特許第5773876号(P5773876)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5773876-伝動装置を制御するための液圧装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773876
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】伝動装置を制御するための液圧装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 61/00 20060101AFI20150813BHJP
   F16H 33/02 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   F16H61/00
   F16H33/02 B
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-531342(P2011-531342)
(86)(22)【出願日】2009年9月21日
(65)【公表番号】特表2012-506002(P2012-506002A)
(43)【公表日】2012年3月8日
(86)【国際出願番号】DE2009001327
(87)【国際公開番号】WO2010043192
(87)【国際公開日】20100422
【審査請求日】2012年9月18日
(31)【優先権主張番号】102008051967.7
(32)【優先日】2008年10月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】512006239
【氏名又は名称】シェフラー テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Schaeffler Technologies AG & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100112793
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳大
(74)【代理人】
【識別番号】100128679
【弁理士】
【氏名又は名称】星 公弘
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100156812
【弁理士】
【氏名又は名称】篠 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(72)【発明者】
【氏名】マルコ グレーテル
(72)【発明者】
【氏名】エリック ミュラー
【審査官】 久島 弘太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表平10−505656(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0274344(US,A1)
【文献】 特開2006−037820(JP,A)
【文献】 特開昭62−155361(JP,A)
【文献】 特開2005−351414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 61/00
F16H 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタートストップ装置を備える内燃機関の下流に接続される伝動装置(3)を制御するための液圧装置(1)であって、
‐液圧的なエネルギを提供するための液圧式のエネルギ源(11)と、
‐該液圧式のエネルギ源(11)により提供可能な液圧的なエネルギを少なくとも部分的に貯蔵し、かつ放出するための、前記液圧式のエネルギ源(11)の下流に接続されるエネルギアキュムレータ(23)と、
‐自動化された伝動装置(3)を制御するための、前記液圧式のエネルギ源(11)及び前記エネルギアキュムレータ(23)に割り当てられる液圧制御部(5)と、
を備える、伝動装置を制御するための液圧装置において、
前記液圧制御部(5)は、前記液圧式のエネルギ源(11)に接続され、該液圧式のエネルギ源(11)によりシステム圧が加えられる主圧力回路(7)と、該主圧力回路(7)から分岐した、パイロット制御圧弁(15)を有するパイロット制御回路(9)であって、前記パイロット制御圧弁(15)が前記システム圧を低下させることで、該システム圧より低いパイロット制御圧が加えられるパイロット制御回路(9)とを有し、前記液圧制御部(5)には、前記主圧力回路(7)を介してシステム圧が供給される一方、前記パイロット制御回路(9)を介してパイロット制御圧が供給されるようになっており、
前記エネルギアキュムレータ(23)は、皿ばね式アキュムレータであり、分岐(21)を介して前記パイロット制御回路(9)に遮断可能に接続されており、前記パイロット制御回路(9)を介して、前記液圧式のエネルギ源(11)により提供可能な液圧的なエネルギを貯蔵し、必要なときに前記液圧制御部(5)に供給可能であることを特徴とする、伝動装置を制御するための液圧装置。
【請求項2】
前記分岐(21)が充填弁(35)を備える、請求項1記載の液圧装置。
【請求項3】
前記分岐(21)がOR弁(37)に割り当てられており、該OR弁(37)の第1のOR接続部(41)が前記液圧式のエネルギ源(11)の下流に接続されており、前記OR弁(37)の第2のOR接続部(43)が前記パイロット制御回路(9)に割り当てられている、請求項1又は2記載の液圧装置。
