(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記リンク部材は、前記連結面の下方に設けられた支軸を中心に回動可能なアーム形状に形成されており、前記支軸から一方側へ延びる第1端部に前記入力部が設けられ、前記支軸から他方側に延びる第2端部に前記搬送ガイド部材の前記一対の前記板状部材それぞれとの連結部が設けられている請求項1に記載のシート搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前掲の特許文献1によれば、前記搬送ガイド部材は外力が加えられていない状態ではオプションカセットの上面から上方へ突出しており、下方への外力が加えられたときにオプションカセットの内部へ退避するよう構成されている。これにより、画像形成装置とオプションカセットとが位置ずれした状態で連結されても、前記搬送ガイド部材がオプションカセットに埋没するため、搬送ガイド部材の破損が防止される。しかしながら、搬送ガイド部材に対して下方への力のみが加えられるとは限られず、画像形成装置をオプションカセットに連結するときや、オプションカセットの運搬時など、様々な場面において搬送ガイド部材の側面へ横方向の外力が加えられる可能性がある。例えば、作業者が画像形成装置を持ち上げながら連結位置をさぐるために水平方向へ画像形成装置を移動させる場合に水平方向の力が搬送ガイド部材に加えられる場合がある。このような横方向の外力が加えられると、搬送ガイド部材が湾曲し、場合によっては折れ曲がるおそれがある。搬送ガイド部材が湾曲すると、画像形成装置とオプションカセットとが正確に位置合わせされたとしても、搬送ガイド部材が画像形成装置側の搬送路に合わなくなり、場合によっては搬送ガイド部材が破損するおそれがある。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送ガイド部材の破損を防止し、且つ、画像形成装置へシートを円滑に搬送することが可能なシート搬送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明は、画像形成装置の下部に着脱可能なシート搬送装置であって、前記画像形成装置の底面に連結される連結面に至るシート搬送路と、外力が加えられる入力部を有し、前記連結面よりも上方へ前記入力部が突出する第1姿勢と、前記第1姿勢における前記入力部の位置よりも下方に配置される第2姿勢との間で姿勢変化可能なリンク部材と、前記リンク部材に連結され、前記連結面よりも下方に没入する第3姿勢と、前記連結面よりも上方へ突出して前記シート搬送路を上方へ拡張する第4姿勢との間で移動可能な搬送ガイド部材と、前記搬送ガイド部材を前記第3姿勢側へ付勢する付勢手段と、を具備する。このシート搬送装置は、前記リンク部材が前記第1姿勢にあるときに前記搬送ガイド部材が前記第3姿勢を維持し、前記リンク部材が前記第2姿勢にあるときに前記搬送ガイド部材が前記第4姿勢を維持するように構成されている。
【0008】
本発明のシート搬送装置が画像形成装置に装着されていない状態では、前記付勢手段によって、前記搬送ガイド部材は連結面よりも下方へ没入する第3姿勢に維持されている。このとき、前記リンク部材は入力部が連結面よりも上方へ突出する第1姿勢を維持する。一方、シート搬送装置が画像形成装置に取り付けられる場合、画像形成装置の下部にシート搬送装置が装着されるため、作業者は、画像形成装置を持ち上げて、シート搬送装置の上面の連結面に画像形成装置を置くようにして連結する。このとき、画像形成装置の下部が連結面から突出している入力部に当接し、入力部を下方へ押圧する。これにより、付勢手段による付勢力に抗して入力部が下方へ移動し、リンク部材は第2姿勢となる。リンク部材が第1姿勢から第2姿勢へと姿勢変化することに応じて、搬送ガイド部材が第3姿勢から第4姿勢となり、その結果、搬送ガイド部材によってシート搬送路が上方へ拡張される。このように構成されているため、画像形成装置がシート搬送装置に連結される際に、画像形成装置の接触による搬送ガイド部材の破損が防止される。
【0009】
(2) 前記リンク部材は、前記連結面の下方に設けられた支軸を中心に回動可能なアーム形状に形成されている。リンク部材は、前記支軸から一方側へ延びる第1端部に前記入力部が設けられ、前記支軸から他方側に延びる第2端部に前記搬送ガイド部材との連結部が設けられている。
【0010】
これにより、前記リンク部材の移動に連動して、前記搬送ガイド部材が第3姿勢と第4姿勢との間で移動することになる。
