【文献】
Helmut G. Alt, Michael Jung,Journal of Organometalic Chemistry,1998年,第229頁〜第253頁
【文献】
Helmut G. Alt, Michael Jung, Gerald Kehr,Journal of Organometalic Chemistry,1998年,第153頁〜第181頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明では、新規な触媒組成物、触媒組成物を調製する方法、オレフィンを重合させるために該触媒組成物を使用する方法、オレフィンポリマー及びそれから作製される物品が提供される。1つの態様において、本発明は、シクロペンタジエニル型リガンドにペンダントするオレフィン含有部分及び架橋リガンドの架橋原子に結合した少なくとも1種のアリール基を含む強固に架橋した少なくとも1種のansa−メタロセン化合物、少なくとも1種の活性化剤、並びに任意選択的な、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物を包含する。もう1つの態様において、本発明は、本明細書において開示される触媒組成物を製造する方法を含み、なお更なる態様において、本発明は、本明細書に開示される触媒組成物を用いてオレフィンを重合させる方法を含む。上記のように、接触生成物において任意選択成分としての少なくとも1種の有機アルミニウム化合物の指定は、当業者により理解されるように、接触生成物を含む組成物に触媒活性を付与することが必要でない場合、有機アルミニウム化合物は、任意選択であり得ることを反映することが意図される。接触生成物の成分の詳細な説明が以下に述べられる。
【0025】
触媒組成物及び成分
メタロセン化合物
1つの態様において、本発明では、本明細書において更に開示されるような、シクロペンタジエニル型リガンドに結合したオレフィン含有部分及び架橋リガンドの架橋原子に結合した少なくとも1種のアリール基を含む強固に架橋した少なくとも1種のansa−メタロセン化合物、少なくとも1種の活性化剤、及び任意選択的に少なくとも1種の有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物が提供される。
【0026】
本明細書において用いられるように、用語「架橋又はansa−メタロセン」は、分子中の2個のη
5−シクロアルカジエニル型リガンドが架橋部分によって結合されているメタロセン化合物を単にいう。有用なansa−メタロセンは通常、「強固に架橋」しており、2個のη
5−シクロアルカジエニル型リガンドが、架橋基によって結合されており、ここで、該η
5−シクロアルカジエニル型リガンド間の架橋部分の最短結合は、単一の原子である。したがって、2個のη
5−シクロアルカジエニル型リガンド間の架橋又は鎖の長さは1個の原子であるが、この架橋原子は置換されている。したがって、本発明のメタロセンは、架橋ビス(η
5−シクロアルカジエニル)型化合物であり、ここで、該η
5−シクロアルカジエニル部分には、置換シクロペンタジエニルリガンド、置換インデニルリガンド、置換フルオレニルリガンド等が含まれ、ここで、これらのシクロペンタジエニル型リガンド上の1個の置換基は、式ER
1R
2を有する架橋基であり、式中、Eは、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、又はスズ原子であり、且つEは両方のシクロペンタジエニル型リガンドに結合している。この態様において、R
1及びR
2は、独立に、アルキル基若しくはアリール基(それらのいずれも12個までの炭素原子を有する)、又は水素から選択することができ、ここで、R
1及びR
2の少なくとも一方は、アリール基である。
【0027】
この態様において、メタロセンのシクロペンタジエニル型リガンド上の1個の置換基は、式>CR
1R
2、>SiR
1R
2、>GeR
1R
2、又は>SnR
1R
2を有する架橋基であることができ、ここで、R
1及びR
2は、独立に、アルキル基若しくはアリール基(それらのいずれも12個までの炭素原子を有する)、又は水素から選択することができ、ここで、R
1及びR
2の少なくとも一方は、アリール基である。架橋ER
1R
2基の例には、限定されないが、>CPh
2、>SiPh
2、>GePh
2、>SnPh
2、>C(トリル)
2、>Si(トリル)
2、>Ge(トリル)
2、>Sn(トリル)
2、>CMePh、>SiMePh、>GeMePh、>SnMePh、>CEtPh、>CPrPh、>CBuPh、>CMe(トリル)、>SiMe(トリル)、>GeMe(トリル)、>SnMe(トリル)、>CHPh、>CH(トリル)等が含まれる。
【0028】
更に、η
5−シクロアルカジエニル型リガンド上の少なくとも一部上の少なくとも1個の置換基は、12個までの炭素原子を有する、置換又は非置換のオレフィン含有ヒドロカルビル基であり、これはアルケン官能性の位置化学に関わらず、本明細書において「アルケニル基」と称される。この態様において、このオレフィン含有ヒドロカルビル基は、架橋リガンドのη
5−シクロアルカジエニル型リガンドの一部に結合しており、ここで、該オレフィン結合は、η
5−シクロアルカジエニル型リガンドから遠位であり、したがって、ペンダントアルケニル基として記載され得る。したがって、メタロセンの置換シクロペンタジエニル、置換インデニル、又は置換フルオレニル上の1個の置換基は、アルケニル基を含み、この場合、ansa−メタロセンは、オレフィン部分を含むシクロペンタジエニル型リガンドの一部に結合したヒドロカルビル鎖を含むとして記載され得る。
【0029】
もう1つの態様において、本発明の少なくとも1種のansa−メタロセンは、式:
(X
1)(X
2)(X
3)(X
4)M
1
[式中、M
1は、チタン、ジルコニウム、又はハフニウムであり;
(X
1)及び(X
2)は、独立に、置換シクロペンタジエニル、置換インデニル、又は置換フルオレニルであり;
(X
1)及び(X
2)上の1個の置換基は、式ER
1R
2を有する架橋基であり、式中、Eは、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、又はスズ原子であり、且つEは(X
1)及び(X
2)の両方に結合しており、R
1及びR
2は、独立に、アルキル基若しくはアリール基(それらのいずれも12個までの炭素原子を有する)又は水素であり、ここでR
1及びR
2の少なくとも一方はアリール基であり;
(X
1)又は(X
2)上の少なくとも1個の置換基は、12個までの炭素原子を有する置換又は非置換のアルケニル基であり;
(X
3)及び(X
4)は、独立に、1)F、Cl、Br、又はI;2)20個までの炭素原子を有するヒドロカルビニル基、H、又はBH
4;3)ヒドロカルビルオキシド基、ヒドロカルビルアミノ基、又はトリヒドロカルビルシリル基(それらのいずれも、20個までの炭素原子を有する);4)OBR
A2又はSO
3R
A、ここで、R
Aは、アルキル基若しくはアリール基(それらのいずれも12個までの炭素原子を有する)であり;
置換シクロペンタジエニル、置換インデニル、置換フルオレニル、又は置換アルケニル基上の任意の更なる置換基は、独立に、脂肪族基、芳香族基、環式基、脂肪族基と環式基との組合せ、酸素基、硫黄基、窒素基、リン基、ヒ素基、炭素基、ケイ素基、若しくはホウ素基(それらのいずれも1から20個までの炭素原子を有する);ハロゲン化物;又は水素である]
を有する化合物を含む。
【0030】
本発明のもう1つの態様において、オレフィン含有ヒドロカルビル基は、架橋リガンドのη
5−シクロアルカジエニル型リガンドの一部に結合しており、即ち、該アルケニル基は、約20個までの炭素原子を有することができる。もう1つの態様において、該アルケニル基は、約12個までの炭素原子、約8個までの炭素原子、又は約6個までの炭素原子を有することができる。アルケニル基の例には、限定されないが、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、又はオクテニルが含まれる。もう1つの態様において、該アルケニル基は、3−ブテニル又は4−ペンテニルである。したがって、1つの態様において、該ペンダント不飽和基は、シクロペンタジエニル型リガンドそれ自体から除かれた約3から約7個の炭素原子、もう1つの態様において、シクロペンタジエニル型リガンドそれ自体から除かれた3から約4個の炭素原子由来の炭素−炭素二重結合を含み得る。
【0031】
更にもう1つの態様において、オレフィン含有ヒドロカルビル基、即ち、アルケニル基は、置換又は非置換であり得る。例えば、アルケニル基上の任意の置換基は、存在する場合、脂肪族基、芳香族基、環式基、脂肪族基と環式基との組合せ、酸素基、硫黄基、窒素基、リン基、ヒ素基、炭素基、ケイ素基、ホウ素基、若しくはそれらの置換類似物(それらのいずれも1から約20個の炭素原子を有する);ハロゲン化物;又は水素から独立に選択され得る。アルケニル基を破壊しない限り水素はアルケニル基内の不飽和部分を付加し得るという文脈において、水素はアルケニル基上の可能な置換基として挙げられる。したがって、水素が、アルケニル基と考えられるのに必要なまさにオレフィン部分にわたって付加しない限り、水素は、アルケニル基内の任意の不飽和部分上の置換基であり得る。更に、アルケニル基の原子上の他の置換基のこの説明には、置換、非置換、分岐、直鎖、又はヘテロ原子−置換のこれらの部分の類似物が含まれ得る。
【0032】
少なくとも一部のシクロペンタジエニル型部分に結合し得るオレフィンヒドロカルビル基、特にアルケニル基の例には、限定されないが、3−ブテニル(CH
2CH
2CH=CH
2)、4−ペンテニル(CH
2CH
2CH
2CH=CH
2)、5−ヘキセニル(CH
2CH
2CH
2CH
2CH=CH
2)、6−ヘプテニル(CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH=CH
2)、7−オクテニル(CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH
2CH=CH
2)、3−メチル−3−ブテニル[CH
2CH
2C(CH
3)=CH
2]、4−メチル−3−ペンテニル[CH
2CH
2CH=C(CH
3)
2]、1,1−ジメチル−3−ブテニル[C(CH
3)
2CH
2CH=CH
2]、1,1−ジメチル−4−ペンテニル[C(CH
3)
2CH
2CH
2CH=CH
2]等、又はそれらの任意の置換類似物が含まれる。1つの態様において、架橋基に結合した不飽和基は、3−ブテニル(CH
2CH
2CH=CH
2)、4−ペンテニル(CH
2CH
2CH
2CH=CH
2)、又はそれらの置換類似体であり得る。
【0033】
本明細書に開示されたような式ER
1R
2を有する架橋基及び少なくとも1種のアルケニル基を含むことに加えて、シクロペンタジエニル型リガンドは、他の置換基を有することもできる。例えば、これらの置換基は、ansa−メタロセンの(X
3)及び(X
4)リガンドとして機能し得る同じ化学基又は部分から選択され得る。したがって、シクロペンタジエニル型リガンド上の任意の更なる置換基;及び置換アルケニル基上の任意の置換基;並びに(X
3)及び(X
4)は、これらの基が該触媒組成物の活性を終らせない限り、独立に、脂肪族基、芳香族基、環式基、脂肪族基と環式基との組合せ、酸素基、硫黄基、窒素基、リン基、ヒ素基、炭素基、ケイ素基、ホウ素基、若しくはそれらの置換類似体(それらのいずれも1から約20個の炭素原子を有する);ハロゲン化物;又は水素から選択することができる。更に、このリストには、ベンジル等のこれらのカテゴリーの1つを超えて特徴付けられる置換基が含まれる。このリストには、水素も含まれ、したがって、置換インデニル及び置換フルオレニルの概念には、限定されないが、テトラヒドロインデニル基、テトラヒドロフルオレニル基、及びオクタヒドロフルオレニル基を含む部分的飽和インデニル及びフルオレニルが含まれる。
【0034】
これらの置換基のそれぞれの例には、限定されないが、以下の基が含まれる。特記しない限り、以下に提示されるそれぞれの例において、Rは、独立に、脂肪族基;芳香族基;環式基;それらの任意の組合せ;それらの任意の置換誘導体(限定されないが、それらのハロゲン化物−、アルコキシド−、若しくはアミド−置換類似物又は誘導体を含み;それらのいずれも1から約20個の炭素原子を有する);又は水素から選択される。これらの基には、それらの任意の置換、分岐、又は直鎖類似物も含まれる。
【0035】
脂肪族基の例には、それぞれの存在において、限定されないが、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルカジエニル基、環式基等が含まれ、それぞれの存在において1から約20個の炭素原子を有する、それらのすべての置換、非置換、分岐、直鎖の類似物又は誘導体が含まれる。したがって、脂肪族基には、限定されないが、パラフィン及びアルケニル等のヒドロカルビルが含まれる。例えば、本明細書において用いられる脂肪族基には、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、2−エチルヘキシル、ペンテニル、ブテニル等が含まれる。
【0036】
芳香族基の例には、それぞれの存在において、限定されないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル等(それらの置換誘導体を含み、それぞれの存在において、6から約25個の炭素を有する)が含まれる。芳香族化合物の置換誘導体には、限定されないが、トリル、キシリル、メシチル等(それらの任意のヘテロ原子置換誘導体を含む)が含まれる。
【0037】
環式基の例には、それぞれの存在において、限定されないが、シクロパラフィン、シクロオレフィン、シクロアセチレン、アレーン(例えば、フェニル、二環式基)等(それぞれの存在において、約3から約20個の炭素原子を有する、それらの置換誘導体を含む)が含まれる。したがって、フラニル等のヘテロ原子−置換環式基は本明細書に含まれる。
【0038】
それぞれの存在において、脂肪族基及び環式基は、脂肪族部分及び環式部分を含む基であり、それらの例には、限定されないが、基、例えば、−(CH
2)
mC
6H
qR
5−q[ここで、mは、1から約10の整数であり、qは、1から5の整数である(両端を含む)];−(CH
2)
mC
6H
qR
11−q[ここで、mは、1から約10の整数であり、qは、1から11の整数である(両端を含む)];又は−(CH
2)
mC
5H
qR
9−q[ここで、mは、1から約10の整数であり、qは、1から9の整数である(両端を含む)]が含まれる。それぞれの存在において、上記に定義された通り、Rは、独立に、脂肪族基;芳香族基;環式基;それらの任意の組合せ;それらの任意の置換誘導体(限定されないが、それらのハロゲン化物−、アルコキシド−、若しくはアミド−置換誘導体又は類似体を含み;それらのいずれも1から約20個の炭素原子を有する);又は水素から選択される。1つの態様において、脂肪族基及び環式基には、限定されないが、−CH
2C
6H
5;−CH
2C
6H
4F;−CH
2C
6H
4Cl;−CH
2C
6H
4Br;−CH
2C
6H
4I;−CH
2C
6H
4OMe;−CH
2C
6H
4OEt;−CH
2C
6H
4NH
2;−CH
2C
6H
4NMe
2;−CH
2C
6H
4NEt
2;−CH
2CH
2C
6H
5;−CH
2CH
2C
6H
4F;−CH
2CH
2C
6H
4Cl;−CH
2CH
2C
6H
4Br;−CH
2CH
2C
6H
4I;−CH
2CH
2C
6H
4OMe;−CH
2CH
2C
6H
4OEt;−CH
2CH
2C
6H
4NH
2;−CH
2CH
2C
6H
4NMe
2;−CH
2CH
2C
6H
4NEt
2;その任意の位置異性体、及びそれらの任意の置換誘導体が含まれる。
【0039】
ハロゲン化物の例には、それぞれの存在において、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物が含まれる。
【0040】
それぞれの存在において、酸素基は、酸素含有基であり、それの例には、限定されないが、アルコキシ基又はアリールオキシ基(−OR)等(それらの置換誘導体を含み、ここで、Rは、1から約20個の炭素原子を有する、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、又は置換アラルキルである)が含まれる。アルコキシ基又はアリールオキシ基(−OR)の例には、限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、フェノキシ、置換フェノキシ等が含まれる。
【0041】
それぞれの存在において、硫黄基は、硫黄含有基であり、それの例には、限定されないが、−SR、など(それらの置換誘導体を含み、ここで、それぞれの存在におけるRは、1から約20個の炭素原子を有する、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、又は置換アラルキルである)が含まれる。
【0042】
それぞれの存在において、窒素基は、窒素含有基であり、それには、限定されないが、−NR
2又はピリジル基等(それらの置換誘導体を含み、ここで、それぞれの存在におけるRは、1から約20個の炭素原子を有する、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、又は置換アラルキルである)が含まれる。
【0043】
それぞれの存在において、リン基は、リン含有基であり、それには、限定されないが、−PR
2等(それらの置換誘導体を含み、ここで、それぞれの存在におけるRは、1から約20個の炭素原子を有する、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、又は置換アラルキルである)が含まれる。
【0044】
それぞれの存在において、ヒ素基は、ヒ素含有基であり、それには、限定されないが、−AsR
2等(それらの置換誘導体を含み、ここで、それぞれの存在におけるRは、1から約20個の炭素原子を有する、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、又は置換アラルキルである)が含まれる。
【0045】
それぞれの存在において、炭素基は、炭素含有基であり、それには、限定されないが、1から約20個の炭素原子を有するハライド置換アルキル基を含むアルキルハライド基、1から約20個の炭素原子を有するアルケニル基又はアルケニルハライド基、1から約20個の炭素原子を有するアラルキル基又はアラルキルハライド基等(それらの誘導体を含む)が含まれる。
【0046】
それぞれの存在において、ケイ素基は、ケイ素含有基であり、それには、限定されないが、アルキルシリル基、アリールシリル基、アリールアルキルシリル基などのシリル基、シロキシ基等(それぞれの存在におけるそれらは、1から約20個の炭素原子を有する)が含まれる。例えば、ケイ素基には、トリメチルシリル及びフェニルオクチルシリル基が含まれる。
【0047】
それぞれの存在において、ホウ素基は、ホウ素含有基であり、それには、限定されないが、−BR
2、−BX
2、−BRX(ここで、Xは、ハロゲン化物、水素化物、アルコキシド、アルキルチオレート等のモノアニオン基であり、それぞれの存在にけるRは、1から約20個の炭素原子を有する、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、置換アルキル、置換アリール、又は置換アラルキルである)が含まれる。
【0048】
本発明のもう1つの態様において、(X
3)及び(X
4)は、独立に、脂肪族基、環式基、脂肪族基と環式基との組合せ、アミド基、ホスフィド基、アルキルオキシド基、アリールオキシド基、アルカンスルホネート、アレーンスルホネート、若しくはトリアルキルシリル基、又はそれらの置換誘導体(それらのいずれも、1から約20個の炭素原子を有する);又はハロゲン化物から選択される。更にもう1つの態様において、(X
3)及び(X
4)は、独立に、1)F、Cl、Br、又はI;2)20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、H、又はBH
4;3)ヒドロカルビルオキシド基、ヒドロカルビルアミノ基、又はトリヒドロカルビルシリル基(それらのいずれも20個までの炭素原子を有する);4)OBR
A2又はSO
3R
A(ここで、R
Aは、アルキル基又はアリール基であり、それらのいずれも12個までの炭素原子を有する)である。更にもう1つの態様において、(X
3)及び(X
4)は、独立に、1から約10個の炭素原子を有するヒドロカルビル、又はハロゲン化物から選択される。もう1つの態様において、(X
3)及び(X
4)は、独立に、フッ化物、塩化物、臭化物、又はヨウ化物から選択される。更にもう1つの態様において、(X
3)及び(X
4)は、塩化物である。更にもう1つの態様において、(X
3)及び(X
4)は、独立に、20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、H、又はBH
4である。
【0049】
本発明の更なる態様では、本発明の少なくとも1種のansa−メタロセンが、式:
【化3】
[式中、M
1は、ジルコニウム又はハフニウムであり;
Xは、独立に、F、Cl、Br、又はIであり;
Eは、C又はSiであり;
R
1及びR
2は、独立に、アルキル基若しくはアリール基(それらのいずれも10個までの炭素原子を有する)又は水素であり、ここで、R
1又はR
2の少なくとも1個は、アリール基であり;
R
3A及びR
3Bは、独立に、ヒドロカルビル基若しくはトリヒドロカルビルシリル基(それらのいずれも、20個までの炭素原子を有する)又は水素であり;
nは、0から10(両端を含む)の整数であり;
R
4A及びR
4Bは、独立に、12個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、又は水素である]
を有する化合物を含むことが提供される。
【0050】
更にもう1つの態様において、本発明の少なくとも1種のansa−メタロセンは、式:
【化4】
[式中、M
1は、ジルコニウム又はハフニウムであり;
Xは、F、Cl、Br、又はIであり;
Eは、C又はSiであり;
R
1及びR
2は、独立に、アルキル基若しくはアリール基(それらのいずれも10個までの炭素原子を有する)又は水素であり、ここで、R
1及びR
2の少なくとも一方は、アリール基であり;
R
3A及びR
3Bは、独立に、H、メチル、アリル、ベンジル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、又はトリメチルシリルであり;
nは、0から6(両端を含む)の整数であり;
R
4A及びR
4Bは、独立に、6個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、又は水素である]
を有する化合物を含む。
【0051】
更にもう1つの態様において、本発明の少なくとも1種のansa−メタロセンは、式:
【化5】
[式中、M
1は、ジルコニウム又はハフニウムであり;
Xは、Cl、Br、又はIであり;
Eは、C又はSiであり;
R
1及びR
2は、独立に、メチル又はフェニルであり、ここで、R
1又はR
2の少なくとも1個は、フェニル基であり;
R
3A及びR
3Bは、独立に、H又はメチルであり;
nは、1又は2であり;
R
4A及びR
