(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、実施形態は、使い捨ておむつとして大人用使い捨ておむつを例示してあるが大人用使い捨ておむつに限定されるものではなく、幼児用使い捨ておむつにも適用できるものである。
【0021】
(第1実施形態)
図1〜
図9に示すように、本発明の第1実施形態の使い捨ておむつ1は、前身頃F及び後身頃Bを有する外装シート20と、この外装シート20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性表面シート11と液不透過性裏面側シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装シート20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤Gなどの接合手段によって固定された後に、内装体10および外装シート20が前身頃F及び後身頃Bの境界である上下方向中央で折り畳まれ、その両側部が相互に係合かつ分離可能な連結手段によって連結されることによって、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成された使い捨ておむつ1となる。
【0022】
図1および
図2に示すように、使い捨ておむつ1には、前身頃Fの衣服当接面の両側部に、当該側部の縁と略平行に上下方向へ延びるループ部材からなる第1係合部材40が取付けられ、前身頃Fの肌当接面の両側部に、当該側部の縁と略平行に上下方向へ延びるループ部材からなる第2係合部材41が取付けられている。
【0023】
また、後身頃Bの衣服当接面の両側部には、当該側部の縁と略平行に上下方向へ延びるフック部材からなる第3係合部材42が取付けられる。さらに、前記後身頃Bは、両側部が着用者の上半身方向へ延出した帯状部65を有し、当該帯状部の衣服当接面に、当該帯状部65の両側部の縁と略平行に上下方向へ延びる第4係合部材43が取付けられている。
なお、第1実施形態とは異なり、第1,2係合部材40,41にフック部材を、第3,4係合部材42,43にループ部材を取付けてもよい。
上記の例では、第1係合部材40、第2係合部材41、第3係合部材42、第4係合部材43を、前身頃Fおよび後身頃Bの側部の縁や、帯状部65の縁と略平行に設けているが、これに限られるものではなく、当該縁と所定の角度をもって斜めに配置するなどしてもよい。
さらに、上記の例では、第1係合部材40、第2係合部材41、第3係合部材42、第4係合部材43をそれぞれ1つずつ設けているが、これに限られるものではなく、第1係合部材40、第2係合部材41、第3係合部材42、第4係合部材43をそれぞれ複数個設けても良い。例えば、
図2では、帯状部65の衣服当接面に、上下方向の長さが長い長方形の第4係合部材43を1つだけ設けられているが、当該第4係合部材43の上下方向の長さをもう少し短くした形状の第4係合部材43を上下方向に複数個並べて設けても良い。
また、
図1および
図2では、帯状部65の上下方向の長さが、連結側部22の上下方向の長さと同じである例を示したが、本発明はこれに限られない。具体的には、帯状部65の上下方向の長さを連結側部22の上下方向の長さよりも短くしてもよい。
【0024】
(外装シート)
図3〜
図6に示すように、外装シート20は、上層不織布20Aと下層不織布20Bからなる2層構造の不織布シートとされている。上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間及び下層不織布20Bをウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cの不織布の間には各種弾性部材がそれぞれ配置され伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するために形成された凹状の脚回りライン29により、全体として擬似砂時計形状をなしている。
【0025】
図1、
図2に示すように、外装シート20の弾性部は、ウエスト開口部近傍23に配置されたウエスト部弾性部材24,24…と、前身頃F及び後身頃Bに、縦方向に間隔をおいて幅方向に沿って配置された複数の腰回り弾性部材25,25…とを有するとともに、前身頃F及び後身頃Bのそれぞれにおいて、腰回り弾性部材群25,25…とは別に、前身頃Fと後身頃Bとを連結する連結側部21、22から幅方向中央に向かうにつれて反対の身頃側へ向かうように湾曲しつつ、内装体10の両側部と重なる部位まで(又は両側部の近傍まで等、必ずしも重ならなくても良い)延在するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性部材26…、28…を備えている。なお、本外装シート20では、脚回りライン29に沿って実質的に連続する、所謂脚回り弾性部材は設けられていない。
【0026】
