(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
科学的試験に利用可能である取り外し可能なモジュールであって、ベースユニットの対応する取り付けベイに取り付けられ、かつ前記対応する取り付けベイから取り外されるように構成されており、
前記ベースユニットはコントローラーを備え、
前記取り外し可能なモジュールは、
前記コントローラーとの通信をサポートするように構成されている第1の接続ポートであって、前記取り外し可能なモジュールが前記ベースユニットに取り付けられると、前記対応する取り付けベイの対応する接続ポートに接続されるように構成されている、第1の接続ポートと、
前記第1の接続ポートを介して前記コントローラーに第1の出力を提供するように構成されている第1のセンサーと、
かき混ぜ装置と、
を備え、
前記かき混ぜ装置は、
媒体をかき混ぜるように構成されているとともに、
前記第1の接続ポートを介して前記コントローラーによって制御されるように構成されている、取り外し可能なモジュール。
前記取り外し可能なモジュールは、前記かき混ぜ装置によってかき混ぜられる前記媒体を保持する容器を備えて構成されている、請求項1に記載の取り外し可能なモジュール。
前記コントローラーは、前記複数の取り付けベイのうちの対応する1つ又は複数の取り付けベイのセットに取り付けられている、少なくとも2つの異なる、対応する1つ又は複数の取り外し可能なモジュールのセットに対して、少なくとも2つの異なる試験方法を同時に実行するように構成されており、
前記コントローラー及び各取り外し可能なモジュールのため、試験方法を実行することは、
前記コントローラーによって、前記取り外し可能なモジュールの容器内の媒体の温度を示す前記第1の出力を受け取ることと
前記媒体を目標温度に維持するように、前記第1の出力に基づいて前記媒体の加熱を制御することと、
対応する1つ又は複数の装置下降時間のセットのそれぞれにおいて、前記かき混ぜ装置を下降させることと、
対応する1つ又は複数の装置上昇時間のセットのそれぞれにおいて、前記かき混ぜ装置を上昇させることと、
対応する1つ又は複数のかき混ぜ時間のセットのそれぞれにおいて、攪拌パラメーターのセットに従って前記かき混ぜ装置を用いて前記媒体をかき混ぜることと、
を含む、請求項12〜16のいずれか1項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[詳細な説明]
本発明の他の態様、特徴及び利点は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び同様の参照符号が同様又は同一の要素を特定する添付の図面からより十分に明らかとなるであろう。
【0011】
以下で記載されるのは、コントローラーと、それぞれが1つの容器を有する1つ又は複数の溶出試験モジュールとを有するベースユニットを有する中央制御されたモジュール式溶出試験装置として実施される(implemented)本発明の一実施形態である。拡張可能な中央制御されたモジュール式溶出試験装置を用いることによって、従来の単一の一体型装置に勝る種々の利点を提供することができる。6つよりも少ない容器を有する溶出試験システムを必要とするユーザーが、そのようなシステムを得て、場合によってはより低いコストを負担することが可能である。ユーザーのニーズが大きくなれば、付加的な溶出試験モジュールを必要に応じて加えることができる。モジュール式システムのうちの1つの溶出試験モジュールが故障した場合、その1つのモジュールを取り替えることは、単一の多容器システム全体の修理又は取り替えよりも簡単、迅速かつ安価である。さらに、以下で説明する中央コントローラーの付加的な新規の特徴によって、モジュール式溶出試験装置に簡便性及び有用性が加わる。
【0012】
図1は、本発明の1つの実施形態によるモジュール式溶出試験装置100の斜視図を示す。装置100は、1つから8つまでの取り外し可能な溶出試験モジュールとの使用に拡張可能である。装置100は、ベースユニット101と、対応するカバー104及び105それぞれを有する取り外し可能な溶出試験モジュール102及び103と、使用されていない取り付けベイのカバー106、107、108、109、110及び111とを備える。ベースユニット101は、支持ベースプレート112を有する、変形した円筒体の断面を有する垂直タワーとして実質的に形作られる。ベースユニット101は、その外周の一部に沿って8つの連続的な取り付けベイを備え、これらは、対応する取り外し可能な溶出試験モジュール(例えばモジュール102及び103等)又は使用されていない取り付けベイのカバーを定位置に保持するように構成されているほぼ水平なレセプタクルである。各取り付けベイは、取り付けられた溶出試験モジュールとインターフェースをとる接続ポート(図示せず)を含む。上記で示した通り、ベースユニット101は、モジュール102及び103に加えて6つまでの付加的な溶出試験モジュール、合計で8つのモジュールを収容することができる。付加的な溶出試験モジュールを接続するには、カバー109等の使用されていない取り付けベイのカバーを取り外し、モジュールを対応する取り付けベイに挿入して接続する。溶出試験モジュール102及び103並びに使用されていない取り付けベイのカバー106、107、108、109、110及び111はスクリューによって各自の取り付けベイに固定されている。
【0013】
ベースユニット101はコントローラー(図示せず)も備える。コントローラーは、プロセッサと、プログラムコード、パラメーター、測定値及び他の有用な情報を記憶するために利用可能な通信接続されているメモリーとを備える。ベースユニット101は、コントローラーを装置100の種々の要素、例えば取り付けベイの接続ポート及び/又は外部コンピューターとインターフェースをとるためのシリアル通信ポート(例えばRS−232又はUSB)等と通信接続させるように回路部を付加的に備える。
【0014】
