(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774028
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】医療装置のロック機構
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
A61F2/44
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-552517(P2012-552517)
(86)(22)【出願日】2011年2月16日
(65)【公表番号】特表2013-526898(P2013-526898A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】IB2011050648
(87)【国際公開番号】WO2011101793
(87)【国際公開日】20110825
【審査請求日】2013年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】512211394
【氏名又は名称】エヌエルティー スパイン エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】シーガル,ツォニー
(72)【発明者】
【氏名】ケレン,ドゥビル
(72)【発明者】
【氏名】ローブル,オーデッド
(72)【発明者】
【氏名】トウビア,ディディエ
【審査官】
川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0221687(US,A1)
【文献】
特表2010−518987(JP,A)
【文献】
特表2010−538684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、前記医療装置は、
(a)真っすぐになった状態および屈曲して展開された状態を想定して相互に連結された複数のセグメントを含み、当該複数のセグメントのうちの第1セグメントが係合要素(40)を有するインプラント体(20)と、
(b)前記インプラント体(20)の1つのセグメントに固定された、細長いロック要素(50)であって、係合要素に対応する突起を有してなるロック要素(50)を含み、ここで、前記ロック要素(50)が、前記屈曲して展開された状態に達するように偏向されるときに、ロック要素(50)の突起は、インプラント体(20)の係合要素に係合し、それらによってロックするように、前記インプラント体(20)および前記ロック要素(50)はロックするように構成され、前記インプラント体(20)に対して前記ロック要素(50)をロックし、それによって、前記屈曲して展開された状態で前記医療装置を保持し、
前記インプラント体(20)の少なくとも1つの追加のセグメント(30)が追加の係合要素(40)を有し、前記細長いロック要素(50)は少なくとも1つの追加の突起(60)を有し、
前記インプラント体(20)と前記ロック要素(50)は、
前記インプラント体(20)が完全に偏向されたとき、及び
前記インプラント体(20)が部分的に偏向されたとき、
前記セグメントのすべてが偏向されるわけではなく、
前記インプラント体(20)の連続したセグメントのおのおのが偏向し、前記突起(60)が、すでに偏向しセグメントであって、かつ前記突起(60)と前記係合要素(40)とを有するセグメントのためのみに前記係合要素(40)をロックするように構成され、
(i)前記突起(60)は歯であり、前記係合要素(40)は段であり、かつ当該歯が当該歯によって捕捉されることによって当該段と係合し、かつロックするか、
(ii)前記突起(60)は弾性タブであり、前記係合要素(40)は補足的な凹部であり、かつ当該弾性タブが当該
補足的な凹所部と係合し、かつロックするか、または
(iii)前記係合要素(40)はソケットであり、前記突起(60)は当該ソケットに対応するバルジであり、当該バルジが当該ソケットを占めることによって当該バルジが前記ソケットと係合し、かつロックするか、
前記(i)乃至(iii)のいずれか1つ
である、ことを特徴とする医療装置。
【請求項2】
