(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、
図3に示す代表的な実施例に示されるように、
開口部装置(サッシ1)と外壁材2Aの境界部に配置される枠周り部材(庇部材10)が、サッシ1の枠部材(上枠部材40)と外壁材2Aの間の箇所(間に形成される隙間100)を通して
躯体4に固定される、こととするものである。
【0025】
これにより、枠周り部材の固定について、外壁材2Aに対するネジ止めが行われないため、外壁材2Aの損傷や、ネジ止め部からの浸水といった不具合の発生を防止できる。なお、「開口部装置の枠部材と、前記外壁材の間の箇所を通して躯体に固定される」とは、外壁材よりも室外側に配置される部位を有する枠周り部材を、外壁材よりも室内側に配置される躯体に固定するために、外壁材2A(端面2m)と枠部材(上枠部材40)の境界部の空間(以下の実施例では隙間100)を利用することを意味するものである。
【0026】
また、
図3に示すごとく、枠周り部材としての庇部材10は、
躯体4に固定されるサッシ1の枠部材(上枠部材40)、又は、
躯体4に固定される受部材30に対して取付けられることで、
躯体4に固定される、こととするものである。
【0027】
なお、以下で説明する実施例では受部材30を用いる実施形態としたが、受部材30の嵌合部35(
図6(a)参照)の部位を、
図5に示すように、枠部材(上枠部材40Aの)に嵌合部35Aを形成してもよい。つまり、外壁材2Aと枠部材(上枠部材40Aの上面部41A)の間の箇所に、嵌合部35Aを形成するものである。なお、
図5の例では、上面部41Aに厚肉部41nを設け、この厚肉部41nの上側に嵌合部35Aが形成されることとしている。なお、嵌合部35(
図4参照)や、嵌合部35A(
図5参照)については、外壁材2Aよりも室外側に配置されるものであってもよい。
【0028】
これにより、枠周り部材の固定について、外壁材2Aに対するネジ止めが行われないため、外壁材2Aの損傷や、ネジ止め部からの浸水といった不具合の発生を防止できる。なお、特に、枠部材と別体の受部材30を用いる形態によれば、枠部材の形状を問わずに本発明を適用することができ、汎用性の広い構成とすることができる。
【0029】
また、
図3及び
図4(a)〜(c)に示すごとく、枠周り部材としての庇部材10は、サッシ1の枠部材(上枠部材40)、又は、躯体4に固定される受部材30に対して嵌合固定される、こととするものである。
【0030】
これにより、枠周り部材の取付を容易に行うことができ、作業性に優れた構成を実現することができる。
【0031】
また、
図1に示すごとく、前記枠周り部材は、庇部材10、水切部材20、又は、額縁部材8・9のいずれかである、こととするものである。
【0032】
これにより、これら庇部材10、水切部材20、又は、額縁部材8・9について本発明を適用することができる。
【0033】
また、
図3に示すごとく、枠周り部材(庇部材10)は、室内側の
固定部材11と、室外側の部材(庇形成部12)の二部材で構成している。なお、本明細書中における室内側、室外側とは、各部位の相対位置を特定する場合における室内寄り、室外寄りを意味するものであり、実際に室内、室外に存在することを意味するものではない。
【0034】
これにより、例えば、
固定部材11を共通の部品として使用するとともに、室外側の部材(庇形成部12)を施工箇所に応じて選定するといったことが可能となる。
【0035】
また、
図3及び
図4に示すごとく、室内側の
固定部材11を固定後に、室外側の部材(庇形成部12)を
固定部材11に固定する構成としている。
【0036】
この構成によれば、
固定部材11を単独で躯体側(受部材30)に固定可能となり、受部材30に対する
固定部材11の固定作業、及び、
固定部材11に対する室外側の部材(庇形成部12)の固定作業を、それぞれ容易に行うことが可能となる。特に、室外側の部材が大型となる場合においては、まず、
固定部材11を固定することによって、その後の室外側の部材の
固定部材11に対する固定作業が容易にできることとなる。
【0037】
