特許第5773836号(P5773836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773836
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】エアダクトアッテネータ
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/12 20060101AFI20150813BHJP
   F02M 35/10 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   F02M35/12 F
   F02M35/10 301L
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-228998(P2011-228998)
(22)【出願日】2011年10月18日
(65)【公開番号】特開2012-87797(P2012-87797A)
(43)【公開日】2012年5月10日
【審査請求日】2013年10月7日
(31)【優先権主張番号】1017629.5
(32)【優先日】2010年10月19日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1102974.1
(32)【優先日】2011年2月21日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512308720
【氏名又は名称】ジャガー ランド ローバー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Jaguar Land Rover Limited
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド・チャン
【審査官】 川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】 実開平06−037514(JP,U)
【文献】 米国特許第06467572(US,B1)
【文献】 特開2005−009483(JP,A)
【文献】 特開平02−071300(JP,A)
【文献】 特開平08−074556(JP,A)
【文献】 実開平07−010409(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 35/12
F02M 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のエアインテーク用のアッテネータであって、
壁を有するチューブと、
入口及び出口と、
前記チューブを包囲するエンクロージャと、
該エンクロージャをプライマリ及びセカンダリの各チャンバに分割する環状のバッフルと、
を含み、
前記チューブの内部が前記チューブの壁の孔を介して前記プライマリチャンバと流体連通し、
前記セカンダリチャンバが前記バッフルの開口を介して前記プライマリチャンバと連通し、
前記セカンダリチャンバが前記開口を除き閉鎖されるアッテネータ。
【請求項2】
前記バッフルが前記チューブの軸に実質的に直交する請求項1に記載のアッテネータ。
【請求項3】
前記エンクロージャの断面が実質的に円形または楕円形である請求項1または2に記載のアッテネータ。
【請求項4】
前記エンクロージャが前記チューブを通しての流体流れ方向でその断面が実質的に変化する請求項1〜3の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項5】
前記開口が前記チューブの周囲で実質的に等間隔に設けられる請求項1〜4の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項6】
前記の合計断面積が前記開口の合計断面積より大きい請求項1〜5の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項7】
前記エンクロージャの最大横断方向寸法が前記チューブの最大横断方向寸法の3倍未満である請求項1〜6の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項8】
前記各孔の断面積が実質的に同一であり、各孔の断面積が5〜100mm2の範囲である請求項1〜7の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項9】
前記各開口の断面積が実質的に同一であり、各開口の断面積が100〜300mm2の範囲である請求項1〜8の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項10】
2つのセカンダリチャンバを画定する2つのバッフルを有し、各バッフルがプライマリチャンバと関連する請求項1〜9の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項11】
前記セカンダリチャンバが前記プライマリチャンバの各側に各1つ設けられる請求項10に記載のアッテネータ。