【請求項4】
前記エネルギアキュムレータ(23)が機械式のロック(47)を備える、請求項1から3までのいずれか1項記載の液圧装置。
【請求項5】
前記分岐(21)が前記パイロット制御回路(9)のパイロット制御圧弁(15)の下流に接続されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の液圧装置。
【請求項6】
前記伝動装置(3)が円錐円板巻掛け伝動装置として形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の液圧装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スタートストップ装置を備える内燃機関の下流に接続される伝動装置を制御するための液圧装置であって、液圧的なエネルギを提供するための液圧式のエネルギ源と、該液圧式のエネルギ源により提供可能な液圧的なエネルギを少なくとも部分的に貯蔵し、かつ放出するための、液圧式のエネルギ源の下流に接続されるエネルギアキュムレータと、自動化された伝動装置を制御するための、液圧式のエネルギ源及びエネルギアキュムレータに割り当てられる液圧制御部とを備える、伝動装置を制御するための液圧装置に関する。
【0002】
冒頭で述べた形式の液圧装置は、公知である。スタートストップ装置により、内燃機関は、例えば、内燃機関により駆動可能な自動車の予め決められた運転状態に基づいて、始動かつ停止可能である。エネルギアキュムレータにより、自動化された伝動装置を制御するための液圧制御部には、特に内燃機関のストップ期間中、付加的に液圧的なエネルギが供給可能である。DE4323133A1号において、圧力流体を提供するための液圧アキュムレータが公知である。EP1898101A2号は、伝動装置の液圧アキュムレータ装置を操作する方法に関する。
【0003】
本発明の課題は、スタートストップ装置を備える内燃機関の下流に接続される伝動装置を制御するための改良された液圧装置を提供することである。液圧装置は、特に、必要とされる構成スペース、可及的高い温度及び/又は経年安定性に関して最適化されることが望ましい。
【0004】
この課題は、スタートストップ装置を備える内燃機関の下流に接続される伝動装置を制御するための液圧装置であって、液圧的なエネルギを提供するための液圧式のエネルギ源と、該液圧式のエネルギ源により提供可能な液圧的なエネルギを少なくとも部分的に貯蔵し、かつ放出するための、液圧式のエネルギ源の下流に接続されるエネルギアキュムレータと、自動化された伝動装置を制御するための、液圧式のエネルギ源及びエネルギアキュムレータに割り当てられる液圧制御部とを備える、伝動装置を制御するための液圧装置において、エネルギアキュムレータが分岐により液圧制御部のパイロット制御回路に割り当てられていることにより解決される。有利には、エネルギアキュムレータは、分岐によりパイロット制御回路の液圧的なエネルギを取り出して、必要なときに同じ場所でパイロット制御回路に再び提供することができる。有利には、これにより、パイロット制御回路には、内燃機関が停止されているか、又はまさに始動される、スタートストップ装置のストップ期間中、特にストップ期間から作動期間への移行時においても、確実に液圧的なエネルギが供給される。有利には、その他の液圧制御部の作動制御のために設けられるパイロット制御回路に、有利には液圧的なエネルギが供給される。
【0005】
液圧装置の一態様では、エネルギアキュムレータが皿ばね式アキュムレータを備える。有利には、皿ばね式アキュムレータは、極めてフラットな圧力/容積依存性を有している。有利には、皿ばね式アキュムレータは、これにより、温度影響にもまったく依存しない。さらに、皿ばね式アキュムレータは、僅かな老化を被るにすぎない。
【0006】
液圧装置の別の態様では、分岐が充填圧弁を備える。充填圧弁は、パイロット制御回路とエネルギアキュムレータとの間に接続可能である。有利には、エネルギアキュムレータは、必要に応じてパイロット制御回路に割り当て可能である。割り当ては、例えばエネルギアキュムレータの充填のためだけ、かつ反対にエネルギアキュムレータの放出のためだけに実施可能である。伝動装置を制御するための液圧装置あるいは液圧制御部のその他の運転状態では、エネルギアキュムレータは完全に遮断可能である。この場合、有利には、エネルギアキュムレータによるパイロット制御回路への不都合な影響は生じない。
【0007】
液圧装置の別の態様では、分岐がOR弁に割り当てられており、OR弁の第1のOR接続部が液圧式のエネルギ源の下流に接続されており、OR弁の第2のOR接続部がパイロット制御回路に割り当てられている。有利には、分岐、ひいてはエネルギアキュムレータは、OR弁により圧力差に基づいて、液圧式のエネルギ源に、例えばエネルギアキュムレータの充填のために割り当て可能であるか、又はパイロット制御回路に、例えばエネルギアキュムレータの放出のために割り当て可能である。
【0008】
液圧装置の別の態様では、エネルギアキュムレータが機械式のロックを備える。有利には、機械式のロックは、エネルギアキュムレータの放出が起こらないようにすることができる。場合によっては必要な又は所望されるエネルギの取り出しのために、機械式のロックは解除可能である。機械式のロックによりエネルギアキュムレータを、充填弁が省略可能であるように設計することも可能である。