【0011】
(3) 前記搬送ガイド部材は、互いに対向して配置され前記第3姿勢と前記第4姿勢との間で移動可能に支持された一対の板状部材を有し、各板状部材が前記連結部に連結されている。
【0012】
これにより、シート搬送装置と画像形成装置との間に拡張される搬送路は、通過されるシートの両面を円滑に上方へ向けて案内することが可能である。
【0013】
(4) 本発明のシート搬送装置は、前記連結面における前記画像形成装置の装着位置を決める突起状の位置決め部材が前記連結面に設けられている。この場合、前記第1姿勢における前記入力部の突出高さは前記位置決め部材の突出高さよりも低い。
【0014】
画像形成装置を持ち上げてシート搬送装置の連結面に連結させる場合に、作業者は前記位置決め部材を基準にして画像形成装置とシート搬送装置との連結位置を合わせる。前記入力部が前記位置決め部材よりも低い場合は、まず、画像形成装置の底面が前記位置決め部材に当接し、位置合わせされた後に画像形成装置の底面が前記入力部に当接する。したがって、画像形成装置とシート搬送装置との位置合わせにズレが生じた場合は、入力部が押圧されることがないため、誤って搬送ガイド部材が連結面から上方へ突出することはない。このため、画像形成装置との接触による搬送ガイド部材の破損が防止される。
【0015】
(5) 本発明は、上述に記載のシート搬送装置を具備する画像形成装置として捉えることもできる。
【0016】
また、本発明は、画像形成装置に着脱可能なシート搬送装置であって、前記画像形成装置の底面に連結される連結面に至るシート搬送路と、前記連結面よりも下方に没入する第3姿勢と、前記連結面よりも上方へ突出して前記シート搬送路を上方へ拡張する第4姿勢との間で移動可能な搬送ガイド部材と、前記第4姿勢に移動された前記搬送ガイド部材を前記第4姿勢の状態に保持する保持手段と、を具備するものであってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、搬送ガイド部材の湾曲や折損などの破損を防止することができ、且つ、画像形成装置へシートを円滑に搬送することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される各実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、各実施形態は変更可能である。
【0020】
《第1実施形態》
以下、本発明の第1実施形態に係る給紙装置17(本発明のシート搬送装置の一例)及び給紙装置17を備えた複合機10(本発明の画像形成装置の一例)について説明する。
【0021】
[複合機10]
複合機10は、プリンター、複写機、及びファクシミリなどの各機能を有する画像形成装置であり、入力された画像データを基にしてトナーなどの印刷材料を用いて印刷用紙(本発明のシートの一例)に印刷するものである。
図1に示されるように、複合機10は、上部に原稿の画像を読み取るスキャナー12が設けられ、下部に電子写真方式の画像形成部14が設けられたものである。画像形成部14は、上下二段に給紙トレイ21A,22Bが配置された給紙装置16を備えており、その他に、図示しない搬送手段、転写装置、定着装置、及びこれらを制御する制御部を備えている。また、複合機10は、画像形成部14の底部にオプションデバイスとして連結された給紙装置17を備えている。この給紙装置17にも、給紙装置16と同じように、上下二段に配置された給紙トレイ22A,22Bが配置されている。
【0022】
複合機10に印刷対象となる画像データとともに印刷指示が入力されると、いずれかの給紙トレイから予め指定されたサイズの印刷用紙が給送される。給送された印刷用紙は、前記転写装置へ搬送されて、画像データに応じたトナー画像が印刷用紙に形成される。その後、前記定着装置によってトナーが溶着されて、画像が印刷用紙に印刷される。画像が印刷された印刷用紙は、画像形成部14から排紙部19に排出される。なお、本発明は、複合機10に限られず、プリンターや複写機、ファクシミリなどの専用機であっても、適用可能である。
【0023】
[給紙装置16]
図2に示されるように、給紙装置16には、各給紙トレイ21A,21Bそれぞれから印刷用紙を取り出して給送する給送ローラー24を備えた給送手段25(25A,25B)が設けられている。給送手段25Aは、上段の給紙トレイ21Aに収容された印刷用紙を給送するものであり、給送手段25Bは、下段の給紙トレイ21Bに収容された印刷用紙を給送するものである。
