(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
光ファイバ及び光学フィルムなどの光学要素は、様々な機能的及び装飾的な照明用途で使用され得る。被視認性を高めるために対象物又は領域を強調するのに使用される照明は、性質上機能的であると考えることができる一方で、純粋に審美的理由で使用される照明は、性質上装飾的であると考えることができる。
【0003】
光ファイバ及び光学フィルムの照明は、典型的には、発光ダイオード(LED)などの少なくとも1つの光源により提供される。一般に、光ファイバはコアとクラッド層とを備え、コアとクラッド層との間の境界又は界面で全内部反射が生じる。光源から放射される光はこの全内部反射によってファイバの長さに沿って伝播されるので、光ファイバの露出端から光を見ることができる。あるいは、内部反射の角度を臨界角より小さく変化させて光が光ファイバに対し横方向に放射されるように、又はファイバの長さに沿って伝播される光の一部が既に可視である場合には、ファイバから放射される光の量を最大にする又は増強させる、のいずれかの手段が設けられる場合、光ファイバの長さに沿って光を見ることができる。このようなファイバは、ファイバ内、例えば、コア又はクラッド層のいずれかの欠陥に起因して、あるいはコア/クラッド界面が欠陥を含んでいるという理由から、その長さに沿って光を放射する。ファイバの長さに沿って光を見ることは、必要とする照明効果に応じて、多くの方法で達成され得る。
【0004】
例えば、欧州特許第0 594 089号は、追加の反射面を形成するために光ファイバの外側表面に切り込まれて、長さの少なくとも一部に沿って全内部反射を示す複数のノッチの使用を開示している。これら反射面のそれぞれを照らす光は、光ファイバから外へと反射され、発光点位置を形成する。典型的には、これら反射面は、この表面を形成するノッチが作られているファイバの断面積よりも小さい断面積を有する。好適なノッチとしては、「V」字型及びアンダーカット(undercut)ノッチ、並びに4分の1円筒形を有するノッチが挙げられる。ノッチは、ファイバの長さに沿って中心を通る軸に対し垂直になるように、又はかかる軸に対しある角度をなして傾けられるように、ファイバの表面に切り込まれてもよい。ノッチの単列が設けられてもよく、又はPCT国際特許出願第98/33008号に記載のように、2列のノッチが重なり合って、隣接するノッチが互いにオフセットするパターンとしてもよい。各ノッチは、ノッチ自体の寸法及び位置に応じた照明を作り出す。
【0005】
代替的手法は、PCT国際特許出願WO99/22174に記載のように、その長さに沿って伝播する光の一部が既に可視であるファイバを使用し、そのファイバと、例えば、拡散反射面とを組み合わせることである。好適な拡散反射面は、ミクロボイド及び微孔性(mircoporous)シート材料などのシート材料を包含し、このシート材料は、可視である長さの少なくとも一部に沿って光ファイバの外周の一部に巻き付けることができる。拡散反射面の使用は、光ファイバの長さに沿って比較的均一な照明がシート材料と接触して、柔らかな照明効果を作り出す。
【0006】
慣例的に円形断面を有する光ファイバを使用するのではなく、米国特許出願第2005/0151119号に記載のように、微細構造化表面を有する光学フィルムを備える光学要素を使用して、拡散する柔らかな照明効果を作り出すことも可能である。あるいは、その表面に沿って多数の溝又はノッチを有する光学フィルムを備える要素を使用して、ノッチを有する光ファイバと同様の照明効果を提供することができる。
【0007】
単一光源によって照明され得る光学要素の長さは比較的短いので、個々の要素を連結し、照明装置全体の外観が1つの連続した光となるように個々の要素それぞれに光源を設ける方法を見つけることが望ましい。これは、光注入と個々の光学要素の連結の両方を可能にするコネクタを提供することによって行われてもよい。
【0008】
この機能を実施する1つのコネクタが、米国特許第6,107,916号に開示されている。遠隔光源からの光を光放出要素の中に入射するために、光偏向要素が設けられる。光は、それぞれが光を光放出要素に沿って方向付ける2つの傾斜表面を有する光偏向要素の末端のノッチに到達するまで、光偏向要素の本体に沿って進む。しかしながら、この設計は、光源及び個々の導波路の接合部の両方のためのコンパクトなハウジングを提供しない。