ウエスト部弾性部材24,24…は、前身頃Fと後身頃Bとが連結された連結側部21、22の範囲の内、ウエスト開口縁近傍に上下方向に間隔をおいて配設された複数条の糸ゴム状弾性部材であり、身体のウエスト部回りを締め付けるように伸縮力を与えることにより使い捨ておむつを身体に装着するためのものである。このウエスト部弾性部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。また、図示形態のウエスト部弾性部材24,24…は、ウエスト部における下層不織布20Bの折り返し部分20Cの不織布間に挟持されているが、上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に挟持しても良い。
【0027】
腰回り弾性部材25,25…は、連結側部21、22の内、概ね上部から下部までの範囲に亘り、上下方向に間隔をおいて幅方向に沿って配設された糸ゴム状の弾性部材であり、前身頃F及び後身頃Bの腰回り部分に夫々幅方向の伸縮力を与え、使い捨ておむつを身体に密着させるためのものである。なお、ウエスト部弾性部材24、24…と腰回り弾性部材25、25…との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃F及び後身頃Bに上下方向に間隔をおいて幅方向に配置された弾性部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト部弾性部材として機能し、残りの弾性部材が腰回り弾性部材として機能していればよい。
【0028】
後身頃Bにおいて、腰回り弾性部材25,25…とは別に配設された背側湾曲弾性部材26、26…は、その長手方向中間に縦方向との鋭角側交差角θ(以下、縦方向交差角ともいう)が最小となる最小点を有するとともに、この最小点から幅方向両側に向かうにつれて縦方向交差角θが0度〜90度の範囲内で増加する所定の曲線であって、且つ使い捨ておむつを展開した状態で内装体の両側部と重なる領域内に縦方向交差角θが60°以下となる交差部分71を有する所定の曲線に沿って配置されているものである。背側湾曲弾性部材26は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では5本の糸ゴム状弾性部材であり、これら背側湾曲弾性部材26、26…は互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この背側湾曲弾性部材群26、26…は、2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜20mm、好ましくは6〜16mm程度の間隔を空けて、3本以上、好ましくは5本以上配置される。
【0029】
外装シート20の前身頃Fにおいて、腰回り弾性部材群25,25…とは別に配設された腹側湾曲弾性部材28,28…も、その長手方向中間に縦方向との縦方向交差角θが最小となる最小点を有するとともに、この最小点から幅方向両側に向かうにつれて縦方向交差角θが0度〜90度の範囲内で増加する所定の曲線であって、且つ使い捨ておむつを展開した状態で内装体の両側部と重なる領域内に縦方向交差角θが60°以下となる交差部分70を有する所定の曲線に沿って配置されている。腹側湾曲弾性部材28は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では5本の糸状弾性部材であり、これら腹側湾曲弾性部材28,28…は、互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この腹側湾曲弾性部材群28、28…も、2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜20mm、好ましくは6〜16mm程度の間隔を空けて、3本以上、好ましくは5本以上配置される。
【0030】
なお、図示例では、前身頃F及び後身頃Bに配置された腰回り弾性部材25,25…及び湾曲弾性部材26…、28…は、内装体10を横切る部分には設けられておらず、当該部分が非伸縮領域とされている。このように、弾性部材を有しない又は設けられていない形態には、弾性部材が存在しない形態の他、弾性部材は存在するが収縮力が作用しない程度に細かく切断させている形態も含まれる。例えば、後者の例としては、腰回り弾性部材25,25…及び湾曲弾性部材26…、28…を、一方側の連結側部21,22から内装体10を横切って他方(反対)側の連結側部22まで連続的に設けた後に、内装体10を横切る部分の一部又は全部を切断し、不連続とする一般的な形態が含まれる。弾性部材を内装体10と重なる部分で不連続とすることにより、内装体(特に吸収体13)の幅方向の縮こまりをより防止することができる。もちろん、腰回り弾性部材25,25…及び湾曲弾性部材26…、28…を、内装体10を横切って連続的に配置することもできる。
【0031】
上述した外装シート20は、例えば特開平4−28363号公報や、特開平11−332913号公報記載の技術により製造することができる。また、湾曲弾性部材26…、28…を内装体10上で切断し不連続化するには、特開2002−35029号公報、特開2002−178428号公報及び特開2002−273808号公報に記載される切断方法が好適に採用される。
【0032】
