(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773534
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】包装ケース
(51)【国際特許分類】
B65D 81/113 20060101AFI20150813BHJP
B65D 5/12 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
B65D81/06 102Z
B65D5/12 F
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-201873(P2012-201873)
(22)【出願日】2012年9月13日
(65)【公開番号】特開2014-55024(P2014-55024A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2014年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085501
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 静夫
(74)【代理人】
【識別番号】100128842
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 温
(74)【代理人】
【識別番号】100134821
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 信行
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸上 裕
【審査官】
八木 誠
(56)【参考文献】
【文献】
実開平02−028412(JP,U)
【文献】
実開平04−019461(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D81/00−81/16、5/12、19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被梱包物が載置されるトレイと、
前記被梱包物の少なくとも1つの側面に配置され、前記被梱包物の側面を保護する側面保護パッドと、
底面が開口しているとともに、上方から前記被梱包物および前記側面保護パッドに被せられる上ケースと、
を備え、
前記側面保護パッドには、前記側面保護パッドから外側に突出するように配置されて前記被梱包物に加わる外部衝撃を緩衝する緩衝突起部材と、前記緩衝突起部材の上方に配置され、外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する誘導部とが設けられており、
前記誘導部は前記上ケースの開口端を前記傾斜面に沿って前記緩衝突起部材の外側面に誘導することを特徴とする包装ケース。
【請求項2】
前記誘導部は前記緩衝突起部材よりも外側まで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装ケース。
【請求項3】
前記誘導部は前記側面保護パッドの一部を切り起こすことにより形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装ケース。
【請求項4】
前記側面保護パッドの一部を切り起こして前記誘導部を形成することにより、前記側面保護パッドには貫通穴が形成されており、
前記緩衝突起部材は前記貫通穴の一部を覆うように配置されていることを特徴とする請求項3に記載の包装ケース。
【請求項5】
前記側面保護パッドの一部を切り起こして前記誘導部を形成することにより、前記側面保護パッドには貫通穴が形成されており、
前記緩衝突起部材は前記貫通穴に対して着脱可能であり、
前記緩衝突起部材が前記側面保護パッドの裏面側から前記貫通穴に差し込まれることによって、前記緩衝突起部材は前記側面保護パッドに装着されるとともに、前記誘導部に前記傾斜面が形成されることを特徴とする請求項3に記載の包装ケース。
【請求項6】
前記側面保護パッドの一部を略垂直に切り起こすことにより、前記誘導部が形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の包装ケース。
【請求項7】
前記トレイは前記被梱包物が載置される底部緩衝部材を含み、
前記底部緩衝部材は前記被梱包物よりも外側まで形成されており、
前記誘導部は前記底部緩衝部材よりも外側まで形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の包装ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装ケースに関し、特に、被梱包物が載置されるトレイと、被梱包物の側面を保護する側面保護パッドと、上方から被梱包物および側面保護パッドに被せられる上ケースとを備えた包装ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器等の製品(被梱包物)を包装するための包装ケースが知られている。
図11は、従来の包装ケースの一例を示した斜視図である。従来の包装ケース101は、被梱包物150が載置されるトレイ110と、被梱包物150の4つの側面に配置され、被梱包物150の側面を保護する側面保護パッド120と、底面が開口しているとともに、上方から被梱包物150および側面保護パッド120に被せられる上ケース130とを備えている。
【0003】
トレイ110は、底板と、底板の周縁に立設された4つの側壁111と、底板の下方に設けられたパレット112とを含んでいる。側面保護パッド120には、側面保護パッド120から外側に突出する緩衝突起部材121が設けられている。この緩衝突起部材121は被梱包物150に加わる外部衝撃を緩衝する機能を有する。上ケース130は、天板131と、4つの側壁132とを含んでいる。
