特許第5773988号(P5773988)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773988
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】通信ノード及びネットワークノード
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20150813BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20150813BHJP
   H04W 8/24 20090101ALI20150813BHJP
   H04W 4/04 20090101ALI20150813BHJP
【FI】
   G06F13/00 353B
   H04M11/00 302
   H04W8/24
   H04W4/04 190
【請求項の数】18
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2012-508054(P2012-508054)
(86)(22)【出願日】2011年3月16日
(86)【国際出願番号】JP2011001556
(87)【国際公開番号】WO2011121921
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2013年10月23日
(31)【優先権主張番号】特願2010-105294(P2010-105294)
(32)【優先日】2010年4月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2010-75557(P2010-75557)
(32)【優先日】2010年3月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100093067
【弁理士】
【氏名又は名称】二瓶 正敬
(72)【発明者】
【氏名】阿相 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】池田 新吉
(72)【発明者】
【氏名】青山 高久
【審査官】 小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−169075(JP,A)
【文献】 特開2007−219650(JP,A)
【文献】 特開2003−256308(JP,A)
【文献】 特開2006−154991(JP,A)
【文献】 特開平10−065754(JP,A)
【文献】 特表2009−501499(JP,A)
【文献】 特開2005−318025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04M 11/00
H04W 4/04
H04W 8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノードの管理下において、既にネットワークに接続されている既存通信ノードが存在しており、前記ネットワークに新たに接続する新規通信ノードが前記既存通信ノードの所定情報を取得する通信システムにおけるネットワークノードであって、
前記新規通信ノードから前記所定情報の要求を受けた場合、前記既存通信ノードが前記ネットワークに接続されているかどうかを確認する接続確認部と、
前記接続確認部において前記既存通信ノードが前記ネットワークに接続されていることが確認された場合、前記既存通信ノードに対して前記所定情報を要求し、前記既存通信ノードから前記所定情報を取得する第1所定情報取得部と、
前記第1所定情報取得部で取得した前記所定情報を前記新規通信ノードへ通知する第1所定情報通知部と、
前記接続確認部において前記既存通信ノードが前記ネットワークに接続されていないことが確認された場合、前記新規通信ノードにおいて次回の接続時刻を決定するための時間情報を前記新規通信ノードへ通知する時間情報通知部と、
前記時間情報通知部において前記新規通信ノードへ前記時間情報を通知した後に前記既存通信ノードによる前記ネットワークへの接続が確認できた場合、前記既存通信ノードに対して前記所定情報を要求し、前記既存通信ノードから前記所定情報を取得する第2所定情報取得部と、
前記第2所定情報取得部で取得した前記所定情報を保持する所定情報保持部と、
前記新規通信ノードによる前記時間情報に基づいた前記ネットワークへの接続が確認できた場合、前記所定情報保持部に保持されている前記所定情報を前記新規通信ノードへ通知する第2所定情報通知部とを、
しており、
前記既存通信ノード及び前記新規通信ノードはマシン間コミュニケーションを行う通信ノードであり、前記所定情報は前記マシン間コミュニケーションを行う通信ノードとして動作するために必要な設定情報であることを特徴とするネットワークノード。
【請求項2】
前記時間情報が、前記既存通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻を含んでいる請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項3】
前記時間情報が、前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻を含んでいる請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項4】
前記既存通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻より後の時刻となるように、前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻を決定する接続時刻決定部を有する請求項3に記載のネットワークノード。
【請求項5】
前記時間情報が、前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時間帯を含んでいる請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項6】
前記既存通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時間帯より後の時間帯となるように、前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時間帯を決定する接続時間帯決定部を有する請求項5に記載のネットワークノード。
【請求項7】
前記所定情報の要求と共に前記新規通信ノードから前記既存通信ノードの識別情報が通知された場合、前記接続確認部が、前記識別情報によって特定される前記既存通信ノードが前記ネットワークに接続されているかどうかを確認するよう構成されている請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項8】
前記接続確認部が、前記新規通信ノードと地理的に近いエリアに存在する前記既存通信ノードを特定し、特定された前記既存通信ノードが前記ネットワークに接続されているかどうかを確認するよう構成されている請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項9】
ネットワークノードの管理下において、既にネットワークに接続されている既存通信ノードが存在しており、前記ネットワークに新たに接続する新規通信ノードが前記既存通信ノードの所定情報を取得する通信システムにおいて、前記新規通信ノードとして動作する通信ノードであって、
前記所定情報の要求を前記ネットワークノードへ送信する第1所定情報要求部と、
前記第1所定情報要求部による前記所定情報の要求に対する応答として、前記ネットワークノードから前記所定情報を受信する第1所定情報取得部と、
前記第1所定情報要求部による前記所定情報の要求に対する応答として、前記新規通信ノードによる次回の接続時刻を決定するための時間情報を受信する時間情報受信部と、
前記時間情報から前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻を決定する接続時刻決定部と、
前記接続時刻決定部で決定された前記接続時刻に前記ネットワークへ接続し、前記所定情報の要求を前記ネットワークノードへ送信する第2所定情報要求部と、
前記第2所定情報要求部による前記所定情報の要求に対する応答として、前記ネットワークノードから前記所定情報を受信する第2所定情報取得部とを、
しており、
前記既存通信ノード及び前記新規通信ノードはマシン間コミュニケーションを行う通信ノードであり、前記所定情報は前記マシン間コミュニケーションを行う通信ノードとして動作するために必要な設定情報であることを特徴とする通信ノード。
【請求項10】
前記時間情報が、前記既存通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻を含んでいる請求項9に記載の通信ノード。
【請求項11】
前記接続時刻決定部が、前記既存通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻より後の時刻となるように、前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻を決定するよう構成されている請求項10に記載の通信ノード。
【請求項12】
前記時間情報が、前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻を含んでいる請求項9に記載の通信ノード。
【請求項13】
前記時間情報が、前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時間帯を含んでいる請求項9に記載の通信ノード。
【請求項14】
前記接続時刻決定部が、前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時間帯内の任意の時刻を、前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻として決定するよう構成されている請求項13に記載の通信ノード。
【請求項15】
前記第1所定情報要求部が、前記所定情報の要求と共に前記既存通信ノードの識別情報を通知するよう構成されている請求項9に記載の通信ノード。
【請求項16】
ネットワークノードの管理下において、既にネットワークに接続されている既存通信ノードが存在しており、新たに接続を行う新規通信ノードが前記既存通信ノードの所定情報を取得する通信システムにおいて、前記既存通信ノードとして動作する通信ノードであって、
前記ネットワークへ接続している際に、前記ネットワークノードから前記所定情報の要求を受信する所定情報要求受信部と、
前記所定情報の要求に対する応答として、前記所定情報を前記ネットワークノードへ通知する所定情報通知部とを、
しており、
前記既存通信ノード及び前記新規通信ノードはマシン間コミュニケーションを行う通信ノードであり、前記所定情報は前記マシン間コミュニケーションを行う通信ノードとして動作するために必要な設定情報であることを特徴とする通信ノード。
【請求項17】
前記ネットワークとの接続を切断する前に、前記ネットワークへの次回の接続時刻を前記ネットワークノードへ通知する次回接続時刻通知部を有する請求項16に記載の通信ノード。
【請求項18】
高い優先度で通知すべき情報を有する場合に、通常割り当てられている前記ネットワークへのアクセス可能時間間隔の終了時刻を早めることでアクセス可能時間間隔を短縮し、短縮された前記アクセス可能時間間隔内に含まれる時刻を、前記ネットワークへの次回の接続時刻として設定する接続時刻決定部を有する請求項16に記載の通信ノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ノード間で自律的に情報のやり取りを行う通信ノード及びネットワークノードに関し、特に、MTC(Machine Type Communication)の技術を利用する通信ノード及びネットワークノードに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話のような豊富なユーザインタフェースを備えた端末を用いたユーザを主体とするコミュニケーション(H2H:Human to Human、H2M:Human to Machine)とは異なり、ユーザによる直接的な操作を必要とせず、単独で動作可能なデバイス(通信ノード、以下、MTCデバイス)を用いたコミュニケーションの形態として、マシン間コミュニケーション(Machine to MachineやMachine Type Communicationと呼ばれる。以下、M2Mと記載)が存在する。
【0003】
M2Mでは、末端に位置し必要な情報を適宜収集する1つ又は複数のデバイス(MTCデバイス)が動作し、各MTCデバイスが備えるセンシング機能(例えば、気温、震度、水量)によって検出・計測された情報(センシングデータ)がMTCデバイスを管理しているサーバ(MTCサーバ)に集約され、その情報を基に様々なサービスがユーザへ提供される。ユーザはMTCサーバを介して、MTCデバイスから通知された情報に基づくサービスの提供を受ける。
【0004】
MTCデバイスとMTCサーバとの間の通信経路を確立する手段として、電話回線やDSL(Digital Subscriber Line)回線や光回線などの有線網だけでなく、携帯電話網などの無線網を活用することができる。特に無線を用いた場合は、MTCデバイスの設置場所に関する制限がほぼなくなるため、広範囲にMTCデバイスを設置することが可能となり、非常に有効な通信手段であると言える。
【0005】
しかしながら、通常、携帯電話などで用いられる無線通信システムは携帯電話向けに最適化されたものであり、M2Mに特化したサービスを提供するMTCデバイスにとって、必ずしも最適なものとは言えない。例えば、携帯電話であれば、自分宛の音声通話の着信を受けるために定期的にネットワーク側からのページングをチェックする必要があるが、音声通話機能を持たないMTCデバイスであれば、常時ページングを受けられる状態である必要はないため、そのような動作は不要となる。また、MTCデバイスは設置場所が多岐に渡るうえに、ユーザとの接触が少ないため、電力が常に供給される状態に置かれる可能性は少ない。そのため、電池やバッテリーなどの限りがある電力を用いる必要があり、消費電力をできるだけ抑え、動作時間を長くすることが求められている。特に、通信に使用する無線インタフェースによって消費される電力は無視できないものであり、MTCデバイス向けに無線通信システムを最適化することは、無線通信を用いるMTCデバイスにとっては必要不可欠な課題である。なお、現在3GPPでは、携帯電話網をM2M向けに最適化するための議論が行われている(下記の非特許文献1、非特許文献2を参照)。
【0006】
さらに、設置規模が大きくなればなるほど、動作するMTCデバイスの数も膨大なものとなることが予想される。このため、大量のMTCデバイスが同時にネットワークへ接続し、データの送受信を開始した場合、無線ネットワーク及びコアネットワーク内で輻輳が発生してしまうことが予想される。そのため、できるだけアクセスが集中しないようにする仕組みも必要となる。
【0007】
このように、消費電力の削減を考えると、MTCデバイスが常時ネットワークへ接続し、MTCサーバとのコネクションを確保しておく状態は現実的ではなく、必要なときに必要な時間だけネットワークへ接続できるようにするのが適切である。そのための方法として、MTCデバイスがネットワークへアクセスする時間間隔(時間帯)をあらかじめ指定し、その時間間隔の中でアクセスするように制御する方法(Time Control)が考えられている。また、同じ時間間隔が複数のMTCデバイスに指定されている場合、複数のMTCデバイスが同時にネットワークへアクセスした場合に発生する輻輳を回避できるようにする必要もある。現在考えられている方法では、MTCデバイスは、ネットワーク又はMTCサーバからアクセスが許可される時間間隔の通知を受け、指定された時間内の任意のタイミングでネットワークへ接続する。アクセスするタイミングは、各デバイスによってランダムに決められるため、同じ時間間隔が複数のMTCデバイスに通知されている場合であっても、各デバイスがアクセスするタイミングを分散させ、アクセスが集中しないようにしている。この方法により、ネットワークは複数のMTCデバイス(例えば、同一グループに属しているMTCデバイス群)に対して共通の時間間隔を指定するだけで、そのMTCデバイス群がネットワークにアクセスする時間を制限することができ、さらに各MTCデバイスの判断でアクセスタイミングが決まるため、ネットワーク側の管理コストも削減することができる。
【0008】
ここで、あるMTCデバイスが、他のMTCデバイスが保持する情報(コンフィギュレーションデータ、すなわち、設定情報)を必要とする場合について述べる。例えば、ネットワークへ新たに接続したMTCデバイス(新規MTCデバイス)は、MTCデバイスとして動作するために必要な情報を取得する必要がある。そのために、まず新規MTCデバイスは、自身を管理しているMTCサーバへアクセスし、必要な設定情報を要求する。MTCサーバは、アクセスしてきたMTCデバイスの認証を行った後、新規MTCデバイスに対して必要な情報を通知する。これにより、新規MTCデバイスは、取得した情報に基づき、MTCデバイスとしての動作を開始する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】“3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; System Improvements for Machine-Type Communications”, 3GPP TR 23.888, V0.3.1, March 2010.
【非特許文献2】“3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Services and System Aspects; Service requirements for machine-type communications”, 3GPP TS 22.368, V1.1.1, November 2009.