図示例とは異なり、湾曲弾性部材26…、28…を、前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ設けるだけでも良い。また、湾曲弾性部材26…、28…を、前身頃F及び後身頃Bの両方に設ける場合、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28…の群の一部又は全部と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材26…の群の一部又は全部とが交差する形態(図示せず)も採用できるが、図示例のように、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28…の群と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材26…の群とは互いに交差することなく前後方向中間部、特に前身頃Fに若干偏った位置で縦方向に離間している形態が好適であり、その縦方向離間範囲90における最小縦方向離間距離は10〜15mm程度とし、この部分に後述する広幅の固定領域を設けるのが好ましい。
【0033】
さらに、湾曲弾性部材26…、28…は図示例のようにその全体が湾曲していなくても良く、部分的に直線状の部分を有していても良い。
【0034】
(連結手段)
図1、
図2に示すように、外装シート20の前身頃Fの両側部の連結側部21には、前身頃Fの衣服当接面の両側部に、当該側部の縁と略平行に上下方向へ延びるループ部材からなる第1係合部材40が取付けられ、前身頃Fの肌当接面の両側部に、当該側部の縁と略平行に上下方向へ延びるループ部材からなる第2係合部材41が取付けられている。
【0035】
第1係合部材40、第2係合部材41には、ループ部材、フック部材のどちらも用いることができるが、第2係合部材41は、着用者の肌側に接触する前身頃Fの肌当接面に取付けられることから、着用者の肌に外傷を与えることを防止する観点から、第2係合部材41には、ループ部材を用いるのが好適である。
また、外装シート20の上層不織布20Aと第2係合部材41、外装シート20の下層不織布20Bと第1係合部材40との剥がれを防止するため、第1係合部材40、第2係合部材41が取付けられる外装シート20の連結側部21には、ウエスト部弾性部材24,24…、腰回り弾性部材25、25…、腹側湾曲弾性部材28,28…を配設しないのが好適である。
なお、第1係合部材40、第2係合部材41は、公知の接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドにより外装シート20の上層不織布20A、下層不織布20Bにそれぞれ固着されている。
【0036】
また、
図1、
図2に示すように、後身頃Bの両側部の連結側部22には、外装シート20の衣服当接面に、当該側部の縁と略平行に上下方向へ延びるフック部材からなる第3係合部材42が取付けられる。
さらに、前記後身頃Bの側部は、着用者の上半身方向へ延出する帯状部65を有し、当該帯状部65の衣服当接面には第4係合部材43が取付けられる。当該第4係合部材43は、当該帯状部65の縁と略平行に上下方向に延びるフック部材からなる。
【0037】
なお、第3係合部材42および第4係合部材43には、ループ部材、フック部材のどちらも用いることもできるが、前記のとおり、第2係合部材41にループ部材を用いるのが好適であるため、それと係合する第3係合部材42には、フック部材を用いるのが好適である。
さらに、外装シート20の上層不織布20Aと第3係合部材42、帯状部65と第4係合部材43との剥がれを防止するため、第3係合部材42が取り付けられる外装シート20の連結側部22、帯状部65には、ウエスト部弾性部材24,24…、腰回り弾性部材25、25…、腹側湾曲弾性部材28,28…を配設しないのが好適である。
また、第3係合部材42、第4係合部材43は、公知の接着剤、サーマルまたはウルトラソニックボンドにより支持部材45の内外面に固着されている。
【0038】
なお、後身頃Bの側部のうち第3係合部材42と固着する箇所では、上層不織布20Aと下層不織布20Bの間にウエスト部弾性部材24や腰回り弾性部材25を設けないほうがより好適である。ウエスト部弾性部材24や腰回り弾性部材25を設けると、その弾性作用により不織布と第三係合部材42に撓みが生じ、固着が上手くいかなくなるからである。固着しない箇所については、ウエスト部弾性部材24や腰回り弾性部材25を設けるほうがより好適である。当該弾性作用により、使い捨ておむつ1のフィット性が向上するためである。
帯状部65は、好適には40〜100g/m
2の不織布が用いられる。
また、帯状部65は、上層不織布20Aと下層不織布20Bからなるように構成しても良い。この場合、帯状部65と第4係合部材43を固着する箇所では、上層不織布20Aと下層不織布20Bの間にウエスト部弾性部材24や腰回り弾性部材25を設けないほうがより好適である。ウエスト部弾性部材24や腰回り弾性部材25を設けると、その弾性作用により不織布と第三係合部材42に撓みが生じ、固着が上手くいかなくなるからである。固着しない箇所については、ウエスト部弾性部材24や腰回り弾性部材25を設けるほうがより好適である。当該弾性作用により、使い捨ておむつ1のフィット性が向上するためである。
