(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
温風発生装置と、該温風発生装置から発せられる温風が内部に導入されるホースと、前記ホースのジョイントに接続される請求項1〜6のいずれか一項に記載の靴乾燥治具と、筐体とを備え、
前記底部よりも前記一方の端部側に前記ジョイントの先端が配置されるように前記ホースを前記靴乾燥治具に挿入した状態で、前記ホース及び前記靴乾燥治具を前記筐体内に収容する
ことを特徴とする布団乾燥機。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る靴乾燥治具1を布団乾燥機100の筐体50に収納した状態を示す縦断面図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係る靴乾燥治具1の斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る靴乾燥治具1を布団乾燥機100のホース11に接続した状態を示す縦断面図である。
【0011】
図1に示されるように、布団乾燥機100は、靴乾燥治具1、ホース11、温風発生装置18、乾燥マット19、筐体50から構成されている。
温風発生装置18は、ファンモータ18a及びヒータ18bを備えており、これらを駆動することにより温風を発生し、温風吹出口13からホース11に送出する。ホース11は、伸縮自在に構成され、一端が温風発生装置18の温風吹出口13に接続され、他端には靴乾燥治具1と接続可能なジョイント12が設けられている。ジョイント12に靴乾燥治具1が接続されることで、ホース11に導入された温風は、靴乾燥治具1に送出され、靴乾燥治具1に形成された吹出口3から吐出されるようになっている。
【0012】
筐体50は、その上部には開閉可能な収納蓋16が設けられている。また、筐体50の底部には温風発生装置18が固定されて配置されており、温風発生装置18を除いた空間である収納部17に靴乾燥治具1、ホース11及び乾燥マット19が収納される。また、筐体50は、その上部には開閉可能な収納蓋16が設けられている。
【0013】
図2に示されるように、靴乾燥治具1は、両端部が開口した略円筒形状のものである。靴乾燥治具1の一方の端部側にはホース差込口2が形成され、他方の端部側には吹出口3が形成されている。また、靴乾燥治具1の周壁には、切欠部4a(本発明における第1切欠部に相当する)、切欠部4b(本発明における第2切欠部に相当する)が対向して形成されている。切欠部4a,4bは、吹出口3が形成された端部側からホース差込口2が形成された端部側に向かって、靴乾燥治具1の周壁の一部を切り欠いて形成されている。切欠部4a,4bはU字形状に形成されており、その底部4c,4dはそれぞれ、U字形状の側縁部と側縁部とを結ぶ略直線状になっている。また、靴乾燥治具1の周壁には段部20が形成されている。この段部20は、靴乾燥治具1をホース11に挿入するとき、ホース11の挿入量を規制する。
【0014】
図3に示されるように、靴乾燥治具1の周壁には、第1の溝5a,5b(本発明における治具側係合部に相当する)、及び第1の溝5a,5bよりも上方(
図3に示される縦断面図における上方)に第2の溝6a,6b(本発明における治具側係合部に相当する)が形成されている。
【0015】
また、ホース11のジョイント12の外周面には、第1の突起14a,14b(本発明におけるジョイント側係合部に相当する)が対向して形成されている。また、第1の突起14a,14bよりも上方(
図3に示される縦断面図における上方)に第2の突起15a,15b(本発明におけるジョイント側係合部に相当する)が対向して形成されている。
【0016】
このため、靴乾燥治具1をホース11に挿入すると、第1の溝5a,第1の突起14aが係合し、第1の溝5b,第1の突起14bが係合する。また、第2の溝6a,第2の突起15aが係合し、第2の溝6b,第2の突起15bが係合する。このように係合することにより、靴乾燥治具1とジョイント12とを固定することができる。