ベースユニット101は、ベースユニット101の上部に回転可能に接続されている第1の端を有するアーマチャー113と、アーマチャー113の第2の端に移動可能に接続されているユーザーインターフェース114とを更に備える。ユーザーインターフェース114は、コントローラーに通信接続されているタッチスクリーン115を備える構造体である。ユーザーインターフェース114は、ベースユニット101のコントローラー及びタッチスクリーン115に通信接続されているユーザーインターフェースコントローラー(図示せず)を含むことができる。ユーザーインターフェース114のアーマチャー113への取り付け、及びアーマチャー113のベースユニット101への取り付けは、ユーザーがタッチスクリーン115を容易に(すなわち大きな身体的努力を払うことなく)移動させてその向きを変え、タッチスクリーン115を再び移動させるまでその新たな位置に実質的にとどまらせるようにすることができるようなものである。
【0015】
図2は、
図1の(ただし6つの取り外し可能な溶出試験モジュールを有する)溶出試験装置100の斜視図を示す。すなわち、
図2の装置100は、モジュール102及び103に加えて、ここではカバー107、108、109及び110それぞれの代わりに起立するモジュール201、202、203及び204も備える。装置100の他の要素は
図1におけるものとほぼ同じである。モジュールには、それぞれの溶出試験モジュール及び/又はその中の構成要素と、タッチスクリーン115上のそれらの対応するアイコン表示とを関連付けるために、連続した整数(例えば番号「3」を示すモジュール102上のラベル205)等の固有の目に見える識別子を用いて表示することができる。なお、ベースユニット101の変形した円筒体(ほぼ半円形)の設置面積は、単に一方の側から溶出試験モジュールのそれぞれ及び全てへの容易なアクセスを可能にする。
【0016】
図3は、ベースユニット101から分離された、
図1の溶出試験モジュール102の斜視図を示す。なお、溶出試験モジュール102に関する以下の説明は、
図2のモジュール103、201、202、203及び204等の他の溶出試験モジュールにも当てはまる。溶出試験モジュール102は、接続ポート301を介してベースユニット101に電気的に接続し、接続ポート301は、モジュール102がベースユニット101に挿入されている場合、ベースユニット101からの電力の受け取り及びモジュール102とベースユニット101のコントローラーとの間の通信のためにベースユニット101の対応する取り付けベイの接続ポートに接続する。接続ポート301は、標準的なコンピューター周辺機器相互接続(PCI)カードの形態とすることができ、この場合、取り付けベイの対応する接続ポートは対応するPCIスロットである。モジュール102はまた、モーター302と、リードスクリュー303と、ガイドロッド304と、マルチモーション(multi-motion)アセンブリ305(図の破線の矩形によって示される)と、軸受アセンブリ306と、攪拌シャフト307と、溶出容器308と、溶出容器308の内容物を加熱する加熱ジャケット309と、溶出容器308の内容物の温度を検知する温度センサー(図示せず)とを備える。温度センサーは攪拌シャフト307の内部に埋め込むことができる。溶出試験モジュール102は、コントローラーへ攪拌速度フィードバックを提供する攪拌速度センサーを備えることもできる。
【0017】
リードスクリュー303は、モーター302によって回転可能に動力を供給されるように構成されている。ガイドロッド304はリードスクリュー303に対してほぼ平行である。溶出試験モジュール102は付加的なガイドロッドを含むことができる。これらのガイドロッドを用いて、溶出試験モジュール102に安定性を提供するとともに、マルチモーションアセンブリ305及び取り付けられている軸受アセンブリ306の動きをガイドし、軸受アセンブリ306は、攪拌シャフト307を保持するとともに攪拌シャフト307に回転力を提供するために、モーター302によって間接的に動力を供給されるように接続されている1つ又は複数の軸受を備える。容器308に挿入されるように構成されている攪拌シャフト307の端には、例えばパドル又はバスケット(図示せず)等の種々のかき混ぜアタッチメント(agitator attachment:攪拌アタッチメント)のいずれか1つを装着することができる。
【0018】
マルチモーションアセンブリ305は、Distek, Inc.(ニュージャージー州ノースブランズウィック所在)製のSymphony 7100 Dissolution Test SystemのD−Driveテクノロジーの形態とすることができる。マルチモーションアセンブリ305は、リードスクリュー303の回転を選択的に用いて、マルチモーションアセンブリ305に対して(a)リードスクリュー303を軸受アセンブリ306及び攪拌シャフト307とともに上下移動させるか、又は(b)攪拌シャフト307上のアタッチメントが容器308の内部の所定の位置まで下降すると、軸受アセンブリ306を介して、攪拌シャフト307を定位置にあるままにするとともに攪拌シャフト307の回転を促す、クラッチ機構を含む。
【0019】
ベースユニット101のコントローラーは、モーターの速度(すなわちRPM)を制御することができ、それによって、(a)マルチモーションアセンブリ305が軸受アセンブリ306及び攪拌シャフト307とともにリードスクリュー303を上下移動させる速度、及び(b)(取り付けられているパドルによって攪拌シャフト307が容器308の内容物を攪拌するとき等の)攪拌シャフト307及び任意の取り付けられているかき混ぜ装置が回転する速度を制御する。
【0020】
溶出試験モジュール102は、ブレーキパッド及びブレーキパッドロケーター310も備える。リードスクリュー303に沿うブレーキパッドの位置によって、マルチモーションアセンブリ305が降下することができる最下レベル、及びそのクラッチ機構が、上下運動から攪拌シャフトの回転へのシフトを引き起こすレベルが決まる。換言すると、マルチモーションアセンブリ305が下へ移動してブレーキパッドに押し当たると、クラッチ機構が、リードスクリュー303の継続した回転によって攪拌シャフト307を回転させるようにシフトする。リードスクリュー303の方向を逆にすることによって、(1)攪拌を停止させ、(2)マルチモーションアセンブリ305を上昇させる。ユーザーは、ブレーキパッドロケーターCK及び対応するブレーキパッドの位置を設定することができ、攪拌シャフトのアタッチメントが回転するように設定される高さを設定する。カバー104には、溶出試験中に容器308内のパドル又はバスケットの特定の位置を必要とする1つ又は複数の対応する標準的な試験方法のための、ブレーキパッドロケーター310の1つ又は複数の予め設定された位置の印を付けることができる。