その他の帯状部65の例としては、幅方向に伸縮する伸縮性不織布が用いられる。当該伸縮性不織布は、不織布の間に弾性部材を配置したものや、伸縮フィルムを配置したものがある。当該弾性作用により、使い捨ておむつ1のフィット性が向上するという効果を得ることができる。この場合においても、帯状部65と第4係合部材43を固着する箇所は、伸縮性を有さない別部材とするほうが好ましい。
【0039】
図1および
図2に示すように、帯状部65の基部にある折り返し部64を折り返した場合、第3係合部材42と第4係合部材43とは相互に重ならない位置に取付けられている。
【0040】
第3係合部材42と第4係合部材43とが相互に重ならない位置に取付けられていることから、外装シート20の前身頃Fと後身頃Bを連結させた場合、前身頃Fの両側部の胴回り方向の内側位置にあっては、衣服当接面側から肌当接面側に向かい第1係合部材40、第2係合部材41、第3係合部材42が重なり合い、前身頃Fの両側部の胴回り方向外側位置にあっては、衣服当接面側から肌当接面側に向かい第4係合部材43、第1係合部材40、第2係合部材41が重なり合い、外装シート20の前後身頃F、Bの連結部21,22は過度に硬くならず、幅方向に自由に湾曲可能な柔軟性を有する。そのため、着用者が使い捨ておむつ1を股間部に引上げる際に、着用者の太股に連結部21,22が擦れた場合であっても着用者の肌に外傷が加わることはない。
【0041】
使い捨ておむつ1のサイズにより異なるが、通常の大人用の使い捨ておむつ1の場合、所要の係合強度を有するため、第1係合部材40は、幅25〜60mm、縦170〜330mmの矩形状であり、第2係合部材41は、幅25〜40mm、縦170〜330mmの矩形状であり、第3係合部材42は、幅10〜20mm、縦150〜310mmの矩形状であり、第4係合部材43は、幅10〜20mm、縦150〜310mmの矩形状である。特に、レック開口部がフィットしないとモレに繋がるため第1係合部材40の幅を広げ、第4係合部材の位置を調整できるように、第1係合部材40の幅、縦寸法を大きくすることが好ましい。
【0042】
係合強度とは、使い捨ておむつ1の片側の第1係合部材40と第4係合部材43及び第2係合部材41と第3係合部材42とを係合した状態において、係合されていない使い捨ておむつ1の片側を胴回り方向に引張り、使い捨ておむつ1の他片側の第1係合部材40と第4係合部材43及び第2係合部材41と第3係合部材42とを係合する際に、使い捨ておむつ1の片側の第1係合部材40と第4係合部材43及び第2係合部材41と第3係合部材42との係合面に作用するせん断力に対する強さをいうものとする。
【0043】
使い捨ておむつ1のサイズにより異なるが、通常の大人用の使い捨ておむつ1の場合、第1係合部材40と第4係合部材43とのせん断応力は5N/cm
2以上であり、係合強度は60N以上であるのが好適である。
係合強度が60N以下の場合には、着用者の歩行、着座等にともなう太股からの力により第1係合部材40と第4係合部4材3との係合が外れる恐れがあるからである。
【0044】
同様に、第2係合部材41と第3係合部材42とのせん断応力は3.5N/cm
2以上であり、係合強度は48N以上であるのが好適である。
係合強度が48以下の場合には、着用者の歩行、着座等にともなうウエスト部からの力により第2係合部材41と第3係合部材42との係合が外れる恐れがあるからである。
【0045】
使い捨ておむつ1では、第1係合部材40、第2係合部材41には同一のループ部材を用い、第3係合部材42、第4係合部材43には同一のフック部材を用いているが、それぞれ異なるループ部材、フック部材を用いることもできる。
【0046】
使い捨ておむつ1では、第1係合部材40、第2係合部材41には、ループ部材を用いているが、係合強度が十分確保できる場合にあっては、第1係合部材40、第2係合部材41にループ部材を取付けることなく、直接、第3係合部材42を外装シート20の上層不織布20Aに、第4係合部材43を外装シート20の下層不織布20Bに係合させることもできる。
【0047】
着用者が使い捨ておむつ1を装着する場合、
図7のように、まず第2係合部材41と第3係合部材42を係合させる。そして、
図8のように、帯状部65の基部にある折り返し部64を前身頃Fの衣服当接面へ向けて折り返し、第1係合部材40と第4係合部材43を係合させる。
外装シート20の前身頃Fと後身頃Bとが連結した状態で、使い捨ておむつ1を股間部に引上げた後、第1係合部材40と第4係合部材43との係合位置を調整し足回りにフィットさせる。
図9は、使い捨ておむつ1の装着後の図面である。
図9のT−Tの位置は、
図14から
図19の断面図の切断部分の位置を表している。
図9は、第1実施形態の使い捨ておむつ1を装着した場合であるが、
図15および
図16の説明の際は、第2実施形態の使い捨ておむつ1を装着した場合であると仮定し、
図17から
図19の説明の際は、第3実施形態の使い捨ておむつ1を装着した場合であると仮定して、T−Tの位置を捉えるものとする。
