(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
《第1の実施形態》
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるセンサ異常監視装置の構成を示す概略ブロック図である。
センサ異常判定装置は、ガスタービンのエンジンなどの監視対象装置に設けられたセンサが故障しているか否かを判定する装置であり、入力部101、監視対象制御部102、模擬部103、センサ値取得部104、センサ値差算出部105、センサ値差記憶部106、平均算出部107、標準偏差算出部108、判定部109を備える。
【0016】
入力部101は、監視対象装置の状態を示す運転条件パラメータの入力を受け付け、模擬部103に当該運転条件パラメータを出力する。なお、監視対象装置がガスタービンのエンジンであった場合、運転条件パラメータとしては例えば外気の温度などのパラメータを用いる。
監視対象制御部102は、監視対象装置を制御する制御パラメータの入力を受け付け、当該制御パラメータは、監視対象装置及び模擬部103に当該制御パラメータを出力する。
【0017】
模擬部103は、監視対象装置のシミュレータであり、入力部101から入力された運転条件パラメータ及び監視対象制御部102から入力された制御パラメータを用いて監視対象装置の動作を模擬する。また、模擬部103は、監視対象装置に設けられたセンサが出力すると予測されるセンサ値(以下、予測センサ値と表記する)を演算する。
センサ値取得部104は、監視対象装置に設けられたセンサからセンサ値を取得する。
【0018】
センサ値差算出部105は、模擬部103が出力する予測センサ値とセンサ値取得部104が取得したセンサ値との差であるセンサ値差を算出し、算出したセンサ値差をセンサ値差記憶部106に記録する。また、センサ値差算出部105は、算出したセンサ値差を判定部109に出力する。
センサ値差記憶部106は、所定の期間の間にセンサ値差算出部105が算出したセンサ値差を記憶する。
平均算出部107は、センサ値差記憶部106が記憶するセンサ値差の平均を算出する。
標準偏差算出部108は、センサ値差記憶部106が記憶するセンサ値差の標準偏差を算出する。
【0019】
判定部109は、平均算出部107が算出した平均値と標準偏差算出部108が算出した標準偏差とセンサ値差算出部105から入力されたセンサ値差とを用いて監視対象装置に設けられたセンサが故障しているか否かを判定する。具体的には、判定部109は、センサ値差算出部105から入力されたセンサ値差と平均算出部107が算出した平均値との差の絶対値が、標準偏差算出部108が算出した標準偏差の所定係数倍より大きい場合に、センサが異常であると判定する。
すなわち、センサ値差算出部105、センサ値差記憶部106、平均算出部107、標準偏差算出部108、判定部109は協働して、所定の期間内におけるセンサ値差の出現率を用いて、センサ値差の出現率が低い場合に監視対象装置のセンサが異常であると判定する異常判定部として機能する。
【0020】
次に、本実施形態によるセンサ異常判定装置の動作を説明する。
まず、センサの異常判定を行う前に、センサ値差記憶部106にセンサ値差を蓄積するまでの動作について説明する。
【0021】
まず、入力部101は、監視対象装置の運転条件を示す運転条件パラメータの入力を受け付け、模擬部103に出力する(ステップS1)。次に、監視対象制御部102は、制御パラメータの入力を受け付け、監視対象装置及び模擬部103に出力する(ステップS2)。模擬部103に入力部101及び監視対象制御部102からパラメータが入力されると、監視対象装置の動作の模擬を開始する(ステップS3)。
【0022】
模擬部103は、監視対象装置の模擬により予測センサ値を算出するとセンサ値差算出部105に当該予測センサ値を出力する。また、センサ値取得部104は、所定の時間間隔で監視対象装置に設けられたセンサからセンサ値を取得する。所定の時間間隔としては、例えばセンサ異常判定装置のCPUクロックのタイミングなどを用いると良い。なお、センサ値取得部104がセンサ値を取得するタイミングは、模擬部103がセンサ値を出力するタイミングと同期していることが好ましい。
【0023】
次に、センサ値差算出部105に、模擬部103から予測センサ値が入力され、センサ値取得部104からセンサ値が入力される。次に、センサ値差算出部105は、予測センサ値とセンサ値との差であるセンサ値差を算出する(ステップS4)。次に、センサ値差記憶部106は、センサ値差記憶部106に算出したセンサ値差を記録する(ステップS5)。以降、ステップS1〜ステップS5の処理を繰り返すことで、センサ値差記憶部106にセンサ値差を蓄積する。
【0024】
次に、監視対象装置に設けられたセンサの異常の有無を判定するまでの動作を説明する。
図2は、第1の実施形態によるセンサ異常判定動作を示すフローチャートである。
センサ異常判定動作を開始すると、センサ値差算出部105に、模擬部103から予測センサ値が入力され、センサ値取得部104からセンサ値が入力される。次に、センサ値差算出部105は、予測センサ値とセンサ値との差であるセンサ値差を算出する(ステップS11)。また、平均算出部107は、センサ値差記憶部106が記憶するセンサ値差の平均値を算出する(ステップS12)。