前記ロック要素(50)は、前記インプラント体(20)の遠位のセグメントで固定され、ここで、前記インプラント体(20)および前記ロック要素(50)は、前記ロック要素(50)に適用された張力が、前記インプラント体(20)を前記真っすぐになった状態から前記屈曲して展開された状態まで付勢する傾向にあるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記インプラント体(20)の少なくとも3つセグメントの各々は、少なくとも1つの係合要素(40)とともに形成され、当該係合要素(40)は、前記インプラント体(20)の前記係合要素(40)の少なくとも1つに対応する且つ係合する突起(60)を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記インプラント体(20)の少なくとも3分の1のセグメントの各々は、少なくとも1つの係合要素(40)とともに形成され、当該係合要素(40)は、前記インプラント体(20)の前記係合要素(40)の各々に対応する且つ係合する突起(60)を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項5】
4つの連続するセグメントの少なくとも1つのセグメントの各々は、係合要素(40)を有し、当該係合要素(40)の対応する突起によってロックする、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項6】
遠位のセグメント以外の前記インプラント体(20)のセグメントの各々は、少なくとも1つの係合要素(40)とともに形成され、当該係合要素(40)は、前記インプラント体の前記係合要素(40)の少なくとも2つに対応する且つ係合する突起(60)を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項7】
セグメントの大部分は、少なくとも1つの係合要素(40)とともに形成され、当該係合要素(40)は、少なくとも1つの係合要素(40)の各々に対応する突起を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項8】
前記突起(60)は歯であり、前記係合要素(40)は段であり、前記段が前記歯を捕捉したときに前記歯が前記段と係合する、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項9】
前記突起(60)は弾性タブであり、前記係合要素(40)は補足的な凹部である、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項10】
各セグメントが屈曲して展開された状態で屈曲すると、各セグメントは、少なくとも1つの補足的な凹部を有し、少なくとも1つの弾性のタブは、各セグメントの少なくとも1つの補足的な凹部によってロックする、ことを特徴とする請求項9に記載の医療装置。
【請求項11】
前記真っすぐになった状態において、前記医療装置を収容するような且つ前記インプラント体(20)を維持するような大きさの導管をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項12】
(a)前記インプラント体(20)の前記係合要素(40)は少なくとも2つのソケットを有し、少なくとも2つの異なるセグメントの各々は、1つのソケットを有し、
(b)前記ロック要素(50)の前記突起(60)は少なくとも2つのバルジを備え、当該少なくとも2つのバルジが前記少なくとも2つのソケットに対応し、
ここで、前記ロック要素(50)が、前記屈曲して展開された状態に達するように偏向されるときに、前記少なくとも2つのバルジが前記少なくとも2つのソケットを占めることによって前記ロック要素(50)の前記少なくとも2つのバルジは、前記インプラント体(20)の前記少なくとも2つのソケットに係合し、それらによってロックするように、前記インプラント体(20)および前記ロック要素(50)はロックするように構成され、それによって前記ロック要素(50)は複数のセグメントで前記インプラント体(20)に対して前記ロック要素をロックされてなる、ことを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
【請求項13】
前記ロック要素(50)は、前記インプラント体(20)の遠位のセグメントで固定され、ここで、前記インプラント体(20)および前記ロック要素(50)は、前記ロック要素(50)に適用された張力が、前記インプラント体(20)を前記真っすぐになった状態から前記屈曲して展開された状態まで付勢する傾向にあるように構成される、ことを特徴とする請求項12に記載の医療装置。
【請求項14】
前記インプラント体(20)のセグメントの少なくとも半分のセグメントの各々は、少なくとも1つのソケットとともに形成され、ここで、前記ロック要素(50)は、ソケットの略すべてに対応するバルジを有する、ことを特徴とする請求項12に記載の医療装置。
【請求項15】
バルジから最も近い隣接するバルジまでの長さは、セグメントの屈曲領域から隣接するセグメントの屈曲領域までの長さより短い、ことを特徴とする請求項12に記載の医療装置。
【請求項16】