【0024】
給紙装置16の内部には、画像形成部14の底面26に形成された開口27から鉛直上方へ延出された直線状の第1搬送路29が形成されている。つまり、第1搬送路29の下端が開口27である。給紙装置16の一方側の側面(本実施形態では正面から見て右側の側面)にサイドカバー32が取り付けられており、そのサイドカバー32の内側面が第1搬送路29の外側ガイド面29Aである。サイドカバー32は、第1搬送路29で詰まった印刷用紙を除去可能なように、給紙装置16に対してサイドカバー32の下端部を回動支点として開閉可能に構成されている。第1搬送路29に、2つの搬送ローラー30A,30Bが設けられている。第1搬送路29において上側に搬送ローラー30Aが配置されており、その下側に搬送ローラー30Bが配置されている。各給紙トレイ21A,21Bそれぞれから第1搬送路29へ向けて給送路31A,31Bが形成されている。給送手段25A,25Bによって給送された印刷用紙は、給送路31A,31Bを通って第1搬送路29へ搬送されて、搬送ローラー30Aによって更に上方へ搬送される。なお、搬送ローラー30Bは、後述の給紙装置17から搬送されてきた印刷用紙を上方へ搬送する際に用いられる。
【0025】
[給紙装置17]
給紙装置17は、複合機10の下部に着脱可能なものであり、画像形成部14の底面26に連結されて使用される。
図1及び
図2には給紙装置17が画像形成部14の底面26、つまり、給紙装置17の下方に連結された状態が示されており、
図3には、給紙装置17単体が示されている。
【0026】
図2に示されるように、給紙装置17には、各給紙トレイ22A,22Bそれぞれから印刷用紙を取り出して給送する給送ローラー34を備えた給送手段35(35A,35B)が設けられている。給送手段35Aは、上段の給紙トレイ22Aに収容された印刷用紙を給送するものであり、給送手段35Bは、下段の給紙トレイ22Bに収容された印刷用紙を給送するものである。
【0027】
給紙装置17の内部には、鉛直方向に延びる第2搬送路39(本発明のシート搬送路の一例)が形成されている。給紙装置17の一方側の側面(本実施形態では正面から見て右側の側面)にサイドカバー42が取り付けられており、そのサイドカバー42の内側面が第2搬送路39の外側ガイド面39Aである。サイドカバー42は、第2搬送路39に詰まった印刷用紙を除去可能なように、給紙装置17に対してサイドカバー42の下端部を回動支点として開閉可能に構成されている。
【0028】
第2搬送路39の上端は、給紙装置17の上面、言い換えると画像形成部14が連結される連結面36(
図2及び
図3参照)に達している。第2搬送路39は、連結面36に形成された開口37から上方へ開放されている。つまり、第2搬送路39の上端が開口37である。本実施形態では、画像形成部14に給紙装置17が装着された状態で、連結面36の開口37と、底面26の開口27とが互いに対向するように位置合わせされる。下段の給紙トレイ22Bから第2搬送路39へ向けて給送路41Bが形成されている。また、上段の給紙トレイ22Aから第2搬送路39へ向けて給送路41Aが形成されている。給送路41Aは、斜め上方へ延びており、連結面36の開口27において第2搬送路39と合流している。つまり、給送路41Aと第2搬送路39との合流部分が開口27となっている。
【0029】
第2搬送路39に、1つの搬送ローラー40が設けられている。給送手段35Aによって給紙トレイ22Aから給送された印刷用紙は、給送路41Aを通って、第2搬送路39との合流部である開口37へ搬送される。また、給送手段35Bによって給紙トレイ22Bから給送された印刷用紙は、給送路41Bを通って第2搬送路39へ搬送されて、搬送ローラー40によって更に上方の開口37へ向けて搬送される。そして、開口37に到達した印刷用紙は開口37から開口27に進入して、給紙装置17の第2搬送路39から給紙装置16の第1搬送路29へ移動し、搬送ローラー30B及び搬送ローラー30Aによって給紙装置16内を更に上方へ搬送される。
【0030】
図3に示されるように、給紙装置17の連結面36に2つの突起44A,44B(本発明の位置決め部材の一例)が設けられている。突起44A,44Bは、連結面36に画像形成部14が連結されたときに画像形成部14と給紙装置17とが予め定められた連結位置に装着されるように位置決めするためのものであり、連結面36から上方へ突出している。図示されていないが、画像形成部14の底面は、突起44A,44Bが挿入される2つの挿入孔が形成されており、これら挿入孔に突起44A,44Bが挿入されることにより、連結面36において画像形成部14が正確な装着位置に位置合わせされる。本実施形態では、突起44A,44Bは給紙装置17の背面側に配置されており、特に突起44Aは、給送装置17の背面側に設けられた後述のリンクレバー58の入力部77の近傍に配置されている。
