特許第5773698号(P5773698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大王製紙株式会社の特許一覧
<>
  • 特許5773698-使い捨ておむつ 図000002
  • 特許5773698-使い捨ておむつ 図000003
  • 特許5773698-使い捨ておむつ 図000004
  • 特許5773698-使い捨ておむつ 図000005
  • 特許5773698-使い捨ておむつ 図000006
  • 特許5773698-使い捨ておむつ 図000007
  • 特許5773698-使い捨ておむつ 図000008
  • 特許5773698-使い捨ておむつ 図000009
  • 特許5773698-使い捨ておむつ 図000010
  • 特許5773698-使い捨ておむつ 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773698
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20150813BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20150813BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   A41B13/02 B
   A41B13/02 E
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-71347(P2011-71347)
(22)【出願日】2011年3月29日
(65)【公開番号】特開2012-205611(P2012-205611A)
(43)【公開日】2012年10月25日
【審査請求日】2014年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久
(72)【発明者】
【氏名】大野 陽平
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05464402(US,A)
【文献】 実開昭60−158830(JP,U)
【文献】 特開2006−000329(JP,A)
【文献】 特開2008−142566(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/00,13/15 − 13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体とを備え、前記表面シート及び液不透過性シートは周縁部において相互に接合され、この接合部分で囲まれる収容空間に吸収体が収容されている、使い捨ておむつにおいて、
前記収容空間内の少なくとも股間部に、複数の吸収体を少なくとも一つは幅方向に移動可能なように備えるとともに、
この幅方向に移動可能な吸収体に対して連結された連結部分、及びおむつ外部に突出する摘み部分を有する、操作部材を備え、
前記操作部材は、おむつの背側部分及び腹側部分の少なくとも一方における幅方向両側部から突出するとともに、この突出部分におむつ外面に対する係止手段が設けられており、
前記操作部材を摘まんで引っ張ることにより、股間部における複数の吸収体の総幅の拡大及び縮小の少なくとも一方を行う構成とされている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
【請求項2】
前記複数の吸収体が積み重ねられた状態で前記収容空間内に収容されており、
上側に位置する吸収体及び下側に位置する吸収体のいずれか一方の吸収体が、前記操作部材により左右少なくとも一方側に移動可能とされており、
当該一方の吸収体の移動により当該一方の吸収体における他方の吸収体の側縁からのはみ出し幅が調節可能なように構成されている、
請求項1記載の使い捨ておむつ。
【請求項3】
前記他方の吸収体が前記操作部材の操作により少なくとも前記一方の吸収体と反対側に移動可能とされている、請求項記載の使い捨ておむつ。
【請求項4】
前記幅方向に移動可能な吸収体の側縁部に、外面から視認可能な目印が設けられている、請求項1〜のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【請求項5】