バルジからバルジまでの長さは、略均一であり、ここで、ソケットからソケットまでの長さは、略均一である、ことを特徴とする請求項12に記載の医療装置。
【請求項17】
前記真っすぐになった状態において、前記ロック要素(50)の前記バルジの少なくともいくつかは、前記ソケットの外側の屈曲領域の部分に位置付けられ、前記屈曲して展開された状態において、前記ロック要素(50)の前記バルジは、屈曲したセグメントの前記ソケットに位置付けられる、ことを特徴とする請求項12に記載の医療装置。
【請求項18】
前記屈曲して展開された状態において、ソケットを有するすべての屈曲したセグメントは、ソケットに位置付けられるバルジも有する、ことを特徴とする請求項12に記載の医療装置。
【請求項19】
前記医療装置は螺旋状である、ことを特徴とする請求項12に記載の医療装置。
【請求項20】
前記真っすぐになった状態において、前記医療装置を収容するような且つ前記インプラント体(20)を維持するような大きさの導管をさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載の医療装置。
【請求項21】
前記バルジおよび前記ソケットは球状である、ことを特徴とする請求項12に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出願人、Siegalによって、2010年2月16日に出願された、米国仮特許出願第61/304,857号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、脊椎外科のためなどの、インプラント体に関し、特に、身体へ一旦埋め込まれるとインプラント体が開くのを防ぐ非常に安定したロック配置を有するインプラント装置に特に関係する。
【背景技術】
【0003】
脊椎又は身体の他の部分の内部のインプラントおよびそれらの展開に関して様々な装置が提案されてきた。インプラントの重要な特徴は、効果的に送達されることだけでなく、展開後にその位置にとどまり、身体内で開かないことである。インプラントの安定性および安全で信頼できる配置は重要である。もしインプラントが展開後に開くと、周囲の組織を破損し、脊椎外科の効果を台なしにしかねない。
【0004】
出願人による2009年2月12日に公開された特許文献1は、インプラント体、および真っすぐになった構成で身体へ導入される細長い締付要素を含むインプラントを教示し、さらに、身体内に略湾曲した構成が想定される。前述の文献は、その全体が引用によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
それ故、例えば脊椎外科に関して、展開後に身体内で開かない、インプラント(およびその関連する方法)を提供することは大きな利点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】PCT特許出願公開番号WO2009/019669
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様に従って、医療装置が提供され、前記医療装置は、(a)真っすぐになった状態および屈曲して展開された状態を想定して相互に連結された複数のセグメントを含む、インプラント体を含み、前記インプラント体は、少なくとも2つの係合要素とともに形成され、少なくとも2つの異なるセグメントの各々は、1つの係合要素を有し、前記医療装置はまた、(b)前記インプラント体の1つのセグメントに固定された、細長いロック要素を含み、前記ロック要素は、少なくとも2つの係合要素に対応する少なくとも2つの突起を有し、ここで、前記ロック要素が、前記屈曲して展開された状態に達するように偏向されるときに、ロック要素の少なくとも2つの突起は、インプラント体の少なくとも2つの係合要素に係合し、それらによってロックするように、前記インプラント体および前記ロック要素はロックするように構成され、各ロックセグメントは、連続するセグメントの屈曲およびロック後にロックされたままであり、前記ロック配置は、前記インプラント体に対して前記ロック要素をロックするのに有効であり、それによって、前記屈曲して展開された状態で前記インプラントを保持する。
【0008】
