特許第5774132号(P5774132)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスエムエス メーア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特許5774132-管端部加工機械 図000002
  • 特許5774132-管端部加工機械 図000003
  • 特許5774132-管端部加工機械 図000004
  • 特許5774132-管端部加工機械 図000005
  • 特許5774132-管端部加工機械 図000006
  • 特許5774132-管端部加工機械 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774132
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】管端部加工機械
(51)【国際特許分類】
   B23B 3/26 20060101AFI20150813BHJP
   B23B 5/16 20060101ALI20150813BHJP
   B23B 25/06 20060101ALI20150813BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALN20150813BHJP
【FI】
   B23B3/26
   B23B5/16
   B23B25/06
   !B23Q17/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-550797(P2013-550797)
(86)(22)【出願日】2012年1月5日
(65)【公表番号】特表2014-507292(P2014-507292A)
(43)【公表日】2014年3月27日
(86)【国際出願番号】EP2012000031
(87)【国際公開番号】WO2012100903
(87)【国際公開日】20120802
【審査請求日】2013年9月30日
(31)【優先権主張番号】102011009794.5
(32)【優先日】2011年1月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502056226
【氏名又は名称】エスエムエス メーア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SMS Meer GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ツァーベル
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー シュルツェ
(72)【発明者】
【氏名】ライナー デリクス
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ レハーク
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−085802(JP,A)
【文献】 特開昭60−141403(JP,A)
【文献】 特開平07−136802(JP,A)
【文献】 特開平08−025105(JP,A)
【文献】 特開平08−206921(JP,A)
【文献】 米国特許第03645638(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01190793(EP,A1)
【文献】 独国特許出願公開第10133856(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 3/00−11/00
B23B 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管端部加工機械であって、
当該管端部加工機械に対応して、制御のために、少なくとも1つの計算機ユニットが配置されており、複数の工具(13)が、半径方向で管に向かって接近調節可能に、スピンドルボックス(5)を貫通案内された主スピンドル(10)を介してモータ(4)により駆動される工具ヘッド(11)内で摺動可能に配置されており、該工具ヘッド(11)は、位置固定に緊締された管端部の周りを同軸的に回転し、前記工具は、スライダ(14A,14B;15A,15B;16A,16B)として構成された工具ホルダ内に配置されており、隣り合うスライダは、共に、バランスウェイト(23)を備えて構成された1つの歯車(21)に噛み合い、前記工具ヘッド(11)は、前記スライダ(14A,14B;15A,15B;16A,16B)に対応して配置された、組み込まれた送りモータ(17)を備えて構成されており、前記各スライダに対応して測定装置(24)が配置されている管端部加工機械において、