【0021】
加熱ジャケット309は、容器308及びその内容物に熱を供給する加熱素子(図示せず)を備える。加熱ジャケット309は任意のタイプの加熱素子(例えば抵抗線)を用いることができる。ネガティブフィードバックループにおいて、コントローラーが温度センサーを用いて、容器308の内容物の1つ又は複数の正確な動作温度を設定することが可能となり、この場合、動作温度に迅速に達した後に、安定化させることができる。容器308の内容物の典型的な動作温度は摂氏37度である。動作温度はベースユニット101のコントローラーによって制御される。
【0022】
図1のベースユニット101のコントローラーは、接続されている溶出試験モジュールの任意のセットを制御することができる。換言すると、コントローラーは、単一の溶出試験モジュールの動作、又は複数の溶出試験モジュールのうちの1つ又は複数の異なるサブセットの動作を指定することができる。コントローラーは、複数のモジュールを制御する場合、モジュールのそれぞれを独立して制御することができる。換言すると、コントローラーは、第1の速度及び温度で攪拌する溶出試験モジュールの第1のサブセット、第2の速度及び温度で攪拌する第2のサブセット、それらのマルチモーションアセンブリを上昇又は下降させる第3のサブセット、及びアイドル状態の第4のサブセットの攪拌シャフトを有することができる。独立した制御を用いて、複数の異なる試験方法を同時に装置100で実行することができる。コントローラーは、特定の時間間隔で例えば温度及び/又は攪拌速度等の検知された動的情報を記録することができる。
【0023】
ユーザーは、タッチスクリーン115を介してコントローラーと相互作用する(例えばコマンドを与えてフィードバックを受け取る)ことができる。コントローラーが指定する動作は、例えばプログラミングされた試験方法におけるような即時実行又は遅延実行のためのものとすることができる。上述のように、コントローラーは、温度等のセンサー入力を受け取り、そして、例えば攪拌速度(ゼロから最高速度まで)及びヒーター設定等の方法パラメーターを行う(implement)。コントローラーはまた、例えば特定の溶出試験モジュールを識別又は照明するためにライトを制御すること等の付加的なタスクを行うことができる。コントローラーは、モジュールの存在を、取り付けベイ内のそれらの対応する接続ポートへの接続時に、又は起動ルーチン中に検出することができる。コントローラーは、接続ポートを介して溶出試験モジュールから対応するIDを受け取ることができる。
【0024】
装置100は、1つ又は複数の溶出試験モジュールの挿入又は取り外しを検出すると、予めプラグラミングされた手順を自動的に行うように設定することができる。例えば、モジュールの数がxに変わる場合、その後、装置100はx個の容器のシステムとして動作するように自動的に再構成することができる。装置100は、異なる数のモジュールで動作するように装置100を再プログラミングするために技術者の介入を要求するように設定することもできる。技術者による再構成を要求することは、安全ではない可能性がある許可されていない変更を防止するために有用であり得る。再構成又は他のアクションのために技術者の介入を要求することは、例えば、(1)タッチスクリーン115への認証コードの入力を要求すること、又は(2)ベースユニット101の電気機械的スイッチ(図示せず)におけるハードウエアキー(図示せず)の使用(それは、ハードウエアキーによるスイッチとの係合を示すためにコントローラーに通信接続されている)によって実施することができる。
【0025】
上述したように、ユーザーはタッチスクリーン115を介してコントローラーと相互作用することができる。タッチスクリーン115は、白黒のタッチスクリーンよりもユーザーに対して多様かつ有用な視覚的出力を可能にするカラータッチスクリーンである。コントローラーは、溶出試験モジュールの制御に加えて、ユーザーのコマンド及び生産性を改善するために方法及び報告ストレージ、並びに複数のユーザーアクセスレベルを提供する。
図1のタッチスクリーン115は、ユーザーに、装置100を制御及び監視する対話型インターフェースを提供する。機能(feature)としては、記憶方法及び実行方法、報告記憶、異なるアクセスレベルでの複数ユーザー管理、及び装置メンテナンスの実行を含む。タッチスクリーン115を介してアクセスされるようなコントローラーの機能を以下で説明する。なお、別途示さない限り、コントローラーへのユーザー入力及びユーザーへのコントローラー出力はタッチスクリーン115を通じて行われる。
【0026】
図4は、本発明の1つの実施形態による、
図1の装置100の例示的な動作を示すフローチャート400を示す。タッチスクリーン115及び包括的には装置100は、電源ボタン(図示せず)によって電源を入れることができる(ステップ401)。なお、装置100は、電源ボタンを用いて、又はタッチスクリーン115上のシャットダウンオプションを選択することによってシャットダウンすることができる。電源が入ると、システム構成及び状態を判断するためにコントローラーによってスタートアップチェックが行われる(ステップ402)。コントローラーは、溶出試験モジュール(又は他の適合するモジュール)がベースユニット101に取り付けられているのはどの取り付けベイかを判断し、それぞれからモジュールのシリアンルナンバー等の識別情報を取得することができる。コントローラーは、識別情報と、記憶されている識別子のリストとを比較し、何らかの変更がなされているか否かを判断する(ステップ403)。変更が検出された場合、コントローラーは、ユーザーに警告を与えることができるか、又は再構成オプションを提示することができる(ステップ404)。次に、タッチスクリーン115は、ユーザーログイン用のログイン画面を示す(ステップ405)。ログイン画面は、ユーザーの名前を打ち込むテキスト入力ボックス、又はユーザーの識別子(例えば名前)を選択する選択ボックス(例えばドロップダウンリスト又はスクロール可能なリスト)を有することができる。タッチスクリーン115は、各ユーザーの対応するアクセスレベルを示すことができる。ユーザーの識別子を入力又は選択した後、ユーザーに、テキスト入力ボックス内又はキーバッド上で対応するパスキーを入力するように促すことができる。
【0027】