また、後述の
図6に示されるように、第2の溝6a,第1の突起14aが係合し、第2の溝6b,第1の突起14bが係合することにより、
図3に示される場合に比べて、ホース11の先端部から靴乾燥治具1の吹出口3までの長さを長くすることができる。
【0017】
次に、本実施の形態1に係る靴乾燥治具1を靴30に使用する例について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係る靴乾燥治具1の靴30の乾燥状態を示す斜視図である。
図5は、
図4のA−A断面図である。
【0018】
靴30を乾燥する場合は、まず、靴乾燥治具1をホース11に挿入し、上述したように(
図3の説明で記載したように)、靴乾燥治具1の第1の溝5a,5bと、ジョイント12の突起14a,14bとを係合させる。また、靴乾燥治具1の第2の溝6a,6bと、ジョイント12の第2の突起15a,15bとを係合させる。このようにして、靴乾燥治具1とジョイント12とを固定する。このとき、靴乾燥治具1の底部4c,4dがホース11の先端部より基端側(温風吹出口13側)に位置している。次に、
図4及び
図5に示されるように、靴の履き口部側壁30aを切欠部4a,4bに差し込む。そして、布団乾燥機100を運転すると、温風発生装置18から発生した温風がホース11を通って、靴乾燥治具1の吹出口3から吐出される。このとき、靴の履き口部側壁30aは、温風を左右の靴30に均等に吹き付けるガイドとしての役割を果たす。そのため、吹出口3から吐出された温風は、左右の靴30の内部底面側に向かって吹き出され、左右の靴30を乾燥する。
【0019】
次に、本実施の形態1に係る靴乾燥治具1を長靴31に使用する例について説明する。
図6は、本発明の実施の形態1に係る靴乾燥治具1を布団乾燥機100のホース11に接続した状態を示す縦断面図である。
図7は、本発明の実施の形態1に係る靴乾燥治具1の長靴31の乾燥状態を示す斜視図である。
図8は、
図7のB−B断面図である。
【0020】
長靴31を乾燥する場合は、まず、靴乾燥治具1をホース11に挿入し、
図6に示されるように、靴乾燥治具1に形成された第2の溝6a、第1の突起14aが係合し、第2の溝6b、第1の突起14bが係合する。このようにして、靴乾燥治具1とジョイント12とを固定する。このとき、靴乾燥治具1はホース11に挿入されているが、靴乾燥治具1の底部4c,4dは、ホース11の先端部より温風の吹き出し方向に位置している。次に、
図7に示されるように、長靴の履き口部側壁31aを切欠部4a,4bに差し込む。そして、布団乾燥機100を運転すると、温風発生装置18から発生した温風がホース11を通って、靴乾燥治具1の吹出口3から吐出する。このとき、長靴の履き口部側壁31aは、温風を左右の長靴31に均等に吹き付けるガイドとしての役割を果たす。そのため、吹出口3から吐出された温風は、左右の長靴31の内部底面側に向かって吹き付され、左右の長靴31を乾燥する。このように、靴乾燥治具1の底部4c,4dは、ホース11の先端部より温風の吹き出し方向に位置しており、このため、長靴の履き口部側壁31aを切欠部4a,4bに差し込むとき、底部4c,4dまで差し込むことができる。そのため、
図3のように靴乾燥治具1とジョイント12とを固定する場合と比較して、温風をより靴底まで届けることが容易な構成となっている。
【0021】
靴30や長靴31の乾燥を終了し、靴乾燥に用いた靴乾燥治具1、ホース11を筐体50に収納するときは、上述したように収納蓋16を開け、これらを収納部17に収納する。このとき、靴乾燥治具1をホース11に挿入することにより、靴乾燥治具1がホース11の先端から突出する程度を少なくすることができる。つまり、靴乾燥治具1の底部4c,4dは、靴乾燥治具1が靴に挿入する最大長さを規定することになり、その意味で従来の靴乾燥治具1’の基端4’(