本発明のさらなる態様は、医療装置を含み、前記医療装置は、(a)真っすぐになった状態および屈曲して展開された状態を想定して相互に連結された複数のセグメントを含む、インプラント体を含み、前記インプラント体は、少なくとも2つのソケットを有し、少なくとも2つの異なるセグメントの各々は、1つのソケットを有し、前記医療装置はまた、(b)前記インプラント体の1つのセグメントに固定された、細長いロック要素を含み、前記ロック要素は、少なくとも2つのソケットに対応する少なくとも2つのバルジを有し、ここで、前記ロック要素が、前記屈曲して展開された状態に達するように偏向されるときに、ロック要素の少なくとも2つのバルジは、インプラント体の少なくとも2つのソケットに係合し、それらによってロックするように、前記インプラント体および前記ロック要素はロックするように構成され、 前記ロック配置は、複数のセグメントにおける前記インプラント体に対して前記ロック要素をロックするのに有効であり、それによって、前記屈曲して展開された状態で前記インプラントを保持する。
【0009】
本発明のまたさらなる態様は、被験体の身体内に医療装置を展開するための方法であり、前記方法は、(a)真っすぐになった状態を想定して相互に連結され、屈曲して展開された状態を想定して偏向可能である複数のセグメント含む、インプラント体を提供する工程を含み、複数の前記セグメントの各々は、係合要素を有し、前記方法はまた、(b)少なくとも2つの異なるセグメントの1つに固定され、インプラント体の伸長方向に沿って前記インプラント体に沿って伸びる、ロック要素を提供する工程を含み、前記ロック要素は、係合要素の各々に対応する突起を有し、および前記方法はまた、(c)インプラント体を被験体の身体へと進め、インプラント体が前記屈曲して展開された状態へと偏向されるように、前記ロック要素に後方張力を適用する工程を含み、ここで、前記突起は、前記屈曲して展開された状態で対応するセグメントをロックするように、前記係合要素の対応物と噛み合う。
【0010】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下の図面、記載および請求項に関係して一層よく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、ほんの一例として、添付の図面に関係して、本明細書に記載される。
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の1つの実施形態による、インプラント体に係合した締付要素を有するインプラント体を含むインプラントの等角図である。
【
図2】
図2は、本発明の1つの実施形態による、インプラント体の突起との締付要素の係合を示すために分離された
図1の部分図である。
【
図3】
図3は、本発明の1つの実施形態による、屈曲して展開された状態の1つの部分以外のすべてを備える
図1のインプラントの等角図である。
【
図4】
図4は、本発明の1つの実施形態による、インプラント体の突起との締付要素の係合を示すために分離された
図3の屈曲したインプラントの部分側面図である。
【
図5】
図5は、本発明の1つの実施形態による、インプラントのロック配置を示す円によって示された
図4の領域の拡大図である。
【
図6】
図6は、本発明の1つのさらなる実施形態による、インプラント体、およびインプラント体に係合された締付要素を含む、真っすぐになった状態のインプラントの等角図である。
【
図7】
図7は、本発明の1つの実施形態による、その屈曲して展開された状態の
図6のインプラントの等角図である。
【
図8】
図8は、本発明の1つの実施形態による、インプラント体のソケットとの締付要素のバルジの係合を示すために分離された
図7の部分図である。
【
図9】
図9は、本発明の1つのさらなる実施形態による、インプラント体に係合された、締付要素の等角図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態による、真っすぐになった状態のインプラントを備える
図9乃至10のインプラントのロック機構の2つのセグメントの断面図である。
【
図12】
図12は、本発明の1つの実施形態による、屈曲して展開された状態のインプラントを備える
図9乃至10のインプラントのロック機構の2つのセグメントの断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、例えば様々なタイプの脊椎外科中に、人体内で使用され得るインプラントである。インプラントは、安定且つ安全なロック配置を有し得る。本発明は、送達導管を通してインプラントを展開するための対応する方法を含む。インプラントは、インプラント体およびロック要素を含み得る。ロック配置は、インプラント体の屈曲するセグメントに沿ったインプラント体のセグメント上で係合要素と噛み合い得る、ロック要素上の突起を含み得る。突起は、バルジ、歯、弾性タブなどであり得る。係合要素は、段(steps)、ソケット、短形開口部などであり得る。各セグメントが屈曲すると、突起は、係合要素において適所に収まり、インプラントは、それが置かれた身体内部で開くことができなくてもよい。
【0014】