図14は、
図9のT−Tの位置の断面図である。装着後は、外れやすい前身頃Fの上半身側端部の係合部分を帯状部65で覆うような形となる。
【0048】
上記例においては、前身頃Fの両側部に設けた第2係合部材41と後身頃Bの両側部に設けた第3係合部材42の両側の係合を行った後、前身頃Fの両側部に設けた第1係合部材40と後身頃Bの両側部に設けた第4係合部材43の両側の係合を行う場合を述べた。
本発明は、これに限定されることはなく、まず、前身頃Fの両側部に設けた第2係合部材41と後身頃Bの両側部に設けた第3係合部材42の片側の係合を行った後、前身頃Fの両側部に設けた第1係合部材40と後身頃Bの両側部に設けた第4係合部材43の前記片側の係合を行う。その後、前身頃Fの両側部に設けた第2係合部材41と後身頃Bの両側部に設けた第3係合部材42の他方の側の係合を行った後、前身頃Fの両側部に設けた第1係合部材40と後身頃Bの両側部に設けた第4係合部材43の他方の側の係合を行うようにしてもよい。
【0049】
使い捨ておむつ1は、着用者の前側で第1係合部材40と第4係合部材43との係合位置を調整でき、第4係合部材43が第1係合部材40の外面から係合しているため、着用者や介護者が容易にフィット性を調整でき、着用者の歩行、着座等にともなう太股からの力が、使い捨ておむつ1の内側から外側に向かって作用した場合にあっても、第1係合部材40と第4係合部材43との係合による連結を維持することができる。
また、外形シート20の前身頃Fまたは後身頃Bの側縁に着用者の手が触れたり、着衣がこすれた場合にあっても、第1係合部材40と第4係合部材43又は第2係合部材41と第3係合部材42のいずれか一方の連結は確実に維持することができる。
【0050】
また、
図14に示すように、前身頃Fと後身頃Bの係合部分のうち、外れやすい上半身側の端部の係合部分を前記帯状部65で覆うことができるため、係合が外れにくくなるという効果がある。
【0051】
また、前記帯状部65の折り返しにおいて、折り返し部64を前記帯状部65の基部以外の場所に設けると、折り返した状態で、帯状部65の一部が使い捨ておむつ1の前身頃Fの上半身側端部から突出した状態になる。当該帯状部65の突出は、使い捨ておむつ1の着用者の脇腹部に当たるため、着用者が不快感を覚える。また、前身頃Fと後身頃Bの係合部分のうち、外れやすい上半身側の端部の係合部分を前記帯状部65で密閉できないため、係合が外れやすくなる。
前記本発明によれば、前記帯状部65の突出を防ぐことができ、着用者の不快感を防止するという効果がある。また、前身頃Fと後身頃Bの係合部を外れにくくすることができるという効果がある。
【0052】
(外装シート20の柔軟化に関する構成)
特徴的には、腰回り弾性部材25…を有する縦方向範囲33と湾曲弾性部材26…、28…を有する縦方向範囲31とが一部(又は全部でも良い)重複しており、且つこの重複範囲30内に腰回り弾性部材25…が複数本(例えば5〜10本程度)含まれるとともに、そのうちの少なくとも一部の腰回り弾性部材25…の相互間隔d1が他の腰回り弾性部材25…の相互間隔d2よりも広くなっている。また、重複範囲30外においても、湾曲弾性部材26…、28…を有する縦方向範囲31とウエスト部弾性部材24を有する縦方向範囲との間の中間範囲32に、腰回り弾性部材25…が複数本(例えば10〜16本程度)設けられている。
【0053】
このように、腰回り弾性部材25…を有する縦方向範囲33と湾曲弾性部材26…、28…を有する縦方向範囲31との重複範囲30をある程度許容しつつ、その範囲内に腰回り弾性部材25…の相互間隔の広い部分を設けることによって、フィット性を損ねずに、弾性部材の密集を抑制することができる。その結果、上記重複範囲30において外装シート20にプリーツが密集せず、厚みの不必要な増加、弾性部材自体及びその接着による硬質化が抑制され、もって柔軟で快適な装着感が得られるようになる。
【0054】
通常の場合、上述の腰回り弾性部材25…の相互間隔d1は15〜50mm程度、他の腰回り弾性部材25…の相互間隔d2は10〜20mm程度とするのが好ましい。また、重複範囲30の縦方向長さは展開状態での使い捨ておむつ1の全長の15〜30%程度であるのが好ましく、重複範囲30に占める腰回り弾性部材25…の相互間隔d1の広い間隔部分35の割合は縦方向長さの比(すなわち、間隔d1の総和/重複範囲30の縦方向長さ)で60〜100%程度であるのが好ましい。上記重複範囲30が狭すぎると、腰回り弾性部材25…の間隔を広げる意義が薄くなり、広過ぎると腰回り弾性部材25…の間隔の広い部分35が増加することによりフィット性が低下する。また、上記重複範囲30内に占める腰回り弾性部材25…の相互間隔d1の広い部分35の割合が少な過ぎると柔軟性の向上は見込めるものの顕著な向上は困難となる。
【0055】
具体的に、図示例の場合、重複範囲30に占める腰回り弾性部材25…の相互間隔d1の広い部分35の割合は、前身頃Fでは40%程度、後身頃Bでは100%となっている。このように、柔軟性向上に関する構成は、前身頃Fと後身頃Bとで異ならしめることができ、外装シート20における前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ適用することも可能である(以下同じ)。
