(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記流体搬送装置を水平な平面上に置いた場合に、前記吹出口から空気流が放出される方向は、水平面に対して斜め下に向かう方向になる請求項1乃至3の何れか1項記載の流体搬送装置。
前記流体搬送装置を水平な平面上に置いた場合に、前記吹出口から空気流が放出される方向の、水平面に対する角度が20°〜40°である請求項4記載の流体搬送装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の流体搬送装置を示す模式的な断面図である。
図2は、本実施の形態1における放電・電界生成装置2の分解斜視図である。
図3は、本実施の形態1における放電・電界生成装置2の断面図である。
図4は、本実施の形態1の流体搬送装置1における送風ダクト16、蒸気ダクト15、送風ファン17および放電・電界生成装置2の位置関係を説明するための模式的な断面図である。なお、本明細書では、
図1中の左を前方とし、
図1中の右を後方として、方向を指定する。また、本明細書では、
図1の紙面に垂直な方向を「幅方向」と言う。
【0012】
図1に示すように、本実施の形態1の流体搬送装置1は、本体の外郭を成す本体ケース10と、給水タンク11と、給水弁12と、給水路13と、貯水部14と、蒸気ダクト15と、送風ダクト16と、送風ファン17と、制御部18と、放電・電界生成装置2とを備えている。給水タンク11、給水弁12、貯水部14、送風ファン17、制御部18および放電・電界生成装置2の全体と、蒸気ダクト15および送風ダクト16の一部とは、本体ケース10内に収容されている。
【0013】
給水タンク11内には、水が貯留される。給水弁12は、給水タンク11の下部に取り付けられている。給水タンク11および給水弁12は、本体ケース10に対し、着脱可能になっている。給水タンク11および給水弁12を本体ケース10内に装着すると、給水弁12が本体ケース10内に形成された凹みに嵌り、給水弁12が自動的に開くように構成されている。流体搬送装置1は、給水タンク11内の水位を検知する水位検知部(図示省略)を有している。
【0014】
給水路13は、本体ケース10内に給水タンク11および給水弁12が装着された状態で、給水弁12と、貯水部14の底部とを接続するように構成されている。給水タンク11内の水は、給水弁12および給水路13を通って、貯水部14に供給される。
【0015】
貯水部14の外周面の下部には、貯水部14内の水を加熱して蒸気を生成するための、ヒーター(図示省略)が取り付けられている。また、貯水部14の外周面の下部には、温度検知部として、サーミスタ(図示省略)が取り付けられている。本実施の形態1では、貯水部14および上記ヒーターにより、蒸気を生成する蒸気生成部が構成される。
【0016】
貯水部14の上部には、蒸気ダクト15の基端部が接続されている。蒸気ダクト15は、貯水部14内に生成された蒸気を外部に送る経路となる。蒸気ダクト15は、貯水部14の上面から上方へ延び、前方へ曲がる湾曲部152を介して、本体ケース10外の前方に突出するように形成されている。貯水部14から蒸気ダクト15により送られた蒸気は、蒸気ダクト15の先端に設けられた蒸気放出部(蒸気吹出口)151から外部に放出される。蒸気ダクト15の、上記湾曲部152より先端側に位置する先端側部分153は、後述する送風ダクト16の内部に配置される。
【0017】
送風ダクト16の基端部は、本体ケース10内に配置されている。送風ダクト16の先端側の部分は、本体ケース10外の前方に突出するように配置されている。送風ファン17は、空気の流れを発生させる送風部として機能する。送風ファン17は、送風ダクト16の基端面に対向するように配置されている。送風ファン17の構造は、特に限定されず、例えば、シロッコファン、プロペラ式軸流ファン、クロスフローファンなどを用いることができる。送風ファン17の駆動時には、送風ファン17の後方から空気が吸い込まれ、送風ファン17の前方から送風ダクト16内に空気が送られる。送風ファン17から送風ダクト16により送られた空気は、送風ダクト16の先端に設けられた吹出口161から外部に空気流として放出される。
【0018】
