【実施例】
【0033】
以下に実施例を示すが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。
【0034】
表1に示す、実施例1〜4、比較例1、2で順に用いた離型用フィルムの材料(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は下記の通りである。
(a)THV415G:商品名、ダイニオン社製、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフロライド共重合体、融点155℃
(b)THV500GZ:商品名、ダイニオン社製、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフロライド共重合体、融点165℃
(c)THV610GZ:商品名、ダイニオン社製、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフロライド共重合体、融点185℃
(d)THV815G:商品名、ダイニオン社製、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフロライド共重合体、融点225℃
(e)アフレックス25N−1250NT:商品名、旭硝子社製、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、融点260℃
(f)アフレックス100KN−500NT−10:商品名、旭硝子社製、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、融点260℃
【0035】
以下、表1に基づき、離型用フィルムの作製、貯蔵弾性率の測定、剥離性、耐熱性、型寸法転写性、表面平滑性及び実使用性について詳述する。なお、比較例においても同様に適用される内容となっている。
【0036】
【表1】
【0037】
(離型用フィルムの作製)
フッ素含有ポリマーをφ30mm、L/D=28の単軸押出機(田辺プラスチックス機械社製)に供給し、圧縮比2.9のフルフライト押出スクリューを使用してシリンダー温度230℃〜270℃の条件下で溶融混練し、幅500mmのTダイスからダイス温度260℃〜270℃の条件下で連続的に押し出した。この押し出しした離型用フィルムを、引取機内で圧着ロールと冷却ロールとの間に挟んで冷却し、巻取機において両端部をスリット刃で裁断し、離型用フィルムを巻取管に巻き取ることにより、表1に記載の厚さで、幅300mm、長さ50mの離型用フィルムを製造した。尚、離型用フィルムの表面は、圧着ロール側がマット面、冷却ロール側が鏡面である。
【0038】
(貯蔵弾性率の測定)
離型用フィルムの流れ方向(MD)と幅方向(TD)それぞれについて、レオメトリックス社製SOLIDS ANALYZER RSAII〔商品名〕を使用し、引張モード、周波数1Hz、昇温速度5℃/min、歪み0.1%の条件下で温度140℃における貯蔵弾性率を測定した。結果を表1に示した。
【0039】
(評価の方法)
図1は、リード線21a、21bを備えた砲弾型LEDレンズ20の側面図である。評価は、
図1に示すレンズ形状を具備する、
図2(a)、(b)に示す金型を使用し、金型30の表面に複数のレンズ成形凹部31に沿って離型用フィルムを吸着させた後、シリコーンゴム組成物を滴下して熱プレス成形し、剥離性、耐熱性、型寸法転写性、表面平滑性をそれぞれ評価した。
【0040】
具体的には、140℃に加熱した金型に対して離型用フィルムのマット面が金型側、鏡面がエアー側になるよう離型用フィルムを張設し、真空で吸引して離型用フィルムを金型に吸着させた。次いで、離型用フィルム上にシリコーンゴム組成物RHODORSIL RTV141(BLUESTAR SILICONES社製)を滴下し、これらに表面がハードクロムメッキされた平板金型を押し当て、二つの金型で挟持させて熱プレス成形した。成形した積層品の、離型用フィルムと硬化したシリコーンゴムとの剥離性、離型用フィルムの耐熱性、硬化したシリコーンゴムについて型寸法転写性と表面平滑性を評価した。熱プレス成形は、温度140℃、圧力10kg/cm
2、5分間の条件で実施した。
図2の砲弾型レンズ成形部1箇所における成形倍率は計算上で約2.7倍である。
【0041】
(剥離性)
剥離性の評価は、硬化したシリコーンゴム組成物が離型用フィルム上に残ることなく剥離できた場合は「○」、シリコーンゴム組成物が部分的に破断して離型用フィルム上に残存した場合は「×」として示した。
【0042】
(耐熱性)
耐熱性の評価は、硬化したシリコーンゴム組成物を剥離した離型用フィルムを目視で観察し、溶融、溶断がなくフィルム形状を保持していた場合は「○」、離型用フィルムに溶融、溶断があった場合を「×」として示した。
【0043】
(型寸法転写性)
型寸法転写性は、硬化したシリコーンゴム組成物の寸法を測定し評価した。レンズ高さの評価基準を、穴深さ4mmについて離型用フィルムの厚さを減じた寸法からさらに−0.1mm以内の範囲、すなわち、((4−離型用フィルムの厚さ)−0.1)mm以上とした。25個のレンズについてすべて基準以内だった場合は「○」、1個でも基準を満たさない形状があった場合を「×」として示した。
【0044】
(表面平滑性)
表面平滑性は、硬化したシリコーンゴム組成物の表面状態を目視で評価した。シリコーンゴムの表面に凹凸や皺の発生がなかった場合を「○」、凹凸や皺の発生があった場合を「×」として示した。
【0045】
(実使用性)
実使用性については、モールド成形装置で樹脂モールド成形することにより確認・評価した。具体的には、モールディング装置として、アピックヤマダ社製のモールド成形装置G-LINE manual press(商品名)において、シリコーンゴム組成物としてRHODORSIL RTV141(BLUESTAR SILICONES社製商品名)を用い、実使用性を目視により確認した。
【0046】
実使用性の評価は、下記の項目全て満足した場合を「○」、どれかに不具合があった場合を「×」とした。
(1)モールド成形装置内で離型用フィルムが搬送される際にフィルムが弛むことなく供給された。
(2)吸着時にフィルムに皺の発生がなかった。
(3)熱プレス成形後、離型用フィルムとシリコーンゴム組成物との剥離性が良好であった。
(4)硬化したシリコーンゴム組成物が所望の形状に成形され、表面に凹凸や皺がなく平滑であった。
(5)離型用フィルムに破れや溶断、シリコーンゴム組成物の残りがなく、金型に汚れがなかった。
【0047】
このような結果から、比較例1の厚さ25μmのETFEフィルムは、金型内で吸着される際にフィルムが破れたため実使用性が得られなかった。比較例2の厚さ100μmのETFEフィルムは、型寸法転写性が劣り、硬化したシリコーンゴム組成物が所望の形状に成形されなかったため実使用性が得られなかった。
【0048】
これに対し、本発明による各実施例の離型用フィルムは、剥離性が得られていることに加え耐熱性を有し、型寸法転写性と表面平滑性に優れ、さらに、実使用性が付与されていることが明らかとなる。このことから、本発明によれば、封止材を成形加工して得られる成形品との剥離性に優れ、しかも、形状と表面性に優れる成形品を得られる離型用フィルムを得ることができる。
【0049】
本発明の実施例の離型用フィルムは、上記のように、シリコーン樹脂組成物からなるLEDレンズの成形モールドについて評価したが、本発明の離型用フィルムは光半導体素子や半導体素子を樹脂モールド成形する際にも有用であることは言うまでもない。
【0050】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。