【0010】
しかしながら、新規MTCデバイスが必要とする情報のうち、MTCサーバが保持していない情報がある場合、その情報は他のサーバやMTCデバイスから取得する必要がある。例えば、MTCサーバが保持している情報は静的な情報に限られていて、動的な情報は既に動作しているMTCデバイス(既存MTCデバイス)のみが保持していることも想定される。このような情報としては、MTCデバイスが独自に判断、学習した知識などが考えられる。また、静的な情報と言えども、MTCデバイスのみが保持している情報がある場合も想定される。このような場合、新規MTCデバイスは、必要とする情報のすべてをサーバから得ることができず、十分な動作ができないという問題がある。
【0011】
一方、管理下にあるすべてのMTCデバイスが保持している情報をすべて、MTCサーバに集約し、情報をリクエストするMTCデバイスに対して通知するという方法は現実的ではない。なぜなら、各MTCデバイスは常に情報をMTCサーバへ通知する必要があるため、ネットワークの帯域が消費され、MTCデバイスの消費電力が増してしまうからである。また、MTCデバイスが時間管理されている場合、MTCサーバへアクセスできる時間が限られており、決まった時間にしか通知できないため、新規MTCデバイスが接続した時点でサーバが保持している情報がもっとも新しい情報とは言えないという問題もある。
【発明の概要】
【0012】
上記の問題を解決するため、本発明は、通信ノードの消費電力を最小限に抑えながら、通信ノードが他の通信ノードで保持されている、より新しい所定情報(例えば、設定情報)を取得することを可能とする通信ノード及びネットワークノードを提供することを目的とする。
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明のネットワークノードは、ネットワークノードの管理下において、既にネットワークに接続されている既存通信ノードが存在しており、前記ネットワークに新たに接続する新規通信ノードが前記既存通信ノードの所定情報を取得する通信システムにおけるネットワークノードであって、
前記新規通信ノードから前記所定情報の要求を受けた場合、前記既存通信ノードが前記ネットワークに接続されているかどうかを確認する接続確認部と、
前記接続確認部において前記既存通信ノードが前記ネットワークに接続されていることが確認された場合、前記既存通信ノードに対して前記所定情報を要求し、前記既存通信ノードから前記所定情報を取得する第1所定情報取得部と、
前記第1所定情報取得部で取得した前記所定情報を前記新規通信ノードへ通知する第1所定情報通知部と、
前記接続確認部において前記既存通信ノードが前記ネットワークに接続されていないことが確認された場合、前記新規通信ノードにおいて次回の接続時刻を決定するための時間情報を前記新規通信ノードへ通知する時間情報通知部と、
前記時間情報通知部において前記新規通信ノードへ前記時間情報を通知した後に前記既存通信ノードによる前記ネットワークへの接続が確認できた場合、前記既存通信ノードに対して前記所定情報を要求し、前記既存通信ノードから前記所定情報を取得する第2所定情報取得部と、
前記第2所定情報取得部で取得した前記所定情報を保持する所定情報保持部と、
前記新規通信ノードによる前記時間情報に基づいた前記ネットワークへの接続が確認できた場合、前記所定情報保持部に保持されている前記所定情報を前記新規通信ノードへ通知する第2所定情報通知部とを、
しており、
前記既存通信ノード及び前記新規通信ノードはマシン間コミュニケーションを行う通信ノードであり、前記所定情報は前記マシン間コミュニケーションを行う通信ノードとして動作するために必要な設定情報であることを特徴とする。
この構成により、通信ノードの消費電力を最小限に抑えながら、通信ノードが他の通信ノードで保持されている、より新しい所定情報(例えば、設定情報)を取得することが可能となる。
【0014】
また、上記の目的を達成するため、本発明の通信ノードは、ネットワークノードの管理下において、既にネットワークに接続されている既存通信ノードが存在しており、前記ネットワークに新たに接続する新規通信ノードが前記既存通信ノードの所定情報を取得する通信システムにおいて、前記新規通信ノードとして動作する通信ノードであって、
前記所定情報の要求を前記ネットワークノードへ送信する第1所定情報要求部と、
前記第1所定情報要求部による前記所定情報の要求に対する応答として、前記ネットワークノードから前記所定情報を受信する第1所定情報取得部と、
前記第1所定情報要求部による前記所定情報の要求に対する応答として、前記新規通信ノードによる次回の接続時刻を決定するための時間情報を受信する時間情報受信部と、
前記時間情報から前記新規通信ノードによる前記ネットワークへの次回の接続時刻を決定する接続時刻決定部と、
前記接続時刻決定部で決定された前記接続時刻に前記ネットワークへ接続し、前記所定情報の要求を前記ネットワークノードへ送信する第2所定情報要求部と、
前記第2所定情報要求部による前記所定情報の要求に対する応答として、前記ネットワークノードから前記所定情報を受信する第2所定情報取得部とを、
しており、
前記既存通信ノード及び前記新規通信ノードはマシン間コミュニケーションを行う通信ノードであり、前記所定情報は前記マシン間コミュニケーションを行う通信ノードとして動作するために必要な設定情報であることを特徴とする。
この構成により、通信ノードの消費電力を最小限に抑えながら、通信ノードが他の通信ノードで保持されている、より新しい所定情報(例えば、設定情報)を取得することが可能となる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明の通信ノードは、ネットワークノードの管理下において、既にネットワークに接続されている既存通信ノードが存在しており、新たに接続を行う新規通信ノードが前記既存通信ノードの所定情報を取得する通信システムにおいて、前記既存通信ノードとして動作する通信ノードであって、
前記ネットワークへ接続している際に、前記ネットワークノードから前記所定情報の要求を受信する所定情報要求受信部と、
前記所定情報の要求に対する応答として、前記所定情報を前記ネットワークノードへ通知する所定情報通知部とを、
しており、
前記既存通信ノード及び前記新規通信ノードはマシン間コミュニケーションを行う通信ノードであり、前記所定情報は前記マシン間コミュニケーションを行う通信ノードとして動作するために必要な設定情報であることを特徴とする。
この構成により、通信ノードの消費電力を最小限に抑えながら、通信ノードが他の通信ノードで保持されている、より新しい所定情報(例えば、設定情報)を取得することが可能となる。
【0016】
本発明は、上記の構成を有しており、通信ノードの消費電力を最小限に抑えながら、通信ノードが他の通信ノードで保持されている、より新しい所定情報(例えば、設定情報)を取得できるようにするという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成の一例を示す図
図2】本発明の第1の実施の形態において、新規MTCデバイスがネットワークへ接続した際の処理の一例を示すシーケンスチャート
図3】本発明の第1の実施の形態における新規MTCデバイスの構成の一例を示すブロック図
図4】本発明の第1の実施の形態において、新規MTCデバイスがネットワークへ接続した後に行う処理の一例を示すフローチャート
図5】本発明の第1の実施の形態におけるMTCデバイスのアクセス時間間隔の一例を模式的に示す図
図6】本発明の第1の実施の形態におけるMMEの構成の一例を示すブロック図
図7】本発明の第1の実施の形態におけるMTCサーバの構成の一例を示すブロック図
図8】本発明の第1の実施の形態における既存MTCデバイスの構成の一例を示すブロック図
図9】本発明の第1の実施の形態において、既存MTCデバイス接続時刻を通知することが可能なメッセージの一例を示す図
図10】本発明の第2の実施の形態において、新規MTCデバイス100がネットワークへ接続した際の処理の一例を示すシーケンスチャート
図11】本発明の第2の実施の形態において、新規MTCデバイスがネットワークへ接続した後に行う処理の一例を示すフローチャート
図12】本発明の第2の実施の形態におけるMMEの構成の一例を示すブロック図
図13】本発明の第3の実施の形態において、MMEが新規MTCデバイス及び既存MTCデバイスに対して指定する時間間隔の一例を模式的に示す図
図14】本発明の第3の実施の形態において、新規MTCデバイスがネットワークへ接続した際の処理の一例を示すシーケンスチャート
図15】本発明の第3の実施の形態において、新規MTCデバイスがネットワークへ接続した後に行う処理の一例を示すフローチャート
図16】本発明の第3の実施の形態におけるMMEの構成の一例を示すブロック図
図17】本発明の第3の実施の形態におけるMTCデバイスのアクセス時間間隔の一例を模式的に示す図
図18】本発明の第4の実施の形態における既存MTCデバイスの構成の一例を示すブロック図
図19】本発明の第4の実施の形態におけるMTCデバイスのアクセス時間間隔の一例を模式的に示す図
図20】本発明の第4の実施の形態におけるMTCデバイスのアクセス時間間隔の一例を模式的に示す図
図21】本発明の第4の実施の形態におけるMTCデバイスのアクセス時間間隔の一例を模式的に示す図
図22】本発明の第4の実施の形態において、既存MTCデバイスがネットワークへ接続する前に行う処理の一例を示すフローチャート
図23】本発明の第4の実施の形態において、既存MTCデバイスがネットワークへ接続する前に行う処理の一例を示すフローチャート
図24】本発明の第4の実施の形態において、既存MTCデバイスが保持する優先通知情報リストの一例を示す図
図25】本発明の第4の実施の形態において、既存MTCデバイスが保持する優先通知情報リストの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の第1〜第4の実施の形態について説明する。本発明は、新規MTCデバイス(初めてネットワークへ接続するMTCデバイス)が設定情報を要求した場合に、接続状態の既存MTCデバイス(既に動作しており、ネットワークへの接続を既に行ったことがあるMTCデバイス)から設定情報を取得して新規デバイスに渡すように構成されており、さらに、既存MTCデバイスが接続状態にない場合(設定情報を即座に渡すことができない場合)に、新規MTCデバイスの次回接続時刻を決定するための時間情報を新規MTCデバイスに渡し、新規MTCデバイスがこの時間情報に基づいて再度接続した際に、既存MTCデバイスに保持されている設定情報を新規デバイスに渡すように構成されている。本発明の第1の実施の形態では、既存MTCデバイスが接続状態にない場合に、新規MTCデバイスの次回接続時刻を決定するための時間情報として、既存MTCデバイスが次回接続する時刻(既存MTCデバイス接続時刻)を渡し、本発明の第2の実施の形態では、既存MTCデバイスが接続状態にない場合に、新規MTCデバイスの次回接続時刻を決定するための時間情報として、新規MTCデバイスの次回接続時刻を渡し、本発明の第3の実施の形態では、既存MTCデバイスが接続状態にない場合に、新規MTCデバイスの次回接続時刻を決定するための時間情報として、新規MTCデバイスの次回接続時間間隔(次回接続時間帯)を渡す場合について説明する。また、本発明の第4の実施の形態では、既存MTCデバイスが、他のMTCデバイス(新規MTCデバイスや既存MTCデバイス)やMTCサーバへ通知する情報をより早く届けるために、次回の接続時刻を早く設定し、情報の送信を行う場合について説明する。なお、本発明の第1〜第4の実施の形態において、情報を必要とするMTCデバイスを新規MTCデバイスと称し、情報を保持するMTCデバイスを既存MTCデバイスと称しているが、当然のことながら、情報を必要とするエンティティは、新たにネットワークに接続するMTCデバイスに限らず、既に接続しているMTCデバイスであっても他のMTCデバイスが保持する情報を必要とする場合も存在する。さらには、情報を必要とするエンティティとしてMTCサーバが存在することは言うまでもない。また、情報を保持しているエンティティも、既に接続しているMTCデバイスに限らず、新たにネットワークへ接続したMTCデバイスであってもよい。なお、以下では、MTCデバイスが通知及び取得する情報を設定情報と記載しているが、取得する側、又は提供する側のMTCデバイスにとって有用な情報であればどのような情報でも構わない。例えば、情報を提供する側のMTCデバイス上で動作しているセンサーやアプリケーション等が収集した情報や動作・行動履歴、さらには情報を提供する側のMTCデバイスが他のMTCデバイスやサーバ等から取得した情報などが考えられる。具体的には、車両に搭載されるカーナビゲーションやPND(Portable Navigation Device)、ドライバー又は歩行者が保持するGPS搭載携帯端末(携帯電話、スマートフォン)が検出・蓄積した情報(ユーザの過去・未来の移動経路情報や行動パターン、検出情報、生体情報など)がある。また、以下では、情報を必要とする側を新規MTCデバイス、情報を提供する側を既存MTCデバイスとし、新規MTCデバイスが情報要求メッセージを送信するケースを用いて説明しているが、新規デバイスが既存MTCデバイスへ情報を通知するために、既存MTCデバイスに対してメッセージ(情報通知メッセージ)を送信するケースにおいても本発明の第1〜第4の実施の形態で説明する各種手段、機能を用いることができる。
【0019】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成の一例を示す図である。図1において、複数のMTCデバイスが既に動作しており、新たにネットワークへ接続するMTCデバイスが存在する場合について考える。なお、本明細書では、既に動作しており、ネットワーク200への接続を既に行ったことがあるMTCデバイスを、既存MTCデバイス110と表記し、初めてネットワークへ接続するMTCデバイスを、新規MTCデバイス100と表記する。
【0021】
これらのMTCデバイス(新規MTCデバイス100及び既存MTCデバイス110)は、無線アクセスモジュールとして、3GPPインタフェースを備えており、例えばeNB210を介してネットワーク(例えば、3GPPネットワーク)200へ接続することができる。ネットワーク200には、MME(Mobility Management Entity)220やSGW(Serving Gateway)230、PGW(Packet Data Network Gateway)240が存在し、MTCデバイスの接続状態の管理や、MTCサーバ300へアクセスするために必要なコネクションの確立・管理などを行う。また、これらのMTCデバイスを管理するMTCサーバ300が存在し、MTCデバイスから通知された様々な情報を基に、MTCユーザ400へサービスを提供する。なお、MTCデバイスの無線アクセスモジュールとしては、WiMAXやWLANなどの他の無線システムを用いてもよく、3GPPインタフェースに限定されない。また、図1に示されているコアネットワーク200内のエンティティは、無線アクセスシステムとして3GPPのLTE/SAE(Long Term Evolution/System Architecture Evolution)を用いた場合の機能ブロックを表しているが、使用する無線アクセスシステムに応じて、同様の機能を保持する適切なエンティティ名に置き換えられる。例えば、3GPPのUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)を用いた場合は、eNB210はRNC/BSC(Radio Network Controller/Base Station Controller)、MME220はSGSN(Serving GPRS Support Node)、P−GW240はGGSN(Gateway GPRS Support Node)に置き換えられる。また、MTCサーバ300は、3GPPコアネットワーク200内に配置されていてもよい。
【0022】