【0009】
液圧装置の別の態様では、伝動装置が円錐円板巻掛け伝動装置として形成されている。円錐円板巻掛け伝動装置の場合、内燃機関と、下流に接続されるパワートレーンとの間の変速比が自由に選択可能あるいは調節可能である。
【0010】
液圧装置の別の態様では、分岐がパイロット制御回路のパイロット制御圧弁の下流に接続されている。パイロット制御圧弁により、パイロット制御回路の、例えば5バールのパイロット制御圧が調節可能である。エネルギアキュムレータに、パイロット制御圧弁により調節可能な圧力を充填することが可能である。
【0011】
別の利点、特徴及び詳細は、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する以下の説明から看取される。同一、類似かつ/又は機能同一の部材には同じ符号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】自動化された伝動装置を制御するための、液圧式のエネルギ源、エネルギアキュムレータ及び液圧制御部を備える液圧装置を示す図である。
図2図1に示した液圧装置と類似の液圧装置であって、付加的にOR弁が設けられている液圧装置を示す図である。
【0013】
図1は、スタートストップ装置を備える詳細には説明しない内燃機関の下流に接続される伝動装置を制御するための液圧装置1を示している。伝動装置は、図1に、符号3で概略的にのみ示されている。この伝動装置3を制御するために、液圧装置1は、液圧制御部5を有している。液圧制御部5により、伝動装置3は自動化可能である。例えば、パーキング、ニュートラル、ドライブ及びリバース等の走行段は、液圧式に制御可能である。伝動装置3は、任意の自動化された伝動装置、例えば有段自動変速機、円錐円板巻掛け伝動装置又はツインクラッチ式伝動装置であってよい。伝動装置3を自動化あるいは制御するために、液圧制御部5は、詳細には説明しない制御弁及びサーボ弁並びに制御ピストンを有していてよい。液圧制御部5は、主圧力回路7及びパイロット制御回路9を有している。パイロット制御回路9及び主圧力回路7により、液圧制御部5の、詳細には説明しない液圧コンポーネントに、液圧エネルギを供給可能である。この場合、パイロット制御回路9にパイロット制御圧、例えば5バールのパイロット制御圧を加え、主圧力回路7にシステム圧、一般にはパイロット制御圧を上回るシステム圧を加えることが可能である。システム圧及び/又はパイロット制御圧を発生させるために、液圧制御部5は、液圧式のエネルギ源11に割り当てられているか、あるいは液圧式のエネルギ源11の下流に接続されている。液圧式のエネルギ源11は、液圧媒体、例えば作動油をタンク13から圧送し、圧力レベルをシステム圧に上昇させることができる。主圧力回路7は、液圧式のエネルギ源11の下流に直接接続されている。パイロット制御回路9は、液圧式のエネルギ源11の下流にやはり接続されているものの、パイロット制御圧弁15を介して接続されている。パイロット制御圧弁15は、一般にこの目的のために使用される、圧力フィードバック17及びばね19を備える圧力制御弁であってよい。パイロット制御圧弁15は、液圧式のエネルギ源11により提供可能なシステム圧を制御して、パイロット制御圧に低下させる。液圧式のエネルギ源は、例えば、詳細には説明しない内燃機関により機械的に駆動される液圧ポンプであってよい。しかし、液圧ポンプを、やはり詳細には説明しない電動モータにより駆動することも可能である。最終的には、液圧式のエネルギ源11が、機械駆動と電気駆動との組み合わせ、特に機械的に駆動されるポンプと電気的に駆動されるポンプとを備えることも可能である。
【0014】
パイロット制御回路9には、分岐21により、液圧的なエネルギを貯蔵するためのエネルギアキュムレータ23が割り当てられている。エネルギアキュムレータ23は、液圧式の圧力アキュムレータとして形成されており、環状のハウジング25を有している。ハウジング25内には、2つの皿ばね27が格納されている。両皿ばね27は、それぞれ、U字形の断面を有するハウジングに当接している。両皿ばね27は、対向して配置されており、ハウジング27に流体密に当接しているとともに、それぞれ1つのばねカバー29に流体密に当接している。適当なシール手段は、詳しくは図示されていない。ハウジング25、皿ばね27及びばねカバー29によって、圧力室31が包囲される。圧力室31は、皿ばね27のばね力に抗して、液圧的なエネルギを蓄えるために拡大可能であり、反対に、液圧的なエネルギを放出するために再び縮小可能である。対応するエネルギの貯蔵は、皿ばね27によって行われる。
【0015】
エネルギアキュムレータ23は、接続部33を有している。接続部33は、圧力室31に配設されている。エネルギアキュムレータ23の接続部33は、充填弁35に割り当てられている。充填弁35は、例えば電気的に操作可能な切換弁として形成可能である。充填弁35により分岐21は、エネルギアキュムレータの接続部33に接続されるか、又は接続部33から遮断され得る。有利には、充填弁35によりエネルギアキュムレータ23は、充填又は放出のためだけにパイロット制御回路9に割り当て可能である。エネルギアキュムレータ23による付加的なエネルギ供給が不要な液圧制御部5の運転状態において、エネルギアキュムレータ23は遮断可能である。充填弁35の対応する切換位置は、図1に示されている。
【0016】