低出生体重児用の使い捨ておむつである、請求項1〜のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は、病院等の医療施設において、乳幼児、特に未熟児や低出生体重児への使用に適した使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、出生体重が2,500g以下の新生児は低出生体重児、1,500g以下の新生児は極低出生体重児、1,000g以下の新生児は超低出生体重児と呼ばれており、母体内にいる期間が短いことに起因して様々な面で抵抗力がなく、肌も弱い。例えば、低出生体重児は、角質層が極端に薄く肌が弱いため、おむつとの摩擦だけでも角質が剥がれ、その部分から細菌が侵入し炎症等のトラブルを引き起こすことがある。
【0003】
このため、新生児集中治療室(NICU)において保育器内で保育される。このような低出生体重児用の使い捨ておむつの提案もいくつかなされている(例えば特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−136626号公報
【特許文献2】特開2009−82484号公報
【特許文献3】特開2011−10705号公報
【特許文献4】特表2001−515753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の使い捨ておむつは、吸収体の股間部が括れた形状であるにせよ吸収体の股間部幅が定まっているため、装着者毎に異なる股間幅に対して吸収体を適切にフィットさせることが困難であり、その結果、股間の装着感が悪化したり、内股が強く擦れて炎症を起こしたり、あるいは横漏れが発生したりすることがあった。このような問題は、通常の使い捨ておむつはもちろん、低出生体重児用においては極めて重要なものである。
【0006】
そこで、本発明の主たる課題は、股間に適切にフィットさせることが可能な使い捨ておむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
液透過性表面シートと、液不透過性シートと、これらの間に介在された吸収体とを備え、前記表面シート及び液不透過性シートは周縁部において相互に接合され、この接合部分で囲まれる収容空間に吸収体が収容されている、使い捨ておむつにおいて、
前記収容空間内の少なくとも股間部に、複数の吸収体を少なくとも一つは幅方向に移動可能なように備えるとともに、
この幅方向に移動可能な吸収体に対して連結された連結部分、及びおむつ外部に突出する摘み部分を有する、操作部材を備え、
前記操作部材は、おむつの背側部分及び腹側部分の少なくとも一方における幅方向両側部から突出するとともに、この突出部分におむつ外面に対する係止手段が設けられており、
前記操作部材を摘まんで引っ張ることにより、股間部における複数の吸収体の総幅の拡大及び縮小の少なくとも一方を行う構成とされている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
【0008】
(作用効果)
本発明では、張材を摘まんで引っ張ることにより、股間部における複数の吸収体の総幅の拡大及び縮小の少なくとも一方を行うことができるため、装着者毎に異なる股間幅に対して吸収体を適切にフィットさせることができ、股間の装着感が悪化したり、内股が強く擦れて炎症を起こしたり、あるいは横漏れが発生したりするといった事態を防止できる。よって、低出生体重児用として非常に好適なものとなる。
【0009】
【0010】
また、このように構成することにより、操作部材が背側部分の両側部から突出する場合は腹側部分の外面に、また腹側部分の両側部から突出する場合は背側部分に係止することにより、おむつを体に装着するとともに、操作部材を固定して吸収体の股間幅を固定することができる。
【0011】
<請求項記載の発明>
前記複数の吸収体が積み重ねられた状態で前記収容空間内に収容されており、
上側に位置する吸収体及び下側に位置する吸収体のいずれか一方の吸収体が、前記操作部材により左右少なくとも一方側に移動可能とされており、
当該一方の吸収体の移動により当該一方の吸収体における他方の吸収体の側縁からのはみ出し幅が調節可能なように構成されている、
請求項1記載の使い捨ておむつ。
【0012】
(作用効果)
このように複数の吸収体が積み重ねられていると、複数の吸収体間に不要な隙間が生じることなく、吸収体の股間幅を調節可能となる。
【0013】
<請求項記載の発明>