また、図2は、本発明の第1の実施の形態において、新規MTCデバイス100がネットワークへ接続した際の処理の一例を示すシーケンスチャートである。図2において、新規MTCデバイス100はネットワーク200へ接続後、MTCサーバ300へ設定情報を要求するメッセージを送信する(ステップS1001)。その要求メッセージを受けたMTCサーバ300は、既存MTCデバイス110から設定情報を取得するよう指示する情報を含む応答を返す(ステップS1002)。なお、MTCサーバ300が保持している新規MTCデバイス100へ通知するべき設定情報がある場合には、ステップS1002の応答に係るメッセージにそれらの設定情報も含めて返す。例えば、MTCサーバ300は、既存MTCデバイス110の動作によって更新されることのない静的な設定情報を、ステップS1002の応答に係るメッセージに含めて返すことが可能である。
【0023】
次に、応答を受けた新規MTCデバイス100は、MTCサーバからの指示を受け、MME220に対して、既存MTCデバイス110が保持している設定情報を要求する(ステップS1003)。
【0024】
要求を受けたMME220は、設定情報を保持している既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続しているか否かを確認し、接続している場合はその既存MTCデバイス110へ問い合わせ、設定情報を取得する。
【0025】
なお、MME220が受信する設定情報要求(ステップS1003)は、新規MTCデバイス100がMME220に対して直接送るメッセージではなく、新規MTCデバイス100から既存MTCデバイス110宛てに送られた情報要求メッセージ(データパケット)を受信したS−GW230が送信するDDN(DownLink Data Notification)であってもよい。S−GW230は、受信したメッセージの宛先である既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続していない場合に、MME220に対してDDNを送信する。また、MME220が受信する設定情報要求(ステップS1003)は、新規MTCデバイス100がネットワーク200に接続する際に送信するアタッチリクエスト(Attach Request)でもよい。この場合、新規MTCデバイス100は、送信するアタッチリクエストメッセージの中に、情報の要求先である既存MTCデバイス110の識別情報を含める。また、MME220が、新規MTCデバイス100の通信相手が既存MTCデバイス110であることを既に認識することができる場合は、新規MTCデバイス100はアタッチリクエストメッセージの中に既存MTCデバイス110の識別情報を含める必要はない。MME220が、新規MTCデバイス100の通信相手を認識する方法としては、アタッチリクエストを受信した際にMTCサーバ300にメッセージを送信して新規MTCデバイス100の通信相手を問い合わせる方法や、予めMTCサーバ300から新規MTCデバイス100の通信相手の識別情報を含むメッセージを受信してもよい。
【0026】
なお、既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続している場合には、MME220と既存MTCデバイス110との間で、後述のステップS1013における設定情報要求、及び、ステップS1014における応答と同一の処理が行われる。
【0027】
そして、後述のステップS1005における応答に、既存MTCデバイス110の設定情報を含ませることによって、新規MTCデバイス100は、既存MTCデバイス110の設定情報を取得することが可能となる。また、新規MTCデバイス100が既存MTCデバイス110宛てに情報要求メッセージを送信する方法を用いる場合、既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続している場合には、S−GW230は、既存MTCデバイス110宛てにメッセージを転送する。そのため、既存MTCデバイス110はメッセージを受信し、新規MTCデバイス100宛てに応答メッセージを返す。
【0028】
一方、既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続していない場合は、MME220は、設定情報を保持している既存MTCデバイス110が次にネットワーク200へ接続する時刻(既存MTCデバイス接続時刻)を新規MTCデバイス100に対して通知する(ステップS1005)。
【0029】
ここで、ステップS1004が、S−GW230から受信したDDNによってトリガされる場合について説明する。S−GW230は、新規MTCデバイス100が送信した既存MTCデバイス110宛てのメッセージを受信した際に、メッセージの宛先である既存MTCデバイス110がネットワークに接続していない(アイドル状態、又はデタッチ状態)場合、MME220に対してDDN(DownLink Data Notification)を送信する。それを受けたMME220が、既存MTCデバイス110が接続しないこと、あるいは接続できないことを認識した場合、新規MTCデバイス100に対して、既存MTCデバイス110の接続時刻を通知する(ステップS1005)。
【0030】
例えば、MME220は、S−GW230から受信したDDNに応じて既存MTCデバイス110宛てにページングを送信し、そのページングに対して既存MTCデバイス110から応答が返らなかった場合に、新規MTCデバイス100に対して時間情報を通知すると判断することができる。また、受信したDDNに含まれているARP(Allocation and Retention Priority)の値がある閾値よりも低い場合に、既存MTCデバイス110へページングを送信せずに、新規MTCデバイス100に対して時間情報を通知すると判断してもよい。この場合、既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続することが可能(ページングの受信が可能)な時間帯であったとしても、ARPが低い場合にはページングを送信しないと判断してもよい。これにより、優先度が低いメッセージによるトラフィックを減らすことができる。
【0031】
一方、ARPの値が高い場合は、既存MTCデバイス110へページングを送信すると判断する。さらには、既存MTCデバイス110宛てのDDNを受信したタイミングが、既存MTCデバイス110の接続可能時間間隔の範囲外である場合に、新規MTCデバイス100に対して時間情報を通知すると判断してもよい。この場合、MME220は、既存MTCデバイス110のアクセス可能な時間間隔を保持している。さらには、MME220が輻輳状態にある場合、既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続できないため、MME220は、新規MTCデバイス100に対して時間情報を通知すると判断してもよい。
【0032】
S−GW230は、DDNの中に、送信元である新規MTCデバイス100の識別情報を含めることで、MME220は時間情報の通知先である新規MTCデバイス100の識別情報を取得することができる。MMEが新規MTCデバイス100に対して時間情報を通知する際、DDNに対して応答(DDN Acknowledge、DDN Failure Indication)を返してもよい。
【0033】
MME220が新規MTCデバイス100に対して時間情報を通知する方法としては、MME220は、時間情報をデタッチリクエストメッセージに含めて新規MTCデバイス100に送信してもよい。また、MME220は、新規MTCデバイス100が送信したアタッチリクエストを受けた際に、通信相手が既存MTCデバイス110であることを特定できる場合は、そのアッタチリクエストを拒絶するためのアッタチリジェクト(Attach Reject)メッセージの中に時間情報を含めて新規MTCデバイス100へ送信してもよい。また、新規MTCデバイス100が、アタッチリクエストの中にプライオリティを示す値(自身のプライオリティ、通信相手のプライオリティ、これから送信しようとしているメッセージのプライオリティ)を含めることで、MME220は、プライオリティが低いことを示す値が受信したアタッチリクエストに含まれている場合に、時間情報を含むアタッチリジェクトを新規MTCデバイス100へ送信すると判断してもよい。これにより、優先度が低いメッセージによるトラフィックを減らすことができ、新規MTCデバイス100に対しては、既存MTCデバイス110へメッセージを送信することができるタイミングで再接続することを可能とする。
【0034】
なお、MME220が時間情報通知する際に用いるメッセージは、時間情報を含めることができるメッセージであれば何でもよい。例えば、ESM information request 、Identification RequestなどのNASメッセージや、基地局からMTCデバイスへ送信されるRRCメッセージ、MTCデバイスに対して通知される報知情報(MIB:Master Information Block、SIB:System Information Block)の中に時間情報を含めてもよい。報知情報を用いた場合、新規MTCデバイスは、報知情報に含まれる時間情報に基づいて決定した時間にネットワーク200へ接続し、既存MTCデバイス110宛てに情報要求メッセージを送信する。
【0035】
また、MME220は、MTCサーバ300に対して、新規MTCデバイス100に通知するべき時間情報を通知し、MTCサーバ300が新規MTCデバイス100に対して時間情報を通知するメッセージを送信してもよい。MTCサーバ300は、そのメッセージの中に、新規MTCデバイス100に対して一旦ネットワーク200から切断するよう指示する情報(デタッチリクエストメッセージに相当)を含めてもよい。MME220から受信したデタッチリクエストの中に含まれる時間情報を取得した新規MTCデバイス100は、いったんネットワーク200から切断し、時間情報を基に算出したタイミングに再接続する。また、MME220は、デタッチリクエスト以外の任意のメッセージを用いて時間情報を通知してもよい。例えば、新規MTCデバイス100が確立しているPDNコネクションやベアラをリリースするためのメッセージに時間情報を含めてS−GW230に対して送信してもよい。この場合、時間情報はS−GW230を介して新規MTCデバイス100まで届けられる。
【0036】
この場合、新規MTCデバイス100は、既存MTCデバイス110に対する問い合わせは一旦停止(サスペンド)するが、他のMTCデバイスやMTCサーバとの通信や処理を継続して行うことができる。新規MTCデバイス100は、受信した時間情報から算出した再接続が可能な時間が現在時間に近い場合(ある一定時間内である場合)は、ネットワーク200から切断せずに接続を維持すると判断し、一方、次回接続時間が現在時間に近くない場合(ある一定時間よりも後である場合)は、ネットワーク200から一旦切断すると判断してもよい。また、この判断はMME220によって行われてもよい。つまり、既存MTCデバイス110の接続時刻がある一定時間よりも後である場合は、MME220は、新規MTCデバイス100をいったん切断させるために、デタッチリクエスト又はアッタチリジェクトを用いて時間情報を通知すると判断する。一方、既存MTCデバイス110の接続時刻がある一定時間内である場合は、MME220は、デタッチリクエスト以外のメッセージ(例えば、アッタチアクセプトメッセージ)を用いて時間情報を通知すると判断する。なお、既存MTCデバイス110の接続時刻がある一定時間内である場合は、新規MTCデバイス100に対して時間情報を通知する代わりに、新規MTCデバイス100に対してネットワーク200への接続を維持したまま待機するよう指示してもよい。あるいは、既存MTCデバイス110に対して情報要求メッセージを投げた新規MTCデバイス100は、応答メッセージを受けるためにある一定時間待機するよう予め設定されていてもよい。この場合、MME220は、現在時刻が既存MTCデバイス110のアクセス可能時間となった後に再度ページングを送信し、そのページングに対する応答を既存MTCデバイス110から受信した場合に、S−GW230へDDNに対する応答を返す。その結果、新規MTCデバイス100は、既存MTCデバイス110からの応答メッセージを受信することができる。
【0037】
既存MTCデバイス110の時間情報に関する通知を受けた新規MTCデバイス100は、通知された既存MTCデバイス接続時刻よりも後の時刻を、次の接続時刻(次回接続時刻)として決定し(ステップS1006)、接続をいったん切断する(ステップS1007)。なお、ステップS1006は、必ずしも切断前に行う必要はなく、既存MTCデバイス接続時刻よりも前であればいつでもよい。また、MME220は、新規MTCデバイス100へ通知する時間情報として、既存MTCデバイス110の接続時刻の値そのものを通知する代わりに、既存MTCデバイス接続時刻あるいは既存MTCデバイスのアクセス可能な時間間隔の開始時刻までの時間長(Duration)を通知してもよい。つまり、MME220は、自身が保持している既存MTCデバイス110のアクセス可能な時間間隔を参照し、現在時刻からその時間間隔の開始時刻までの時間長を用いる。
【0038】
この場合、新規MTCデバイス100は、時間長を含むメッセージを受信したときから再接続するまでに待機するべき時間間隔(Back-off Timer)としてこの時間長を利用する。つまり、新規MTCデバイス100は、この時間長を受信したときにタイマーをスタートし、その時間長に示されている時間が経過したらネットワーク200へ再び接続し、既存MTCデバイス110に対する情報要求メッセージを送信する。
【0039】
MME220は、既存MTCデバイス接続時刻を新規MTCデバイス100に通知するとともに、設定情報の要求対象である既存MTCデバイス110が次回接続してきた際に、その既存MTCデバイス110から設定情報を取得する必要があることを記憶する。なお、新規MTCデバイス100が再接続した際に、既存MTCデバイス110宛てに情報要求メッセージを送信する場合は、MME220は、必ずしも既存MTCデバイス110から情報を取得する必要があることを記憶する必要はない。ただし、後述するように、MME220が既存MTCデバイス110に対して、新規MTCデバイス100からの情報要求メッセージを受信するまで接続を維持するよう指示する場合は記憶するべきである。
【0040】
新規MTCデバイス100に通知される時間情報は、新規MTCデバイス100がネットワーク200にアクセス可能な時間間隔(上記の既存MTCデバイス接続時刻が示す開始時刻と共に終了時刻(又は開始時刻と時間長(Duration))を含む時間間隔)であってもよい。この場合、新規MTCデバイス100は、その時間間隔の開始直後、又は時間間隔内にネットワーク200へ接続した場合は、既存MTCデバイス110へ要求メッセージを送信することで直接情報を取得することができ、終了時刻が経過した後にネットワーク200へ接続した場合は、MME220から情報を取得することができると判断できる。
【0041】
その後、既存MTCデバイス110は、次回接続時刻になると、ネットワーク200への接続を行う(ステップS1011)。この接続は、例えば、既存MTCデバイス110において検出されたセンシングデータをMTCサーバ300へ送信することや、MTCサーバや他のMTCデバイスからのメッセージを受信することを目的として行われる。ここで、既存MTCデバイス110が、MME220に対して接続要求(Attach Request)を送信すると、この接続要求に基づいて、MME220は、この既存MTCデバイス110が設定情報の要求対象であることを特定し、既存MTCデバイス110に対して、設定情報を要求する(ステップS1013)。この要求を受けた既存MTCデバイス110は、設定情報を含む応答をMME220へ送信し(ステップS1014)、MME220は、この応答に含まれる設定情報を保持する(ステップS1015)。
【0042】
なお、後述するように、新規MTCデバイス100が再接続した際に、既存MTCデバイス110宛てに情報要求メッセージを送信する場合は、MME220は、既存MTCデバイス110に対して情報要求メッセージ(ステップS1013)を送信する必要はない。
【0043】