図2は、図1に示した液圧装置1と類似に形成されている別の液圧装置1を示している。以下に、相違点についてのみ詳細に説明する。
【0017】
図1に示した液圧装置とは異なり、液圧装置1は、OR弁(Oder−Ventil)37を有している。OR弁37は、主圧力回路7に対する並列分岐39に接続されている。並列分岐39は、パイロット制御圧弁15も有している。
【0018】
OR弁37は、第1のOR接続部41及び第2のOR接続部43並びにセンタ接続部45を有する。センタ接続部45は、充填弁35の接続部33に割り当てられている。OR弁37の第1のOR接続部41は、液圧式のエネルギ源11の下流に接続されている。OR弁37の第2のOR接続部43は、分岐21に接続されており、これによりパイロット制御回路9及びパイロット制御圧弁15に割り当てられている。
【0019】
有利には、詳細には説明しない内燃機関の始動プロセス時の、高い付加的な流れを不要にすることができる。有利には、エネルギアキュムレータ23により、特に始動プロセス中、液圧的なエネルギが、液圧制御部5、特にパイロット制御回路9に供給可能である。有利には、エネルギアキュムレータ23は、皿ばね27及び圧力室31を備え、いわゆる皿ばね式アキュムレータを形成している。皿ばね式アキュムレータは、有利には、フラットな圧力/容積依存性を示し、温度による影響をまったく示さず、かつ、いわば圧力室31のアキュムレータ容量の変化をアキュムレータの寿命にわたって示さない。
【0020】
エネルギアキュムレータ23のフラットな圧力/容積依存性は、内燃機関の始動プロセス時に供給不足が発生する場合がある液圧制御部5の箇所において、通常運転中、液圧的なエネルギをエネルギアキュムレータ23の皿ばね27により貯蔵して、この液圧的なエネルギを必要なときに正確にこの箇所に再び供給することを可能にする。本発明では、エネルギアキュムレータ23は、有利には分岐21によりパイロット制御回路9に、すなわちパイロット制御圧弁15の下流に接続される位置に配設されている。パイロット制御圧弁15の下流のこの位置は、いわゆる円錐円板巻掛け伝動装置(CVT)のために特に適している。しかし択一的には、特に有段自動変速機又はツインクラッチ式伝動装置の場合、別の開口箇所も可能である。電気的に制御可能な充填弁35を介して、エネルギアキュムレータ23は、密に、その他の液圧装置1から遮断可能である。充填及び放出のためだけに、有利には、充填弁35を短期的に作動制御可能である。その結果、充填弁35は開弁する。充填弁35は、有利にはばねにより負荷された座弁であってよい。しかし択一的には、シールされたいわゆるスプール弁を備える態様も可能である。さらに、エネルギアキュムレータ23が、緊張した、つまり充填された状態において、皿ばね27の鋼内に貯蔵されたエネルギが、充填弁35の、場合によっては存在する漏れを介して意図せず消失してしまうことがないようにするために、エネルギアキュムレータ23を機械的にロックすることも可能である。図2には、概略的に、エネルギアキュムレータ23のロック47が示されている。ロック47によって、皿ばね27のばね力による圧力室31のさもなければ発生する縮小は阻止可能である。その結果、エネルギアキュムレータ23からのエネルギの意図しない逃げは確実に防止可能である。エネルギの取り出しが所望される場合は、ロック47を解除することができる。その結果、エネルギアキュムレータ23は、液圧的なエネルギをパイロット制御回路9に放出可能である。この場合、充填弁35を省略すること、つまり、特にエネルギアキュムレータ23の排出が適当な管路案内を介して提供されている場合、充填弁35を完全になくしてしまうことも可能である。この種の機械的な保持システムは、本件出願人のDE4323133A1号に開示されており、同様に、図1及び図2に示したエネルギアキュムレータのためにも使用可能である。DE4323133A1号、特に図1及び図2並びに対応する説明は、援用により本願明細書の内容とする。
【0021】
エネルギアキュムレータ23を、内燃機関の始動プロセスの際、接続された消費器の圧力レベルより高い圧力レベルで充填する必要があれば、このことは、図2の図示にしたがってやはり可能である。有利には、このことは、主圧力回路に並列に接続されており、液圧式のエネルギ源の下流に接続されているOR弁37によって実施可能である。OR弁37は、充填弁35の接続部33と分岐21との間に、つまり、エネルギアキュムレータ23に配設される放出管路内に接続されている。エネルギアキュムレータ23の充填は、充填弁35の開弁時、第1のOR接続部41又は第2のOR接続部43を介して、厳密にはどちらの接続部41,43により高い圧力がかかっているかに応じて実施可能である。第1のOR接続部41では、圧力が、より高いシステム圧であってよい。エネルギアキュムレータ23の放出のための体積流量は、OR弁37を介してパイロット制御回路9に供給可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 液圧装置
3 伝動装置
5 液圧制御部
7 主圧力回路
9 パイロット制御回路
11 エネルギ源
13 タンク
15 パイロット制御圧弁
17 圧力フィードバック
19 ばね
21 分岐
23 エネルギアキュムレータ
25 ハウジング
27 皿ばね
29 ばねカバー
31 圧力室
33 接続部
35 充填弁
37 OR弁
39 並列分岐
41 第1のOR接続部
43 第2のOR接続部
45 センタ接続部
47 ロック
図1
図2