【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によれば、金属種及びポリマーを含み、前記ポリマーが前記金属種を安定化する、細菌を含めた微生物の感染の処置または予防のための材料が提供される。
【0013】
前記金属種は、銀、銅、亜鉛、マンガン、金、鉄、ニッケル、コバルト、カドミウム、パラジウム、及び/または白金の種であってよい。
【0014】
前記金属種は、金属イオン、金属塩、金属クラスター、金属粒子、金属ナノ粒子、及び/または金属結晶であってよい。
【0015】
前記金属種は、金属酸化物であってよい。
【0016】
前記金属種は、銀種であってよい。前記金属種は、銀カチオンであってよい。前記銀種は、硝酸銀、過塩素酸銀、酢酸銀、テトラフルオロホウ酸銀、銀トリフラート、フッ化銀、酸化銀、及び/または水酸化銀であってよい。前記酸化銀は、酸化銀(I)、酸化銀(I、III)、酸化銀(II、III)、及び/または酸化銀(III)であってよい。
【0017】
前記金属種は、金種であってよい。前記金種は、硝酸金、過塩素酸金、酢酸金、テトラフルオロホウ酸金、金トリフラート、フッ化金、酸化金、及び/または水酸化金であってよい。
【0018】
前記ポリマーは、コポリマーであってよい。
【0019】
お前記ポリマーは、ポリアニオンであってよい。前記ポリアニオンは、有機系であってよい。前記有機ポリアニオンは、有機ポリ酸及び/またはこれらの誘導体であってよい。
【0020】
前記ポリマーは、金属種と有機ポリ酸及び/またはこれらの誘導体との反応生成物または混合物であってよい。
【0021】
前記有機ポリ酸及び/またはこれらの誘導体は、コポリマーであってよい。
【0022】
前記有機ポリ酸は、ポリカルボキシレートであってよい。前記ポリカルボキシレートは、ポリマー性ポリ(カルボン酸)であってよい。
【0023】
前記ポリカルボキシレートは、ポリマー性ポリ(カルボン酸エステル)であってよい。前記ポリマー性ポリ(カルボン酸エステル)は、ポリ(アクリレート)であってよい。前記ポリマー性ポリ(カルボン酸エステル)は、ポリ(メタクリレート)であってよい。
【0024】
前記ポリアニオンは、無機系であってよい。
【0025】
前記ポリマーは、金属種と無機ポリアニオン及び/またはその誘導体との反応生成物であってよい。
【0026】
前記無機ポリアニオン及び/またはその誘導体は、コポリマーであってよい。
【0027】
前記無機ポリアニオンは、ポリリン酸塩であってよい。
【0028】
前記無機ポリアニオンは、ポリマー性硫酸塩であってよい。前記ポリマー性硫酸塩は、ポリ(ビニルサルフェート)であってよい。
【0029】
前記ポリマーは、飽和ポリオレフィンであってよい。前記飽和ポリオレフィンは、ポリエチレンであってよい。前記飽和ポリオレフィンは、ポリプロピレンであってよい。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つのIA族またはIB族金属酸化物及び有機ポリ酸、及び/またはその誘導体を含むことを特徴とする細菌を含めた微生物の感染の処置または予防のための材料が提供される。
【0031】
本明細書において使用される場合、用語「有機ポリ酸」は、複数の酸基を有する有機種を意味し、「その誘導体」は、前記基が、例えばエステル化されることによってまたは酸塩によって誘導体化されていることを意味する。
【0032】
本発明の第1及び第2の態様の材料は、既知の抗菌を含めた抗微生物材料の限界を克服する。例えば、これらは、数日にわたる放出プロファイルを有する。前記材料は、例えば水性媒体中への関連する活性種の様々な放出プロファイル及びデリバリー速度を示す。
【0033】
材料の組成及び成分を、例えば水性媒体の中への特定の所望される放出速度を生み出すように仕立てることができる。
【0034】
所定質量の材料中に供給され得る銀の量は、酸化物イオンまたは有機ポリ酸誘導体の存在によって、比較的わずかしか効果的に希釈されない。
【0035】
本発明の第1及び第2の態様の金属酸化物−有機ポリ酸誘導体材料は、対応する金属酸化物のみのものと比較して向上した安定性を示す。これらを含む物品は、従来の無菌包装中で、周囲の温度及び圧力で、長期間(数年まで)貯蔵され得る。
【0036】