ログインが成功した場合(ステップ406)、タッチスクリーン115は、以下で説明する操作ウィンドウを示し、ユーザーが、ユーザーのアクセスレベルに対応するレベルで装置100と相互作用することを可能にする通常の操作モードに入る(ステップ407)。操作ウィンドウは、以下で説明するダッシュボードタブで始まるマルチタブ画面である。ログインが成功しなかった場合(ステップ406)、タッチスクリーン115はステップ405に戻り、ログイン画面を示す。ユーザーは、セッションを終えると、ログアウトし、かつ/又は装置100をシャットダウンすることができる(ステップ408)。なお、試験方法が実行中である場合には、ログアウトオプション及びシャットダウンオプションはユーザーが利用できなくなる。オプションを利用できないことは概して、例えば、タッチスクリーン115上の対応するボタンをグレー表示してこれらを削除するか、又はタッチスクリーン115上のそれらの外観を別様に変更することによって示すことができる。なお、試験方法が実行中であっても特定のユーザーがログアウトし、かつ/又は装置100をシャットダウンすることを可能にするような機構を設けてもよい。
【0028】
図5は、ダッシュボードタブを選択した後の
図1のタッチスクリーン115上の例示的な操作ウィンドウ500を示す。操作ウィンドウ500は、上部にステータスリボン(status ribbon)501と、ステータスリボン501の下にタブ選択リボン502と、タブ選択リボン502の下にタブ情報ウィンドウ503とを含む。ステータスリボン501は、(1)Distek, Inc.(ニュージャージー州ノースブランズウィック所在)のロゴを示す提供企業のロゴ504と、(2)時間及び日付の情報505とを含む。タブ選択リボン502は、(1)選択されているダッシュボードタブ506と、(2)選択されていないが利用可能な試験詳細タブ507、報告タブ508、設定タブ509及びログアウトタブ510とを示す。タブ情報ウィンドウ503は、選択されたタブの情報を示す。具体的には、タブ情報ウィンドウ503は、どの取り付けベイが対応する溶出試験モジュールを保持しているのか(整数によって識別される対応する容器アイコンによって示される)、並びに接続されている溶出試験モジュールに関して検知された容器温度及び攪拌シャフト速度(RPM)を含む、装置100に関する情報を示す。なお、上述したように、対応するモジュール及び/又は容器には、一致する数字を用いて表示することができる。
【0029】
1つ又は複数の試験方法が実行中である場合、タブ情報ウィンドウ503は、(1)方法の名前又はタイトル(例えば「プレドニゾン」)、(2)(a)目標温度(例えば37℃)、(b)目標攪拌速度(例えば100RPM)及び(c)攪拌シャフトに取り付けられたかき混ぜ装置(例えばパドル)等の方法のパラメーター、並びに、(3)例えば(a)方法の経過時間及び(b)次に予定されているイベント(例えば試料の引き出し)までの残り時間等の時間的な状態のような、選択された方法に関する情報を示す。なお、攪拌速度は、例えば最高速度のうちの割合、すなわちパーセンテージとして示すこともできる。なお、方法が取り付けられている溶出試験モジュールのサブセット(例えばモジュール5、6及び8)のみに対して実行中である場合は、それらのモジュールをハイライトする(例えば太字で輪郭を目立たせる)ことによって示すことができる。
【0030】
溶出試験モジュールのサブセットが異なるやり方で(例えば異なる試験方法を実行する)使用される場合、容器アイコンの対応する色を用いることによって異なるサブセットを識別することができ、この場合、1つの色が1つのサブセットの全てのメンバーに用いられ、異なる色が他のサブセットに用いられる。色の代わりに、又は色に加えて、異なる陰影、輝度レベル又は塗りつぶし(fill)パターンを用いてもよい。例示的なタブ情報ウィンドウ503は、容器5、6及び8を、1つの3モジュール群(上記のように同様にハイライトされている)に属するものとして、容器1及び2を2モジュール群に属するものとして、容器3及び4を別の2モジュール群に属するものとして示している。タブ情報ウィンドウ503は、容器7がグレー表示されており、ゼロのRPMであることを示しており、これは、対応する溶出試験モジュールがアイドル状態にあることを示す。
【0031】
タブ情報ウィンドウ503はまた、(1)実行中の方法を停止させる停止ボタン511、(2)選択された群の溶出試験モジュールのシャフトを上昇させるシャフト上昇ボタン512、(3)選択された群の溶出試験モジュールのシャフトを下降させるシャフト下降ボタン513、(4)選択された方法を実行する方法実行ボタン514、(5)選択された溶出試験モジュールの動作を手動で制御する手動実行ボタン515、及び(6)セットの容器アイコンを選択する容器選択ボタン516等のボタンを含む。なお、試験方法が或る群の溶出試験モジュールに対して実行中である場合、その群の任意の溶出試験モジュールの容器アイコンを選択することによってその群全体を選択することができる。上記のように、特定の状況下では、任意の数のボタン又はオプションを、無効にされているが目に見えるようにすることができ、この場合、無効であることは、ボタン又はオプションをグレー表示させることによって示すことができる。例えば、シャフト上昇ボタン512及びシャフト下降ボタン513は、手動モードで利用可能とすることができるが、方法が実行中である間は利用可能ではない。なおまた、同様のボタンは異なる状況では異なって機能することができる。例えば、手動モードで停止ボタン511を押下すると、方法が停止するのではなく、選択された溶出試験モジュールでの攪拌が停止する。
【0032】
図6は、本発明の1つの実施形態による
図1の装置100の例示的な方法実行動作を示すフローチャート600を示す。実行すべき方法が選択されると、この方法の実行は、方法を実行する溶出試験モジュールの容器アイコンを選択する(ステップ601)ことによって開始する。全てのモジュールが選択された後で、ユーザーは、次の段階の準備状態を示し、方法は、容器の内容物が指定温度まで加熱される予熱段階(ステップ602)から開始する。予熱の間、
図5のタブ情報ウィンドウ503は、次に予定されているイベントまでに残っている特定の時間ではなく「予熱」と示すことができる。適切な温度に達すると、タブ情報ウィンドウ503は、対応する容器アイコンを点滅させながら示す。加えて、ユーザーインターフェース114は、スピーカー又は他の音発生器(図示せず)を用いて対応する可聴警報を鳴らすことができる。
