパーリーチ等が多く表示され特別遊技移行への大きな期待を持たせるような遊技性を作ることができる。このように、特別遊技移行を決定したときの特別図柄と、特別遊技終了後に変動パターンが選択されるときに使用されるパターン選択テーブルの関連性を低くすることができる。その結果、特別遊技終了後の遊技状態がどの様な状態に移行しているか予想がし難くなり、遊技がどのように推移する興味を持たせることができると共に、確変等の有利な状態かもしれないという期待感を高めて遊技意欲の向上に寄与できる。また、特別遊技後の遊技状態が有利な状態か否か遊技者に判別させ難くすることが可能になり、遊技者にとって予想外の変動パターンが選択されるようなパターン選択テーブルを用いた遊技性を提供可能となり、遊技の面白み向上に寄与できる。
【0047】
図8は、第1パターン選択テーブルよりさらに高い確率で遊技者に有利な当たり態様を示唆する変動パターンを選択する第3パターン選択テーブルを示している。例えば、従来から当たり図柄として確変確定など特別な意味を持つ特別図柄として「7」等を採用することがある。
図8は、第3パターン選択テーブルにおけるパターン決定抽選値と、変動パターンNoとその変動パターンNoが示す変動時間との関係を概念的に示している。
図8に示すように、第3パターン選択テーブルは、変動時間として「30秒」〜「100秒」等の比較的長い変動時間が多く選択されるように定められたパターン選択テーブルである。
図8の場合、全体の約95%が30秒以上の長い変動時間に対応付けられている。したがって、第3パターン選択テーブルを使用する場合、長い変動パターンがほぼ選択されるようになる。つまり、特定遊技中に、図柄決定手段114によって確変図柄「7」が選択された場合、ほぼ毎回長い変動パターンが選択されるようになる。このような所定の当たり態様を示唆する当たり特別図柄が選択された場合に、第3パターン選択テーブルを用いるようにすることで、現在の遊技状態が有利か否かどちらだろうかという不確実性を楽しませつつ、特定の特別図柄の場合には遊技者の当たりへの期待感を一気に向上させる遊技性を提供可能になる。
【0048】
なお、上述した
図4に示す例では、特別図柄抽選値として「確変図柄」を選択する場合、「9」〜「5」の特別図柄をほぼ均等の確率で選択する例を説明したが、別の実施例では、「9」〜「5」の特別図柄の選択確率を変化させてもよい。例えば、図柄決定手段114は、特別図柄抽選値として確変図柄を引くことが決定された場合、
図6に示す第1パターン選択テーブルを選択する当たり図柄群Aに含まれる確変図柄「9」、「8」、「7」を第2パターン選択テーブルを選択する当たり図柄群Bに含まれる確変図柄「6」、「5」より高い確率で選択するようにしてもよい。このように確変図柄の場合に、第1パターン選択テーブルが選択され易くすることにより現在の遊技状態が有利か否かどちらだろうかという不確実性を楽しませつつ、遊技者の特別図柄による遊技状態の予想を大きく裏切ることのない遊技性を提供できる。ただし、第2パターン選択テーブルを選択する確変図柄「6」や「5」も選択可能なので、たまに予想を裏切るような変動パターンを選択するような遊技性を提供することもできる。その結果、変動パターンの選択に意外性を持たせることが可能となり遊技の面白み向上に寄与できる。
【0049】
なお、上述の説明では、図柄決定手段114が特別図柄抽選値により特別図柄の停止図柄を決定し、変動パターン決定手段115がパターン決定抽選値により変動パターンを決定する例を示した。別の実施例では、図柄決定手段114と変動パターン決定手段115が同じ抽選値を用いて特別図柄の停止図柄と変動パターンを決定してもよい。
【0050】
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。
【0051】
メイン表示制御手段118は、当否抽選手段112による抽選の結果を決定された変動パターンで規定された変動時間値にしたがって特別図柄を変動表示として特別図柄表示装置61に表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
【0052】
特別遊技制御手段120は、当否抽選手段112による当否抽選結果が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、大入賞口66の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において大入賞口66を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技の上限回数を消化した場合には、特別遊技を終了させる。
【0053】
特定遊技実行手段122は、遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技には、当否抽選の当選確率を通常確率の状態から高確率の状態へ切り替える確変と、図柄変動時間を通常時間より短時間へ切り替える時短とがある。
【0054】
特定遊技実行手段122は、当否抽選値が確変状態へ移行すべき値であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させる。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、確変に移行しないときには、特別遊技後に遊技状態を時短の状態へ移行させる。時短は、特別遊技後の特別図柄の変動回数が所定回数、たとえば100回に至るまで継続される。
【0055】
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
【0056】
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当たりへの期待度の高さを予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
【0057】
変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
【0058】