送風ファン17の風上側の風路上には、放電・電界生成装置2が配置されている。この放電・電界生成装置2は、風路を流れる空気中に存在する細菌、カビ、ウイルス、アレルギー原因物質(アレルゲン)等を殺菌あるいは不活化するものである。従って、送風ファン17から送風ダクト16内を通って外部に送風される空気流は、この放電・電界生成装置2を通過した清浄な空気になっている。放電・電界生成装置2の詳細については後述する。
【0019】
図4に示すように、本実施の形態1では、送風ダクト16は、送風ダクト16内の空気の流れ方向が直線状になるように形成されている。換言すれば、送風ダクト16は、送風ダクト16の基端部から吹出口161までの全長に渡って、直線状に形成されている。このような構成によれば、送風ダクト16内の空気の流れ方向に湾曲または屈曲する部分が存在する構成の場合に比べて、送風ダクト16の圧力損失が低下するとともに、送風ダクト16内を通風する気流に乱れが生じることを確実に抑制することができるので、耳障りな風切り音等の発生を確実に抑制することができる。このため、使用者が就寝中に流体搬送装置1を使用した際にも睡眠環境を悪化させることを確実に抑制することができる。
【0020】
また、本実施の形態1では、送風ダクト16は、床面等の水平な平面上に流体搬送装置1を置いた場合に、送風ダクト16の先端側が水平面Hに対して斜め下に向くように配置されている。以下の説明では、送風ダクト16およびその他の角度についての記述は、流体搬送装置1を水平な平面上に置いた場合を前提とする。本実施の形態1では、送風ダクト16の長手方向が水平面Hに対してなす傾斜角度θ1は、20°〜40°の範囲内であることが好ましい。
【0021】
本実施の形態1では、送風ダクト16の内部に配置された蒸気ダクト15の先端側部分153は、送風ダクト16と同様に、先端側が水平面Hに対して斜め下に向くように配置されている。本実施の形態1では、送風ダクト16の長手方向と、蒸気ダクト15の先端側部分153の長手方向とは、平行になっている。
【0022】
蒸気ダクト15の蒸気放出部151と、送風ダクト16の吹出口161とは、近接して設けられている。吹出口161は、蒸気放出部151の周囲を囲むように形成されている。送風ダクト16内の空気は、蒸気ダクト15の外壁面と、送風ダクト16の内壁面との間に形成される流路を通って、吹出口161に送られる。
【0023】
本実施の形態1の流体搬送装置1では、蒸気ダクト15の蒸気放出部151から外部に放出された蒸気が、送風ダクト16の吹出口161から外部に放出された空気流に混合されて、搬送される。換言すれば、蒸気放出部151から外部に放出された蒸気は、吹出口161から吹き出された空気の流れによって搬送される。これにより、蒸気放出部151から吹き出される蒸気の勢いだけでは届かない、遠い位置にまで蒸気を搬送することができる。このため、使用者が就寝中に流体搬送装置1を使用する場合など、使用者と流体搬送装置1との間に距離が生じる場合においても、使用者の顔等に対して蒸気を確実に搬送し、肌や髪を効率良く保湿し、あるいは鼻やのどの保湿を促すことによる安眠効果を期待することができる。
【0024】
また、本実施の形態1では、送風ダクト16の吹出口161から水平面Hに対し斜め下の方向に吹き出された空気の流れによって蒸気を搬送することにより、蒸気が浮力によって上昇することを抑制し、蒸気を更に遠い位置にまで搬送することが可能になるとともに、使用者が就寝中に流体搬送装置1を使用する場合に、寝具等に遮断されることなく、空気と混合された蒸気を使用者の顔に対し上方から当てることが可能になる。特に、送風ダクト16の吹出口161から空気流が放出される方向が、水平面Hに対し斜め下に向かって20°〜40°の範囲内になるように構成することにより、上記の効果をより顕著に発揮させることが可能となる。
【0025】