【0004】
この包装ケース101を用いて被梱包物150を梱包する場合は
図11および
図12に示すように、トレイ110上に載置された被梱包物150の側面を、側面保護パッド120により覆う。そして、上ケース130を上方から被梱包物150および側面保護パッド120に被せる。
【0005】
なお、被梱包物が載置されるトレイと、上方から被梱包物に被せられる上ケースとを備えた包装ケースは、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−1293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の包装ケース101では、側面保護パッド120から緩衝突起部材121が外側に突出しているので、上ケース130を上方から被梱包物150および側面保護パッド120に被せる際に側面保護パッド120と上ケース130との相対位置がずれると、
図13に示すように上ケース130の側壁132が緩衝突起部材121に干渉してしまう。このため、梱包作業性が低下するという問題点があった。また、上ケース130の開口端(側壁132の下端)や緩衝突起部材121が変形又は破損する場合もあった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、梱包作業性を向上させることが可能な包装ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の包装ケースは、被梱包物が載置されるトレイと、被梱包物の少なくとも1つの側面に配置され、被梱包物の側面を保護する側面保護パッドと、底面が開口しているとともに、上方から被梱包物および側面保護パッドに被せられる上ケースと、を備え、側面保護パッドには、側面保護パッドから外側に突出するように配置されて被梱包物に加わる外部衝撃を緩衝する緩衝突起部材と、緩衝突起部材の上方に配置され、外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する誘導部とが設けられており、誘導部は上ケースの開口端を傾斜面に沿って緩衝突起部材の外側面に誘導する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、側面保護パッドには、緩衝突起部材の上方に、外側に向かって下方に傾斜する傾斜面を有する誘導部が設けられており、誘導部は上ケースの開口端を傾斜面に沿って緩衝突起部材の外側面に誘導する。これにより、上ケースを上方から被梱包物および側面保護パッドに被せる場合、上ケースの開口端は誘導部により緩衝突起部材の外側面に誘導される。このため、上ケースの開口端が緩衝突起部材に干渉することがなく、上ケースを被梱包物および側面保護パッドにスムーズに被せることができる。これにより、梱包作業性を向上させることができる。また、上ケースの開口端や緩衝突起部材が変形又は破損するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態の包装ケースの構造を概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態の包装ケースの構造を示した断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態の上ケースを上方から被梱包物に被せる途中の状態を示した断面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態の側面保護パッドの誘導部周辺の構造を示した拡大斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態の側面保護パッドの一部を切り起こして誘導部を形成した状態を示した拡大斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態の側面保護パッドの誘導部周辺の構造を示した拡大斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態の側面保護パッドの誘導部周辺の構造を示した拡大側面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態の側面保護パッドの誘導部周辺の構造を示した拡大正面図である。
【
図9】本発明の第2実施形態の側面保護パッドに切り込み線を形成した状態を示した拡大正面図である。
【
図10】本発明の変形例の緩衝突起部材の構造を上方から示した拡大断面図である。
【
図11】従来の包装ケースの一例を示した斜視図である。
【
図12】従来の包装ケースの構造を示した部分断面図である。
【
図13】従来の包装ケースの構造を示した部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1〜
図5を参照して、本発明の第1実施形態による包装ケース1の構造について説明する。
図1に示すように、包装ケース1は、被梱包物50(例えば電子機器等の製品)が載置されるトレイ10と、被梱包物50の4つの側面に配置され、被梱包物50の側面を保護する側面保護パッド20と、底面が開口しているとともに、上方から被梱包物50および側面保護パッド20に被せられる上ケース30とを備えている。
【0014】
トレイ10は
図2に示すように、底板11と、底板11の周縁に立設された4つの側壁12と、底板11の下方に設けられたパレット13とを含んでいる。トレイ10は例えば段ボール製または木製である。パレット13には、フォークリフト等のパレット運搬機のアームを挿入するためのアーム挿入部13aが形成されている。トレイ10では、底板11とパレット13とが一体となっているので、製品を梱包した後、さらに包装ケース1をパレットに載せる必要がない。このため、特に大型の製品の梱包および運搬が容易となる。