図13参照)に対応するものであるが、仮に、この靴乾燥治具1’をホース11に挿入した場合には、靴乾燥治具1’の基端4’により挿入される長さが制約されて
図1の波線Aの部位までしか挿入できないが、本実施の形態1においては
図1の状態まで挿入できることとなり、靴乾燥治具1がホース11の先端から突出する程度を少なくすることができる。
【0022】
以上のように、本実施の形態1に係る靴乾燥治具1によれば、両端部が開口した筒形状の靴乾燥治具1の周壁の吹出口3側からホース差込口2側に向かって切欠部4a,4bが対向して形成される構成としている。靴乾燥時には、靴の履き口部側壁30a(長靴の履き口部側壁31a)を切欠部4a,4bに差し込み、靴乾燥治具1のホース差込口2側から吹出口3側に送られた温風で左右の靴を乾燥することが可能になる。また、本発明においては、靴乾燥治具1をホース11に挿入して筐体50内部に収納する場合には、従来の靴乾燥治具1’のホース差込口2’の突起の基端のように挿入する際の制約になるものがないことから、靴乾燥治具1をジョイント12のホース11側により深く挿入できる。このため、収納スペースを従来よりも小さくすることが可能となる。
【0023】
また、本実施の形態1に係る靴乾燥治具1によれば、履き口部の高い長靴31のような靴を乾燥する場合には、第2の溝6aと第1の突起14aとを係合させ、第2の溝6bと第1の突起14bとを係合させる構成とした。このため、長靴の履き口部側壁31aを切欠部4a,4bに差し込むとき、底部4c,4dまで差し込むことができる。このため、履き口部の高い靴を乾燥する場合であっても、温風を靴底へ届かせることができ、効果的に乾燥することができる。
【0024】
なお、本実施の形態1では、靴乾燥治具1の周壁には段部20が設け、靴乾燥治具1のホース11に対する挿入量を規制しているが、段部20を形成されない構成としてもよい。このように構成した場合には、段部20を設けた場合に比べ、靴乾燥治具1をよりホース11に、より挿入することができる。つまり、筐体50内部の収納スペースを、より小さくすることが可能となる。
【0025】
また、本実施の形態1では、靴乾燥治具1の内周面に第1の溝5a,5b及び第2の溝6a,6bを形成し、ジョイント12の外周面に第1の突起14a,14b及び第2の突起15a,15bを形成する構成としたが、これに限定されない。例えば、靴乾燥治具1の内周面に第1の突起14及び第2の突起15を形成し、ジョイント12の外周面に第1の溝5a,5b及び第2の溝6a,6bを形成する構成としてもよい。つまり、靴乾燥治具1とジョイント12とを固定する構成であればよい。なお、ジョイント12の外周面に第1の溝5a,5b及び第2の溝6a,6bを形成するときは、ジョイント12の内周面まで貫通しないように形成するとよい。これは、ジョイント12の内周面を流れる温風が溝を経由して外へ流出しないようにするためである。
【0026】
また、本実施の形態1では、ジョイント12に第1の突起14a、14b及び第2の突起15a、15bを形成する構成としたが、第1の突起14a,14bのみ、又は第2の突起15a,15bのみ形成する構成としてもよい。
【0027】
また、本実施の形態1では、靴乾燥治具1に第1の溝5a,5b、第2の溝6a,6bを形成する構成としたが、ホース差込口2側から吹出口3側に向かってより多くの溝を対向して形成する構成としてもよい。より多くの溝を対向して形成すれば、靴乾燥治具1の突出長さをさらに多くの段階に調整することができるため、靴の履き口部側壁の高さに応じた突出長さに調整することができる。
【0028】
また、本実施の形態1では、切欠部4a,4bの形状をU字状としたがこれに限定されず、例えば、切欠部4a,4bの形状をV字状に形成してもよい。また、本実施の形態1では、靴乾燥治具1を円筒形状としたが、ジョイント12に対応した形状であれば円筒形状に限定されない。
【0029】
実施の形態2.