【0033】
方法パラメーター(例えば方法がパドルを用いるのか又はバスケットを用いるのか、又は製剤が種々の容器に同時に導入されるのか又は時間差落下で導入されるのか)に応じて、ユーザーに対して、製剤を対応する容器に適切に導入するように指示する(ステップ603)。製剤は、適切な自動製剤ディスペンサー(図示せず)を用いて自動的に導入してもよい。製剤が導入された後で、方法の実行が開始し、方法セグメント(method segment)を実行する(ステップ604)。開始は、対応する溶出試験モジュールに関して同時であってもよく、又は容器ごとに時間差があってもよい。試料を引き出す時間になると、対応する容器アイコンがハイライトされ、対応する可聴警報を鳴らすことができる(ステップ605)。アイコンのハイライトは、例えばアイコンを点滅させること及び/又はアイコンを変えてカニューレアイコン(cannula icon)を加えることによって示すことができる。試料は、例えば自動サンプラー(図示せず)を用いることによって自動的に引き出してもよい。なお、溶媒を設定された間隔で取り替える必要がある場合、これらの間隔を同様に示すことができる。方法が完了する(ステップ606)と、方法の実行が終了し(ステップ607)、そうでなければ、方法の実行は、次の試料が引き出されるまで別の方法セグメント(ステップ604)によって上記のように継続する。
【0034】
図7は、試験詳細タブを選択した後の
図5の例示的な操作ウィンドウ500を示す。
図7のステータスリボン501及びタブ選択リボン502は
図5におけるのとほぼ同じままであるが、試験詳細タブ507が選択されたタブとして示されている。
図7の操作ウィンドウ500は、タブ情報ウィンドウ503の代わりに、ここではタブ情報ウィンドウ701を示している。タブ情報ウィンドウ701は、
図5において選択されたとして示されていた容器の群、すなわち容器アイコン2〜5に対応する容器に関する方法を示す。したがって、タブ情報ウィンドウ701は、選択された容器のみに関して容器アイコン及び検知された温度及び攪拌速度の情報を示す。タブ情報ウィンドウ701はまた、方法の名前、目標温度及び攪拌速度、攪拌シャフトアタッチメント、容器容量、開始時間、完了時間、経過時間及び次に予定されているステップまでの残り時間を示す。タブ情報ウィンドウ701は、検知された温度及び攪拌速度の最低、最高及びデルタ(例えば最高値と最低値との差)も示す。タブ情報ウィンドウ701は、方法を停止させるための停止ボタン及び方法の過程にわたって検知された温度及び攪拌速度のグラフを示すためのグラフィック表示(view-graphics)ボタンを更に含む。タブ情報ウィンドウ701の最下部は方法選択リボン702であり、これは、複数の同時にアクティブな方法間で表示を切り替えることを可能にする。
【0035】
図8は、報告タブを選択し方法が完了した後の、
図5の例示的な操作ウィンドウ500を示す。報告タブ508が最初に選択されると、それまでの試験方法のリストが提示される。1つの試験方法が選択されると、操作ウィンドウ500が
図8におけるように現れる。
図8のステータスリボン501及びタブ選択リボン502は
図5におけるのとほぼ同じままであるが、報告タブ508が選択されたタブとして示されている。
図8の操作ウィンドウ500は、タブ情報ウィンドウ503の代わりに、ここでは報告ウィンドウ801を示している。報告ウィンドウ801は、選択された時間範囲にわたる容器の検知された情報の概要を示す。特に、報告ウィンドウ801は、容器1〜8に関する検知された温度及び攪拌速度の最終値、最低値、最高値及びデルタ値を示す。報告ウィンドウ801はまた、方法の名前、目標温度及び攪拌速度、並びにアタッチメントのタイプ、容量、開始時間、終了時間及びユーザー識別情報を示す。報告ウィンドウ801はまた、報告を印刷するための印刷ボタン802及び上述の方法リストウィンドウに戻るための戻りボタン803を含む。
【0036】
報告ウィンドウ801は、ユーザーが、検知された動作情報の報告を保存することを可能にすることができる。報告ウィンドウ801は、上述の概要情報の代わりに詳細な報告情報を示すことができ、その印刷及び/又は保存を可能にすることができる。詳細な報告情報は、選択された容器に関して、特定の時間範囲にわたって特定の時間間隔で検知された温度及び攪拌速度を示す。
【0037】
図9は、設定タブを選択した後の
図5の例示的な操作ウィンドウ500を示す。
図9のステータスリボン501及びタブ選択リボン502は
図5におけるのとほぼ同じままであるが、設定タブ509が選択されたタブとして示されている。
図9の操作ウィンドウ500は、タブ情報ウィンドウ503の代わりに、ここでは設定ウィンドウ901を示している。設定ウィンドウ901は、全体的な設定ウィンドウであることを示すタイトルを有し、ユーザーが、(1)新たな試験方法を形成すること、(2)既存の試験方法を編集すること、(3)1つ又は複数の攪拌シャフトを手動で制御すること、(4)ユーザーアカウントを表示及び/又は変更すること、(5)システム設定を表示及び/又は変更すること、並びに(6)ヘルプ情報を表示することを可能にするように選択可能なアイコンを含む。
【0038】
設定ウィンドウ901において方法編集アイコンを選択すると、ユーザーが既存の試験方法を選択、表示、編集及び再保存することを可能にする方法編集ウィンドウ(図示せず)が立ち上がる(bring up)。
図1の装置100のコントローラーは、変更のオーディットトレイルを維持するために、ユーザーの識別情報、行われた変更及び時間を記録することができる。
図9の設定ウィンドウ901において新方法アイコンを選択すると、ユーザーが新たな試験方法を作成して保存することを可能にする新方法ウィンドウ(図示せず)が立ち上がる。オーディットトレイルは新たな方法に関しても維持することができる。新方法ウィンドウは、ユーザーが新たな方法に名前を付け、目標温度、溶液体積、かき混ぜ装置、持続時間及び対応する溶出試験モジュール等のパラメーターを設定することを可能にする。新方法ウィンドウの外観及び入力オプションは、設定されるパラメーターに応じて動的に変更することができる。例えば、目標温度を入力するためのキーパッド、アタッチメントのタイプに関する適合するアタッチメントのリスト、及び方法の名前のための完全なキーボードが現れ得る。なお、概して、任意のウィンドウの見た目及び入力オプションは、多様なプログラム可能なファクターに応じて動的に変更することができる。或る試験方法のために装置100の一部として自動サンプラーを用いる場合、例えば試料の量、流量及び/又はフラッシング時間等、自動サンプラーのパラメーターも方法編集ウィンドウ及び新方法ウィンドウにおいて指定することができる。
