(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記供給区間における前記ベルト面は、搬送方向と平行な姿勢を維持しつつ当該搬送方向と直交方向に往復移動可能に構成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に開示された搬送装置・包装機は、平坦なシート状に展開されている包装フィルム上に被包装物が置かれた状態で搬送されるため、位置ずれを生じるおそれがある。特に被包装物の形状が非矩形状等で自立がしにくく不安定なものの場合、搬送途中で被包装物が倒れたり、位置ずれを生じたりするおそれが顕著に現れる。その結果、後工程のトップシール装置にて噛み込み等のトラブルを生じるおそれがあるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の搬送装置は、(1)
被包装物供給装置により供給される被包装物を搬送する搬送装置であって、前記被包装物の搬送面の上方の左右両側に、
前記被包装物の供給区間から下流側に至るまでサイドコンベア装置を配置し、
前記被包装物供給装置は、前記供給区間において、当該被包装物を前記搬送装置の搬送速度と同期させつつ前進移動させるようにし、前記サイドコンベア装置は、水平平面内で所定の軌跡で回転するエンドレスベルトを備え、前記供給区間では、左右のサイドコンベア装置のエンドレスベルトの搬送側を移動するベルト部位が、対向するベルト面間の距離が離れた開状態では前記被包装物に接触せず、その対向するベルト面間の距離が接近した閉状態では前記左右のサイドコンベア装置が前記被包装物を両側から支持するように構成し、前記供給区間より下流側の領域では、前記左右のサイドコンベア装置にて前記被包装物を支持した状態を維持するように構成し、前記開状態となる供給区間の終端位置を搬送方向に沿って前後に変更可能に構成し
、供給される前記被包装物の前進移動に合わせて、前記開状態となる供給区間の終端位置を前側に移動し、供給される前記被包装物が所望の位置にくれば、前記供給区間を閉状態にして前記左右のサイドコンベア装置で前記被包装物を両側から支持するようにした。
【0007】
開状態の供給区間の終端位置は、実施形態では、テンションローラ32(32′)と第2アイドルプーリ34間に掛け渡されたベルト面が搬送方向に対して斜めに傾斜した部位で規定される。よって、テンションローラ32(32′)と第2アイドルプーリ34(34′)の総対位置関係を固定した状態で、それらを搬送方向に沿って前後進移動することで、当該終端位置の前後の変更が行える。
【0008】
供給区間では開状態の時には被包装物が非接触になるようにベルト面間の距離が離れるため、その供給区間内の搬送面上に被包装物をスムーズに挿入配置できる。そして、その状態で供給区間を閉状態にすると、供給区間にある被包装物を左右のサイドベルトで支持できる。よって、被包装物は、そのままサイドベルトの搬送に伴い供給区間の下流側に至り、両サイドから支持された状態のまま搬送されるので、位置ずれ等を生じない。
【0009】
また、搬送装置が連続的に被包装物を搬送している状態で、供給区間内に挿入された被包装物をサイドコンベア装置で挟み込んで支持する場合、搬送装置の搬送速度(サイドコンベア装置のエンドレスベルトの移動速度)と、供給区間内に挿入された被包装物の前進移動速度を等しくする(ほぼ等しく)する必要がある。そこで、本発明では、開状態における供給区間の終端位置を前後にずらすことができるので、被包装物供給装置で保持した被包装物を前進移動させながら搬送装置の搬送速度と同期をとる際に、当該終端位置を前側に変更させて供給区間を下流側に延長することで、係る同期を確実にとることができ、その後に供給区間を閉状態にすることで、被包装物供給装置の保持から、サイドコンベア装置の支持(保持)にスムーズに移行できる。
【0010】
そして、このようにして搬送装置に供給された被包装物は、そのように両サイドを支持された状態のまま搬送され、係る被包装物が供給区間を通過して下流側の常時左右のサイドコンベア装置で支持される区間に至ると、供給区間を開状態にして次の被包装物の供給を受け付ける。
【0011】