4Bは、独立に、H又はt−ブチルである]
を有する化合物を含む。
【0052】
更にもう1つの態様において、本発明の少なくとも1種のansa−メタロセンは、式:
【化6】
[式中、M
1は、ジルコニウム又はハフニウムであり;
Xは、独立に、H、BH
4、メチル、フェニル、ベンジル、ネオペンチル、トリメチルシリルメチル、CH
2CMe
2Ph;CH
2SiMe
2Ph;CH
2CMe
2CH
2Ph;又はCH
2SiMe
2CH
2Phであり;
Eは、C又はSiであり;
R
1及びR
2は、独立に、アルキル基若しくはアリール基(それらのいずれも10個までの炭素原子を有する)又は水素であり、ここで、R
1又はR
2の少なくとも1個は、アリール基であり;
R
3A及びR
3Bは、独立に、ヒドロカルビル基若しくはトリヒドロカルビルシリル基(それらのいずれも20個までの炭素原子を有する)又は水素であり;
nは、0から10(両端を含む)の整数であり;
R
4A及びR
4Bは、独立に、12個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、又は水素である]
を有する化合物を含む。
【0053】
更なる態様において、本発明の少なくとも1種のansa−メタロセンは、式:
【化7】
を有する化合物、又はそれらの任意の組合せを含む。
【0054】
更にもう1つの態様において、本発明の少なくとも1種のansa−メタロセンは、
【化8】
若しくはそれらの任意の組合せを含み得、又はそれら及びそれらの任意の組合せから選択され得る。本発明の更にもう1つの態様では、式:
【化9】
(式中、M
2は、Zr又はHfである)
を有するメタロセン化合物が提供される。
【0055】
本発明において用いることができるメタロセン化合物を調製するための多数の方法が報告されている。例えば、米国特許第4939217号、同5191132号、同5210352号、同5347026号、同5399636号、同5401817号、同5420320号、同5436305号、同5451649号、同5496781号、同5498581号、同5541272号、同5554795号、同5563284号、同5565592号、同5571880号、同5594078号、同5631203号、同5631335号、同5654454号、同5668230号、同5705578号、同5705579号、同6187880号及び同6509427号にはこのような方法が記載されている。本発明において用いることができるメタロセン化合物を調製するための他の方法は、以下のような参考文献に報告されている:Koppl,A.、Alt、H.G.、J.Mol.Catal A.2001、165、23;Kajigaeshi,S.、Kadowaki,T.、Nishida,A.、Fujisaki,S.The Chemical Society of japan、1986、59、97;Alt,H.G.、Jung,M、Kehr,G.J.Organomet.Chem.1998、562、153〜181;Alt,H.G.、Jung,M.、J.Organomet.Chem.1998、568、87〜112;Jung,M.、Doctoral Dissertation、University of Bayreuth、Bayreuth、Germany、1997;Piefer,B.、Doctoral Dissertation、University of Bayreuth、Bayreuth、Germany、1995;及びZenk,R.、Doctoral Dissertation、University of Bayreuth、Bayreuth、Germany、1994。以下の専門書にもこのような方法が記載されている:Wailes,P.C.、Coutts,R.S.P.、Weigold,H、「チタン、ジルコニウム、及びハフニウムの有機金属化学(Organometallic Chemistry of Titanium,Zironium,and Hafnium)」、Academic、New York、1974;Cardin,D.J.、Lappert,M.F.、and Raston,C.L.、「有機−ジルコニウム及び−ハフニウム化合物の化学(Chemistry of Organo−Zirconium and−Hafnium compounds)」、Halstead Press、New York、1986。
【0056】
有機アルミニウム化合物
1つの態様において、本発明では、シクロペンタジエニル型リガンドに結合したオレフィン含有部分及び架橋リガンドの架橋原子に結合した少なくとも1種のアリール基を含む強固に架橋した少なくとも1種のansa−メタロセン化合物、少なくとも1種の固体酸化物活性化剤−担体、並びに任意選択的に、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物が提供される。したがって、本明細書に開示されるように、当業者に理解されるように、該接触生成物を含む組成物に触媒活性を付与する必要がない場合、任意選択とした少なくとも1種の有機アルミニウム化合物の指定は、有機アルミニウム化合物が任意選択であり得ることを反映させることを意図する。
【0057】
本発明において用いることができる有機アルミニウム化合物には、限定されないが、式:
Al(X
5)
n(X
6)
3−n
[式中、(X
5)は、1から約20個の炭素原子を有するヒドロカルビルであり;(X
6)は、アルコキシド若しくはアリールオキシド(それらのいずれも1から約20個の炭素原子を有する)、ハロゲン化物、又は水素化物であり;nは、1から3(両端を含む)の数である]を有する化合物が含まれる。1つの態様において、(X
5)は、1から約10個の炭素原子を有するアルキルである。(X
5)部分の例には、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が含まれる。もう1つの態様において、(X
5)部分の例には、限定されないが、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル等が含まれる。もう1つの態様において、(X
6)は、独立に、フッ化物、塩化物、臭化物、メトキシド、エトキシド、又は水素化物から選択され得る。更にもう1つの態様において、(X
6)は塩化物であり得る。
【0058】
式Al(X
5)
n(X
6)
3−nにおいて、nは、1から3(両端を含む)の数であり、通常、nは3である。nの値は、整数であることに制限されず、したがって、この式には、セスキハライド化合物、他の有機アルミニウムクラスター化合物等が含まれる。
【0059】
一般に、本発明において用いることができる有機アルミニウム化合物の例には、限定されないが、トリアルキルアルミニウム化合物、ジアルキルアルミニウムハライド化合物、ジアルキルアルミニウムアルコキシド化合物、ジアルキルアルミニウムヒドリド化合物、及びそれらの組合せが含まれる。本発明において有用な有機アルミニウム化合物の例には、限定されないが、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム(TNBA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリヘキシルアルミニウム、トリイソヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムクロリド、又はそれらの任意の組合せが含まれる。特定のアルキル異性体が指定されない場合、該化合物は、特定の指定されたアルキル基から生じ得るすべての異性体を包含することが意図される。したがって、もう1つの態様において、本発明において用いられ得る有機アルミニウム化合物の例には、限定されないが、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリイソヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムクロリド、又はそれらの任意の組合せが含まれる。
【0060】
1つの態様において、本発明は、ansa−メタロセンを少なくとも1種の有機アルミニウム化合物及びオレフィンモノマーと前接触させて、前接触混合物を形成し、その後、この前接触混合物を固体酸化物活性化剤−担体と接触させて、活性触媒を形成する工程を含む。必ずしもではないが、通常、触媒組成物がこの方法で調製される場合、有機アルミニウム化合物の一部は、前接触混合物に添加され、該有機アルミニウム化合物の別の部分は、前接触混合物を固体酸化物活性化剤と接触させる場合に、調製される後接触混合物に添加される。しかし、すべての有機アルミニウム化合物は、前接触又は後接触工程のいずれかで触媒を調製するために用いることができる。他に、すべての触媒成分は、単一の工程で接触させることができる。
【0061】
更に、前接触又は後接触の工程のいずれかにおいて、或いは触媒成分を接触させる任意の手順において、1種を超える有機アルミニウム化合物を用いることができる。有機アルミニウム化合物を多段工程で添加する場合、本明細書において開示される有機アルミニウム化合物の量には、前接触及び後接触混合物の両方に用いられる有機アルミニウム化合物、及び重合反応器に添加される任意の追加的な有機アルミニウム化合物の総量が含まれる。したがって、単一の有機アルミニウム化合物が用いられるか、又は1を超える有機アルミニウム化合物が用いられるかに関わらず、有機アルミニウム化合物の総量が開示される。もう1つの態様において、本発明において用いられる通常の有機アルミニウム化合物には、限定されないが、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、又はそれらの任意の組合せが含まれる。
【0062】
活性化剤
1つの態様において、本発明は、本明細書で開示されるような強固に架橋した少なくとも1種のansa−メタロセン化合物;任意選択的に、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物;及び少なくとも1種の活性化剤を含む触媒組成物を包含する。もう1つの態様において、少なくとも1種の活性化剤は、電子求引性アニオンで処理された固体酸化物を含む活性化剤−担体;層状鉱物;イオン交換可能活性化剤−担体;有機アルミノキサン化合物;有機ホウ素化合物;有機ホウ酸塩化合物;又は任意のこれらの活性化剤の任意の組合せであることができ、それらのそれぞれは、本明細書において提供される。
【0063】
化学的に処理された固体酸化物活性化剤−担体
1つの態様において、本発明は、化学的に処理された固体酸化物を含むことができ、通常、有機アルミニウム化合物と組み合わせて用いられる酸性活性化剤−担体を含む触媒組成物を包含する。もう1つの態様において、活性化剤−担体には、少なくとも1種の電子求引性アニオンで処理された少なくとも1種の固体酸化物を含み;ここで、固体酸化物は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミノリン酸塩、リン酸アルミニウム、アルミン酸亜鉛、ヘテロポリタングステン酸塩、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ボリア、酸化亜鉛、それらの混合酸化物等、又はそれらの任意の混合物若しくは組合せであることができ;ここで、電子求引性アニオンは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホスフェート、トリフレート、ビサルフェート、サルフェート、フルオロボレート、フルオロサルフェート、トリフルオロアセテート、ホスフェート、フルオロホスフェート、フルオロジルコネート、フルオロシリケート、フルオロチタネート、ペルマンガネート、置換若しくは非置換のアルカンスルホネート、置換若しくは非置換のアレーンスルホネート、置換若しくは非置換のアルキルスルフェート、又はそれらの任意の組合せであることができる。
【0064】
活性化剤−担体には、少なくとも1種の固体酸化物化合物及び少なくとも1種の電子求引性アニオン源の接触生成物が含まれる。1つの態様において、固体酸化物化合物は、無機酸化物を含む。固体酸化物は、任意選択的にか焼して、その後、電子求引性アニオン源と接触させることができる。接触生成物は、固体酸化物化合物が電子求引性アニオン源と接触させる間又は後のいずれかにか焼することもできる。この態様において、固体酸化物化合物は、か焼することができるか、又はか焼しないことができる。もう1つの態様において、活性化剤−担体は、少なくとも1種のか焼固体酸化物化合物と少なくとも1種の電子求引性アニオン源との接触生成物を含み得る。
【0065】
活性化剤−担体は、対応する未処理固体酸化物化合物に比べて強化された活性を示す。活性化剤−担体はまた、対応する未処理固体酸化物に比べて触媒活性化剤として機能する。理論によって拘束されることを意図しないが、活性化剤−担体は、メタロセンにおけるアニオン性リガンド及び金属間の金属−リガンド結合を弱めることによって、更なるイオン化、極性化、結合弱化の機能(まとめて「活性化」機能と称される)を有する固体酸化物支持化合物として機能し得ると考えられる。したがって、活性化剤−担体は、活性化剤−担体に接触する場合、メタロセンをイオン化する、アニオン性リガンドを取り去ってイオン対を形成する、メタロセンにおける金属−リガンド結合を弱める、アニオン性リガンドに単に配位するかどうか、又はイオン化、極性化、若しくは結合弱化が生じ得る任意の他の機構に関わらず、活性化剤−担体は、「活性化」機能を示すと考えられる。本発明のメタロセンベースの触媒組成物を調製するにおいて、メタロセン化合物がまだこのようなリガンドを含んでいない場合、活性化剤−担体は通常、メタロセンにアルキル又はヒドリドリガンド等の活性化可能なリガンドを与える成分(限定されないが、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物を含む)と一緒に用いられる。
【0066】
更にもう1つの態様において、本発明の活性化剤−担体は、電子求引性成分で化学的に処理され、場合によって、少なくとも1種の他の金属イオンで処理される、固体無機酸化物物質、混合酸化物物質、又は無機酸化物物質の組合せを含む。したがって、本発明の固体酸化物は、アルミナなどの酸化物物質、シリカ−アルミナ又はシリカ−ジルコニア又はシリカ−チタニア等の「混合酸化物」化合物、並びにそれらの組合せ及び混合物を包含する。固体酸化物化合物を形成するために酸素と組み合わされた1種を超える金属を有する、シリカ−アルミナ等の混合金属酸化物化合物は、共ゲル化、含浸又は化学的析出によって作製され得、且つ本発明によって包含される。
【0067】
本発明の更にもう1つの態様において、活性化剤−担体は、金属又は金属イオン、例えば、亜鉛、ニッケル、バナジウム、銀、銅、ガリウム、スズ、タングステン、モリブデン、又はそれらの任意の組合せを更に含む。金属又は金属イオンを更に含む活性化剤−担体の例には、限定されないが、亜鉛−含浸塩化アルミナ、亜鉛−含浸フッ化アルミナ、亜鉛−含浸塩化シリカ−アルミナ、亜鉛−含浸フッ化シリカ−アルミナ、亜鉛−含浸硫酸化アルミナ、又はそれらの任意の組合せが含まれる。
【0068】
もう1つの態様において、本発明の該活性化剤−担体は、ルイス酸又はブレンステッド酸の挙動を示す、比較的高い気孔率の固体酸化物を含む。固体酸化物は、電子求引性成分、通常、電子求引性アニオンで化学的に処理されて、活性化剤−担体を形成する。以下の記述によって拘束されることは意図しないが、電子求引性成分を用いた無機酸化物の処理は、該酸化物の酸性を増加させ、又は高めることと思われる。したがって、活性化剤−担体は、通常、未処理固体酸化物のルイス又はブレンステッドの酸性より大きいルイス又はブレンステッドの酸性を示す。化学的に処理された、及び未処理の固体酸化物物質の酸性を定量化する1つの方法は、酸性触媒反応下で処理及び未処理の酸化物の重合活性を比較することによる。
【0069】
1つの態様において、化学的に処理された固体酸化物は、酸素及び周期律表のグループ2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、若しくは15から選択される少なくとも1種の元素を含むか、又は、酸素及びランタニド若しくはアクチニド元素から選択される少なくとも1種の元素を含む固体無機酸化物を含む。(以下を参照:Hawley’s Condensed Chemical Dictionary、第11版、John Wiley & Sons、1995;Cotton,F.A.、Wilkinson,G.、Murillo,C.A.、and Bochmann,M、Advanced Inorganic Chemistry、第6版、Wiley−Interscience、1999)。通常、該無機酸化物は、酸素、及びAl、B、Be、Bi、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、La、Mn、Mo、Ni、Sb、Si、Sn、Sr、Th、Ti、V、W、P、Y、Zn又はZrから選択される少なくとも1種の元素を含む。
【0070】
本発明の化学的に処理された固体酸化物において用いられ得る固体酸化物の物質又は化合物の好適な例には、限定されないが、Al
2O
3、B
2O
3、BeO、Bi
2O
3、CdO、Co
3O
4、Cr
2O
3、CuO、Fe
2O
3、Ga
2O
3、La
2O
3、Mn
2O
3、MoO
3、NiO、P
2O
5、Sb
2O
5、SiO
2、SnO
2、SrO、ThO
2、TiO
2、V
2O
5、WO
3、Y
2O
3、ZnO、ZrO
2等(それらの混合酸化物を含む)及びそれらの組合せが含まれる。本発明の活性化剤−担体において用いられ得る混合酸化物の例には、限定されないが、Al、B、Be、Bi、Cd、Co、Cr、Cu、Fe、Ga、La、Mn、Mo、Ni、P、Sb、Si、Sn、Sr、Th、Ti、V、W、Y、Zn、Zr等の任意の組合せの混合酸化物が含まれる。本発明の活性化剤−担体において用いられ得る混合酸化物の例にはまた、限定されないが、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニア、ゼオライト、多くの粘土鉱物、柱状粘土、アルミナ−チタニア、アルミナ−ジルコニア、アルミノリン酸塩等が含まれる。
【0071】
本発明の更なる態様において、固体酸化物は、少なくとも1種の電子求引性成分、通常、電子求引性アニオン源と接触させることによって化学的に処理される。更に、固体酸化物物質は、固体酸化物物質を構成する任意の金属元素と同じであり得るか、又は異なることができる少なくとも1種の他の金属イオンで場合によって化学的に処理され、次いで、か焼されて、金属含有又は金属含浸の化学的に処理された固体酸化物を形成する。他に、固体酸化物物質及び電子求引性アニオン源は、同時に接触及びか焼される。該酸化物が、電子求引性成分、通常、電子求引性アニオンの塩又は酸と接触させられる方法には、限定されないが、ゲル化、共ゲル化、1つの化合物の別の化合物への含浸等が含まれる。通常、任意の接触方法に続けて、酸化物化合物、電子求引性アニオン、及び場合によって金属イオンの接触混合物はか焼される。
【0072】
該酸化物を処理するために用いられる電子求引性成分は、処理した後に、固体酸化物のルイス又はブレンステッドの酸性を増加させる任意の成分であることができる。1つの態様において、電子求引性成分は通常、そのアニオンの源又は前駆体として機能し得る塩、酸、又は揮発性有機化合物などの他の化合物由来の電子求引性アニオンである。電子求引性アニオンの例には、限定されないが、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホスフェート、トリフレート、ビサルフェート、サルフェート、フルオロボレート、フルオロサルフェート、トリフルオロアセテート、ホスフェート、フルオロホスフェート、フルオロジルコネート、フルオロシリケート、フルオロチタネート、ペルマンガネート、置換又は非置換のアルカンスルホネート、置換又は非置換のアレーンスルホネート、置換又は非置換のアルキルスルフェート等(それらの任意の混合物及び組合せを含む)が含まれる。更に、これらの電子求引性アニオンのための源として機能する他のイオン性又は非イオン性化合物も、本発明において用いることができる。1つの態様において、化学的に処理された固体酸化物は、硫酸化固体酸化物を含み、もう1つの態様において、化学的に処理された酸化物は、硫酸化アルミナを含む。
【0073】
用語「アルカンスルホネート及びアルキルスルフェート」は、それぞれ、一般式[R
BSO
2O]
−及び[(R
BO)SO
2O]
−(ここで、R
Bは、F、Cl、Br、I、OH、OMe、OEt、OCF
3、Ph、キシリル、メシチル、又はOPhから独立に選択される少なくとも1個の基で場合によって置換される、20個までの炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキル基である)を有するアニオンをいう。したがって、アルカンスルホネート及びアルキルスルフェートは、置換又は非置換のいずれかであるとしていい得る。1つの態様において、アルキルスルホネート又はアルキルスルフェートのアルキル基は、12個までの炭素原子を有することができる。もう1つの態様において、アルキルスルホネート又はアルキルスルフェートのアルキル基は、8個までの炭素原子又は6個までの炭素原子を有することができる。更にもう1つの態様において、アルカンスルホネートの例には、限定されないが、メタンスルホネート、エタンスルホネート、1−プロパンスルホネート、2−プロパンスルホネート、3−メチルブタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、トリクロロメタンスルホネート、クロロメタンスルホネート、1−ヒドロキシエタンスルホネート、2−ヒドロキシ−2−プロパンスルホネート、1−メトキシ−2−プロパンスルホネート等が含まれる。更にもう1つの態様において、アルキルスルフェートの例には、限定されないが、メチルスルフェート、エチルスルフェート、1−プロピルスルフェート、2−プロピルスルフェート、3−メチルブチルスルフェート、トリフルオロメタンスルフェート、トリクロロメチルスルフェート、クロロメチルスルフェート、1−ヒドロキシエチルスルフェート、2−ヒドロキシ−2−プロピルスルフェート、1−メトキシ−2−プロピルスルフェート等が含まれる。
【0074】
用語「アレーンスルホネート」は、一般式[Ar
ASO
2O]
−[ここで、Ar
Aは、14個までの炭素原子を有するアリール基であり、これは、F、Cl、Br、I、Me、Et、Pr、Bu、OH、OMe、OEt、OPr、OBu、OCF
3、Ph、OPh、又はR
C(ここで、R
Cは、20個までの炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキル基である)から独立に選択される少なくとも1つの基で場合によって置換されている]を有するアニオンをいう。したがって、アレーンスルホネートは、置換又は非置換のアレーンスルホネートといい得る。アリール基Ar
Aは、長いアルキル側鎖を含むアルキル側鎖R
