【実施例】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の構成を詳細に説明する。本発明つなぎ金具は、仮設足場Sを建築物の壁面Qに固定するために使用するものである(
図6参照)。本発明つなぎ金具の基本構成は、壁つなぎパイプ10、長ボルト20、クランプ金具30、パイプカバー40にて構成されている(
図1参照)。
【0020】
壁つなぎパイプ10は、パイプの内部に長さ調整ナット11が固定され該パイプの一端部に壁面固定用の固定ボルト12を備えたパイプ部材である(
図1参照)。図示の固定ボルト12は、壁つなぎパイプ10を貫通する連結軸13に連結されている。
【0021】
長ボルト20は、壁つなぎパイプ10の他端部から内部に挿入して長さ調整ナット11にネジ止めするボルト状の部材で、仮設足場Sに連結するクランプ金具30の本体31に回転自在に連結されている(
図3参照)。そして、この長ボルト20に対して壁つなぎパイプ10を回転させると、壁つなぎパイプ10からクランプ金具30までの長さが伸縮自在になるように構成されている(
図2参照)。
【0022】
本発明では、長ボルト20のクランプ金具30がわ端部に、電動ドライバーPに装着せしめる電動操作用ボルト頭部21を形成している(
図4参照)。そして、電動ドライバーPのソケットビットP1にて回転操作するように設けている。この電動操作用ボルト頭部21を回転操作することで、長ボルト20が回転してクランプ金具30から壁つなぎパイプ10までの長さが伸縮自在になるものである。図示の電動操作用ボルト頭部21は、六角形状を成し、電動操作用ボルト頭部21と長ボルト20との境界部分にフランジ21Aを形成している。そして、電動ドライバーPのソケットビットP1端部がこのフランジ21Aに当接するものである。
【0023】
クランプ金具30は、仮設足場Sの縦パイプS1に連結する部材で、本体31、蓋体32、締付ボルト33、電動操作用締付ナット34にて構成されている(
図5参照)。本体31は、長ボルト20を回動自在に連結する部材で、この本体31の両端部に蓋体32と締付ボルト33が設けられている。蓋体32は、本体31に揺動自在に設けられ、縦パイプS1に巻着する部材である。締付ボルト33は、この蓋体32を本体に連結せしめるボルト部材で、この締付ボルト33にネジ止めしたナットを蓋体32の端部に突設してある係止部32Aに係止させて緊締する。
【0024】
電動操作用締付ナット34は、この係止部32Aに係止するナット部材である。この電動操作用締付ナット34の外形は、前述した電動操作用ボルト頭部21の外形と同寸法、同形状に設けられたものである。図示例では、電動操作用ボルト頭部21及び電動操作用締付ナット34の外形を同寸法の六角形状に形成することで、電動操作用ボルト頭部21を回転させたソケットビットP1と同じソケットビットP1にて回転操作できるように設けている。
【0025】
パイプカバー40は、長ボルト20と壁つなぎパイプ10とを覆うパイプ部材である(
図1参照)。このパイプカバー40には、パイプカバー40と長ボルト20との側面を貫通せしめる連結軸41を設けてあり、この連結軸41にて長ボルト20にパイプカバー40を連結したものである(
図3参照)。したがって、長ボルト20の電動操作用ボルト頭部21を電動ドライバーPで回転操作すると、このパイプカバー40ごと長ボルト20が回転するものである。図示例では、パイプカバー40の回転を容易にするため、パイプカバー40と長ボルト20との間に補助リング42を介している。
【0026】
次に、本発明つなぎ金具を使用した壁つなぎ金具の連結工法について説明する。本発明連結工法は、アンカー埋設工程100、固定ボルト連結工程200、長さ調整工程300、ナット締付工程400といった四つの工程を有するものである(
図7参照)。
【0027】
アンカー埋設工程100は、建物の壁面QにアンカーRを埋設する工程である。この工程では、まず、建物の壁面Qの中で、固定に適した位置を選定する。次に、仮設足場Sの縦パイプS1から水平に連結できる位置にマーキングし、この位置にアンカーRを埋設する。アンカーRを埋設できない箇所は、このアンカーRに代わる任意の部材を使用することも可能である。
【0028】
固定ボルト連結工程200は、壁面Qの所定位置に既に埋設されているアンカーRに壁つなぎ金具の固定ボルト12をネジ止めして壁つなぎ金具を連結する工程である。この工程では、従来のつなぎ金具のように、予め、壁面Qから縦パイプS1までの距離に合わせて、おおよその長さに調整する必要はなく、あるがままの長さでアンカーRに固定ボルト12を連結する作業になる。壁面Qの強度が十分な場合は、予め、各アンカーRにそれぞれ本発明壁つなぎ金具を連結しておくことも可能である。
【0029】
長さ調整工程300は、壁面Qに連結された壁つなぎ金具の電動操作用ボルト頭部21を電動ドライバーPにて回転させて、壁つなぎ金具の長さを調整する工程である(
図4参照)。電動操作用ボルト頭部21に電動ドライバーPのソケットビットP1を当てて回転させることで、長ボルト20の長さが調整され、これに伴ってクランプ金具30の位置を縦パイプS1の位置に合わせることができるものである。より具体的には、壁つなぎパイプ10の端部は、既に固定ボルト12にて壁面Qに固定されているので、この壁つなぎパイプ10を一方の手で支えながら、電動操作用ボルト頭部21にソケットビットP1を当てて回転させる操作になる。このような操作のみで、クランプ金具30の位置を縦パイプS1の位置に簡単にしかも正確に合わせることができる。
【0030】
ナット締付工程400は、長さ調整後、クランプ金具30を縦パイプS1に連結する工程である(
図5参照)。クランプ金具30を連結するには、仮設足場Sの縦パイプS1に巻着せしめるクランプ金具30の蓋体32を、クランプ金具30の本体31に連結する。このとき、本体31に揺動自在に設けられた締付ボルト33の端部に、電動操作用ボルト頭部21と同形状の外形を有する電動操作用締付ナット34をネジ止めしており、この電動操作用締付ナット34を蓋体32の係止部32Aに係止させるときに、電動操作用締付ナット34を電動ドライバーPのソケットビットP1にて回転させるものである。このソケットビットP1は、長ボルト20の電動操作用ボルト頭部21に使用した同じソケットビットP1を使用する。