以下図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る枠周り部材としての庇部材10や、水切部材20の取付けの概要について示す図である。図示せぬ躯体に対し、開口部装置としてのサッシ1や、外壁材2A・2B・2Cが固定され、サッシ1と外壁材2A・2B・2Cの境界部に、庇部材10や水切部材20が配置されるようになっている。
【0038】
また、
図2は、サッシ1と外壁材2A・2Cが躯体4・5に対し固定された状態について示す縦断面図である。
図2に示すごとく、躯体4に対しサッシ1の上部に配置される上枠部材40が固定され、この上枠部材40の室外側斜め上方に、庇部材10が配置される。また、躯体5に対しサッシ1の下部に配置される下枠部材45が固定され、この下枠部材45の室外側斜め下方に、水切部材20が配置される。
【0039】
次に、サッシなどの上部に設けられる庇部材の設置構造について説明する。
また、
図3は、庇部材10の設置構造について示す縦断面図である。
図3に示すごとく、サッシの上枠部材40の固定片43は躯体4に対し固定されており、また、庇部材10を取付けるための受部材30が、スペーサー材3(胴縁などの場合もある)を介して躯体4に対して固定される。
【0040】
また、
図3に示すごとく、庇部材10は、躯体4側に固定される受部材30に取付けられ、外壁材2Aから室外側に突出する状態で設けられている。また、庇部材10は、サッシの上枠部材40の上方であって、その先端の部位が、上枠部材40よりも室外側に配置されるようになっている。
【0041】
また、
図3に示すごとく、庇部材10は、例えば、アルミなどを押出成型、又は、金属板材を板金加工した長尺の部材にて構成することができる。本実施例では、受部材30側に固定される
固定部材11と、
固定部材11に固定されて軒裏12aを形成する庇形成部12と、から構成されている。
【0042】
また、
図3及び
図4(b)に示すごとく、庇部材10の
固定部材11は、断面視略L字状の部材にて構成され、室外側の部位における上部と下部には、係合片部11b・11cが設けられる。また、
固定部材11の室内側の部位には、受部材30に形成される嵌合部35に嵌合される嵌合部11aが設けられる。この嵌合部11aは、溝状の嵌合部35に嵌入される二列の突条にて構成される。また、庇部材10の
固定部材11には、庇形成部12の室内側の下部12dを下側から支持するための支持片部11dが設けられる。
【0043】
また、
図3及び
図4(c)に示すごとく、庇部材10の庇形成部12は、中空の長尺部材にて構成される。また、庇形成部12の室内側の部位には、
固定部材11の係合片部11b・11cにそれぞれ係合するための係合片部12b・12cが設けられる。
【0044】
また、
図4(c)に示すごとく、庇部材10の
固定部材11の係合片部11b・11cに対し、庇形成部12の係合片部12b・12cを係合させることで、
固定部材11と庇形成部12の仮固定がなされ、その後、固定具53を用いた
固定部材11と庇形成部12の固定がなされるようになっている。本実施例では、まず上部の係合片部11b・12b同士を係合し、庇形成部12を倒すようにすることで、下部の係合片部11c・12c同士の係合が行われるようになっており、仮固定の作業が行いやすい構造となっている。
【0045】
また、
図6(a)(b)は、受部材30の構造について示している。
受部材30は、アルミなどを押出成型、又は、金属板材を板金加工した長尺の部材であって、施工現場において、開口部装置の枠の長さ寸法に対応するように、切断加工などによる調整が適宜行うことができるものである。
【0046】
また、
図4(a)及び
図6(a)(b)に示すごとく、受部材30は、スペーサー材3に対する設置面31・32と、この設置面31・32の表面側方向に突出する二つの壁面部33・34を有して構成される。また、壁面部33・34の間には、溝状の嵌合部35が形成される。
【0047】
また、
図3及び
図6(a)(b)に示すごとく、設置面31・32の表面側には、それぞれパッキン材P1・P2が設けられている。パッキン材P1は、設置面31と上枠部材40(上面部41)の間に介挿される。パッキン材P2は、設置面32と外壁材2Aの裏面の間に介挿される。このパッキン材P1・P2は、例えば、ゴム、樹脂、スポンジなどの部材にて構成される。なお、受部材30の具体的構成については、枠周り部材としての庇部材10(或いは水切部材、額縁部材)を固定できるものであれば、上記説明及び各図に開示される形態に限定されるものではない。