Cで置換され得るので、用語「アレーンスルホネート」は、該界面活性剤を含むことが意図される。1つの態様において、アレーンスルホネートのアリール基は、10個までの炭素原子を有することができる。もう1つの態様において、アレーンスルホネートのアリール基は、6個の炭素原子を有することができる。更にもう1つの態様において、アレーンスルホネートの例には、限定されないが、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、p−トルエンスルホネート、m−トルエンスルホネート、3,5−キシレンスルホネート、トリフルオロメトキシベンゼンスルホネート、トリクロロメトキシベンゼンスルホネート、トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリクロロメチルベンゼンスルホネート、フルオロベンゼンスルホネート、クロロベンゼンスルホネート、1−ヒドロキシエタンベンゼンスルホネート、3−フルオロ−4−メトキシベンゼンスルホネート等が含まれる。
【0075】
電子求引性成分に電子求引性アニオンの塩を含む場合、その塩の対イオン即ちカチオンは、か焼中に該塩を該酸に戻す又は分解して戻すことを可能にする任意のカチオンであることができる。電子求引性アニオンのための源として機能するための特定の塩の適切性を決定づける要因には、限定されないが、所望の溶媒中の該塩の溶解度、該カチオンの逆反応性の欠如、該カチオン及びアニオン間のイオン対効果、該カチオンによって該塩に付与される吸湿性特性等、並びに該アニオンの熱安定性が含まれる。電子求引性アニオンの塩における好適なカチオンの例には、限定されないが、アンモニウム、トリアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウム、H
+、[H(OEt
2)
2]
+等が含まれる。
【0076】
更に、変化する割合における1種又は複数の異なる電子求引性アニオンの組合せを、活性化剤−担体の特定の酸性を所望のレベルに調整するために用いることができる。電子求引性成分の組合せは、酸化物物質と同時に又は別個に接触させることでき、所望の活性化剤−担体の酸性を与える任意の順序であることができる。例えば、本発明の1つの態様は、2つ以上の別個の接触工程において2種以上の電子求引性アニオン源化合物を用いることである。したがって、活性化剤−担体が調製される方法の一例は、以下の通りである。選択された固体酸化物化合物、又は酸化物化合物の組合せを、第1の電子求引性アニオン源化合物と接触させて第1の混合物を形成し、次いで、この第1の混合物をか焼し、次いで、か焼された第1の混合物は、第2の電子求引性アニオン源化合物と接触させて第2の混合物を形成し、その後第2の混合物をか焼して処理された固体酸化物化合物を形成する。このような方法において、第1及び第2の電子求引性アニオン源化合物は通常、異なる化合物であるが、同じ化合物であることもできる。
【0077】
本発明の1つの態様において、固体酸化物活性化剤−担体は、
1)固体酸化物化合物を少なくとも1種の電子求引性アニオン源化合物を接触させて第1の混合物を形成する工程;及び
2)第1の混合物をか焼して固体酸化物活性化剤−担体を形成する工程
を含む方法によって製造される。
【0078】
本発明のもう1つの態様において、固体酸化物活性化剤−担体は、
1)少なくとも1種の固体酸化物化合物を第1の電子求引性アニオン源化合物と接触させて第1の混合物を形成する工程;及び
2)第1の混合物をか焼して、か焼された第1の混合物を生成する工程;
3)か焼された第1の混合物を第2の電子求引性アニオン源化合物と接触させて第2の混合物を形成する工程;及び
4)第2の混合物をか焼して、固体酸化物活性化剤−担体を形成する工程
を含む方法によって製造される。したがって、固体酸化物活性化剤−担体は、処理された固体酸化物化合物と単にいうこともある。
【0079】
本発明のもう1つの態様は、少なくとも1種の固体酸化物を少なくとも1種の電子求引性アニオン源化合物と接触させることにより固体酸化物活性化剤−担体を生成又は形成することであり、ここで、少なくとも1種の固体酸化物化合物は、電子求引性アニオン源と接触させる前、間、又は後でか焼され、ここで、アルミノキサン及び有機ホウ酸塩は実質的に非存在である。
【0080】
本発明の1つの態様において、固体酸化物を処理及び乾燥すると直ちに、続けてか焼することができる。処理された固体酸化物のか焼は一般に、周囲又は不活性雰囲気、通常は乾燥周囲雰囲気で、約200℃から約900℃の温度で約1分から約100時間行われる。もう1つの態様において、か焼は、約300℃から約800℃の温度で行われ、もう1つの態様において、か焼は、約400℃から約700℃の温度で行われる。更にもう1つの態様において、か焼は、約1時間から約50時間行われ、もう1つの態様において、か焼は、約3時間から約20時間行われる。更にもう1つの態様において、か焼は、約350℃から約550℃の温度で約1時間から約10時間行うことができる。
【0081】
更に、好適な周囲の任意の種類をか焼の間に用いることができる。一般に、か焼は、酸化雰囲気、例えば空気中で行われる。他に、不活性雰囲気、例えば窒素若しくはアルゴン、又は還元雰囲気、例えば水素若しくは一酸化炭素を用いることができる。
【0082】
本発明のもう1つの態様において、化学的に処理された固体酸化物を調製するために用いられる固体酸化物成分は、約0.1cc/gを超える気孔容積を有する。もう1つの態様において、固体酸化物成分は、約0.5cc/gを超える気孔容積を有し、更にもう1つの態様において、約1.0cc/gを超える。更にもう1つの態様において、該固体酸化物成分は、約100から約1000m
2/gの表面積を有する。もう1つの態様において、固体酸化物成分は、約200から約800m
2/gの表面積を有し、更にもう1つの態様において、約250から約600m
2/gである。
【0083】
固体酸化物物質は、ハロゲンイオン又は硫酸イオンの源、又はアニオンの組合せで処理することができ、且つ少なくとも1種の金属イオンで場合によって処理することができ、次いで、か焼して粒子状固体の形態で活性化剤−担体を与えることができる。1つの態様において、固体酸化物物質は、硫酸化剤と称される硫酸塩の源、塩化剤と称される塩化物イオンの源、フッ化剤と称されるフッ化物イオンの源、又はそれらの組合せで処理し、か焼して、固体酸化物化合物活性化剤を与える。もう1つの態様において、有用な酸性活性化剤−担体には、限定されないが、臭化物化アルミナ;塩化アルミナ;フッ化アルミナ;硫酸化アルミナ;臭化物化シリカ−アルミナ;塩化シリカ−アルミナ;フッ化シリカ−アルミナ;硫酸化シリカ−アルミナ;臭化物化シリカ−ジルコニア;塩化シリカ−ジルコニア;フッ化シリカ−ジルコニア;硫酸化シリカ−ジルコニア;塩化亜鉛−アルミナ;トリフレート処理シリカ−アルミナ、柱状モンモリロナイトなどの柱状粘土(フッ化物、塩化物、又は硫酸塩で場合によって処理される);リン酸化アルミナ、又は他のアルミノリン酸塩(硫酸塩、フッ化物、又は塩化物で場合によって処理される);又はそれらの任意の組合せが含まれる。更に、任意の活性化剤−担体は、少なくとも1種の他の金属イオン(通常金属塩又は化合物由来)で場合によって処理することができ、ここで、金属イオンは、固体酸化物物質を構成する任意の金属と同じであるか、又は異なることができる。
【0084】
本発明の1つの態様において、処理された酸化物活性化剤−担体は、粒子状固体の形態でのフッ化固体酸化物を含み、したがって、フッ化物イオンの源は、フッ化剤を用いる処理によって該酸化物に添加される。更にもう1つの態様において、好適な溶媒、例えばアルコール又は水(限定されないが、それらの揮発性及び低表面張力のために1から3個の炭素アルコールを含む)中で該酸化物のスラリーを形成することによってフッ化物イオンを該酸化物に添加することができる。本発明において用いることができるフッ化剤の例には、限定されないが、フッ化水素酸(HF)、フッ化アンモニウム(NH
4F)、重フッ化アンモニウム(NH
4HF
2)、テトラフルオロホウ酸アンモニウム(NH
4BF
4)、シリコフッ化アンモニウム(ヘキサフルオロシリケート)((NH
4)
2SiF
6)、ヘキサフルオロリン酸アンモニウム(NH
4PF
6)、テトラフルオロホウ酸(HBF
4)、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム(NH
4)
2TiF
6、ヘキサフルオロジルコン酸アンモニウム(NH
4)
2ZrF
6、それらの類似体、及びそれらの組合せが含まれる。例えば、重フッ化アンモニウムNH
4HF
2は、その使用例及び容易利用性のためにフッ化剤として用いることができる。
【0085】
本発明のもう1つの態様において、固体酸化物は、か焼工程の間にフッ化剤で処理することができる。か焼工程の間に固体酸化物に完全に接触させることができる任意のフッ化剤を使用することができる。例えば、前に記載されたそれらのフッ化剤に加えて、揮発性有機フッ化剤を用いることができる。本発明のこの態様に有用な揮発性有機フッ化剤の例には、限定されないが、フレオン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロベンゼン、フルオロメタン、トリフルオロエタノール、及びそれらの組合せが含まれる。気体フッ化水素又はフッ素それ自体も固体酸化物と共に用いることができ、固体酸化物はか焼の間にフッ化される。固体酸化物をフッ化剤と接触させる1つの都合のよい方法は、か焼の間に該固体酸化物を流動化するために用いられる気流中にフッ化剤を揮発させることである。
【0086】
同様に、本発明のもう1つの態様において、化学的に処理された固体酸化物には、粒状固体の形態での塩化固体酸化物が含まれ、したがって、塩化物イオンの源は、塩化剤での処理によって該酸化物に添加される。塩化物イオンは、好適な溶媒中で該酸化物のスラリーを形成することによって該酸化物に添加することができる。本発明のもう1つの態様において、固体酸化物は、か焼工程の間に塩化剤で処理することができる。塩化物の源として機能し、か焼工程の間に該酸化物に完全に接触することができる任意の塩化剤を用いることができる。例えば、揮発性有機塩化剤を用いることができる。本発明のこの態様に有用な揮発性有機塩化剤の例には、限定されないが、特定のフレオン、ペルクロロベンゼン、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエタノール、又はそれらの任意の組合せが含まれる。気体塩化水素又は塩素それ自体もか焼の間に固体酸化物と共に用いることができる。該酸化物を塩化剤と接触させる1つの都合のよい方法は、か焼の間に固体酸化物を流動化するために用いられる気流中に塩化剤を揮発させることである。
【0087】
活性化剤−担体が、電子求引性アニオンで処理された固体酸化物を含む化学的に処理された固体酸化物を含む場合、電子求引性アニオンは通常、固体酸化物の約1重量%を超える量で固体酸化物に添加することができる。もう1つの態様において、電子求引性アニオンは、固体酸化物の約2重量%を超える、固体酸化物の約3重量%を超える、固体酸化物の約5重量%を超える、又は固体酸化物の約7重量%を超える量で固体酸化物に添加することができる。
【0088】
1つの態様において、固体酸化物をか焼する前に存在する電子求引性イオン、例えば、フッ化物又は塩化物イオンの量は一般に、約2重量%から約50重量%であり、ここで、重量パーセントは、か焼前の固体酸化物、例えば、シリカ−アルミナの重量を基準とする。もう1つの態様において、固体酸化物をか焼する前に存在する電子求引性イオン、例えば、フッ化物又は塩化物イオンの量は、約3から約25重量%であり、もう1つの態様において、約4から約20重量%である。電子求引性アニオンとしてハロゲン化物イオンを用いる場合、か焼後に析出させるのに十分な量、固体酸化物の重量に対して約0.1重量%から約50重量%のハロゲン化物イオンで用いられる。もう1つの態様において、ハロゲン化物は、か焼後に析出させるのに十分な量、固体酸化物の重量に対して約0.5重量%から約40重量%のハロゲン化物イオン、又は約1重量%から約30重量%のハロゲン化物イオンの量で用いられる。フッ化物又は塩化物イオンを、か焼の間に添加する場合、例えば、CCl
4の存在下でか焼する場合に、か焼前の固体酸化物中のフッ化物又は塩化物イオンは、通常ゼロレベルか、ほんの痕跡レベルである。ハロゲン化物で含浸されると直ちに、ハロゲン化物化酸化物は当該技術分野で知られた任意の方法(限定されないが、吸引濾過後の蒸発、真空下乾燥、スプレー乾燥等を含む)によって乾燥させることができるが、含浸された固体酸化物を乾燥させることなく直ちにか焼工程を開始することもできる。
【0089】
処理されたシリカ−アルミナを調製するのに用いられるシリカ−アルミナは、約0.5cc/gを超える気孔容積を有し得る。1つの態様において、気孔容積は、約0.8cc/gを超えることができ、もう1つの態様において、気孔容積は、約1.0cc/gを超えることができる。更に、シリカ−アルミナは、約100m
2/gを超える表面積を有することができる。1つの態様において、該表面積は約250m
2/gを超え、もう1つの態様において、該表面積は、約350m
2/gを超えることができる。一般に、本発明のシリカ−アルミナは、約5から約95%のアルミナ含有量を有する。1つの態様において、シリカ−アルミナのアルミナ含有量は、約5から約50%であることができ、もう1つの態様において、シリカ−アルミナのアルミナ含有量は、重量で約8%から約30%のアルミナであることができる。
【0090】
硫酸化固体酸化物は、粒子状の固体の形態で硫酸塩及び固体酸化物成分(例えば、アルミナ又はシリカ−アルミナ)を含む。場合によって、硫酸化酸化物は、か焼された硫酸化酸化物が金属を含むように金属イオンで更に処理される。1つの態様において、硫酸化固体酸化物は、硫酸塩及びアルミナを含む。本発明の1つの態様において、硫酸化アルミナは、アルミナが、硫酸塩源(例えば、限定されないが、硫酸又は硫酸塩、例えば、硫酸アンモニウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸ニッケル又は硫酸銅を含む)で処理される方法によって形成される。1つの態様において、この方法は、所望の濃度の硫酸化剤が添加された、アルコール又は水等の好適な溶媒中のアルミナのスラリーを形成することによって行われ得る。好適な有機溶媒には、限定されないが、それらの揮発性及び低表面張力のために1個から3個の炭素アルコールが含まれる。
【0091】
この態様において、か焼前に存在する硫酸イオンの量は一般に、約1重量%から約50重量%、約2重量%から約30重量%、又は約5重量%から約25重量%であり、ここで、該重量パーセントは、か焼前の固体酸化物の重量を基準とする。硫酸塩で含浸されると直ちに、硫酸化酸化物は、限定されないが、吸引濾過に続けての蒸発、真空下乾燥、スプレー乾燥、などを含む当該技術分野で知られた任意の方法によって乾燥することができるが、直ちに、か焼工程を開始することも可能である。
【0092】
ハロゲン化物イオン又は硫酸塩イオンなどの電子求引性成分で処理されることに加えて、本発明の固体無機酸化物は、金属塩又は金属含有化合物を含む金属源で場合によって処理することができる。本発明の1つの態様において、これらの化合物は、溶液形態の固体酸化物に添加又は含浸し、その後、か焼後に支持された金属に変換することができる。したがって、固体無機酸化物は、亜鉛、ニッケル、バナジウム、銀、銅、ガリウム、スズ、タングステン、モリブデン、又はそれらの組合せから選択される金属を更に含むことができる。例えば、良好な触媒活性及び低コストを与えるので、亜鉛を固体酸化物に含浸させるために用いることができる。固体酸化物は、固体酸化物を電子求引性アニオンで処理する前、後、又は同時に、金属塩又は金属含有化合物で処理することができる。
【0093】
更に、金属で固体酸化物物質を含浸させる任意の方法を用いることができる。該酸化物を金属源、通常は塩又は金属含有化合物と接触させる方法には、限定されないが、ゲル化、共ゲル化、1つの化合物から別の化合物への含浸等が含まれる。任意の接触方法に続けて、酸化物化合物、電子求引性アニオン、及び金属イオンの接触混合物は通常、か焼される。他に、固体酸化物物質、電子求引性アニオン源、及び、金属塩又は金属含有化合物を、同時に接触させ、且つか焼する。
【0094】
もう1つの態様において、ansa−メタロセン化合物は、第1の期間にオレフィンモノマー及び有機アルミニウム共触媒と接触させ、その後この混合物を酸性活性化剤−担体と接触させることができる。メタロセン、モノマー、及びメタロセンに活性化可能なリガンドを与える成分(限定されないが、有機アルミニウム共触媒を含む)の前接触混合物を酸性活性化剤−担体と接触させると直ちに、酸性活性化剤−担体を更に含む該組成物は、「後接触」混合物と称される。後接触混合物は、第2の期間の更なる接触においてそのままとすることができ、その後、重合処理が行われる反応器中に充填される。
【0095】
本発明に用いることができる固体酸化物活性化剤−担体を調製するための様々な方法が報告されている。例えば、米国特許第6107230号、同6165929号、同6294494号、同6300271号、同6316553号、同6355594号、同6376415号、同6391816号、同6395666号、同6524987号、及び6548441号には、このような方法が記載され、それらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
イオン交換可能活性化剤−担体及び層状鉱物活性化剤−担体
本発明の1つの態様において、本発明の触媒組成物を調製するのに用いられる活性化剤−担体は、イオン交換可能活性化剤−担体を含むことができ、これには、限定されないが、層状又は非層状構造のいずれかを有するシリケート及びアルミノシリケートの化合物又は鉱物、並びにそれらの任意の組合せが含まれる。本発明のもう1つの態様において、柱状粘土などのイオン交換層状アルミノシリケートを活性化剤−担体として用いることができる。酸性活性化剤−担体がイオン交換可能活性化剤−担体を含む場合、本明細書に開示されるそれらのものなどの少なくとも1種の電子求引性アニオンで場合によって処理することができるが、通常、イオン交換可能活性化剤−担体は、電子求引性アニオンで処理されない。
【0097】
1つの態様において、本発明の活性化剤−担体は、交換可能なカチオン及び膨張可能な層を有する粘土鉱物を含み得る。典型的な粘土鉱物活性化剤−担体には、限定されないが、柱状粘土などのイオン交換層状アルミノシリケートが含まれる。用語「担体」が用いられるが、触媒組成物の不活性成分と解釈されることを意味せず、むしろ該触媒組成物の活性部分と考えられるべきであり、その理由は、ansa−メタロセン及びメタロセンに活性化可能なリガンドを与える成分、例えば、有機アルミニウムとのその密接な関連のためである。理論によって拘束されることを意図しないが、イオン交換可能活性化剤−担体は、ポリマーを製造するために用いられる触媒組成物を形成するためにansa−メタロセン及び有機アルミニウム成分と反応する不溶性反応剤として機能すると考えられる。
【0098】
1つの態様において、本発明の粘土物質は、自然状態にあるか又は湿化、イオン交換、若しくは柱状化によって様々なイオンで処理された物質を包含する。通常、本発明の粘土物質活性化剤−担体は、多核の高度に荷電した金属錯体カチオンを含む大きなカチオンとイオン交換された粘土を含む。しかし、本発明の粘土物質活性化剤−担体はまた、限定されないが、ハロゲン化物、酢酸塩、硫酸塩、硝酸塩、又は亜硝酸塩等のリガンドと一緒のAl(III)、Fe(II)、Fe(III)及びZn(II)の塩を含む単純な塩とイオン交換された粘土を包含する。
【0099】
1つの態様において、本発明の粘土活性化剤−担体は、柱状粘土を含む。用語「柱状粘土」は、大きな、典型的には多核の高度に荷電した金属錯体カチオンとイオン交換された粘土物質をいうのに用いられる。このようなイオンの例には、限定されないが、7+などの電荷、様々なポリオキソメタレート、及び他の大きなイオンを有し得るケギンイオンが含まれる。したがって、用語「柱状化する」は、粘土物質のイオン交換可能なカチオンが、大きな、高度に荷電したイオン、例えば、ケギンイオンで置換される単純な交換反応をいう。次いで、これらのポリマー性カチオンは、粘土の層間内に固定化され、か焼されると、金属酸化物「柱状物(pillars)」に変換され、カラム様構造として粘土層を事実上支持する。したがって、粘土を乾燥及びか焼して粘土層間に支持「柱状物」を生ずると直ちに、膨張格子構造は維持され、気孔率は高められる。その結果得られる気孔は、柱状化する物質及び用いられる親粘土物質に応じて形状及び寸法が変化し得る。柱状化する及び柱状化された粘土の例は、T.J.Pinnavaia、Science 220(4595)、365〜371(1983);J.M.Thomas、Intercalation Chemistry、(S.Whittington and A.Jacobson編)、第3章、55〜99頁、Academic Press,Inc.(1972);米国特許第4452910号、米国特許第5376611号;及び米国特許第4060480号に見られ、それらのそれぞれは、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0100】
柱状化する処理は、交換可能なカチオン及び膨張可能な層を有する粘土鉱物を用いる。本発明の触媒組成物におけるオレフィンの重合を高め得る任意の柱状粘土を用いることができる。したがって、柱状化するための好適な粘土鉱物には、限定されないが、アロファン;スメクタイト、ジオクタヘドラル(Al)及びトリ−オクタヘドラル(Mg)の両方及びその誘導体、例えば、モンモリロナイト(ベントナイト)、ノントロナイト、ヘクトライト、又はラポナイト;ハロイサイト;バーミキュライト;マイカ;フルオロマイカ;クロライト;混合層粘土;繊維状粘土(限定されないが、セピオライト、アタプルガイト、及びパリゴルスカイトを含む);サーペンタイン粘土;イライト;ラポナイト;サポナイト;又はそれらの任意の組合せが含まれる。1つの態様において、柱状粘土活性化剤−担体は、ベントナイト又はモンモリロナイトを含み、ベントナイトの主要な成分がモンモリロナイトであることに留意する。
【0101】
柱状粘土は、本発明において前処理することができる。例えば、1つの実施形態において、柱状ベントナイトは、重合反応器に加える前に、不活性雰囲気、通常、乾燥窒素下で約300℃で、約3時間乾燥することによって前処理する。前処理のこの例は、限定的なものではなく、その理由は、このような前加熱工程は、多くの他の温度及び時間(温度及び時間工程の組合せを含み、それらのすべては、本発明によって包含される)で行い得るからである。
【0102】
本発明の触媒組成物を調製するために用いられる柱状粘土などのイオン交換可能活性化剤−担体は、限定されないが、ゼオライト、無機酸化物、リン酸化無機酸化物等を含む他の無機担体物質と組み合わせることができる。1つの態様において、この関連で用いられ得る典型的な担体物質には、限定されないが、シリカ、シリカ−アルミナ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ボリア、フッ化アルミナ、シリル化アルミナ、トリア、アルミノリン酸塩、リン酸アルミニウム、アルミン酸亜鉛、リン酸化シリカ、リン酸化アルミナ、シリカ−チタニア、共沈シリカ/チタニア、フ化物化/シリル化アルミナ、及びそれらの任意の組合せ又は混合物が含まれる。
【0103】
本発明の触媒組成物を調製するために用いられるイオン交換可能活性化剤−担体に関連するansa−メタロセン化合物の量は、通常、活性化剤−単体成分の重量を基準として(最終メタロセン−粘土混合物を基準としないで)約0.1重量%から約15重量%のansa−メタロセン複合体である。約1重量%から約10重量%のansa−メタロセンは、所望の活性で作用する触媒を与えるのに十分役立つことも見出された。
【0104】
