(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
[楽曲演奏装置の構成例]
図1は、第1の実施形態における楽曲演奏装置100の構成例を示している。本実施形態の楽曲演奏装置100は、基本トラックの再生と並行して、ユーザが再生タイミングを指示する操作を行って追加トラックを再生するというものである。ただし、ユーザが操作により指示した再生タイミングが基本トラックのリズムに合っていればその追加トラックが指示されたタイミングで再生されるが、基本トラックのリズムに合っていなければ再生されない。この点で、本実施形態の楽曲演奏装置100による演奏はゲーム性を有している。
【0021】
図1に示す楽曲演奏装置100は、操作部101、操作入力部102、タイミング判定部103、再生制御部104、記憶部105及び音声出力部106を備える。
【0022】
操作部101は、楽曲演奏装置100に対してユーザが追加トラックの再生タイミングを指示する操作(
再生タイミング指示操作)を行う部位である。
【0023】
操作入力部102は、操作部101に対して行われた追加トラックについての再生タイミング指示操作を入力する。
タイミング判定部103は、操作入力部102が入力した操作により指示された再生タイミングが基本トラックのリズムに合っているか否かについて判定する。
【0024】
再生制御部104は、基本トラックを再生する。また、再生タイミングを指示するための操作に応じて追加トラックを基本トラックと並行して再生する。
追加トラックを再生するにあたり、再生制御部104は、指示された再生タイミングが基本トラックのリズムに合っていないとタイミング判定部103により判定された場合には追加トラックの再生を行わない。これに対して、再生制御部104は、指示された再生タイミングが基本トラックのリズムに合っているとタイミング判定部103により判定された場合には、指示された再生タイミングにしたがって追加トラックを再生する。
【0025】
記憶部105は、楽曲演奏装置100が楽曲演奏に関連して使用する各種のデータを記憶する。
図1においては、記憶部105が記憶する情報のうち、トラック情報テーブル150が示されている。トラック情報テーブル150の構造例については、後述する。
【0026】
音声出力部106は、再生制御部104が再生した基本トラックと追加トラックの音声信号を音として出力する。
【0027】
[トラック情報テーブルの構造例]
図2は、第1の実施形態におけるトラック情報テーブル150の構造例を示している。
トラック情報テーブル150は、複数のテーブルセットTSを備える。これら複数のテーブルセットTSは、それぞれが異なる再生内容を有する基本トラックごとに対応する。
【0028】
1つのテーブルセットTSは、1つの基本トラックに対応する1つのレコードと、この基本トラックと並行して再生可能な複数種類の追加トラックごとに対応する複数のレコードを有して形成される。
また、1つのレコードは、トラック識別子151とトラック再生データ152とを含む。なお、以降の説明にあたり、基本トラックと追加トラックを特に区別する必要のない場合には「トラック」と記載する。
【0029】
トラック識別子151は、トラックごとに付された識別子を示す。
トラック再生データ152は、対応のトラックの再生データである。この再生データは、例えば、対応のトラックを再生するのに必要な音源と、その音源を再生するための再生制御データを含む。なお、再生制御データとしては、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)に対応した形式であってもよいし、他の形式に対応したものであってもよく、特に限定されるものではない。
【0030】
楽曲演奏を開始するにあたり、ユーザは、まず楽曲演奏中において再生させる基本トラックを選択する操作を行う。この操作に応じて、再生制御部104は、例えば選択された基本トラックに対応するテーブルセットTSから基本トラックのトラック再生データ152を読み出して再生する。これにより、楽曲演奏中において基本トラックが継続して再生される。
基本トラックのトラック再生データ152は、所定の演奏パターンが予め定められている。この演奏パターンには、例えば楽曲としてのテンポと拍子も含まれる。基本トラックのトラック再生データ152は、例えば4小節や8小節などの所定の単位による演奏パターンであり、再生制御部104はこの演奏パターンを繰り返し再生する。
【0031】
また、再生制御部104は、再生中の基本トラックに対応するテーブルセットTSから、ユーザの操作により指定された追加トラックのトラック再生データ152を読み出して再生することにより、追加トラックを再生する。
前述したように、追加トラックのトラック再生データ152は、追加トラックの種類ごとに対応している。追加トラックは種類ごとに再生される内容(例えば、音色、フレーズ、和音構成など)が異なる。
また、追加トラックには、1回の再生タイミング指示操作に応じて再生される時間長(再生時間)が予め定められている。この再生時間は、追加トラックの種類ごとに異なっていてよい。追加トラックとしては、この再生時間にわたって1つの演奏パターンで完結するように演奏されるものであってもよいし、再生時間において演奏パターンがループして演奏されるようなものであってもよい。また、追加トラックによっては、例えば1回の再生タイミング指示が行われるのに応じて、基本トラックの再生が終了するまで継続して再生されるようなものがあってもよい。
【0032】
なお、トラック情報テーブル150におけるテーブルセットTSは、1つであってもよい。ただし、
図2に示したように複数のテーブルセットを備えることにより、ユーザにとってはいろいろな基本トラックを選んで多様な楽曲を演奏することが可能となる。