(2)前記供給区間における前記ベルト面は、搬送方向と平行な姿勢を維持しつつ当該搬送方向と直交方向に往復移動可能に構成するとよい。係る構成を実現するための一例としては、被包装物の搬送面の上方の左右両側に、被包装物の供給区間から下流側に至るまでサイドコンベア装置を配置し、そのサイドコンベア装置は、水平平面内で所定の軌跡で回転するエンドレスベルトと、そのエンドレスベルトの搬送側を移動するベルト部位に接触し、エンドレスベルトの移動方向と交差する方向に付勢するテンションローラを備える。そして、前記供給区間では、左右のサイドコンベア装置のエンドレスベルトの搬送側を移動するベルト部位が、搬送方向と直交する方向に往復移動し、対向するベルト面間の距離が離れた開状態では前記被包装物に接触せず、その対向するベルト面間の距離が接近した閉状態では前記左右のサイドコンベア装置が前記被包装物を両側から支持するように構成し、前記供給区間より下流側の領域では、前記左右のサイドコンベア装置にて前記被包装物を支持した状態を維持するように構成し、前記供給区間の終端側のベルト部位の前記往復移動は、前記テンションローラを搬送方向と直交する方向に往復移動することで行い、かつ、前記テンションローラを搬送方向に沿って移動可能に構成するとよい。
【0012】
(3)前記エンドレスベルトのベルト部位の外周面に、弾性部材を設けるとよい。(4)そして、前記弾性部材は、上流側に向けて斜めに突出する多数の羽部とするとよい。これらの弾性部材(羽部)を設けると、被包装物の外形状の一部または全部に凹凸・曲面等がある場合でも、確実に両サイドから支持することができる。
【0013】
(5)本発明に係る包装機は、上記の(1)〜(4)のいずれかに記載の搬送装置と、その搬送装置に帯状フィルムを供給するフィルム供給装置と、そのフィルム供給装置で供給され、前記搬送装置の搬送面並びに左右のサイドコンベア装置のエンドレスベルトの搬送面を覆う状態で前記供給区間を移動する前記帯状フィルムの上に被包装物を供給する被包装物供給装置と、前記帯状フィルムの搬送途中で被包装物を包み込む手段と、前記被包装物を包み込んだ帯状フィルムの所定位置をシールするシール手段と、前記被包装物を包み込んだ帯状フィルムの前後の被包装物の間のフィルム部位をカットするカット手段と、を備えて構成できる。カット手段と、フィルムを横方向にシールするシール手段は、実施形態では、トップシール装置として1つの装置として実現されているが、もちろん別構成としてもよい。
【0014】
(6)前記被包装物供給装置は、被包装物を前記供給区間にて前記帯状フィルムの搬送速度と同じ速度で前進移動させ、前記搬送装置は、前記被包装物の前進移動に合わせて前記開状態となる供給区間の終端位置を搬送方向に沿って前側に移動させるとともに、前記同じ速度になったら前記閉状態にする制御を行うように構成するとよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明では、たとえ不安定な被包装物であっても、位置ずれを防止しつつ搬送することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明に係る包装機の好適な一実施形態の正面図を示し、
図2はその平面図を示している。同図に示すように、本実施形態の包装機は、搬送装置10と、搬送装置10の上流側に配置されたフィルム供給装置1と、搬送装置10の下流側上方に配置されたセンターシール装置2と、搬送装置10の下流側端に配置されたトップシール装置3と、を備えている。
【0018】
フィルム供給装置1は、被包装物8を包み込む包装フィルムとなる帯状フィルム5を連続して搬送装置10に供給するためのものである。このフィルム供給装置1は、帯状フィルム5をロール状に巻き取った原反ロール4を備える。
【0019】
搬送装置10の搬入側端には、原反ロール4から繰り出された帯状フィルム5の両サイドのフィルム部位を上方に立ち上げて、帯状フィルム5の幅方向中央をU字状(凹状)に成形するガイド板6が設けられる。この立ち上げられた帯状フィルム5の両サイドの先端(フィルムの両側縁端)は、そのまま上方に立ち上がったままか、或いはさらに外側に折り曲げられる。このとき、搬送装置10上を移動する帯状フィルム5は、その帯状フィルム5の幅方向の中央部位の上方が開放された状態となる。
【0020】