【0056】
(内装体の構造例)
内装体10は、不織布などからなる液透過性表面シート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性裏面側シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、表面シート11を透過した排泄液を吸収保持するものである。
【0057】
吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う液透過性表面シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。液透過性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。液透過性表面シート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在している。
【0058】
吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う液不透過性裏面側シート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
【0059】
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができ、図示例では平面形状を略方形状として成形されたものが使用され、その幅寸法は股間部への当たりによって着用者にゴワ付き感を与えない寸法幅となっている。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。吸収体13の形状は、図示形態のように長方形状とする他、背側及び腹側に対して股間部の幅が狭い砂時計形状(括れ形状)とすることもできる。
【0060】
内装体10の両側部には脚周りにフィットする立体ギャザーBSが形成されているのが好ましい。この立体ギャザーBSはギャザー不織布15により形成される、ギャザー不織布としては、
図4〜
図6に示すように、折返しによって二重シートとした不織布が好適に用いられ、液透過性表面シート11によって巻き込まれた吸収体13の側縁部をさらにその上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して接着されている。より具体的には、ギャザー不織布15は、使い捨ておむつ1の長手方向中間部では、立体ギャザーBS形成部分を残し、幅方向中間部から吸収体13の裏面側に亘る範囲がホットメルト接着剤等によって接着され、また長手方向前後端部では、幅方向中間部から一方側端縁までの区間が吸収体13の裏面側に亘る範囲で接着されるとともに、立体ギャザーBSを形成する部分を吸収体13の上面部にて折り畳むようにしながらホットメルト接着剤等により接着している。
【0061】
二重シート不織布によって形成されたギャザー不織布15の内部には、起立先端側部分に複数本の糸状弾性伸縮部材16、16…が配設されている。糸状弾性伸縮部材16、16…は、製品状態において
図4に二点鎖線で示すように、弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものである。
【0062】
液不透過性裏面側シート12は、二重シート状のギャザー不織布15の内部まで進入し、
図4に示すように、立体ギャザーBSの下端側において防漏壁を構成するようになっている。この液不透過性裏面側シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。
【0063】
糸状弾性伸縮部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、伸長率は150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、伸張率は伸張時の長さ/自然長×100で算出した値であり、糸状弾性伸縮部材に代えて、ある程度の幅を有するテープ状弾性伸縮部材を用いるようにしてもよい。
【0064】
前述のギャザー不織布15を構成する素材繊維も液透過性表面シート11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらにギャザー不織布15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
【0065】
(前後押えシート)
図1、
