特許第5773996号(P5773996)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5773996UOE鋼管を拡管する際にプロセスを監視しプロセスを制御するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5773996
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】UOE鋼管を拡管する際にプロセスを監視しプロセスを制御するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 39/20 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
   B21D39/20 C
【請求項の数】11
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-515350(P2012-515350)
(86)(22)【出願日】2010年5月12日
(65)【公表番号】特表2012-529992(P2012-529992A)
(43)【公表日】2012年11月29日
(86)【国際出願番号】DE2010000558
(87)【国際公開番号】WO2010145630
(87)【国際公開日】20101223
【審査請求日】2013年4月30日
(31)【優先権主張番号】102009030152.6
(32)【優先日】2009年6月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507125228
【氏名又は名称】ユーロパイプ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100154298
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100161001
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 篤司
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ラルス
(72)【発明者】
【氏名】グロス‐ヴェーゲ,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】エスターライン,ルートヴィヒ
(72)【発明者】
【氏名】ヴルフ,ジークマル
【審査官】 石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04065953(US,A)
【文献】 特開2005−153022(JP,A)
【文献】 実開昭62−003212(JP,U)
【文献】 特開昭59−199117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 39/20
B21D 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
UOE法で製造した鋼管を前記管に導入可能な拡管工具によって拡管する際にプロセスを監視するための方法であって、ドローバーに配置されて半径方向で拡開可能な工具ヘッドから前記拡管工具が成り、前記工具ヘッドで管が半径方向で拡開され、前記工具ヘッドに配置されてその都度矯正すべき管直径に半径方向位置を適合可能なヘッドローラによって前記工具ヘッドが矯正中管に対して支持され、前記管が支持ローラで支持され、拡管過程において前記ヘッドローラに支持力が付加されるものにおいて、
拡管中に前記ヘッドローラに作用する支持力が測定され、所定の目標支持力を基準に評価され、所定公差値から偏差を生じると表示が行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
定公差値から決定された偏差に基づいて前記ヘッドローラの半径方向位置が変更され、これにより拡管中に管幾何学形状が影響を受けることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
定公差値から決定された偏差に基づいて前記ヘッドローラの半径方向位置は、少なくとも次に拡管すべき管用に再調整されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
偏差を確認すると、拡管中に前記偏差をヘッドローラ再調整用の制御量として使用することにより、前記ヘッドローラの位置は既に直接再調整されていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。

【請求項5】
幾何学形状要求を満たすために、付加的に前記支持ローラは管軸に対するその半径方向位置を調節されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記支持ローラは、幾何学形状要求を満たすために、前記ヘッドローラと連結して調節されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、管(1)に導入可能な拡管工具と、矯正すべき前記管(1)を支持する支持ローラ(12)とを有し、前記拡管工具がドローバー(11)に配置される工具ヘッド(10)から成り、前記工具ヘッドが、半径方向で拡開可能なセグメント(9)と、前記工具ヘッドに配置されてその都度矯正すべき管直径に半径方向位置を適合可能な、前記拡管工具を前記管(1)で支持するためのヘッドローラ(2)とを有するものにおいて、