【0033】
[楽曲演奏の態様例]
図3を参照して、本実施形態の楽曲演奏の態様例について説明する。
例えばユーザが本実施形態の楽曲演奏装置100により楽曲演奏を行う場合、まず、ユーザは、再生させたい基本トラックを選択する。この操作に応じて、再生制御部104は、選択された基本トラックを再生する。
【0034】
基本トラックは、例えば所定のテンポと拍子が定められた所定の演奏パターンにより再生される。この基本トラックは、追加トラックが並行して再生されるので、比較的シンプルな演奏内容が好適である。
【0035】
そして、この基本トラックが再生中の状態において、ユーザは、例えば、まず基本トラックの音に重ねて再生したい追加トラックの種類を選択する。次に、この選択した種類の追加トラックの再生タイミングを指定するための操作を行う。なお、例えば追加トラックの種類の選択と、追加トラックの再生タイミングの指定とが同じ操作によって同時に行われるようにしてもよい。
【0036】
ここで、ユーザは、
図3の時刻t1において追加トラック1として示す或る種類の追加トラックについての再生タイミング指示操作を行ったとする。なお、第1の実施形態において、再生タイミング指示操作は、追加トラックの再生を開始させたいタイミングで操作部101を指で叩く(タップする)という操作であればよい。
基本トラックについて定められたテンポと拍子に応じてその基本トラックに合うリズムは決まる。
図3においては、基本トラックにおいて示される等間隔のゲージの表記がリズムの合っているタイミングを示している。
【0037】
時刻t1のタイミングは、基本トラックのリズムに合っている。そこで、再生制御部104は、時刻t1から追加トラック1の再生を開始させる。
次に、ユーザは、時刻t2において或る種類の追加トラックに対する再生タイミングの指示操作を行っている。しかし、この時刻t2のタイミングは基本トラックのリズムに合っていない。そこで、再生制御部104は、時刻t2に対応しては、追加トラックの再生を開始させない。
【0038】
次に、ユーザは、時刻t3において追加トラック2に対する再生タイミングの指示操作を行っている。この時刻t3のタイミングは基本トラックのリズムに合っている。そこで、再生制御部104は、時刻t3に対応して、追加トラック2の再生を開始させる。
【0039】
前述のように、追加トラックの再生時間は、その種類ごとに応じて予め定められている。
図3において、追加トラック1は、時刻t1から再生が開始され、追加トラック1に設定された再生時間T1を経過したタイミングで再生が終了する。また、追加トラック2は、時刻t3から再生が開始され、追加トラック2に設定された再生時間T2を経過したタイミングで再生が終了する。
【0040】
このようにユーザは、基本トラックのリズムに合わせて、自分の好きなリズムパターンにより操作部101に対して再生タイミング指示操作を行っていくことができる。これにより、ユーザは、適当に追加トラックの種類を選んで基本トラックのリズムに合わせて再生タイミングを指示するという操作を行うだけで、基本トラックに対して追加トラックの音を重ねていきながら音楽を創作することができる。つまり、例えば子供であるとか、特に楽器の知識が無いようなユーザであっても、簡単に楽曲の演奏を楽しむことができる。
そのうえで、本実施形態では、ユーザが指示した再生タイミングが基本トラックのリズムとずれていれば、その再生タイミングの指示に応じた追加トラックの再生は行われないようになっている。これにより、楽曲演奏に際してゲーム性が与えられることとなって、楽曲演奏に際しての興趣性が高められる。
【0041】
[リズム合致判定手法例]
上記の説明より理解されるように、本実施形態の楽曲演奏装置100における楽曲演奏は、予め定められた演奏手順、つまり、予め定められた特定のリズムパターンやメロディパターンなどに合わせるようにユーザが演奏するというものではない。本実施形態において、ユーザは、基本トラックのリズムに合わせてさえいれば、自分の好きなタイミング(つまり、符割り)で追加トラックの再生タイミングを指示する操作を行うだけで追加トラックが再生される。これにより、本実施形態では高い自由度で楽曲演奏が行える。
【0042】
図4を参照して、本実施形態において、任意の符割りにより指示された再生タイミングが基本トラックのリズムに合っているか否かを判定するための手法例について説明する。
本実施形態では、例えば基本トラックにおける1小節に対して所定の分解数(分解能)を設定する。この図の例では、基本トラックは4/4拍子である。そのうえで、1小節という所定の分節に対して、240の分解数を設定している。
【0043】
上記の分解数は、例えば以下のように設定する。
ここで、リズムが合っているか否かの判定にあたって判定基準とする音符(基準音符)について、2連符系では16分音符を設定し、3連符系では4分音符を3分割した1拍3連における1つ分の音符を設定する。
【0044】
この場合、一拍の分解数(分解能)は、4と3の公倍数である12の倍数とする。
図4の例では、12の5倍の60を1拍の分解数として設定している。これに応じて、4/4拍子である場合の1小節の分解数は、60×4=240となる。
【0045】
また、本実施形態では、240の分解数を設定した基本トラックの1小節の長さを240等分し、240等分した各位置について、その先頭から最後にかけて1〜240の分解位置番号を設定する。
【0046】
タイミング判定部103は、1小節の分解数において基準音符の長さを示す分解数(基準音符分解数)を設定する。具体的に、