搬送装置10の上流側所定位置が、被包装物の供給区間Kとなる。少なくともこの供給区間Kを通過するまでは、帯状フィルム5の上方が開放した状態となる。この供給区間Kにおける搬送装置10の外側に隣接して、図示省略の被包装物供給装置が設置される。後述するように被包装物供給装置は、複数個(本実施形態では5個)の被包装物8を一度に吸着し、一列縦隊の被包装物8を搬送装置10上を移動する帯状フィルム5の上の所定位置に位置決めしつつ供給する。
【0021】
搬送装置10の供給区間Kを超えた下流側所定位置には、帯状フィルム5の両側縁端をそれぞれ幅方向の中央側に折りたたみ、被包装物8の上側を覆うとともに、両側縁を重ね合わせて帯状フィルム5を筒状に製袋する製袋部7を配置する。その製袋部7の下流側に、センターシール装置2を配置する。このセンターシール装置2は、筒状に製袋された帯状フィルム5の両側縁を重ね合わせた部位を挟み込んで搬送力を与える一対のピンチローラ2bと、その重ね合わせた部位を両側から挟み込んで加熱シールする円板状の一対のセンターシーラ2aと、そのセンターシーラ2aの下流側に配置され、加熱して溶融したフィルムの側縁の重ね合わされた部位を加圧すると共に冷却して熱シールを完了する一対のプレスローラ2cと、を備えている。
【0022】
さらに、その搬送装置10の進行方向前方に配置されたトップシール装置3は、上下に対向し、フィルムの搬送方向と直交する方向に延びるように平行に配置された一対のトップシーラ3aを備えている。この一対のトップシーラ3aのシール面を対向させた状態を保持しながらそれぞれを所定の軌跡で公転移動させるいわゆるボックスモーション式のシール装置である。さらに、このトップシーラのシール面には、カッター刃を内蔵し、1つのトップシーラでフィルムを挟み込んで加熱・加圧すると共に、カッター刃でカットする。これにより、筒状に製袋されたフィルムの先端部分(先頭の製品を内包する部分)は、分離され、包装体9が製造される。この包装体9が搬出コンベア装置13上を搬送される。
【0023】
次に、本発明の要部となる搬送装置10の構成を説明する。搬送装置10は、搬送面を構成する第1ベルトコンベア装置11(上流側)と、第2ベルトコンベア装置12(下流側)を前後に配置している。それら第1,第2ベルトコンベア装置11,12は、一直線上に並ぶ。製袋部7やセンターシール装置2は、第2ベルトコンベア装置12の上方に配置される。第1,第2ベルトコンベア装置11,12の上方に露出するベルト面が、搬送面となる。帯状フィルム5は、その幅方向中央部位が搬送面であるベルト面の上に接触した状態で、ベルト面の移動に追従して搬送される。
【0024】
また、第1,第2ベルトコンベア装置11,12は、図示省略するが、エンドレスベルトのベルト面に多数の透孔が形成され、エンドレスベルトの上側のベルト面の下方に設けられた吸引装置により、その透孔を介してベルト面の上方の空気が吸引される。これにより、第1,第2ベルトコンベア装置11,12上を搬送される帯状フィルム5が吸着保持される。
【0025】
これら第1,第2ベルトコンベア装置11,12のベルト面の上方には、左右一対のサイドベルト装置14が配置される。左右一対のサイドベルト装置14は、第1,第2ベルトコンベア装置11,12のベルト面の中心線を基準として線対称に構成され、両サイドベルト装置14は、同期して同じ速度で回転移動する。
【0026】
このサイドベルト装置14は、第1ベルトコンベア装置11の上流端近傍から第2ベルトコンベア装置12の下流端近傍までの搬送装置10の全長に渡るように設置される。すなわち、サイドベルト装置14のエンドレスベルト20は、段付きベルトであり、適宜位置に設定されたプーリに掛け渡され、ベルト面が起立した状態で水平平面内を所定の軌跡で回転移動する。このエンドレスベルト20の軌跡を決定するプーリは、搬送装置10の前後端近傍に配置された従動プーリ15,15′と、前後方向の中央付近で搬送方向と直交する外側に突出するようにずらして配置される駆動プーリ16と、その駆動プーリ16の前後で中央に寄った位置に配置されるテンションプーリ18,18等である。駆動プーリ16は、その下方に配置された駆動モータ17の回転力を受けて回転する。
【0027】
エンドレスベルト20の内周面が、前後の従動プーリ15,15′に掛け渡されることで、前後位置が規定される。後述するように、上流側(進行方向後方側)の従動プーリ15′は幅方向に移動するため、エンドレスベルト20の上流側の区間のベルト部位は、搬送方向と直交する幅方向に移動し、一対のサイドベルト装置14の対向するベルト面間の距離が変動する。