サイズが原子クラスターからマクロ粒子までの範囲内にある粒子は、金属酸化物中の個々の金属原子またはイオンよりも、複雑でなく及び/または高価でない種で容易に安定化され得る。
【0037】
ポリ酸誘導体錯体のコーティングは、金属酸化物粒子の表面上に効果的に形成される。
【0038】
前記材料の中の金属酸化物は、通常、サイズが、原子クラスター、ナノクラスター、コロイド、凝集体、ナノ粒子、及びミクロ粒子から、例えばマクロ粒子(任意の長距離の秩序性またはより低レベルの周期性を欠いている原子配列から、例えばナノ結晶及びミクロ結晶を含む規則的な単結晶及び多結晶までの範囲内にある構造的秩序のレベルを有する)までの範囲内にある粒子の形態である。
【0039】
前記材料中の金属原子の原子パーセンテージは、好適には1〜100%であってよい。
【0040】
好適な金属酸化物の例は、銀種、例えば酸化銀(I)及び酸化銀(I、III)等;酸化銅(III)を含む銅種;酸化金(III)を含む金種;並びに、酸化亜鉛(IV)を含む亜鉛種を含む。好ましくは、前記金属酸化物は、酸化銀(I)、酸化銀(I、III)、酸化銀(II、III)、酸化銀 (III)、または選択された抗微生物適用に適した水性媒体の中で銀の放出プロファイルを生み出す酸素の組成を組み込んだ任意の構造の酸化銀である。より好ましくは、前記金属酸化物は、酸化銀(I、III)、さもなければ酸化銀(II)として知られているものである。さらに好ましくは、前記金属酸化物は、酸化銀(I)である。
【0041】
好適な有機ポリ酸及び誘導体は、ポリマー性ポリ(カルボン酸)及びポリマー性ポリ(カルボン酸エステル)を含む。好ましくは、前記種は、ポリ(アクリレート)及び/またはポリ(メタクリレート)である。
【0042】
ポリ(アクリレート)及び/またはポリ(メタクリレート)の種の例は、:
【化1】
[式中、R
1は、メチルまたは水素であり、
R
2は、C
1〜6のアルキル、例えばメチル等の直鎖または分岐鎖の脂肪族ヒドロカルビル基;C
5〜8シクロアルキル、例えばシクロヘキシル;アリール基において場合により置換されている、ヘテロ芳香脂肪族(heteroaraliphatic)ヒドロカルビル基を含む芳香脂肪族ヒドロカルビル基、例えばフェネチル基において置換されているフェネチル等のフェニル直鎖及び分岐鎖C
1〜6アルキル;またはヘテロ芳香族ヒドロカルビル基を含む、場合により置換されている芳香族ヒドロカルビル基、例えば場合によりフェニル基において置換されているフェニルである]
のタイプのモノマーのから生じるポリマーまたはコポリマーである。
【0043】
R
2は、好ましくは直鎖または分岐鎖の脂肪族部分である。
【0044】
好ましくは、ポリ酸または誘導体は、これに接着性を付与し、金属酸化物粒子(接着性種を含む流体相中にしばしば分散している)への迅速な付着を可能にするモノマーに基づくコポリマーである。
【0045】
最も好ましくは、アクリレートまたはメタクリレートのモノマーは、アクリル酸、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、及びn-ブチルメタクリレートを含む群から選択される。このようなモノマーは、しばしばエマルジョンまたは溶液として使用され、結果として分散物、エマルジョン、または溶液中で接着性コポリマーを生じる。
【0046】
前記金属酸化物を、金属酸化物の安定性を損なわない、当業者に既知の任意の方法によって、酸または誘導体と結合させることができる。
【0047】
前記金属酸化物とポリ酸または誘導体との緊密な結合は、好ましくは、金属酸化物種とポリ酸または誘導体との、分散物、エマルジョン、または溶液の形態のスラリーとして、これら2つの機械的混合及び攪拌によって達成され得る。
【0048】
酸または誘導体が接着性のものである場合、ポリ酸または誘導体の接着性配合物の中で金属酸化物種のスラリーを混合及び攪拌することによって、金属酸化物を、前記酸または誘導体と都合よく結合させることができる。
【0049】
本発明の第3の態様によれば、少なくとも1つのIA族またはIB族金属酸化物及びポリリン酸塩、並びに/あるいは前記金属酸化物と前記塩との反応生成物を含むことを特徴とする、細菌を含めた微生物の感染の処置または予防のための材料が提供される。
【0050】