【請求項12】
2つのプライマリチャンバを有する請求項10または11に記載のアッテネータ。
【請求項13】
前記プライマリチャンバがエンクロージャの各端部位置に設けられる請求項12のアッテネータ。
【請求項14】
前記セカンダリチャンバが異なる容積を有する請求項10〜13の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項15】
各バッフルが同数及び同サイズの開口を有する請求項10〜14の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項16】
プライマリ及びセカンダリの各チャンバがチューブを通しての流体流れ方向における実質的に同一長さを有する請求項10〜15の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項17】
エンクロージャの最大軸方向寸法及び最大横断方向寸法比が5:1またはそれ未満である請求項1〜16の何れかに記載のアッテネータ。
【請求項18】
請求項1〜17の何れかに記載のアッテネータを有するエンジンまたは自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアダクト用アッテネータに関し、詳しくは、これに限定しないが、自動車用内燃機関の給気ダクト(以下、単にダクトまたは流体ダクトとも称する)に関する。本発明の各様相は、アッテネータ、装置、エンジン及び自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用エンジンでは、その可動パーツ損耗を最小化するために吸気を濾過する必要がある。代表的には、エアフィルタボックスをエンジンの吸気マニホルドから離間して装着する結果、浄化エアをエアフィルタボックスからエンジンに送る密閉型のダクトが必要となる。ダクトのサイズ、形状、及び経路はエンジンの最大エアフロー条件、エンジンベイ内空間及びパッケージに関するその他条件により決定される。
給気ダクト内のエアフローはノイズを生じ、当該ダクトのマウント部を介して車両構造を振動させ得る。これらノイズ及び振動の周波数は広範囲に及び、特定周波数でダクト内及びまたはダクト自体が共振するとノイズや振動は増幅され得る。
【0003】
エンジンやエアインテークに関わるノイズ及び振動は自動車乗員にとって不快なものであるため、特には2000Hz以下に減衰させることが望ましい。防振化や消音化によりそれら問題を解消させ得るが、ダクトの全体サイズが大型化するため密集したエンジンベイ内への組み込みが困難化する。ダクト長全体に渡る防振化は不可能であり、ダクト内への非固定(loose)材料配置はそれらが自動車エンジンに吸い込まれるリスクがある点で望ましくない。
給気ダクト設計形状を良好化する別の解決策では、その目的上、4分の1波長ホルムヘルツ同調共振子を用いて狭帯域波形、特には共振発生周波数が減衰される。
【0004】
幾つかの4分の1波長帯域に渡る減衰化用に幾つかの4分の1波長またはヘルムホルツ共振子を使用する必要があるがエンジンベイの利用可能空間は限られており、従って、当該解決策は特には各共振子が相当量の容積を占有する点で実用的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする課題は、広帯域波形に渡りノイズ及び振動を減衰し、経済的に製造され且つ審美的に受け入れ可能なエンジンルーム外観を提供し得る小型装置を提供することである。解決しようとする他の課題は、エンジンベイ内における全体サイズ及び位置を実質的に変化させることなく調整可能とし且つ好ましくは4〜8気筒のガソリン及びディーゼルエンジンの全形態に対して好適な前記小型装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、前記問題の1つ以上が解決される。本発明の各実施例によれば流体ダクト用のアッテネータが提供され得、当該アッテネータは吸気ダクト内に誘起されるノイズ及び振動をコンパクトなパッケージ形態において広帯域有効減衰する。
【0007】
本発明の1様相によれば付随する請求項に従うアッテネータ、エンジン及び自動車が提供される。
本発明の1様相によれば、流体ダクト内のノイズ及びまたは振動の減衰用装置であって、チューブ壁を有するチューブと、入口及び出口と、前記チューブを包囲するエンクロージャと、少なくとも1つのバッフルにして該エンクロージャを、該バッフルの一方側の第1またはプライマリチャンバと、該バッフルの他方側の第2またはセカンダリチャンバとに分割するバッフルと、を含み、前記チューブの内部が前記チューブ壁の孔を介して前記プライマリチャンバと流体連通し、前記セカンダリチャンバが前記バッフルの開口を介して前記プライマリチャンバと連通する減衰用装置が提供される。
【0008】
本明細書において、“孔”及び“開口”とは、チューブ壁及びバッフルの各通路を区別するため用いられ、その形状、寸法または外観については限定されないものとし、同様に、“プライマリ”及び“セカンダリ”とは、寸法、位置あるいは機能に関する相対的な重要性等の任意の特定特性を意図及び付与あるいは限定付加するものでは無く、“第1”及び“第2”は同等に用いられるものとする。