【0009】
代替のコネクタが米国特許第6,510,267号に開示されている。各導波路コネクタは、例えばねじ又はボルトで互いに繋ぎ合わせられる上部と底部とを有する。これらの部分は、螺合されるとチャネルを形成し、その中に2つの導波路のそれぞれの末端が位置してこれら導波路を接合する。これら導波路を照射するために、電球などの光源を挿入することができる切り込み領域を備える導波路コネクタが提供され得る。しかしながら、電球は、本質的に導波路コネクタとは独立したものであるので、この場合も同様に、光源及び導波路の接合部のための完全でコンパクトなハウジングを形成しない。
【0010】
導波路などの光学要素を連結するために、いくぶん嵩高なコネクタを使用して照明を提供することの困難な点は、光学要素を使用することができる照明設計の範囲がある程度限定されることである。コンパクトなコネクタ設計は、そのようなコネクタを使用する照明システムの用途に、更なる融通性を持たせることができる。更に、コネクタに対する電気的接続の位置は、電球ホルダの位置、及び電球が光ファイバに対し直角にコネクタに挿入可能となる要件によって特定される。このことは、光学要素の接合及び照射に関して設計者が有する柔軟性を低下させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、少なくとも1つの光学要素を備える照明システムにおける使用に適合されたコネクタを提供することによって、これらの問題に対処するのを目的とし、コネクタは、内部的に少なくとも1つの光学要素の端部の少なくとも一方を保持し、外部的に光学要素の端部の形状と実質的に一致するように寸法設定され、それらの間に接合部を形成するハウジングと、ハウジングの中に収容され、少なくとも1つの光学要素の端部を照射するように配置される光源と、光源と外部電源とを連結するように適合され、かつハウジングに対し移動可能である電気的接続手段と、を備える。
【0012】
かかるコネクタは、光学要素のそれぞれの間に低プロファイルの接合部を提供し、ハウジング及び電気的接続手段を自在に位置決めすることができ、達成可能な照明設計の柔軟性をより高めることができる。光源は、照明設計の全体的な外観がコネクタ又は光源によって中断されないように、また、照射されたときに光の連続する線が観察者によって観察されるように、光学要素の末端の間に配置することができる。
【0013】
コネクタは、電気的接続手段に連結可能であり、光学要素の第2の末端又は第2の光学要素の第1の末端のいずれかを照射する第2の光源を更に備えてもよい。
【0014】
好ましくは、ハウジングはスリーブの形態であり、光学要素の末端を包囲する。
【0015】
電気的接続手段は、ハウジングに挿入されるフレキシブル基板上に提供されてもよい。
【0016】
基板は、一端にベース領域を有する細長い可撓性支持体であり、電気的接続手段は、細長い可撓性支持体のベース領域の上に取り付けられる。この場合には、電気的接続手段は、金属接点と、細長い可撓性支持体の長さに沿って延伸する導電体の終端部と、を含んでもよい。
【0017】
金属接点及び終端部は、光源が細長い可撓性支持体の縁部と平行に連結されるように位置決めされてもよい。あるいは、金属接点及び終端部は、光源が細長い可撓性支持体の縁部と垂直に連結されるように位置決めされてもよい。この場合には、導電体は、細長い可撓性支持体のベース部と本体との間の網目状経路を追従するのが好ましい。
【0018】
あるいは、電気的接続手段は、2つのスライド可能な接点を含んでもよい。これらスライド可能な接点は、ハウジングと係合可能であるのが好ましい。好ましくは、ハウジングはU字型部分を含み、光学要素を保持することを目的とするガイドレール内に嵌着するよう寸法設定される。接点は、光学要素を保持することを目的とするガイドレール内に電力を供給する導電体に対し移動可能であってもよい。
【0019】
好ましくは、ハウジングは光拡散材料から形成される。好ましくは、光源は発光ダイオード(LED)である。好ましくは、光学要素は光ファイバである。
【0020】
本発明はまた、
導光体を提供し、この
導光体は、2つの端部を有する少なくとも1つの光学要素と、上述されたコネクタと、を備え、コネクタは、光学要素の端部を互いに接合することにより、