また、新規MTCデバイス100は、ステップS1006で決めた次回接続時刻にネットワーク200へ接続し(ステップS1021)、MME220へ設定情報の要求を再度送信する(ステップS1022)。MME220は、この設定情報の要求に対して、ステップS1015で保持した設定情報を読み出し、この設定情報を応答に含ませて新規MTCデバイス100へ送信する(ステップS1023)。これにより、新規MTCデバイス100は、MME220から設定情報を取得することが可能となる。なお、新規MTCデバイス100が他のMTCデバイスへ直接アクセスできる場合は、新規MTCデバイス100は、ステップS1022において情報要求を直接既存MTCデバイス110へ送信してもよい。この場合、MME220は、既存MTCデバイス110に対して情報要求(ステップS1013)を送信する必要がなくなる。
【0044】
この場合、既存MTCデバイス110は、MTCサーバ300への情報通知が終わった後であっても、新規MTCデバイス100からの要求メッセージを受けるためにネットワーク200に接続している必要がある。このため、MME220は、既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続した際に(ステップS1011)、新規MTCデバイス100からの要求メッセージを受けるまでネットワークに接続し続けることを指示してもよい。この指示の通知は、新規MTCデバイス100がネットワーク200へ接続した際に送信した接続要求(Attach RequestやPDN Connectivity Request)(ステップS1012)に対する応答メッセージ(RRC Connection Reconfiguration)に含まれていてもよい。また、新規MTCデバイス100からの情報要求(ステップS1001)の受信によって、既存MTCデバイス110との通信を要求している新規MTCデバイス100が存在することを認識しているMTCサーバ300が、既存MTCデバイス110に対して送信するメッセージを用いて通知してもよい。この指示を通知する代わりに、既存MTCデバイス110が、アクセス可能な時間間隔の間はネットワークへの接続を維持するように設定されていてもよい。
【0045】
また、既存MTCデバイス110は、MME220から送信されるページングの受信待ち状態に遷移することで、ネットワーク200への接続を維持しなくてもよいし、また、次回接続時刻になったとしてもネットワーク200へ接続しなくてもよい。この場合、MME220は、S−GW230から既存MTCデバイス110宛てのDDNを受信した際に、既存MTCデバイス110に対してページングを送信する。そして、既存MTCデバイス110は、ページングに応答し、新規MTCデバイス100からの情報要求メッセージを受信し、応答メッセージを新規MTCデバイス100へ送信する。
【0046】
なお、ステップS1004において、MME220が設定情報の要求対象として問い合わせをする既存MTCデバイス110を特定する方法として、MME220が保持しているMTCデバイス情報の中に問い合わせるべき既存MTCデバイス110が明示的に指定されていてもよい。また、既存MTCデバイス110の中から1つ又は複数のデバイスを任意に選択してもよい。その場合、新規MTCデバイス100と同一のグループに属する既存MTCデバイス110から選択されることが望ましい。これにより、共通のサービスを提供するデバイス群や、共通の機能を持ったデバイス群の中から有効な情報を得ることができる。また、例えば、既存MTCデバイス110の中で、新規MTCデバイス100と同じエリア(トラッキングエリア)内に存在する既存MTCデバイス110や、最も地理的に近い位置に存在するデバイス(例えば、同じ基地局に接続する既存MTCデバイス110)を選択する方法などがある。この場合、新規MTCデバイス100は、自身の現在地情報(GPSによる位置情報)や、欲しい情報が存在する場所、又は情報を通知するべき場所の位置情報をMME220に通知し、MME220は、通知された位置情報に近い場所に存在する既存MTCデバイス110を選択する。これにより、新規MTCデバイス100が位置する環境に合った設定情報を得ることができる。
【0047】
また、既存MTCデバイス110の中で、早くからネットワーク200へ接続していた既存MTCデバイス110を選択する方法や、これまでの動作結果や通知された情報の精度などに基づき、最適な既存MTCデバイス110を選択する方法などを利用してもよい。この場合、長時間の動作(経験・計測)によって得られたデータに基づく設定情報を得ることができる。また、設定情報の取得先として、複数の既存MTCデバイスを選択しておくことで、情報の正確性を高めることができ、取得に失敗してしまった場合のリカバリーを図ることができる。
【0048】
また、ステップS1002において、MTCサーバ300が、各MTCデバイスの情報を管理するサーバとして機能し、設定情報を保持している既存MTCデバイス110を示す識別情報を新規MTCデバイス100へ通知してもよい。新規MTCデバイス100が問い合わせるべき既存MTCデバイス110の識別情報を通知するサーバは、MTCサーバ300とは別に存在する情報管理サーバであってもよい。MTCサーバ300が既存MTCデバイス110を特定する方法は、先に述べたように、MME220がステップS1004において既存MTCデバイス110を特定するために行う方法と同様の方法を用いることができる。例えば、新規MTCデバイス100は、MTCサーバ300(又は情報管理サーバ)へ、位置情報を含むメッセージを送信する。すると、MTCサーバは、通知された位置情報に近い位置に存在するMTCデバイスを検索する。検索によって特定された既存MTCデバイス110の識別情報を新規MTCデバイス100へ返す。なお、検索によって特定される既存MTCデバイス110は1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0049】
既存MTCデバイス110の識別情報の通知を受けた新規MTCデバイス100は、MME220へ設定情報を要求する場合(ステップS1003の設定情報要求の際)には、設定情報の取得先となる既存MTCデバイス110の識別情報を通知することで、MME220は、問い合わせ先となる既存MTCデバイス110を一意に特定することができる。なお、既存MTCデバイス100の識別情報を取得した新規MTCデバイス100は、ステップS1003における情報要求メッセージを既存MTCデバイス110へ直接送信してもよい。この場合、上述したように、既存MTCデバイス110が基地局に接続していない(RRCコネクションを確立していない)場合は、S−GW230がMME220に対してDDNを送信し、それを受けたMME220は、新規MTCデバイス100に対して、次回の接続時間を決定するために用いられる時間情報を通知する。
【0050】
また、既存MTCデバイス110を示す識別情報は、MTCサーバ300及び情報管理サーバから通知を受ける方法に限らず、任意の方法で取得してよい。例えば、新規MTCデバイス100は、情報の要求先である既存MTCデバイス110の識別情報を既に保持している場合は、ステップS1001において、MTCサーバ300へ問い合わせる必要はない。例えば、新規MTCデバイス110が近隣の他のMTCデバイスとローカル通信を介して接続し、既存MTCデバイス110の識別情報を取得してもよい。他のMTCデバイスと接続する方法としては、マクロ基地局、小型基地局(フェムト基地局)を介した通信や、UWB、WiMAX、WLAN(IEEE802.11a/b/g/n/p)やBluetoothなどの通信技術を用いることができる。
【0051】
なお、各種メッセージの送信に用いられる識別情報は、IPアドレスやMTCデバイスに割り当てられたID、複数のMTCデバイスによって構成されるグループのID、MSISDN(Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Number)、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、FQDN、SIPアドレス、NAI(Network Access Identifier)、端末の各種情報を組み合わせて作られた新規IDなど、MTCデバイスを特定することができる識別子であれば特に限定されない。
【0052】
なお、不図示ではあるが、既存MTCデバイス110には、アクセス可能な時間間隔があらかじめ既存MTCデバイスの中にサブスクリプション情報として登録されているか、又はMME220又はMTCサーバ300から既に通知されており、既存MTCデバイス110はその時間間隔内の任意の時間を、次回の接続時刻として設定している。アクセス可能な時間間隔がネットワーク200から通知される場合は、OAM(Operations, Administration and Maintenance)用のプロトコル(例えば、OMA DMや(U)SIM OTA)などを用いて通知されてもよい。また、MTCサーバ300から通知される場合は、MTCサーバ300とMTCデバイス間でやり取りされるメッセージに含まれていてもよい。例えば、各既存MTCデバイス110が連続して同一時刻にアクセスするように設定されている場合には、MME220が、各既存MTCデバイス110の接続時刻(すなわち、既存MTCデバイス接続時刻)を保持することが可能である。一方、各既存MTCデバイス110が、アクセス可能な時間間隔の中から毎回ランダムな時刻を接続時刻として選択するような場合には、例えば、ステップS1012などの既存MTCデバイス110からMME220への情報通知の際に、次回接続時刻を通知することで、MME220は、既存MTCデバイス110の次回接続時刻を把握することが可能となる。なお、既存MTCデバイス110は、MTCサーバ300に対して次回接続時刻を通知し、さらにMTCサーバ300がMME220へ通知してもよい。また、アクセス可能な時間間隔の代わりに、次回接続時刻をMME220又はMTCサーバ300が既存MTCデバイス110に対して通知してもよい。また、上述したように、MME220が新規MTCデバイス100に対して、既存MTCデバイス110のアクセス可能な時間間隔の開始時刻までの待ち時間を通知する場合は、既存MTCデバイス110は、次回接続時刻をMME220へ通知する必要はない。ただし、この場合は、既存MTCデバイス110は、アクセス可能な時間間隔の開始時刻になったら、ネットワーク200に接続するか、又は自分宛のページングが存在するか否かを確認する状態になる必要がある。
【0053】
また、新規MTCデバイス100も、アクセス可能な時間間隔があらかじめサブスクリプション情報として登録されているか、ネットワーク200へ接続した際に、アクセス可能な時間間隔又は次回接続時刻がMME220又はMTCサーバ300から通知されてもよい。MME220から通知される場合は、ステップS1005の応答メッセージの中に含まれていてもよい。また、MTCサーバ300から通知される場合は、ステップS1002の応答メッセージの中に含まれていてもよい。
【0054】
また、図3は、本発明の第1の実施の形態における新規MTCデバイス100の構成の一例を示すブロック図である。図3に図示されている新規MTCデバイス100は、インタフェース101、設定情報取得部102、接続時刻決定部103、情報保持部104、ネットワーク接続部105を有している。
【0055】
インタフェース101は、新規MTCデバイス100のインタフェースに直接関連する下位レイヤプロトコルモジュールを含んでいる。この下位レイヤプロトコルモジュールには、信号変調、エンコード圧縮、メディアアクセス制御、リンクレイヤ制御などのメカニズムを始めとする基本的なデータ通信に必要な機能、及び、物理層及びデータリンク層全体の機能が実装されている。
【0056】
また、設定情報取得部102は、ネットワーク200へ接続した際に、MTCサーバ300及びMME220に対して、必要な設定情報を要求するメッセージを送信する機能を有している。MTCサーバ300に対して情報を要求した場合、既存MTCデバイス110から設定情報を取得することを指示する情報を含む応答メッセージをMTCサーバ300から受信する。一方、MME220に対して設定情報を要求した場合、新規MTCデバイス100が次回ネットワークへ接続する時刻を決める際に使用する接続時刻情報(既存MTCデバイス接続時刻)を取得するか(MME220が設定情報を即座に取得できない場合)、又は、要求した設定情報を取得する(MME220が設定情報を既存MTCデバイス110から取得できるか、あるいは、保持している場合)。なお、MTCサーバ300から、問い合わせるべき既存MTCデバイス110の識別情報が通知された場合には、MME220に対して設定情報を要求する際にその識別情報を通知する。
【0057】
また、接続時刻決定部103は、新規MTCデバイス100が次回ネットワークへ接続する時刻(次回接続時刻)を決定する機能を有している。MME220から既存MTCデバイス接続時刻を取得した場合は、その既存MTCデバイス接続時刻よりも後の時刻に、次回接続時刻を設定する。さらに、ネットワーク200にアクセスできる時間間隔が指定されている場合は、その時間間隔内であり、かつ、既存MTCデバイス接続時刻よりも後の時刻に、次回接続時刻を設定する。また、再接続するまでの待ち時間(Back-off Timer)が指定されている場合は、その時間を含むメッセージを受信したときにタイマーをスタートさせ、受信した待ち時間が経過した後に再接続するようネットワーク接続部105へ指示する。
【0058】
また、情報保持部104は、既存MTCデバイス接続時刻やネットワーク200へアクセスできる時間間隔などのMTCサーバ300及びMME220から取得した情報や、接続時刻決定部103によって決定された次回接続時刻などを保持する機能を有している。
【0059】
また、ネットワーク接続部105は、インタフェース101を用いて新たにネットワーク200に接続するための処理や、接続時刻決定部103によって決められた次回接続時刻にネットワーク200へ接続する際に行う接続処理を実行する機能を有している。
【0060】
また、図4は、本発明の第1の実施の形態において、新規MTCデバイス100がネットワーク200へ接続した後に行う処理の一例を示すフローチャートである。図4において、設定情報取得部102は、新規MTCデバイス100がネットワーク200へ接続したことを検知すると(ステップS1101)、MME220に対して設定情報を要求するメッセージを送信する(ステップS1102)。なお、不図示ではあるが、設定情報取得部102は、ステップS1102の処理の前に、MTCサーバ300に対して設定情報を要求するメッセージを送信してもよい。この場合、設定情報取得部102は、MTCサーバ300から、既存MTCデバイス110から情報を取得することを指示する情報を含む応答メッセージを受信する。
【0061】
次に、新規MTCデバイス100は、設定情報を要求するメッセージに対する応答メッセージをMME220から受信し、設定情報取得部102は、この応答メッセージに既存MTCデバイス接続時刻が含まれているかどうかを確認する(ステップS1103)。MME220から受信した応答メッセージの中に既存MTCデバイス接続時刻が含まれている場合は、その既存MTCデバイス接続時刻を接続時刻決定部103へ渡し、次回接続時刻を決定するよう指示する。
【0062】
この場合、接続時刻決定部103は、設定情報取得部102から取得した既存MTCデバイス接続時刻を基に、次回接続時刻を決める。接続時刻決定部103は、例えば図5に示すように、通知された既存MTCデバイス接続時刻よりも後の時間間隔(次回ネットワーク接続時間間隔)の中から、次回接続時刻を設定する。例えば、図1に含まれる全MTCデバイスがネットワーク200へアクセスできる時間間隔が共通であった場合、通常は、新規MTCデバイス100も既存MTCデバイス110と同様に、その時間間隔の中のどこかの任意のタイミング(ランダム)を次回接続時刻として設定するが、本発明の接続時刻決定部103は、ネットワーク200へアクセスできる時間間隔内であり、かつ、取得した既存MTCデバイス接続時刻よりも後の任意の時刻に次回接続時刻を設定する。なお、ネットワーク200へアクセスできる時間間隔は、あらかじめ各MTCデバイスにサブスクリプション情報として登録されているか、MME220又はMTCサーバ300から通知される。
【0063】