一実施形態では、プライマリ及びセカンダリの各チャンバは開口を除いて閉じており、複数の孔及びまたは開口を設け得る。
【0009】
本発明のアッテネータは、直列状のプライマリ及びセカンダリの各チャンバを含み、吸気ダクト内に誘起される、特には500〜2000Hz範囲のノイズ及び振動を有効広帯域減衰することが分かった。当該アッテネータはコンパクトで且つ、代表的には、しかし必ずしもそうでなくて良いが、吸気ダクトの直線状セクションの周囲に全体に同中心状態下に設けた円形または楕円形セクション状のエンクロージャを含む。当該円形または楕円形セクションが最適性能を提供すると考えられる。然し乍ら、実質上は断面形状を、四角形、矩形、六角形等の任意のその他断面形状とし得、吸気ダクト及びエンクロージャは実質的に非同中心を有し得る。
【0010】
本発明の特定の特徴は、アッテネータが、許容インスタレーションエンベロープ内における広帯域応答調整を許容し、またその内側コンポーネントの調整により調節自在の多数の調節自在パラメータを有することである。本発明のアッテネータは、4〜8気筒範囲のエンジン用に有効であることが示され、多気筒式の全ガソリン及びディーゼルエンジン用に有益であると考えられる。
かくして、エンクロージャの外径及び長さは、チューブ及びエンクロージャの横断方向寸法比と共に選択自在である。エンクロージャ外形はその長さ方向に沿って可変であり得、例えば一端から連続的に狭幅化され得る。
【0011】
アッテネータ内部の、プライマリチャンバに相当するチューブ長さを選択自在であり、かくして、プライマリ及びセカンダリの各チャンバの相対軸方向寸法を選択自在である。また、孔及び開口数を選択自在である。
ある実施例において、各開口はチューブの周囲で実質的に等間隔、例えば、等角度間隔配置される。
ある実施例において、バッフルは吸気ダクトの流れ方向に実質的に直交され、かくして、流れ方向に関して各孔は全体に半径方向に配置され、各開口は全体に軸方向に配置される。
【0012】
ある実施例において、プライマリチャンバの各側に1つの計2つのセカンダリチャンバを形成する第2バッフルが設けられる。各セカンダリチャンバは、例えば、同一断面積を有するが軸方向寸法が異る構成とすることで各容積が相違化され得る。セカンダリチャンバにおける開口部の数及び寸法は相違化させ得る。本発明のアッテネータの内部構成は広範に変更し得るものとする。
【0013】
他の実施例において、関連するセカンダリチャンバを各々有する2つのプライマリチャンバを設け得る。2つのセカンダリチャンバは隣接し、中実壁により分離されることが好ましい。
エンクロージャは任意の好適な断面輪郭を有し得るが、代表的には円形または楕円形であり、全体に吸気ダクトと同中心を有する。単数あるいは複数のバッフル及び、仮に設ける場合は中実壁は平行面内に配置することが好ましい。エンクロージャは、所望であれば一方の端部方向にテーパ付けされ得る。2つのセカンダリチャンバを有する実施例において前記テーパ付けした場合、各セカンダリチャンバはその容積が相違するが長さは同一となり得る。テーパ付けしたエンクロージャによれば、容積は異なるが長さが同一の2つのプライマリチャンバも提供され得る。
【0014】
アッテネータは、給気ダクト内に当該給気ダクトの1セクションに代替する状態下に挿通した構成を有し得る。この場合、チューブの入口及び出口は流体ダクトの隣り合う各部分とのシール状態下に連結された構成を有し得る。チューブはエンクロージャと一体化またはユニット化して形成され得る。
他の実施例ではアッテネータは流体ダクトの既存セクションまたはアッテネータ本体の一部を構成しない部分を包囲する構成を有し得る。
【0015】
本発明の更に他の様相によれば、流体ダクト用のアッテネータであって、流体ダクトを実質的に包囲する構成を有するエンクロージャと、バッフルにして、前記エンクロージャを、流体ダクト壁の孔を介して流体ダクト内と流体連通するプライマリチャンバと、バッフルの開口を介してプライマリチャンバと連通するセカンダリチャンバとに分割するバッフルと、を含むアッテネータが提供される。2つのセカンダリチャンバは単一のプライマリチャンバと組み合わせた、または各プライマリチャンバと組み合わせた各状態下に提供され得る。
【0016】
ある実施例において、エンクロージャは流体ダクトを包囲するように配置した2つの半分体から構成され得る。2つの半分体は各一方の縁部位置で相互に蝶着した2枚貝的構成を有し得、また流体ダクト周囲にクランプされ且つ各他方の縁部位置で相互に締着され得るようになっている。
あるいは2つの半分体は個別化され得、好適な締め具により流体ダクト周囲で相互クランプされ得る。前記締め具はアッテネータの半分体と一体形成され得、あるいはストラップ、タイまたはウォーム駆動タイプのクリップ等の別個のクランプ用装置から構成され得る。
【0017】
当該実施例では必要な孔は流体ダクト周囲へのエンクロージャ組み込みに先立ち、流体ダクト壁に形成されるべきである。