前記スピンドルボックス(5)の背面に接続する複数のハウジング(33;30)に、エネルギ−データ伝送部(32)の構成要素並びに制御−駆動ユニット(31)の構成要素が配置されており、該構成要素は、主スピンドル(10)内を延在するケーブルガイド(35)を介して、前記工具ヘッド(11)の前記送りモータ(17)及び前記測定装置(24)に接続されていることを特徴とする、管端部加工機械。
【請求項2】
半径方向の工具位置調節のために、前記各スライダ(14A,14B;15A,15B;16A,16B)に対応して被制御式の送りモータ(17)が配置されている、請求項1記載の管端部加工機械。
【請求項3】
半径方向の工具位置調節のために、それぞれ1つのスライダ対(14A,14B;15A,15B;16A,16B)に対応して被制御式の送りモータ(17)が配置されている、請求項1記載の管端部加工機械。
【請求項4】
前記送りモータ(17)としてトルクモータが設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載の管端部加工機械。
【請求項5】
前記送りモータ(17)は、半径方向のスライダ位置調節のために、前記スライダ(14A,14B;15A,15B;16A,16B)に配置されたスピンドル(19)に作用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の管端部加工機械。
【請求項6】
前記工具ヘッド(11)のベースボディ(12)は、それぞれ隣り合う前記スライダ(14A,14B;15A,15B;16A,16B)の対の間の空間にポケット(27)を備えて構成されており、該ポケット(27)内に、前記ケーブルガイド(35)に接続された、データ−出力伝送のためのコネクタユニット(28)が配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の管端部加工機械。
【請求項7】
前記主スピンドル(10)は、出力−データ伝送部の前記ハウジング(33)及び駆動−制御ユニットの前記ハウジング(30)を備える、請求項1から6までのいずれか1項記載の管端部加工機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管端部加工機械であって、該管端部加工機械に対応して、制御のために、少なくとも1つの計算機ユニットが配置されており、複数の工具が、半径方向で管に向かって接近調節可能に、スピンドルボックスを貫通案内された主スピンドルを介してモータにより駆動される工具ヘッド内で摺動可能に配置されており、工具ヘッドは、位置固定に緊締された管端部の周りを同軸的に回転し、工具は、スライダとして構成された工具ホルダ内に配置されており、隣り合うスライダは、共に、バランスウェイトを備えて構成された1つの歯車に噛み合う、管端部加工機械に関する。
【0002】
管端部を加工するため、特にねじ山付接続部を切削加工するためのそのような工具ヘッドを備える工作機械は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4438818号明細書において公知になっている。管のねじ山は、通常、管端部に沿って管端部を工具が一度通過すると製造され、その際、工具の運動は、数値制御される。この機械では、管のねじ山やねじれ部分(平面並びに外側斜面及び内側斜面)を形成する工具が位置固定に緊締された管に半径方向で接近調節可能に案内されているので、実際の工具ヘッドが重要である。管端部がその正確な位置に達すると、直ちに管自体が機械に対する所定の位置にもたらされ、工具送りがオンされる。
【0003】
加工工具は、工具ヘッドに、周方向に均等に分配して摺動可能に配置されており、この場合、使用される工具の数は任意であるが、但し、多くの場合6つの工具が設けられており、6つの工具のうち、それぞれ120°ずつずらされた3つの工具は同一方向に、そしてそれぞれ120°ずつずらされた別の3つの工具は前記方向に対して逆方向に同期的に動かされる。このような運動は、中央の歯車により行われ、中央の歯車に、工具を支持するスライダのラックが噛み合う。例えば1000回転/分の工具ヘッドの高い回転数の場合、運動する質量に極めて高い遠心力が生じ、この高い遠心力は、正確に位置決めすべき工具の、できるだけ小さく維持すべき送り力に対抗する。したがって、平歯車として構成された、スライダに噛み合う歯車は、同時に遠心力を補整する働きをする。但し、完全な遠心力補整は、スライダがその中間位置を占め、つまり単に中間−接近調節位置にある場合にしか得られない。
【0004】