【0028】
エンドレスベルト20の外側を移動するベルト部位の内周面が、駆動プーリ16に掛け渡される。駆動プーリ16は、外側に突出するようにずらして配置されているので、外側を移動するエンドレスベルト20のベルト部位は、係る駆動プーリ16の付近で外側に迂回する移動軌跡をとる。また、駆動プーリ16の前後に配置されたテンションプーリ18は、エンドレスベルト20の外周面に接触し、接触した部位を搬送装置の中央側に付勢する。これにより、駆動プーリ16の回転力が、エンドレスベルト20に伝わり、エンドレスベルト20は、所望の回転速度で回転移動する。
【0029】
エンドレスベルト20の外周面には、多数の羽部21が取り付けられる。この羽部21は、プラスチック・樹脂その他の適度な弾力性を有する材質から構成される。羽部21の形状は、その先端21aが、搬送方向後方(上流側)に向かって延びるような傾斜面としている。これにより、この左右のサイドベルト装置14のエンドレスベルト20に取り付けられた羽部21の先端21aが、搬送装置10上に供給された被包装物8を両側から接触してこれを支持する。このとき、羽部21は、適度な弾力性を有するため、その弾性復元力によりある程度の力で被包装物を保持する。また、被包装物8の外形状が筐体のような矩形状(接触する面が平面)ではなく、球面・曲面を一部または全部に有する不定形のものであっても、羽部21の先端21aが適宜弾性変形し、被包装物8の側面に接触する。よって、被包装物8の形状に関係なく、たとえ非矩形状で不安定な形状であっても左右の羽部21にて被包装物8をその左右から適切な力で支持できるので、搬送時に被包装物8が位置ずれ等を生じない。
【0030】
さらに、羽部21の先端21aが搬送方向後方に向かって傾斜しているので、被包装物8の羽部21の先端21aへの接触に伴い、その先端21aがスムーズに撓む。よって、被包装物8は、羽部21の接触時に損傷しない。
【0031】
さらにまた、
図3に示すように、羽部21の上下方向の長さは、エンドレスベルト20の上下方向の長さよりも短い設定とし、羽部21をエンドレスベルト20の上下方向中央位置に取り付けた状態では、羽部21の上下両端よりもさらに外側にそれぞれエンドレスベルト20の上下端が突出する。つまり、エンドレスベルト20の外周面の上下両端縁は羽部21が存在していないので、その上下両端縁の部分に上記のテンションプーリ18が接触するように形成する。よって、羽部21とテンションプーリ18とが非接触となり、テンションプーリ18にてエンドレスベルト20を搬送装置10の中央に向けて付勢することができる。
【0032】
また、左右一対のサイドベルト装置14は、被包装物8の供給区間Kにおいて、対向するベルト面の間隔を広狭変更するように構成される。よって、当該間隔が広がった開状態(
図3(a),
図4,
図5参照)では、左右の羽部21の先端21a同士の距離が、被包装物8の幅よりも広くなり、羽部21が被包装物8と非接触となる。一方、当該間隔が狭くなった閉状態(
図3(b),
図6参照)では、左右の羽部21の先端21a同士の距離が、被包装物8の幅よりも狭くなり、羽部21の先端21aが弾性変形して被包装物8をしっかりと支持する。また、この閉状態のときは、エンドレスベルト20の内側を移動するベルト面(第1,第2ベルトコンベア装置11,12上に位置するベルト面)は、一直線上に位置し、左右一対のエンドレスベルト20の対向する内側のベルト面の間隔は、搬送装置10の全長に渡って同一となる。
【0033】
さらに
図4,
図5を比較すると明らかなように、供給区間Kの前後方向の長さt1,t2が、供給される被包装物8の移動に同期して変更できるようにしている。これらの動作を行うための具体的な構成は、以下の通りである。
【0034】
まず、搬送方向に沿って延びる細長なベースプレート25を、供給区間Kに近接して左右にそれぞれ配置する。このベースプレート25は、シリンダ26に連結され、そのシリンダ26の駆動を受けて、搬送方向と直交する方向に往復移動可能に構成される。両シリンダ26を同期して伸縮させることで、左右に配置された一対のベースプレート25は、第1ベルトコンベア装置11の中心に向かって接近/離反する。
【0035】