演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄の組合せとその配置および変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターン選択テーブルを保持する。
【0059】
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄として揃える数字には、特別図柄と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、特別図柄が「3」の場合は装飾図柄が「333」となる。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
【0060】
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当たり態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当たりへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
【0061】
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
【0062】
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定するとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当たりの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当たりへの期待度の高さを示唆することができる。
【0063】
演出表示制御手段134は、当否抽選手段112による当否抽選の結果として、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60へ演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
【0064】
役物制御手段136は、演出表示制御手段134から受け取る指示にしたがい、演出表示装置60における演出内容や遊技効果ランプ90の点滅過程に沿って、可動役物140を演出的に動作させる。
【0065】
図9は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
【0066】
図10は、
図9におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。保留制御手段116に特図抽選値の保留がなされている場合であって(S20のY)、図柄変動が表示中でなければ(S21のN)、当否判定や特別図柄192や装飾図柄190の図柄決定、変動パターンの選択などが処理され(S22)、特別図柄192および装飾図柄190の変動表示が開始される(S23)。S20において特図抽選値が保留されていなかった場合は(S20のN)、S21からS23までの処理がスキップされる。S21において既に図柄変動中であれば(S21のY)、S22とS23の処理がスキップされる。
【0067】
ここで、図柄の変動表示中でなければ(S24のN)、S14の図柄変動処理はそのまま終了する。一方、図柄の変動表示が開始済であれば(S24のY)、図柄の変動表示を処理し(S25)、変動時間が変動停止タイミングまで達したとき(S26のY)、図柄の変動表示は停止される(S27)。特定遊技中であって(S28のY)、その特定遊技が確変であって(S29のY)、特図抽選が当たりの場合(S30のY)、特定遊技を終了する(S31)。また、S30において、特図抽選が外れの場合(S30のN)、S31の処理をスキップしてこのフローを終了する。一方、S28において特定遊技中であって(S28のY)、その特定遊技が確変でない場合、つまり時短の場合(S29のN)、図柄の変動回数をインクリメントし(S32)、その変動回数が所定の継続回数に達すれば(S33のY)、特定遊技を終了する(S31)。変動回数が継続回数に達していなければ(S33のN)、S31をスキップしてこのフローを終了する。S28において、特定遊技中でなかった場合(S28のN)、S29らS31までの処理をスキップする。S26において、図柄の停止タイミングでなかった場合もまたS14のフローを終了する(S26のN)。
【0068】
図11は、
図10におけるS22の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、当否抽選手段112が当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。図柄決定手段114は、当否判定結果に基づいて特別図柄の停止図柄を決定し(S46)、変動パターン決定手段115は特別図柄の変動パターン決定処理を実施する(S48)。また、変動パターン決定手段115は、特別図柄が当たりの場合(S50のY)、次回の変動パターン選択時に使用するパターン選択テーブルを変更する変更処理を実行する(S52)。つまり、特別図柄が当たりの場合、
図6や
図7に示すような特殊パターン選択テーブルの中からいずれかのパターン選択テーブルを選択する。演出決定手段132は、当否結果に基づいて装飾図柄の停止図柄を決定すると共に(S54)、変動パターン決定手段115で決定された変動パターンの変動時間値に対応する演出パターンを選択する(S56)。S50において、特別図柄が外れの場合は(S50のN)、S52の処理をスキップする。
【0069】
図12は、
図11におけるS48の特別図柄の変動パターンの決定処理を詳細に示すフローチャートである。遊技状態が特定遊技の場合(S60のY)、前回特別遊技に移行するときに決定した特殊パターン選択テーブルを選択して(S62)、特別図柄の変動パターンを決定する(S64)。また、S60において、特定遊技中でない場合で(S60のN)、保留球数が所定数、例えば3個以上の場合(S66のY)、保留球数に応じた短時間変動の変動パターンを選択する保留別選択テーブルを選択して(S68)、特別図柄の変動パターンを決定する(S64)。また、S66において、保留数が所定数未満の場合(S66のN)、主としてリーチなしの演出に対応する変動パターンやノーマルリーチの演出に対応する変動パターンを比較的多く選択するようにパターン決定抽選値と変動時間が対応付けられた常用パターン選択テーブルを選択する(S70)。そして、特別図柄の変動パターンを決定する(S64)。