本発明の第1及び第3の態様の材料は、抗菌を含めた既知の抗微生物材料の限界を克服する。例えば、これらは、数日にわたる放出プロファイルを有する。前記材料は、例えば水性媒体中への関連する活性種の様々な放出プロファイル及びデリバリー速度を示す。材料の組成及び成分を、例えば水性媒体中への特定の所望の放出速度を生み出すように仕立てることができる。
【0051】
所定質量の材料中に供給され得る銀の量は、酸化物イオンまたはポリリン酸塩の存在によって比較的わずかしか効果的に希釈されない。
【0052】
本発明の第1または第3の態様の金属酸化物−ポリリン酸塩材料は、対応する金属酸化物のみのものと比較して向上した安定性を示す。これらを含む物品は、従来の無菌包装中で、周囲の温度及び圧力で、長期間(数年まで)貯蔵され得る。
【0053】
サイズが原子クラスターからマクロ粒子までの範囲内にある粒子は、金属酸化物中の個々の金属原子またはイオンよりも、複雑でなく及び/または高価でない種で容易に安定化され得る。
【0054】
ポリアニオン錯体のコーティングは、複雑でなく及び/または高価でない種で金属酸化物粒子の表面上に効果的に形成される。
【0055】
前記材料の中の金属酸化物は、通常、サイズが、原子クラスター、ナノクラスター、コロイド、凝集体、ナノ粒子、及びミクロ粒子から、例えばマクロ粒子(任意の長距離の秩序性またはより低レベルの周期性を欠いている原子配列から、例えばナノ結晶及びミクロ結晶を含む規則的な単結晶及び多結晶までの範囲内にある構造的秩序のレベルを有する)までの範囲内にある粒子の形態である。
【0056】
前記材料中の金属原子の原子パーセンテージは、好適には1〜100%の範囲であってよい。
【0057】
好適な金属酸化物の例は、銀種、例えば酸化銀(I)及び酸化銀(I、III)等;酸化銅(III)を含む銅種;酸化金(III)を含む金種;並びに、酸化亜鉛(IV)を含む亜鉛種を含む。
【0058】
ポリリン酸塩は、1つより多いホスフェートモノマー部分を含み、且つ直鎖及び分岐鎖のポリマー鎖及び環状構造として存在して、金属酸化物粒子の表面構造において適合し得る柔軟な幾何学形態のオキシアニオンの2-D及び3-D配列を提供し得る。
【0059】
原子クラスターに関して、金属酸化物粒子の正確な原子の幾何学形態が、安定化に使用されるポリリン酸塩の最適なサイズ及び幾何学形態を決定づけると考えられている(本発明を決して制限することなく)。
【0060】
対応する金属酸化物のみのものと比較して向上した安定性及び抗菌を含めた良好な抗微生物効果を有する本発明の第1または第3の態様の好ましい銀酸化物−ポリリン酸塩材料は、その中の錯化ポリリン酸塩が2つより多いリン酸単位を含有するものを含む。
【0061】
金属酸化物とポリリン酸塩の結合は、当業者に既知の任意の方法によって達成され得る。最も好都合には、金属酸化物粒子を、溶液状のポリリン酸塩との錯体形成のための水性媒体の中に供給する。例えば、ポリリン酸ナトリウム溶液を、銀(I、III)酸化物または銀(I)酸化物の粉末へ加え、混合物を磨砕することによって均質化することができる。
【0062】
あるいは、関連した金属酸化物−ポリリン酸塩複合体を生成するポリオキシアニオンの存在下で、金属酸化物粒子をin situで生成することができる。前記方法のこの実施態様において、ポリリン酸塩の幾何学形態は、こうして形成された金属酸化物粒子の構造(及び従って反応性)をある程度決定づける。これは、鋳型合成の例である。
【0063】
本発明はまた、金属カチオン、例えば銀カチオンの安定化のためのポリリン酸塩の使用に関する。
【0064】
実験的な調査はまた、水溶性のポリリン酸塩が、金属カチオン、例えば銀カチオンを安定化させることも示している。これらのカチオンは、例えば水溶液等の溶液中でカチオン−アニオン錯体の一部であってもよく、またはアニオンがなくてもよい。
【0065】
安定化するポリリン酸塩は、:
【化2】
[式中、「n」は、1と等しいかまたはこれを超える整数である。好ましくは、「n」は、2と等しいかまたはこれを超える整数である。より好ましくは、「n」は、9と等しいかまたはこれを超える整数である]
のタイプの直鎖または分岐鎖の水溶性または半水溶性のポリマーである。
【0066】
カチオン「X」は限定されないが、好ましくはナトリウムである。