前記他方の吸収体が前記操作部材の操作により少なくとも前記一方の吸収体と反対側に移動可能とされている、請求項記載の使い捨ておむつ。
【0014】
(作用効果)
これにより、吸収体の股間幅を左右対称的に調節することができる。
【0015】
<請求項記載の発明>
前記幅方向に移動可能な吸収体の側縁部に、外面から視認可能な目印が設けられている、請求項1〜のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0016】
(作用効果)
これにより、吸収体の位置、ひいては股間幅を容易に目視することができるようになる。
【0017】
<請求項記載の発明>
低出生体重児用の使い捨ておむつである、請求項1〜のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
【0018】
(作用効果)
前述のとおり、本発明の使い捨ておむつは低出生体重児に好適である。
【発明の効果】
【0019】
以上のとおり本発明によれば、股間に適切にフィットさせることができるようになる、等の利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第一形態の使い捨ておむつにおける展開状態の内面側を示す一部破断平面図である。
図2図1の2−2断面、3−3断面の変化を示す断面図である。
図3】第一形態の使い捨ておむつにおける展開状態の内面側を示す一部破断平面図である。
図4】装着状態を概略的に示す側面図である。
図5】第二形態の使い捨ておむつにおける展開状態の内面側を示す一部破断平面図である。
図6図5の2−2断面、3−3断面の変化を示す断面図である。
図7】第三形態の使い捨ておむつにおける展開状態の内面側を示す一部破断平面図である。
図8図7の2−2断面を示す断面図である。
図9】第四形態の使い捨ておむつにおける断面図である。
図10】第五形態の使い捨ておむつにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
図1図4は使い捨ておむつを示している。この使い捨ておむつは、背側部分(前後方向中央より後側の部分)B及び腹側部分(前後方向中央より前側の部分)Fを有している。使い捨ておむつの寸法は適宜定めることができるが、低出生体重児用の場合、例えば前後方向長さLは100〜300mm程度、幅Wは50〜150mm程度とすることができる。使い捨ておむつの吸収体50,51を有する部分における厚みは、例えば圧力0.5g/cm2における厚みTo(初期厚み)が2〜5mm、特に3〜4mmであるのが好ましく、最大圧力(ここでは50g/cm2)における厚みTm(絶対厚み)が0.5〜3mm、特に1〜2mmであるのが好ましい。なお、To及びTmはKES(Kawabata's Evaluation System for Fabrics)に基づき、KES-FB3-AUTO-A 自動化圧縮試験機を用いた圧縮試験により測定する。測定は、圧縮面積2cm2の円形平面をもつ鋼板間で、0gf/cm2から最大圧縮荷重50gf/cm2まで試料を圧縮し、元に戻す間で行う。初期厚みToは、圧力0.5gf/cm2における試料の厚みである。絶対厚みTmは、圧力50gf/cm2における試料の厚みである。また、曲げ剛性(剛度)は、JIS K 7171(プラスチック‐曲げ剛性の試験方法)に準拠し、次の方法で測定する。測定にはテンシロン試験機(圧子先端部の曲率半径R1=5.0±0.1mm、支持プレート先端部の曲率半径R2=5.0±0.2mm)を用い、吸収体50,51が存在する部分のおむつの前後方向の曲げ剛性を測定する。試験片は、おむつから測定に影響する弾性伸縮部材を取り除き、これをおむつ長手方向80mm、おむつ幅方向50mmの長方形に切り取ることにより作製する。曲げ剛性値の単位中の50mmは試験片の短辺の長さであり、試験時の圧子でたわませた試験片の幅である。それぞれ断面円弧状の先端部を有し、両先端部の先端(上端)間の間隔を50mmとして、互いに平行に且つ両先端部の高さ位置を揃えて配置された一対の支持プレート上に、上記の試験片を、その長手方向を各プレートに直交する方向に向けて、掛け渡すように載置し、その試験片に僅かに接するように圧子先端部を配置する。ロードセル5kg(レンジ196cN)、速度30mm/minの条件で圧子を降下させ、荷重‐たわみ曲線を得る。得られた曲げ応力の最大値を曲げ剛性値(cN/50mm)とする。
【0022】