インプラントのロック配置が、インプラント体の1つのセグメントをロックすることのみを含む、先行技術とは対照的に、本発明のインプラントは、屈曲したインプラントのすべてのセグメントを含み得、又は他の実施形態において、このようなセグメントの、少なくとも2つ又は少なくとも3つ又は少なくとも3分の1又は少なくとも4分の1又は少なくとも大部分をロックすることを含み得る。インプラント体が安定したロック配置を有さない、先行技術とはさらに対照的に、本発明のインプラントは、インプラント体が、一旦屈曲して展開された状態でロックされると身体内にある間に開き得ない、十分に安定且つ安全な方法でロックし得る。インプラントが単一の弾力性のある歯によってロックされ得る、先行技術とはまたさらに対照的に、本発明のインプラント体は、ロック要素上の補足的な凹部と噛み合っているインプラント体のセグメント上の突起によってロックし得る。先行技術とは対照的に、ロック配置は、少なくとも2つのセグメント上、およびいくつかの実施形態において、すべてのセグメント上の複数のソケットまたは凹部との、多数のセグメント上の複数のバルジの噛み合いを含み得る。先行技術とはさらに対照的に、バルジからバルジまでの長さは、1つのセグメントからその隣接するセグメントまでの屈曲領域から屈曲領域までの長さより短くなり得る。その結果、真っすぐになった状態のソケット中になくてもよい、ロック要素のバルジは、一旦セグメントが屈曲して展開された状態へ屈曲すると、ソケットへとロックし得る。その結果が、ロック配置のさらなる安定性である。
【0015】
本発明による、医療装置のロック機構の原理および操作、および方法は、図面および付随する記載に関係してより理解され得る。
【0016】
ここで図面を参照すると、
図1乃至5は、医療装置の1つの実施形態を示し、前記医療装置(10)は、真っすぐになった状態および屈曲して展開された状態を想定して、例えば、ヒンジによって、屈曲領域(35)で相互に連結した複数のセグメント(30)を含む、インプラント体(20)を含む。屈曲領域(35)は、従来のヒンジ(35)、一体成形ヒンジ又は必要なセグメント間の屈曲性を提供する別の構造を含み得る。ロック配置またはロック機構の一部として、インプラント体(20)は、少なくとも2つの係合要素(40)とともに形成され得、少なくとも2つの異なるセグメントの各々、例えば(30A)、(30B)は、係合要素(40)を有する。好ましくは、少なくとも3つのセグメント(30)は、係合要素(40)を有し、突起(60)によってロックする。
他の好ましい実施形態において、セグメント(30)の少なくとも3分の1は、係合要素(40)を有し、突起(60)によってロックする。さらなる好ましい実施形態において、各連続する4つのセグメント(30)の少なくとも1つのセグメント(30)は、係合要素(40)を有し、細長い要素(50)の突起(60)によってロックする。他の実施形態において、セグメント(30)の半分以上は、係合要素を有する。1つの好ましい実施形態において、遠位のセグメント(30)以外のセグメント(30)の各々は、係合要素(40)を有し得る(これは、遠位のセグメントが、同じように、係合要素を有することを完全には排除しないと理解されるべきである)。
【0017】
インプラント(10)であり得る、医療装置(10)はまた、前記インプラント体の遠位のセグメントに固定され得る、細長いロック要素(50)を有し得る。これに関して、インプラント体の「遠位のセグメント」は、屈曲が可能である最も遠位のセグメントを指すと理解されるであろう。ロック要素(50)は、少なくとも2つの係合要素(40)に対応する少なくとも2つの突起(60)を有し得る。好ましくは、ロック要素(50)は、ロック配置を実施する(implement)ために、インプラント体(20)の各係合要素(40)の大部分に対応する且つ係合する少なくとも1つの突起(60)を有し得る。
【0018】
インプラント体(20)およびロック要素(50)は、締付要素(50)に適用される張力が、インプラント体(20)をその真っすぐになった状態からその屈曲して展開された状態まで付勢する傾向にあるように構成され得る。細長いロック要素(50)は、インプラント体(10)に沿って伸びるチャネルを通り得る。
【0019】
インプラント体(20)および細長いロック要素(50)は、インプラント(10)が一旦脊椎または身体の他の部分において屈曲した状態で埋め込まれると、それが開くのを防ぐために、安全且つ安定してロックするように構成され得る。このロックは、ロック要素(50)が、屈曲して展開された状態に達するように偏向されるときに(インプラント体(20)の一部として)、インプラント体(20)の連続するセグメント(30)が屈曲し得、細長いロック要素(50)の少なくとも2つの突起(60)が、インプラント体(20)の少なくとも2つの係合要素(40)と係合し得、それによってロックし得るようなロックであり得る。各ロックセグメント(30)は、1つ以上の連続するセグメントが屈曲しロックした後に、ロックされたままであり得る。従って、ロック配置は、インプラント体(20)に対してロック要素(50)をロックするのに有効であり、それによって、身体内で前記屈曲して展開された状態のインプラント(10)を保持する。