【0039】
設定ウィンドウ901においてシャフト制御アイコンを選択すると、ユーザーが1つ又は複数の攪拌シャフトの動作を手動で制御することを可能にするシャフト制御ウィンドウ(図示せず)が立ち上がる。シャフト制御ウィンドウは、ユーザーが、シャフトが手動制御されるべきモジュールを選択することを可能にする。シャフト制御ウィンドウは、選択された攪拌シャフトに関して、ユーザーが攪拌速度(例えばRPM)、攪拌モード(例えば連続的又はパルス)及びアップ/ダウン速度(例えば低速、中程度又は高速)を設定することを可能にする。シャフト制御ウィンドウは、ユーザーが、(1)攪拌を開始及び停止させ、(2)攪拌シャフトの上昇及び降下を開始及び停止させることを更に可能にする。
【0040】
図10は、システム設定アイコンを選択した後の
図9の例示的な操作ウィンドウ500を示す。
図10のステータスリボン501及びタブ選択リボン502は
図9におけるのとほぼ同じままである。
図10の操作ウィンドウ500は、設定ウィンドウ901を示す代わりに、ここではシステム設定ウィンドウ1001を示している。システム設定ウィンドウ1001は、システム設定ウィンドウであることを示すタイトルを有し、ユーザーが、(1)
図1の装置100の容器加熱素子等の部品を校正し、(2)装置100のセットアップオプションを表示及び/若しくは変更し、(3)装置100のサービスを求め(service)、(4)機器の適格性情報を維持(例えば部品のメンテナンスに関するスケジューリング情報を追加、編集及び/若しくは削除)し、並びに/又は(5)設定ウィンドウ901に戻ることを可能にするように選択可能なアイコンを含む。
【0041】
図10のシステム設定ウィンドウ1001においてセットアップオプションアイコンを選択すると、ユーザーが種々のシステム特性を表示及び/又は編集することを可能にするセットアップオプションウィンドウ(図示せず)が立ち上がる。ユーザーにより設定可能なシステム特性には、例えば機器の名前、照明設定、自動用量送達システムの存在及び状態、タッチスクリーンの校正並びに/又は音設定が含まれ得る。浴システムの温度制御システム(TCS)のプログラミングもここで行うことができる。浴システムの浴ヒーター及び水ポンプは、用いる場合には、タッチスクリーン115を介して同様に手動で制御することができる。
【0042】
特定のシステム特性は、エンドユーザーではなく技術責任者によってのみ変更されるように制限することができる。そのようなシステム特性は、ベースユニット101の上記のシリアル通信ポートに許可された外部コンピューターを取り付けることによって設定することができる。そのようなシステム特性は、例えば、
図1の装置100が容器用の浴を用いるのか又はバスレスであるのか、どの取り付けベイに溶出試験モジュールが取り付けられているのか、及び/又は浴システムが用いられる場合の浴システムの特定の特性を含み得る。
【0043】
図11は、ヘルプアイコンが選択された後の
図9の例示的な操作ウィンドウ500を示す。
図11のステータスリボン501及びタブ選択リボン502は
図9におけるのとほぼ同じままである。
図11の操作ウィンドウ500は、設定ウィンドウ901を示す代わりに、ここではヘルプウィンドウ1101を示している。ヘルプウィンドウ1101は、ヘルプウィンドウであることを示すタイトルを有し、ユーザーが、(1)
図1の装置100に関するクイックスタート情報を閲覧(view)すること、(2)装置100の操作マニュアルを閲覧すること、(3)装置100の提供企業の連絡情報を閲覧すること、(4)トラブルシューティング作業を行うこと、(5)装置100についての情報を閲覧すること、及び/又は(6)設定ウィンドウ901に戻ることを可能にするように選択可能なアイコンを含む。
【0044】
本発明の本質を説明するために記載及び例示されている幾つかの部分の詳細、材料及び構成における種々の変更を、添付の特許請求の範囲において述べられている本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって行うことができることに留意されたい。幾つかの例示的な変形形態を以下で説明する。
【0045】
幾つかの代替的な実施形態では、
図3のマルチモーションアセンブリ305のクラッチ機構は、ブレーキパッド以外の機構によって設定される。これらの実施形態はブレーキパッド及びブレーキパッドロケーター310を含まない。これらの実施形態の幾つかでは、クラッチのシフト位置は、ベースユニット101のコントローラーによって制御され、ユーザーによって手動で設定すること、又はプログラムによって自動で設定することができる。
【0046】
図1の装置100の幾つかの代替的な実施形態では、溶出試験モジュール及び/又は使用されていない取り付けベイのカバーは、スクリュー以外の手段によってその対応する取り付けベイの定位置に保持される。幾つかの実施態様では、留め金又はクリップがモジュールをベースユニットに固定する。幾つかの実施態様では磁石が用いられる。幾つかの実施態様では、モジュール及び/又は対応する取り付けベイのガイド及び溝を用いて、モジュールを対応する取り付けベイへ摺動させる。
【0047】
図1の装置100の幾つかの代替的な実施形態では、アーマチャー113が、回転可能である以外の方法でベースユニット101に接続される。例えば、1つの代替的な実施態様では、アーマチャー113はベースユニット101に移動不能に接続される。別の実施態様では、アーマチャー113は、ボール・ソケット接続部によってベースユニット101に接続され、多次元の自由な運動を可能にする。また別の実施態様では、アーマチャー113は可撓性であるが頑丈なチューブ(「グースネック」と称される場合もある)の形態であり、同様に多次元の自由な運動を可能にする。アーマチャー113のユーザーインターフェース114への接続は、同様に変えることができる。
【0048】
図1の装置100の代替的な実施形態では、溶出試験モジュール102はモーターを有せず、原動力はベースユニット101によって提供される。原動力は、例えばベルト、ギア、シャフト及び/又は電磁推進等の手段を用いてモジュール102に伝達される。