図4のように1小節の分解数が240である場合、基準音符の1つである16分音符の基準音符分解数については、240/16=15のように設定する。また、1拍3連における1つの音符の基準音符分解数については、240/12=20のように設定する。なお、これらの基準音符分解数については、例えば基本トラックの再生開始に応じたタイミングで予め設定し、設定した値を保持しておくようにすればよい。また、これらの基準音符分解数は、例えば基本トラック再生データにおいてパラメータの1つとして予め格納しておいてもよい。
【0047】
タイミング判定部103は、上記のように求めた基準音符分解数を利用して、例えば以下のように、指示された再生タイミングが基本トラックのリズムに合っているか否かについての判定を行う。
つまり、タイミング判定部103は、ユーザの操作により再生タイミングが指示されるのに応じて、この指示された再生タイミングが、基準音符分解数の整数倍である分解位置番号のタイミングに設定した誤差範囲内(例えばmsec単位による一定時間内)であるか否かについて判定する。
【0048】
指示された再生タイミングの分解位置番号が、16分音符の基準音符分解数である15の整数倍であれば、その指示された再生タイミングは、1小節を16分音符により16分割したタイミングのうちのいずれかと一致している。この場合、タイミング判定部103は、指示された再生タイミングが基本トラックにおける2連符系のリズムと合っていると判定する。
また、指示された再生タイミングの分解位置番号が、1拍3連における1つの音符の基準音符分解数である20の整数倍であれば、その指示された再生タイミングは、1小節を3連符により12分割したタイミングのうちのいずれかと一致している。この場合にも、タイミング判定部103は、指示された再生タイミングが基本トラックにおける3連符系のリズムと合っていると判定する。
一方、指示された再生タイミングの分解位置番号が、16分音符の基準音符分解数である15の整数倍でもなく、1拍3連における1つの音符の基準音符分解数である20の整数倍でもない場合には、その指示された再生タイミングは、2連符系と3連符系のいずれのリズムとしてもずれている。この場合、タイミング判定部103は、指示された再生タイミングが基本トラックのリズムと合っていないと判定する。
【0049】
このように、タイミング判定部103は、ユーザの操作により指示された再生タイミングが基本トラックのリズムに合っているか否かについて判定する。このような判定手法によれば、指示された再生タイミングの個々を対象として基本トラックのリズムに合っているか否かについて判定できる。したがって、或る時間内において指示された複数の再生タイミングどのようなリズムパターンを形成していようとも、タイミング判定部103は、そのリズムパターンを形成する個々のタイミングが基本トラックのリズムに合っているか否か判定できる。
このように、タイミング判定部103は、任意に演奏されたリズムパターンを対象として基本トラックのリズムに合っているか否かの判定を行うことができる。
【0050】
[処理手順例]
図5のフローチャートは、第1の実施形態における楽曲演奏装置100が実行する処理手順例を示している。なお、この図に示す処理は、基本トラックの再生中において実行されるものである。
【0051】
まず、操作入力部102は、再生すべき追加トラックの種類を選択するためにユーザが操作部101に対して行った操作を入力する(ステップS101)。
次に、操作入力部102は、ステップS101により選択された種類の追加トラックについての再生タイミングを指示するためにユーザが操作部101に対して行った操作を入力する(ステップS102)。
なお、前述もしたように、追加トラックの種類の選択とその再生タイミングの指示とが同じ操作により同時に行われてもよいが、ここでは、上記の各操作をそれぞれ個別に行う例を示している。
【0052】
次に、タイミング判定部103は、ステップS102により指示された再生タイミングが基本トラックのリズムと合っているか否かについて判定する(ステップS103)。このステップS103の処理は、例えば
図4により説明した手法により行われる。このステップS103の処理については
図6により後述する。
【0053】
次に、再生制御部104は、ステップS103のリズム合致判定によりリズムが合っているとの判定結果が得られたか否かについて判定する(ステップS104)。
リズムが合っているとの判定結果である場合(ステップS104−YES)、再生制御部104は、ステップS101により指定された種類の追加トラックを、ステップS102により指示された再生タイミングにより再生する(ステップS105)。
これに対して、リズムが合っていないとの判定結果である場合(ステップS104−NO)、再生制御部104は、ステップS105をスキップする。つまり、この場合の再生制御部104は、ステップS101により指定された種類の追加トラックの再生を行わない。
【0054】
図6のフローチャートは、
図5のステップS103としてのリズム合致判定のための処理手順例を示している。
タイミング判定部103は、指示された再生タイミングが、基準音符分解数の整数倍である分解位置番号のタイミングに設定した誤差範囲内であるか否かについて判定する (ステップS201)。
【0055】
指示された再生タイミングが誤差範囲内である場合(ステップS201−YES)、タイミング判定部103は、基本トラックのリズムに合っていると判定する(ステップS202)。一方、指示された再生タイミングが誤差範囲内ではない場合(ステップS201−NO)、タイミング判定部103は、基本トラックのリズムに合っていないと判定する(ステップS203)。
【0056】
<第2の実施形態>
[概要]
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態において楽曲演奏を行うにあたっては、種類の異なる追加トラックについては再生時間が重複して再生されてもよい。
例えば、