【0025】
次に、標準偏差算出部108は、センサ値差記憶部106が記憶するセンサ値差及び平均算出部107が算出した平均値(基準センサ値差)を用いて、センサ値差の標準偏差を算出する(ステップS13)。具体的には、以下に示す式(1)を用いてセンサ値差の標本標準偏差σを算出する。
【0027】
但し、μ
y^−yは、平均算出部107が算出したセンサ値差の平均値を示す。また、y
^nは、模擬部103がn回目に算出した予測センサ値を示す。また、y
nは、センサ値取得部104がn回目に取得したセンサ値を示す。つまり、y
^n−y
nは、センサ値差算出部105がn回目に算出するセンサ値差を示す。
これにより、標準偏差算出部108は、センサ値差の標準偏差、すなわちセンサ値差の平均値からのばらつきの度合いを算出することができる。
【0028】
次に、判定部109は、センサ値差算出部105が算出したセンサ値差と平均算出部107が算出した平均値(基準センサ値差)との差を算出する(ステップS14)。次に、判定部109は、センサ値差と平均値との差の絶対値が、標準偏差算出部108が算出した標準偏差の所定係数倍以下であるか否かを判定する(ステップS15)。すなわち、判定部109は、以下に示す式(2)を満たすか否かを判定する。
【0030】
但し、aは予め定められた値を示す係数である。
判定部109は、センサ値差と平均値との差の絶対値が、標準偏差算出部108が算出した標準偏差のa倍以下であると判定した場合(ステップS15:YES)、監視対象装置に設置されているセンサが正常であると判定する(ステップS16)。他方、判定部109は、センサ値差と平均値との差の絶対値が、標準偏差算出部108が算出した標準偏差のa倍超であると判定した場合(ステップS15:NO)、監視対象装置に設置されているセンサが故障していると判定する(ステップS17)。
【0031】
ここで、センサ値差と平均値との差の絶対値が、標準偏差算出部108が算出した標準偏差の所定係数倍以下であるか否かを判定することでセンサの異常の有無を判定できる理由を説明する。
図3は、センサ値差と平均値との差の絶対値の出現率と標準偏差との関係を示す図である。
センサの誤差の分布が正規分布に近似できる場合、所定の期間内におけるセンサ値差の出現率は、
図3に示すようになる。すなわち、所定の期間内におけるセンサ値差の平均値μの出現率が最も高く、平均値μから離れるに従って出現率が低くなる。また、正規分布において標準偏差σ以内の誤差を有する値の出現率は決まった値(約68%)となる。したがって、判定部109は、センサ値差と平均値との差の絶対値|μ−(y
^−y)|が、標準偏差σの所定係数倍以下である場合に、出現率が低いと判定し、前記監視対象装置のセンサが異常であると判定することができる。
【0032】
このように、本実施形態によれば、異常判定部は、所定の期間内におけるセンサ値差の出現率を用いて、センサ値差の出現率が低い場合に監視対象装置のセンサが異常であると判定する。これにより、模擬部103が出力するセンサ予測値に誤差が含まれていたとしても、当該誤差を加味してセンサの不良識別を行うため、センサの不良識別の精度を向上させることができる。
【0033】
なお、本実施形態では、センサ値差の基準値である基準センサ値差としてセンサ値差の平均値を用いる場合を説明したが、これに限られない。例えば、センサ値が予測センサ値と同じ値を示すことを基準とする場合は、基準センサ値差として「0」を用いると良い。
この場合、標準偏差算出部108は、式(3)を用いてセンサ値差の標本標準偏差σ´を算出することとなる。また、判定部109は、式(4)を用いてセンサの異常の有無の判定を行うこととなる。
【0035】
《第2の実施形態》
次に、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態によるセンサ異常監視装置の構成を示す概略ブロック図である。
センサ異常判定装置は、入力部101、監視対象制御部102、模擬部103、センサ値取得部104、予測センサ値記憶部201、センサ値記憶部202、時間判定部203、第1の関数算出部204、第2の関数算出部205、積分値算出部206、判定部207を備える。
なお、入力部101、監視対象制御部102、模擬部103、センサ値取得部104の機能・動作は第1の実施形態の入力部101、監視対象制御部102、模擬部103、センサ値取得部104と同じであるため、同一の符号を用いて説明する。
【0036】
予測センサ値記憶部201は、模擬部103が算出した予測センサ値を記憶する。
センサ値記憶部202は、センサ値取得部104が取得したセンサ値を記憶する。
時間判定部203は、異常判定動作を開始した時刻からの経過時間を計測し、当該経過時間が所定時間を超えたか否かを判定する。
【0037】
第1の関数算出部204は、予測センサ値記憶部201が記憶する予測センサ値を用いて予測センサ値と予測センサ値の出現度との関係を示す第1の関数を算出する。
第2の関数算出部205は、センサ値記憶部202が記憶するセンサ値を用いてセンサ値と当該センサ値の出現度との関係を示す第2の関数を算出する。
なお、第1の関数及び第2の関数としては、確率密度関数を用いる。
【0038】
積分値算出部206は、第1の関数算出部204が算出した第1の関数と第2の関数算出部205が算出した第2の関数との重複部分の積分値を算出する。