【0031】
[ガイド拡張機構50]
図3に示されるように、給紙装置17は、ガイド拡張機構50を備えている。ガイド拡張機構50は、画像形成部14が給紙装置17の連結面36に連結されたときに、画像形成部14の底面26(
図2参照)と給紙装置17の連結面36との間に、第2搬送路39から第1搬送路29へ印刷用紙を案内するガイド板55,56(
図4参照)を配置させるものである。なお、
図2には、説明の便宜上、ガイド拡張機構50は図示されていない。以下、ガイド拡張機構50について詳細に説明する。
【0032】
図3に示されるように、ガイド拡張機構50は、給紙装置17において開口37の近傍に設けられている。開口37は、給紙装置17の奥行方向7に長い長方形状に形成されており、その下方にガイド拡張機構50が設けられている。
図4に示されるように、ガイド拡張機構50は、給紙装置17のフレーム(不図示)などに支持された2つのリンクレバー58(本発明のリンク部材の一例)と、リンクレバー58に連結されたガイド部材54(本発明の搬送ガイド部材の一例)と、支持部材60と、を有する。これらはいずれも合成樹脂を射出成形することにより形成される。
【0033】
図4乃至
図6に示されるように、ガイド部材54は、奥行方向7に長い薄板状に形成された2つのガイド板55,56(本発明の板状部材の一例)を有する。2つのガイド板55,56は互いに対向するように配置されている。ガイド板55はガイド板56よりもサイドカバー42側に配置されている。
図6に示されるように、ガイド板55の長手方向の両端部それぞれには支軸62が設けられている。ガイド部材56の長手方向の両端部それぞれにも支軸63が設けられている。これらの支軸62,63が後述する支持部材60の支持溝66,67に挿入されて支持されることによって、ガイド部材54は、その上端が連結面36よりも下方に没入する第3姿勢(
図9に示される姿勢、本発明の第3姿勢に相当)と、その上端が連結面36よりも上方へ突出して開口37から開口27へ至る部分に搬送路を形成する第4姿勢(
図10に示される姿勢、本発明の第4姿勢に相当)との間で移動可能となる。
【0034】
図4及び
図5に示されるように、2つのリンクレバー58は、それぞれ、アーム形状に形成されている。これらのリンクレバー58は、ガイド部材54の長手方向の両端部の外側に配置されている。
図6に示されるように、リンクレバー58は、給紙装置17のフレーム(不図示)に固定された支持プレート70に取り付けられている。支持プレート70は連結面36よりも下方に位置しており、つまり、給紙装置17の内部に設けられている。支持プレート70はガイド板55,56の長手方向に沿うようにして、ガイド板56よりもサイドカバー42とは反対側に配置されている。支持プレート70の両端部それぞれには支軸72が設けられている。その支軸72が、リンクレバー58に形成された軸受け孔74に挿通されている。これにより、リンクレバー58は支軸72を中心にして回動可能となる。
【0035】
リンクレバー58は、軸受け孔74よりもサイドカバー42側の連結部76(本発明の連結部の一例)と、軸受け孔74よりもサイドカバー42とは反対側の入力部77(本発明の入力部の一例)とを有する。入力部77は外力が入力される部分であり、具体的には、画像形成部14が連結面36に連結されたときに底面26に当接して、画像形成部14から下方向の力を受ける部分である。本実施形態では、リンクレバー58が支軸72に回動可能に支持されることにより、リンクレバー58は、入力部77が連結面36よりも上方へ突出する第1姿勢(
図7及び
図9に示される姿勢、本発明の第1姿勢に相当)と、入力部77が連結面36よりも下方へ没入する第2姿勢(
図10に示される姿勢、本発明の第2姿勢に相当)との間で回動可能となる。なお、前記第2姿勢において、入力部77は必ずしも連結面36よりも下方へ没入する必要はなく、前記第1姿勢における入力部77の位置よりも下方に定められた位置に入力部77が配置されていてもかまわない。
【0036】
リンクレバー58が前記第1姿勢となったときに入力部77が連結面36よりも上方へ突出するが、