導光体が照射されたときに、接合部領域内における照明の途切れが観察者から見えない。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、少なくとも1つの光学要素の末端を接合し、光学要素のための照明を提供するコネクタの提供に関して、従来技術と異なる手法を採用する。内部的に光学要素の第1の末端を保持し、外部的に光学要素の形状と実質的に一致するように寸法設定されたコネクタハウジングの中に光源を含ませることによって、観察者によると照明されているように見えるときに光学要素の一部であるように見える、コンパクトなコネクタを作製することができる。これは、光学要素の末端を照射するために、少なくとも1つの光学要素の末端を一体に連結するハウジングの中に光源が完全に配置された時点で、コネクタの寸法は、本質的に光学要素の寸法によって決定されるためである。ハウジングに対し移動可能な電気接点を提供することにより、接点は、照明装置の設計にかかわらず、光源に電力を供給するのに必要な任意の位置に移動させることができる。その結果、電力供給に起因した光源の位置に関する制約が存在せず、設計の大きな自由度が達成される。
【0023】
光ファイバは、一般に、コアとクラッド層とを備え、その場合、光はコア及びクラッド層に沿って伝播され、クラッド層は、コア層を損傷から保護するために設けられる。典型的には、コア及びクラッド層は共に、ガラスから、又は共にプラスチック材料から形成される。ガラス光ファイバは、ゲルマニアがドープされたシリカガラスコアを備える傾向があり、優れた透過特性を提供するが、かかるファイバは、その総原価に加えて、特別な取り扱い及び取付けを要する。ガラス材料と比較した場合に、ファイバの機械的柔軟性が著しく増加し、また価格が著しく低いので、次第に、光ファイバはプラスチック材料から形成されるようになってきている。プラスチック光ファイバは、典型的には、PMMA(ポリメチルメタクリレート)又はポリスチレンコアを有し、クラッド層はシリコーン樹脂である。本発明で使用するのに適しているのは、二成分ポリウレタン若しくは熱可塑性ポリウレタンなどのポリウレタン材料、又はシリコーン材料でできたものである。上述のコア及びクラッディングファイバの代替物として、クラッド層を有さない光ファイバが使用されてもよい。この場合もやはり、かかるファイバは、典型的には、ポリウレタン材料から形成される。
【0024】
図1は、その長さに沿って発光点位置を含む既知の光ファイバの概略長手方向断面図である。上述のように、光ファイバ1はプラスチック材料を含み、ファイバ1の照明は、パラボラ反射鏡と共に配置されたLEDなどの光源2によってもたらされ、光はレンズによって光ファイバ1の中に合焦される。光源2によって放射された光線3Aの一部は、光ファイバ1の長さに沿って伝播し、これは光ファイバ1を伝って情報が運ばれる手段である。光源によって放射された光線3Bの一部は、以下に記述されるように光ファイバ1から出射することになる。
【0025】
発光点位置は、光ファイバ1の長さに沿って一定間隔で提供される。かかる発光点位置は、光ファイバ1の全長に沿って、又は光ファイバ1の長さの一部のみに沿って提供されてもよい。各発光点は、光ファイバ1の表面に切り込まれた「V」字型ノッチ4によって形成され、光ファイバの中心に沿って通る軸と平行に単列で整列する。各ノッチ4は、光学的に滑らかな表面5を有し、光線3Bの一部を光ファイバ1の外に反射するのを助けるために、表面5の一方には反射コーティング6が施されている。各ノッチ4は、光ファイバの中央領域に突き当たる特定の深さ7まで切り込まれる。これは、全内部反射の臨界角でない反射面を光ファイバ1内に形成し、したがって、ノッチ4の反対側の表面から光線3Bが光ファイバ1の外に反射されるのを可能にし、発光点位置を形成する。光ファイバ1の外に反射される光線3Bの部分は、「V」字型ノッチ4の各傾斜面が位置する、垂直に対する角度8によって決定される。必要に応じて、反射コーティング6は省略されてもよい。
【0026】
このため、ノッチの深さ及び角度、設けられるノッチ4の密度、並びに光ファイバ1の長さに沿ったそれらの位置の選択は、光ファイバ1の長さに沿って放射される光の量を決定する。これは、ノッチ設計の効果を含め、欧州特許第0 594 089(B1)号により詳細に記述されており、これを参照されたい。
【0027】
図2は、本発明の第1の実施形態によるコネクタを備える環状
導光体の概略斜視図である。環状
