【実施例】
【0014】
以下に、本発明の一実施例であるハンガーボックス100の構成および作用について図面に基づいて説明する。
なお、各図面は本発明を解りやすく説明するため、省略、誇張したものも含まれており、実際の寸法関係や詳細な形状を特定するものではない。
図1は、本発明の一実施例であるハンガーボックス100の展開図で、ボックス本体110、バー部材150ともに、それぞれ
図1に示す第1平面部材101、第2平面部材102から組み立てられる。
第1平面部材101は、前面板111、一方の側面板112、後面板113、他方の側面板112が配置され、他方の側面板112の外方には直方体に形成する際に前面板111に固定されるボックス形成接着部143が形成されている。
前面板111、一方の側面板112、後面板113、他方の側面板112の下方には、それぞれ底部側延長部142が配置されており、直方体に形成する際にこれらが公知の構造で組み合わされることで底面板115となる。
【0015】
2つの側面板112の上方には、組み立てられた際にバー支持部116を構成する側面板延長部120が設けられており、後面板113の上方には上面板114を構成する後面板延長部130が設けられている。
前面板111の上方側は、直方体に形成した際に公知の構造で開閉可能となる前面開放部140として形成され、上面板114側に折られて係止可能な前面板延長部141が設けられている。
第2平面部材102は、矩形の1枚の板状部材からなり、中央部に底辺部151、その両側方に側辺部152、さらにその両外側に高さ片153が配置されている。
【0016】
側面板延長部120は、先端縁に先端挿入フラップ123が設けられ、側面板112との境界線121から始まり下方折り込み線122より先端縁側まで設けられた溝切り抜き部124を有している。
この側面板延長部120を、
図2(前面板111および底面板115の図示は省略)に示すように、側面板112との境界線121でボックス本体110の内部側に直角に1回、その先端側の下方折り込み線122で下方に1回に折り込み、先端挿入フラップ123を側面板112に設けられた側面切り欠き部127に挿入することで、直方体に形成した際のバー挿入溝117を有するバー支持部116が構成される。
【0017】
後面板延長部130の両側部には側部挿入フラップ131が設けられ、2つの側面板112と側面板延長部120の境界線121上にはそれぞれ側部切り込み部128が設けられ、後面板延長部130を前面板111側に折り、側部挿入フラップ131を側部切り込み部128に挿入することで上面板114が開閉可能かつ固定可能に構成される。
第2平面部材102から組み立てられるバー部材150は、
図2、
図3に示すように、底辺部151の両側方で1回、側辺部152の両側方で1回の内側に折り込むことで、断面三角形の三角柱状に形成されるとともに、高さ片153が底辺部151に達して上下方向の強度を増すように構成される。
なお、バー部材150を第2平面部材102のまま保管、運搬し使用現場で組み立てる場合でも、折った後に粘着テープ等を巻きつけることで組み立てることができる。
【0018】
以上のように構成された本発明の一実施例であるハンガーボックス100の作用について説明する。
ハンガーボックス100は、
図2に示すように、組み立てられたボックス本体110の両側方のバー支持部116に形成されたバー挿入溝117に、上方からバー部材150を挿入し、後面板延長部130を前面板111側に折り、側部挿入フラップ131を側部切り込み部128に挿入して上面板114とすることで、前面側からアクセス可能に構成される。
【0019】
このように構成することで、
図2、
図4に示すように、バー支持部116が側面板延長部120の側部挿入フラップ131を側面板112の側部切り込み部128に挿入して断面三角形状に形成されているため、大きな荷重でも形状が変化することがなく、また、バー部材150にかかる荷重は側面板112でほぼ下向きに受けることとなり、耐荷重を大きくすることが可能となる。
また、バー部材150にかかる荷重により、多少、側面板112を外側に拡げる分力が発生するが、
図5に示すように、後面板延長部130を前面板111側に折り、側部挿入フラップ131を側部切り込み部128に挿入して上面板114を構成することにより、バー支持部116が外側に移動することが防止されるため、バー支持部116の間隔が拡がってバー部材150が脱落することもない。
【0020】
バー部材150自体も、
図3に示すように、断面三角形の高さ方向に高さ片153による補強が入った形状となるため、断面円形のものと同様の強度に形成できる。
バー挿入溝117は、
図6に示すように、バー部材150の底辺部151を支持する底端部125と、上方から底端部125まで平行に延びる側縁部126を有しており、底端部125と側縁部126を直角に構成してもよいが、引越し等の運搬にハンガーが揺れた場合、
図6(b)に示すように、バー部材150がバー挿入溝117内で傾斜して安定して支持することができず、ハンガーがバー部材150から脱落してしまう可能性がある。
【0021】
しかしながら、本実施例では、
図1、
図6(a)に示すように、バー部材150の底辺部151と側辺部152の夾角を、バー挿入溝117の底端部125と一方の側縁部126の夾角と同じ角度となるように形成することによって、バー部材150をバー挿入溝117内に安定して支持することが可能となり、ハンガーの脱落も防止できる。
また、バー部材150の断面三角形の頂点でハンガーが支持されるため、運搬時にハンガーが揺れた際のバー部材150との摩擦も少なく、より安定した運搬が可能となる。
さらに、バー部材150の断面三角形の頂点は、鋭角であるほど底辺部151とハンガーとの干渉を軽減でき、円滑かつ迅速にハンガーをバー部材150に掛けることができるため、断面三角形の頂点の角度は60°以下とする(断面三角形が長二等辺三角形を呈する。)のが好適である。