本実施形態の使い捨ておむつは、液透過性表面シート13と液不透過性シート11との間に、背側部分Bから腹側部分Fにかけて吸収体50,51を介在させた構造を基本とするものである。そして、表面シート13及び液不透過性シート11は周縁部において相互に接合されており、この接合部分15で囲まれる収容空間内に、複数の吸収体50,51が幅方向に移動可能なように設けられるとともに、この幅方向に移動可能な吸収体50,51に対して連結された連結部分21g,22g,31g,32g、及びおむつ外部に突出する摘み部分とを有する操作部材21,22,31,32が設けられ、操作部材21,22,31,32を摘まんで引っ張ることにより、股間部における複数の吸収体50,51の総幅の拡大及び縮小の少なくとも一方を行う構成となっている。吸収体50,51を幅方向に移動可能とするために、図示形態では、吸収体50,51は表側に隣接する部材(図示例では表面シート13)及び裏側に隣接する部材(図示例では液不透過性シート11)に接合されていないが、幅方向に移動可能である限り、隣接部材に対してシート等の連結部材を介して遊びをもって連結したり、隣接部材自体を幅方向に移動可能な構成としてこれに吸収体50,51を接合したりすることも可能である。図1及び図2(2−2断面)の上図及び(3−3断面)の上図は、吸収体50,51の総幅を拡大した状態を示しており、図3及び図2(2−2断面)の下図及び(3−3断面)の下図は、吸収体50,51の総幅を縮小した状態を示している。よって、装着者毎に異なる股間幅に対して吸収体50,51を適切にフィットさせることができ、股間の装着感が悪化したり、内股が強く擦れて炎症を起こしたり、あるいは横漏れが発生したりするといった事態を防止できる。
【0023】
表面シート13及び液不透過性シート11の周縁部の接合手段15は特に限定されないが、ヒートシールや、超音波シールでは接合部分が硬くなるため、ホットメルト接着剤により接合するのが好ましい。
【0024】
各部の素材は公知のものを適宜用いることができる。例えば、表面シート13としては、目付け15〜35g/m2程度の各種不織布の他、多数の孔を有する孔開きフィルム等を用いることができ、必要に応じて、ビタミンE等のように皮膚の酸化劣化を抑制する酸化防止剤、皮膚の角質層の水分を保持し皮膚を柔軟にする動植物性油脂やグリセリン脂肪酸エステルのようなエモリエント剤・保湿剤等のスキンケア成分を含有させることができる。不織布としてはエアスルー、ポイントボンド、スパンボンド等、特に限定されないが、表面シート13に原料段階(原綿)でスキンケア成分を塗工する場合は短繊維不織布が好ましく、製品の製造ラインでスキンケア成分を塗工するのであれば、表面の平滑性が高いスパンボンド不織布が好ましい。また、不織布としては疎水性のものであっても良いが、肌に優しいという点で、親水性を有する不織布、中でも親水性天然繊維を含む不織布が好適である。
【0025】
吸収体50,51としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。吸収体50,51は、厚みを薄くするためエアレイド法により形成するのが好ましい。吸収体50,51における繊維目付けは80〜150g/m2程度であるのが好ましく、ポリマー目付けは90〜160g程度であるのが好ましい。吸収体50,51に用いる高吸収性ポリマーとしては抗菌ポリマーが好ましい。吸収体50,51は、股間部の両側部が括れた形状(砂時計状の周縁形状)の他、矩形など適宜の形状とすることができる。吸収体50,51は、必要に応じて薄葉紙等の透液性包装シート(図示略)で包装することができる。
【0026】
液不透過性シート11としては、ポリエチレンフィルム等からなる非通気性フィルムまたは通気性多孔質フィルムを用いることができる。
【0027】
また、液不透過性シート11の外面には、不織布からなる外装シート12が設けられている。外装シート12の外面には、一般的なテープ式使い捨ておむつのような止着用のターゲットテープや、生理用ナプキンのようなズレ止め用粘着材やこれを被覆する剥離紙のような固定手段は設けられていない。外装シート12の不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。
【0028】
操作部材21,22,31,32の機構は適宜設計すれば良いが、例えば次の第一〜第五の形態を採用することができる。
(第一の形態)