図7に示されるように、入力部77の突出高さは、連結面36に設けられた突起44A,44Bの突出高さよりも低い。したがって、画像形成部14が連結面36に連結される作業過程において、画像形成部14がリンクレバー58の入力部に接触することはない。
【0037】
ガイド板55,56は、リンクレバー58の連結部76に連結されている。連結部76には、ガイド板55の支軸62を挿通可能な貫通孔79と、ガイド板56の支軸63を挿通可能な貫通孔80とが形成されている。支軸62が貫通孔79に挿通され、支軸63が貫通孔80に挿通されることにより、ガイド板55,56が連結部76に連結される。
【0038】
支持部材60は、給紙装置17のフレーム(不図示)に固定されている。支持部材60は、ガイド板55の支軸62を上下方向へ移動可能に支持するための支持溝66と、ガイド板56の支軸63を斜め上下方向へ移動可能に支持するための支持溝67とを有する。支持溝66は、上下方向に長く形成されており、その長さ分だけガイド板56は上下方向へ移動可能となる。また、支持溝67は、斜め上下方向に長く形成されており、その長さ分だけガイド板56は同方向へ移動可能となる。
【0039】
本実施形態では、ガイド板55の支軸62が貫通孔79に挿通され、ガイド板56の支軸63が貫通孔80に挿通されてから、各支軸62,63が更に支持部材60の支持溝66,67に挿入されて支持される。この状態でリンクレバー58は概ね水平となるように取り付けられる。しかし、連結部76は入力部77よりも長く形成されており、しかも連結部76にガイド板55,56が上下方向へ移動可能に支持されているため、入力部77に下方への外力が加えられていない状態では、連結部76やガイド板55,56の自重によって、連結部76が下方へ付勢される。つまり、ガイド板55,56は前記第3姿勢(
図9に示される姿勢)側へ付勢される。このような付勢力を得るために、リンクレバー58の入力部77よりも連結部76側の荷重が重くなるように重量バランスを設定したことが本発明の付勢手段に相当する。なお、付勢手段の他の例として、上述の重量バランスに代えて、ガイド板55,56を前記第3姿勢側へ弾性的に付勢するバネなどの弾性部材を用いることも可能である。このような弾性部材を適用する場合は、例えば、弾性部材でガイド板55,56を第3姿勢側へ付勢してもよく、或いは、弾性部材で連結部76を下方へ付勢することによりガイド板55,56を第3姿勢側へ間接的に付勢してもよい。
【0040】
上述のようにガイド拡張機構50が構成されているため、
図8及び
図9に示されるように、画像形成部14が連結されていない状態では、連結部76やガイド板55,56の自重によって連結部76が下がることにより、ガイド板55,56が前記第3姿勢(
図9に示される姿勢)を維持する。このとき、リンクレバー58は、入力部77が連結面36よりも上方へ突出する前記第1姿勢(
図7及び
図9に示される姿勢)を維持する。
【0041】
一方、画像形成部14が給紙装置17の連結面36に連結される場合、画像形成部14を給紙装置17の連結面36に装着するため、作業者は、画像形成部14を持ち上げて、給紙装置17の連結面36に画像形成部14を置くようにして連結する。このとき、
図10に示されるように、画像形成部14の底面26が連結面36から突出している入力部77に当接し、入力部77を下方へ押圧する。これにより、連結部76の下方への付勢力に抗して入力部77が下方へ移動する。そのため、リンクレバー58は、入力部77が連結面36よりも下方に没入する前記第2姿勢(
図10に示される姿勢)となる。
【0042】
このようなリンクレバー58の前記第1姿勢から前記第2姿勢への姿勢変化に連動して、連結部76が上方へ持ち上げられる。これにより、ガイド板55,56は前記第3姿勢から前記第4姿勢(
図10に示される姿勢)となる。その結果、ガイド板55,56が開口37から突出して、連結面36よりも上方へ飛び出して開口27から第1搬送路29内に入り込み、画像形成部14の底面26と給紙装置17の連結面36との隙間や段差を埋める搬送路がガイド板55,56によって形成される。このように、連結面36に画像形成部14が連結されてはじめてガイド板55,56が連結面36から突出するので、画像形成部14が給紙装置17に連結される際に、画像形成部14の接触によるガイド板55,56の破損が防止される。
【0043】
また、本実施形態では、
図4及び