このベースプレート25上の上流側端に、従動プーリ15′を取り付ける。これにより、ベースプレート25が搬送方向と直交する方向に往復移動することで、従動プーリ15′も第1ベルトコンベア装置11の中心に向かって接近/離反する。その結果、サイドベルト装置14の上流端における対向するベルト面の間隔が広狭変動する。なお、ベースプレート25は、搬送方向と直交する方向に延びるガイドレール23に案内されて、往復移動する。
【0036】
また、ベースプレート25上には、ガイド板27,27′を起立形成し、そのガイド板27,27′にてエンドレスベルト20を受け、エンドレスベルト20が所望の垂直面内を移動するようにしている。また、ベースプレート25の下流側端には、外側を移動するベルト面の外周面(羽部21に接触しない上下端)に接触するガイドローラ29を備えている。これにより、エンドレスベルト20の外側を移動するベルト部位は、ガイドローラ29並びに従動プーリ15′や外側に位置するガイド板27′等によりガイドされ、ベースプレート25が搬送方向と直交する方向に往復移動しても、搬送方向と平行な状態を維持する(
図4,
図5と
図6参照)。
【0037】
また、ベースプレート25よりも下流側の所定位置には、エンドレスベルト20の外側を移動するベルト部位の内周面に接触する第1アイドルプーリ28,28が配置されている。この第1アイドルプーリ28は、搬送装置10の機枠等に連結され、ベースプレート25の往復移動に関係なく同一位置を維持する。よって、前後の第1アイドルプーリ28,28で挟まれる区間では、エンドレスベルト20の外側を移動するベルト部位は、ベースプレート25の位置に関係なく固定した位置を移動する。この固定した位置は、
図4,
図5に示すように、ベースプレート25が最も外側に位置したとき(対向するベルト面の間隔が最も広い開状態のとき)の供給区間Kに位置するエンドレスベルト20の外側を移動するベルト部位と同一平面上に位置する設定としている。
【0038】
一方、ベースプレート25の下流端には、板カム30が連結され、一体となって往復移動する。板カム30には、搬送方向と平行なカム溝30a(実際には、帯状に延びる細長な貫通孔)が形成される。このカム溝30aには、カムフォロア31を連携させる。このカムフォロア31は、カム溝30aに沿って搬送方向に沿って前後進移動可能となる。このカムフォロア31は、アーム33の先端に取り付けられた一対のテンションローラ32,32と連結している。この一対のテンションローラ32,32は、エンドレスベルト20の内側を移動するベルト部位(羽部21に接触しない上下端部位)を、その内外両側から挟み込む配置とする。そして、アーム33の他端は、エンドレスベルト20の内側を移動するベルト部位の内周面に接触する第2アイドルプーリ34の回転軸34aと同軸に連結される。これにより、アーム33は、その回転軸34aを回転中心として、正逆回転可能となる。
【0039】
テンションローラ32,32は、カムフォロア31に対して内側(搬送装置10の中心側)に連結されており、一対のテンションローラ32,32でエンドレスベルト20の内側を移動するベルト部位を挟み込む位置(搬送装置10の中心からの距離)は、従動プーリ15′で方向を変えて内側に移動してきたベルト部位の位置(搬送装置10の中心からの距離)と一致させている。つまり、供給区間Kに位置するエンドレスベルト20の内側を移動するベルト部位は、テンションローラ32,32並びに従動プーリ15′や内側に位置するガイド板27等によりガイドされ、ベースプレート25が搬送方向と直交する方向に往復移動しても、搬送方向と平行な状態を維持する(
図4,
図5と
図6参照)。
【0040】
さらに第2アイドルプーリ34は、搬送方向と平行に配置されたガイドレール35に連結されたスライダ36上に設置される。そして、スライダ36は、シリンダ38に連携され、そのシリンダ38の伸縮移動に追従してガイドレール35に沿って搬送方向と平行に前後進移動する。このスライダ36の前後進移動に伴い、第2アイドルプーリ34,アーム33,テンションローラ32並びにカムフォロア31も前後進移動する。そして、第2アイドルプーリ34は、スライダ36上に設置されているため、前後進移動するものの搬送方向と常時平行に移動し、搬送装置10の中心からの距離は変動しない。
【0041】
さらに、