スライダが、半径方向の接近調節に基づいて、もはや回転軸線から同一の半径方向間隔を占めず、その結果、スライダに作用する遠心力がもはや同一の大きさではなく、そしてもはや均衡していない場合に、補整機能を有するために、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10133856号明細書において、追加的な補整装置を設けることが公知である。この補整装置は、歯車に噛み合う歯列を備える棍棒状のバランスウェイトから成っている。この歯車は、第1のスライダのラックに係合している。但し、棍棒状の補整バランスにより、対抗モーメントは、比較的小さな振れによってしか生ぜしめることができない。バランスウェイトに噛み合わない別のスライダにおけるより大きな遠心力の差は、第1のスライダと、両方のスライダの間に配置された中央の歯車とを介して、対抗モーメントによって補整することしかできない。バランスウェイトが歯車に連結されているか又は歯車に組み込まれている択一的な構成が設けられている。
【0005】
そのような背景技術に基づく、これまで運転されてきたNCねじ山切削ヘッドもしくは工具ヘッドのシステムは、以下の機能原理に基づいている。
【0006】
相互に独立した3つのスライダ対が、工具ヘッドの1つのベースボディに埋め込まれている。
【0007】
それぞれ1つのスライダ(Aスライダ)が、スピンドル及び円錐ピニオンを備えて構成されている。
【0008】
第2のスライダ(Bスライダ)は、スライダの側方に配置されている歯付セグメント(連結車)及びラックを介して、Aスライダに連結されている。
【0009】
円錐ピニオンに対応して共通のかさ歯車が配置されており、かさ歯車は、主スピンドルの構成要素であり、伝動装置段を介して、主スピンドル駆動装置に結合されていて、かつ差動伝動装置を介して、主スピンドルに結合されている。
【0010】
サーボモータを介して差動伝動装置に導入される運動は、工具ヘッド内でAスライダに半径方向運動をもたらす。
【0011】
中央車もしくは連結車を介するBスライダとAスライダとの連結により、スライダに作用する遠心力が部分的に補整されることが達成される。
【0012】
このような補整は、連結車の内側に位置し、かつ伝動装置を介して動かされる追加的な補整バランスにより、ほぼ完全な遠心力の補整に至るまで更に高められる。
【0013】
公知の管端部加工機の前述の構造は、精度及び公差に関して欠点を伴う。連結車とラックとの間の不可避の歯のフランクの遊びに基づいて、Bスライダに対して、最大で±0.09mmの精度が得られるので、このことは、スライダが内側から外側へ又はその逆向きに移動させられる場合に、0.18mmの反転遊び(双方向運動遊び)を意味する。したがって、幾分か高い精度を有するAスライダは、ねじ切りのために使用され、これに対して要求がより小さい平面、外側斜面及び内側斜面のために、Bスライダが使用される。
【0014】
要求が極めて高いプレミアム結合部(プレミアム結合部とは特殊結合部と解され、そこでは、円錐形のねじ山、シール座及び突き合わせ部が結合部をシールするために用いられる)を製造するためには、そのような精度は不十分である。したがってこれらの結合部には、ねじ山−シール座直径に0.01mmを下回る精度、並びに表面粗さRaが1.6μm以下のシール座及び突き合わせ部における表面粗さが要求される。
【0015】
したがって本発明の課題は、冒頭で述べたような管端部加工機械を改良して、より高い融通性及びより大きなプロセス速度で、同時に精度の大幅な向上を可能にし、特に同一の機械でプレミアム結合部もしくは特殊結合部も製造することができるものを提供することである。
【0016】
この課題は、本発明によれば、工具ヘッドが、スライダに対応して配置された、組み込まれた送りモータを備えて構成されており、各スライダに測定装置が対応して配置されていることにより、解決される。送りモータ、好適にはトルクモータは、工具ヘッドのベースボディに配置されていて、負荷下の摺動の迅速で正確な補整を可能にする。測定システムと協働して、全てのスライダひいてはスライダに直接にフランジ結合された加工工具の位置バランスの持続的な監視機能を有する分散した電気機械式の駆動が実現される。例えば誘導式又は増分式の測定装置/システムを電子評価装置に接続することができ、例えば工具ヘッドに組み付けられた測定システムに対応して、工具ヘッドのベースボディに配置された接触ヘッドを備える、直線状に運動する工具キャリッジの側方に設けられた測定帯(メジャー)を配置することができる。
【0017】