【0067】
従って、好適なポリリン酸塩は、:二リン酸塩、三リン酸塩、四リン酸塩、五リン酸塩、六リン酸塩、及びメタリン酸塩;例えばヘキサメタリン酸ナトリウム、五塩基性三リン酸ナトリウム、四塩基性ピロリン酸ナトリウムである。好ましくは、ポリリン酸塩は、ヘキサメタリン酸ナトリウムである。
【0068】
「銀カチオン」は、銀原子と比較して電子が不足している銀種を意味する。最も一般的な銀カチオンはAg(1+)であるが、本発明の範囲は、任意の銀カチオン、例えば、Ag(1+)、Ag(2+)及びAg(3+)等を含む。好ましくは、銀カチオンはAg(1+)またはAg(3+)である。
【0069】
これらの銀カチオンは、例えば溶液中で、アニオンとのイオン錯体の一部であってもよく、本質的にアニオンがなくともよい。銀カチオンとのイオン錯体を形成する一般的なアニオンは、:酢酸塩、アセチルアセトネート、ヒ酸塩、安息香酸塩、臭素酸塩、臭化物、炭酸塩、塩素酸塩、塩化物、クロム酸塩、クエン酸塩、シアン酸塩、シクロヘキサン酪酸塩、ジエチルジチオカルバミン酸塩、フッ化物、ヘプタフルオロ酪酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩、ヘキサフルオロヒ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、メタバナジン酸塩、メタンスルホン酸塩、モリブデン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、酸化物、ペンタフルオロプロピオン酸塩、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、過レニウム酸塩、リン酸塩、フタロシアン酸塩、セレン化物、スルファジアジン、硫酸塩、硫化物、亜硫酸塩、テルル化物、テトラフルオロホウ酸塩、テトラタングステン酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、及びトリフルオロメタンスルホン酸塩のアニオンを含むが、これに制限されない。
【0070】
好ましくは、前記アニオンは、生物学的に許容され得、例えば硝酸塩、酢酸塩、またはスルファジアジンである。
【0071】
溶液中でのポリリン酸塩の安定化のために、溶媒和銀カチオンは、銀カチオン−アニオン錯体、例えば硝酸銀(I)、スルファジアジン銀、リン酸銀、または酸化銀等の単塩から供給され得る。医学的応用のために、溶液は、好ましくは水性または部分的に水性である。
【0072】
銀カチオンは、水溶性のポリリン酸塩によって、イオン錯体の一部としてまたは溶液中で本質的に遊離したカチオンとして安定化させ得る。
【0073】
イオン錯体中の銀カチオンを含む銀カチオンの結合を、当業者に利用可能な任意の手段によって、ポリリン酸塩と結合させることができる。最も簡単には、銀カチオンまたはイオン性銀錯体を、恒久的または限定された期間、安定化リン酸塩の溶液中に浸漬させることができる。
【0074】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1、第2、または第3の態様による材料を含む、細菌を含めた微生物の感染の処置または予防のための組成物が提供される。
【0075】
好ましくは、前記ポリマーは、金属種と前記組成物の残部との間のバリアとして作用する。好ましくは、前記金属種は、前記組成物の残部とよりも前記ポリマーとの反応性が低い。好ましくは、前記ポリマーは、前記組成物の残部よりも前記金属種による酸化に対して影響を受けにくい。
【0076】
本発明の第1及び第2の態様において、好適な組成物は、例えば流体相中に分散している関連した金属酸化物粒子を含む、それ自体または局所手当て用品の成分として、局所的または内部投与のための液体、ゲル、及びクリームを含む。有機ポリ酸または誘導体が流体相中の分散物、エマルジョン、または溶液の形態の接着性のものである場合、金属酸化物は、接着性種を含む同じ流体相中の分散物の形態であってよい。
【0077】
好適な組成物はまた、例えば人工関節、固定デバイス、縫合糸、ピンまたはネジ、カテーテル、ステント、排液管等の長期移植物を含む、特に移植可能なデバイスのための表面殺菌組成物を含む。
【0078】