導光体11は、ほぼ円環形状に曲げられた単一光ファイバ12を備え、光ファイバ12の第1の末端13及び第2の末端14はコネクタ15内に保持されている。コネクタ15は、その中に収容された2つの光源17a、17bを有するハウジング16を備え、このハウジングは、光ファイバ12の第1の末端13及び第2の末端14を包囲するように寸法設定されている。光源17a、17bは、光ファイバ12の第1の末端13及び第2の末端14を照射するようにハウジング16内に配置される。ハウジング15はスリーブ18の形態であり、光ファイバ12の第1の末端13及び第2の末端14がその中に包囲されるように挿入される。スリーブ18は、内部的に少なくとも1つの光学要素の端部を保持し、外部的に光ファイバ12の端部の形状と実質的に一致するように寸法設定される。光源17a、17bは、ハウジング16に対し移動可能な電気的接続手段19の上に取り付けられている。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施形態によるコネクタで使用される第1の電気的接続手段の概略平面図である。電気的接続手段19は、一端に略矩形のベース領域21を有する細長い可撓性支持体20を含む。ベース領域21は、電気コネクタ15のハウジング16に挿入されるように適合される。細長い可撓性支持体20は、細長い可撓性支持体20の長さに沿って延伸し、終端部23a、23bの形態のベース領域21で終端する2つの導電体22a、22bを支持する。第2の電気的接続手段は、導電体22a、22bの終端部23a、23bから電気的に絶縁された金属接点24の形態で提供される。
【0029】
光源17a、17bは発光ダイオード(LED)であり、金属接点24、及び細長い可撓性支持体20に沿って延伸する導電体22a、22bの終端部23a、23bと直列に接続されている。第1の光源17aは、2つの導電体のうちの第1の導電体22aの終端部23aと接続され、第2の光源17bは、2つの導電体のうちの第2の導電体22bの終端部23bと接続される。光源17a、17bが共に金属接点24と接続されると、電気的な直列接続が形成される。導電体22a、22bの終端部23a、23b及び金属接点24は、光源17a、17bが細長い可撓性支持体20の縁部と平行に整列されて接続されるように配置される。
【0030】
図4は、本発明の第1の実施形態によるコネクタで使用される第2の電気的接続手段の概略平面図である。この第2の電気的接続手段25は、上述の第1の電気的接続手段19と同様の様式で構成されるが、1つの大きな違いを有する。導電体22a、22bの終端部23a、23b及び金属接点24は、光源17a、17bが細長い可撓性支持体20の縁部と垂直に整列して接続されるように配置される。これを達成するために、細長い可撓性支持体20によって支持される導電体22a、22bは、細長い可撓性支持体20のベース領域21と細長い可撓性支持体20の本体との間で網目状経路26をとる。これは、導電体22a、22bの終端部23a、23bが、細長い可撓性支持体20の縁部に平行に位置するベース領域21の一方の縁部に沿って位置決めされ、金属接点24は、ベース領域21の反対側の縁部に隣接して位置決めされることを意味する。この構成は、第1の電気的接続19の構成よりも必要とするスペースが少ないので、ベース領域21を小さくすることができ、ハウジング内での電気的接続、したがって光源17a、17bをより自在に位置決めできる。
【0031】
電気コネクタ15のハウジング16に、ハウジング16に対し移動可能である電気的接続手段19、25を提供することにより、電気コネクタ15、したがって光源17a、17bを、ハウジング16に対し望ましくかつ便利なあらゆる場所に設置することができる。これは閉ループの外観を作り出すので、環状
導光体11は連続した光の輪のように見え、
導光体が照射されたときに、光ファイバ12の端部の間の接合部の領域における照明の中断が観察者から見えない。例えば、フレームの中のラウドスピーカーを照射するために環状
導光体11を使用するのが望ましい場合、どれほどのスペースがそのフレーム内で光学要素に提供されるかにかかわらず、電気コネクタ15は、ハウジング内のあらゆる場所に配置されて照明を達成することができる。細長い可撓性支持体20、したがって、ハウジング内の電気的接続及び光源17a、17bを操作することは、光ファイバの末端を適所に保持するように設計されたハウジング上に固定位置を有する光源のための接続部一式と外部配線との間の電気的接続を形成するのと比べて容易である。
【0032】