【0070】
図13は、
図11におけるS52の特殊パターン選択テーブルの変更処理を詳細に示すフローチャートである。図柄決定手段114が選択した特別図柄が当たりを示す図柄の場合(S72のY)、変動パターン決定手段115は特別図柄の図柄情報を取得する(S74)。そして、特別図柄に応じて当たり図柄群を選択し(S76)、次回の変動パターンの選択時に使用する特殊パターン選択テーブルを決定する(S78)。そして、次回の変動パターンに備えて、特殊パターン選択テーブルを変更する(S80)。S72において、図柄決定手段114が選択した特別図柄が外れを示す図柄の場合(S72のN)、S74〜S80の処理をスキップしてこの処理を終了する。
【0071】
図14は、
図9におけるS16の特別遊技を詳細に示すフローチャートである。まず、大入賞口66がまだ開放済でない場合(S100のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S102)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S104)。大入賞口66が開放済であればS102およびS104をスキップする(S100のY)。大入賞口66が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S106のY)、または、開放時間が経過していないものの(S106のN)、大入賞口66への入球数が9球以上に達した場合(S108のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S110)。開放時間が経過しておらず(S106のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S108のN)、S110以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
【0072】
S110における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合(S112のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S114)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させ(S116)、特定遊技、すなわち確変または時短の実行を開始する(S118)。例えば、確変当たりであったときには、特定遊技実行手段122は当否抽選のための当否テーブルとして高確率の当否テーブルを設定し、通常当たりであったときには、低確率の当否テーブルを設定する。通常当たりの場合、特定遊技実行手段122は変動短縮遊技を開始する。S112において、単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S112のN)、ラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S119)。
【0073】
本実施例では、当たり図柄群として、A、Bを示し、当たり図柄群Aが確変図柄「9」、「8」、「7」と非確変図柄(時短図柄)「4」、「3」を含み、当たり図柄群Bが確変図柄「6」、「5」と非確変図柄(時短図柄)「2」、「1」、「0」を含む場合を示した。そして、当たり図柄群Aが、確変を示唆する変動パターンを頻繁に選択する第1パターン選択テーブルに対応付けられ、当たり図柄群Bが、時短を示唆する変動パターンを頻繁に選択する第2パターン選択テーブルに対応付けられる例を示した。別の実施例として、第1パターン選択テーブルのみ確変を示唆するような選択傾向のパターン選択テーブルとして、第2パターン選択テーブルは常用パターン選択テーブルを対応付けてもよい。この場合でも、当たり図柄群Aと当たり図柄群Bは異なる傾向のパターン選択テーブルを選択することができるので、本実施例と同様な効果を得ることができる。しかも、当たり図柄群に対応させて保持するパターン選択テーブルの数を削減できるのでメイン基板102側でのデータ記憶領域の使用量を削減でき、空いた領域を他の制御のために利用することができる。
【0074】
また、別の実施例として、各当たり図柄群に含まれる特別図柄は、特別遊技の終了後に互いに異なる遊技状態に移行すべきことを示すものの組合せであれば確変図柄や非確変図柄の数や組合せは適宜変更してもよい。例えば、各当たり図柄群は、確変図柄と非確変図柄をそれぞれ1つずつ含むようにしてもよい。この場合、限られた特別図柄の種類を用いて多くの当たり図柄群を形成し対応する特殊パターン選択テーブルを選択できるようにできる。このように、利用できる特殊パターン選択テーブルを増やすことにより、特別遊技終了後の遊技状態がどの様な状態に移行しているかの予想がさらにし難くなり遊技者にとって予想外の変動パターンが選択されるようなパターン選択テーブルを用いた遊技性を提供可能となり、遊技の面白み向上に寄与できる。
【0075】
本実施例では、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機について説明したが、特別遊技終了後の遊技状態を非報知とする機種であれば、本実施例と同様の効果を得ることができる。例えば、第1種ぱちんこ遊技機を複数融合させた複合機と呼ばれる遊技機や、第1種ぱちんこ遊技機と第2種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機を複合させた遊技機にも本実施例の技術が適用可能である。また、本実施例では、装飾図柄190がスロットマシンのように変動する表示形態を一例に説明したが、例えば、変動時間値に対応する時間内であれば、ムービーなど映像を表示する演出でもよい。
【0076】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。