【0015】
また、底板11上には、被梱包物50が載置される複数の底部緩衝部材14が配置されている。この底部緩衝部材14は底板11の4隅に、側壁12との間に所定の隙間を隔てて配置されている。底部緩衝部材14は被梱包物50の底面への衝撃を緩衝する機能を有する。また、底部緩衝部材14は略L字状の断面を有しており、被梱包物50よりも外側まで形成されている。
【0016】
側面保護パッド20および上ケース30は、段ボールシートを金型を用いて裁断し所定位置で折り曲げることにより形成されている。
【0017】
側面保護パッド20は、被梱包物50に密着した状態で、下端が被梱包物50と底部緩衝部材14との隙間に挿入されている。
【0018】
側面保護パッド20には
図1および
図3に示すように、側面保護パッド20から外側に突出する略直方体の緩衝突起部材21が設けられている。この緩衝突起部材21は被梱包物50に加わる外部衝撃を緩衝する機能を有する。これにより、例えば、被梱包物50が転倒した際に被梱包物50の側面を保護することが可能である。緩衝突起部材21は、例えば段ボールを積層した積層材や発泡材により形成されており、側面保護パッド20に接着されている。
【0019】
また、側面保護パッド20には、緩衝突起部材21の上方に配置される誘導部22が設けられている。誘導部22の上面は外側に向かって下方に傾斜する傾斜面となっており、誘導部22は上ケース30の後述する開口端32aを誘導部22の傾斜面(上面)に沿って緩衝突起部材21の外側面に誘導する。
【0020】
また、誘導部22は側面保護パッド20の一部を切り起こすことにより形成されている。そして、側面保護パッド20の一部を切り起こして誘導部22を形成することにより、側面保護パッド20には縦長の貫通穴23(
図4参照)が形成されている。なお、誘導部22は、段ボールシートを裁断するときの金型を用いて、裁断と同時に形成される。
【0021】
図5に示すように側面保護パッド20の一部が切り起こされて誘導部22が形成された後で、
図4に示すように緩衝突起部材21は貫通穴23の下部を覆うように側面保護パッド20に取り付けられる。そして、
図3および
図4に示すように、誘導部22は緩衝突起部材21よりも外側まで形成されている。また、
図3に示すように、誘導部22は底部緩衝部材14よりも外側まで形成されている。なお、
図3の2点鎖線Lは、底部緩衝部材14の外側面の位置を示している。
【0022】
上ケース30は、天板31(
図1参照)と、4つの側壁32とを含んでいる。また、上ケース30の底面は開口しており、側壁32の下部は開口端32aとなっている。
【0023】
この包装ケース1を用いて被梱包物50を梱包する場合は
図3に示すように、トレイ10上に載置された被梱包物50の側面を、側面保護パッド20により覆う。その後、上ケース30を上方から被梱包物50および側面保護パッド20に被せる。このとき、上ケース30の開口端32aは誘導部22の傾斜面(上面)に沿って緩衝突起部材21の外側面に誘導される。
【0024】
そして、上ケース30の開口端32aは緩衝突起部材21の外側面を通過して、
図2に示すように底部緩衝部材14とトレイ10の側壁12との間に挿入される。その後、結束バンド等(図示せず)を用いて、上ケース30とトレイ10とが固定される。
【0025】
本実施形態では、上記のように、側面保護パッド20には、緩衝突起部材21の上方に傾斜面(上面)を有する誘導部22が設けられており、誘導部22は上ケース30の開口端32aを誘導部22の傾斜面に沿って緩衝突起部材21の外側面に誘導する機能を有する。これにより、上ケース30を上方から被梱包物50および側面保護パッド20に被せる場合、上ケース30の開口端32aは誘導部22により緩衝突起部材21の外側面に誘導される。このため、上ケース30の開口端32aが緩衝突起部材21に干渉することがなく、上ケース30を被梱包物50および側面保護パッド20にスムーズに被せることができる。これにより、梱包作業性を向上させることができる。また、上ケース30の開口端32aや緩衝突起部材21が変形又は破損するのを抑制することができる。
【0026】
また、上記のように、誘導部22は緩衝突起部材21よりも外側まで形成されている。これにより、誘導部22により、上ケース30の開口端32aを緩衝突起部材21の外側面にスムーズに誘導することができる。
【0027】
また、上記のように、誘導部22は側面保護パッド20の一部を切り起こすことにより形成されている。側面保護パッド20を形成するために段ボールシートを裁断するときの金型を用いて、裁断と同時に誘導部22を形成することができるので、誘導部22を容易に形成することができる。
【0028】
また、上記のように、側面保護パッド20の一部を切り起こして誘導部22を形成することにより、側面保護パッド20には貫通穴23が形成されており、緩衝突起部材21は貫通穴23の一部を覆うように配置されている。これにより、誘導部22を容易に緩衝突起部材21よりも外側まで形成することができる。
【0029】
また、上記のように、誘導部22は底部緩衝部材14よりも外側まで形成されている。これにより、上ケース30の開口端32aは底部緩衝部材14にも干渉しにくくなるので、被梱包物50をよりスムーズに梱包することができる。これにより、梱包作業性をより向上させることができる。
【0030】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態では、上記第1実施形態と同様、側面保護パッド40は、段ボールシートを金型を用いて裁断し所定位置で折り曲げることにより形成されている。また、側面保護パッド40には、側面保護パッド40から外側に突出する略直方体の緩衝突起部材21が設けられている。
【0031】
また、側面保護パッド40には
図6および