細長い可撓性支持体20は、プラスチック材料、好ましくは熱可塑性材料から形成されてもよく、導電体22a、22bは、例えば、導電性インクを使用して印刷された線から形成することによってプラスチック材料の表面上に取り付けられてもよく、又は、例えば、銅などのワイヤ、若しくは導電性金属片を埋め込むことによってプラスチック材料の表面に埋め込まれてもよい。金属接点24は、同じ方法で、例えば、プラスチック材料に導電性材料を印刷する又は埋め込むのいずれかによって形成することができる。
【0033】
様々なLEDを使用してもよく、又は実際に、光学要素を照明するのに適した他の光源を代わりに使用してもよい。10〜20mAの範囲内の電流で動作するLEDが好適であり、例えば、3.4V及び20mAで動作する白色LEDは、柔らかな白色周囲光をもたらし、黄色LEDは、より低い電圧、例えば2.0Vで動作する。その他のカラーLED又は更に多色LEDを代わりに使用してもよい。動作電流が100mAを超えるLEDを使用する場合、照明システムが過熱するのを防止するために、追加の均熱手段(heat soak measures)をとらなければならない。
【0034】
上記の例は光ファイバに関して提供されたが、本発明の第1の実施形態によるコネクタは、光学フィルムなどの他の光学要素と共に使用されてもよい。コネクタはまた、例えば、環状
導光体ではなく線形の
導光体において、異なる光学要素の末端を接合するために使用されてもよい。上記の例は環状
導光体に関するものであるが、他の
導光体の形状で使用されてもよい。例えば、連続的な
導光体は、楕円形、正方形、矩形、三角形、又は他の幾何学的形状の形態であってもよく、これらの全ては閉じられているという共通点を有する。即ち、この形状を形成する光ファイバの両端は、ハウジング内に包囲され、連続的な閉じた外周を形成する。
【0035】
光ファイバ12は、その他の多くの手段によってスリーブ18内に保持されてもよい。例えば、スリーブ18を形成する材料は弾性特性を有してもよく、光ファイバ12上に延伸されると、把持及び/又は圧縮によって末端13、14を定位置に保持し、スリーブ18は、スリーブ18の外側を囲むように配置されるリング又はクリップなどの機械的手段によって、又は光ファイバ12上に設置される溝とスリーブ18上に配置された対応する突出部(若しくは逆もまた同様)を介したインターロックによって、光ファイバ12の両末端を適所にクランプしてもよく、あるいは接着剤が使用されてもよい。あるいは、予め形成されたスリーブ18を使用するのではなく、光ファイバの末端13、14を金型に入れて、スリーブ18をその周りに鋳造してもよい。
【0036】
コネクタの可視性は、ハウジングの形成に好適な材料を使用することにより最小限に抑えられてもよい。好ましくは、ハウジングを形成するために使用される材料はプラスチック材料であり、光ファイバの挿入又は保持を容易にするために、ある程度の可撓性を有してもよい。これは、光ファイバの末端を包囲するためにわずかに延伸する能力を呈することによる可能性がある。材料は、フレームの背景色と一致するように暗黒色であってもよく、又は光源がハウジング内に設置される場所でホットスポットが生じるのを最小限に抑えるために、光を拡散する材料であってもよい。材料は、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)などの熱可塑性材料であってもよく、材料は、粗面を有して透明、不透明(例えば、乳白色)であってもよく、又は外部周辺光を反射するために磨かれてもよい。光ファイバの末端間の距離を最小限にし、電気的接続を収容するためにかかる光拡散材料を使用することにより、光の連続線の外観が達成される。中断のない連続した光の輪は魅力的な外観を有するので、このことは環状
導光体にとって特に望ましい。
【0037】
図5は、本発明の第2の実施形態によるコネクタの概略斜視図である。コネクタ30は、その中に収容された光源32を有するハウジング31を備えており、このハウジングは、光ファイバ(図示せず)の末端を囲むように寸法設定される。光源32は、光ファイバの末端を照射するようにハウジング31の中に配置される。ハウジング31は、スリーブ33の形態であり、その中に光ファイバの末端が包囲されるように挿入される。スリーブ33は、内部的に少なくとも1つの光ファイバを保持し、外部的に光ファイバの端部の形状と実質的に一致するように寸法設定され、末端間に接合部を形成する。具体的には、スリーブ33は、