図2に示すように、第2アイドルプーリ34の搬送装置10の中心からの離反距離は、搬送装置10の下流側端に配置した従動プーリ15と等しくしている。よって、この第2アイドルプーリ34を通過したエンドレスベルト20の内側を移動するベルト部位は、ベースプレート25の位置に関係なく従動プーリ15に至るまで搬送方向と平行に移動する。そして、係る第2アイドルプーリ34以降の区間では、エンドレスベルト20に設けた羽部21の先端21aが、被包装物8を両側から支持するように設定される。その結果、係る第2アイドルプーリ34以降の領域では、被包装物8は、しっかりと支持され、位置ずれや転倒等することなく、安定して搬送される。
【0042】
一方、カムフォロア31は、ベースプレート25に連結された板カム30に連携されているので、ベースプレート25の往復移動に伴い、板カム30も搬送装置10の中心に対して接近離反するため、カムフォロア31ひいてはテンションローラ32も当該中心からの距離が変動する。そして、このテンションローラ32の当該中心からの位置の変動に伴いアーム33も回転する。
【0043】
よって、例えば
図4,
図5に示すように、ベースプレート25が最も外側に位置している(対向するベルト面の間隔が最も広い開状態の)場合、板カム30もベースプレート25の延長線上に位置するため、カムフォロア31ひいてはテンションローラ32は、第2アイドルプーリ34に対して相対的に外側に位置する。よって、この状態では、テンションローラ32にてエンドレスベルト20の内側を移動するベルト面は、外側に付勢される。このとき、従動プーリ15′も外側に移動しているため、供給区間Kに位置するエンドレスベルト20の内側を移動するベルト部位は、搬送方向と平行な状態を維持しながら最も外側に移動し対向するベルト面の間隔が離れた状態となる。
【0044】
そして、テンションローラ32を通過したエンドレスベルト20の内側を移動するベルト部位は、第2アイドルプーリ34に向けて徐々に搬送装置10の中心側に移動し、対向するベルト面間の間隔が徐々に接近していく。つまり、
図4,
図5に示す状態では、このテンションローラ32よりも上流側の供給区間Kでは開状態であるため、羽部21の先端部21aは被包装物8から離反しているが、テンションローラ32から第2アイドルプーリ34に至るまでの区間で羽部21の先端部21aが徐々に被包装物8に近づき、最終的に第2アイドルプーリ34に至った際には、羽部21の先端部21aが被包装物8に接触して支持するようになる。
【0045】
さらに、
図4に示すようにシリンダ38が延びてカムフォロア31が上流側に位置した状態から、
図5に示すようにシリンダ38が収縮してカムフォロア31が下流側に位置した状態に変位しても、ベースプレート25,板カム30が静止した状態の場合、テンションローラ32の前後方向の位置が変わるものの搬送装置10の中心側からの距離は変わらない。よって、開状態となっているベルト面の間隔が広くなっている供給区間Kの長さがt1からt2に延びる。換言すると、
図4において第2アイドルプーリ34近傍で羽部21にて支持されている白丸で示した被包装物8は、
図5においても支持した状態を維持する。
【0046】
また、
図6に示すように、ベースプレート25を搬送装置10の中心側に移動させた場合、板カム30もベースプレート25の延長線上に位置するため、カムフォロア31は、第2アイドルプーリ34とほぼ同一直線上に位置する。それに伴いカムフォロア31は、第2アイドルプーリ34に対して相対的に若干内側に位置する。よって、この状態では、テンションローラ32にてエンドレスベルト20の内側を移動するベルト部位は、内側に付勢される。このとき、従動プーリ15′も内側に移動しているため、供給区間Kに位置するエンドレスベルト20の内側を移動するベルト部位は、搬送方向と平行な状態を維持しながら最も内側に移動し、対向するベルト面の間隔が接近した状態となり、さらに、第2アイドルプーリ34以降の領域のベルト部位と面一の状態となる。つまり、この閉状態では、搬送装置10の全長に渡り、エンドレスベルト20の内側を移動するベルト部位は、同一の間隔(被包装物8を羽部21にて安定して支持できる間隔)を維持することになる。
【0047】
なお、
図4,
図5に示す状態では、テンションローラ32から第2アイドルプーリ34までの区間でエンドレスベルト20は斜めに進んでいるが、
図6では、搬送方向と平行に真っ直ぐ進むため移動距離が短くなる。その分、