第一の形態は、図1図3に示すように、複数の吸収体50,51を積み重ねた状態で収容空間内に収容し、下側に位置する吸収体51(以下、下側吸収体という)を腹側部分Fの操作部材31,32により左側又は右側に移動可能とするとともに、上側に位置する吸収体50(以下、上側吸収体という)を背側部分Bの操作部材21,22の操作により左側又は右側に移動可能としたものである。移動方向と操作部材21,22,31,32の組み合わせはこれに限定されず、反対向きにするなど、適宜の設計変更可能である。なお、「左」及び「右」とは装着時の装着者の体の左右を想定している。
【0029】
より詳細には、下側吸収体51に連結された操作部材として、左側に延在して腹側部分Fの左側縁の非接合部16から側方に突出する左前操作部材31と、右側に延在して腹側部分Fの右側縁の非接合部16から側方に突出する右前操作部材32とを備えている。また、上側吸収体50に連結された操作部材として、左側に延在して背側部分Bの左側縁の非接合部16から側方に突出する左後操作部材21と、右側に延在して背側部分Bの右側縁の非接合部16から側方に突出する右後操作部材22とを備えている。操作部材21,22,31,32は適宜選択することができ、糸や紐を用いることもできるが、不織布等の適宜の素材からなるテープが好ましく、不織布としては外装シート12と同様のもの中から適宜選択することができる。
【0030】
また、図示形態では、上側吸収体50と下側吸収体51との一体性を高めるために、上側吸収体50における左前操作部材31と対応する位置に、厚み方向に貫通する上側挿通孔50hを設け、下側吸収体51に連結された左前操作部材31をこの上側挿通孔50hに通して上側吸収体50上に導出した後におむつの側方から突出させるとともに、下側吸収体51における右後操作部材22と対応する位置に、厚み方向に貫通する下側挿通孔51hを設け、上側吸収体50に連結された右後操作部材22をこの下側挿通孔51hに通して下側吸収体51下に導出した後におむつの側方から突出させている。
【0031】
さらに、各操作部材21,22,31,32の摘み部分における先端部には、おむつ外面に対する係止手段21f,22f,31f,32fが設けられている。係止手段21f,22f,31f,32fとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフックシート(オス材)又は粘着剤層を用いることができる。特にメカニカルファスナーを用いる場合、おむつ外面の適所にループシート(メス材)を設けても良い。メカニカルファスナー(面ファスナー)のフックテープ(オス材)は、合成樹脂等からなるシート基材の表面に、多数のキノコ状、レ字状等のフック状突起が設けられているものであり、このフック状突起が不織布繊維と絡み合うことにより不織布に剥離可能に固定されるものである。フックテープとしては、通常のものより柔らかい柔軟タイプのオス材を用いるのがより好ましい。例えば、オス材はポリプロピレンとポリエチレンを混合した樹脂から形成したものが柔軟で好適であるが、その中でもポリエチレンの比率を高くしたものがより好ましい。また、オス材の形状は角のある四角形よりも、面取りした四角形など、角のない円形に近い形状が好ましい。
【0032】
さらに、本形態では、上側吸収体50及び下側吸収体51の側縁部に、外面から視認可能な目印50m,51mがそれぞれ設けられている。この目印50m,51mは印刷により形成する他、周囲と色の違うシート等の部材を貼り付けることによっても形成することができる。目印はシンプルな図形が好ましいが、複雑な模様や、キャラクター等でも良い。
【0033】
使用時には、おむつを体にあてがってから、或いはその前に、左後操作部材21を引っ張ることにより上側吸収体50を左側に移動させ(これに伴い右後操作部材22は引き込まれる)、また右前操作部材32を引っ張ることにより下側吸収体51を右側に移動させ(これに伴い左前操作部材31は引き込まれる)、図1及び図2(2−2断面)の上図及び(3−3断面)の上図に示すように、一方の吸収体における他方の吸収体の側縁からのはみ出し幅が増加し、上側及び下側吸収体50,51全体としての股間幅を増加させることができる。反対に、右後操作部材22を引っ張ることにより上側吸収体50を右側に移動させ(これに伴い左後操作部材21を操作して引き出すことができる)、また左前操作部材31を引っ張ることにより下側吸収体51を左側に移動させ(これに伴い右前操作部材32を操作して引き出すことができる)、図3及び図2(2−2断面)の下図及び(3−3断面)の下図に示すように、一方の吸収体における他方の吸収体の側縁からのはみ出し幅が減少し、上側及び下側吸収体50,51全体としての股間幅を減少させることができる。