【0048】
また、
図3に示すごとく、壁面部34と外壁材2A(端面2m)の間には、シーリング材S2が充填される。これにより、上枠部材40(上面部41)と外壁材2Aの間の箇所(間に形成される隙間100)が、シーリング材S2、及び、受部材30によって塞がれるようになっている。
【0049】
そして、以上のようにして、
図3に示すごとくパッキン材P1によって、受部材30と上枠部材40の上面部41の間の止水を実施することがきる。これにより、受部材30と上枠部材40の間から室内側に水が浸入することを防止することができる。
【0050】
また、
図3に示すごとく、シーリング材S2、及び、パッキン材P2によって、受部材30と外壁材2Aの端面2mの間の止水を二段階で実施することができる。これにより、受部材30と外壁材2A(端面2m)の間から室内側に水が浸入することを防止することができる。
【0051】
また、
図4(a)〜(c)は、庇部材10の取付手順について説明する図である。
この取付手順について説明すると、
図4(a)に示すごとく、まず、サッシの上枠部材40が固定された躯体4(スペーサー材3)に対し、ビスなどの固定具51を用いて受部材30を固定する。なお、スペーサー材3が設けられない施工箇所においては、受部材30が躯体4に直接固定されることが考えられる。
【0052】
次に、
図4(b)に示すごとく、外壁材2Aの設置を行うとともに、外壁材2Aと受部材30(壁面部34)の間にシーリング材S2が充填される。
【0053】
次に、
図4(b)に示すごとく、庇部材10の
固定部材11の嵌合部11aを、受部材30の嵌合部35に嵌合させるとともに、固定具52にて
固定部材11を受部材30に対して固定する。なお、固定具52を用いた固定を行うことにより、受部材30に対する
固定部材11の固定を強固に行うことができ、
固定部材11の意図せぬ脱落や、風による吹き上げ荷重による脱落などの不具合をより確実に抑制可能となる。
【0054】
次に、
図4(c)に示すごとく、庇形成部12の室外側を高くして傾けた状態とし、庇形成部12の室内側上部の係合片部12bを
固定部材11の係合片部11bに係合させ、その後、庇形成部12の室外側を下げるように倒すことで、下部の係合片部11c・12c同士を係合させる。その後、固定具53にて、
固定部材11と庇形成部12が固定される。なお、固定具53を用いた固定を行うことにより、
固定部材11に対する庇形成部12の固定を強固に行うことができ、庇形成部12の意図せぬ脱落や、風による吹き上げ荷重による脱落などの不具合をより確実に抑制可能となる。
【0055】
そして、
図3及び
図4(a)に示すごとく、以上に述べた庇部材10の設置構造においては、外壁材2Aに対するネジ止めが行われないため、外壁材2Aの損傷や、ネジ止め部からの浸水といった不具合の発生を防止できる。また、庇部材10が上枠部材40のレールの部位(垂片42a・42bの部位)に取付けられないため、窓や網戸の開閉に支障が生じることもない。また、庇部材10は受部材30に対して固定されるため、外壁材2Aの裏側に配置される下地と水切部材20の位置合わせを行う必要がない。
【0056】
また、
図3及び
図4(c)に示すごとく、本実施例では、庇部材10を、室内側の
固定部材11と、室外側の庇形成部12のように二部材で構成している。なお、このほか、
固定部材11と庇形成部12の間に別の部材を介装するなどしてもよく、少なくとも
固定部材11と庇形成部12を有する構成であれば、本実施例に沿う形態となる。
【0057】
この構成によれば、例えば、
固定部材11を共通の部品として使用するとともに、庇形成部12を施工箇所に応じて選定するといったことが可能となる。つまり、各施工箇所における仕様に応じて、外壁材からの出幅の大きい庇形成部を選定、或いは、出幅の小さい庇形成部を選定、といった選定の自由度を確保することができる。また、庇形成部12のほかに、別の化粧部材(意匠部材)を取付けることも可能であり、バリエーションに富んだ実施態様を確保することができる。なお、本実施例の他、庇部材10を一部材で構成する実施形態も考えられる。
【0058】
また、
図3及び
図4に示すごとく、室内側の
固定部材11を受部材30に固定後に、室外側の庇形成部12を
固定部材11に固定する構成としている。