図7(a)の例では、時刻t1において追加トラック1の再生タイミングが指示されている。なお、この図の基本トラックにおいて示されるゲージは、この基本トラックのリズムに合うタイミングを示す。つまり、基本トラックのゲージは、基準音符分解数の整数倍である分解位置番号に対して設定された誤差範囲内に対応するタイミングを示す。
この追加トラック1について指示された時刻t1の再生タイミングは基本トラックにおいて示されるゲージのタイミングと一致している。つまり、時刻t1において指示された再生タイミングは基本トラックのリズムに合っている。これにより、時刻t1から再生時間T1を経過するまでの間において追加トラック1が再生される。なお、再生時間T1は、追加トラック1について予め定められた再生時間を示す。
【0057】
また、追加トラック1の再生中である時刻t2において、追加トラック1とは異なる種類の追加トラック2の再生タイミングが指示されている。この再生タイミングである時刻t2も基本トラックにおいて示されるゲージと一致しており、基本トラックのリズムに合っている。これにより、追加トラック2は、時刻t2から追加トラック2について予め定められた再生時間T2を経過するまでの間において再生される。
【0058】
さらに、追加トラック2の再生中である時刻t3において、追加トラック1、2とは異なる種類の追加トラック3の再生タイミングが指示されている。この再生タイミングも基本トラックのリズムに合っているので、追加トラック3は、時刻t3から追加トラック3について予め定められた再生時間T3を経過するまでの間において再生される。
【0059】
このように、種類の異なる追加トラックについては再生時間を重複させていくように次々と再生させていくことが可能である。このように異なる種類のトラックが同時に再生されることで、楽曲の音楽的雰囲気が豊かになる。
【0060】
ただし、種類が同じ複数の追加トラックの再生時間が重複した場合には、かえって音響が乱れてしまい、楽曲の雰囲気も損なわれることが多い。
そこで、第2の実施形態の再生制御部104は、或る追加トラックの再生中において、この再生中の追加トラックと種類が同じ追加トラックの再生を開始させるように再生タイミング指示操作が行われた場合には、以下のようにこれらの追加トラックの再生を制御する。
【0061】
例えば、
図7(a)における時刻t4に示すように、追加トラック3が再生中の時刻t4において、さらに種類が同じ追加トラック3を指定して再生タイミングを指示する操作が行われたとする。この時刻t4において指示された再生タイミングは基本トラックのリズムに合っている。
【0062】
このような場合、再生制御部104は、
図7(b)に示すように、時刻t3から再生を開始させた追加トラック3については、その再生時間T3が経過していなくとも時刻t4において再生を終了させる。そして、時刻t4から、時刻t4において再生タイミング指示操作が行われた追加トラック3の再生を開始させる。
このように再生制御が行われることで、種類が同じ複数の追加トラックが重複して再生されることが無くなり、楽曲の雰囲気が損なわれるのを避けることができる。
【0063】
[処理手順例]
図8のフローチャートは、第2の実施形態における楽曲演奏装置100が実行する処理手順例を示している。なお、この
図8において、
図6と同様の処理となるステップについては同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
図8において、再生制御部104は、ステップS104においてリズムが合っていると判定されるのに応じて、ステップS101により指定されたのと同じ種類の追加トラックが再生中であるか否かについて判定する(ステップS104A)。
同じ種類の追加トラックが再生中である場合(ステップS104A−YES)、再生制御部104は、再生中の追加トラックの再生をステップS102により指定された再生タイミングに応じて停止させる(ステップS104B)。
そのうえで、再生制御部104は、ステップS101により指定された種類の追加トラックを、同じステップS102により指示された再生タイミングで再生する(ステップS105)。
このように、ステップS104A、S104BからS105の処理が実行されることで、
図7(b)に示したように、種類が同じ追加トラックの再生時間が重複して再生されないようにすることができる。
【0065】
なお、同じ種類の追加トラックが再生中でない場合(ステップS104A−NO)、再生制御部104は、ステップS104BをスキップしてステップS105に進む。
【0066】
<第3の実施形態>
[概要]
続いて、第3の実施形態について説明する。
これまでに説明したように、ユーザは、操作部101であるタッチパネルに対して指を当てることにより再生タイミング指示操作を行う。そのうえで、第3の実施形態では、再生タイミング指示操作に際して指が当てられたタッチパネル(操作部101)上の位置に応じて、追加トラックの再生音の出力態様を変更させるものである。
【0067】
一例として、
図9には、或る種類の追加トラックの再生タイミング指示操作として、操作部101としてのタッチパネルにおける座標P(x1,y1)に指を当てた場合と、座標P(x2,y2)に指を当てた場合とが示されている。
この場合において、例えば指定された種類の追加トラックが、所定の音源を使用して単音を再生するものであるとする。そして、この追加トラックにより再生される単音は、再生タイミング指示操作のためにタッチパネルに当てられた指が座標P(x1,y1)の場合と座標P(x2,y2)の場合とでその音の高さが異なるように変更される。
あるいは、指定された種類の追加トラックには、元の音源の波形に対して所定の音響効果やフィルターなどの音響効果が与えられているものとする。そして、この追加トラックにより再生される音は、再生タイミング指示操作のためにタッチパネルに当てられた指が座標P(x1,y1)の場合と座標P(x2,y2)の場合とで、その音響効果のかかり方や強さが異なるように変更されるというものである。