図6に示すように、エンドレスベルト20の外側を移動するベルト部位が、第1アイドルプーリ28からガイドローラ29に至るまで斜めに移動することで、エンドレスベルト20の周長が一定を保つようにしている。
【0048】
次に、上記の構成の装置を用いて被包装物8を供給・搬送する動作・制御を説明する。まず、シリンダ38,26を適宜駆動させ、
図4に示すように、テンションローラ32,32,第2アイドルプーリ34が上流側に位置した状態でベースプレート25を外側に移動して供給区間Kを開状態にする。
【0049】
次いで、このように開状態の供給区間Kに対し、被包装物供給装置たる供給ロボットを用いて5個の被包装物8を挿入するとともに、搬送装置10における帯状フィルム5の搬送速度と同期をとって被包装物8も前進移動させる。供給区間Kは開状態であるため、供給される被包装物8は、羽部21に接触することもなく、スムーズに供給区間Kに挿入できる。
【0050】
また搬送装置10は、このときシリンダ38を駆動させ、第2アイドルプーリ34,アーム33,テンションローラ32並びにカムフォロア31を前進移動させる。これにより、前回までの供給作業で供給され、羽部21で支持されている被包装物8(図中、白丸で示す)は、その支持された状態を維持しながら、開状態となる供給区間Kの領域を下流側まで延長することができる。その結果、確実に供給ロボットによる被包装物を前進移動させる速度と、搬送装置10の帯状フィルム5の搬送速度とを一致させるとともに、被包装物8を帯状フィルム5に対する所望位置に位置させることができる。
【0051】
このように同期がとれたならば、シリンダ26を動作させ、ベースプレート25を中央側に向けて移動する。これにより、供給区間Kにあった羽部21の先端部21aも中央に移動して閉状態となり、供給ロボットで吸引保持されている供給対象の5個の被包装物8(図中、ハッチングの丸で示す)を両側から支持する。このとき、前工程で供給ロボットによる移動速度と、搬送装置10(帯状フィルム5)の移動速度の同期がとれているため、ストレス無く羽部21による支持が完了する。
【0052】
次いで、供給ロボットによる被包装物8の吸引保持を解除する。これにより、今回供給された5個の被包装物8は、供給処理が完了し、以後、搬送装置10による搬送が行われる。また、供給ロボットは、搬送装置10の供給区間Kから待避し、次の被包装物を取りに行く。
【0053】
また、供給区間Kが閉状態になっている適当なタイミングでシリンダ38を駆動させ、テンションローラ32,32,第2アイドルプーリ34を上流側に復帰させておく(
図6参照)。このとき、エンドレスベルト20は回転移動するため、今回供給された5個の被包装物8は、順次搬送される。そして、最後尾の被包装物が第2アイドルプーリ34以降の領域に来たときに、シリンダ26を駆動させベースプレート25を外側に移動し、供給区間Kを開状態にする(
図4参照)。このように開状態としても、第2アイドルプーリ34以降の領域は、閉状態を維持するので、先に供給した5個の被包装物8は、次の被包装物の供給処理中も羽部21により支持され安定して搬送される。
以後、上記処理を繰り返すことで供給区間Kへの被包装物のスムーズな供給と、その後の羽部21による指示による安定した搬送が行われる。
【0054】
図7,
図8は、本発明の他の実施形態の要部を示している。上述した実施形態では、供給区間Kの開状態と閉状態の切替を、従動プーリ15′とテンションローラ32を中央に向けて接近離反させる往復移動させることで、当該供給区間にあるベルト面を搬送方向と直交方向に平行(往復)移動させて行うようにした。これにより、供給区間Kに存在する5個の被包装物8を一度に挟み込んで支持するようにした。
【0055】
これに対し本実施形態では、テンションローラ32′と第2アイドルプーリ34′の相対位置関係は、搬送装置の中心からの距離を異ならせた状態(テンションローラ32′の方が離れて外側に位置している)で固定とし、搬送方向に沿って往復移動できるようにしている。さらに、この搬送方向に沿って往復移動する距離は、上述した実施形態と比べて、長くしている。
【0056】
また、
図7,
図8では、第2アイドルプーリ34′よりも下流側に位置するベルト面は、被包装物8に接触するように描画している。左右のエンドレスベルト20の設置位置は、ベルト面に羽部21を取り付けない場合には図示の状態となるが、羽部21を設ける場合には当該羽部21の長さを考慮して全体的に外側に平行移動した状態に配置する。