導光体レール(図示せず)によって受容されるように成形されるので、正方形の溝形状の
導光体レールの中に収まるように、そのベース部34上に正方形の断面形状を備え、その上部35は丸みを帯びた形状である。ハウジング31が
導光体レールとぴったり重なって位置して、レールが可視でなくなるのを確実にするために、円形部分は、正方形の断面の辺のうちの1つの長さよりも大きな直径を有する。これは、上部35がベース部34を越えて突出して、断面で見たときにキノコ形状を形成することを意味する。典型的には、直径7mmの光ファイバでは、キノコ形状の茎部の幅は5mmであり、キノコ形状の半球体は茎部の底面から4.5mmの位置から始まる。上部35は、
導光体レールの上部の下に位置し、
導光体レールの中に保持手段として提供される隆起部と接触する。これらについては以下の
図6により詳細に示される。内部的にハウジング31は、少なくとも1つの光学要素の端部を保持し、外部的に光学要素の端部の形状と実質的に一致して、末端の間に接合部を形成するので、コネクタ及び光ファイバを収容している
導光体が照射されたとき、接合部の領域内における照明の途切れは観察者から見えない。
【0038】
電気的接続手段36は、第1のスライド可能な接点37a及び第2のスライド可能な接点37b(
図5aではその一方のみが可視である)によって形成され、これら接点のそれぞれは、以下に記述されるように、ハウジング31の側面に沿ってスライド可能とされることによって、ハウジング31に対し移動可能である。スライド可能な接点37a、37bのそれぞれは、U字型に曲げられたシート状の金属材料から形成される。U字型の一方の上向き脚部は2つの切り欠き領域を有し、スライド可能な接点37a、37bには3辺切り込み部が形成されてばね接点38a、38bを形成する。スライド可能な接点37a、37bが光源32との電気的接続を形成するように、ハウジング31の一部はそのベース部35の位置で開かれたままであり、その結果、
導光体を覆うカバーの役割を果たし、かつ実効的にU字型になる。したがって、U字型のスライド可能な接点37a、37bは、ハウジング31のU字型部分の下向き脚部の上に嵌まり、この部分に沿った任意の場所に位置決めされ、光源32との所望の電気接点を提供することができる。
【0039】
図6は、本発明の第2の実施形態によるコネクタを備える
導光体システムの概略分解図である。上述されたコネクタ30に加えて、光ファイバを保持することを目的とする
導光体レール39が示されており、
導光体レール39は、ベース40と、直立縁部41、42と、レールの直立縁部41、42の内表面に沿って通る2つの隆起部43、44と、を備える正方形の溝断面を有している。これら隆起部43、44は、ハウジング31の上部35を押込嵌めで受容するように設計される。2つのストリップ状導電体45a、45bは、スライド可能な接点37a、37bが接触するようにレールの直立部分の内表面上に設置され、外部電源(導電体45a、45bに連結される)と光源32との間に電気的接続を形成する。スライド可能な接点45a、54bはハウジング31に対し移動可能なだけでなく、ガイドレール39内に電力を供給する導電体45a、45bに対し移動可能である。これにより、コネクタ30の位置が、供給電力がガイドレール39に入力される場所に限定されないので、コネクタ30の位置が完全に可変的となる。
導光体レール39内に嵌着されるように寸法設定された光ファイバ46もまた示されている。この光ファイバ46は、正方形のチャネルベース部と丸みを帯びた上部とを有するコネクタハウジング31と同じ特徴的な断面を有する。ハウジング31と同様に、光ファイバ46は、上部と、
導光体レール39の内側に沿って通る隆起部43、44と、の間に押込嵌めを形成するように寸法設定される。
【0040】
2つの導電体45a、45bに加えて、
導光体レール39のベース40に沿って通る第3のストリップ状導電体47が存在してもよい。これは、光源32の追加制御並びに熱管理を提供する。プリント回路基板装置などの様々なその他の熱制御装置を代わりに使用してもよい。2つの光ファイバがコネクタ30によって接合される場合には、第2の光源がハウジングの中に含まれてもよく、これもまたスライド可能な接点37a、37bに連結される。2つの光ファイバが接合される場合、例えば、