判定部207は、積分値算出部206が算出した積分値が所定の閾値以下である場合に、センサが異常であると判定する。
すなわち、予測センサ値記憶部201、センサ値記憶部202、時間判定部203、第1の関数算出部204、第2の関数算出部205、積分値算出部206、判定部207は協働して、所定の期間内におけるセンサ値差の出現率を用いて、センサ値差の出現率が低い場合に監視対象装置のセンサが異常であると判定する異常判定部として機能する。
【0039】
次に、本実施形態によるセンサ異常判定装置の動作を説明する。
図5は、第2の実施形態によるセンサ異常判定動作を示すフローチャートである。
まず、入力部101は、監視対象装置の運転条件を示す運転条件パラメータの入力を受け付け、模擬部103に出力する(ステップS21)。次に、監視対象制御部102は、制御パラメータの入力を受け付け、監視対象装置及び模擬部103に出力する(ステップS22)。模擬部103に入力部101及び監視対象制御部102からパラメータが入力されると、監視対象装置の動作の模擬を開始する(ステップS23)。
【0040】
模擬部103は、監視対象装置の模擬により予測センサ値を算出すると予測センサ値記憶部201に当該予測センサ値を記録する(ステップS24)。また、センサ値取得部104は、所定の時間間隔で監視対象装置に設けられたセンサからセンサ値を取得し、当該センサ値をセンサ値記憶部202に記録する(ステップS25)。所定の時間間隔としては、例えばセンサ異常判定装置のCPUクロックのタイミングなどを用いると良い。なお、センサ値取得部104がセンサ値を取得するタイミングは、模擬部103がセンサ値を出力するタイミングと同期していることが好ましい。
【0041】
次に、時間判定部203は、異常判定動作を開始した時刻からの経過時間が所定時間(例えば、10分)を超えたか否かを判定する(ステップS26)。時間判定部203が、経過時間が所定時間を超えていないと判定した場合(ステップS26:NO)、ステップS21に戻る。これにより、予測センサ値記憶部201には、所定時間の間(所定期間内)に算出された予測センサ値が蓄積され、センサ値記憶部202には、所定時間の間に取得されたセンサ値が蓄積されることとなる。監視対象装置の物理量(例えば、温度や圧力など)は、緩やかに変化するため、予測センサ値記憶部201が記憶する予測センサ値、及びセンサ値記憶部202が記憶するセンサ値は、略同じ値を示すものとみなすことができる。
【0042】
他方、時間判定部203が、経過時間が所定時間を超えたと判定した場合(ステップS26:YES)、第1の関数算出部204は、以下に示す式(5)を用いて、予測センサ値と予測センサ値の出現度との関係を示す第1の関数を算出する(ステップS27)。
【0044】
但し、μ
y^は、予測センサ値記憶部201が記憶する予測センサ値の平均値を示す。また、σ
y^は、模擬部103が出力する予測センサ値の標準偏差を示す。なお、模擬部103が出力する予測センサ値のばらつきは、模擬部103によるシミュレーションを行う際に物理量の近似を行うことで発生する誤差によるものであるため、予め求めておくことができる。
【0045】
また、第2の関数算出部205は、以下に示す式(6)を用いて、センサ値とセンサ値の出現度との関係を示す第2の関数を算出する(ステップS28)。
【0047】
但し、μ
yは、センサ値記憶部202が記憶するセンサ値の平均値を示す。また、σ
yは、センサ値取得部104が取得するセンサ値の標準偏差を示す。なお、センサ値の標準偏差は、以下に示す式(7)を用いて算出することができる。
【0049】
図6は、第1の関数と第2の関数との関係を示す図である。
次に、積分値算出部206は、第1の関数算出部204が算出した第1の関数と第2の関数算出部205が算出した第2の関数との重複部分の積分値を算出する(ステップS29)。なお、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値は、
図6の斜線部の面積と等価である。具体的には、以下の手順により積分値の算出を行う。
まず、積分値算出部206は、式(5)、(6)からX=X
^となる解y
cを算出する。次に、式(5)からX
^=thとなる解y
^−th、y
^+thを算出する。また、式(6)からX=thとなる解y
−th、y
+thを算出する。ここで、thとは、任意の閾値を示す。そして、積分値算出部206は、以下に示す式(8)を用いて、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値を算出する。
【0051】
次に、判定部207は、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が、所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS30)。当該閾値は、監視対象装置の過去の運転データや、類似機のデータから決定される値である。