図5に示されるように、2つのリンクレバー58が、ガイド板55,56の長手方向の両端部の外側にそれぞれ配置されており、2つのリンクレバー58によってガイド板55,56の長手方向の両端部が支持されている。そのため、奥行方向7に長いガイド板55,56を撓ませたり、傾斜させたりすることなく、円滑に前記第3姿勢と前記第4姿勢との間でガイド板55,56を移動させることができる。
【0044】
また、画像形成部14を持ち上げて給紙装置17の連結面36に連結させる場合に、作業者は突起44A,44Bを基準にして画像形成部14と給紙装置17との連結位置を合わせる。本実施形態では、入力部77が突起44A,44Bよりも低いため、画像形成部14の底面26が突起44A,44Bに当接し、位置合わせされた後に画像形成部14の底面26が入力部77に当接する。したがって、画像形成部14と給紙装置17との位置合わせにズレが生じた場合は、突起44A,44Bが底面26の挿通孔に挿入されないため、入力部77が下方に押圧されることがない。そのため、画像形成部14と給紙装置17とが未連結状態でガイド板55,56が連結面36から上方へ突出することはない。このため、画像形成部14との接触によるガイド板55,56の破損が防止される。
【0045】
なお、上述の実施形態では、ガイド部材54の一例としてガイド板55とガイド板56とを有するものを例示したが、例えば、ガイド部材54は、ガイド板55又はガイド板56のいずれか一方のみを有するものであってもよい。
【0046】
また、上述の実施形態では、本発明のリンク部材の一例として、リンクレバー58の姿勢変化に連動してガイド板55,56が移動する構成を例示したが、例えば、リンク部材の一例として、連結面36に対して出没可能な作動部(本発明の入力部に相当)を設け、この作動部が下方へ押圧されたときに、給紙装置17に内蔵されたソレノイドなどの電動部が作動し、ガイド部材54を前記第3姿勢から前記第4姿勢へ変化させる構成を採用することも可能である。
【0047】
《第2実施形態》
次に、本発明の第2実施形態に係る給紙装置90(シート搬送装置の一例)について説明する。なお、給紙装置90が上述の第1実施形態の給紙装置17と異なるところは、ガイド拡張機構50に代えてガイド拡張機構92が設けられている点にあり、それ以外の構成は上述の給紙装置17のものと同様である。したがって、ここでは、給紙装置17と共通する構成についての詳細な説明を省略する。
【0048】
図11は、給紙装置90の斜視図であって、サイドカバー42が取り外された状態が示されている。図示されるように、給紙装置90の内部にガイド拡張機構92が設けられている。ガイド拡張機構92は、
図12に示されるように、奥行方向7に長い薄板状に形成されたガイド板93(搬送ガイド部材の一例)を有する。ガイド板93の長手方向の両端部それぞれには支軸94が設けられている。給紙装置90のフレームなどには支軸94を支持する2つの支持部材95(
図13参照)が設けられている。この支持部材95には、上下方向へ長い支持溝96が形成されている。この支持溝96に支軸94が挿入されて支持される。これにより、ガイド板93は支持部材95によって上下方向へ移動可能に支持される。本実施形態では、ガイド板93は、連結面36よりも下方に没入する第3姿勢(
図13(A)に示される姿勢)と、連結面36よりも開口37から上方へ突出して画像形成部14の底面との間で搬送路を形成する第4姿勢(
図13(B)に示される姿勢)との間で移動可能である。
【0049】
また、
図12に示されるように、ガイド拡張機構92は、ガイド板93の位置を固定するネジ97(保持手段の一例)を有する。ガイド板93にはネジ97を挿通する貫通孔98が設けられており、支持部材95には、ネジ97が螺合されるねじ穴99が形成されている。本実施形態では、ガイド板93が前記第3姿勢(
図13(A)に示される姿勢)から前記第4姿勢(
図13(B)に示される姿勢)となったときに、ねじ穴99とそれよりも外側に配置された貫通孔98とが一致する。この状態で、貫通孔98を経てネジ97をねじ穴99に螺合することにより、ガイド板93と支持部材95とが螺着される。これにより、ガイド板93は前記第4姿勢の状態を維持する。
【0050】
このように構成されているため、第2実施形態の給紙装置90においても、画像形成部14を給紙装置90の連結面36に連結させてからガイド板93を第3姿勢から第4姿勢へ移動させることができる。そのため、画像形成部14と給紙装置90とが未連結状態でガイド板93が連結面36から上方へ突出することはない。したがって、画像形成部14との接触によるガイド板93の破損が防止される。