【0059】
この構成によれば、
固定部材11を単独で受部材30に固定可能となり、受部材30に対する
固定部材11の固定作業、及び、
固定部材11に対する庇形成部12の固定作業を、それぞれ容易に行うことが可能となる。特に、庇形成部12が大型となる場合においては、まず、
固定部材11を固定することによって、その後の庇形成部12の
固定部材11に対する固定作業が容易にできることとなる。
【0060】
次に、サッシなどの下部に設けられる水切部材の設置構造について説明する。
また、
図7は、水切部材20の設置構造について示す縦断面図である。
図7に示すごとく、サッシの下枠部材45の固定片46が躯体5に対し固定される。また、水切部材20を取付けるための受部材30Aが、スペーサー材3(胴縁などの場合もある)を介して躯体5に対して固定される。
【0061】
また、
図7に示すごとく、水切部材20は、躯体5に固定される受部材30Aに取付けられ、外壁材2Cから室外側に突出する状態で設けられている。また、水切部材20は、サッシの下枠部材45の下方であって、その先端の部位が、下枠部材45よりも室外側に配置されるようになっている。
【0062】
また、
図7に示すごとく、水切部材20は、例えば、アルミなどを押出成型、又は、金属板材を板金加工した長尺の部材にて構成することができる。本実施例では、受部材30A側に固定される固定部21と、固定部21に固定されて上面に水切面22aを形成する水切形成部22と、から構成されている。
【0063】
また、
図8(b)に示すごとく、水切部材20の固定部21は、断面視略コ字状の部材にて構成され、室外側における上部と下部には、係合片部21b・21cが設けられる。また、固定部21の室内側の部位には、受部材30Aに形成される嵌合部35に嵌合される嵌合部21aが設けられる。この嵌合部21aは、溝状の嵌合部35に嵌入される二列の突条にて構成される。
【0064】
また、
図8(c)に示すごとく、水切部材20の水切形成部22には、固定部21の係合片部21b・21cにそれぞれ係合するための係合片部22b・22cが設けられる。そして、固定部21の係合片部21b・21cに対し、水切形成部22の係合片部22b・22cを係合させることで、固定部21と水切形成部22の固定がなされるようになっている。本実施例では、まず上部の係合片部21b・22b同士を係合し、水切形成部22を倒すようにすることで、下部の係合片部21c・22c同士の係合が行われるようになっており、固定の作業が行いやすい構造となっている。
【0065】
また、
図7及び
図8(a)で示される受部材30Aは、
図6(a)(b)に示す受部材30の構造と同様であるため説明を省略する。なお、パッキン材の有無については、受部材の設置箇所に応じて適宜選定することとしてもよい。
【0066】
また、
図7及び
図8(b)に示すごとく、壁面部34と外壁材2C(端面2n)の間には、シーリング材S4が充填される。これにより、下枠部材45と外壁材2Cの間の箇所(間に形成される隙間100A)が、シーリング材S4、及び、受部材30Aによって塞がれるようになっている。
【0067】
以上のようにして、
図7に示すごとく、パッキン材P1によって、受部材30Aと下枠部材45の下面部47の間の止水を実施することがきる。これにより、受部材30Aと下枠部材45の間から室内側に水が浸入することを防止することができる。
【0068】
また、
図7に示すごとく、同様に、シーリング材S4、及び、パッキン材P2によって、受部材30Aと外壁材2Cの端面2nの間の止水を二段階実施することができる。これにより、受部材30Aと外壁材2C(端面2n)の間から室内側に水が浸入することを防止することができる。
【0069】
また、
図8(a)〜(c)は、水切部材20の取付手順について説明する図である。
この取付手順について説明すると、
図8(a)に示すごとく、まず、サッシの下枠部材45が固定された躯体5(スペーサー材3)に対し、ビスなどの固定具55を用いて受部材30Aを固定する。なお、スペーサー材3が設けられない施工箇所においては、受部材30Aが躯体5に直接固定されることが考えられる。
【0070】
次に、
図8(b)に示すごとく、外壁材2Cの設置を行うとともに、外壁材2Cと受部材30A(壁面部34)の間にシーリング材S4がそれぞれ充填される。
【0071】