ansa−メタロセン及び粘土活性化剤−担体の混合物は、任意の時間長さで接触及び混合して、ansa−メタロセン及び活性化剤−担体間の完全な接触を可能にすることができる。粘土上のメタロセン成分の十分な沈着は、粘土及びメタロセン複合体の混合物を加熱することなく達成することができる。例えば、ansa−メタロセン化合物及び粘土物質を、粘土活性化剤−担体上のansa−メタロセンの沈着を達成するために約室温から約200°Fで単に混合する。もう1つの態様において、ansa−メタロセン化合物及び粘土物質を、粘土活性化剤−担体上のansa−メタロセンの沈着を達成するために約100°Fから約180°Fで混合する。
【0105】
もう1つの態様において、本発明は、層状鉱物を含み得る酸性活性化剤−担体を含む触媒組成物を包含する。用語「層状鉱物」は、粘土鉱物、柱状粘土、イオン交換粘土、剥離粘土、別の酸化物マトリックス中へゲル化した剥離粘土、他の物質と混合又他の物質で希釈された層状鉱物等、又はそれらの任意の組合せなどの物質を記述するために本明細書において用いられる。酸性活性化剤−担体が層状鉱物を含む場合、本明細書に開示されたもの等の少なくとも1種の電子求引性アニオンで場合によって処理することができるが、通常、層状鉱物は、電子求引性アニオンで処理しない。例えば、少なくとも1種の粘土鉱物を、活性化剤−担体として用いることができる。
【0106】
粘土鉱物には一般に、細粒堆積物、堆積岩、などに自然に見られる微細結晶性、シート様層状鉱物の大きな群が含まれ、これは、シート様構造及び極めて高い表面積を有する含水シリケート及びアルミノシリケート鉱物のクラスを構成する。この用語は、フィロシリケート構造を有する含水マブネシウムシリケートを記述するためにも用いられる。本発明に用いられ得る粘土鉱物の例には、限定されないが、アロファン;スメクタイト、ジオクタヘドラル(Al)及びトリ−オクタヘドラル(Mg)の両方及びその誘導体、例えば、モンモリロナイト(ベントナイト)、ノントロナイト、ヘクトライト、又はラポナイト;ハロイサイト;バーミキュライト;マイカ;フルオロマイカ;クロライト;混合層粘土;繊維状粘土(限定されないが、セピオライト、アタプルガイト、及びパリゴルスカイトを含む);サーペンタイン粘土;イライト;ラポナイト;サポナイト;又はそれらの任意の組合せが含まれる。多くの一般の粘土鉱物は、粘土のカオリナイト、モンモリロナイト、又はイライトの群に属する。本明細書において開示されるように、柱状粘土は、本発明の活性化剤−担体として用いることもできる。柱状粘土は、典型的に、セピオライト及びパリゴルスカイトに加えてスメクタイト群及び他のフィロシリケートの粘土鉱物を含み、これは、大きな、典型的には多核の、高度に荷電した金属複合体カチオンとイオン交換されている。
【0107】
本発明の1つの態様において、層状鉱物を活性化剤−担体又はメタロセン活性化剤として用いる場合、層状鉱物は通常、活性化剤としてのそれらの使用の前にか焼される。通常のか焼温度は、約100℃から約700℃、約150℃から約500℃、又は約200℃から約400℃の範囲であり得る。
【0108】
触媒組成物の非限定的な例
本発明の触媒組成物の例には、限定されないが以下が含まれる。1つの態様又は非限定的な例において、触媒組成物は、少なくとも1種のansa−メタロセン、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物、及び少なくとも1種の活性化剤−担体を含み得るか、又は触媒組成物は、それらの接触生成物を含み得、ここで:
a)少なくとも1種のansa−メタロセンは、式
【化10】
[式中、M
1は、ジルコニウム又はハフニウムであり;
Xは、独立に、F、Cl、Br、又はIであり;
Eは、C又はSiであり;
R
1及びR
2は、独立に、アルキル基若しくはアリール基(それらのいずれも10個までの炭素原子を有する)、又は水素であり、ここで、R
1又はR
2の少なくとも1個は、アリール基であり;
R
3A及びR
3Bは、独立に、ヒドロカルビル基若しくはトリヒドロカルビルシリル基(それらのいずれも20個までの炭素原子を有する);又は水素であり;
nは、0から10の整数であり;
R
4A及びR
4Bは、独立に、12個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、又は水素である]
を有する化合物を含み;
b)少なくとも1種の有機アルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリイソヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムクロリド、又はそれらの任意の組合せを含み;
c)少なくとも1種の活性化剤−担体は、電子求引性アニオンで処理された固体酸化物を含み、ここで
固体酸化物は、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、アルミノリン酸塩、リン酸アルミニウム、アルミン酸亜鉛、ヘテロポリタングステン酸塩、チタニア、ジルコニア、マグネシア、ボリア、酸化亜鉛、それらの混合酸化物、又はそれらの任意の組合せであり;
電子求引性アニオンは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホスフェート、トリフレート、ビサルフェート、サルフェート、フルオロボレート、フルオロサルフェート、トリフルオロアセテート、ホスフェート、フルオロホスフェート、フルオロジルコネート、フルオロシリケート、フルオロチタネート、ペルマンガネート、置換若しくは非置換のアルカンスルホネート、置換若しくは非置換のアレーンスルホネート、置換若しくは非置換のアルキルスルフェート、又はそれらの任意の組合せである。
【0109】
この態様においてまた、少なくとも1種のansa−メタロセンは、式:
【化11】
[式中、M
1は、ジルコニウム又はハフニウムであり;
Xは、F、Cl、Br、又はIであり;
Eは、C又はSiであり;
R
1及びR
2は、独立に、アルキル基若しくはアリール基(それらのいずれも10個までの炭素原子を有する)又は水素であり、ここで、R
1又はR
2の少なくとも1個は、アリール基であり;
R
3A及びR
3Bは、独立に、H、メチル、アリル、ベンジル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、又はトリメチルシリルであり;
nは、1から6(両端を含む)の整数であり;
R
4A及びR
4Bは、独立に、6個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、又は水素である]
を有する化合物を含み得るか、又は該化合物から選択され得る。
【0110】
この態様においてまた、少なくとも1種のansa−メタロセンはまた、式:
【化12】
[式中、M
1は、ジルコニウム又はハフニウムであり;
Xは、Cl、Br、又はIであり;
Eは、C又はSiであり;
R
1及びR
2は、独立に、メチル又はフェニルであり、ここで、R
1又はR
2の少なくとも1個は、フェニル基であり;
R
3A及びR
3Bは、独立に、H又はメチルであり;
nは、1又は2であり;
R
4A及びR
4Bは、独立に、H又はt−ブチルである]
を有する化合物を含み得るか、又は該化合物から選択され得る。
【0111】
この態様においてまた、少なくとも1種のansa−メタロセンはまた、
【化13】
又はそれらの任意の組合せを含み得るか、或いは該化合物又はそれらの任意の組合せから選択され得る。
【0112】
もう1つの態様又は非限定的な例において、触媒組成物は、少なくとも1種のansa−メタロセン、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物、及び少なくとも1種の活性化剤−担体を含み得るか、又は触媒組成物は、それらの接触生成物を含み得、ここで、
a)少なくとも1種のansa−メタロセンは、
【化14】
又はそれらの任意の組合せを含み、
b)少なくとも1種の有機アルミニウム化合物は、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、又はそれらの任意の組合せを含み、
c)少なくとも1種の活性化剤−担体は、硫酸化固体酸化物を含む。
【0113】
更にもう1つの態様又は非限定的な例において、触媒組成物は、少なくとも1種のansa−メタロセン、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物、及び少なくとも1種の活性化剤−担体を含み得るか、又は触媒組成物は、それらの接触生成物を含み得、ここで、
a)少なくとも1種のansa−メタロセンは、
【化15】
又はそれらの任意の組合せを含み、
b)少なくとも1種の有機アルミニウム化合物は、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、又はそれらの任意の組合せを含み;
c)少なくとも1種の活性化剤−担体は、硫酸化アルミナを含む。
【0114】
更にもう1つの態様又は非限定的な例において、触媒組成物は、少なくとも1種の前接触ansa−メタロセン、少なくとも1種の前接触有機アルミニウム化合物、少なくとも1種の前接触オレフィン、及び少なくとも1種の後接触活性化剤−担体を含み得るか、又は触媒組成物は、それらの接触生成物を含み得、ここで、ansa−メタロセン、有機アルミニウム化合物、オレフィン、及び活性化剤−担体は、本明細書において開示される通りである。
【0115】
本発明の更なる態様では、シクロペンタジエニル型リガンドの少なくとも一部に結合したペンダントオレフィン含有部分及び架橋リガンドの架橋原子に結合した1個又は2個のアリール基を含む強固に架橋した少なくとも1種のansa−メタロセン、並びに該メタロセンを、本明細書に開示される固体酸化物活性化剤−担体及び有機アルミニウム化合物の組合せとは異なる活性触媒に変換させるために機能し得る少なくとも1種の反応剤の接触生成物を含む触媒組成物が提供される。したがって、1つの態様において、通常、メタロセン化合物をそのカチオン形態に変換することを含み得る、メタロセンを活性化後に、オレフィン重合を開始し得るカチオンへのその変換の前、後、又は間のいずれかにメタロセンにヒドロカルビルリガンドを供与することによって、活性触媒組成物を形成し得る。メタロセンを活性触媒に変換し得る少なくとも1種の反応剤には通常、メタロセン化合物が、本明細書において提供されるような、リガンド、及び活性化剤成分をまだ含まない場合、アルキルなどの活性化可能なリガンドをメタロセンに供与する成分が含まれる。ある場合には、両方の機能は、1つの成分、例えば、有機アルミノキサンで達成することができる。他の場合には、これらの2つの機能は、2つの異なる成分、例えば、メタロセンに活性化可能なアルキルリガンドを供与し得る有機アルミニウム化合物、及び該活性化剤機能を供与し得るもう1つの成分によって与えられ得る。
【0116】
1つの態様において、例えば、ansa−メタロセン化合物のための活性化剤及びアルキル化剤は、少なくとも1種の有機アルミノキサン、例えば、メチルアルミノキサン又はイソブチルアルミノキサンであり得る。もう1つの態様において、例えば、活性化剤は、メタロセンからアニオン性リガンドを取り去ることができるルイス酸酸性有機ホウ素化合物、例えば、有機アルミニウム化合物などのアルキル化剤と組み合わせて通常用いられるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン又はトリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートであり得る。更にもう1つの態様において、本明細書に開示されるようなジアルキル化の強固に架橋したansa−メタロセン化合物は、ブレンステッド酸性ホウ酸塩活性化物、例えばトリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート又はN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートと反応して1個のアルキルリガンドを取り除き、アルキル化メタロセンカチオンを形成することができる。更にもう1つの態様では、ルイス酸ホウ酸塩活性化剤、例えば、トリフェニルカルベニウムテタラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートと反応して1個のアルキルリガンドを取り除き、アルキル化メタロセンカチオンを形成することができるジアルキル化の強固に架橋したansa−メタロセン化合物が提供される。したがって、理論によって拘束されることを意図しないが、該活性触媒は、アルキル化メタロセンカチオンを含むと考えられ、任意の数の反応工程を用いて、このような触媒を生成することができる。
【0117】
本発明のなお更なる態様では、接触生成物を形成するために有機アルミニウム化合物を必要とすることなく、オレフィン重合を開始し得る少なくとも1種のヒドロカルビルリガンドを含む強固に架橋した少なくとも1種のansa−メタロセン及び少なくとも1種の固体酸化物活性化剤−担体の接触生成物を含む触媒組成物が提供される。この態様において、ansa−メタロセン化合物は、シクロペンタジエニル型リガンドの少なくとも一部に結合したペンダントオレフィン含有部分、架橋リガンドの架橋原子に結合した1個又は2個のアリール基、及びオレフィン重合を開始し得る少なくとも1種のヒドロカルビルリガンドを含む。オレフィン重合を開始し得るヒドロカルビルリガンドを既に含むので、有機アルミニウム化合物は、この種の「前アルキル化」ansa−メタロセンをアルキル化するのに必要とされないであろう。
【0118】
有機アルミノキサン活性化剤
1つの態様において、本発明では、少なくとも1種のansa−メタロセン;任意選択的に、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物;及び少なくとも1種の活性化剤を含む触媒組成物、又はそれらの接触生成物を含む触媒組成物が提供され、ここで、活性化剤は、
i)電子求引性アニオンで処理された固体酸化物、層状鉱物、イオン交換可能活性化剤−担体、若しくはそれらの任意の組合せを含む活性化剤−担体;
ii)少なくとも1種の有機アルミノキサン化合物;
iii)少なくとも1種の有機ホウ素化合物又は有機ホウ酸塩化合物;又は
iv)それらの任意の組合せ
から独立に選択され得る。
【0119】
もう1つの態様において、本発明では、少なくとも1種のansa−メタロセン;少なくとも1種の有機アルミニウム化合物;電子求引性アニオンで処理された固体酸化物を含む少なくとも1種の活性化剤−担体;及び場合によって、アルミノキサン共触媒の接触生成物を含む触媒組成物が提供される。更にもう1つの態様において、本発明では、ペンダント不飽和部分を含むansa−メタロセン化合物、アルミノキサン共触媒、任意選択の活性化剤−担体、及び任意選択の有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物が提供される。しかし、1つの態様において、本発明の触媒組成物は、アルミノキサンを実質的に有しなく、もう1つの態様において、本発明の触媒組成物は、アルミノキサンの実質的非存在下で重合活性を有する。
【0120】
もう1つの態様において、本発明では、少なくとも1種のansa−メタロセン化合物及びアルミノキサンを含む触媒組成物が提供される。この態様において、触媒組成物は、化学的に処理された固体酸化物を含む酸性活性化剤−担体を含むことを必要とせず、触媒組成物はまた、有機アルミニウム化合物を含むことも必要としない。したがって、本明細書において開示される任意のansa−メタロセン化合物は、本明細書に開示される任意のアルミノキサン(ポリ(ヒドロカルビルアルミナムオキシド))、又は本明細書に開示される任意の組合せのアルミノキサンと組み合わせて、本発明の触媒組成物を形成することができる。更に、本明細書に開示される任意のansa−メタロセン化合物は、任意のアルミノキサン又はアルミノキサンの組合せ、及び場合によって、活性化剤−担体;場合によって、層状鉱物;場合によって、イオン交換可能活性化剤−担体;場合によって、少なくとも1種の有機ホウ素化合物;及び場合によって、少なくとも1種の有機ホウ酸塩化合物と組み合わせて、本発明の触媒組成物を形成することができる。
【0121】
アルミノキサンは、ポリ(ヒドロカルビルアルミニウムオキシド)又は有機アルミノキサンともいう。他の触媒成分は通常、飽和炭化水素化合物溶媒中でアルミノキサンと接触させるが、反応物質、中間体、及び活性化工程の生成物に実質的に不活性である任意の溶媒を用いることができる。この方法で形成される触媒組成物は、限定されないが、濾過を含む当業者に知られた方法によって回収することができるか、又は触媒組成物は、単離されることなく重合反応器に導入することができる。
【0122】
1つの態様において、本発明のアルミノキサン化合物は、オリゴマー性アルミニウム化合物であり、ここで、アルミノキサン化合物は、線状構造、環式、若しくはかご状構造、又は通常、これら3つの混合物を含み得る。式:
【化16】
(式中、Rは、1から10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキルであり、nは、3から約10の整数である)を有する環式アルミノキサン化合物が本発明によって包含される。ここに示される(AlRO)
n部分はまた、線状アルミノキサンにおいて繰返し単位を構成する。したがって、式:
【化17】
(式中、Rは、1から10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐のアルキルであり、nは、1から約50の整数である)を有する線状アルミノキサンも本発明に包含される。
【0123】
更に、アルミノキサンは、式R
t5m+αR
bm−αAl
4mO
3mのかご状構造も有することができ、ここで、mは、3又は4であり、α=n
Al(3)−n
O(2)+n
O(4)であり;ここで、n
Al(3)は、3配位アルミニウム原子の数であり、n
O(2)は、2配位酸素原子の数であり、n
O(4)は、4配位酸素原子の数であり、R
tは、末端アルキル基を表し、R
bは、架橋アルキル基を表し;ここで、Rは、1から10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキルである。
【0124】
したがって、アルミノキサンは、(R−Al−O)
n、R(R−Al−O)
nAlR
2、などの式によって一般に表すことができ、ここで、R基は、通常、直鎖又は分岐のC
1〜C
6アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、又はヘキシルであり、ここで、nは、通常、1から約50の整数である。1つの実施形態において、本発明のアルミノキサン化合物には、限定されないが、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、n−プロピルアルミノキサン、イソ−プロピルアルミノキサン、n−ブチルアルミキサン、t−ブチルアルミノキサン、sec−ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、1−ペンチルアルミノキサン、2−ペンチルアルミノキサン、3−ペンチルアルミノキサン、イソペンチルアルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、又はそれらの組合せが含まれる。
【0125】
異なる種類のR基を有する有機アルミノキサンが本発明によって包含される一方、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン、又はイソブチルアルミノキサンは、本発明の触媒組成物に用いられる通常の任意選択の共触媒である。これらのアルミノキサンは、それぞれ、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、又はトリイソブチルアルミニウムから調製され、それぞれ、ポリ(メチルアルミニウムオキシド)、ポリ(エチルアルミニウムオキシド)、及びポリ(イソブチルアルミニウムオキシド)といわれることもある。例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4794096号に開示されるように、トリアルキルアルミニウムと組み合わせてアルミノキサンを用いることも本発明の範囲内である。
【0126】
本発明では、アルミノキサンの式(R−Al−O)
n及びR(R−Al−O)
nAlR
2におけるnの多くの値が企図され、通常、nは、少なくとも約3である。しかし、有機アルミノキサンの調製、保存、及び使用の仕方に依存して、nの値は、アルミノキサンの単一の試料内で変化し得、有機アルミノキサンのこのような組合せは、本発明の方法及び組成物に含まれる。
【0127】
任意選択のアルミノキサンを含む本発明の触媒組成物を調製するにおいて、アルミノキサン中のアルミニウム対組成物中のメタロセンのモル比は、通常、約1:10から約100,000:1である。もう1つの態様において、アルミノキサン中のアルミニウム対組成物中のメタロセンのモル比は、通常、約5:1から約15,000:1である。重合領域に添加される任意選択のアルミノキサンの量は、約0.01mg/Lから約1000mg/L、約0.1mg/Lから約100mg/L、又は約1mg/Lから約50mg/Lの範囲内の量である。
【0128】
有機アルミノキサンは、当該技術分野において良く知られた様々な手順によって調製することができる。有機アルミノキサン調製の例は、米国特許第3242099号及び同4808561号に開示されており、それらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。アルミノキサンを調製することができる仕方の一例は、以下の通りである。不活性有機溶媒に溶解する水をAlR
3などのアルミニウムアルキル化合物と反応させて、所望の有機アルミノキサン化合物を形成することができる。この記述によって拘束されることを意図しないが、この合成方法は、線状及び環式両方の(R−Al−O)
nアルミノキサン種の混合物を与えることができると考えられ、それらの両方は、本発明によって包含される。他に、有機アルミノキサンは、不活性有機溶媒中でAlR
3等のアルミニウムアルキル化合物を水和硫酸銅等の水和塩と反応させることによって調製することができる。
【0129】
有機ホウ素及び有機ホウ素塩の活性化剤
本明細書に提供されるように、1つの態様において、本発明では、少なくとも1種のansa−メタロセン;場合によって、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物;及び少なくとも1種の活性化剤を含む触媒組成物、又はそれらの接触生成物を含む触媒組成物が提供される。活性化剤は、本明細書において提供されるような少なくとも1種の活性化剤−担体;少なくとも1種の有機アルミノキサン化合物;少なくとも1種の有機ホウ素又は有機ホウ酸塩化合物;又はそれらの任意の組合せから独立に選択され得る。したがって、本発明の1つの態様において、少なくとも1種の活性化剤は、少なくとも1種の有機ホウ素化合物、少なくとも1種の有機ホウ酸塩化合物、又はそれらの組合せから選択され得る。
【0130】