【0034】
図示例では、はみ出し幅が最小の状態は、図3及び図2(2−2断面)の下図及び(3−3断面)の下図に示すように、上側吸収体50と下側吸収体51とが完全に重なる状態となっているが、完全に重ならずにある程度はみ出した状態とすることもできる。また、製品状態では、上側及び下側吸収体50,51全体としての股間幅が最大の状態となっていても、最小の状態となっていても、中間の状態であっても良い。
【0035】
このように、本形態では操作部材21,22,31,32の操作により、吸収体50,51全体としての股間幅を調節することができる。しかも、本形態では幅方向反対向きに移動する上側及び下側吸収体吸収体50,51が積み重ねられた状態を維持するため、上側及び下側吸収体50,51間に不要な隙間が生じることなく、吸収体50,51の股間幅を調節可能となる。さらに、本形態では、上側吸収体50と下側吸収体51とを個別かつ反対向きに移動させることができるため、上側及び下側吸収体50,51の股間幅を左右対称的に調節することも、非対称に調節することもできる。また、本形態では、目印50m,51mにより、上側及び下側吸収体50,51の位置、ひいては股間幅を容易に目視することができ、調節の際の目安とすることができる。
【0036】
股間幅を調節した後は、操作部材21,22,31,32に設けられた係止手段21f,22f,31f,32fを使用し、図4に示すように、背側部分Bの両側部から突出する操作部材21,22は腹側部分Fの外面に、また腹側部分Fの両側部から突出する操作部材31,32は背側部分Bに係止することにより、おむつを体に装着するとともに、操作部材21,22,31,32を固定して上側及び下側吸収体50,51の股間幅を固定することができる。
【0037】
(第二の形態)
第二の形態は、図5及び図6に示すように、第一の形態に対して、下側吸収体51のみ(上側吸収体50のみとしても良い)が、操作部材21,22,31,32により幅方向に移動可能とされている点で相違するものである。図示形態では、第一の形態における、腹側部分Fの操作部材31,32及び挿通孔50hの構成を背側部分Bの操作部材21,22及び挿通孔50hにも同様に適用しており、使用時には、右後操作部材22又は右前操作部材32を引っ張ることにより下側吸収体51を右側に移動させる(これに伴い左後操作部材21及び左前操作部材31は引き込まれる)ことにより、一方の吸収体における他方の吸収体の側縁からのはみ出し幅が増加し、上側及び下側吸収体50,51全体としての股間幅を増加させることができる。また反対に、左後操作部材21又は左前操作部材31を引っ張ることにより下側吸収体51を左側に移動させる(これに伴い右後操作部材22及び右前操作部材32は引き込まれる)ことにより、一方の吸収体における他方の吸収体の側縁からのはみ出し幅が減少し、上側及び下側吸収体50,51全体としての股間幅を減少させることができる。
【0038】
図示形態とは逆に、第一の形態における背側部分Bの操作部材21,22及び挿通孔51hの構成を腹側部分Fの操作部材及び挿通孔に適用し、上側吸収体50を下側吸収体51に対して移動させることも可能であるが、下側吸収体51の方が接触素材の種類や圧力の点で上側吸収体50よりも摩擦が少なく、移動し易いという利点がある。
【0039】
この形態は、上側及び下側吸収体50,51全体としての股間幅を拡大及び縮小可能である点では第一の形態と同じであるが、上側及び下側吸収体50,51の股間幅を左右対称的に調節することが困難である(一方の吸収体に直接的に力を加える手段がない)点で相違する。その他は第一の形態と同様である。
【0040】
(第三の形態)
第三の形態は、第一の形態に対して、厚み方向に貫通する操作部材挿通孔50h,51hを有しない点で相違し、簡素で製造容易な形態である。すなわち、本形態では、図7及び図8に示すように、腹側部分F及び背側部分Bのそれぞれにおいて、幅方向両側に突出する一体的なシートにより腹側部分F及び背側部分Bの操作部材33,23がそれぞれ構成され、これら操作部材33,23は断面Z字状に折り畳まれるとともに、その最も下側に位置する部分に下側吸収体51が、最も上側に位置する部分に上側吸収体50がそれぞれ連結され、中間の折り返し部分は下側吸収体51と上側吸収体50との間に折り込まれている。