【0057】
さらに本実施形態では、上述した実施形態と相違し、搬送装置10の搬入側の従動プーリ15′の位置は固定としている。さらに、その従動プーリ15′と、テンションローラ32′は、搬送装置10の中心からの距離を等しく設定している。これにより、その従動プーリ15′とテンションローラ32′の間に位置するエンドレスベルト20のベルト面は、搬送方向と平行となる。対向するエンドレスベルト20のベルト面の距離は、被包装物8の幅に対し充分広く設定し、サイドベルト装置14(ベルト面(エンドレスベルト20に羽部を設けた場合には羽部))は、被包装物8と非接触としている。
【0058】
一方、第2アイドルプーリ34′と搬送装置10の搬出側の従動プーリ15は、搬送装置10の中心からの距離を等しく設定している。これにより、その従動プーリ15と第2アイドルプーリ34′の間に位置するエンドレスベルト20のベルト面は、搬送方向と平行となる。そして対向するエンドレスベルト20のベルト面の距離は、サイドベルト装置14(ベルト面(エンドレスベルト20に羽部を設けた場合には羽部))が被包装物8に接触して支持できる間隔としている。
【0059】
これにより、第2アイドルプーリ34′とテンションローラ32′が、搬送方向に沿って前後進移動することで、被包装物8を支持できる区間が変動する。つまり、第2アイドルプーリ34′とテンションローラ32′が搬送方向の前方側に位置する場合には供給区間Kは開状態となり、搬送方向の後方側(搬入側)端に位置する場合には供給区間Kは閉状態となる。
【0060】
そして、第2アイドルプーリ34′とテンションローラ32′の前後方向の移動の具体的な制御・動作は、以下の通りである。まず、
図7(a)に示すように、第2アイドルプーリ34′とテンションローラ32′を、移動範囲の最前端ではない前方側所定位置に位置させる。この状態では、供給区間Kが開状態となる。被包装物供給装置たる供給ロボットは、複数個(本実施形態では5個)の被包装物8を一度に吸着し、その吸着した状態のまま一列縦隊の被包装物8を搬送装置10上を移動する供給区間Kにある帯状フィルム5上に挿入する。
【0061】
そして、供給ロボットは、被包装物8を吸着した状態のまま搬送装置10における帯状フィルム5の搬送速度と同期をとって被包装物8を前進移動させる。このとき、第2アイドルプーリ34′とテンションローラ32′も前進移動させ、前回までの供給作業で供給され、サイドベルト装置14で支持されている被包装物8(図中、白丸で示す)は、その支持された状態を維持しながら、被包装物8と非接触の開状態となる供給区間Kの領域を下流側まで延長する(
図7(b)参照)。
【0062】
供給ロボットで吸着された被包装物8の移動速度と、搬送装置10の搬送速度の同期がとれて同速度になったならば、第2アイドルプーリ34′とテンションローラ32′を搬送方向に沿って後方に移動する(
図8(a)参照)。これにより、供給区間Kは閉状態となり、両サイドベルト装置14は、供給ロボットで吸引保持されている供給対象の5個の被包装物8(図中、ハッチングの丸で示す)を両側から支持する。このとき、前工程で供給ロボットによる移動速度と、搬送装置10(帯状フィルム5)の移動速度の同期がとれているため、ストレス無くサイドベルト装置14による支持が完了する。
【0063】
次いで、供給ロボットによる被包装物8の吸引保持を解除する。これにより、今回供給された5個の被包装物8は、供給処理が完了し、以後、搬送装置10による搬送が行われる(
図8(b)参照)。また、供給ロボットは、搬送装置10の供給区間Kから待避し、次の被包装物を取りに行く。
【0064】
また、上述した各実施形態では、被包装物8がシメジ等の不定型な形状であったため、エンドレスベルト20に羽部21を設け、安定して支持するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、エンドレスベルト20のベルト面で被包装物を支持しても良い。また、また、羽部ではなく、エンドレスベルト20のベルト面にスポンジ等の弾性体を取り付けるようにしてもよい。
【0065】
また、開状態と閉状態の切替や、テンションローラ32,第2アイドルプーリ34の前後進移動の駆動源として、シリンダを用いたが、モータその他の駆動源を用いることを妨げない。