次に、
図8(b)に示すごとく、水切部材20の固定部21の嵌合部21aを、受部材30Aの嵌合部35に嵌合させるとともに、固定具56にて固定部21を受部材30Aに対して固定する。なお、固定具56を用いた固定を行うことにより、受部材30Aに対する固定部21の固定を強固に行うことができ、固定部21の意図せぬ脱落や、風による吹き上げ荷重による脱落などの不具合をより確実に抑制可能となる。
【0072】
次に、
図8(c)に示すごとく、水切形成部22の室外側を高くして傾けた状態とし、水切形成部22の室内側上部の係合片部22bを固定部21の係合片部21bに係合させ、その後、水切形成部22の室外側を下げるように倒すことで、下部の係合片部21c・22c同士の係合が行われる。
【0073】
そして、
図7及び
図8(a)〜(c)に示すごとく、以上に述べた水切部材20の設置構造においては、外壁材2Cに対するネジ止めが行われないため、外壁材2Cの損傷や、ネジ止め部からの浸水といった不具合の発生を防止できる。また、水切部材20は受部材30Aに対して固定されるため、外壁材2Cの裏側に配置される下地と水切部材20の位置合わせを行う必要がない。
【0074】
また、
図7及び
図8(a)〜(c)に示すごとく、本実施例では、水切部材20を室内側の固定部21と、室外側の水切形成部22のように二部材で構成している。なお、このほか、固定部21と水切形成部22の間に別の部材を介装するなどしてもよく、少なくとも固定部21と水切形成部22を有する構成であれば、本実施例に沿う形態となる。
【0075】
この構成によれば、例えば、固定部21を共通の部品として使用するとともに、水切形成部22を施工箇所に応じて選定するといったことが可能となる。つまり、各施工箇所における仕様に応じて、外壁材からの出幅の大きい庇形成部を選定、或いは、出幅の小さい庇形成部を選定、といった選定の自由度を確保することができる。また、水切形成部22のほかに、別の化粧部材(意匠部材)を取付けることも可能であり、バリエーションに富んだ実施態様を確保することができる。なお、本実施例の他、水切部材20を一部材で構成する実施形態も考えられる。
【0076】
また、
図7及び
図8(a)〜(c)に示すごとく、室内側の固定部21を受部材30Aに固定後に、室外側の水切形成部22を固定部21に固定する構成としている。
【0077】
この構成によれば、固定部21を単独で受部材30Aに固定可能となり、固定作業を容易に行うことが可能となる。特に、水切形成部22が大型となる場合においては、まず、固定部21を固定することによって、その後の水切形成部22の固定部21に対する固定作業を容易にできる。
【0078】
また、以上に説明した実施例においては、開口部装置と外壁材の境界部に配置される枠周り部材(開口部装置の周囲の部位に設けられる部材(機能部材))として、庇部材や水切部材など水平方向に設置される部材の例を用いて説明したが、このほかにも、
図1に示すごとく、サッシなどの開口部装置の縦枠と外壁材の境界部において、縦方向に設置される額縁部材8・9の設置についても、本発明は適用することができる。また、額縁部材8・9の場合においても、上述した庇部材10、水切部材20(
図2参照)と同様に、室内側の固定部と、室外側の化粧部材(意匠部材)の二部材で構成することとしてもよい。また、枠周り部材としては、手すり、花台、シャッター、面格子、目隠し、といった機能部材、或いは、これら機能部材を支持するための部材も考えられる。
【0079】
さらに、
図9に示す実施例のように、水切部材20Aのように、額縁部材8・9の下方に配置される端部水切部材20a・20bと、その間に配置される額縁部材20cの組み合わせからなる構成とすることも考えられる。端部水切部材20a・20bと額縁部材20cとは、一体であってもよく、別体であってもよい。端部水切部材20a・20bにおいては、額縁部材8・9から下方に流れる雨水などの水切りを行うことができる。
【0080】
この
図9の例に示されるように、水切部材20Aなどの機能部材については、その長手方向において複数の部材からなる構成とすることもできる。また、長手方向において、必要な機能(例えば、
図9の例のように、端部においてのみ水切の機能)を持たせることも可能であり、これによれば、部材の製作コストの低減や、意匠性の自由度を向上させることができる。