前記ヘッドローラ(2)が、拡管中に前記ヘッドローラ(2)に作用する支持力を記録するための測定装置(8)と、測定値評価兼監視ユニットと、所定公差閾値からの偏差を表示する信号ユニットとを備えていることを特徴とする装置。
【請求項8】
前記ヘッドローラ(2)が、ローラ受容部(7)と高さ調整可能な支承部(6)とから成る支承ユニット(4)内で支承されていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記高さ調整可能な支承部(6)がウェッジ支承部であることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
高さ調整が変位機構(5)を介して行われることを特徴とする、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記変位機構(5)が手動式、電気式、油圧式または空圧式駆動部であることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UOEで作製した鋼管を拡管する際にプロセスを監視しプロセスを制御するための請求項1の前文に記載した方法に関する。本発明は特に、半径方向で拡径する拡管機を管に導入し、かつ拡管機を段階的に管に押し通す拡管法に関する。
【背景技術】
【0002】
専門業界においてUOEと称される方法は、縦シーム溶接大径管を製造するための最も頻繁に応用される方法である(非特許文献1)。この方法では、第1工程において平鋼板のエッジが縁曲げされる。後続のプレス機が鋼板を円形プレスパンチでU形状とし(Uプレス)、この鋼板は引き続き、2つの閉じる金型を有するOプレス機で円形溝付管へとプレスされる。多くの場合、管は内面溶接および外面溶接後、直径、真円度および真直度に対する要求をまだ満たしていないので、管は冷間拡径(拡管)によって矯正されることになる。このような管は、次に溶接してパイプラインとされ、例えば油またはガスの輸送用に利用されている。
【0003】
特に、きわめて高い外部圧力が付加されるオフショア敷設配管の耐衝撃性に対する要求は絶えず高まっているので、管は真円度公差に関してますます厳しくなる要求を満足しなければならない。
【0004】
鋼管矯正装置は、例えば特許文献1により公知である。この装置を構成する拡管機は、管に導入可能な工具ヘッドを有し、この工具ヘッドは、ドローバー(牽引用の棒)に配置される楔状多面体(ウェッジ)とその周面に配設される複数のセグメントとによって形成されている。ドローバーは、工具ヘッドとは反対の側が二股支承部で保持されている。セグメントは、拡管のためにウェッジを介して半径方向で離反移動され、管区域が拡径され矯正されることになる。次に、管は段階的拡径を介して全長にわたって矯正されることになる。
【0005】
ヘッド受容部の拡管ヘッド下側領域にいわゆるヘッドローラがあり、このヘッドローラは拡管時に拡管ヘッドを担持し、それとともに工具側で管に対して支持する。管自体は、拡管中、ヘッドローラの直接的作用領域に配置される支持ローラで支持されている。
【0006】
さまざまな管直径を矯正するために、ヘッドローラは、拡管前にその半径方向位置を変更可能、すなわち拡管機軸に対する高さ距離を変更可能である。拡管後に管の真円度および真直度に関して最適な管幾何学形状を達成するために、出発管が完全に真円かつ真直である場合、拡管機軸が管軸と一致しかつヘッドローラの距離が矯正された管内径に一致するようにヘッドローラの半径方向位置は調整される。この調整からの偏差は、拡管中の管幾何学形状全体に影響し、これによって完成管の真円度、真直度を変化させている。
【0007】
実務において、管が拡管前に有する幾何学形状は、しばしば理想的真円度および/または真直度から偏差を有している。ヘッドローラは、矯正で最適結果を達成するために、適宜な調整によってこのような偏差に対処するのにも利用することができる。この処理手順は知られており、作製開始時にヘッドローラの高さ位置を最適に調整するのにも利用される。
【0008】
拡管前の多種多様な要因の影響によって、また材料特性に不規則性が存在するので、管の幾何学形状特性は作製中に変動することになる。公差がますます厳しくなると、不都合な諸条件のもとで矯正済み管が公差外となることが起こり得る。そうした場合、管は手間のかかる再加工で、例えば油圧プレスシリンダによって再矯正されなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許出願公開第2632672号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Stahlrohr Handbuch、第12版、Vulkan Verlag Essen、1995、139〜143頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで本発明の課題は、作製中の拡管時に管出発幾何学形状の変化が記録されるUOE作製管の拡管プロセス監視方法および装置を明示することである。