【0020】
一例として、前記インプラント体の、セグメントの少なくとも2つ又は少なくとも3つ又は少なくとも3分の1又はセグメントの4分の1又はセグメントの大部分又は4つの連続するセグメントの少なくとも1つのセグメントの各々は、例えば、ロック要素によってロックするように、少なくとも1つの係合要素によって形成され得る。さらに、ロック要素は、前記ロック配置を提供するために、インプラント体の係合要素の各々に対応する且つ係合する突起を有し得る。あるいは、ロック要素(50)は、多数の突起(60を有し得るが、インプラント体(20)の各係合要素(40)に対して1つ未満の突起(less than one projection)を有し得る。いくつかの好ましい実施形態において、ロック要素(50)は、インプラント体の係合要素よりもさらに多くの突起を有し得る。例えば、4つの突起(60)ごとに係合要素によってロックし得る。いくつかの場合において、各セグメント(30)は、複数の係合要素(40)を有し得る。
【0021】
突起(60)および係合要素(40)は、断面形状を含む様々な形状を包含し得る。一般に、インプラント体(20)の係合要素(40)は、段、スロット、またはロック要素(50)の突起(60)(すなわちバルジ、歯または弾性タブ)を収容する且つ「捕捉する(catch)」ことができる任意の形状を含むと広く定義される。
図1乃至5の実施形態において、係合要素(40)は、ロック要素(50)から突出する歯(60)を捕捉し得る段(40)として記載され得る。突起(60)の構造および寸法は、十分な弾力および安全なロックを提供するために使用される素材の機械的性質に従って、および生体適合性の考慮に従って選択され得る。対応する係合要素は、任意の適切に位置付けられた要素または凹部、例えば上向き突部、くぼんだノッチ、またはそれらの組み合わせとして実施され得る。
【0022】
図6乃至8において、係合要素は、ソケット(40)として記載され得、突起は、バルジ(60)として記載され得る。
図6乃至8などの、幾つかの実施形態において、たとえバルジ(60)が球状であり得るとしても、用語「バルジ」は、丸いバルジに限定されない。同様に、
図6乃至8においてソケット(40)は丸いが、用語「ソケット」は、必ずしも丸いソケットを指すわけではない。さらに、バルジ(60)を含む突起(60)は、固形または中空であり得ると考えられる。
【0023】
図9乃至12に示される実施形態において、突起(60)は、弾性タブ(60)として記載され得、係合要素(40)は、補足的な凹部(40)であり得る。例えば、各セグメント(30)は、少なくとも1つの補足的な凹部を有し得、締付要素(50)の少なくとも1つの弾性タブは、各セグメントが屈曲して展開された状態で屈曲すると、各セグメント(30)の少なくとも1つの補足的な凹部(40)によってロックし得る。
【0024】
図9乃至12において、インプラント体(200)は、セグメント(220)、および遠位のセグメント(220)に堅く付けられ得る且つインプラント(200)のすべてのセグメントに係合され得るジッパー様のロック要素(210)を有し得る。ロック要素(210)の近位端は、インプラント体(200)に対して後方の方向に引かれ得る。インプラント体(200)は、凹部(222)またはスロットを有し得る。ロック要素(210)は、ストリップであり得、例えば、金属(例えばニチノール、ステンレススチール)またはプラスチック(例えばPEEK、UHMWPE)を使用して実施され得、インプラント体(200)の対応する係合要素(222)に引っ掛け得る一連の弾性タブ(212)を有する。
【0025】
図11乃至12は、2つの隣接するセグメント(220)間のロック機構を示す。
図11は、インプラント体(200)の真っすぐになった状態での2つのセグメント(220)を示し、その状態によって、ノッチまたは開口部(これは本実施形態においてV字形である)は、2つの連続するセグメント(220)の各々の間に現われる。一旦ロック要素(210)が、セグメント(220)に対して(
図11における矢印(R)に従って)後方の方向に引かれると、セグメント(220)は、セグメント(220)の軸と締付要素(210)が通るチャネルの間の相殺によって回転する。回転の結果、