判定部207は、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が、所定の閾値より大きいと判定した場合(ステップS30:NO)、監視対象装置に設置されているセンサが正常であると判定する(ステップS31)。他方、判定部207は、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が、所定の閾値以下であると判定した場合(ステップS30:YES)、監視対象装置に設置されているセンサが故障していると判定する(ステップS32)。
【0052】
ここで、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が所定の閾値以下であるか否かを判定することでセンサの異常の有無を判定できる理由を説明する。
図6から、予測センサ値の平均値μ
y^とセンサ値の平均値μ
yとの差が小さく、かつ第1の関数と第2の関数が描くグラフの形状が似ているほど、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が大きくなる。予測センサ値の平均値μ
y^とセンサ値の平均値μ
yとの差が小さいこと、及び第1の関数と第2の関数が描くグラフの形状が似ることは、模擬部103によるシミュレーションが監視対象装置の実際の動作に近いことを示す。
したがって、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が所定の閾値以下であるか否かを判定することで、監視対象装置に設けられたセンサ固有の誤差と、模擬部103によるシミュレーションの誤差とを加味して、センサの異常の有無を判定することができる。
【0053】
なお、本実施形態では、第1の関数と第2の関数との重複部の積分値が所定の閾値以下であるか否かを判定することでセンサの異常の有無を判定する場合を説明したが、これに限られない。例えば、第1の関数または第2の関数における第1の関数と第2の関数との重複部の積分値の割合が所定の閾値以下であるか否かを判定することでセンサの異常の有無を判定してもよい。
【0054】
《第3の実施形態》
次に、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。
図7は、本発明の第3の実施形態による模擬部103の動作を示す図である。
第3の実施形態によるセンサ異常判定装置は、第1の実施形態によるセンサ異常判定装置と模擬部103の動作が異なるものである。
模擬部103には、入力部101から運転条件パラメータとして稼働時間が入力され、
図7に示すように、稼働時間に応じて出力する予測センサ値が変化するようなシミュレーションを行う。これは、監視対象装置の経年変化をモデル化したものである。
本実施形態によれば、監視対象装置の性能の経年変化を加味してシミュレーションを行うことができるため、センサの異常判定の精度をさらに向上させることができる。
【0055】
なお、本実施形態によるセンサ異常判定装置は、第1の実施形態によるセンサ異常判定装置と模擬部103の動作が異なるものとして説明したが、これに限られず、第2の実施形態によるセンサ異常判定装置と同様の機能を備えるものとしても良い。
また、本実施形態では、模擬部103が稼働時間に応じて予測センサ値が変化するようなシミュレーションを実行する場合を説明したが、これに限られない。例えば、模擬部103は、稼働時間に関連付けて複数のシミュレーションプログラムを記憶しておき、入力された稼働時間に最も近い稼働時間に関連付けられたシミュレーションプログラムを実行することで、稼働時間に応じて異なる模擬動作を実行するようにしても良い。
【0056】
《第4の実施形態》
次に、本発明の第4の実施形態について詳しく説明する。
図8は、本発明の第4の実施形態によるセンサ異常監視装置の構成を示す概略ブロック図である。
第4の実施形態によるセンサ異常判定装置は、第1の実施形態によるセンサ異常判定装置に更新部301を更に備えるものである。
更新部301は、入力部101から入力された運転条件パラメータと標準偏差算出部108が算出した標準偏差とを用いて模擬部103の内部パラメータを更新する。例えば、更新部301はカルマンフィルタによって実装すると良い。つまり更新部301は、センサ値差の出現率を用いて模擬部103による模擬動作の実行に用いる内部パラメータを更新する。
なお、本実施形態によるセンサ異常判定装置は、第1の実施形態によるセンサ異常判定装置に更新部301を備えるものとして説明したが、これに限られず、第2の実施形態によるセンサ異常判定装置と同様の機能を備えるものとしても良い。
【0057】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、第1〜第4の実施形態では、センサ異常判定装置が監視対象の制御とセンサの異常判定とを行う場合を説明したが、これに限られず、例えば、模擬部103及び異常判定部を備える判定装置が、通信回線を介して監視対象制御部102とセンサ値取得部104とを備える制御装置から信号を受信する、いわゆる遠隔監視診断システムの構成を有するようにしても良い。これにより、詳細分析や専門の担当者による診断が可能となる。また、制御システムの設置場所の自由度を増すことができる。
【0058】
上述のセンサ異常判定装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0059】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。