【0049】
図1の装置100の幾つかの代替的な実施形態では、溶出試験モジュール102は加熱ジャケット309を含まない。上述した代替的な実施形態の幾つかでは、上述したように、容器308は温度制御された水浴に入れられる。水浴は単一ユニットの水浴又は多ユニットの水浴とすることができる。装置100は、全ての取り付け可能な溶出試験モジュールのために、単一の多ユニット水浴(例えば8つの溶出試験モジュールの容器に適合する水浴)を含むことができ、又は、装置100は、1つ又は複数のより小さい多ユニット浴(例えば1つ又は複数の2容器用の浴)を含むことができる。上述した代替的な実施形態の幾つかでは、装置100は、1つ又は複数の水浴用の加熱素子及び調節素子を含み、この場合、加熱はベースユニット101のコントローラーによって調節される。
【0050】
幾つかの実施形態では、
図1の溶出試験モジュール102は、1つ又は複数の色の1つ又は複数のライト(例えばLED)を備える。ライトは容器の内容物を照明するために用いることができる。ライトは、例えば監視又はプログラミングされている特定のセットのモジュールをハイライトするために、
図1のタッチスクリーン115を用いてユーザーへフィードバックする特定の容器を識別するために用いてもよい。識別は、タッチスクリーン115上の対応する容器アイコンの色とほぼ同じ色のライトを用いることによって達成することができる。
【0051】
図1の装置100の幾つかの代替的な実施形態では、ベースユニット101は8つよりも多いか又は少ない取り付けベイを有する。幾つかの実施形態では、取り付けベイは、弓状の曲線以外の構成で配置される。1つの代替的な実施形態では、取り付けベイは、外方を向いた2つの列として配置される。例えば、1つの代替的なモジュールシステムは、ほぼ矩形の設置面積を有し、一方の側に4つの取り付けベイと他方の側に4つの取り付けベイとを備える。
【0052】
幾つかの実施形態は、かき混ぜ装置又はモーターを含まない1つ又は複数の溶出試験モジュールを用いる。これらの溶出試験モジュールは、加熱ジャケットを有する容器を備えることができる。そのようなモジュールは、取り替え用の溶媒のリザーバーを提供するためのコストのより低い方法であり得る。この場合、上述したように、取り替え用の溶媒を用いて、試験中に引き出された溶液を取り替える。
【0053】
幾つかの代替的な実施形態では、コントローラーは
図1のユーザーインターフェース114内に位置する。幾つかの実施形態では、コントローラーは、ユーザーインターフェース114のユーザーインターフェースコントローラーと統合される。幾つかの実施態様では、コントローラーは分散実装され、この場合、コントローラーの幾つかの部分がともに通信接続され、ユーザーインターフェース114、ベースユニット101及び/又は他の場所に位置することができる。
【0054】
幾つかの代替的な実施形態では、
図1のタッチスクリーン115はカラースクリーンではなく白黒スクリーンである。
【0055】
幾つかの代替的な実施形態では、特定の動作時点では利用可能ではない、
図1のタッチスクリーン115上のオプションは視覚的に変更されない。その代わりに、それらのオプションを押すと、エラーウィンドウがポップアップする及び/又は可聴警報が鳴る等のフォールト警告が生じ、選択したオプションが利用可能ではないことを示す。
【0056】
幾つかの代替的な実施形態では、
図1のユーザーインターフェース114は、タッチスクリーン以外の、例えばボタン、スライド及び/又はノブ等の入力デバイスを備える。上述した代替的な実施形態の幾つかでは、ユーザーインターフェース114はタッチスクリーンを一切含まない。上述した代替的な実施形態の幾つかでは、ユーザーインターフェース114は、いかなる種類の視覚出力画面も含まない。
【0057】
図1の装置100の幾つかの代替的な実施形態では、ユーザーインターフェース114は、ベースユニット101に無線接続可能である。上述した代替的な実施形態の幾つかでは、ユーザーインターフェース114はアーマチャー113に接続可能であり、かつアーマチャー113から取り外し可能である。上述した代替的な実施形態の幾つかでは、ベースユニット101はアーマチャー113のようなアーマチャーを含まない。幾つかの代替的な実施形態では、ユーザーインターフェース114及び/又はコントローラーは、上述したインターフェース機能及び/又はコントローラー機能を行うようにプログラミングされた汎用コンピューター(例えばApple Inc.(カリフォルニア州、クパチーノ所在)製のiPad)として実装することができる。
【0058】
図1の装置100の幾つかの代替的な実施形態では、取り外し可能なモジュールは、上述した機構とは異なる攪拌機構、かき混ぜ機構及び/又は加熱機構を用いる。
【0059】
図3の取り外し可能なモジュール102の幾つかの代替的な実施形態では、かき混ぜ装置によって攪拌される媒体は溶液以外の媒体である。
【0060】
図2の装置100の幾つかの代替的な実施形態では、装置は、取り外し不可能な溶出試験モジュールの一体化システムである。これらの実施形態では、各溶出試験モジュールのかき混ぜ装置(そのかき混ぜパラメーターを含む)は、独立して制御可能であるままであり、したがって、コントローラーは、依然として、異なるセットの溶出試験モジュールに異なる方法を同時に実行することが可能である。
【0061】
本発明の実施形態は溶出試験システムに限定されないことに留意されたい。代替的な実施形態は溶出試験システム以外のモジュール式システムを含む。これらの代替的な実施形態の幾つかは、分解試験システム又は他のモーター式医薬用システムである。分解試験では、例えば、かき混ぜ装置は、溶出試験におけるような回転ではなく上下に往復する往復運動装置である。したがって、分解試験システムでは、
図3の取り外し可能なモジュール102は、往復運動装置を往復させるために、モーター302によって動力を与えられる往復運動アセンブリを有する。加えて、攪拌速度以外のかき混ぜパラメーターを分解試験システムにおいて用いることができる。例えば、分解試験システムにおける試験方法のかき混ぜパラメーターは、回転毎分ではなく1分あたりの往復を含むことができる。
【0062】