次回接続時刻を設定した後、接続時刻決定部103は、ネットワーク接続部105へ切断の指示を出し、ネットワーク接続部105はネットワーク200への接続を切断する(ステップS1105)。なお、ネットワークからの切断は、既存MTCデバイス接続時刻の取得後すぐに行われてもよい。
【0064】
次に、接続時刻決定部103は、ステップS1104で決定した次回接続時刻になったら、ネットワーク接続部105に対してネットワーク200へ接続するよう指示する。そして、ネットワーク接続部105はネットワークへの接続が完了したことを設定情報取得部102へ通知し、設定情報取得部102は、再度、MME220に対して設定情報を要求するメッセージを送信することで、MME220が既存MTCデバイス接続時刻のタイミングで既存MTCデバイス110から受信、保持している設定情報を取得することが可能となる(ステップS1106)。
【0065】
また、ステップS1103において、応答メッセージに既存MTCデバイス接続時刻が含まれていない場合、設定情報取得部102は、応答メッセージの中に設定情報が含まれているかどうかを確認する(ステップS1107)。MME220から設定情報を含む応答メッセージを受信した場合には、この設定情報を用いて設定を行うことが可能となる。一方、応答メッセージの中に設定情報が含まれていない場合には、設定情報の取得が完了しておらず、再び、ステップS1102に戻って設定情報を要求する。
【0066】
このように、既存MTCデバイス接続時刻を考慮することで、既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続して、必要な設定情報の取得がMME220により行われた後のタイミングで、新規MTCデバイス100はネットワーク200へ接続することができるため、新規MTCデバイス100は、自身のMTCデバイスとしての動作に関係する最新の設定情報を、ネットワーク200への接続(MTCサーバ300への情報通知のための接続)と同時に取得することが可能となり、設定情報の取得のためだけにネットワーク200へ接続する必要がなくなる。また、既存MTCデバイス110においても、ネットワーク200への接続(MTCサーバ300への情報通知のための接続)と同時に設定情報の通知を行うため、新規MTCデバイス100が必要としている設定情報をネットワーク200に送信するためだけにネットワーク200へ接続する必要がなくなる。
【0067】
また、図6は、本発明の第1の実施の形態におけるMME220の構成の一例を示すブロック図である。図6に図示されているMME220は、インタフェース221、設定情報要求処理部222、設定情報取得部223、デバイス情報保持部224、接続時刻取得部225を有している。
【0068】
インタフェース221は、MME220のインタフェースに直接関連する下位レイヤプロトコルモジュールを含んでいる。この下位レイヤプロトコルモジュールには、信号変調、エンコード圧縮、メディアアクセス制御、リンクレイヤ制御などのメカニズムを始めとする基本的なデータ通信に必要な機能、及び、物理層及びデータリンク層全体の機能が実装されている。
【0069】
また、設定情報要求処理部222は、新規MTCデバイス100からの要求メッセージを受けた際に、新規MTCデバイス100へ通知するべき設定情報を、既存MTCデバイス110から取得するよう設定情報取得部223へ指示する機能を有している。なお、問い合わせるべき既存MTCデバイス110の識別情報が新規MTCデバイス100から通知された場合には、その識別情報を設定情報取得部223へ通知する。
【0070】
また、設定情報取得部223は、デバイス情報保持部224を参照して、新規MTCデバイス100が求めている設定情報を保持している既存MTCデバイス110を選択し、選択された既存MTCデバイス110から設定情報を取得する機能を有している。既存MTCデバイス110を選択する方法は、先に述べたように、同一の基地局に接続しているデバイスを選択する方法などを始めとして様々な方法が挙げられるが、本発明では、こうした方法に限定されるものではない。さらに、設定情報取得部223は、設定情報を取得する対象の既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続しているか否かを確認する。既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続している場合は問い合わせを行い、設定情報を通知するよう要求する。一方、既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続していない場合は、既存MTCデバイス110が次回接続する時刻(既存MTCデバイス接続時刻)を新規MTCデバイス100へ通知する。なお、既存MTCデバイス接続時刻を新規MTCデバイス100へ通知するためのメッセージの種類は特に限定されるものではない。例えば、図9に図示されているように、従来のNAS(Non-Access Stratum:ノンアクセスストラタム)メッセージに既存MTCデバイス接続時刻を挿入したものを送信してもよい。また、既存MTCデバイス110から既に設定情報を取得し、設定情報を保持している場合には、保持されている設定情報を新規MTCデバイス100へ通知する。
【0071】
また、デバイス情報保持部224は、既存MTCデバイス110に関する情報として、ネットワーク200への接続の有無や、接続している場合のコネクションに関する情報、既存MTCデバイス110から取得した設定情報、さらには、各既存MTCデバイス110の既存MTCデバイス接続時刻などを管理、保持している。
【0072】
また、接続時刻取得部225は、既存MTCデバイス110から送信された既存MTCデバイス接続時刻を通知するメッセージを受信した場合、そのメッセージに含まれている既存MTCデバイス接続時刻をデバイス情報保持部224へ保持するよう指示する機能を有している。
【0073】
なお、既存MTCデバイス110の次回の接続時刻(既存MTCデバイス接続時刻)は、既存MTCデバイス110から通知を受ける方法に限定されるものではない。例えば、各MTCデバイスによって決定される接続時刻が24時間周期で連続して使用される場合、MME220は、既存MTCデバイス110が以前に接続した際の接続時刻を記憶し、その時刻を次回の接続時刻として新規MTCデバイス100へ通知してもよい。なお、既存MTCデバイス110の次回の接続が、接続時刻の連続使用回数を超える回数となる場合(例えば、接続時刻の連続使用回数が2回であり、ある接続時刻を使用した既存MTCデバイス110の次回の接続が3回目になる場合)、既存MTCデバイス110は2回目の接続の際に、次回(3回目)の接続時刻をMME220へ通知する。
【0074】
また、図7は、本発明の第1の実施の形態におけるMTCサーバ300の構成の一例を示すブロック図である。図7に図示されているMTCサーバ300は、インタフェース301、設定情報要求処理部302、デバイス情報保持部303を有している。
【0075】
インタフェース301は、MTCサーバ300のインタフェースに直接関連する下位レイヤプロトコルモジュールを含んでいる。この下位レイヤプロトコルモジュールには、信号変調、エンコード圧縮、メディアアクセス制御、リンクレイヤ制御などのメカニズムを始めとする基本的なデータ通信に必要な機能、及び、物理層及びデータリンク層全体の機能が実装されている。
【0076】
また、設定情報要求処理部302は、新規MTCデバイス100から設定情報の要求メッセージを受けた際に、新規MTCデバイス100へ通知するべき設定情報と共に、既存MTCデバイス110から設定情報を取得することを指示する情報(情報取得指示)を含む応答メッセージを返す機能を有している。
【0077】
また、デバイス情報保持部303は、既存MTCデバイス110に関する情報として、各MTCデバイスに指定されているアクセス時間間隔や、デバイスID、グループIDなどのデバイスに関する情報を保持している。また、デバイス情報保持部303は、各MTCデバイスに共通する静的な設定情報を保持している。
【0078】
また、図8は、本発明の第1の実施の形態における既存MTCデバイス110の構成の一例を示すブロック図である。図8に図示されている既存MTCデバイス110は、インタフェース111、情報要求処理部112、情報保持部113、接続時刻決定部114、接続時刻通知部115を有している。
【0079】
インタフェース111は、既存MTCデバイス110のインタフェースに直接関連する下位レイヤプロトコルモジュールを含んでいる。この下位レイヤプロトコルモジュールには、信号変調、エンコード圧縮、メディアアクセス制御、リンクレイヤ制御などのメカニズムを始めとする基本的なデータ通信に必要な機能、及び、物理層及びデータリンク層全体の機能が実装されている。
【0080】
また、情報要求処理部112は、MME220から設定情報を要求するメッセージを受けた際に、情報保持部113を参照し、情報保持部113に保持されている設定情報を応答としてMME220へ返す機能を有している。
【0081】
また、情報保持部113は、MTCの設定に必要な設定情報やその他様々な情報を保持する機能を有している。
【0082】
また、接続時刻決定部114は、既存MTCデバイス110が、次回ネットワーク200へ接続する時刻(次回接続時刻)を決定する機能を有している。なお、ネットワーク200にアクセスできる時間間隔が指定されている場合は、その時間間隔内で次回接続する時刻を設定する。
【0083】
また、接続時刻通知部115は、接続時刻決定部114が決定した次回接続時刻を通知するためのメッセージをMME220へ送信する機能を有している。なお、例えば、既存MTCデバイス110が連続して同一時刻にアクセスするように設定されているような場合などは、接続時刻決定部114による次回接続時刻の決定、及び、接続時刻通知部115による次回接続時刻の通知は必ずしも必要ではない。
【0084】
ここでは、新規MTCデバイス100の構成(図3に図示)と既存MTCデバイス110(図8に図示)とに分けて、MTCデバイスの構成を説明しているが、新規MTCデバイス100は、長期間動作を行うことで既存MTCデバイス110として振る舞い、また、既存MTCデバイス110も、新たなネットワークに参加することで新規MTCデバイスとなり得る。すなわち、MTCデバイスは、図3に図示されている新規MTCデバイス100の構成、及び、図8に図示されている既存MTCデバイス110の構成を持っていてもよい。
【0085】
なお、図2に図示されているように、新規MTCデバイス100は、MTCサーバ300へ問い合わせを行うことで、既存MTCデバイス110から設定情報を取得する必要があることを認識しているが、新規MTCデバイス100が、既存MTCデバイス110から設定情報を取得する必要性、又は、MME220から設定情報を取得する必要性を初めから認識している場合には、MTCサーバ300への問い合わせを必ずしも行う必要はない。つまり、新規MTCデバイス100は、MTCサーバ300からの指示とは関係なく、MME220へ設定情報の要求を送信してもよい。この場合、MME220が、問い合わせ先となる既存MTCデバイス110を特定してもよいが、新規MTCデバイス100が、既存MTCデバイス110に関する情報を保持している場合や、あるいは情報サーバ(例えば、ANDSF(Access Network Discovery & Selection Function)サーバ)などへ問い合わせることで既存MTCデバイス110に関する情報を取得できる場合は、新規MTCデバイス100が問い合わせ先となる既存MTCデバイス110を特定し、その特定した結果(既存MTCデバイス110の識別情報)をMME220へ通知してもよい。さらに、MME220が、新規MTCデバイス100に対して既存MTCデバイス110が保持する情報を通知する必要があることを認識した場合には、MME220は新規MTCデバイス100からの要求メッセージを受けることなく、新規MTCデバイス100に対して既存MTCデバイス接続時刻を通知してもよい。
【0086】
また、本発明の第1の実施の形態におけるMME220が保持する機能を、MTCサーバ300が保持し実行してもよい。すなわち、図2を用いて説明した動作や、図6に図示されているMME220の構成、及び、図7に図示されているMTCサーバ300の構成が、1つのネットワークノードによって実装されていてもよい。この場合、新規MTCデバイス100から設定情報の要求を受けたMTCサーバ300は、設定情報を保持する既存MTCデバイス110から必要とする設定情報を取得できない場合、あるいは既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続していないことが確認された場合には、既存MTCデバイス110の次回の接続時刻(時間情報)を新規MTCデバイス100へ返す。そして、MTCサーバ300は、既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続した際に、設定情報の要求を行って必要な設定情報を取得し、新規MTCデバイス100がネットワーク200へ接続した際に、保持していた設定情報を通知する。また、新規MTCデバイス100が、MTCサーバ300から取得した時間情報に基づいてネットワーク200へ再接続した際に、既存MTCデバイス100宛てに情報要求メッセージを送信してもよい。このとき、既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続していない場合でもページングを受信することができる場合は、既存MTCデバイス110は、MME220からのページングを受信し、ネットワーク200へ接続した後、情報要求メッセージを受信する。これにより、新規MTCデバイス100は、既存MTCデバイス110から情報を取得することができる。
【0087】
また、本発明の第1の実施の形態におけるMME220は、MTCサーバ300の指示を受けて動作してもよい。すなわち、既存MTCデバイス接続時刻は、MTCサーバ300がMME220へ指示することで新規MTCデバイス100への割り当てが行われる。また、本発明の第1の実施の形態におけるMME220が保持する機能を、3GPPネットワーク内の他のエンティティ(SGW:Serving Gateway、PGW:Packet Data Gateway)が保持し実行してもよい。
【0088】
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、新規MTCデバイス100は、既存MTCデバイス110によって保持されている設定情報を取得することが可能となる。また、新規MTCデバイス100が設定情報を要求した際に、既存MTCデバイス110が接続されていない状態の場合でも、ネットワークノード(例えば、MME220)は、既存MTCデバイス110が次回接続した際に設定情報を取得し、また、新規MTCデバイス100は、既存MTCデバイス接続時刻に基づいて次回接続時刻を設定することで、既存MTCデバイス110の設定情報を確実に取得できるようになる。また、新規MTCデバイス100及び既存MTCデバイス110は、設定情報を取得するためだけに、あるいは、設定情報を提供するためだけに、ネットワーク200に接続を行うのではなく、ネットワーク200への定期的な接続の際に設定情報の取得又は提供を行うので、電力の消費を最小限に抑えることが可能となる。
【0089】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0090】
本発明の第2の実施の形態では、MME220から新規MTCデバイス100へ通知する情報が上述の第1の実施の形態と異なっており、MME220は、新規MTCデバイス100の次回接続時刻を通知する。
【0091】