送風ダクト16の吹出口161は、幅方向に沿って、細長い形状に形成されていても良い。また、送風ダクト16の吹出口161の幅方向の大きさは、蒸気ダクト15の蒸気放出部151の幅方向の大きさに比べて、広くなっていることが好ましい。このような構成によれば、蒸気放出部151から放出された蒸気が、吹出口161と同程度の幅に広がって搬送される。その結果、蒸気は拡散を抑制されつつ、指向性が高すぎないように搬送される。これにより、例えば人の顔等に対して蒸気を搬送しても、煩わしい等の不快感を与えることを確実に抑制することができる。また、蒸気ダクト15の先端側部分153を複数に分岐させることによって複数の蒸気放出部151を形成し、これら複数の蒸気放出部151を送風ダクト16の吹出口161の長手方向(幅方向)に沿って、間隔をあけて配置してもよい。このような構成によれば、蒸気放出部151から放出された蒸気が、吹出口161と同程度の幅に広がる際に、より均一に広がる。その結果、蒸気は、幅方向の位置による偏りが少ない状態で搬送されるため、例えば人の顔等に対して蒸気を搬送しても、煩わしい等の不快感を与えることを確実に抑制することができる。
【0026】
次に、
図2および
図3を参照しながら、放電・電界生成装置2の構成について詳しく説明する。
【0027】
図2に示すように、放電・電界生成装置2は、放電電極21(第1電極)と、この放電電極21に対向する電極面221を有する対向電極22(第2電極)とを備えている。放電・電界生成装置2は、放電電極21と対向電極22との間に電圧を印加し、放電電極21と対向電極22との間に電界空間を形成するとともに、放電電極21と対向電極22との間にて放電(例えばコロナ放電)を生じさせ、空気中の放電空間を形成するようになっている。本実施の形態1の放電・電界生成装置2は、樹脂等の絶縁性材料で構成された第1フレーム23および第2フレーム24からなる箱状のフレーム20を有しており、このフレーム20内に放電電極21および対向電極22が収容されている。
【0028】
第1フレーム23および第2フレーム24には、風路を流れる空気をフレーム20内に流入させるとともにその流入した空気をフレーム20内から流出させるために、開口部231,241がそれぞれ設けられている。以下では、開口部231が設けられた第1フレーム23の面、および開口部241が設けられた第2フレーム24の面を「開口面」と呼ぶことがある。第1フレーム23の開口部231および第2フレーム24の開口部241には、フレーム20内に収容された放電電極21および対向電極22に異物等が触れることを防止するため、格子状のガード232,242がそれぞれ設けられている。第1フレーム23および第2フレーム24を箱状に組んでフレーム20を形成した際、第1フレーム23の開口面と第2フレーム24の開口面とは、平行に配置される。なお、第1フレーム23には、放電・電界生成装置2を流体搬送装置1に着脱する際に掴むことのできる把持部233が設けられている。
【0029】
放電電極21および対向電極22の材質には、導電体が用いられ、具体的には、例えば、タングステン、銅、ニッケル、亜鉛、鉄等の金属、または、これらの金属を主成分とするステンレス鋼等の合金が好ましく用いられる。また、放電電極21および対向電極22は、これらの金属または合金の表面に、銀、金、白金等の貴金属をメッキしたもので構成されていても良い。
【0030】
放電電極21は、細長い板状をなしており、その断面形状は、短辺と長辺とを有する矩形状となっている(
図3参照)。換言すれば、放電電極21は、扁平な断面形状を有する紐状をなしている。放電電極21の断面形状の矩形状の長辺の長さは、0.1〜1.0mm程度が好ましく、短辺の長さは長辺の長さの約1/10程度、すなわち0.01〜0.1mm程度であることが好ましい。
【0031】
図2に示すように、放電電極21および対向電極22は、樹脂等の絶縁性材料で構成された第1電極支持部材27および第2電極支持部材28により、フレーム20内において、以下に述べるような配置状態で固定される。放電電極21は、長手方向の両端部が第2電極支持部材28側で支持され、長手方向の中間部分が第1電極支持部材27で折り返すようにして、U字状に配置される。本実施の形態1では、放電電極21の折り返し回数が1回であるが、放電電極21の中間部分が複数回(2〜4回程度)折り返された配置でも良い。放電電極21の両端部には、リング状の端子211が取り付けられている。端子211は、放電電極21に張力を与えるように引っ張る金属製のバネ25を介して、給電部26に接続されている。給電部26は、電源(図示省略)と接続される。放電電極21には、給電部26を介して上記電源から例えば4kV〜7kV程度の電圧が供給される。一方、対向電極22は接地されている。
【0032】