図3に示すように、外装シート20の肌当接面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、且つ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、前後押えシート50,60が設けられている。図示形態について更に詳細に説明すると、前押えシート50は、前身頃F内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後押えシート60は、後身頃B内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。前後押えシート50,60の股下側縁部に幅方向の全体にわたり(中央部のみでも良い)若干の非接着部分を設けると、接着剤が食み出ないだけでなく、この部分を表面シートから若干浮かせて防漏壁として機能させることができる。
【0066】
図示形態のように、前後押えシート50,60を別体として取り付けると、素材選択の自由度が高くなる利点があるものの、資材や製造工程が増加する等のデメリットもある。そのため、外装シート20を使い捨ておむつ1内面に折り返してなる折り返し部分20Cを、吸収パッド200と重なる部分まで延在させて、前述の押えシート50,60と同等の部分を形成することもできる。
【0067】
(外装シートを構成する不織布ついて)
外装シート20を構成する不織布のうち、少なくとも最も外側に位置する不織布20Bとして、捻れ度が3.8gf・cm/cm以下のものが好適である。外装シート20を構成する不織布全て、つまり最も外側に位置しない他の不織布20A、50,60についても最外側不織布20Bと同様の不織布を採用するのが望ましい(以下同じ。)。このように、捻れ度が十分に低い不織布を用いると、使い捨ておむつ全体としてのしなやかさが顕著に増加し、その結果、ゴワゴワした装着感や、肌との擦れによりかゆみやかぶれ等の肌トラブルが軽減し、脱ぎ着し易くなる等の利点がもたらされる。捻れ度が十分に低くないとしなやかさの改善効果は発現しない。このような捻れ度は、例えば原料繊維の種類の選択、繊度を細くする、繊維長を短くする、目付けや厚みを減らす等により達成することができる。
【0068】
また、最外側不織布20Bにおける平均表面摩擦係数と平均偏差との比MIU/MMDが20以上であるのが好ましく、特に25以上であるのがより好ましい。MIU/MMD比を十分に大きくすることにより、外装シート表面の触感が良好となることにより、しなやかさが補われ、例えば肌との擦れによりかゆみやかぶれ等の肌トラブルがより一層軽減されるようになる。このようなMIU/MMD比は、例えば、繊度を細くする、表面加工を施す等により達成することができる。
【0069】
また、外装シート20としての基本機能(隠蔽機能、強度等)を損ねないよう、最外側不織布20Bは、目付けが10〜30g/m
2であり、且つ圧力0.5g/cm
2のときの厚みT0が0.1〜1.0mmであるのが好ましい。より好ましい目付けは13〜22g/m
2、厚みT0は0.1〜0.5mmである。
【0070】
さらにしなやかさを補うため、最外側不織布20BのJIS−L−1096(45度カンチレバー法)による剛軟度は45mm以下であるのが好ましく、35mm以下であるのがより好ましい。これにより、特にゴワゴワ感の軽減及び脱ぎ着のし易さがより一層好ましいものとなる。このような剛軟度は、例えば、原料繊維の種類の選択や割合の変更、エンボス圧を下げる、目付や厚みを減らす等により達成することができる。
【0071】
しなやかさを向上させると強度が低下し易いため、最外側不織布20Bは、JIS−P−8113に規定される引張強度が幅方向において40〜120kgf/m、特に60〜100kgf/m、前後方向において10〜80kgf/m、特に25〜60kgf/mであり、JIS−P−8116に規定される引裂強度が前後方向において4〜30kgf/m、特に8〜25kgf/mであるのが好ましい。このような引張強度及び引裂強度は、例えば、繊維同士の絡まり度合いを増す等により達成することができる。
【0072】
最外側不織布20Bの圧縮特性もしなやかさと密接に関連するものである。よって、最外側不織布20Bの圧縮特性は、圧縮硬さLCが0.3〜1.0、特に0.5〜0.9であり、且つ圧縮仕事量WCが0.01〜0.10、特に0.01〜0.07であり、圧縮レジリエンスRCが20〜90%、特に25〜70%であるのが好ましい。このような圧縮硬さLC、圧縮仕事量WC、圧縮レジリエンスRCは、例えば、原料繊維の種類の選択や割合の変更、目付や厚みを減らす等により達成することができる。
【0073】
最外側不織布20Bは、原料繊維の物質、構造、製法、繊度、繊維長(短繊維、フィラメント)等については、特に限定されない。例えば、原料繊維としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維等から適宜選択でき、また繊維構造としては並列型、芯鞘型等の2層型複合繊維、多層型複合繊維、非複合繊維、混合繊維、分割繊維等から適宜選択することができる。さらに、製法としては、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等、公知の方法から適宜選択して用いることができる。繊維の繊度や繊維長についても公知の仕様を採用することができるが、繊度は0.7〜3dtex、特に1〜2.5dtexが好ましい。
【0074】
(第2実施形態)
次に、第3係合部材42、第4係合部材43を別の配置で設ける第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