これらの代替的な実施形態の他の幾つかは、医薬用ではないモーター式、モジュール式及び拡張可能な科学計測システムとすることができる。これらの代替的な実施形態の幾つかは、中央コントローラーと、ベースユニットと、1つ又は複数のモーター式モジュールのための2つ以上の取り付けベイとを有するシステムを備え、この場合、中央コントローラーは、モーター式モジュールから入力を受け取り、モーター式モジュールの動作を制御する。
【0063】
本明細書において、フィールド値に関する「設定する(to set)」という動詞及びその変形形への言及は、必ずしもアクティブなステップを必要とするわけではなく、その前の値が所望の値である場合にはフィールド値を変えないままにしておくことを含み得る。それにもかかわらず、値を設定することは、前の値又はデフォルト値が所望の値であってもアクティブなステップを行うことを含み得る。
【0064】
別途記されない限り、「求める(determine)」という用語及びその変形形は、本明細書において用いられる場合には、測定、及び必要であれば変換(transformation)を通じて値を得ることを指す。例えば、電流値を求めるには、電流検出抵抗器の両端の電圧を測定し、次いで測定した電圧に適切な値を乗算して電流値を得ることができる。電圧が分圧器又は他の電圧変更部品を通る場合には、そのような部品の電圧変更を考慮し、対応する電流値を得るために、測定された電圧に対して適切な変換を行うことができる。
【0065】
「受け取る」という用語及びその変形形は、本明細書において同じデバイスのエンティティ(entity)間のデータ転送に関して用いられる場合、別途明記されない限り、実際のデータの受け取り、又は実際のデータに対する1つ又は複数のポインターの受け取りを指すことができ、この場合、受信するエンティティは1つ又は複数のポインターを用いて実際のデータにアクセスすることができる。
【0066】
特定のエンティティ(すなわちモジュール)が特定の機能を果たす例示的な実施形態を説明した。しかし、特定の機能は、任意の好適なエンティティによって果たすことができ、例示的な実施形態において名前が挙げられた特定のエンティティによって果たされることに限定されない。
【0067】
本発明は、単一の集積回路(ASIC又はFPGA等)、マルチチップモジュール、シングルカード又はマルチカード回路パックとして可能な実施態様を含む回路ベースのシステムとして実施することができる。当業者には明らかであるように、回路要素の種々の機能は、ソフトウェアプログラムにおける処理ステップとして実施してもよい。そのようなソフトウェアは、例えばデジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラー又は汎用コンピューターにおいて用いることができる。
【0068】
本発明は、方法の形態、及びそれらの方法を実施する装置の形態で具現することができる。本発明は、有形媒体、例えば磁気記録媒体、光学記録媒体、ソリッドステートメモリー、フロッピー(登録商標)ディスケット、CD−ROM、ハードドライブ又は任意の他の一時的でない機械可読記憶媒体において具現されるプログラムコードの形態で具現することもでき、プログラムコードがコンピューター等の機械にロードされてその機械によって実行される場合には、この機械は本発明を実施する装置となる。本発明は、例えば、機械にロードされかつ/又は機械によって実行されることを含む、一時的でない機械可読記憶媒体に記憶されるプログラムコードの形態で具現することもでき、プログラムコードがコンピューター等の機械にロードされ且つ実行される場合には、この機械は本発明を実施する装置となる。プログラムコードセグメントは、汎用プロセッサにおいて実装される場合、プロセッサと結合して、特定の倫理回路と類似の動作を行う独自のデバイスを提供する。
【0069】
本明細書における「1つの実施形態」又は「一実施形態」への言及は、その実施形態と関連して説明される特定の構成、構造又は特徴を本発明の少なくとも1つの実施形態に含めることができることを意味する。本明細書の種々の箇所において「1つの実施形態では」という表現が見られることは、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているのではなく、また、他の実施形態と必ずしも相互排他的な別個の実施形態又は代替的な実施形態に言及しているわけでもない。同じことが「実施態様」という用語にも当てはまる。
【0070】
別途明示的に記されない限り、各数値及び範囲は、「約」又は「およそ」という文言がその値又は範囲の値の前に記載されているかのように、おおよそであるものとして解釈するべきである。「接続された」という用語は、本願において用いる場合、別途明示的に示されない限り、要素間の直接的な接続及び間接的な接続の両方を包含することが意図される。
【0071】
本明細書の意図から、「連結する」、「連結している」、「連結されている」、「接続する」、「接続している」又は「接続されている」という用語は、2つ以上の要素間でエネルギーを伝達することが可能である、当該技術分野において既知であるか又は後に開発される任意の方法を指し、1つ又は複数の付加的な要素の介在が意図されるが、必須ではない。「直接連結する」、「直接接続する」等の用語は、接続される要素が、伝達されるエネルギーの導体を介して隣接しているか又は接続されることを示唆する。
【0072】
特許請求の範囲における図面の番号及び/又は図面の参照符号の使用は、特許請求の範囲の解釈を容易にするために特許請求されている主題の1つ又は複数の可能性のある実施形態を識別することが意図される。そのような使用は、それらの特許請求の範囲を対応する図面に示されている実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。
【0073】
本願において特許請求の範囲によって包含される実施形態は、(1)本明細書によって実施可能となり、かつ(2)法定主題に対応する実施形態に限定される。実施可能とならない実施形態、及び非法定主題に対応する実施形態は、それらの実施形態が特許請求の範囲の範囲内に入るとしても明示的に放棄される。
【0074】
添付の方法の請求項におけるステップは、対応する符号(labeling)とともに特定の順序で記載されているが、この請求項の記載がそれらのステップの幾つか又は全てを実施する特定の順序を別途に示唆しない限り、それらのステップは、その特定の順序で実施されるように限定されることは必ずしも意図されない。