対向電極22の電極面221は、放電電極21に対向して配置される。電極面221は、略長方形の平板状をなしている。本実施の形態1では、対向電極22は、3つの電極面221を有している。これらの電極面221は、互いに平行に配置されている。
図3に示すように、電極面221は、第1フレーム23および第2フレーム24の開口面の法線に対して、角度θ2だけ傾斜した状態となるように配置されている。本実施の形態1では、隣り合う電極面221の間に、放電電極21が位置する。すなわち、放電電極21は、この放電電極21を挟む二つの電極面221にそれぞれ対向する。
【0033】
また、本実施の形態1では、放電電極21の断面形状である矩形状の長辺が、第1フレーム23および第2フレーム24の開口面に対して、垂直になっている。このような構成によれば、第1フレーム23および第2フレーム24の開口面を通ってフレーム20内を通過する空気の流れ方向に対する、放電電極21の投影面積を低減することができるため、放電・電界生成装置2内を通過する空気流の圧力損失を低減することができる。
【0034】
また、本実施の形態1では、対向電極22の電極面221は、放電電極21の断面形状である矩形状の長辺に対して、傾斜している。このような構成によれば、放電電極21と対向電極22の電極面221との間に形成される電界分布は、放電電極21の断面形状の長辺が電極面221に平行に配置された場合に比べて、斜め方向に引っ張られるように拡大する。このため、本実施の形態1によれば、細菌、カビ、ウイルス、アレルギー原因物質等が放電・電界生成装置2内の電界空間を通過する距離を長くすることができ、これらを不活化する効率を向上させることができる。
【0035】
また、本実施の形態1では、フレーム20の二つの側壁201,202は、対向電極22の電極面221に対し平行になっている。すなわち、側壁201,202は、第1フレーム23および第2フレーム24の開口面の法線に対して角度θ2だけ傾斜しており、側壁201,202の内面側に電極面221が平行に配置されている。このような構成によれば、フレーム20の側壁201,202の内壁面と、対向電極22の電極面221との間の空間を小さくすることができるので、空気が淀む空間がフレーム20内に形成されることを抑制することができる。その結果、フレーム20内に異物等が堆積することを抑制することができる。
【0036】
前述したように、本実施の形態1では、送風ダクト16は、送風ダクト16の先端側が水平面Hに対して斜め下に向くように配置されている。また、本実施の形態1では、
図4に示すように、送風ダクト16の長手方向が水平面Hに対してなす傾斜角度θ1と、放電・電界生成装置2のフレーム20(第1フレーム23および第2フレーム24)の開口面の法線に対する対向電極22の電極面221の傾斜角度θ2とが等しくなるように、放電・電界生成装置2が配置されている。
【0037】
上記の構成により、本実施の形態1の流体搬送装置1では、送風ダクト16の長手方向と、対向電極22の電極面221とが平行になる。その結果、対向電極22の電極面221が、放電・電界生成装置2内を通過する空気の流れに対して、平行になる。このような構成により、放電・電界生成装置2の圧力損失が低下するとともに、放電・電界生成装置2内を通風する気流に乱れが生じることを確実に抑制することができるので、耳障りな風切り音等の発生を確実に抑制することができる。このため、使用者が就寝中に流体搬送装置1を使用した際にも睡眠環境を悪化させることを確実に抑制することができる。なお、送風ダクト16の長手方向に湾曲する部分が存在する構成の場合には、送風ダクト16の基端側の部分の長手方向と、対向電極22の電極面221とが平行になるように構成することにより、上記と同様の効果が得られる。
【0038】
また、本実施の形態1では、吹出口161付近の送風ダクト16内の空気の流れ方向と、吹出口161から空気流が外部に放出される方向とが同方向になっている。すなわち、本実施の形態1では、送風ダクト16内を流れる空気が吹出口161で向きを変えることなく真っ直ぐに外部に放出される。このため、送風ダクト16の吹出口161の圧力損失が低下するとともに、吹出口161を通過する気流に乱れが生じることを確実に抑制することができるので、耳障りな風切り音等の発生を確実に抑制することができる。このため、使用者が就寝中に流体搬送装置1を使用した際にも睡眠環境を悪化させることを確実に抑制することができる。