図12に示されるように、セグメント(220)は、ここで、互いに内部で閉じられる。
図12にも示されるように、弾性タブ(212)は、スロット(222)の内部でロックされ、その結果、セグメント(220)は互いに付けられ、強くロックされる。
【0026】
幾つかの実施形態において、ロック要素(50)(または(210))から分離した張力要素は、インプラント体を後方の方向に引き、そのセグメント(30)の屈曲を誘発するために使用され得る。その場合、張力要素は、初めに装置(10)を屈曲させるために使用されるであろう。その後、ロック要素(50)は、突起(60)を係合要素(40)と噛み合わせることによって装置をロックするために引かれ得る。
【0027】
上記の実施形態のいずれかにおける本発明のロック機構は、複数のロック要素((50)または(210))の使用によってさらに強化され得る。この場合、セグメント内のインプラント体((200)または(20))の複数の突起は、インプラント体の各セグメント((220)または(30))上の複数の係合要素((222)または(40))と係合し得る且つそれらによってロックし得る。1つの例において、複数のロック要素は、隣り合った素材片であり得る。
【0028】
本発明の医療装置(10)は、例えば、医療装置(10)がその真っすぐになった形状にあるときに医療装置(10)を収容するような且つインプラント体(20)を真っすぐになった状態で維持するような大きさの導管をさらに含み得る。導管は、形状が真っすぐであり得、インプラント(10)の外形にぴったりはまり得る。導管は本明細書の
図1乃至3に示されていないが、本発明のインプラント(10)に使用され得る導管の例は、2006年7月13日に公開された、公報WO 2006/072941の
図2乃至3に示される。前記ロック要素が屈曲して展開された状態に達するように偏向されるときに、各々の連続するセグメントが屈曲し、ロック要素の突起がインプラント体の係合要素と係合し、それらによってロックするように、インプラント体(20)およびロック要素(50)はロックするように構成され得る。
【0029】
図6において、インプラント体が真っすぐになった状態であるときに、
図6においてバルジ(60)であり得る、ロック要素(50)の突起(60)は、インプラント体(20)の、
図6においてソケット(40)として記載され得る係合要素(40)に、必ずしも位置し得る又は係合し得るわけではなく、実際にここに位置される又は係合されることはなさそうである。
図7において、既に屈曲した(30A、30B)これらのセグメント(30)のみが、バルジ(60)によって占められたそれらの係合要素またはソケット(40)を有し得る。さらに、
図8において、バルジ(60)が、屈曲したセグメント(30)に関してソケット(40)内にあることがより容易に見られる。
図6乃至8、および特に
図8を注意深く精査してみると、インプラント(10)において、バルジ(60A)から、最も近い隣接するバルジ(60B)までの長さが、セグメント(30A)の屈曲部分(35A)から、隣接するセグメント(30B)の屈曲部分(35B)までの長さよりも短くなり得るということがわかる。
図6乃至8の実施形態において、バルジ(40)からバルジ(40)まで(すなわち隣接するバルジ(60)まで)の長さが、略均一であり得、同様に、ソケットからソケットまで(すなわち隣接するソケット(40)まで)の長さが、略均一であり得ることを留意されたい。しかしながら、医療装置が螺旋状か又は非平面である、または医療装置の不均一の湾曲が必要とされる実施形態において、これらの距離は均一ではないかもしれないが、ソケットからソケットまでの距離は、依然として、屈曲セグメントでのバルジからバルジまでの距離と一致し得る。
【0030】
連続するセグメント(30A)、(30B)、(30C)、(30D)が屈曲すると、締付要素(50)の略弓形の形状が、インプラント体(20)のヒンジ(35)の略弓形の形状よりも小さなアークであり得ることが留意される。これは、屈曲して展開された状態において、インプラント(10)の締付要素(50)が、インプラント体(20)のほとんどの内部にあり、特にヒンジ(35)の内部にあるからである。この点に関して、「内部(inward)」は、インプラント(10)(ロック要素(50)およびインプラント体(20))の、その屈曲して展開された状態における、弓形の形態によって作られたアーク/円の中心への接近に関連して記載される。従って、真っすぐになった状態において、ロック要素のバルジの少なくともいくつかは、ソケットの外側のヒンジの部分に位置付けられ得、屈曲して展開された状態において、ロック要素のバルジは、屈曲したセグメントのソケットに位置付けられる。屈曲した各セグメント(30)は、その対応するソケットに係合されるバルジ(60)を有し得る。