【0012】
他の課題は、記録された管幾何学形状変化に反応することのできる相応する拡管プロセス制御を明示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、主課題は、拡管中にヘッドローラに作用する支持力を測定し、所定の目標支持力を基準に評価し、所定公差値から偏差を生じると表示を行うことによって解決される。
【0014】
拡管プロセスを直接監視し、求められた幾何学形状要求の内部での最適管幾何学形状の達成をこうして確保することは、本発明に係る方法ではじめて可能となる。
【0015】
実験において認識されたように、要求された管幾何学形状から素管が著しい偏差を既に有する場合特に、拡管機軸に対して相対的なヘッドローラの半径方向位置は矯正時に極力理想的な真円度および真直度を矯正時に達成するうえで決定的に重要である。
【0016】
実験においてさらに確認されたように、ヘッドローラの半径方向位置が僅かに変化するだけで既に、拡管した管の真円度および真直度に著しく影響することになる。
【0017】
特に、ヘッドローラで測定された諸力は、矯正すべき管幾何学形状と明確に相関していることが実験において判明した。これは、素管幾何学形状の偏差がヘッドローラ目標力推移における当該偏差と相関していることを意味している。
【0018】
非動作状態のとき、すなわち拡管ヘッドを管に導入しただけのとき、ヘッドローラは拡管工具の自重で付加され、この自重が支持力の目標力値となる。
【0019】
この目標力値は、ヘッドローラ位置と実際の管幾何学形状とに依存して拡管過程によって影響を受けることになる。
【0020】
拡管すべき管が事前に明確な真円度偏差を有する場合、拡管時に目標力推移からの明確な偏差が実験の枠内で突き止められた。楕円度に応じて力超過または力不足が突き止められた。その場合、拡管した管を再測定すると、要求された管幾何学形状に対して相応する偏差が生じることになった。
【0021】
したがって、プロセス監視時に本発明によれば、拡管機のヘッドローラに作用する支持力が拡管中に測定され、目標支持力の所定公差値と比較され、幾何学形状要求を守るための良否判断が偏差の大きさから導き出される。
【0022】
次に、測定した力偏差に相応して半径方向ヘッドローラ位置を再調整することによって、次の管用の矯正された幾何学形状は適切に影響を及ぼすことができる。
【0023】
しかし本発明の有利な1構成によれば、測定した偏差をヘッドローラ再調整用の制御量として使用し、これによって既に拡管中に管幾何学形状に影響を及ぼすことも可能である。
【0024】
実験においてさらに検知されたように、ヘッドローラ位置の他に支持ローラの位置も拡管した管の幾何学形状に影響することになる。
【0025】
したがって、本発明の有利な1構成において、幾何学形状要求を満たすために付加的に管軸に対する支持ローラの半径方向位置が調節される。次に、ヘッドローラおよび支持ローラのその都度の位置を好適に整合させることによって、有利には、拡管時に管幾何学形状を最適化する意味で管の真円度にも真直度にも影響を及ぼすことができる。
【0026】
本発明のその他の特徴、利点および細部は図示実施例の以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る管拡管装置の略縦断面図である。
図2図1の装置を横断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1が略縦断面図で示す本発明に係る装置は、管拡管中に拡管工具のヘッドローラに作用する諸力を測定するための測定装置を有している。
【0029】
拡管すべき管1に導入されている拡管工具は、半径方向で拡開可能なセグメント9を備えた工具ヘッド10からなっている。工具ヘッド10は、ドローバー11に配置されており、このドローバーは、ドローバー11とセグメント9との間にあるウェッジ14を介して軸方向運動によってセグメント9を半径方向で拡開し、管を拡管している。符号3は、拡管機軸もしくは管軸である。
【0030】
工具ヘッド10がヘッドローラ2を有し、このヘッドローラで工具ヘッド10は拡管中管1で支持されている。管1は、拡管時、支承部13内に配置される支持ローラ12で支持されている。
【0031】
図2によれば、ヘッドローラ2が支承ユニット4内で支承されており、この支承ユニットは、ローラ受容部7と変位可能な支承部6とから構成されている。本発明によれば、ローラ受容部7が測定装置8を備えており、拡管中ヘッドローラに作用する力はこの測定装置で測定することができる。
【0032】
ヘッドローラ2の高さ変位の例として支承部6はウェッジ支承部として実施され、油圧シリンダから成る変位機構5を備えている。この変位機構で、ウェッジ支承部の摺動を介してヘッドローラ2の半径方向位置は調整することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 管
2 ヘッドローラ
3 拡管機軸もしくは管軸
4 支承ユニット
5 変位機構
6 支承部
7 ヘッドローラ受容部
8 測定装置
9 セグメント
10 工具ヘッド
11 ドローバー
12 支持ローラ
13 支持ローラの支承部
14 拡管ウェッジ
図1
図2