【0068】
また、第3の実施形態においては、再生タイミング指示操作として、
図10に示すように、タッチパネル(操作部101)上で指をドラッグさせるように操作することもできる。
図10では、まず、操作部101としてのタッチパネル上の座標P(x11,y11)に対して指が当てられ、ここから破線で示す軌跡によりユーザの指がタッチパネル上で移動されている。そして、座標P(x12,y12)においてタッチパネルから指を離したものである。
なお、このように指をドラッグさせる場合には、はじめに指をタッチパネルに当てたときのタイミングと、ドラッグの後にタッチパネルから指を離したときのタイミングのいずれもが基本トラックのリズムに合っていれば、追加トラックが再生されるようにすればよい。
【0069】
上記のように再生タイミング指示操作としてのドラッグ操作を行っているときには、指定の追加トラックの再生音が出力される。そのうえで、この再生音は、このドラッグ操作の軌跡に応じ変化する。つまり、再生タイミング指示操作としてのドラッグ操作を行っているとき、ユーザは、このドラッグ操作により追加トラックがどのように変化するのかを確認できる。そして、ドラッグさせていた指をタッチパネルから離すと、引き続いて、ドラッグ操作のときと同じように再生音が変化する追加トラックが、例えば予め定められた再生時間にわたって再生される。
【0070】
このように、第3の実施形態では、再生タイミング指示操作にあたり、ユーザがタッチパネル上で指を当てる位置を変更したりドラッグ操作を行ったりすることで、追加トラックの再生音を変化させることが可能になる。これにより、楽曲演奏における楽しみがさらに増す。
【0071】
[トラック情報テーブルの構造例]
第3の実施形態における楽曲演奏装置100の構成は
図1と同様でよい。ただし、第3の実施形態においては、トラック情報テーブル150の構造が以下のように異なる。
図11は、第3の実施形態におけるトラック情報テーブル150の構造例を示している。なお、この図において、
図2と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
この図に示すトラック情報テーブル150のテーブルセットTSにおける1レコードは、トラック識別子151とトラック再生データ152に加えて、座標対応再生制御情報153をさらに含む。
【0072】
座標対応再生制御情報153は、タッチパネル(操作部101)の座標ごとに対応する追加トラックについての再生制御情報である。なお、座標対応再生制御情報153は、追加トラックのみに対応して設けられればよく、基本トラックに対応して設けられる必要はない。
【0073】
図12は、或る1つのトラックに対応する座標対応再生制御情報153の例を示している。この図に示す座標対応再生制御情報153は、座標153aごとに再生制御情報153bが対応付けられた構造である。
【0074】
座標153aは、それぞれ、タッチパネル(操作部101)における1つの座標を示す。なお、座標153aは、例えばタッチパネル(操作部101)における全座標の領域を所定数に分割したえうで、その分割された領域の座標範囲を示すものとしてもよい。
【0075】
再生制御情報153bは、座標153aに対応してトラック再生データに適用すべき再生制御情報の内容を示す。
【0076】
再生制御部104は、タッチパネル(操作部101)が検出した再生タイミング指示操作による指の接触位置の座標を入力する。再生制御部104は、入力した座標と同じ座標153aに対応付けられている再生制御情報153bを読み出す。
そして、再生制御部104は、追加トラックとしてトラック再生データを再生するにあたり、そのトラック再生データに対して読み出した再生制御情報を適用する。これにより、追加トラックは、再生タイミング指示操作により指が接触した座標に応じた再生制御情報に応じた音高、音色、特殊効果などにより再生される。
再生タイミング指示操作がタッチパネル(操作部101)をタップする操作である場合には、そのタップされたタッチパネル(操作部101)の座標153aに対応付けられた再生制御情報が適用されたトラック再生データの音が再生される。
また、再生タイミング指示操作がドラッグ操作である場合には、そのドラッグ操作に応じたタッチパネル(操作部101)の座標153aの軌跡に応じてトラック再生データの音に適用される再生制御情報が変化していくように再生が行われる。
【0077】
再生制御情報としては、多様なパラメータを定義できる。
一例として、例えばトラック再生データとしての音源に設定すべき音の高さ(音高)を再生制御情報として定義することができる。この場合には、再生タイミング指示操作によりタッチパネル(操作部101)に指が接触している座標が異なるのに応じて異なる音高で追加トラックが再生される。
また、例えばトラック再生データとしての音源にかけるべき所定の音響効果における所定のパラメータを再生制御情報として定義できる。一例として、音響効果がディレイなどである場合には、ディレイタイム(遅延時間)、ディレイの繰り返し回数、ディレイ音量(音響効果レベル)などのパラメータのうちのすべて又は一部を再生制御情報として定義できる。
【0078】
なお、
図12においては、再生制御情報153bの具体例として、音高とエコーの音響効果のレベル(エコーエフェクトレベル)を組み合わせた内容が示されている。この場合、再生制御部104は、操作入力部102から入力したタッチパネル(操作部101)の座標と同じ座標153aに対応する再生制御情報153bが示す音高とエコーエフェクトレベルを適用して追加トラック再生データを再生する。
【0079】
[処理手順例]