更なる態様において、本発明では、少なくとも1種のansa−メタロセン;少なくとも1種の有機アルミニウム化合物;電子求引性アニオンで処理された固体酸化物を含む少なくとも1種の活性化剤−担体;及び場合によって、有機ホウ素又は有機ホウ酸塩の共触媒の接触生成物を含む触媒組成物が提供される。もう1の態様において、本発明では、ペンダント不飽和部分を含む少なくとも1種のansa−メタロセン化合物;有機ホウ素又は有機ホウ酸塩の共触媒;有機アルミニウム化合物;及び場合によって、活性化剤−担体の接触生成物を含む触媒組成物が提供される。この態様において、触媒組成物は、活性化剤−担体を含むことを要しない。本明細書に開示される任意のansa−メタロセン化合物は、触媒組成物を形成するために、有機アルミニウム化合物等のリガンドをまだ含まない場合、アルキル又は水素化物リガンド等の活性化可能なリガンドを該メタロセンに与える成分と共に、本明細書に開示される任意の有機ホウ素若しくは有機ホウ酸塩の共触媒、又は本明細書に開示される有機ホウ素又は有機ホウ酸塩の共触媒の任意の組合せと組み合わせることができる。更に、本明細書に開示される任意のansa−メタロセン化合物は、本発明の触媒組成物を形成するために、任意の有機ホウ素又は有機ホウ酸塩の共触媒;有機アルミニウム化合物;場合によって、少なくとも1種のアルミノキサン;及び場合によって、活性化剤−担体と組み合わせることができる。しかし、1つの態様において、本発明の触媒組成物は、有機ホウ素又は有機ホウ酸塩の化合物を実質的に有さず、もう1つの態様において、本発明の触媒組成物は、有機ホウ素又は有機ホウ酸塩の化合物の実質的非存在下で重合活性を有する。
【0131】
1つの態様において、本明細書において提供されるように、用語「有機ホウ素」化合物は、中性ホウ素化合物、ホウ酸塩、又はそれらの組合せをいうのに用いられ得る。例えば、本発明の有機ホウ素化合物は、フルオロ有機ホウ素化合物、フルオロ有機ホウ酸塩化合物、又はそれらの組合せを含むことができる。当該技術分野で知られた任意のフルオロ有機ホウ素又はフルオロ有機ホウ酸塩の化合物を用いることができる。用語「フルオロ有機ホウ素化合物」は、型BY
3の中性化合物をいうためのその通常の意味を有する。用語「フルオロ有機ホウ酸塩化合物」も、型[カチオン]
+[BY
4]
−(ここで、Yは、フッ素化有機基を表す)のフルオロ有機ホウ素化合物のモノアニオン塩をいうためのその通常の意味を有する。便宜上、フルオロ有機ホウ素及びフルオロ有機ホウ酸塩の化合物は、通常、有機ホウ素化合物によって集合的にいわれるか、又は内容に応じて、いずれかの名称でいわれる。
【0132】
本発明において共触媒として用いることができるフルオロ有機ホウ酸塩化合物の例には、限定されないが、フッ素化アリールボレート、例えば、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等(それらの混合物を含む)が含まれる。本明細書における共触媒として用いることができるフルオロ有機ホウ素化合物の例には、限定されないが、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボロン等(それらの混合物を含む)が含まれる。
【0133】
以下の理論によって拘束されることを意図しないが、フルオロ有機ホウ酸塩及びフルオロ有機ホウ素の化合物のこれらの例、並びに関連化合物は、米国特許第5919983号に開示されるように、有機金属化合物と組み合わせる場合、「弱く配位する」アニオンを形成すると考えられる。
【0134】
一般に、任意の量の有機ホウ素化合物を、本発明において用いることができる。1つの態様において、該組成物中の有機ホウ素化合物対メタロセン化合物のモル比は、約0.1:1から約10:1である。通常、メタロセンのための共触媒として用いられるフルオロ有機ホウ素又はフルオロ有機ホウ酸塩の化合物の量は、メタロセン化合物1モル当たり約0.5モルから約10モルのホウ素化合物の範囲にある。1つの態様において、メタロセンのための共触媒として用いられるフルオロ有機ホウ素又はフルオロ有機ホウ酸塩の化合物の量は、メタロセン化合物1モル当たり約0.8モルから約5モルのホウ素化合物の範囲にある。
【0135】
任意選択的なイオン化可能イオン性化合物共触媒
1つの態様において、本発明では、本明細書において開示されるような、1)シクロペンタジエニル型リガンドに結合したオレフィン含有部分及び架橋リガンドの架橋原子に結合した少なくとも1個のアリール基を含む強固に架橋した少なくとも1種のansa−メタロセン化合物;2)場合によって、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物;及び3)少なくとも1種の活性化剤を含む触媒組成物、又はそれらの接触生成物を含む触媒組成物が提供される。もう1つの態様において、本発明では、これらの他の成分に加えて、任意選択的なイオン化可能イオン性化合物共触媒を含む、本明細書に開示されるような触媒組成物が提供される。しかし、1つの態様において、本発明の触媒組成物は、イオン化可能イオン性化合物を実質的に有さず、もう1つの態様において、本発明の触媒組成物は、イオン化可能イオン性化合物の実質的非存在下で重合活性を有する。更にもう1つの態様において、本発明では、本明細書に開示されるような少なくとも1種のansa−メタロセン化合物、少なくとも1種のイオン化可能イオン性化合物共触媒、場合によって、少なくとも1種の活性化剤−担体、及び場合によって、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物が提供される。イオン化可能イオン性化合物の例は、米国特許第5576259号及び同5807938号に開示されている。
【0136】
イオン化可能イオン性化合物は、触媒組成物の活性を高めるのに機能し得るイオン性化合物である。理論によって拘束されないが、イオン化可能イオン性化合物は、メタロセン化合物と反応し、メタロセンをカチオン性メタロセン化合物に変換することができると考えられる。再度、理論によって拘束されることを意図しないが、イオン化可能イオン性化合物は、アニオンリガンド、恐らくは(X
3)又は(X
4)などの非η
5−アルカジエニルリガンドをメタロセンから完全又は部分的に引き抜くことによって、イオン化可能化合物として機能することができると考えられる。しかし、メタロセンをイオン化する、イオン対を形成するための仕方で(X
3)又は(X
4)リガンドを取り去る、メタロセン中の金属−(X
3)又は金属−(X
4)の結合を弱める、(X
3)又は(X
4)のリガンドに単に配位する、或いは活性が起こり得る任意の他の機構に関わらず、イオン化可能イオン性化合物は、活性化剤である。更に、イオン化可能イオン性化合物はメタロセンのみを活性化させることは必要ではない。イオン化可能イオン性化合物の活性化機能は、イオン化可能イオン性化合物をまったく含まない触媒組成物を含む触媒組成物に比べて、全体として触媒組成物の活性強化が明らかである。
【0137】
イオン化可能イオン性化合物の例には、限定されないが、以下の化合物:トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(m−トリル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(m−トリル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(m−トリル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(p−トリル)ボレート、トロピリウムテトラキス(m−トリル)ボレート、トロピリウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(フェニル)ボレート、リチウムテトラキス(p−トリル)ボレート、リチウムテトラキス(m−トリル)ボレート、リチウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、リチウムテトラフロオロボレート、ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(フェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(p−トリル)ボレート、ナトリウムテトラキス(m−トリル)ボレート、ナトリウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、ナトリウムテトラフルオロボレート、カリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、カリウムテトラキス(フェニル)ボレート、カリウムテトラキス(p−トリル)ボレート、カリウムテトラキス(m−トリル)ボレート、カリウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)ボレート、カリウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、カリウムテトラフルオロボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(p−トリル)アルミネート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(m−トリル)アルミネート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)アルミネート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)アルミネート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(p−トリル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(m−トリル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)アルミネート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、リチウムテトラキス(フェニル)アルミネート、リチウムテトラキス(p−トリル)アルミネート、リチウムテトラキス(m−トリル)アルミネート、リチウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)アルミネート、リチウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)アルミネート、リチウムテトラフルオロアルミネート、ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ナトリウムテトラキス(フェニル)アルミネート、ナトリウムテトラキス(p−トリル)アルミネート、ナトリウムテトラキス(m−トリル)アルミネート、ナトリウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)アルミネート、ナトリウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)アルミネート、ナトリウムテトラフルオロアルミネート、カリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、カリウムテトラキス(フェニル)アルミネート、カリウムテトラキス(p−トリル)アルミネート、カリウムテトラキス(m−トリル)アルミネート、カリウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニル)アルミネート、カリウムテトラキス(3,5−ジメチルフェニル)アルミネート、カリウムテトラフルオロアルミネート、トリフェニルカルベニウムトリス(2,2’,2”−ノナフルオロビフェニル)フルオロアルミネート、銀テトラキス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノラト)アルミネート、若しくは銀テトラキス(ペルフルオロ−t−ブトキシ)アルミネート、又それらの任意の組合せが含まれる。しかし、それらのイオン化可能イオン性化合物は例示的であり、イオン化可能イオン性化合物は、本発明においてそれらに限定されない。
【0138】
オレフィンモノマー
本発明の1つの態様において、本発明の触媒組成物及び方法を用いる重合法に有用な不飽和反応物質には、1分子当たり約2個から約30個の炭素原子を有し、且つ少なくとも1つのオレフィン二重結合を有するオレフィン化合物が含まれる。本発明は、エチレン又はプロピレン等の単一のオレフィンを用いる単独重合法、並びに少なくとも1種の異なるオレフィン化合物を用いる共重合反応を包含する。エチレンの共重合反応の1つの態様において、エチレンのコポリマーは、多量のエチレン(>50モルパーセント)及び少量のコモノマー(<50モルパーセント)を含むが、これは必須要件ではない。エチレンと共重合させ得るコモノマーは、それらの分子鎖中に3個から約20個の炭素原子を有さなければならない。
【0139】
非環式、環式、多環式、末端(α)、内部、直鎖、分岐、置換、非置換、官能基化、及び非官能基化のオレフィンを、本発明において用いることができる。例えば、本発明の触媒と共に重合させることができる通常の不飽和化合物には、限定されないが、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、3−メチル−1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、3−ヘプテン、4種のノルマルオクテン、4種のノルマルノネン、5種のノルマルデセン、及び2種以上のそれらの任意の混合物が含まれる。限定されないが、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルニレン、ノルボルナジエン等を含む、環式及び二環式オレフィンも、上記の通り重合させることができる。
【0140】
1つの態様において、コポリマーが望まれる場合、モノマーのエチレンをコモノマーと共重合させることができる。もう1つの態様において、コモノマーの例には、限定されないが、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、3−メチル−1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、3−ヘプテン、4種のノルマルオクテン、4種のノルマルノネン、又は5種のノルマルデセンが含まれる。もう1つの態様において、コモノマーは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、又はスチレンであることができる。
【0141】
1つの態様において、コポリマーを製造するために反応器領域に導入されるコモノマーの量は、一般に、モノマー及びコモノマーの総重量を基準として約0.001から約99重量パーセントのコモノマーである。1つの態様において、コポリマーを製造するために反応器領域に導入されるコモノマーの量は、モノマー及びコモノマーの総重量を基準として約0.01から約50重量パーセントのコモノマーである。もう1つの態様において、反応器領域に導入されるコモノマーの量は、モノマー及びコモノマーの総重量を基準として、約0.01から約10重量パーセントのコモノマーであり、更にもう1つの態様において、約0.1から約5重量パーセントである。他に、製造されるコポリマーにおいて、重量による上記の濃度を与えるのに十分な量を用いることができる。
【0142】
理論によって拘束されることを意図しないが、分岐、置換、又は官能基化オレフィンを反応物質として用いる場合には、立体障害が重合工程を妨げる、及び/又は速度低下させる可能性があることが考えられる。したがって、炭素−炭素二重結合からいくらか除かれたオレフィンの分岐及び/又は環式部分は、炭素−炭素二重結合により近接して位置する同様のオレフィン置換基が妨げたかもしれないように反応を妨げるとは予期されないであろう。1つの態様において、本発明の触媒組成物のための少なくとも1種の反応物質は、エチレンであり、したがって、重合は、単独重合か、又は異なる非環式、環式、末端、内部、線状、分岐、置換、若しくは非置換のオレフィンとの共重合である。加えて、本発明の触媒組成物は、限定されないが、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、及び1,5−ヘキサジエンを含むジオレフィン化合物の重合に用いることができる。
【0143】
触媒組成物の調製
1つの態様において、本発明は、触媒組成物及び、本明細書に開示されるような、少なくとも1種の強固に架橋したansa−メタロセン化合物、少なくとも1種の活性化剤、及び場合によって、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物を接触させる工程を含む方法を包含する。本明細書に開示される方法は、与えられたそれぞれの成分を接触させることを可能にする任意の一連の接触工程と、成分又は成分の混合物を接触させる任意の順序とを包含する。限定することを意図しないが、接触工程の例は、処理された固体酸化物活性化剤−担体及び有機アルミニウム共触媒を用いて本明細書に典型的に例示される。これらの例示的な工程は、任意の数の前接触及び後接触工程を包含し得、任意のこれらの工程における接触成分としてオレフィンモノマーを用いることを更に包含し得る。本発明の触媒組成物を調製する調製方法の例は、以下に続く。
【0144】
本発明の1つの態様において、ansa−メタロセンは、第1の期間にオレフィンモノマー(必ずしもオレフィンモノマーを重合させることは必要ではない)及び有機アルミニウム共触媒と前接触させ、その後この前接触混合物を固体酸化物活性化剤−担体と接触させることができる。例えば、ansa−メタロセン、オレフィンモノマー、及び有機アルミニウム共触媒間の接触のための第1の期間、即ち前接触時間は、通常、時間約1分から約24時間の範囲であることができ、約0.1から約1時間が典型的である。約10分から約30分の前接触時間も典型的である。
【0145】
ansa−メタロセン、オレフィンモノマー、及び有機アルミニウム共触媒の前接触混合物を、固体酸化物活性化剤と接触させると直ちに、この組成物(固体酸化物活性化剤を更に含む)は、後接触混合物と称される。通常、後接触混合物は、第2の期間、即ち後接触時間に接触状態のままにさせることができ、その後、重合工程を開始する。1つの態様において、固体酸化物活性化剤−担体及び前接触混合物間の後接触時間は、通常、時間約1分から約24時間の範囲であり、約0.1から約1時間が典型的である。約10分から約30分の後接触時間も典型的である。
【0146】
本発明のもう1つの態様において、様々な触媒成分(例えば、ansa−メタロセン、活性化剤−担体、有機アルミニウム共触媒、及び場合によって、不飽和炭化水素)を、重合反応が進行中に同時に重合反応器中で接触させることができる。他に、2種以上の任意のこれらの触媒成分を、容器又は管中で「前接触」させることができ、その後それらは反応領域に入る。この前接触工程は、前接触生成物が連続的に反応器に供給される連続工程であり得るか、又は前接触生成物のバッチを、触媒組成物を製造するために添加し得る段階式又は回分式工程であり得る。この前接触工程は、数秒から数日程度、又はより長い範囲であり得る期間にわたって実施することができる。この態様において、連続的前接触工程は、通常、約1秒から約1時間続くことができる。この態様においてまた、連続的前接触工程は、通常、約10秒から約45秒、又は約1分から約30分続くことができる。
【0147】
他に、前接触法は、単一工程よりもむしろ、それぞれが異なる一組の触媒成分を含む多数の混合物が調製される多段工程で実施し得る。例えば、少なくとも2つの触媒成分を接触させて、第1の混合物を形成し、その後第1の混合物を少なくとも1種の他の触媒成分と接触させて、第2の混合物を形成し得る等である。
【0148】
多段前接触工程は、単一の容器又は複数の容器で行うことができる。更に、多段前接触工程は、一連(連続的)、並行、又はそれらの組合せで行うことができる。例えば、2つの触媒成分の第1の混合物は、第1の容器で形成し、第1の混合物に加えて1つの追加的な触媒成分を含む第2の混合物は、第1の容器又は、第1の容器の下流に通常配置される第2の容器で形成することができる。
【0149】
もう1つの態様において、1つ又は複数の触媒成分を分割し、異なる前接触処理で用いることができる。例えば、一部の触媒成分は、少なくとも1種の他の触媒成分と前接触させるために第1前接触容器中に供給し、一方、同じ触媒成分の残分は、少なくとも1種の他の触媒成分と前接触させるために第2の前接触容器中に供給することができるか、若しくは反応器中に直接供給することができるか、又はこの組合せであることができる。前接触は、適切な任意の装置、例えば、槽、攪拌混合槽、様々な静的混合装置、管、フラスコ、任意の型の容器、又はそれらの任意の組合せにおいて行うことができる。
【0150】
1つの態様において、例えば、本発明の触媒組成物は、1−ヘキセン、トリイソブチルアルミニウム又はトリ−n−ブチルアルミニウム、及びansa−メタロセンを少なくとも約30分間接触させ、その後、この前接触混合物を硫酸化アルミナ活性化剤−担体と少なくとも約10分間から1時間まで接触させ、活性触媒を形成することによって調製する。
【0151】
前接触工程は、この前接触工程なしで調製される同じ触媒組成物に比べて、ポリマーの生産性を通常増加させる。本発明の高められた活性触媒組成物は、エチレン等のα−オレフィンモノマーの単独重合又はα−オレフィンとコモノマーとの共重合に用いることができる。しかし、前接触工程も後接触工程も本発明に必要ではない。
【0152】
後接触混合物は、前接触混合物の一部の成分が固体酸化物活性化剤−担体上に固定化、吸収、又は析出されるように、前接触混合物及び固体酸化物活性化剤−担体の吸着、含浸、又は相互作用を可能にするに十分な温度及び期間で加熱することができる。例えば、後接触混合物は、約0°Fから約150°Fで加熱することができる。混合物が仮にも加熱される場合、約40°Fから約95°Fの温度が典型的である。
【0153】
1つの態様において、ansa−メタロセン化合物対有機アルミニウム化合物のモル比は、約1:1から約1:10,000であり得る。もう1つの態様において、ansa−メタロセン化合物対有機アルミニウム化合物のモル比は、約1:1から約1:1,000であることができ、もう1つの態様において、約1:1から約1:100であり得る。これらのモル比は、ansa−メタロセン化合物対前接触混合物と後接触混合物との両方が組み合わされた有機アルミニウム化合物の総量の比を表す。
【0154】
前接触工程を用いる場合、一般に、前接触混合物中のオレフィンモノマー対ansa−メタロセン化合物のモル比は、約1:10から約100,000:1、又は約10:1から約1,000:1であり得る。
【0155】
本発明のもう1つの態様において、固体酸化物活性化剤対有機アルミニウム化合物の重量比は、約1:5から約1,000:1の範囲にあることができる。もう1つの態様において、固体酸化物活性化剤対有機アルミニウム化合物の重量比は、約1:3から約100:1であることができ、更にもう1つの態様において、約1:1から約50:1であることができる。
【0156】
本発明の更なる態様において、ansa−メタロセン対固体酸化物活性化剤−担体の重量比は、約1:1から約1:1,000,000であることができる。本発明の更にもう1つの態様は、約1:10から約1:100,000であり得るansa−メタロセン対固体酸化物活性化剤−担体の重量比であり、もう1つの態様において、約1:20から約1:1000であり得る。
【0157】