図10,
図11に示すように、後身頃Bの両側部から下半身方向に向かって延出した第二帯状部66を設ける。当該帯状部の衣服当接面には、第二帯状部66の縁と略平行に第4係合部材43が設けられる。
【0075】
また、帯状部65の上下方向の長さは、第1実施形態のそれよりも短い。
第2実施形態の帯状部65の上下方向の長さと第二帯状部66の上下方向の長さを加えた長さは、第1実施形態の帯状部65の上下方向の長さと同じ、もしくはそれよりも短くするのが好ましい。第1実施形態の帯状部65の上下方向の長さよりも短くしても、外れやすい上半身側の端部の係合部分を帯状部65で覆い、かつ、外れやすい下半身側の端部の係合部分を第二帯状部66で覆うことができるためである。
【0076】
着用者が第2実施形態の使い捨ておむつ1を装着する場合、
図15に示すように、まず第2係合部材41と第3係合部材42を係合させる。そして、
図15および
図16に示すように、帯状部65の基部にある折り返し部64を着用者の前側へ向けて折り返し、第1係合部材40と第4係合部材43を係合させる。その後、第二帯状部66の基部にある折り返し部64を着用者の前側へ向けて折り返し、第1係合部材40と第4係合部材43も係合させる。
そのようにして、外装シート20の前身頃Fと後身頃Bとが連結した状態で、使い捨ておむつ1を股間部に引上げた後、第1係合部材40と第4係合部材43との係合位置を調整し足回りにフィットさせる。
【0077】
上記例とは異なり、第2係合部材41と第3係合部材42を係合させた後、第二帯状部66に設けた第4係合部材43と第1係合部の係合をさせ、その後に帯状部65に設けた第4係合部材43と第1係合部の係合を行ってもよい。
【0078】
前身頃Fと後身頃Bの係合部分のうち、下半身側の端部の係合も外れやすいが、当該端部の係合部分を後身頃Bから延出した第二帯状部66で覆うことにより、当該係合が外れにくくなるという効果がある。
【0079】
(第3実施形態)
次に、第3係合部材42、第4係合部材43を別の配置で設ける第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
図12,
図13に示すように、第3係合部材42を設ける後身頃Bの両側部の上下方向の長さは、第1実施形態や第2実施形態のそれよりも短い。具体的には、第3係合部材42を設ける後身頃Bの両側部の上下方向の長さは、前身頃Fの連結側部21の長さよりも短い。
また、帯状部65の上下方向の長さは、第1実施形態のそれよりも長い。具体的には、帯状部65の上下方向の長さは、前身頃Fの連結側部21の長さよりも長い。
1つの帯状部65には折り返し部64が2つ設けられる。1つの折り返し部64は、帯状部65の基部に設けられる。
もう1つの折り返し部64は、帯状部65の中間に設けられる。より詳細には、帯状部65の基部に設けた折り返し部64と、帯状部65の中間に設けた折り返し部64の間の距離は、前身頃Fの連結側部21の上下方向の長さと同じ、もしくはそれ以上である。
【0080】
そして、前記帯上部65の中間に設けた前記折り返し部64を境界として、下半身側と上半身側のそれぞれの場所に第4係合部材43を設ける。
また、後身頃Bの両側部に第3係合部材42を設ける。
【0081】
着用者が第3実施形態の使い捨ておむつ1を装着する場合、
図17に示すように、まず第2係合部材41と第3係合部材42を係合させる。そして、
図17および
図18に示すように、帯状部65の基部にある折り返し部64を着用者の前側へ向けて折り返し、第1係合部材40と第4係合部材43を係合させる。その後、
図18および
図19に示すように、前記折り返した帯状部65の中間にある折り返し部64を起点に、前記帯状部65の先端を前身頃Fの肌当接面へさらに折り返し、第2係合部材41と第4係合部材43を係合させる。
そのようにして、外装シート20の前身頃Fと後身頃Bとが連結した状態で、使い捨ておむつ1を股間部に引上げた後、第1係合部材40と第4係合部材43との係合位置を調整し足回りにフィットさせる。
【0082】
第3実施形態によれば、前身頃Fと後身頃Bの係合部分のうち、外れやすい上半身側の端部および下半身側の端部の係合部分を前記帯状部65で覆うことができるため、係合が外れにくくなるという効果がある。
また、前記後身頃Bの帯状部65を折り返した状態で、該帯状部65の先端が使い捨ておむつ1の肌当接面に位置し、使い捨ておむつ1の衣服当接面には該帯状部65の先端が現れない。
従って、使い捨ておむつ1の着用時に発生する使い捨ておむつ1と衣服の摩擦力により、該帯状部65の先端の係合が使い捨ておむつ1から外れることを防ぐことができるという効果がある。また、該帯状部65の先端が衣服当接面に現れた場合と比べて、使い捨ておむつ1の外見を綺麗に見せることができるという効果がある。
【0083】
なお、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態において、折り返し部64の折り返しを容易にするために、前記折り返し部64をまたがるように係合部材を設けないことが好ましい。