第3の実施形態において楽曲演奏装置100が実行する処理手順としては、例えば
図5と同様でよい。そのうえで、操作入力部102は、ステップS102の再生タイミング指示操作入力のための処理として、
図13のフローチャートに示す手順を実行する。また、再生制御部104は、ステップS105の追加トラックの再生処理として、
図14に示す処理を実行する。
【0080】
図13のフローチャートにおいて、操作入力部102は、再生タイミング指示操作としてタッチパネル(操作部101)に指を接触させる押圧操作が最初に行われたときのタイミングとタッチパネル(操作部101)にて検出された座標の各情報を保持する(ステップS301)。
【0081】
次に、操作入力部102は、ステップS301に対応して行われた押圧操作が解除されたか否かについて判定する(ステップS302)。ここで、押圧操作が解除されていなければ(ステップS302−NO)、操作入力部102は、タッチパネル(操作部101)にて検出された座標を時間情報とともに保持する。
上記のように、操作入力部102は、押圧操作が解除されるまで、ステップS303によりタッチパネル(操作部101)において検出される座標を時間情報とともに保持する。
【0082】
タッチパネル(操作部101)に対する押圧操作が解除されるのに応じて(ステップS302−YES)、操作入力部102は、この押圧操作が解除されたときのタイミングと、このときにタッチパネル(操作部101)にて検出されている座標を保持する(ステップS304)。
【0083】
上記の処理によって、再生タイミング指示操作としてドラッグ操作が行われた場合には、その開始から終了までにおいて、そのドラッグ操作に応じて変化する座標の情報が時間情報と対応付けられて保持される。また、再生タイミング指示操作としてタップ操作が行われた場合には、そのタップ操作が行われたタッチパネル(操作部101)上の座標の情報が保持される。
【0084】
また、
図14のフローチャートにおいて、再生制御部104は、タッチパネル(操作部101)に対する再生タイミング指示操作としての押圧操作の解除に応じたタイミングで、指定された追加トラックの再生を開始させる(ステップS401)。
【0085】
次に、再生制御部104は、追加トラックの再生時間が終了するまで(ステップS403−NO)、ステップS102により保持された座標の再生制御情報153bを、座標に対応付けられた時間情報に対応するタイミングでトラック情報テーブル150から読み出す。そして、再生制御部104は、読み出した再生制御情報153bを時間情報に対応するタイミングで追加トラックのトラック再生データに適用する(ステップS402)。
そして、再生時間が終了するのに応じて(ステップS403−YES)、ステップS401により開始させた追加トラックの再生を終了する(ステップS404)。
【0086】
<第4の実施形態>
[楽曲演奏装置の構成例]
次に、第4の実施形態について説明する。
図15は、第4の実施形態における楽曲演奏装置100の構成例を示している。なお、この図において、
図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
第4の実施形態における楽曲演奏装置100は、表示制御部107と表示部108をさらに備える。そのうえで、第4の実施形態における楽曲演奏装置100は、タッチパネルとしての操作部101と表示部108とが組み合わされたタッチパネル付表示部110を備える。
【0087】
表示制御部107は、タイミング判定部103の判定結果に応じて表示態様が変化するタイミング反映画像を表示部108に表示させる。具体例として、表示制御部107は、タイミング反映画像として所定のデザインによるアバター(キャラクター)を表示部108に表示させる。
【0088】
また、記憶部105はアバター情報160をさらに記憶する。
アバター情報160は、表示制御部107がアバターを表示させるにあたって利用するアバターの画像情報などを含む。
【0089】
[アバターの表示態様例]
図16は、タッチパネル付表示部110の表示部108におけるアバターAVTの表示態様例を示している。基本トラックが再生されているとき、表示部108の画面にはアバターAVTが表示される。このアバターAVTは、例えば表示部108の画面内で基本トラックのリズムに合わせて踊るようなイメージで動くアニメーション画像として表示される。
【0090】
そして、ユーザがうまく基本トラックのリズムに合わせて追加トラックの再生タイミング指示操作を行っている状態が続いていると、アバターAVTは、どんどん機嫌が良くなっていくようなイメージで表示が変化していく。具体的に、例えば、アバターAVTは、
図16(a)から
図16(b)への遷移として示すように、その表情が楽しそうなものに変化していく。また、これとともに、画面内でのアバターAVTの踊りの動きも活発になっていく。
【0091】
これに対して、ユーザが基本トラックのリズムに再生タイミング指示操作をうまく合わせられない状態が続くと、アバターAVTは、例えば
図16(c)に示すように、不機嫌な表情に変化していく。また、踊りの動きも鈍いものとなっていって活発さがなくなっていくというものである。
【0092】
このように、第4の実施形態においては、再生タイミング指示操作とリズムとの合致の状態、つまり、ユーザのリズム感の善し悪しを反映するようにアバターAVTの表示の態様が変化する。これにより、例えば、ユーザは、自分の演奏(再生タイミング指示操作)に応じて変化するアバターの表情や動きを見ながら、できるだけ機嫌がよくなるように目標を持って演奏することができる。
【0093】
[処理手順例]
図17は、第4の実施形態の楽曲演奏装置100における表示制御部107がアバターAVTの表示のために実行する処理手順例を示している。