まず、図10を参照しながら、本発明の第2の実施の形態における処理について説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態において、新規MTCデバイス100がネットワークへ接続した際の処理の一例を示すシーケンスチャートである。図10に図示されているステップS2001〜S2004は、図2に図示されているステップS1001〜S1004と同一であり、説明を省略する。MME220は、新規MTCデバイス100から設定情報要求を受けた際に(ステップS2003)、設定情報を保持する既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続していないことが判明した場合には(ステップS2004)、その既存MTCデバイス110の次回の接続時刻(既存MTCデバイス接続時刻)よりも後の適切な時刻を新規MTCデバイス100の次回接続時刻として決定し(ステップS2005)、新規MTCデバイス100に通知する(ステップS2006)。次回接続時刻の通知を受けた新規MTCデバイス100は、指定された時刻を次回接続時刻として使用することを決定し、接続をいったん切断する(ステップS2007)。なお、MME220は、新規MTCデバイス100の次回接続時刻を新規MTCデバイス100に通知するとともに、設定情報の要求対象である既存MTCデバイス110が次回接続してきた際に、その既存MTCデバイス110から設定情報を取得する必要があることを記憶する。なお、新規MTCデバイス100に通知される時間情報は、上記の開始時刻と共に終了時刻(又は開始時刻と時間長(Duration))を含む時間間隔であってもよい。この場合、新規MTCデバイスは、その時間間隔内にネットワーク200へ接続した場合は、既存MTCデバイスへ要求メッセージを送信することで直接情報を取得することができ、終了時刻が経過した後にネットワーク200へ接続した場合は、MME220から情報を取得することができると判断できる。
【0092】
その後、既存MTCデバイス110は、自身の次回接続時刻になると、ネットワーク200への接続を行い(ステップS2011)、また、新規MTCデバイスも、MME220から通知された新規MTCデバイス100の次回接続時刻になると、ネットワーク200への接続を行う(ステップS2021)。なお、図10に図示されているステップS2011〜S2015、ステップS2021〜S2023は、図2に図示されているステップS1011〜S1015、ステップS1021〜S1023と同一であり、説明を省略するが、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、MME220は、既存MTCデバイス110から設定情報を取得して、新規MTCデバイス100へ設定情報を渡すことが可能となる。また、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、新規MTCデバイス100が他のMTCデバイスへ直接アクセスできる場合は、新規MTCデバイス100は、ステップS2022において情報要求を直接既存MTCデバイス110へ送信してもよい。この場合、既存MTCデバイス110は、MTCサーバ300への情報通知が終わった後でも、新規MTCデバイス100からの要求メッセージを受けるためにネットワーク200に接続している必要がある。このため、MME220は、既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続した際に(ステップS2011)、新規MTCデバイス100からの要求メッセージを受けるまでネットワークに接続し続けることを指示してもよい。
【0093】
このように、新規MTCデバイス100は、MME220によって決定された新規MTCデバイス100の次回接続時刻を利用することで、通知された次回接続時刻に再接続するだけでよく、新規MTCデバイス100の負荷を軽減することができる。また、既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続して、MME220によって必要な情報の取得が行われた後のタイミングで、新規MTCデバイス100はネットワーク200へ接続することができるため、新規MTCデバイス100は、自身のMTCデバイスとしての動作に関係する最新の設定情報を、ネットワーク200への接続(MTCサーバ300への情報通知のための接続)と同時に取得することが可能となり、設定情報の取得のためだけにネットワーク200へ接続する必要がなくなる。また、既存MTCデバイス110においても、ネットワーク200への接続(MTCサーバ300への情報通知のための接続)と同時に設定情報の通知を行うため、新規MTCデバイス100が必要としている設定情報をネットワーク200に送信するためだけにネットワーク200へ接続する必要がなくなる。
【0094】
次に、本発明の第2の実施の形態における新規MTCデバイス100の構成について説明する。なお、ここでは、図3に図示されている新規MTCデバイス100の構成を参照しながら、本発明の第2の実施の形態における新規MTCデバイス100の構成について説明する。
【0095】
インタフェース101は、新規MTCデバイス100のインタフェースに直接関連する下位レイヤプロトコルモジュールを含んでいる。この下位レイヤプロトコルモジュールには、信号変調、エンコード圧縮、メディアアクセス制御、リンクレイヤ制御などのメカニズムを始めとする基本的なデータ通信に必要な機能、及び、物理層及びデータリンク層全体の機能が実装されている。
【0096】
また、設定情報取得部102は、ネットワーク200へ接続した際に、MTCサーバ300及びMME220に対して、必要な設定情報を要求するメッセージを送信する機能を有している。MTCサーバ300に対して情報を要求した場合、既存MTCデバイス110から設定情報を取得することを指示する情報を含む応答メッセージをMTCサーバ300から受信する。一方、MME220に対して設定情報を要求した場合、新規MTCデバイス100が次回ネットワーク200へ再接続する際の接続時刻(次回接続時刻)、又は、要求した設定情報を取得する。なお、MTCサーバ300から、問い合わせるべき既存MTCデバイス110の識別情報が通知された場合には、MME220に対して設定情報を要求する際にその識別情報を通知する。
【0097】
また、接続時刻決定部103は、新規MTCデバイス100が次回ネットワークへ接続する時刻(次回接続時刻)を決定する機能を有している。MME220から次回接続時刻を取得している場合は、その次回接続時刻をそのまま使用するよう決定する。
【0098】
また、情報保持部104は、ネットワーク200へアクセスできる時間間隔などの情報や、接続時刻決定部103によって決定された次回接続時刻などを保持する。なお、ネットワーク200へアクセスできる時間間隔は、あらかじめ各MTCデバイスにサブスクリプション情報として登録されているか、MME220又はMTCサーバ300から通知される。
【0099】
また、ネットワーク接続部105は、インタフェース101を用いて、新たにネットワーク200に接続したり、接続時刻決定部103によって決められた次回接続時刻にネットワーク200へ接続したりする際に行う接続処理を実行する機能を有している。
【0100】
また、図11は、本発明の第2の実施の形態において、新規MTCデバイス100がネットワーク200へ接続した後に行う処理の一例を示すフローチャートである。図11に図示されているステップS2101、S2102、S2105、S2106、S2107の各処理は、図4に図示されているステップS1101、S1102、S1105、S1106、S1107の各処理と同一であり、ここでは説明を省略する。図11に図示されているステップS2103、S2104の各処理は、本発明の第2の実施の形態における処理の特徴を表している。
【0101】
図11のステップS2103において、新規MTCデバイス100は、設定情報を要求するメッセージに対する応答メッセージをMME220から受信し、設定情報取得部102は、この応答メッセージに次回接続時刻が含まれているかどうかを確認する(ステップS2103)。MME220から受信した応答メッセージの中に次回接続時刻が含まれている場合は、その次回接続時刻を接続時刻決定部103へ渡し、次回接続時刻を決定するよう指示する。
【0102】
この場合、接続時刻決定部103は、設定情報取得部102から取得した次回接続時刻を、新規MTCデバイス100自身が次回に接続する時刻と決定する。この次回接続時刻は、MME220が、既存MTCデバイス110が接続する時刻(既存MTCデバイス接続時刻)よりも後の時刻となるよう決定されたものなので、新規MTCデバイス100は、この次回接続時刻のタイミングでネットワーク200へ接続することで、既存MTCデバイス110の設定情報を、MME220から取得することが可能となる。
【0103】
また、図12は、本発明の第2の実施の形態におけるMME220の構成の一例を示すブロック図である。図12に図示されているMME220は、インタフェース221、設定情報要求処理部222、設定情報取得部223、デバイス情報保持部224、接続時刻取得部225を有している。
【0104】
インタフェース221は、MME220のインタフェースに直接関連する下位レイヤプロトコルモジュールを含んでいる。この下位レイヤプロトコルモジュールには、信号変調、エンコード圧縮、メディアアクセス制御、リンクレイヤ制御などのメカニズムを始めとする基本的なデータ通信に必要な機能、及び、物理層及びデータリンク層全体の機能が実装されている。
【0105】
また、設定情報要求処理部222は、新規MTCデバイス100からの要求メッセージを受けた際に、新規MTCデバイス100へ通知するべき設定情報を、既存MTCデバイス110から取得するよう設定情報取得部223へ指示する機能を有している。なお、問い合わせるべき既存MTCデバイス110の識別情報が新規MTCデバイス100から通知された場合には、その識別情報を設定情報取得部223へ通知する。
【0106】
また、設定情報取得部223は、デバイス情報保持部224を参照し、新規MTCデバイス100が求めている設定情報を保持している既存MTCデバイス110を選択し、選択された既存MTCデバイス110から設定情報を取得する機能を有している。また、設定情報取得部223は、選択した既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続しているか否かを確認する機能を有している。既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続している場合は、設定情報取得部223は既存MTCデバイス110へ問い合わせを行い、設定情報を通知するよう要求する。一方、既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続していない場合は、接続時刻決定部226に対して、既存MTCデバイス110が次回の接続する時刻(既存MTCデバイス接続時刻)を通知し、新規MTCデバイス100の次回接続時刻を決定するよう指示する。
【0107】
また、接続時刻決定部226は、設定情報取得部223から通知された既存MTCデバイス接続時刻よりも後の適切な時刻を決定する機能を有している。接続時刻決定部226は、決定した時刻を設定情報取得部223へ通知し、設定情報取得部223から新規MTCデバイス100へ、新規MTCデバイス100の次回接続時刻として通知される。
【0108】
また、デバイス情報保持部224は、既存MTCデバイス110に関する情報として、ネットワーク200への接続の有無や、接続している場合のコネクションに関する情報、既存MTCデバイス110から取得した設定情報、さらには、各既存MTCデバイス110の既存MTCデバイス接続時刻などを管理、保持している。
【0109】
また、接続時刻取得部225は、既存MTCデバイス110から送信された既存MTCデバイス接続時刻を通知するメッセージを受信した場合、そのメッセージに含まれている既存MTCデバイス接続時刻をデバイス情報保持部224へ保持するよう指示する機能を有している。
【0110】
なお、本発明の第1の実施の形態と同様に、既存MTCデバイス110の次回の接続時刻(既存MTCデバイス接続時刻)は、既存MTCデバイス110から通知を受ける方法に限定されるものではない。例えば、各MTCデバイスによって決定される接続時刻が24時間周期で連続して使用される場合、MME220は、既存MTCデバイス110が以前に接続した際の接続時刻を記憶し、その時刻を次回の接続時刻として、接続時刻決定部226が、その時刻よりも後の時刻が新規MTCデバイス100の次回接続時刻となるよう決定してもよい。なお、既存MTCデバイス110の次回の接続が、接続時刻の連続使用回数を超える回数となる場合(例えば、接続時刻の連続使用回数が2回であり、ある接続時刻を使用した既存MTCデバイス110の次回の接続が3回目になる場合)、既存MTCデバイス110は2回目の接続の際に、次回(3回目)の接続時刻をMME220へ通知する。
【0111】
また、本発明の第2の実施の形態におけるMTCサーバ300の構成は、本発明の第1の実施の形態におけるMTCサーバ300の構成(図7に図示されている構成)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0112】
なお、図10に図示されているように、新規MTCデバイス100は、MTCサーバ300へ問い合わせを行うことで、既存MTCデバイス110から設定情報を取得する必要があることを認識しているが、新規MTCデバイス100が、既存MTCデバイス110から設定情報を取得する必要性、又は、MME220から設定情報を取得する必要性を初めから認識している場合には、MTCサーバ300への問い合わせを必ずしも行う必要はない。つまり、新規MTCデバイス100は、MTCサーバ300からの指示とは関係なく、MME220へ設定情報の要求を送信してもよい。この場合、MME220が、問い合わせ先となる既存MTCデバイス110を特定してもよいが、新規MTCデバイス100が、既存MTCデバイス110に関する情報を保持している場合や、あるいは情報サーバ(例えば、ANDSFサーバ)などへ問い合わせることで既存MTCデバイス110に関する情報を取得できる場合は、新規MTCデバイス100が問い合わせ先となる既存MTCデバイス110を特定し、その特定した結果(既存MTCデバイス110の識別情報)をMME220へ通知してもよい。さらに、MME220が、新規MTCデバイス100に対して既存MTCデバイス110が保持する情報を通知する必要があることを認識した場合には、MME220は新規MTCデバイス100からの要求メッセージを受けることなく、新規MTCデバイス100に対して次回接続時刻を通知してもよい。
【0113】
また、本発明の第2の実施の形態におけるMME220が保持する機能を、MTCサーバ300が保持し実行してもよい。すなわち、図12に図示されているMME220の構成、及び、図7に図示されているMTCサーバ300の構成が、1つのネットワークノードによって実装されていてもよい。この場合、新規MTCデバイス100から設定情報の要求を受けたMTCサーバ300は、設定情報を保持する既存MTCデバイス110から必要とする設定情報を取得できない場合、あるいは既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続していないことが確認された場合には、新規MTCデバイス100の次回接続時刻を新規MTCデバイス100へ返す。そして、MTCサーバ300は、既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続した際に、設定情報の要求を行って必要な設定情報を取得し、新規MTCデバイス100がネットワーク200へ接続した際に、保持していた設定情報を通知する。また、本発明の第2の実施の形態におけるMME220は、MTCサーバ300の指示を受けて動作してもよい。すなわち、次回接続時刻は、MTCサーバ300がMME220へ指示することで新規MTCデバイス100への割り当てが行われる。また、本発明の第2の実施の形態におけるMME220が保持する機能を、3GPPネットワーク内の他のエンティティ(SGW:Serving Gateway、PGW:Packet Data Gateway)が保持し実行してもよい。また、本発明の第2の実施の形態の特徴である、MME220が新規MTCデバイス100の次回接続時刻を決定するという機能を除いて、本発明の第1の実施の形態で説明した各種機能は本発明の第2の実施の形態にも適用することができる。
【0114】