【0039】
図5乃至
図8は、それぞれ、本実施の形態1の流体搬送装置1の設置状態の例を示す模式図である。
図5は、使用者Uがベッドで寝る場合に、使用者Uから見て横に流体搬送装置1を設置した状態を示している。
図6は、使用者Uが布団で寝る場合に、使用者Uから見て横に流体搬送装置1を設置した状態を示している。
図7は、使用者Uがベッドで寝る場合に、使用者Uの頭の側に流体搬送装置1を設置した状態を示している。
図8は、使用者Uが布団で寝る場合に、使用者Uの頭の側に流体搬送装置1を設置した状態を示している。使用者Uが布団で寝る場合には、
図6および
図8に示すように、流体搬送装置1を床面とほぼ同じ高さの平面上に置いて使用することができる。これに対し、使用者Uがベッドで寝る場合には、
図5および
図7に示すように、流体搬送装置1を台Sの上に置くことにより、流体搬送装置1の設置高さを調節することができる。また、
図5および
図6では、流体搬送装置1の送風ダクト16の先端部から使用者Uまでの距離が100cm程度であり、送風ファン17を強運転している場合を示している。一方、
図7および
図8では、流体搬送装置1の送風ダクト16の先端部から使用者Uまでの距離が50cm程度であり、送風ファン17を弱運転している場合を示している。このように、流体搬送装置1と使用者Uとの距離に応じて、送風ファン17の送風量を調節することにより、蒸気を含んだ空気流を使用者Uの位置に適切に搬送することができる。流体搬送装置1を効果的且つ快適に使用する観点からは、流体搬送装置1の送風ダクト16の先端部から使用者Uまでの距離を概ね50〜100cm程度にして使用することが望ましい。また、本実施の形態1の流体搬送装置1の場合、本体ケース10の底面から上面までの高さを数十cm程度に設定することが好ましい。そのような構成によれば、
図5乃至
図8に示すように、使用者Uが寝ている高さと概ね同程度の高さに流体搬送装置1を設置することにより、寝具等に遮られることなく、蒸気を含んだ空気流を上方から使用者Uの顔近傍に搬送することが可能となる。また、本発明では、送風ダクト16の向きを調整可能に構成し、使用者が、蒸気を含んだ空気流が自分の顔近傍に当たるように、送風ダクト16の向きを調節できるようにしても良い。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態1の流体搬送装置1によれば、室内に浮遊する細菌、カビ、ウイルス、アレルギー原因物質等の不活化処理がなされた清浄な空気で蒸気を搬送することができ、且つ、蒸気の搬送距離を向上することが可能となる。このため、使用者が、ある程度の距離を流体搬送装置1から隔てて使用する場合であっても、肌保湿効果、粘膜湿潤効果、毛髪保湿効果等の効果を確実に得ることができる。
【0041】
また、上述した実施の形態では、流体搬送装置1の本体ケース10に対して放電・電界生成装置2を着脱可能に構成したことにより、メンテナンス性を向上することができる。特に、本実施の形態1では、フレーム20内に放電電極21および対向電極22を収容し、フレーム20の風下側の開口面が送風ファン17の風上側の端面と対向するように放電・電界生成装置2を配置したことにより、放電・電界生成装置2の着脱を極めて容易に行うことができる。ただし、本発明では、放電・電界生成装置2(電界生成装置)が流体搬送装置1に固定的に設けられていても良い。また、本発明では、送風ファン17(送風部)の風下側に放電・電界生成装置2(電界生成装置)を配置しても良い。
【0042】
なお、上述した実施の形態では、第1電極(放電電極21)と第2電極(対向電極22)との間にて放電を生じさせ、第1電極と第2電極との間に電界空間および放電空間を形成する電界生成装置(放電・電界生成装置2)を例に説明したが、本発明における電界生成装置は、第1電極と第2電極との間で放電を行うことなく、第1電極と第2電極との間に形成される電界空間を細菌、カビ、ウイルス、アレルギー原因物質等が通過する際に、これらの表面に電界による分極を生じさせ、その分極により、これらの細胞壁等を破壊することによってこれらを不活化するように構成されたものであっても良い。