図8から見られるように、屈曲して展開された状態において、ソケットを有するすべての屈曲したセグメントも、その中に位置付けられるバルジを有する。
【0031】
図面は、インプラントが二次元平面において屈曲し、その結果、インプラント(10)の伸長の方向が、その平面においてヒンジと略同一平面であり、ヒンジ(35)に対して垂直であると言及される、実施形態を示すが、屈曲して展開された状態における遠位の屈曲セグメントから近位の屈曲セグメントまで続くインプラントの伸長の方向が、屈曲するセグメントのヒンジに対して垂直でない場合など、本発明は、インプラント(10)の非平面または螺旋状の形態に等しく適用可能である。本発明のロック配置のないインプラントの螺旋状の構成の例は、2006年7月13日に公開された、出願人によるPCT特許出願公開番号WO 2006/072941に記載され(
図9A、9B,および10および17頁を参照)、その公報は、その全体が引用によって本明細書に組み込まれる。前記公報はまた、本発明の安定且つ安全なロック配置はないが、セグメント(30)およびインプラント(10)の一般的な特徴を記載する。
【0032】
図13に見られるように、本発明はまた、被験体の身体内にインプラントを展開するための方法(100)として記載され得る。方法(100)は、真っすぐになった状態を想定してヒンジで相互に連結され、屈曲して展開された状態を想定して偏向可能である複数のセグメントを含む、インプラント体を提供する第1工程(110)を含み得、複数の前記セグメントは、各々、係合要素を有する。さらなる工程(120)において、方法(100)は、遠位のセグメントに固定されたロック要素を提供する工程を含み得、前記ロック要素は、インプラント体の伸長の方向に沿ってインプラント体に沿って伸びる。ロック要素は、インプラント体の係合要素の各々に対応する突起を有し得る。方法(100)の工程(130)において、インプラント体は、被験体の身体へ進められ得る。さらに、インプラント体が屈曲して展開された状態に偏向されるように、後方張力は、ロック要素上に適用され得る。それによって、突起は、屈曲して展開された状態において対応するセグメントをロックするように、対応する係合要素と噛み合い得る。方法(100)のいくつかのバージョンは、ロック要素をその固定から解放し、ロック要素を医療機器から引き出す工程を含み得る。
【0033】
構造上、セグメント(30)間の屈曲領域(35)は、広範囲の方法で実施され得る。最も好ましくは、セグメント(30)間の相互結合は、ヒンジによる相互結合であり得、これは、注入または成形の過程中、または最初の塊の素材から凹部の切断を介するかのいずれかにおいて、セグメント(30)と一体的に形成された一体成形ヒンジ(35)によって達成され得る。凹部は、V字形のノッチ、平行な面を持つ形態、又は任意の他の適切な形態であり得る。最も好ましくは、インプラントの湾曲して展開された形態が、本質的に閉じたセグメント間に空間を有するように、V字形のスロットが使用される。しかしながら、ヒンジによる相互結合が、セグメント(30)が付けられる分離した構造(例えば、「バックボーン(backbone)」)によって提供される場合などの、代替的な実施もまた、本発明の範囲内にある。後者の場合において、バックボーンは、意図した適用に従って選択された、セグメント自体とは異なる素材のものであり得る。バックボーンのための材料の選択は、限定されないが、金属材料、様々なプラスチックおよび他のポリマー、および織物を含む。
【0034】
屈曲して展開された状態はまた、湾曲して展開された形態として言及される。しかしながら、本明細書に言及される「屈曲する」は、必ずしもセグメントの実際の曲げを含まないが、いくつかの実施形態においてこのような曲げが有り得る。その上、湾曲して展開された形態は、特に比較的少数のセグメントを介して検査されるときに、必ずしも完全な曲線を表すと理解されるべきではない。従って、インプラント体(10)の湾曲して展開された形態と呼ばれる、屈曲して展開された形態は、好ましくは略弓形の形態であり、それは、略「U字型の」形態として現われるものを形成するために、典型的に約180度伸び得る。用語「U字型の」は、2つの側面部の形状、幾何学的形状または広がりを詳細に明記することなく、約180度(すなわち、180度±20度)回転する中間部分を有する任意の形状を一般に指すように本明細書に使用される(文字「u」自体が、多くの字体で非対称であることは挿入的に(parenthetically)留意される。)。上の記載が例として役割を果たすようにのみ意図され、多くの他の実施形態が、添付された請求項において定義されるように、本発明の範囲内で可能であることが認識されるであろう。