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、新規MTCデバイス100は、既存MTCデバイス110によって保持されている設定情報を取得することが可能となる。また、新規MTCデバイス100が設定情報を要求した際に、既存MTCデバイス110が接続されていない状態の場合でも、ネットワークノード(例えば、MME220)は、既存MTCデバイス110が次回接続した際に設定情報を取得し、また、新規MTCデバイス100は、ネットワークノードから通知された次回接続時刻を設定することで、既存MTCデバイス110の設定情報を確実に取得できるようになる。また、新規MTCデバイス100及び既存MTCデバイス110は、設定情報を取得するためだけに、あるいは、設定情報を提供するためだけに、ネットワーク200に接続を行うのではなく、ネットワーク200への定期的な接続の際に設定情報の取得又は提供を行うので、電力の消費を最小限に抑えることが可能となる。
【0115】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0116】
本発明の第3の実施の形態では、MME220から新規MTCデバイス100へ通知する情報が第1及び第2の実施の形態と異なっており、MME220は、既存MTCデバイス110に対して指定するアクセス可能な時間間隔と、新規MTCデバイス100に対して指定するアクセス可能な時間間隔を別々に指定する。
【0117】
図13には、本発明の第3の実施の形態において、MME220が新規MTCデバイス100及び既存MTCデバイス110に対して指定する時間間隔の一例が図示されている。図13に示すように、例えば、AM2時からAM3時までが全体のアクセス可能な時間間隔(あるグループに属するMTCデバイスによるアクセスが認められている時間帯)として割り当てられている場合、AM2時からAM2時50分までを既存MTCデバイス110がアクセス可能な時間間隔(時間帯)として通知し、AM2時50分からAM3時までを新規MTCデバイス100がアクセス可能な時間間隔(時間帯)として設定する。つまり、既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続した後に新規MTCデバイス100がネットワーク200へ接続するように、連続する2つの時間間隔を設定する。なお、新規MTCデバイス100と既存MTCデバイス110のそれぞれに対して割り当てるアクセス可能な時間間隔は、両方のMTCデバイスに対して元々割り当てられている共通のアクセス時間間隔の範囲内の時間間隔であることが望ましい。これにより、MME220又はMTCサーバ300は、他の時間間隔(例えば、AM3時〜AM4時)を割り当てられている他のユーザのMTCデバイスに対する影響をなくすことができる。また、図17に示すように、新規MTCデバイス100と既存MTCデバイス110のそれぞれに対して割り当てるアクセス可能な時間間隔は必ずしも連続している必要はなく、情報を保持しているMTCデバイスのアクセス可能な時間間隔が、情報を必要とするMTCデバイスのアクセス可能な時間間隔よりも前に設定されていればよい。どの程度前方の時間間隔を割り当てるかに関しては、全ての優先通知情報に共通の時間間隔を用いてもよいし、通知する情報に応じて判断してもよい。後者の場合、MME220は、優先通知情報リストを参照し、その中に含まれるそれぞれの優先情報に対する変更時間を使用してもよい。
【0118】
まず、図14を参照しながら、本発明の第3の実施の形態における処理について説明する。図14は、本発明の第3の実施の形態において、新規MTCデバイス100がネットワークへ接続した際の処理の一例を示すシーケンスチャートである。図14に図示されているステップS3001〜S3004は、図2に図示されているステップS1001〜S1004と同一であり、説明を省略する。MME220は、新規MTCデバイス100から設定情報要求を受けた際に(ステップS3003)、設定情報を保持する既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続していないことが判明した場合には(ステップS3004)、新規MTCデバイス100用のアクセス可能時間間隔(次回接続間隔)を新規MTCデバイス100に通知する(ステップS5)。次回時間間隔の通知を受けた新規MTCデバイス100は、その次回時間間隔内の任意の時刻を次回のアクセス時刻(接続時刻)として決定し(ステップS3006)、接続をいったん切断する(ステップS3007)。なお、ステップS3006は、必ずしも切断前に行う必要はなく、次回接続間隔の開始時刻よりも前であればいつでもよい。MME220は、新規MTCデバイス100の次回接続間隔を新規MTCデバイス100に通知するとともに、設定情報の要求対象である既存MTCデバイス110が次回接続してきた際に、その既存MTCデバイス110から設定情報を取得する必要があることを記憶する。
【0119】
その後、既存MTCデバイス110は、自身の次回接続時刻になると、ネットワーク200への接続を行い(ステップS3011)、また、新規MTCデバイスも、MME220から通知された新規MTCデバイス100の次回接続時刻になると、ネットワーク200への接続を行う。なお、既存MTCデバイス110用のアクセス可能時間間隔は、既存MTCデバイス110に対して既に割り当てられているとする。例えば、既存MTCデバイス110のサブスクリプション情報としてあらかじめ登録されていてもよいし、ネットワーク200へ接続した際にMME220又はMTCサーバ300から通知されてもよい。また、図14に図示されているステップS3011〜S3015、ステップS3021〜S3023は、図2に図示されているステップS1011〜S1015、ステップS1021〜S1023と同一であり、説明を省略するが、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、MME220は、既存MTCデバイス110から設定情報を取得して、新規MTCデバイス100へ設定情報を渡すことが可能となる。
【0120】
次に、本発明の第3の実施の形態における新規MTCデバイス100の構成について説明する。なお、ここでは、図3に図示されている新規MTCデバイス100の構成を参照しながら、本発明の第3の実施の形態における新規MTCデバイス100の構成について説明する。
【0121】
インタフェース101は、新規MTCデバイス100のインタフェースに直接関連する下位レイヤプロトコルモジュールを含んでいる。この下位レイヤプロトコルモジュールには、信号変調、エンコード圧縮、メディアアクセス制御、リンクレイヤ制御などのメカニズムを始めとする基本的なデータ通信に必要な機能、及び、物理層及びデータリンク層全体の機能が実装されている。
【0122】
また、設定情報取得部102は、ネットワーク200へ接続した際に、MTCサーバ300及びMME220に対して、必要な設定情報を要求するメッセージを送信する機能を有している。MTCサーバ300に対して設定情報を要求した場合、既存MTCデバイス110から設定情報を取得することを指示する情報を含む応答メッセージをMTCサーバ300から受信する。一方、MME220に対して設定情報を要求した場合、新規MTCデバイス100が次回ネットワーク200へ再接続する際のアクセス可能時間間隔、又は、要求した設定情報を取得する。なお、MTCサーバ300から、問い合わせるべき既存MTCデバイス110の識別情報が通知された場合には、MME220に対して設定情報を要求する際にその識別情報を通知する。また、ネットワーク200へ再接続する際のアクセス可能時間間隔は、あらかじめ各MTCデバイスにサブスクリプション情報として登録されていてもよい。さらには、上記のネットワーク200へ再接続する際のアクセス可能時間間隔は、新規MTCデバイス100が最初にネットワーク200へ接続する際に使用するアクセス可能時間間隔としてサブスクリプション情報に登録されていてもよい。この場合、新規MTCデバイスは、最初にネットワーク200に接続する際に、必要な情報を取得することができる。
【0123】
また、接続時刻決定部103は、MME220から取得した新規MTCデバイス100用のアクセス可能時間間隔内の任意の時刻を、次回接続時刻として設定する機能を有している。なお、新規MTCデバイス100用のアクセス可能時間間隔内であれば、次回接続時刻はランダムに決定されてもよい。
【0124】
また、情報保持部104は、新規MTCデバイス100用のアクセス可能時間間隔などのMTCサーバ300及びMME220から取得した情報や、接続時刻決定部103によって決定された次回接続時刻などを保持する機能を有している。
【0125】
また、ネットワーク接続部105は、インタフェース101を用いて、新たにネットワーク200に接続したり、接続時刻決定部103によって決められた次回接続時刻にネットワーク200へ接続したりする際に行う接続処理を実行する機能を有している。
【0126】
また、図15は、本発明の第3の実施の形態において、新規MTCデバイス100がネットワーク200へ接続した後に行う処理の一例を示すフローチャートである。図15に図示されているステップS3101、S3102、S3105、S3106、S3107の各処理は、図4に図示されているステップS1101、S1102、S1105、S1106、S1107の各処理と同一であり、ここでは説明を省略する。図15に図示されているステップS3103、S3104の各処理は、本発明の第3の実施の形態における処理の特徴を表している。
【0127】
図15のステップS3103において、新規MTCデバイス100は、設定情報を要求するメッセージに対する応答メッセージをMME220から受信し、設定情報取得部102は、この応答メッセージに新規MTCデバイス100用のアクセス可能時間間隔(次回接続間隔)が含まれているかどうかを確認する(ステップS3103)。MME220から受信した応答メッセージの中に次回接続間隔が含まれている場合は、その次回接続間隔を接続時刻決定部103へ渡し、次回接続時刻を決定するよう指示する。
【0128】
この場合、接続時刻決定部103は、設定情報取得部102から取得した次回接続間隔内の任意の時刻を選択して、次回接続時刻として決定する。この次回接続時刻は、既存MTCデバイス110用のアクセス可能時間間隔よりも後の時刻であり、新規MTCデバイス100は、この次回接続時刻のタイミングでネットワーク200へ接続することで、既存MTCデバイス110の設定情報を、MME220から取得することが可能となる。
【0129】
また、図16は、本発明の第3の実施の形態におけるMME220の構成の一例を示すブロック図である。図16に図示されているMME220は、インタフェース221、設定情報要求処理部222、設定情報取得部223、デバイス情報保持部224を有している。
【0130】
インタフェース221は、MME220のインタフェースに直接関連する下位レイヤプロトコルモジュールを含んでいる。この下位レイヤプロトコルモジュールには、信号変調、エンコード圧縮、メディアアクセス制御、リンクレイヤ制御などのメカニズムを始めとする基本的なデータ通信に必要な機能、及び、物理層及びデータリンク層全体の機能が実装されている。
【0131】
また、設定情報要求処理部222は、新規MTCデバイス100からの要求メッセージを受けた際に、新規MTCデバイス100へ通知するべき設定情報を、既存MTCデバイス110から取得するよう設定情報取得部223へ指示する機能を有している。なお、問い合わせるべき既存MTCデバイス110の識別情報が新規MTCデバイス100から通知された場合には、その識別情報を設定情報取得部223へ通知する。
【0132】
また、設定情報取得部223は、デバイス情報保持部224を参照し、設定情報を保持している既存MTCデバイス110を選択し、選択された既存MTCデバイス110から設定情報を取得する機能を有している。また、設定情報取得部223は、選択した既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続しているか否かを確認する機能を有している。既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続している場合は、設定情報取得部223は既存MTCデバイス110へ問い合わせを行い、設定情報を通知するよう要求する。一方、既存MTCデバイス110がネットワーク200に接続していない場合は、新規MTCデバイス100用のアクセス可能時間間隔(次回接続間隔)を新規MTCデバイス100へ通知する。
【0133】
また、デバイス情報保持部224は、既存MTCデバイス110に関する情報として、ネットワーク200への接続の有無や、接続している場合のコネクションに関する情報、既存MTCデバイス110から取得した設定情報、さらには、既存MTCデバイス用のアクセス可能時間間隔、新規MTCデバイス用のアクセス可能時間間隔などを管理、保持している。
【0134】
また、本発明の第3の実施の形態におけるMTCサーバ300の構成は、本発明の第1の実施の形態におけるMTCサーバ300の構成(図7に図示されている構成)と同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、図14に図示されているように、新規MTCデバイス100は、MTCサーバ300へ問い合わせを行うことで、既存MTCデバイス110から設定情報を取得する必要があることを認識しているが、新規MTCデバイス100が、既存MTCデバイス110から設定情報を取得する必要性、又は、MME220から設定情報を取得する必要性を初めから認識している場合には、MTCサーバ300への問い合わせを必ずしも行う必要はない。つまり、新規MTCデバイス100は、MTCサーバ300からの指示とは関係なく、MME220へ設定情報の要求を送信してもよい。この場合、MME220が、問い合わせ先となる既存MTCデバイス110を特定してもよいが、新規MTCデバイス100が、既存MTCデバイス110に関する情報を保持している場合や、あるいは情報サーバ(例えば、ANDSF(Access Network Discovery & Selection Function)サーバ)などへ問い合わせることで既存MTCデバイス110に関する情報を取得できる場合は、新規MTCデバイス100が問い合わせ先となる既存MTCデバイス110を特定し、その特定した結果(既存MTCデバイス110の識別情報)をMME220へ通知してもよい。さらに、MME220(又はMTCサーバ300)が、新規MTCデバイス100に対して既存MTCデバイス110が保持する情報を通知する必要があることを認識した場合や、MME200(又はMTCサーバ300)自身が必要とする情報があることを認識した場合には、MME220は新規MTCデバイス100からの要求メッセージを受けることなく、新規MTCデバイス100に対して次回接続間隔を通知してもよい。特に、既存MTCデバイス110からの情報を早く取得したい場合には、MME220(又はMTCサーバ300)は、既存MTCデバイス110に対して、アクセス可能時間間隔の範囲内の前方(早い時間帯:例えばAM2:10〜AM2:15)に位置する時間間隔を割り当てる。通常であればアクセス時間間隔(AM2時〜AM3時)の範囲内の時刻に既存MTCデバイス110はネットワークに接続するため、時間間隔の後半に接続してくる可能性がある。そのため、既存MTCデバイス110から情報が通知されるタイミングが遅くなってしまう。そこで、必要とする情報を保持する既存MTCデバイス110に対して、アクセス可能時間間隔の前方に位置する時間間隔を割り当てることで、より早く情報を取得することができる。また、既存MTCデバイス110からの情報の取得が遅くならないように、グループに属している複数の既存MTCデバイス110に対して、既存MTCデバイス110用のアクセス可能時間間隔を割り当ててもよい。例えば、あるグループに属するMTCデバイスの数に対して、予め割り当てられているアクセス可能時間間隔の間隔が大きすぎる場合、ネットワークへの接続時刻を後方に設定してしまったMTCデバイスからの情報通知が遅れてしまう。そのためアクセス可能時間間隔の範囲内の前方に位置する時間間隔を再割り当てすることで、各MTCデバイスの接続時刻を前方へ移すことができるため、早く情報の取得を行うことが可能となる。すなわち、MME220又はMTCサーバ300は、MTCデバイスの数が少ない場合は、割り当てる時間間隔を狭め、多い場合は、割り当てる時間間隔を広げることで、MTCデバイスに対して適切な接続時刻を設定させる。
【0135】