本発明の1つの態様は、本明細書に開示される触媒組成物を形成するためにアルミノキサンを必要としないことであり、これは、より低いポリマー製造コストを可能にする特徴である。したがって、1つの態様において、本発明では、アルミノキサン非存在下でAlR
3−型有機アルミニウム化合物及び活性化剤−担体を用いることができる。理論によって拘束されることを意図しないが、有機アルミニウム化合物は、有機アルミノキサンと同じようにメタロセン触媒を活性化しない可能性があると考えられる。
【0158】
更に、本発明の触媒組成物を形成するために高価なホウ酸塩化合物又はMgCl
2は必要としないが、アルミノキサン、ホウ酸塩化合物、MgCl
2、又はそれらの任意の組合せは場合によって、本発明の触媒組成物において用いることができる。更に、1つの態様において、共触媒、例えば、アルミノキサン、有機ホウ素化合物、イオン化可能イオン性化合物、又はそれらの任意の組合せは、活性化剤担体の存在下又は非存在下で、ansa−メタロセンと一緒の共触媒として用いることができる。更に、共触媒、例えば、アルミノキサン、有機ホウ素化合物、イオン化可能イオン性化合物、又はそれらの任意の組合せは、本明細書において特定されるように、有機アルミニウム化合物の存在下又は非存在下で、ansa−メタロセンと一緒として用いることができる。したがって、メタロセン上の少なくとも1つのリガンドが、ヒドロカルビル基、H、又はBH
4である場合;少なくとも1種の活性化剤が有機アルミノキサン化合物を含む場合;又はこれらの条件の両方が存在する場合、少なくとも1種の有機アルミニウム化合物は、任意選択である。しかし、本発明の触媒組成物は、共触媒、例えば、アルミノキサン、有機ホウ素化合物、イオン化可能イオン性化合物、又はそれらの任意の組合せの実質的な非存在下で活性である。
【0159】
したがって、1つの態様において、本発明では、触媒組成物を製造する方法であって、
少なくとも1種のansa−メタロセン、少なくとも1種のオレフィン、及び少なくとも1種の有機アルミニウム化合物を、第1の期間に接触させて、少なくとも1種の前接触ansa−メタロセン、少なくとも1種の前接触有機アルミニウム化合物、及び少なくとも1種の前接触オレフィンを含む前接触混合物を形成する工程、及び
該前接触混合物を、少なくとも1種の活性化剤−担体及び場合によって、追加の有機アルミニウム化合物と、第2の期間に接触させて、少なくとも1種の後接触ansa−メタロセン、少なくとも1種の後接触有機アルミニウム化合物、少なくとも1種の後接触オレフィン、及び少なくとも1種の後接触活性化剤−担体を含む後接触混合物を形成する工程
を含む、方法が提供される。1つの態様において、少なくとも1種のansa−メタロセンは、式:
(X
1)(X
2)(X
3)(X
4)M
1
[式中、M
1は、チタン、ジルコニウム、又はハフニウムであり;
(X
1)及び(X
2)は、独立に、置換シクロペンタジエニル、置換インデニル、又は置換フルオレニルであり;
(X
1)及び(X
2)上の1個の置換基は、式ER
1R
2を有する架橋基であり、ここで、Eは、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、又はスズ原子であり、且つEは(X
1)及び(X
2)の両方に結合しており、R
1及びR
2は、独立に、アルキル基若しくはアリール基(それらのいずれも12個までの炭素原子を有する)、又は水素であり、ここで、R
1及びR
2の少なくとも一方は、アリール基であり;
(X
1)又は(X
2)上の少なくとも1個の置換基は、12個までの炭素原子を有する置換又は非置換のアルケニル基であり;
(X
3)及び(X
4)は、独立に、1)F、Cl、Br、又はI;2)20個までの炭素原子を有するヒドロカルビル基、H、又はBH
4;3)ヒドロカルビルオキシド基、ヒドロカルビルアミノ基、又はトリヒドロカルビルシリル基(それらのいずれも20個までの炭素原子を有する);4)OBR
A2又はSO
3R
A(ここで、R
Aは、アルキル基又はアリール基であり、それらのいずれも12個までの炭素原子を有する)であり、
置換シクロペンタジエニル、置換インデニル、置換フルオレニル、又は置換アルケニル基上の任意の更なる置換基は、独立に、脂肪族基、芳香族基、環式基、脂肪族基と環式基との組合せ、酸素基、硫黄基、窒素基、リン基、ヒ素基、炭素基、ケイ素基、又はホウ素基(それらのいずれも1から20個の炭素原子を有する);ハロゲン化物;又は水素である]を有する化合物を含むことができる。
【0160】
1つの態様において、本発明の触媒の触媒活性は、通常、1時間当たり、化学的に処理された固体酸化物の1グラム当たり約100グラムのポリエチレン(gP/(gCTSO・hr)と略す)を超えるか、又はそれに等しい。もう1つの態様において、本発明の触媒は、約250gP/(gCTSO・hr)を超えるか、又はそれに等しい活性を特徴とすることができ、もう1つの態様において、約500gP/(gCTSO・hr)を超えるか、又はそれに等しい活性を特徴とすることができる。更にもう1つの態様において、本発明の触媒は、約1000gP/(gCTSO・hr)を超えるか、又はそれに等しい活性を特徴とすることができ、もう1つの態様において、約2000gP/(gCTSO・hr)を超えるか、又はそれに等しい活性を特徴とすることができる。1つの態様において、この活性は、通常、約90℃の重合温度及び約550psigのエチレン圧力で、希釈剤としてイソブタンを用いてスラリー重合条件下で測定する。もう1つの態様において、この活性は、約80℃から約105℃の重合温度、及び約450psigから約550psigのエチレン圧力で、希釈剤としてイソブタンを用いてスラリー重合条件下で測定する。反応器は、これらの測定をなした後、任意の壁スケール、被覆物又は他の形態の付着物の徴候を実質的に示さないことが望ましい。
【0161】
重合法における触媒組成物の有用性
本発明の触媒は、様々な種類の重合反応器を用いる、当該技術分野で知られた任意のオレフィン重合法について意図される。本明細書において用いられるように、「重合反応器」には、ホモポリマー又はコポリマーを製造するためにオレフィンモノマーを重合させることができる任意の重合反応器が含まれる。このようなホモポリマー及びコポリマーは、樹脂又はポリマーといわれる。様々な種類の反応器には、バッチ、スラリー、気相、溶液、高圧、管状又はオートクレーブ反応器といわれ得るものが含まれる。気相反応器は、流動床反応器又は段階的横型反応器を含み得る。スラリー反応器は、縦型又は横型ループを含み得る。高圧反応器は、オートクレーブ又は管状反応器を含み得る。反応器の種類には、バッチ法又は連続法が含まれ得る。連続法では、間欠的又は連続的な生成物排出を用い得る。方法にはまた、未反応モノマー、未反応コモノマー、及び/又は希釈剤の部分的又は完全な直接リサイクルが含まれ得る。
【0162】
本発明の重合反応器系は、1つの系における1種類の反応器、又は同じか若しくは異なる種類の複数の反応器を含み得る。複数の反応器におけるポリマーの製造には、第1の重合反応器から得られるポリマーを第2の反応器に移すことを可能にする切り替え装置によって相互に連結された少なくとも2つの別々の重合反応器における数段階が含まれる。1つの反応器における所望の重合条件は、他の反応器の操作条件と異なっていてもよい。他に、複数の反応器における重合には、連続重合のために1つの反応器からのポリマーを次の反応器へ手動移送することが含まれ得る。複数の反応器系には、限定されないが、複数のループ反応器、複数の気相反応器、ループと気相反応器との組合せ、複数の高圧反応器、又は高圧反応器とループ及び/又は気相反応器との組合せを含む任意の組合せが含まれ得る。複数の反応器は、連続して又は並行して操作してもよい。
【0163】
本発明の1つの態様によれば、重合反応器系は、少なくとも1種のループスラリー反応器を含み得る。このような反応器は、当該技術分野で知られており、縦型又は横型ループを含み得る。モノマー、希釈剤、触媒及び場合によって、任意のコモノマーは、ループ反応器に連続的に供給され、ここで、重合が行われる。一般に、連続法は、モノマー、触媒、及び希釈剤の重合反応器への連続的導入、並びにポリマー粒子及び希釈剤を含む懸濁液の、この反応器からの連続的除去を含み得る。反応器流出物は、希釈剤、モノマー及び/又はコモノマーを含む液体から固体ポリマーを取り出すためにフラッシュし得る。限定されないが、熱付加及び減圧の任意の組合せを含み得るフラッシング;サイクロン又は水サイクロンのいずれかにおけるサイクロン作用による分離;又は遠心分離による分離を含むこの分離工程には、様々な技術を用いることができる。
【0164】
当該技術分野において周知である典型的なスラリー重合法(粒状形態法としても知られる)は、例えば、米国特許第3248179号、同4501885号、同5565175号、同5575979号、同6239235号、同6262191号及び同6833415号に開示され、これらのそれぞれはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0165】
スラリー重合において用いられる好適な希釈剤は、当該技術分野で周知であり、これには、限定されないが、重合させられているモノマー及び反応条件下で液体である炭化水素が含まれる。好適な希釈剤の例には、限定されないが、炭化水素、例えば、プロパン、シクロヘキサン、イソブタン、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、及びn−ヘキサンが含まれる。一部のループ重合反応は、希釈剤を使用しないバルク条件下で行うことができる。一例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5455314号に開示されるようなプロピレンモノマーの重合である。
【0166】
本発明の更にもう1つの態様によれば、重合反応器は少なくとも1種の気相反応器を含み得る。このような系は、当該技術分野で知られており、重合条件下、触媒の存在下で流動床を介して連続的に循環される1種又は複数のモノマーを含む連続再循環流を用い得る。再循環流は、流動床から回収されて、反応器へ再循環して戻され得る。同時に、ポリマー生成物は、反応器から回収され、新たな即ち未使用のモノマーが、重合モノマーを置換するために添加され得る。第1の重合領域で形成された触媒含有ポリマーを第2の重合領域に供給しながら、オレフィンを独立した少なくとも2つの気相重合領域の気相で重合させるオレフィンの多段気相重合のための方法を、このような気相反応器は含み得る。気相反応器の1つの種類は、米国特許第5352749号、同4588790号、及び同5436304号に開示され、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0167】
本発明の更にもう1つの態様によれば、高圧重合反応器は、管状反応器又はオートクレーブ反応器を含み得、それらの両方は当該技術分野で知られている。管状反応器は、未使用モノマー、開始剤、又は触媒が添加される数領域を有し得る。モノマーは、不活性気流中に混入されて、反応器の1つの領域で導入され得る。開始剤、触媒、及び/又は触媒成分は、気流中に混入され、反応器の別の領域で導入され得る。気流は、重合のために混合され得る。熱及び圧力を、最適な重合反応条件を得るために適切に用いてもよい。
【0168】
本発明の更にもう1つの態様によれば、重合反応器は、好適な攪拌又は他の手段によって、モノマーを触媒組成物と接触させる溶液重合反応器を含み得る。不活性有機希釈剤又は過剰のモノマーを含むキャリヤーを用いてもよい。必要に応じて、液体物質の存在又は非存在下で、モノマーを気相中で触媒反応生成物と接触させてもよい。重合領域は、反応媒体中でポリマーの溶液の形成をもたらす温度及び圧力で維持する。重合領域にわたって、より良い温度制御を得る、及び均一な重合混合を維持するために攪拌を用いてもよい。重合の発熱反応を消散させるために適切な手段を用いる。これらの反応器は、当該技術分野で知られている。
【0169】
本発明に好適な重合反応器は、少なくとも1つの原料供給系、触媒又は触媒成分用の少なくとも1つの供給系、及び/又は少なくとも1つのポリマー回収系の任意の組合せを更に含み得る。本発明に好適な反応器系は、供給原料精製、触媒貯蔵及び調製、押出し、反応器冷却、ポリマー回収、分留、再循環、貯蔵、積み出し、実験室分析、及びプロセス制御のための系を更に含み得る。
【0170】
重合効率及び樹脂特性を与えるために制御される条件には、温度、圧力及び様々な反応物質の濃度が含まれる。重合温度は、触媒生産性、ポリマーの分子量及び分子量分布に影響し得る。好適な重合温度は、ギップス自由エネルギー式に従う脱重合温度以下の任意の温度であり得る。通常、これには、重合反応器の種類に依存して、例えば、約60℃から約280℃、及び約70℃から約110℃が含まれる。
【0171】
好適な圧力は、反応器及び重合の種類によっても変化する。ループ反応器中の液相重合のための圧力は、通常、1000psig未満である。気相重合のための圧力は、通常、約200〜500psigである。管状又はオートクレーブ反応器の高圧重合は、一般に、約20,000から75,000psigで行われる。重合反応器は、一般により高温及び高圧で行われる超臨界範囲で操作することもできる。圧力/温度ダイアグラムの臨界点以上(超臨界相)での操作は、利点を与え得る。
【0172】
様々な反応物質の濃度を制御して、特定の物理的及び機械的特性を有する樹脂を製造することができる。樹脂によって形成される提案最終用途製品及びその製品を形成する方法が、所望の樹脂特性を決定する。機械的特性には、引っ張り、曲げ、衝撃、クリープ、応力緩和及び硬さの試験が含まれる。物理的特性には、密度、分子量、分子量分布、融点、ガラス転移点、結晶の融解温度、立体規則性、亀裂成長、長鎖分岐及びレオロジーの測定が含まれる。
【0173】
モノマー、コモノマー、水素、共触媒、変性剤、及び電子ドナーの濃度は、これらの樹脂特性を生じるのに重要である。コモノマーは、製品密度を制御するために用いる。水素は、製品分子量を制御するために用いる。共触媒は、アルキル化する、毒をスカベンジする、及び分子量を制御するために用い得る。変性剤は、製品特性を制御するために用いることができ、電子ドナーは、立体規則性に影響を与える。更に、毒の濃度は、反応及び製品特性に影響を与えるので最小にしなければならない。
【0174】
ポリマー又は樹脂は、限定されないが、瓶、ドラム、玩具、家庭用容器、台所用品、フィルム製品、燃料タンク、パイプ、ジオメンブレン、及びライナーを含む様々な物品に形成することができる。これらの物品を形成するために様々な方法が用いられ得、限定されないが、ブロー成形、押出成形、回転成形、熱成形、キャスト成形等がある。重合後に、製造中のより良い処理を与えるために、最終製品の所望の特性のために、添加剤及び変性剤を添加することができる。添加剤には、スリップ剤、粘着防止剤、粘着剤等の表面変性剤;抗酸化剤、例えば、一次及び二次酸化防止剤;顔料;処理補助剤、例えば、ワックス/油及びフルオロエラストマー;並びに特別の添加剤、例えば、難燃剤、静電防止剤、スキャベンジャー、吸収剤、におい増強剤、及び分解剤等がある。
【0175】
本発明により調製されるエチレンポリマー
1つの態様において、本発明の触媒組成物を用いて製造されるエチレンポリマーは、通常、シクロペンタジエニル型リガンドに結合したオレフィン含有部分を有しない、強固に架橋したansa−メタロセン化合物を使用する場合、更に、比較のメタロセンが架橋リガンドの架橋原子に結合した少なくとも1個のアリール基を含む場合にも、通常観察されるより低いレベルの長鎖分岐(LCB)を特徴とする。更なる態様において、本発明の触媒組成物を用いて製造されるエチレンポリマーは、通常、架橋リガンドの架橋原子に結合した少なくとも1個のアリール基を有しない、強固に架橋したansa−メタロセン化合物を使用する場合、更に、比較のメタロセンがシクロペンタジエニル型リガンドに結合したオレフィン含有部分を含む場合にも、通常、観察されるより高い分子量を特徴とする。
図3から
図8は、本発明により製造されるオレフィンホモポリマーの様々な態様を図示する。
【0176】
ポリマー分岐を検出及び特徴付けするために、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)及び多角光散乱(MALS)組合せ検出を用いた。旋回(R
g)の半径をプロットするSEC−MALS分析から得られたダイアグラムである
図3〜
図5に図示されるように、例1〜7及び例10〜11で製造されたエチレンホモポリマーの分子サイズ対M
wの1つの測定は、LCB減少における本発明の有用性の1つの態様を示す。既知の線状の対照(この場合、HiD9640)からの旋回(R
g)の半径のずれは、分岐を示す。したがって、
図3〜
図5のデータにより、本発明による触媒組成物を用いて調製されたポリマーが、R
g対M
wのプロットにおいて高分子量末端で、線状の標準(HiD9640)から極めてわずかずれているのみであることが示される。
【0177】
図6及び
図7は、発明実施例1〜11及び比較例14〜16により調製されたポリマーのlog(η
0)対log(M
w)のプロットをそれぞれ図示し、更にLCBレベル減少を明らかにする仕方を図示する(参照:表1)。線状ポリエチレンポリマーは、それらのゼロせん断粘度η
0とそれらの重量平均分子量Mwとの間の指数法則関係に従い、3.4に極めて近い指数を有することが見られる。この関係は、η
0の対数をM
Wの対数に対してプロットする場合、3.4の傾きを有する直線によって示される。この線状ポリマーの線からのずれは、長鎖分岐(LCB)の存在に起因していると一般に認められている。Janzen及びColbyは、LCBの所与の周波数についてのlog(η
0)対log(M
w)の線形プロットからの予期されるずれをポリマーの重量平均分子量の関数として予測するモデルを提示した。参照:[「ポリエチレンの長鎖分岐の分析(Diagnosing long−chain branching in polyethylenes)」、J.Mol.Struct.485〜486、569〜584(1999)]、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0178】
したがって、
図6及び
図7は、本発明により調製されたポリマーについてη
0の対数対M
wの対数をプロットし、ゼロせん断溶融粘度の重量平均分子量(M
w)への依存について図示し、これらのポリマーが、線状ポリマーの指標として用いられる周知の3.4指数法則「Arnett line」(J.Phys.Chem.1980)から極めてわずかにずれているのみであることを証明する。この実測と一致して、SEC−MALS及びレオロジーの両方のデータは、例1〜11について
図6に図示されるように、本発明のメタロセンが、エチレン重合において極めて低いLCBを生じることを示す。対照的に、比較例14〜16により作られるポリマーは、本発明の例1〜11により調製されるポリマーに比して、極めて低いM
wを有した。典型的に、これらのポリマーは、
図7に図示されるように、同じか又はわずかに高いレベルのLCBも有した。
【0179】
図8は、本発明の例1〜11及び例14〜16により製造されたポリマーについて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)実験の比較を示す。これらのGPC結果(表1及び
図8)は、本発明により製造されたポリエチレン(PE)が一般に、高分子量を有することを示す。比較例14〜16により作られたポリマーは、LCBの低レベルを特徴としたが(
図8)、これらの比較のポリマーは、本発明により調製したポリマーに比べて比較的低いM
wを有した。比較例12及び13はまた、比較のメタロセンC−1を用いて調製した触媒が、活性不良を示したことを証明する(表1)。更に、これらの材料のGPC及びSEC−MALS試料を調製する処理の間に、比較例12及び13により調製されたポリマー性試料に、かなりの量の不溶性ポリマー(約50重量%)が観察された。したがって、比較例12及び13により調製されたポリマー性試料を用いて、25mLの1,2,4−トリクロロベンゼン中に25mgから28mgのポリマーを混合し、この混合物を150℃に維持しながら、5時間攪拌した。記載されたように調製した試料を含む試料バイアルの目視調査により、沈殿物が試料バイアルの側面に形成したことが明らかとなった。この観察は、メタロセンC−1を用いて、例12及び13により調製されたポリマーが、非線状ポリマーであったことを示す。その他のいずれかの例により調製されたポリマーにおいて、不溶性ポリマーは観察されなかった。
【0180】
定義
本明細書に用いられる用語をより明確に定義するために、以下の定義が規定される。参照により本明細書に組み込まれる任意の文書によって規定されるいずれかの定義又は使用が本明細書において規定される定義又は使用と対立する範囲まで、本明細書において規定される定義又は使用が支配する。
【0181】
用語「ポリマー」は、エチレンを含むホモポリマー及び/又はエチレンと別のオレフィン性コモノマーとのコポリマーを意味するのに本明細書において用いられる。「ポリマー」はまた、本明細書に開示される任意の他の重合性モノマーのホモポリマー及びコポリマーを意味するのに本明細書において用いられる。
【0182】
用語「共触媒」は、一般に、触媒組成物の1つの成分を構成し得る有機アルミニウム化合物をいうが、限定されないが本明細書に開示されるような、アルミノキサン、有機ホウ素化合物、有機ホウ酸塩化合物、又はイオン化可能イオン性化合物を含む触媒組成物の任意選択の成分をいうのにも本明細書において用いられる。1つの態様において、共触媒は、式Al(X
5)
n(X
6)
3−nの有機アルミニウム化合物であることができ、式中、(X
5)は、1から約20個の炭素原子を有するヒドロカルビルであり;(X
6)は、アルコキシド又はアリールオキシド(それらのいずれも1から約20個の炭素原子を有する)、ハロゲン化物、又は水素化物であり;nは、1から3(両端を含む)の数である。用語「共触媒」は、化合物の実際の機能又は化合物が作用する任意の化学的機構に拘わらず用いることができる。
【0183】
用語「前接触」混合物は、第2の期間に接触させる触媒成分の「後接触」即ち第2の混合物を形成するために用いられている第1の混合物の前に、第1の期間に接触させる触媒成分の第1の混合物を表すために本明細書で用いられる。通常、前接触混合物は、酸性活性化剤−担体及び場合によって、有機アルミニウム化合物と接触させる前の、メタロセン、オレフィンモノマー、及び有機アルミニウム化合物の混合物を表す。したがって、「前接触」は、互いに接触させるが、第2の、後接触混合物において接触させる前の成分を表す。したがって、本発明では、前接触混合物を調製するために用いられる成分と該混合物が調製された後の成分とを区別することもあり得る。例えば、この表現によれば、一旦メタロセン及びオレフィンモノマーと接触させると、前接触有機アルミニウム化合物は、前接触混合物を調製するために用いられる別個の有機アルミニウム化合物と異なる少なくとも1種の化学化合物、処方、又は構造を形成するために反応してしまったことが可能である。この場合、前接触有機アルミニウム化合物又は成分は、前接触混合物を調製するために用いられた有機アルミニウム化合物を含むとして表される。
【0184】