これまでの説明から理解されるように、タイミング判定部103は、1回の再生タイミング指示操作が行われるごとに、そのタイミングが基本トラックのリズムに合っているか否かについて判定している。表示制御部107は、この再生タイミング指示操作ごとに応じたタイミング判定部103による判定結果が入力されるのを待機している(ステップS501−NO)。
【0094】
そして、判定結果が入力されると(ステップS501−YES)、表示制御部107は、ステップS501に対応して入力した判定結果を含め、過去の所定回数分にまでさかのぼった判定結果を利用してリズム合致率を算出する(ステップS502)。例えば、過去の10回分の判定結果のうち、リズムが合っているとの判定結果が8回で、リズムが合っていないとの判定結果が2回だった場合、タイミング判定部103は、リズム合致率が80%(=8/(8+2))であると算出する。
【0095】
次に、表示制御部107は、ステップS502により算出されたリズム合致率に応じてアバターAVTの感情状態を変更して表示させる(ステップS503)。ここでの感情状態とは、
図16にて説明したようにアバターAVTの表情や踊りとしての動きの活発さなどである。この際、表示制御部107は、例えばリズム合致率に応じた表情のアバターの画像データをアバター情報160から読み出して表示させればよい。
【0096】
なお、タイミング反映画像としてのアバターAVTは、例えば人のかたちを模したようなものに限定されるものではなく、例えば幾何学模様が組み合わされるなどより抽象的な態様であてもよい。
また、例えばアバターAVTについて複数のキャラクターを用意して、これら複数のキャラクターのうちからユーザが選択して表示させることができるようにしてもよい。
また、例えばアバターAVTが好みの追加トラックを予め設定しておき、その追加トラックが多く再生されるほどアバターAVTの機嫌が良くなるように表示させてもよい。これにより、ユーザは、例えばアバターAVTが好みの追加トラックを見つけることを目的としながら演奏することができるようになり、パズル的なゲーム要素が付加される。
【0097】
<第5の実施形態>
[概要]
次に、第5の実施形態について説明する。なお、第5の実施形態に対応する楽曲演奏装置100の構成は、例えば
図15と同様でよい。
第5の実施形態においては、第4の実施形態のアバターAVTに加えて、さらに追加トラックごとの種類に対応するオブジェクトをタッチパネル付表示部110の表示部108に表示させる。
【0098】
図18は、第5の実施形態においてタッチパネル付表示部110(操作部(タッチパネル)101、表示部108)に表示されるアバターAVTと追加トラックの種類ごとに対応するオブジェクトOBJ(OBJ1〜OBJ4)の例を示している。
例えば、基本トラックが再生中であるとき、タッチパネル付表示部110の画面にはオブジェクトパレット領域AR1が表示される。オブジェクトパレット領域AR1には、再生中の基本トラックに対応する追加トラックの種類ごとに対応するオブジェクトが配列される。
図18のオブジェクトパレット領域AR1には、4つのオブジェクトOBJ1〜OBJ4が配置されている。
【0099】
ユーザは、オブジェクトパレット領域AR1に配置されているオブジェクトOBJ1〜OBJ4のうちから任意のものに対して指を当てるタッチ操作を行う。
これにより、再生タイミングを指示して再生すべき追加トラックが指定される。また、上記のようにタッチ操作を行ったときには、その追加トラックに設定された音(トラック再生データ)が再生されるようになっている。この再生音を聴くことで、ユーザは、指定したオブジェクトOBJに対応する追加トラックがどのような音であるのかを確認できる。
【0100】
なお、再生音を確認してみて、他の追加トラックを指定し直したいと思ったときには、ユーザは、また、オブジェクトパレット領域AR1において別の追加トラックに対応するオブジェクトOBJに対するタッチ操作を行えばよい。
また、オブジェクトパレット領域AR1におけるオブジェクトOBJに対するタッチ操作は、追加トラックを指定する操作であって、そのタイミングが基本トラックのリズムに合っているか否かについての判定対象ではない。
【0101】
ユーザが追加トラックを再生させるときには、まず、上記のように、オブジェクトパレット領域AR1のうちから再生させたい追加トラックの種類に対応するオブジェクトに対するタッチ操作を行って追加トラックの種類を指定する。
次に、ユーザは、タッチパネル付表示部110の画面におけるオブジェクトパレット領域AR1以外の領域に対して再生タイミング指示操作を行う。この再生タイミング指示操作が基本トラックのリズムに合っていれば、その再生タイミング指示操作のタイミングにしたがって、指定した追加トラックの再生が行われる。
また、再生タイミング指示操作が行われたタッチパネル付表示部110上の位置には、指定された追加トラックに対応するオブジェクトが配置されるように表示される。また、例えば
図10に示したように再生タイミング指示操作としてドラッグ操作が行われた場合には、そのドラッグ操作の軌跡にしたがってオブジェクトOBJが移動していくように表示される。
つまり、ユーザは、オブジェクトパレット領域AR1のうちから選択したオブジェクトOBJを、オブジェクトパレット領域AR1以外の画面領域に配置させるようなイメージで再生タイミング指示操作を行うことができる。
【0102】
そして、上記再生タイミング指示操作が基本トラックのリズムに合っていれば、追加トラックの再生が開始される。このように再生が開始された追加トラックは、追加トラックごとに対応する所定の再生時間を経過するまで継続される。この再生時間においては、追加トラックに対応して配置されたオブジェクトOBJもその表示が継続される。また、このように表示されるオブジェクトOBJについては、例えば、再生タイミング指示操作により配置された位置において静止しているように表示されてもよいし、アニメーションにより画面内を移動したり、そのサイズや形状が変化するように表示されてもよい。