また、本発明の第3の実施の形態におけるMME220が保持する機能を、MTCサーバ300が保持し実行してもよい。すなわち、図16に図示されているMME220の構成、及び、図7に図示されているMTCサーバ300の構成が、1つのネットワークノードによって実装されていてもよい。この場合、新規MTCデバイス100から設定情報の要求を受けたMTCサーバ300は、設定情報を保持する既存MTCデバイス110から必要とする設定情報を取得できない場合、あるいは既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続していないことが確認された場合には、新規MTCデバイス100の次回接続間隔を新規MTCデバイス100へ返す。そして、MTCサーバ300は、既存MTCデバイス110がネットワーク200へ接続した際に、設定情報の要求を行って必要な設定情報を取得し、新規MTCデバイス100がネットワーク200へ接続した際に、保持していた設定情報を通知する。また、本発明の第3の実施の形態におけるMME220は、MTCサーバ300の指示を受けて動作してもよい。すなわち、既存MTCデバイス110用のアクセス可能な時間間隔、及び新規MTCデバイス100のアクセス可能な時間間隔は、MTCサーバ300がMME220へ指示することで各MTCデバイスへの割り当てが行われる。また、本発明の第3の実施の形態におけるMME220が保持する機能を、3GPPネットワーク内の他のエンティティ(SGW:Serving Gateway、PGW:Packet Data Gateway)が保持し実行してもよい。また、本発明の第3の実施の形態の特徴である、新規MTCデバイス100のアクセス可能な時間間隔を通知するという機能を除いて、本発明の第1の実施の形態で説明した各種機能は本発明の第3の実施の形態にも適用することができる。
【0136】
以上、説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、新規MTCデバイス100は、既存MTCデバイス110によって保持されている設定情報を取得することが可能となる。また、新規MTCデバイス100が設定情報を要求した際に、既存MTCデバイス110が接続されていない状態の場合でも、ネットワークノード(例えば、MME220)は、既存MTCデバイス110が次回接続した際に設定情報を取得し、また、新規MTCデバイス100は、新規MTCデバイスのアクセス可能時間間隔(次回接続間隔)に基づいて次回接続時刻を設定することで、既存MTCデバイス110の設定情報を確実に取得できるようになる。また、新規MTCデバイス100及び既存MTCデバイス110は、設定情報を取得するためだけに、あるいは、設定情報を提供するためだけに、ネットワーク200に接続を行うのではなく、ネットワーク200への定期的な接続の際に設定情報の取得又は提供を行うので、電力の消費を最小限に抑えることが可能となる。
【0137】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
【0138】
本発明の第1〜第3の実施の形態では、情報を必要とする新規MTCデバイス100が、情報を保持している既存MTCデバイス110より後にネットワークへ接続することで、情報を取得することができるようにする方法について説明した。本発明の第4の実施の形態では、既存MTCデバイス110が、他のMTCデバイス(新規MTCデバイスや他の既存MTCデバイス)やMTCサーバ330へ通知する必要がある情報を保持している場合に、既に割り当てられているアクセス可能時間間隔の範囲内の早い時間帯に接続時刻を設定することで、情報を必要とする相手よりも早くネットワーク接続するための方法について説明する。
【0139】
図18は、本発明の第4の実施の形態における既存MTCデバイス110の構成の一例を示すブロック図である。図18に図示されている既存MTCデバイス110は、インタフェース111、通知情報生成部115、情報保持部116、設定情報取得部117、ネットワーク接続部118、接続時刻決定部119を有している。
【0140】
インタフェース111は、既存MTCデバイス110のインタフェースに直接関連する下位レイヤプロトコルモジュールを含んでいる。この下位レイヤプロトコルモジュールには、信号変調、エンコード圧縮、メディアアクセス制御、リンクレイヤ制御などのメカニズムを始めとする基本的なデータ通信に必要な機能、及び、物理層及びデータリンク層全体の機能が実装されている。
【0141】
通知情報生成部115は、MTCサーバ300又は他のMTCデバイスへ通知する情報を取得・生成する機能を有している。例えば、センサーが収集した情報や、検出したイベントなど、MTCサーバが必要とする情報を生成し、情報保持部116へ保持するよう指示する。
【0142】
また、情報保持部116は、接続時刻決定部119によって決定された次回接続時刻や、設定情報取得部117によって取得されたアクセス可能な時間間隔及び優先通知情報リストなどを保持する機能を有している。
【0143】
また、ネットワーク接続部118は、インタフェース101を用いて新たにネットワーク200に接続するための処理や、接続時刻決定部103によって決められた次回接続時刻にネットワーク200へ接続する際に行う接続処理を実行する機能を有している。
【0144】
また、設定情報取得部117は、ネットワーク200へ接続した際に、MTCサーバ300及びMME220から必要な設定情報を取得し、情報保持部116へ格納する機能を有している。取得する設定情報としては、既存MTCデバイス110に対して割り当てられるアクセス可能時間間隔、及び、既存MTCデバイス110がMTCサーバ300へ送信する情報に関する優先度情報(優先通知情報リスト)である。
【0145】
図24に示すように、情報保持部116に格納される優先通知情報リスト500には、優先的に通知することが求められる情報(優先通知情報)の種類を表す識別子501、502が含まれている。優先通知情報リスト500に含まれる情報としては、例えば、本発明の第1〜第3の実施の形態で説明したように、新規MTCデバイス100や他の既存MTCデバイス110へ通知する必要がある情報(設定情報)や、さらには、MTCサーバ300に対して通知される情報の中で、他の通常の情報よりも早く取得することで、対応するアクションを迅速に行うことが可能となるような情報などがある。
【0146】
また、接続時刻決定部119は、設定情報取得部117が取得したアクセス可能な時間間隔の範囲内でネットワークへ接続する時刻を決定する。接続時刻は、割り当てられたアクセス可能な時間間隔の範囲内の任意のタイミング(ランダムで算出)に設定される。接続時刻を決定する際に情報保持部116を参照し、MTCサーバ300へ通知する情報の種類が優先通知情報リスト500に含まれる情報に該当する情報である場合は、通常の情報よりも早くMTCサーバ300へ届ける必要があると判断される。
【0147】
しかし、図19に示すように、既存MTCデバイス110が属するグループのMTCデバイスに対して割り当てられたアクセス可能時間間隔を用いてランダムに接続時刻を求めた場合、例えば、接続時刻Aのように後方の時刻に設定されてしまう可能性がある。この場合、MTCサーバ300へのデータの通知が遅れてしまうことになる。また、通常の情報よりも早くMTCサーバ300へ届けるために、上記のランダム算出で求めた時刻を用いるのではなく、アクセス時間間隔の開始時刻になると同時に直ぐに情報の送信を開始してしまうと、同種の情報を通知する他のMTCデバイスと送信タイミングが重なってしまい、ネットワーク200で輻輳が発生してしまう可能性がある。つまり、通常の情報よりも早くMTCサーバ300へ届けたいデータであっても、送信タイミングが重ならないようにする必要がある。そこで、接続時刻決定部119は、MTCサーバ300へ通知する情報の種類が優先通知情報リスト500に含まれる情報である場合は、割り当てられたアクセス可能時間間隔を短縮し、短縮したアクセス可能時間間隔の範囲内の任意のタイミングを接続時刻として設定する。すなわち、接続時刻決定部119は、優先通知情報を通知する際には、アクセス可能な時間間隔の範囲内の前方に位置する値を次回の接続時刻として設定する。このように、短縮した時間間隔を用いることで、既存MTCデバイス110は、通知する情報に適した時刻を瞬時に求めることができる。アクセス可能時間間隔の変更方法については、図20に示すように、終了時刻(T2)を終了時刻(T3)へ変更することで、変更後のアクセス可能時間間隔は、開始時刻(T1)から終了時刻(T3)までの範囲となり、AM2時からAM2時20分までの20分間の間に次回ネットワーク接続時間間隔が設定される。これにより、ネットワーク200への接続時刻が早い時間帯に設定され、かつランダムにより算出されているため、MTCサーバ300へのデータ送信を早く行うことができ、他のMTCデバイスとのデータ送信の開始が重複してしまうことを防ぐことができる。また、図21に示すように、終了時刻の変更と共に、開始時刻(T1)を開始時刻(T4)へ変更し、AM2時5分からAM2時20分までの15分間を次回ネットワーク接続時間間隔として設定してもよい。
【0148】
終了時刻をどの程度変更(前方への移動)するかに関しては、全ての優先通知情報に共通の変更時間を用いてもよいし、通知する情報に応じて変更時間を判断してもよい。後者の場合、図25に示すように、優先通知情報リストの中に含まれるそれぞれの優先情報に対する変更時間503、504が含まれていてもよい。また、開始時刻の変更に関しても同様である。また、送信するデータのサイズに基づいて変更時間を判断してもよい。この場合、サイズが大きければ送信が完了するまでに時間を要するため、終了時刻をより前方へ変更する。
【0149】
また、図22は、既存MTCデバイス110の接続時刻決定部119が行う処理の一例を示すフローチャートである。図22において、接続時刻決定部119は、予め割り当てられているアクセス可能な時間間隔の開始時刻前に、通知する情報を参照し(ステップS4101)、その情報が優先通知情報リスト500に該当する情報(優先通知情報)であるか否かを確認する(ステップS4102)。該当する情報であった場合には、割り当てられているアクセス可能時間間隔を短縮し(ステップS4103)、短縮したアクセス時間間隔の範囲内の任意の時刻を接続時刻として設定する(ステップS4104)。そして、設定した時刻にネットワーク200へ接続し、情報の通知を行う(ステップS4105)。また、ステップS4102において、通知する情報が優先通知情報リスト500に該当しない情報であった場合は、割り当てられているアクセス可能時間間隔をそのまま用いて、その範囲内の任意の時刻を接続時刻として設定する。そして、設定した接続時刻にネットワーク200へ接続し、情報の通知を行う(ステップS4105)。なお、通知する情報に適した時刻を求める別の方法として、通知する情報に適した接続時刻(前方に位置する接続時刻)が求められるまで何度も繰り返しランダム値を計算することで接続時刻を設定してもよい。
【0150】
また、図23は、既存MTCデバイス110の接続時刻決定部119が行う処理の別の一例を示すフローチャートである。図23において、接続時刻決定部119は、予め割り当てられているアクセス可能な時間間隔の開始時刻前に、通知する情報を参照し(ステップS5101)、その情報が優先通知情報リスト500に該当する情報(優先通知情報)であるか否かを確認する(ステップS5102)。該当する情報であった場合には、割り当てられているアクセス可能時間間隔の範囲内の任意の時刻をランダムに選択する(ステップS5103)。選択した時刻が、通知する情報にとって適切な時刻か否かを確認する(ステップS5104)。適切な時刻であった場合は、選択した時刻にネットワークへ接続し、情報の通知を行う(ステップS5105)。一方適切な時刻でなかった場合は、ステップS5103へ戻り、再度アクセス可能時間間隔の範囲内の任意の時刻をランダムに選択する。また、ステップS5102において、通知する情報が優先通知情報でなかった場合には、アクセス可能時間間隔の範囲内の任意の時刻を選択し(S5106)、選択した時刻にネットワークへ接続して情報の通知を行う(ステップS5105)。また、通知する情報に適した時刻を求めるさらに別の方法として、アクセス可能な時間間隔の範囲内で、一定の回数だけランダムで時刻を算出し、その中でもっとも早い時刻を次回の接続時刻として選択してもよい。また、本発明の第4の実施の形態の特徴である、情報を通知するMTCデバイス100の接続時刻を決定するという機能を除いて、本発明の第1の実施の形態で説明した各種機能は本発明の第4の実施の形態にも適用することができる。
【0151】
以上、説明したように、本発明の第4の実施の形態によれば、既存MTCデバイス110は、新規MTCデバイス100や、他の既存MTCデバイス110、MTCサーバ300に対して優先的に通知したい情報がある場合は、割り当てられているアクセス可能時間間隔の範囲内において、早い時間帯に情報を通知することができる。これにより、情報を必要とする相手は、通常よりも早く情報を取得することができるため、必要なアクションを早く実行することができる。特に情報を利用してユーザへサービスを提供するMTCサーバ300にとって、重要な情報を通常よりも早く取得できることは効果的である。また、通知情報の判別や、接続時刻の算出は全てMTCデバイスによって行われるため、MTCサーバ300やMME220に対する負荷を軽減することができる。また、MTCサーバ300は、取得した情報が他のMTCデバイスにとって有効な情報である場合、通常の方法で算出した接続時刻(既存MTCデバイス110よりも遅い時刻)にネットワークへ接続してきた他のMTCデバイスに対しても、既存MTCデバイス110から取得した情報を通知することができる。
【0152】
以上、本発明の第1〜第4の実施の形態によれば、新規MTCデバイス100が必要とする設定情報を取得するためだけに、既存MTCデバイス110をネットワークへ接続させる必要がなく、既存MTCデバイス110が通常ネットワーク200へ接続する機会を利用して、必要な設定情報を取得することができるため、既存MTCデバイス110の電力消費を必要最小限に抑えることができる。また、新規MTCデバイス100は、自身が次回ネットワーク200へ接続した際に、確実に既存MTCデバイス110の設定情報を取得することができるため、繰り返しネットワーク200へ接続する必要をなくすことができる。また、既存MTCデバイス110が保持する設定情報を取得できるため、新規にネットワーク200へ接続したMTCデバイスであっても、既に十分な情報を基に動作している既存MTCデバイス110と同等のレベルの動作を開始することができるため、MTCサーバ300が求める情報をすばやく提供することができる。
【0153】
なお、上述の本発明の第1〜第4の実施の形態では、MTCの技術において本発明が適用される場合について主に説明したが、本発明の適用範囲は、MTCの技術に限定されるものではなく、通常のUE(User Equipment)にも適用される技術である。また、本発明は、他の任意の通信技術に対しても適用可能である。また、上述の本発明の第1〜第3の実施の形態では、新規MTCデバイス100が他のMTCデバイスから取得する情報の一例として設定情報を挙げているが、新規MTCデバイス100が他のMTCデバイスから取得する情報は設定情報に限定されるものではない。例えば、他のMTCデバイスが収集したセンシングデータや、グループ内部で割り当てられるIDやIPアドレスなど、様々な種類の情報を新規MTCデバイス100は所望することが可能である。
【0154】
また、上述の本発明の各実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0155】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0156】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、通信ノードの消費電力を最小限に抑えながら、通信ノードが他の通信ノードで保持されている、より新しい所定情報(例えば、設定情報)を取得できるようにするという効果を有し、通信ノード間で自律的に情報のやり取りを行う通信技術、特に、MTCの技術に適用可能である。
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