同様に、用語「後接触」混合物は、第2の期間に接触させる触媒成分の第2の混合物を表すために本明細書で用いられ、それの1つの成分は、第1の期間に接触させた触媒成分の「前接触」即ち第1の混合物である。通常、用語「後接触」混合物は、メタロセン、オレフィンモノマー、有機アルミニウム化合物、及び酸性活性化剤−担体の混合物(これらの成分の一部の前接触化合物を、後接触混合物を構成するために添加される任意の追加の成分と接触させて形成される)を表すために本明細書で用いられる。一般に、後接触混合物を構成するために添加される追加の成分は、固体酸化物活性化剤であり、場合によって、本明細書に記載されたように、前接触混合物を調製するために用いられる有機アルミニウム化合物と同じか、又は異なる有機アルミニウム化合物を含み得る。したがって、本発明では、後接触混合物を調製するために用いられる成分と該混合物が調製された後の該成分とを区別することもあり得る。
【0185】
用語「強固に架橋したansa−メタロセン」は、分子中の2つのη
5−シクロアルカジエニル型リガンドが、架橋部分で結合され、ここで、該2つのη
5−シクロアルカジエニル型リガンド間の最短結合が1個の原子を含むメタロセン化合物を表す。したがって、2つのシクロペンタジエニル型リガンド間の架橋又は鎖の長さは、単一の原子であるが、この架橋原子は、置換される。したがって、本発明のメタロセンは、架橋ビス(η
5−シクロアルカジエニル)型化合物であり、ここで、η
5−シクロアルカジエニル部分には、シクロペンタジエニルリガンド、インデニルリガンド、フルオレニルリガンド等(それらの置換類似物及び部分的飽和類似物を含む)が含まれる。これらのリガンド上の可能な置換基には、水素が含まれ、したがって、本発明における表現「それらの置換誘導体」には、部分的飽和リガンド、例えば、テトラヒドロインデニル、テトラヒドロフルオレニル、オクタヒドロフルオレニル、部分的飽和インデニル、部分的飽和フルオレニル、置換部分的飽和インデニル、置換部分的飽和フルオレニル等が含まれる。一部の文脈において、用語「共触媒」が、有機アルミニウム化合物をいうのに本明細書で用いられるのと極めて同じように、メタロセンは、単に「触媒」という。
【0186】
用語「触媒組成物」、「触媒混合物」等は、混合物の成分の反応の実際の生成物、活性触媒部位の性質、又はアルミニウム共触媒、ansa−メタロセン、前接触混合物を調製するために用いられる任意のオレフィンモノマー、若しくはこれらの成分を混合後の固体酸化物活性化剤の動態に依存しない。したがって、用語「触媒組成物」、「触媒混合物」等には、不均一組成物及び均一組成物の両方が含まれる。
【0187】
用語「ヒドロカルビル」は、限定されないが、アリール、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、シクロアルカジエニル、アルキニル、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル等が含まれるとともに、それらのすべての置換、非置換、分岐、線状、ヘテロ原子置換の誘導体が含まれる炭化水素遊離基を特定するために用いられる。特記しない限り、本発明のヒドロカルビル基は、通常、約20個までの炭素原子を含む。1つの態様において、ヒドロカルビル基は、12個までの炭素原子、8個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有し得る。
【0188】
用語「ヒドロカルビルオキシド」基は、アルコキシド基及びアリールオキシド基の両方をまとめていうために総称的に用いられる。特記しない限り、本発明のヒドロカルビルオキシド基は、通常、約20個までの炭素原子を含む。1つの態様において、ヒドロカルビルオキシド基は、12個までの炭素原子、8個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有し得る。
【0189】
用語「ヒドロカルビルアミノ」基は、アルキルアミノ(NHR)、アリールアミノ(NHAr)、ジアルキルアミノ(NR
2)、及びジアリールアミノ(NAr
2)の基をまとめていうために総称的に用いられる。特記しない限り、本発明のヒドロカルビルアミノ基は、通常、約20個までの炭素原子を含む。1つの態様において、ヒドロカルビルアミノ基は、12個までの炭素原子、8個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有し得る。
【0190】
用語「アルケニル」は、アルケン部分の特定の位置化学に拘わらず、すべての立体化学異性体を包含するアルケン部分を含むヒドロカルビル基を特定するために広義に用いられる。したがって、例えば、用語「アルケニル」は、アルキル基内で生じる置換の位置に拘わらず、任意のCH=CH
2−置換アルキル基又はCH=CMe
2−置換アルキル基を含むことを意図する。「オレフィン含有ヒドロカルビル基」又は「オレフィン含有ペンダント基」のような用語は、通常、アルケニル基と同義的に用いられ、これらの用語は、該基内のC=C二重結合の特定の位置によって拘束されることを意図しないことを再度示す。特記しない限り、本発明のアルケニル基は、通常、約20個までの炭素原子を含む。1つの態様において、アルケニル基は、12個までの炭素原子、8個までの炭素原子、又は6個までの炭素原子を有し得る。
【0191】
用語「固体酸化物活性化剤−担体」、「酸性活性化剤−担体」、「活性化剤−担体」、「処理された固体酸化物」、「処理された固体酸化物化合物」等は、ルイス酸又はブレンステッド酸の挙動を示し、通常アニオンである電子求引性成分で処理されており、且つか焼されている、比較的高い気孔率の処理された固体無機酸化物を示すために本明細書において用いられる。電子求引性成分は、通常、電子求引性アニオン源化合物である。したがって、処理された固体酸化物化合物は、少なくとも1種の固体酸化物化合物と少なくとも1種の電子求引性アニオン源化合物とのか焼された接触生成物を含む。通常、活性化剤−担体又は「処理された固体酸化物化合物」は、少なくとも1種のイオン化可能酸性固体酸化物化合物を含む。用語「担体」又は「活性化剤−担体」は、これらの成分が不活性であることを意味するために用いられておらず、この成分は、触媒組成物の不活性成分と解釈されるべきではない。
【0192】
本明細書において用いられるように、用語「活性化剤」は、1)メタロセン成分;及び2)メタロセン化合物がまだリガンド等を含まない場合、アルキル又は水素化物リガンドなどの活性化可能なリガンドをメタロセンに与える成分の接触生成物を、オレフィンを重合させ得る触媒に変換させることができる物質を一般にいう。この用語は、活性化剤がメタロセンをイオン化する、アニオン性リガンドを引き抜いてイオン対を形成する、メタロセン中の金属−リガンド結合を弱める、アニオン性リガンドに単に配位する、又は他の任意の機構に拘わらず、用いられる。本明細書において開示されるように、接触生成物は、i)電子吸引性アニオンで処理された固体酸化物を含む活性化剤−担体、層状鉱物、イオン交換可能活性化剤−担体、若しくはそれらの任意の組合せ;ii)有機アルミノキサン化合物;iii)有機ホウ素化合物又は有機ホウ酸塩化合物;又はiv)それらの成分の任意の組合せから独立に選択され得る少なくとも1種の活性化剤を含む。
【0193】
用語「粘土」は、カチオンを交換する、柱状化する又は単に湿らせるのいずれかによって前処理された、本明細書で記載される触媒組成物において活性化剤−担体として用いることができる粘土鉱物又は粘土鉱物の混合物を構成する実質的な部分である触媒組成物の成分をいうために本明細書において用いられる。遷移金属化合物及び有機金属共触媒は、粘土活性化剤−担体と反応して、活性触媒を形成する。以下の記述によって拘束されることを意図しないが、本発明の触媒組成物の粘土成分は、遷移金属化合物と密接な物理化学的接触にあるという観点からの共触媒としてのみならず、遷移金属化合物のための活性化剤−担体として恐らくは機能する。
【0194】
本明細書で用いられるように、集合的用語「粘土鉱物」は、微細堆積物、堆積岩等に自然に見られる微細結晶性のシート様粘土鉱物の広い群を表すために本明細書で用いられる。粘土鉱物は、シート様構造及び非常に高い表面積を有する含水シリケート及び含水アルミノシリケート鉱物のクラスである。この用語は、フィロシリケート構造を有する含水マグネシウムシリケートを表すためにも用いられる。多くの一般的な粘土鉱物は、カオリナイト群、モンモリロナイト群、又はイライト群の粘土に属する。したがって、用語「粘土鉱物」は、寸法が約0.002mm未満である必ずしも粘土鉱物でない鉱物粒子からなる微粉土をいうために本明細書において用いられてはいない。
【0195】
用語「柱状粘土」は、通常、大きな、典型的には多核の、高度に荷電した金属複合体カチオンとイオン交換された、スメクタイト群並びにセピオライト及びパリゴルスカイトに加えて他のフィロシリケートの粘土鉱物を含む触媒組成物の成分をいうのに本明細書において用いられる。このようなイオンの例には、限定されないが、7+などの電荷を有し得るケギンイオン、様々なポリオキソメタレート、及び他の大きなイオンが含まれる。したがって、用語「柱状化する」は、粘土鉱物の交換可能なカチオンが大きな、高度に荷電したイオン、例えば、ケギンイオンで置換される単純な交換反応をいう。次いで、これらのポリマー性カチオンは、粘土の中間層内に固定化され、か焼されると、粘土層を支柱様構造として効果的に支持する金属酸化物「柱状物」に変換される。柱状化する粘土及び柱状粘土の例は、T.J.Pinnavaia、Science 220(4595)、365〜371(1983);J.M.Thomas、Intercalation Chemistry、(S.Whittington ans A.Jacobson編)Ch.3,pp.55〜99、Academic Press,Inc.、(1972);米国特許第4452910号;同5376611号;及び同4060480号に見られ、これらのそれぞれは、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0196】
本明細書に記載されるものと同様又は等しい任意の方法、装置、及び材料は、本発明の実施又は試験において用いることができるが、典型的な方法、装置及び材料は、本明細書に記載される。
【0197】
本明細書において述べられるすべての刊行物及び特許は、例えば、現に記載される発明との関連で用いられ得る該刊行物に記載される構造及び方法論を記述及び開示する目的のために参照により本明細書に組み込まれる。上記及び本文全体にわたって検討される刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示のためにのみ提供される。本発明者らが従来の発明によるこのような開示に先行する資格がないことの承認として解釈されるべきことは、本明細書においてない。
【0198】
本明細書に開示される任意の特定の化合物について、提示される任意の一般的な構造は、置換基の特定の一組から生じ得るすべての配座異性体、位置異性体、立体異性体等も包含する。一般的な構造は、内容に応じて、すべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、エナンチオマー形態又はラセミ形態にあるかどうかに拘わらず他の光学異性体、並びに立体異性体の混合物も包含する。
【0199】
本発明は、その範囲に限定を課すとして決して解釈されるべきでない以下の例によって更に説明される。一方、本明細書における説明を読んだ後、本発明の精神又は添付の特許請求の範囲から逸脱することなく当業者に示唆し得る様々な他の態様、実施形態、変更、及びその同等物に対する手段を有し得ることは明確に理解されるべきである。
【0200】
以下の例において、特記しない限り、本明細書において記載される合成及び調製は、窒素及び/又はアルゴン等の不活性雰囲気下で実施した。溶媒は、商業供給元から購入し、通常、使用前に活性アルミナ上で乾燥した。特記しない限り、反応剤は、商業供給元から入手した。
【0201】
一般的な試験手順、特徴付け、及び合成手順は、本明細書において提供される。本発明のメタロセン、処理された固体酸化物、及び他の反応剤を調製するための合成方法も、本明細書において提供される。
【0202】
一般試験手順
メルトインデックス(MI、g/10分)は、ASTM D1238条件Fに従って、190℃で、2,160グラム重を用いて測定した。
【0203】
高負荷メルトインデックス(HLMI、g/10分)は、ASTM D1238条件Eに従って、190℃で、21,600グラム重を用いて測定した。
【0204】
ポリマー密度は、ASTM D1505及びASTM D1928、手順Cに従って、1時間当たり約15℃で冷却し、室温で約40時間調整した圧縮成形試料について1立方センチメートル当たりのグラム(g/cc)で測定した。
【0205】
分子量及び分子量分布は、示差屈折率検出器及び3個の7.5mm×300mm、20μm Mixed A−LSカラム(Polymer Labs)を備えたPL−GPC220(Polymer Labs、UK)を用いて、145℃で動作させて得た。0.5g/Lの2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を含む1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)の移動相の流速を、1mL/分に設定し、分子量に依存して、ポリマー溶液の濃度を、一般に1.0〜1.5mg/mLの範囲に保った。試料調製は、時々穏やかに攪拌して150℃で4時間行い、その後該溶液を注入用に試料バイアルに移した。不均衡な溶媒ピークを最小化するために、移動相と同じ組成を有する溶媒を溶液調製に用いた。積分検定法を用いて、ブロードな標準としてChevron Phillips Chemical Companyの広域線状ポリエチレン、Marlex BHB5003を使用して、分子量及び分子量分布を推定した。ブロードな標準の積分表は、SEC−MALSを用いた別個の実験において予め決定した。
【0206】
せん断粘度特性を決定するための溶融粘度測定
小歪オシレータせん断測定を、平行板ジオメトリーを用いるARES振動レオメーター(TA Instrument、旧Rheometrics Inc.)で行った。データを、通常、190℃の温度で0.03から100rad/秒の角周波数範囲にわたって得た。
【0207】
綿毛状試料を、アセトン中に分散させた0.1重量%のBHTで安定化し、次いで、成形前に真空乾燥した。試料を、184℃で合計3分間圧縮成形した。この試料を比較的低い圧力で1分間溶融させ、次いで更に2分間高い成形圧力を掛けた。次いで、成形試料を冷(室温)圧でクエンチさせた。寸法2mm×25.4mm直径を有する円板を、レオロジーの特徴付けのために成形スラブから押し抜いた。
【0208】
レオメーターの試験室を、ポリマー分解を最小化するために窒素で覆った。レオメーターを試験の開始温度に予備加熱した。試料を入れて、オーブンの熱平衡後、試験片をプレート間で1.6mm厚さに絞り、過剰を取り除いた。
【0209】
歪みは、一般に、周波数掃引にわたって単一の値で維持したが、低粘度試料について測定可能なトルクを維持するために比較的大きい歪み値を用いた。高粘度試料について、トルク変換器に過負荷を掛けるのを避け、試料の線形粘弾性限界内に保つために比較的小さい歪み値を用いた。必要に応じて、装置は高周波数での歪みを自動的に減少させ、トルク変換器に過負荷を掛けることから保護する。
【0210】
粘度データは、修正Carreau−Yasudaモデル[R.Byron Bird、Robert C.Armstrong、and Ole Hassager、「ポリマー性液体の力学(Dynamics of Polymer Liquids)」、Volume 1、Fluid Mechanics、(John Wiley & Sons、New York、1987)、p171〜172]に合い、これは、下記に示されるような、ゼロせん断粘度、粘性緩和時間、及び幅パラメータの推定値を得るために参照により本明細書に組み込まれる。
【0211】
|η
*|=η
0/[1+(ωτ
η)
a]
((1−n)/a)
(式中、|η
*|=複素粘度の大きさ(Pa・秒)
ω=角周波数(rad/秒)
η
0=ゼロせん断粘度(Pa・秒)
τ
η=粘性緩和時間(秒)
a=幅パラメータ
n=指数法則パラメータ、0.1818に固定)
【0212】
光散乱により測定される絶対分子量
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)と多角光散乱(MALS)検出を結合するSEC−MALSを用いて、分子量データを測定した。SECカラム及びその示差屈折率(DRI)検出器(145℃)と同じ温度で熱的に制御された熱移動線を通って、DAWN EOS 18−角光散乱ホトメーター(Wyatt Technology、Santa Barbara、CA)をPL−210 SECシステム(Polymer Labs、UK)又はWaters 150CV Plusシステム(Mitford、MA)に結合した。0.7mL/分の流速設定で、移動相[1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)]を、3個の7.5mm×300mm、20μm Mixed A−LSカラム(Polymer Labs)を通して溶出した。試料に依存して、約1.2mg/mLの濃度のポリエチレン(PE)溶液を150℃で、4時間で調製し、その後、145℃に加熱したカルーセル中にあるSEC注入バイアルに移した。分子量がより高いポリマーについて、より長い加熱時間が、真の均一溶液を得るために必要であった。濃度クロマトグラムを取得することに加えて、Wyatt’s Astra(登録商標)ソフトウェアを用いて各注入について、異なる角度での17の光散乱クロマトグラムも取得した。各クロマトグラフィーの切片で、絶対分子量(M)及び二乗平均平方根(RMS)半径[旋回(Rg)の半径としても知られる]の両方を、それぞれ、デバイプロットの切片及び傾きから得た。この処理の方法は、Wyatt,P.J.、Anal.Chim.Acta、272、1(1993)に詳述されており、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。用いられる線状PEの対照は、線状の高密度ブロード分子量分布(MWD)ポリエチレン試料(Chevron Phillips Chemical Co.)であった。この重量平均分子量(M
w)、数平均分子量(M
n)、z−平均分子量(M
z)及び分子量分布(M
w/M
n)は、これらのデータから計算され、様々な表で提示される。
【0213】
Zimm−Stockmayer手法を用いて、エチレンポリマー中のLCBの量を決定した。SEC−MALSは、M及びR
gをクロマトグラムの各切片で同時に測定するので、式1:
【数1】
(式中、添え字br及びlinは、それぞれ、分岐及び線状のポリマーを表す)
に示されるように、同じMで、分岐分子の平均平方(R
g)対線状分子の平均平方(R
g)の比を決定することによって、Mの関数としての分岐インデックスg
Mを直接各切片で決定することができた。
【0214】
所与のg
Mで、1分子当たりのLCBの重量平均数(B
3w)を、式2:
【数2】
に示されるように、Zimm−Stockmayerの式を用いて計算し、ここで、分岐は、3官能、又はY字形であると推定された。次いで、1000C当たりLCBの数である第i番目の切片のLCB周波数(LCB
Mi)を、式3:
LCB
Mi=1000*14*B
3w/M
i
ここで、M
iは、i番目の切片のMWである)
を用いて直接計算した。したがって、分子量分布(MWD)と交差したLCB分布(LCBD)を、完全なポリマーについて確立した。
【0215】
Quantachrome Autosorb−6 Nitrogen Pore Size Distribution Instrumentを用いて、比表面積(「表面積」)及び比細孔容積(「細孔容積」)を決定した。この装置は、Quantachrome Corporation、Syosset、N.Yから入手した。
【0216】
フッ化シリカ−アルミナ活性化剤−担体の調製
この例におけるフッ化シリカ−アルミナ酸性活性化剤−担体を調製するために用いたシリカ−アルミナは、通常、13%アルミナを含み、約1.2cc/gの細孔容積及び約400m
2/gの表面積を有するグレードMS13−110としてW.R.Graceから入手したDavisonシリカ−アルミナであった。この物質を、シリカ−アルミナの重量の10重量%に等しい十分な量で二フッ素化アンモニウムを含有する溶液で初期の湿り気まで含浸させることによってフッ化した。次いで、この含浸物質を真空オーブン中100℃で8時間乾燥した。次いで、このようにフッ化したシリカ−アルミナ試料を次の通りか焼した。約10グラムのアルミナを底部に焼結した水晶円板を取り付けた1.75インチ水晶管に入れた。このシリカ−アルミナを円板上で支持しながら、乾燥空気を1時間当たり1.6から1.8標準立方フィートの線形速度で円板を介して吹き上げた。水晶管の周囲の電気炉を用いて、管の温度を1時間当たり約400℃の速度で、約500℃の最終温度に上昇させた。この温度で、シリカ−アルミナを乾燥空気中約3時間浮遊させた。その後、このシリカ−アルミナを回収して、乾燥窒素下に保存し、大気に暴露することなしに用いた。
【0217】
硫酸化アルミナ活性化剤−担体の調製
アルミナを、限定されないが、硫酸、硫酸アンモニウム、又は硫酸水素アンモニウムから通常選択される硫酸塩又は硫酸水素塩を用いて化学的に処理する方法によって、硫酸アルミナを形成した。一例は、以下の通りである。
【0218】
W.R.Grace Alumina Aとして販売される市販のアルミナを、約15〜20%の(NH
4)
2SO
4又はH
2SO
4を含有する水溶液で含浸することによって硫酸化した。この硫酸化アルミナを空気中550℃(240℃/時間の傾斜速度)でか焼し、この温度で3時間保持した。その後、このアルミナを回収して、乾燥窒素下で保存し、大気に暴露することなく用いた。
【0219】
メタロセン調製
特記しない限り、反応剤は、Aldrich Chemical Companyから入手し、受け入れたまま用いた。2,7−ジ−tert−ブチルフルオレンは、Degussaから購入した。グリグナルド試薬CpMgCl(THF中1M)は、Boulder Scientific Companyから購入した。塩化ハフニウム(IV)は、Stremから購入した。溶媒THFは、カリウムから蒸留し、無水ジエチルエーテル、メチレンクロライド、ペンタン、及びトルエンは、Fisher Scientific Companyから購入し、活性化アルミナ上で保存した。すべての溶媒は、脱気して、窒素下で保存した。反応生成物を、
1H NMR分光法(300MHz、CDCl
3、CHCl
3の7.24ppm又はTMSの0ppmにおける残留プロトンのピークのいずれかを基準として)又は
13C NMR(75MHz、DCCl
3、77.00ppmにおけるCDCl
3の中央ラインを基準として)によって分析した。
【0220】
以下のフルベン(F−1からF−5)を、本明細書に開示した通り調製し、本明細書において与えられるリガンドL−1からL−5を調製するのに用いた。
【0222】
以下のリガンドL−1からL−5を、本明細書に開示した通り調製した。
【0224】
2−(ペント−4−エニル)−6,6−ジフェニルペンタフルベン(F−1)の合成