図7に示すように、緩衝突起部材21の上方に配置される一対の誘導部42が設けられている。一対の誘導部42は、緩衝突起部材21の幅と同程度の間隔を隔てて配置されているとともに、緩衝突起部材21の両側面の延長面に沿って延びるように形成されている。
【0032】
また、誘導部42は側面保護パッド40の一部を略垂直に切り起こすことにより形成されている。そして、側面保護パッド40の一部を切り起こして誘導部42を形成することにより、側面保護パッド40には貫通穴43が形成されている。なお、誘導部42は、段ボールシートを裁断するときの金型を用いて、裁断と同時に形成される。また、
図7では貫通穴43を矩形状に形成しているが、誘導部42の形状の貫通穴を形成してもよい。
【0033】
誘導部42には
図6および
図8に示すように、外側に向かって下方に傾斜する傾斜面が形成されており、誘導部42は上ケース30の開口端32aを誘導部42の傾斜面に沿って緩衝突起部材21の外側面に誘導する。また、誘導部42は、緩衝突起部材21よりも外側まで形成されている。
【0034】
誘導部42の下部は緩衝突起部材21の上面よりも下側まで形成されているとともに、緩衝突起部材21の側面に当接している。
【0035】
誘導部42を形成する場合、
図9に示すように、側面保護パッド40の緩衝突起部材21が取り付けられる予定の領域の上方部分に、誘導部42を形成するための切り込み線44を形成する。なお、
図9の実線は切り込み線44を示しており、破線L1およびL2は折り曲げ線を示している。また、
図9の2点鎖線L3で囲われた領域は、緩衝突起部材21が取り付けられる領域を示している。
【0036】
そして、側面保護パッド40の所定領域(
図9の2点鎖線L3で囲われた領域)に緩衝突起部材21を取り付ける。その後、破線L1の位置で、破線L1よりも下側の部分42aを裏側(緩衝突起部材21とは反対側)に折り曲げながら、破線L2の位置で、誘導部42となる部分全体を表側(緩衝突起部材21側)に折り曲げる。これにより、破線L1よりも下側の部分42aが緩衝突起部材21に干渉するのを防止しながら、誘導部42となる部分全体を表側に折り曲げることが可能となる。
【0037】
そして、部分42aを展開して(破線L1の折り曲げを解除して)手を離すことにより、部分42aが緩衝突起部材21の側面に当接し、側面保護パッド40に対して垂直に折り曲げられた状態で誘導部42が形成される。
【0038】
なお、緩衝突起部材21の幅が狭い場合などにおいては、1個の緩衝突起部材21に対して誘導部42を1個だけ設けてもよい。
【0039】
第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
【0040】
本実施形態では、上記のように、側面保護パッド40の一部を略垂直に切り起こすことにより、誘導部42が形成されている。この場合にも、誘導部42に設けた傾斜面により、上ケース30を被梱包物50および側面保護パッド40にスムーズに被せることができ、梱包作業性を向上させることができる。
【0041】
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0042】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0043】
例えば、上記実施形態では、被梱包物の4つの側面に側面保護パッドを設けた例について示したが、本発明はこれに限らない。側面保護パッドは被梱包物の1つ、2つ又は3つの側面のみに設けられていてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、パレットが一体に設けられたトレイを用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、パレットが一体に設けられていないトレイを用いてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、側面保護パッドの一部を切り起こすことにより誘導部を形成した例について示したが、本発明はこれに限らない。側面保護パッドとは別体の誘導部を、側面保護パッドに取り付けてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、誘導部を緩衝突起部材よりも外側まで形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、誘導部を緩衝突起部材よりも外側まで形成しなくてもよい。ただし、誘導部を緩衝突起部材よりも外側まで形成する方が、上ケースの開口端を緩衝突起部材の外側面にスムーズに誘導することができるので、より好ましい。
【0047】
また、上記実施形態では、緩衝突起部材が側面保護パッドに接着されている例について示したが、本発明はこれに限らない。例えば
図10に示した本発明の変形例のように、側面保護パッド20に設けた貫通穴23に、略T字状の断面を有する緩衝突起部材21aを圧入してもよい。すなわち、緩衝突起部材21aを側面保護パッド20の裏面側(被梱包物50側)から貫通穴23に差し込むことによって、緩衝突起部材21aを側面保護パッド20に装着するとともに、誘導部22に傾斜面を形成してもよい。このように構成すれば、緩衝突起部材21aと側面保護パッド20とを容易に分解することができるので、緩衝突起部材21aと側面保護パッド20とを分別して廃棄する場合に、特に有効である。
【0048】
また、誘導部が不要な場合には、折り曲げ等の作業を行うことなく本発明の側面保護パッドを使用することが可能である。また、上記実施形態とは逆の手順で作業を行えば、誘導部を形成した状態から元の状態に側面保護パッドを戻すことも可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 包装ケース
10 トレイ
14 底部緩衝部材
20、40 側面保護パッド
21、21a 緩衝突起部材
22、42 誘導部
23、43 貫通穴
30 上ケース
32a 開口端
50 被梱包物