【0103】
そして、上記のように再生時間において表示されていたオブジェクトOBJは、再生時間の経過によって追加トラックの再生が終了するのに応じて、画面から消去される。このように、再生タイミング指示操作によりタッチパネル付表示部110の画面上に配置されたオブジェクトOBJは、追加トラックの再生に同期して表示される。これにより、ユーザは、オブジェクトOBJの表示状況を見ることで、そのときにどの追加トラックが再生中であるのかを感覚的に把握できる。
【0104】
そのうえで、第5の実施形態においては、追加トラックの再生時間の終了に応じて、その追加トラックに対応するオブジェクトOBJの表示を消去するにあたり、そのオブジェクトOBJがアバターAVTにより消去される態様の画像を表示する。
このような表示の一例としては、アバターAVTがオブジェクトOBJを食べてしまうことにより、そのオブジェクトOBJを消去するというものである。この場合、再生タイミング指示操作がリズムに合っている場合が多くなるほど、アバターAVTもオブジェクトを食べる機会が増える。つまり、このような表示は、オブジェクトOBJを食べて栄養分とすることで、アバターAVTが成長し、さらに活気付いていくというイメージである。このように表示が行われることにより、ユーザは、例えばアバターAVTをさらに活発にさせようとしながら演奏することになり、ゲーム性やおもしろみがさらに増す。
【0105】
[トラック情報テーブルの構造例]
図19は、第5の実施形態に対応するトラック情報テーブル150の構造例を示している。なお、この図において
図11と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
図19に示すトラック情報テーブル150においては、この図に示すトラック情報テーブル150のテーブルセットTSにおける1レコードは、トラック識別子151とトラック再生データ152と座標対応再生制御情報153に加えて、オブジェクトデータ154の情報をさらに含む。
【0106】
オブジェクトデータ154は、追加トラックごとに対応するオブジェクトOBJを画像として表示させるための画像データなどを含む情報である。
なお、このオブジェクトデータ154も、座標対応再生制御情報153と同様に、追加トラックのみに対応して設けられればよく、基本トラックに対応して設けられる必要はない。
【0107】
表示制御部107は、トラック情報テーブル150に格納されるオブジェクトデータ154読み出し、読み出したオブジェクトデータ154を利用して、
図18にて説明したようにオブジェクトOBJを表示部108に表示させる。
なお、オブジェクトデータ154は、例えばトラック情報テーブル150とは異なる個別の情報として記憶部105に記憶されてもよい。この場合には、例えばオブジェクトデータ154とトラック情報テーブル150とをトラック識別子により対応付けるようにすればよい。
【0108】
[処理手順例]
図20は、
図18にて説明したようにアバターAVTが追加トラックの再生時間の終了に応じて、その追加トラックのオブジェクトOBJを食べるように消去するという態様の表示を実現するために表示制御部107が実行する処理手順例を示している。
【0109】
まず、表示制御部107は、再生制御部104による追加トラックの再生状況として、再生中の追加トラックの再生時間の残り時間を一定時間ごとに監視する(ステップS501)。
次に、表示制御部107は、ステップS501の監視結果に基づいて、表示部108に表示中のオブジェクトOBJのうちで消去対象のオブジェクトOBJが有るか否かについて判定する(ステップS502)。消去対象のオブジェクトOBJとは、ステップS501により監視された再生時間が一定以下になった追加トラックに対応するオブジェクトOBJである。
【0110】
消去対象オブジェクトが無い場合(ステップS502−NO)、表示制御部107は、ステップS501に戻る。
一方、消去対象オブジェクトが有る場合(ステップS502−YES)、表示制御部107は、消去対象オブジェクトが対応する追加トラックの再生時間の終了タイミングに同期させて消去対象オブジェクトの表示を消去するための表示制御を実行する(ステップS503)。この際、表示制御部107は、アバターAVTが消去対象オブジェクトを食べるという態様により消去対象オブジェクトを消去する。
なお、アバターAVTが消去対象オブジェクトを消去する態様としては、アバターAVTが消去対象オブジェクトを食べるという態様以外であってもよい。例えば、アバターAVTが消去対象オブジェクトに体当たりしたりパンチなどを当てるという態様によって消去対象オブジェクトを消去してもよい。
【0111】
なお、本実施形態の楽曲演奏装置100としてのハードウェアは、専用のゲーム装置であってもよいし、ゲームのプログラムを読み込んで動作する汎用のゲーム装置であってもよい。あるいは、本実施形態の楽曲演奏装置100の機能を実現するゲームアプリケーションがインストールされたスマートフォンなどであってもよい。
【0112】
また、
図1や
図15における各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより楽曲演奏のための処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0113】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0114】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。