本実施の形態2では、靴乾燥治具1の周壁に段部20を設けない構成とした。
【0030】
図9は、本発明の実施の形態2に係る靴乾燥治具1の斜視図である。
図10は、本発明の実施の形態2に係る靴乾燥治具1を布団乾燥機100の筐体50に収納した状態を示す縦断面図である。なお、本実施の形態2では、実施の形態1と同一の箇所については同一の符号を付して、説明を割愛する。
【0031】
以下、
図9を用いて、実施の形態2の構成を実施の形態1との相違点を中心に説明する。実施の形態2では、実施の形態1の切欠部4aと同様に、吹出口3が形成された端部側からホース差込口2が形成された端部側に向かって、靴乾燥治具1の周壁に切欠部7a(本発明の切欠部に相当する)が形成されているが、切欠部7aに対向した側には、実施の形態1の切欠部4bに代えて、切断部7b(本発明の切断部に相当する)が形成されている。切欠部7aはU字形状に形成されており、その底部7cは、U字形状の側縁部と側縁部とを結ぶ略直線状になっている。切断部7bは、切欠部7aと対向して、吹出口3側からホース差込口2側に向かって周壁を切断して形成されている。
また、上述したように、本実施の形態2では、靴乾燥治具1の周壁に段部20を設けていない構成になっている。
【0032】
図10に示されるように、本実施の形態2では、実施の形態1と同様に、筐体50内に靴乾燥治具1、ホース11等を収納することが可能となっている。ここで、本実施の形態2では、靴乾燥治具1の周壁に段部20が形成されていないので、靴乾燥治具1をホース11のより基端側(温風吹出口13側)に挿入できる。
【0033】
以下、
図11及び
図12を用いて靴乾燥治具1を布団乾燥機100のホース11に接続した状態を説明する。
図11は、本発明の実施の形態2に係る靴乾燥治具1を靴30(
図4参照)に挿入するときに布団乾燥機100のホース11に接続した状態を示す斜視図である。
図12は、本発明の実施の形態2に係る靴乾燥治具1を長靴31(
図7参照)に挿入するときに布団乾燥機100のホース11に接続した状態を示す斜視図である。
【0034】
靴30を乾燥させる場合には、
図11に示されるように、靴乾燥治具1の第1の溝5a,5bとジョイント12の第1の突起14a,14bとを係合させる。また、第2の溝6a,6bとジョイント12の第2の突起15a,15bとを係合させる。このように靴乾燥治具1とジョイント12とを固定する。そして、上記の実施の形態1と同様に靴30の乾燥が行われる。
【0035】
長靴31を乾燥させる場合には、
図12に示されるように、靴乾燥治具1の第2の溝6aとジョイント12の第1の突起14aとを係合させる。また、第2の溝6bとジョイント12の第1の突起14bとを係合させる。このように靴乾燥治具1とジョイント12とを固定し、ホース11の先端部から靴乾燥治具1の吹出口3までの長さを靴30の場合に比べて長くする。そして、上記の実施の形態1と同様に長靴31の乾燥が行われる。
【0036】
以上のように、本実施の形態2に係る靴乾燥治具1によれば、靴乾燥治具1の周壁に段部20を設けない構成としている。これにより、実施の形態1における段部20を設けた場合と比較して、靴乾燥治具1をホース11の基端側(温風吹出口13側)により挿入できる。特に、筐体50に靴乾燥治具1及びホース11を収納するときには、靴乾燥治具1をホース11にその先端部から突出しないように挿入することができるので、収納スペースを従来と比較して更に小さくすることが可能となる。
【0037】
また、本実施の形態2に係る靴乾燥治具1によれば、切欠部7aに対向して切断部7bを形成する構成とした。これにより、切断部7bにおいて弾性力が働くため、実施の形態1における切欠部4bを形成した場合と比較して、靴乾燥治具1のホース11への挿入をより容易にすることが可能となる。