前記金属酸化物を、金属酸化物の安定性を損なわない、当業者に既知の任意の方法によって、前記組成物中の酸または誘導体と結合させることができる。
【0079】
前記金属酸化物、ポリ酸または誘導体、及び任意の従来の賦形剤または媒体との緊密な結合は、好ましくは、賦形剤または媒体の中の分散物、エマルジョン、または溶液の形態の金属酸化物種とポリ酸または誘導体とのスラリーとして、機械的混合及び攪拌によって達成され得る。
【0080】
本発明の第1及び第3の態様において、好適な組成物は、外科的な急性及び慢性の創傷及び火傷を含む創傷の処置のための、流体相中に分散している関連した金属酸化物−ポリリン酸塩錯体粒子、例えばヒドロゲル及びキセロゲル、例えば架橋されたカルボキシメチルセルロースヒドロゲル等のセルロースヒドロゲルを含む、それ自体または局所手当て用品の成分としての局所的または内部投与のための液体、ゲル、及びクリーム、並びに例えば人工関節、固定デバイス、縫合糸、ピンまたはネジ、カテーテル、ステント、排液管等の長期移植物を含む、特に移植可能なデバイスのための表面殺菌組成物を含む。
【0081】
本発明の第5の態様によれば、本発明の第1、第2、または第3の態様による材料を含むデバイスが提供される。
【0082】
本発明の第6の態様によれば、本発明の第4の態様による組成物を含むデバイスが提供される。
【0083】
好ましくは、前記ポリマーは、金属種とデバイスとの間のバリアとして作用する。好ましくは、前記金属種は、前記デバイスよりも前記ポリマーとの反応性が低い。好ましくは、前記ポリマーは、前記デバイスより前記金属種による酸化に対して影響を受けにくい。
【0084】
好適なデバイスは、外科的な急性及び慢性の創傷及び火傷を含む創傷の処置のための局所手当て用品を含む手当て用品;例えば人工関節、固定デバイス、縫合糸、ピンまたはネジ、カテーテル、ステント、排液管等の長期移植物を含む移植物;人工臓器及び組織修復のための足場;並びに、例えば手術台を含むデバイス等の診療器具を含む。
【0085】
ポリ酸または誘導体の役割は、前記金属酸化物と適合しない基材、例えば窒素または硫黄ベースの基を含む材料、あるいは酸化されやすい任意の基材、例えばポリウレタンで構成されている不適合性の基材、例えばこのような材料のフォーム、繊維、またはフィルムをしばしば含み得る医療用デバイスに特に関係する。前述のように、ポリ酸または誘導体は、このような基材を前記金属酸化物種と適合させるのに効果的であり得る。
【0086】
本発明の第1、第2、または第3の態様の材料または本発明の第4の態様の組成物は、医療用デバイスの表面上のコーティングとしてまたはその成分としてしばしば存在する。
【0087】
好適な製造方法は、当業者に既知であり、浸漬、流体、または粉末コーティング、及び接着性物質または粉末のコーティングまたは吹き付け(blasting)による付着を含む。
【0088】
ポリ酸または誘導体が接着性のものである場合、その後これが基材へ金属酸化物種を付着させるのに役立ち得、一方、金属酸化物は、ポリ酸または誘導体によって基材から空間的に分離されて保持されることが都合がよい。
【0089】
前記金属酸化物は、本発明の第4の態様の組成物を形成するために、ポリ酸または誘導体の接着性物質またはその配合物中で分散物の形態をとり得、これを本発明の第6の態様のデバイスに適用することができる。
【0090】
あるいは、ポリ酸または誘導体、あるいはこれらの接着性配合物を、金属酸化物の前に前記デバイスに適用することができる。
【0091】
金属酸化物種を医療用デバイスの表面上の基材またはこの構成要素の表面上に付着するのに役立つこのような接着性コーティングは、有利なことには、適合する基材上で、頑強で、均一で、且つ柔軟である。こうして製造された物品は、従来の殺菌包装中で、周囲の温度及び圧力で、数年間までの長期間貯蔵され得る。
【0092】
本発明の第7の態様によれば、本発明の第1、第2、または第3の態様による材料、本発明の第4の態様による組成物、あるいは本発明の第5または第6の態様によるデバイスの使用を含む、細菌を含めた微生物の感染の処置または予防のための方法が提供される。
【0093】
細菌を含めた微生物の感染の処置または予防のためのこのような方法は、外科的な急性及び慢性の創傷及び火傷を含む創傷の処置のために特に有用である。