【0041】
使用時には、図8の下図に示すように、左後操作部材21又は左前操作部材31を引っ張ることにより折込部分を展開しつつ上側吸収体50を左側に移動させることができ、また右後操作部材22又は右前操作部材32を引っ張ることにより折込部分を展開しつつ下側吸収体51を右側に移動させることができ、これらにより、一方の吸収体における他方の吸収体の側縁からのはみ出し幅が増加し、上側及び下側吸収体50,51全体としての股間幅を増加させることができる。
【0042】
一方、本形態は操作部材33,23の操作では上側及び下側吸収体50,51全体としての幅を拡大させることしかできないが、表面シート13の上から下側吸収体51及び上側吸収体50を幅方向中央側に寄せれば、一方の吸収体における他方の吸収体の側縁からのはみ出し幅が減少し、上側及び下側吸収体50,51全体としての股間幅を減少させることができる。なお、このような特性のため、製品状態では上側及び下側吸収体50,51全体としての幅を最小にしておくのが好ましい。
【0043】
図示例では、下側吸収体51から幅方向一方側に延在する部分、上側吸収体50から幅方向他方側に延在する部分、及び中間の折り返し部分が一体的なシートにより形成されているが、これらの一部又は全てを別体のシートにより形成することもできる(図示略)。
【0044】
その他は第一の形態と同様であり、第二の形態と同様の変形も可能である。
【0045】
(第四の形態)
第四の形態は、図9に示すように、第三の形態に対して、上側吸収体50及び下側吸収体51のそれぞれに操作部材挿通孔50h,51hを設け、これらを通して操作部材33,23を断面Z字状に取り回した点で相違するものであり、上側吸収体50及び下側吸収体51の一体性が高い形態である。その他は第三の形態と同様である。
【0046】
(第五の形態)
第五の形態は、図10に示すように、腹側部分F及び背側部分Bのそれぞれにおいて、おむつの幅方向両側を通る環状に形成された一体的なシートにより腹側部分F及び背側部分Bの操作部材34,24がそれぞれ構成され、上側吸収体50及び下側吸収体51を横切る一対の部分のうち、一方には下側吸収体51のみが、他方には上側吸収体50のみがそれぞれ連結されているものである。
【0047】
使用時には、上側吸収体50及び下側吸収体51を横切る一対の部分を互い違いに操作することにより、一方の吸収体における他方の吸収体の側縁からのはみ出し幅を増減させて、上側及び下側吸収体50,51全体としての股間幅を増減させることができる。
【0048】
(その他)
(イ) 上記例の上側吸収体50及び下側吸収体51は同じ形状とされているが、異なる形状とすることもできる。また、上記例の上側吸収体50及び下側吸収体51はその移動範囲内では少なくとも一部が重なるように構成されているが、移動範囲内の一部又は全てにおいて重ならずに横並びとなるように構成されていても良い。
【0049】
(ロ) 上記例では、操作部材21〜24,31〜34を側縁の非接合部16から突出させているが、おむつ側部の表面又は裏面にスリット等の開口部を設けてそこから操作部材を突出させても良い。
【0050】
(ハ) 上記例では、操作部材21〜24,31〜34に係止手段21f,22f,31f,32fを設け、操作部材21〜24,31〜34が背側部分Bと腹側部分Fとを連結する部材を兼ねる構成とされているが、これらとは別に公知の連結手段(周知のテープタイプ使い捨ておむつのテープ部材)を設け、操作部材は吸収体の股間幅の調節専用としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、乳幼児、特に病院等の医療施設において低出生体重児に用いる使い捨ておむつに好適であるが、大人用使い捨ておむつにも用いることができ、また、いわゆるテープタイプ、パンツタイプ及びパッドタイプ等、各種形態の使い捨ておむつに適用できるものである。
【符号の説明】
【0052】
11…液不透過性シート、12…外装シート、13…表面シート、15…接合部分、16…非接合部分、21g,22g,31g,32g…連結部分、21f,22f,31f,32f…係止手段、50…上側吸収体、51…下側吸収体、21〜24,31〜34…操作部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10