他の実施例では管状のシェルがエンクロージャを含み得、且つ流体ダクト及びバッフルを含むユニット化したコンポーネントが当該シェルに挿通され得る。エンクロージャが一方の端部壁を提供し、前記ユニットコンポーネントが他方の端部壁を提供し、かくして前記挿通により閉じたエンクロージャが形成される。ユニットコンポーネントによる端部壁は、任意の好適な実質的に気密様式下にエンクロージャに固定され得る。シェルは好ましくはテーパ付けされ、ユニット化したアセンブリが大直径側の端部から挿通される。
【0018】
本発明の各実施例において、各プライマリチャンバは一般に高周波数減衰用レゾネータを構成し、各セカンダリチャンバは低周波数減衰用レゾネータを構成する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】自動車の内燃機関の吸気管路の概略図である。
図2】本発明に従うアッテネータの第1実施例の斜視図である。
図3】本発明の各実施例の効果を現すグラフである。
図4】本発明の各実施例の効果を現すグラフである。
図5】本発明の各実施例の効果を現すグラフである。
図6】本発明の各実施例における異なる孔形状の例示図である。
図7】本発明の各実施例における異なる孔形状の例示図である。
図8】本発明の第2実施例の略断面図である。
図9】第2実施例における周波通応答のグラフである。
図10】第2実施例のパラメータ調節の効果を現すグラフである。
図11】本発明の他の実施例に従うアッテネータの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1には内燃機関1用の吸気構成が略示され、吸気ダクト3、給気ダクト4、フィルタ要素5を有するエアフィルタボックス2を含む。矢印6で示す未濾過エアはフィルタ要素5を通過し、給気ダクト4を介してエンジン内の各パーツに送られる。給気ダクト4内にはノイズ及び振動減衰用のアッテネータ7を設ける。
図2にはアッテネータ7の1例の詳細図が示される。給気ダクト4が障害無くアッテネータを貫通し、エアフローは物理的妨害を受けない。本実施例ではアッテネータは給気ダクトと同中心を有する管状のドラム9を含み、当該ドラムは例示目的上円形断面を有している。ドラムは直交方向の端部プレート10を有し、その内部は2枚のバッフル16、18により3つのチャンバ11、12、13に分割される。上述した如く、他の実施例ではバッフルは1枚であり得る。
【0021】
給気ダクト4は孔17を介して中央のチャンバ11と連通し、当該チャンバ11は開口15、19を介してチャンバ12、13と連通する。チャンバ11、12、13は、開口15、19を除き閉鎖され、ノイズ及び振動の広帯域減衰用に調整可能な多数のレゾネータを提供する。
本実施例における設計形状は、
・各チャンバの軸方向長さ
・チャンバ外径
・給気ダクト径
・給気ダクトの孔開け長
・給気ダクトの孔サイズ
・給気ダクトの孔数
・バッフルの孔サイズ
・バッフルの孔数
を変更可能である。
【0022】
図3図5には吸気ダクト内の特定のノイズ及び振動周波数を最良減衰させるべくアッテネータの1つ以上の調節自在パラメータを変化させた場合の効果の幾つかが示される。図では伝達ロスTLが周波数Fに対してプロットされている。周波数範囲は約0〜2000Hz、伝達ロス範囲は0〜40dBである。本発明によれば、従来、小型装置では提供困難であった周波数範囲500〜2000Hzにおける良好な減衰が提供される。
図3には、比較目的上、従来構造の1/4波長レゾネータ、代表的には吸気ダクトに直交し、吸気ダクト径の3〜5倍の長さを有するレゾネータにより提供された狭帯域減衰がライン31で示される。
【0023】
図2に示す全体形状を有するレゾネータは2つのセカンダリチャンバを有し、流路径57.6mmの円形の吸気ダクトと、給気ダクトと同中心の、内径115.2mmの円形エンクロージャとを有する。プライマリチャンバ及び各セカンダリチャンバは軸方向長さが50mmである。バッフルには直径10mmの孔を設けるが、孔数が増えるとレゾネータの周波数応答はライン32、33及び方向矢印34で示す如く右上方にシフトされ得る。
図4には、形状寸法を同一とし、セカンダリチャンバの軸方向長さを増大し、バッフルの孔数を一定としたレゾネータにおける効果を示す。当該レゾネータの周波数応答はライン42、43及び方向矢印44で示す如く、長さの増大に伴い左側にシフトされる。
【0024】
図5には、セカンダリチャンバの軸方向全長を変えずにバッフルを1枚から2枚構成とした場合の効果を示す。この場合、周波数応答はライン52、53及び方向矢印54で表す如く、2枚バッフル化により右上方にシフトされる。
上述した如く、パラメータ及び、単数または複数のバッフルにおけるチューブ壁の孔及び開口数等のその他特徴を多様な可能性において変化させ得る。例えば、孔を図6の単純な穴形態とし得、または刺込み操作(図7)により形成した、例えば、単数または複数のセカンダリチャンバからの異なる周波数応答を呈示するスロートとし得る。かくして、レゾネータは要求周波数応答を提供するべく調整され得る。
【0025】