導光体レールが角部を曲がるように設計されている場合、それらは互いに対し180°でない角度で位置決めされるのが望ましい。この場合には、ハウジングは「L」字型であり、光源は「L」字型の各アームの中に配置される。更に、3つの光ファイバが接合される場合、アームが3つあるハウジングを使用してもよく、必要に応じ、光源は各アームの中に存在するか、又は接合部に単一光源が存在する。このシステムは、一体に接合される最大6つのファイバと、最大6つの光源とを収容するために使用されてもよい。好ましくは、光源のそれぞれは、スライド可能な接点37a、37bに半田付けされるが、好ましい場合には、接着剤などのその他の手段を用いることが可能である。光ファイバの間の角度が可変である照明設計を収容するために、ハウジングの中心にヒンジを備えて光ファイバの柔軟な配置を可能にしてもよい。
【0041】
たとえ技術者が
導光体レール自体を見ることができなくても、コネクタのハウジングが
導光体レールの中に容易に位置決めされ得るように、位置決め特徴部を提供するのが望ましいことがある。そのような位置決め装置は、ハウジングのベースの上に配置される突出部であってもよく、この突出部は、
導光体レールの中の対応する穴又は空洞に挿入される。設けられた穴/空洞と突出部とが完全な噛み合い係合を形成しない限り、ハウジングは
導光体レールの中に適切に据え付けられない。かかる突出部は、円筒形、半球形、又は直平行六面体であってもよく、対応して成形された穴/空洞の中に収まることができる。
【0042】
種々のLEDを使用してもよく、又は実際に、光学要素を照明するのに適した他の光源を代わりに使用してもよい。10〜20mAの範囲内の電流で動作するLEDが好適であり、例えば、3.4V及び20mAで動作する白色LEDは、柔らかい白色周囲光をもたらし、黄色LEDは、より低い電圧、例えば2.0Vで動作する。その他のカラーLED又は更に多色LEDを代わりに使用してもよい。動作電流が100mAを超えるLEDを使用する場合、照明システムが過熱するのを防止するために、追加の均熱手段をとらなければならない。
【0043】
上記の例は光ファイバに関して提供されたが、本発明の第1の実施形態によるコネクタは、光学フィルムなどの他の光学要素と共に使用されてもよい。典型的には、本発明と共に使用するのに適した光ファイバは、用途及び周囲の状況に応じて、最大1500mmの長さを有する。
【0044】
コネクタの可視性は、ハウジングの形成に好適な材料を使用することにより、最小限に抑えられてもよい。好ましくは、ハウジングを形成するために使用される材料はプラスチック材料であり、光ファイバの挿入又は保持を容易にするために、ある程度の可撓性を有してもよい。これは、光ファイバの末端を包囲するためにわずかに延伸する能力を呈することによる可能性がある。材料は、フレームの背景色と一致するように暗黒色であってもよく、あるいは、光源がハウジング内に設置される場所でホットスポットが生じるのを最小限に抑えるために、光を拡散する材料であってもよい。光ファイバの末端間の距離を最小限にし、かつ電気的接続を収容するためにかかる光拡散材料を使用することにより、光の連続線の外観が達成される。ハウジング及び
導光体レールは共に、特定用途の機械的要求を満たす任意の硬質プラスチック材料から製造されてもよい。プラスチック材料は、単一構成要素、ブレンドであってもよく、又は充填剤を含んでもよい。好適な材料としては、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、POM(ポリオキシメチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PA(ポリアクリレート)、及びPPE/PS(ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン)が挙げられる。
【0045】
上述の第1及び第2の実施形態のコネクタを組み込んだ柔軟な照明設計の用途は、様々でありかつ広範囲に及ぶ。照明の中断なしに光学要素の端部を一体に接合する必要がある任意の用途は、本発明の利益を享受することができる。例えば、かかる設計は、自動車部門(例えば、サラウンドラウドスピーカー)及び航空機部門(飛行機の中の避難照明)において、またビルディング(店舗、事務所、及び家庭内の状況における照明)において使用されてもよい。このリストは全てを徹底的に網羅したものではなく、本発明によるコネクタを組み込んだ装飾的及び機能的な照明設計の両方の用途範囲を例示することを目的としている。