5−ブロモ−1−ペンテン(95重量%の100g、0.637モル)に、シクロペンタジエニル塩化マグネシウム(THF中1M溶液700mL、0.7モル)を0℃で、1時間で加えた。0℃で更に30分間攪拌後、混合物を室温まで加温した。一晩攪拌後、反応を氷と水との混合物でクエンチした。混合物をペンタンで抽出した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。真空下室温で溶媒を除去し、黄褐色液体(98g、粗ペント−4−エニルシクロペンタジエン)を得た。THF(500mL)中に溶解した粗ペント−4−エニルシクロペンタジエン(89g)に、n−BuLi(ヘキサン中10M60mL、0.6モル)を−78℃で加えた。混合物を室温まで加温し、一晩攪拌した。このアニオン溶液を、THF(500mL)中に溶解したベンゾフェノン(110g、0.604モル)に0℃で、25分で加えた。混合物を室温まで加温し、一晩攪拌した。反応を氷及び10%HCl水溶液の混合物でクエンチした。この混合物をペンタンで抽出した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下40℃で除去して、暗赤色の粘稠な油を得た。この油をヘプタンに溶解し、シリカゲルを通して濾過した。シリカゲルをヘプタン中5〜10%CH
2Cl
2で洗浄することによって、生成物を回収した。溶媒を除去して所望の生成物(145g、5−ブロモ−1−ペンテンに基づき84%収率)を暗赤色の粘稠な油として得た。
【化20】
【0225】
1−(3−(ペント−4−エニル)シクロペンタジエニル)−1−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)−1,1−ジフェニルメタン(L−1)の合成
Et
2O(700mL)中に溶解した2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン(125.1g、0.45モル)に、n−BuLi(ヘキサン中10M47mL、0.47モル)を0℃で加えた。この混合物を室温に加温し、一晩攪拌した。このアニオン溶液を、Et
2O(300mL)に溶解した2−(ペント−4−エニル)−6,6−ジフェニルペンタフルベン(F−1)(145g、0.487モル)に−78℃で、10分で加えた。この混合物を室温に加温し、一晩攪拌した。反応を氷及び10%HCl水溶液の混合物でクエンチした。混合物をEt
2Oで抽出した。有機相を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去して、薄茶色の固体を得た。この固体をヘプタンで洗浄し、真空下で乾燥した。所望の生成物について異性体の混合物(191.7g、74%収率)を白色固体として得た。
【0226】
2−(ブト−3−エニル)−6,6−ジフェニルペンタフルベン(F−2)の合成
4−ブロモ−1−ブテン(97重量%の100g、0.719モル)に、シクロペンタジエニル塩化マグネシウム(THF中1M溶液800mL、0.8モル)を0℃で、50分で加えた。0℃で更に15分間攪拌後、混合物を室温に加温した。一晩攪拌後、反応を氷及び水の混合物でクエンチした。混合物をペンタンで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下室温で除去して、茶色の液体(94.2g、粗ブト−3−エニルシクロペンタジエン)を得た。THF(500mL)に溶解した粗ブト−3−エニルシクロペンタジエン(94.2g)に、n−BuLi(ヘキサン中10M70mL、0.7モル)を−78℃で加えた。混合物を室温に加温し、一晩攪拌した。このアニオン溶液をTHF(400mL)中に溶解したベンゾフェノン(133.8g、0.735モル)に0℃で、35分で加えた。混合物を室温に加温し、一晩攪拌した。反応を氷及び10%HCl水溶液の混合物でクエンチした。混合物をペンタンで抽出した。有機層を水で洗浄して無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下40℃で除去して、暗赤色の粘稠な油を得た。この油をペンタンに溶解し、シリカゲルを通して濾過した。生成物を、ヘプタン中5〜10%のCH
2Cl
2でシリカゲルを洗浄して回収した。溶媒を除去して、所望の生成物(152g、4−ブロモ−1−ブテンを基準にして74.4%収率)を暗赤色の粘稠な油として得た。
【化21】
【0227】
1−(3−(ブト−3−エニル)シクロペンタジエニル)−1−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)−1,1−ジフェニルメタン(L−2)の合成
Et
2O(500mL)に溶解した2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン(91.7g、0.33モル)に、n−BuLi(ヘキサン中10M35mL、0.35モル)を0℃で加えた。混合物を室温に加温し、一晩攪拌した。このアニオン溶液を、Et
2O(200mL)中に溶解した2−(ブト−3−エニル)−6,6−ジフェニルペンタフルベン(化合物F−2)(104g、0.366モル)に0℃で、35分で加えた。0℃で更に30分間攪拌後、混合物を室温に加温し、一晩攪拌した。反応を氷及び10%HCl水溶液の混合物でクエンチした。混合物をCH
2Cl
2で抽出した。有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、薄茶色の固体を得た。固体をペプタンで洗浄し、真空下で乾燥した。所望の生成物について異性体の混合物(142g、76.5%収率)を白色固体として得た。
【0228】
2−(1,1−ジメチルペント−4−エニル)−6,6−ジフェニルペンタフルベン(F−3)の合成
ドライアイスで冷却しながら、乾燥THF(50mL)中6−ブテニル−6−メチルペンタフルベン(17.8g、122ミリモル)(K.J.Stone and R.D.Little、J.Org.Chem.、1984、49(11)、1849〜1853の方法によって調製した)の溶液に、メチルリチウム(エーテル中1.6M75mL、120ミリモル)の溶液を加えた。20時間攪拌し、室温まで加温後、氷中で冷却しながら、この黄色の溶液をTHF(50mL)中ベンゾフェノン(21.87g、120ミリモル)の溶液に徐々に加えた。赤色が直ちに生成し、4時間後アリコートの分析は、反応がほとんど終了したことを示した。更に1時間後、水(200mL)中濃塩酸(20mL)の溶液を添加しながら、混合物を冷却した。ペンタン(150mL)の添加に続けて、有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を真空下で除去し、赤色の液体を−15℃まで一晩で冷却した。赤色の結晶性生成物を冷メタノールで洗浄し、真空下で乾燥して赤色固体(32.8g、84%収率)を得た。
【化22】
【0229】
1−(3−1,1−ジメチルペント−4−エニル)シクロペンタジエニル)−1−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)−1,1−ジフェニルメタン(L−3)の合成
Et
2O(200mL)中2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン(27.8g、100ミリモル)の溶液をドライアイスで冷却し、n−BuLi(ヘキサン中1.6M68mL、0109ミリモル)を滴下した。このスラリーを室温まで加温し、24時間攪拌した。この暗色溶液をドライアイス中で冷却し、次いで、Et
2O(100mL)中2−(1,1−ジメチルペント−4−エニル)−6,6−ジフェニルペンタフルベン(化合物F−3)(32.8g、54.3ミリモル)の溶液を迅速に加えた。混合物を室温まで加温し、20時間攪拌した。氷中で冷却後、水(200mL)中濃塩酸(20mL)の溶液を加えた。ペンタン(100mL)の添加に続けて、有機層を分離し、水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥して、濾過後、溶媒を真空下で除去し、ガラス状固体を得た。この固体をメタノール(100mL)と共に加熱し、熱メタノール溶液を捨てた。この処理を4回繰り返した。次いで、固体を熱ペンタン中に溶解し、次いで、加熱しながら、これを真空下で除去した。固体を粉砕し、真空下で乾燥し、次いで、エタノール(70mL)と共に加熱した。冷却後、固体を濾過し、乾燥した。所望の生成物について異性体の混合物(18.1g、30%収率)を白色固体として得た。
【0230】
6,6−ジフェニルペンタフルベン(F−4)の合成
ベンゾフェノン(63.8g、350ミリモル)を窒素下で、無水1,2−ジメトキシエタン(DME)(150mL)中に溶解した。1リットルのフラスコ中で、粉末水酸化カリウム(30g、535ミリモル)をDME(200mL)中にスラリー化した。スラリーを氷浴中で冷却し、新たに砕いたシクロペンタジエン(35mL、430ミリモル)を添加した。30分後、ベンゾフェノンの溶液を15分かけて加えた。フラスコを冷蔵庫中で90時間攪拌し、次いで、氷中で冷却しながら、3MのHCl(450mL)を加えた。混合物をペンタン(500mL)で希釈し、分離した。有機層を水(2×200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。この溶液を濾過し、真空下の乾燥に導いた。固体を沸騰ペンタン(600mL)に溶解し、次いで、400mLに濃縮した。−15℃に40時間で冷却し、赤色固体(69.5g、86.3%収率)を得た。
【化23】
【0231】
1−シクロペンタジエニル−1−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)−1,1−ジフェニルメタン(L−4)の合成
ドライアイスで冷却された、乾燥THF(100mL)中2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン(29.8g、107ミリモル)の溶液に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M43.0mL、107.5ミリモル)を加えた。浴を取り除いて、暗色溶液を2時間攪拌した。次いで、この溶液を、氷中で冷却しながら、THF(100mL)中6,6−ジフェニルペンタフルベン(化合物F−4)(26.0g、113ミリモル)の溶液に滴下した。反応混合物を室温で86時間攪拌し、次いで氷中で冷却した。1MのHCl溶液(100mL)を加えた。混合物をクロロホルム(100mL)で希釈し、分離した。クロロホルム層を水(3×100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶液を濾過し、薄オレンジ色の固体に蒸発させた。固体を沸騰クロロホルム(150mL)中に溶解し、メタノール(150mL)をゆっくり加えた。−15℃に2日間で冷却後、固体を濾別して、粉砕し、真空下で乾燥した。所望の生成物について異性体の混合物(25.4g、46.7%収率)をオフホワイトの固体として得た。
【0232】
5−(3−ペント−4−エニル)シクロペンタジエニル−5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ノナン(L−5)の合成
フラスコに、窒素下で−78℃に冷却して、2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン(10g、36ミリモル)、Et
2O(150mL)を入れ、n−BuLi(ヘキサン中10M4.3mL、43ミリモル)をシリンジを介して加える際、攪拌した。反応混合物を室温まで加温し、一晩攪拌し、−78℃に冷却し、2−(ペント−4−エニル)−6,6−ジブチルペンタフルベン(化合物F−5)(13g、50ミリモル)(K.J.Stone and R.D.Little、J.Org.Chem.、1984、49(11)、1849〜1853の方法によって調製した)を迅速に加えた。反応混合物を室温まで加温し、一晩攪拌した。反応を飽和NH
4Cl溶液でクエンチした。有機層をEt
2Oで抽出し、水で洗浄し、無水Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空下で除去して、黄色の油を得た。ヘプタンを用いてシリカ−ゲルカラムを通してこの油を溶出して、所望の生成物について異性体の混合物(12.8g、66%収率)を油として得た。
【0233】
ジフェニルメチリデン{η
5−[3−(ペント−4−エニル)シクロペンタジエン−1−イリデン]}[η
5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イリデン)]ハフニウムジクロライド(I−1)の合成
Et
2O(400mL)中に溶解した1−(3−(ペント−4−エニル)シクロペンタジエニル)−1−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)−1,1−ジフェニルメタン(化合物L−1)(45.3g、78.6ミリモル)に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M68.5mL、171.3ミリモル)を0℃でゆっくり加えた。混合物を室温まで加温し、一晩攪拌し、次いで、カニューレを介してペンタン(450mL)とEt
2O(30mL)との混合物中に懸濁したHfCl
4(26.8g、83.6ミリモル)に0℃で、30分で加えた。混合物を室温まで加温し、2日間攪拌した。このスラリーを濃縮し、遠心分離した。液体をデカントして除いた。残存する固体をペンタン(100mL)で2回洗浄し、次いで、メチレンクロライドで抽出し、遠心分離した。この溶液を真空下の乾燥に導き、黄色の固体(46.4g、71.7%)を得た。
【化24】
【0234】
ジフェニルメチリデン{η
5−[3−(ブト−3−エニル)シクロペンタジエン−1−イリデン]}[η
5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イリデン)]ハフニウムジクロライド(I−2)
Et
2O(30mL)中に溶解した1−(3−(ブト−3−エニル)シクロペンタジエニル)−1−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)−1,1−ジフェニルメタン(化合物L−2)(3.2g、5.7ミリモル)に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M5.2mL、13ミリモル)を0℃でゆっくり加えた。この混合物を室温まで加温し、一晩攪拌し、次いで、カニューレを介してペンタン(30mL)とEt
2O(5mL)との混合物中に懸濁させたHfCl
4(2.1g、6.5ミリモル)に0℃で、10分で加えた。混合物を室温まで加温し、2日間攪拌した。このスラリーを濃縮し、遠心分離した。液体をデカントして除いた。残存する固体をペンタン(80mL)で2回洗浄し、次いで、メチレンクロライドで抽出し、遠心分離した。この溶液を真空下の乾燥に導き、黄色の固体(3.1g、67.4%収率)を得た。
【化25】
【0235】
ジフェニルメチリデン{η
5−[3−(ブト−3−エニル)シクロペンタジエン−1−イリデン]}[η
5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イリデン)]ジルコニウムジクロライド(I−3)の合成
Et
2O(400mL)中に懸濁させた1−(3−(ブト−3−エニル)シクロペンタジエニル)−1−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)−1,1−ジフェニルメタン(化合物L−2)(40.5g、72.1ミリモル)に、n−BuLi(ヘキサン中10M15.2mL、152ミリモル)を0℃でゆっくり加えた。混合物を室温まで加温し、一晩攪拌し、次いでカニューレを介してペンタン(400mL)とEt
2O(30mL)との混合物中に懸濁させたZrCl
4(18.5g、79.4ミリモル)に0℃で、15分で加えた。混合物を室温まで加温し、1日間攪拌し、蒸発乾固した。残渣をペンタン(300mL)中で攪拌し、遠心分離した。上清を捨てた。残存する固体をペンタン(100mL)で2回洗浄し、次いで、メチレンクロライドで抽出し、遠心分離した。この溶液を真空下の乾燥に導き、赤色固体(38.1g、73.3%収率)を得た。
【化26】
【0236】
ジフェニルメチリデン{η
5−[3−(ペント−4−エニル)シクロペンタジエン−1−イリデン]}[η
5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イリデン)]ジルコニウムジクロライド(I−4)の合成
Et
2O(300mL)中に溶解させた1−(3−(ペント−4−エニル)シクロペンタジエニル)−1−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)−1,1−ジフェニルメタン(化合物L−1)(34.7g、60.2ミリモル)に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M52mL、130ミリモル)を0℃でゆっくり加えた。この混合物を室温まで加温し、一晩攪拌し、次いで、カニューレを介してペンタン(250mL)とEt
2O(20mL)との混合物中に懸濁させたZrCl
4(14.7g、63.1ミリモル)に0℃で、30分で加えた。混合物を室温まで加温し、一日間攪拌し、蒸発乾固した。残渣をペンタン(200mL)中で攪拌し、遠心分離した。上清を捨てた。残存する固体をペンタン(50mL)で2回洗浄し、次いで、メチレンクロライドで抽出し、遠心分離した。この溶液を真空下の乾燥に導き、赤色固体(33.5g、75.6%)を得た。
【化27】
【0237】
ジフェニルメチリデン{η
5−[3−(1,1−ジメチルペント−4−エニル)シクロペンタジエン−1−イリデン]}[η
5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イリデン)]ジルコニウムジクロライド(I−5)の合成
Et
2O(50mL)中1−(3−(1,1−ジメチルペント−4−エニル)シクロペンタジエニル)−1−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)−1,1−ジフェニルメタン(化合物L−3)(10.8g、17.9ミリモル)をドライアイス中で冷却し、n−BuLi(ヘキサン中1.6M22.2mL、35.5ミリモル)を滴下した。1時間後、浴を取り除き、混合物を室温で48時間攪拌した。混合物を、氷中で冷却しながら、ペンタン(50mL)中に懸濁させたZrCl
4(4.37g、18.8ミリモル)に加えた。このスラリーを室温で65時間攪拌した。スラリーを粘稠になるまで濃縮し、ペンタン(70mL)を加えた。スラリーを一晩攪拌し、液体をデンカトして除いた。固体をペンタンで2回洗浄し、次いで、メチレンクロライドで抽出し、遠心分離した。この溶液を真空下の乾燥に導き、赤色固体(11.65g、85.2%収率)を得た。
【化28】
【0238】
ジフェニルメチリデン[η
5−(シクロペンタジエン−1−イリデン)][η
5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イリデン)]ジルコニウムジクロライド(C−1)の合成
窒素下、1−シクロペンタジエニル−1−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)−1,1−ジフェニルメタン(化合物L−4)(15.26g、30.0ミリモル)を乾燥Et
2O(250mL)中に懸濁させた。ドライアイス中で冷却しながら、n−BuLi(ヘキサン中2.5M24.0mL、60ミリモル)を滴下した。次いで、浴を取り除き、混合物を24時間攪拌した。この溶液をペンタン(50mL)中に懸濁させたジルコニウムテトラクロライド(7.38g、31.7ミリモル)に徐々に添加し、氷中で冷却した。オレンジ色のスラリーを90時間攪拌し、室温まで加温させた。得られたスラリーを遠心分離し、固体を乾燥メチレンクロライド(120mL)と混合した。混合物を遠心分離し、溶液を除去し、真空下の乾燥に導いた。所望の生成物(9.63g、48%収率)をオレンジ色の固体として得た。
【化29】
【0239】
ジブチルメチリデン{η
5−[3−(ペント−4−エニル)シクロペンタジエン−1−イリデン]}[η
5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イリデン)]ジルコニウムジクロライド(C−2)の合成
フラスコに、5−(3−(ペント−4−エニル)シクロペンタジエニル)−5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ノナン(化合物L−5)(12.8g、23.8ミリモル)、Et
2O(200mL)、攪拌子を入れ、n−BuLi(ヘキサン中10M5.3mL、53ミリモル)をゆっくり加えながら、−78℃に冷却した。混合物を室温まで加温し、一晩攪拌し、次いで、カニューレを介して0℃でペンタン中攪拌しているZrCl
4(5.5g、23.6ミリモル)に加えた。混合物を室温まで加温し、7日間攪拌して、蒸発乾固した。残渣をペンタンで抽出し、濾過し、濾液を捨てた。残存する固体をCH
2Cl
2で抽出して、濾過し、濾液を蒸発乾固して、赤色固体(7.8g、47%収率)を得た。
【化30】
【0240】
ジブチルメチリデン{η
5−[3−(ペント−4−エニル)シクロペンタジエン−1−イリデン]}[η
5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレン−9−イリデン)]ハフニウムジクロライド(C−3)の合成
Et
2O(150ml)中に溶解させた5−(3−(ペント−4−エニル)シクロペンタジエニル)−5−(2,7−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ノナン(化合物L−5)(14.6g、272.2ミリモル)に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M26mL、65ミリモル)を0℃でゆっくりと加えた。混合物を室温まで加温し、一晩攪拌し、次いで、カニューレを介してペンタン(150mL)とEt
2O(20mL)との混合物中に懸濁させたHfCl
4(9.2g、28.7ミリモル)に−78℃で、15分で加えた。混合物を室温まで加温し、2日間攪拌し、蒸発乾固した。残渣をペンタン(150mL)中で攪拌し、遠心分離した。上清を捨てた。残存する固体をメチレンクロライドで抽出し、遠心分離した。この溶液を真空下の乾燥に導き、黄色の固体(6.6g、31%収率)を得た。
【化31】
【0241】
(例1〜16)
メタロセン、活性化剤−担体、及び条件を変化させる触媒実験
表1における例1〜16は、2リットルの、イソブタン希釈剤及びアルミニウムアルキル共触媒及びスカベンジャーを用いて、様々な温度で、1ガロン(3.785リットル)ステンレス鋼オートクレーブ反応器中行われたエチレン重合実験を示す。水素もコモノマーも加えなかった。メタロセン溶液(2mg/mL)を、通常、トルエン15mL中メタロセン30mgを溶解させることによって調製した。典型的な重合手順は以下の通りである。イソブタン蒸気を放出させながら、アルミニウムアルキル化合物、処理された固体酸化物、及びメタロセン溶液を、充填口を介して、通常この順序で加えた。充填口を閉じ、イソブタン2リットルを加えた。反応器の内容物を攪拌し、所望の実験温度(表1)に加熱した。重合実験の特定の長さについて特定の圧力を維持するために必要に応じて、エチレンを供給した。反応器を、自動加熱冷却系によって、実験を通して所望の実験温度に維持した。
【0242】
割り付けられた重合時間後、エチレン流を止め、反応器をゆっくり圧抜きして、開き、粒状のポリマーを回収した。すべての場合に、反応器は、いかなる壁スケール、被覆物又は他の形態の付着物を示さず、汚れがなかった。次いで、ポリマーを取り出し、重さを量った(表1)。