図8には本発明の第2実施例の略断面が例示され、矢印61で示す方向への妨害されないエア流れを提供する給気ダクト60を含んでいる。アッテネータは給気ダクトと同中心のテーパ付けした管状のドラム62を含む。給気ダクト60及びドラム62は代表的には円形断面を有するが必ずしもそうでなくとも良い。ドラム62は直交方向の端部プレート63であり、孔無しの環状の壁64と、その各側の環状のバッフル65、66とにより4つのチャンバに分割される。
給気ダクトは端部のプライマリチャンバ71、72と孔67を介して連通し、各プライマリチャンバ71、72は開口68を介して関連するセカンダリチャンバ73、74と連通する。セカンダリチャンバ73、74は中実壁64に直ぐ隣り合い且つ当該壁により分離され、かくして独立化される。各孔には流れは実質的に生じないが、これらの孔の近辺には多少の乱流が予測される。
【0026】
1組み立て法において、ドラム62が小端部壁63aを有する状態下に好適なプラスチックにより成型される。一体プラスチック成型において、給気ダクト60、壁64、バッフル65、66、大端部壁63b、がドラム開口部から挿入され、例えば超音波溶接または弾発嵌入等の任意の好適様式下に挿入位置でシールされる。
各バッフルはテーパ部によりドラム内面に係合し得、またはリブに押し当てて座着させ得、好適なシーラントまたは接着剤を必要に応じて設け得る。
開口68を例示した如くバッフルを貫通して設ける必要は無いが、エンクロージャでのバッフル組み付け時に孔を形成するよう、周囲縁部位置の切り欠き形態を有し得る。切り欠きは標準的な対称形状、例えば“C”字または“U”字型を有し得、または製造プロセスに適した異形状を有し得るが、要求事項はそれら切り欠きの面積が実質的に同一であることである。
【0027】
第2実施例では調整を可能とするために提供される変数は第1実施例に関して説明されたそれと同じであるが、プライマリ及びセカンダリの各チャンバは共振周波数帯域の重ね合わせを可能とする若干異なる共振周波数をも有する。
図9には、給気ダクト内径を75mm、テーパ付けしたエンクロージャの一端における内径を98mm、他端における内径を109mm、全長を94mmとした場合の図8の実施例に関する周波数応答が示される。各セカンダリチャンバ73、74は長さが20mmであり、各プライマリチャンバの孔67は8×15mmのサイズを有し、各チャンバ対の開口68は8×9mmのサイズを有する。図9では伝達ロスは周波数に対してプロットされる。孔のサイズは相当程度において変更可能であり、端実施例では小型のチャンバ71における孔サイズは8×9mmであり、大型のチャンバ72では4×9mmである。
大型のチャンバ対72、74における個別の応答の減衰ピークは約800Hzであった。小型のチャンバ対71、73では減衰ピークは1000Hzであり、それらの組み合わせ効果による減衰ピークは約1500Hzであった。
【0028】
上述した如く、これらの共振周波数を、アッテネータのパラメータ調節により、しかしアッテネータにより画定される空間エンベロープを変化させることなく調整させ得る。伝達ロス(減衰)は、空間的に許容されるのであれば図8の構成上の直径を増大させることで増大させ得るが、全長は増大させる必要は無い。
本実施例は、直ぐ隣り合うセカンダリチャンバに関して説明したが、セカンダリチャンバはプライマリチャンバを軸方向内側に配置する状態下に、または一方を端部位置に、他方を中心位置に配置する状態下において最外部に配置し得る。かくして、調整目的でのパラメータ調節性が増進する。
【0029】
図10には、図8の基本構成において15mm径の孔67の数を2から8個に漸次変化させた点についてのみ変更した調整方法が例示される。
図示される如く、当該測定のみにおいて、減衰ピークは約700Hzから約1300Hzに移動され得る。
【0030】
本発明のアッテネータはエアダクトの実質直線状または直線状の各セクションのみに対して限定されるものでは無い。本発明の有益な実施例ではエアダクトの曲げ部位置又はその近辺にアッテネータが位置決めされる。図11にはアッテネータをエアダクトの直角曲げ部位置に位置決めした構成が例示される。
当該実施例では各バッフルはエアダクトの方向変化を収受するべく相対的に角度付けまたは傾斜される。更に、アッテネータハウジングの断面は一般に四角形または矩形であり、バッフルのディメンションはハウジング内でのその配置次第で異なる。その形態や機能が上述した各構成と実質上相違しない構成が、特定用途上のパッケージ化を容易化し得る。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0031】
3 吸気ダクト
4 給気ダクト
5 フィルタ要素
6 矢印
7 アッテネータ
9 ドラム
10 端部プレート
11 チャンバ
12 チャンバ
15 開口
16 バッフル
17 孔
31 ライン
32 ライン
34 方向矢印
42 ライン
44 方向矢印
52 ライン
54 方向矢印
60 給気ダクト
62 ドラム
63 端部プレート
63a 端部壁
63b 端部壁
64 壁
65 バッフル
67 孔
68 開口
71 プライマリチャンバ
72 プライマリチャンバ
73 セカンダリチャンバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11