本発明の好適な態様によれば、半径方向の工具位置調節のために、各スライダに対応して、被制御式の送りモータが配置されており、これにより、制御される6本のX軸線、つまり工具もしくはスライダの半径方向の接近調節を実現することができる。機械的な駆動トレーン全体を省略して、同形の各スライダが普遍的に柔軟に接近調節可能であることとは別に、電気的な緊締もしくは固定が可能となって、極めて程度の高いゼロバックラッシュを可能にし、このことは、より高い精度を有するプレミアム結合部もしくは特殊結合部も製造できる前提を成している。さらにこのことは、球形又は円錐形等の輪郭を有するシール部分を形成するためのX軸線の反転運動でも役立つ。というのも、大き過ぎる反転遊びが、スライダもしくは工具の直接の駆動により排除され、殆ど解消されるからである。
【0018】
本発明の別の提案に基づいて、送りモータが、半径方向の位置調節のために、スライダに配置されたスピンドルに作用する場合、ゼロバックラッシュは、極めて短い駆動トレーンに基づいて、直接にローラねじ山伝動装置として構成されたスピンドルにとって更に好適に働く。
【0019】
択一的に、半径方向の工具位置調節のために、それぞれ1つのスライダ対に対応して被制御式の送りモータが配置されている。各スライダに個々のモータが配置された構成とは異なり、スライダ対−モータは、必要なより大きなトルクにより、相応により大きく寸法設定しなければならない。但し、スライダのための測定装置(この場合測定装置はスライダの組み込まれた構成要素であってよい)を備えて構成された工具ヘッドは、モータアセンブリの1つの態様でも別の態様でも、既存の管端部加工機械のための後装備部分として適切である。
【0020】
本発明の好適な改良形では、スピンドルボックスの背面に接続するハウジング内に、エネルギ−データ伝送の構成要素並びに制御−駆動ユニットの構成要素が配置されており、構成要素は、主スピンドル内を延在するケーブルガイドを介して、送りモータ及び工具ヘッドの測定装置に接続されており、この場合、好適な態様では、出力−データ伝送のハウジング及び駆動−制御ユニットのハウジングが主スピンドル上に配置されている。相互に独立した、ベースボディに埋め込まれた3つのスライダ対を備えるNC工具ヘッドは、機械的な接触箇所(円錐収容部)を介して、スピンドルボックスの主スピンドルに接続されている。工具ヘッドに組み込まれた送りモータ及び付属の制御装置のための駆動エネルギも、工具ヘッド内でスライダを位置決めするために必要であり、例えば運転−状況データの交換のための、測定システムへの制御技術的な情報も、定位置の部分と回転する部分(中空に構成された主スピンドル)との間の接触箇所を介して伝送される。エネルギ伝送やデータ伝送(非直接的なエネルギ伝送及び双方向的なデータ交換)のための、好適に使用される非接触式の伝送技術は、大きな直径(主−もしくは中空スピンドル)に起因する高い周方向速度に関して特に適切である。
【0021】
エネルギ伝送のために、定位置の装置として入力側の整流器及びインバータがスピンドルボックスの傍に配置され、これにより、誘導性の空隙伝送装置の一次側に対するできるだけ短い接続を実現することができる。整流のための構成要素及び二次側での平滑化のための構成要素は、駆動−制御ユニットと共にハウジングに収容することができる。
【0022】
双方向性のデータ伝送は、好適には容量形の連結部により行われる。一方では空隙コンデンサの設計及び他方では汚染物質の侵入に対する伝送装置の遮蔽は、産業上の環境におけるトラブルのない運転のために設定された要求に対応する。
【0023】
全てのデータ−もしくは信号構成要素及び出力構成要素は、計算ユニットに接続されており、この場合、X軸線(スライダもしくは工具の半径方向位置調節)の制御−駆動ユニットは、主スピンドル及びZ軸線(主スピンドルの駆動モータを含む工具キャリッジ上に配置されたスピンドルボックスを備える工具キャリッジの直線状の接近調節)との同期化のために、1つの制御−駆動ユニットを介して、上位の制御−駆動ユニットに接続されている。軸線/スピンドルの補間のために、両方の制御装置は、バスシステムを介して連結することができる。上位の制御装置は、標準機能として、運転グラフの記録を含むX軸線の監視を有する。
【0024】
本発明の格別な態様によれば、工具ヘッドのベースボディは、それぞれ隣り合うスライダの対の間の空間にポケットを備えて構成されており、ポケットには、ケーブルガイドに接続された、データ−出力伝送のためのコネクタユニットが配置されている。したがって、工具ヘッドと、スピンドルボックスの背面に配置された駆動−制御電子装置との間の接続は、2つの接続箇所(つまりケーブルガイド内に配置されたケーブルと共にケーブルガイドの前側の端部及び後側の端部により提供される)を介して得られる。このことは、一方では工具ヘッドの簡単な取外しを可能にし、他方では故障した構成要素の簡単な交換を可能にする。したがって、第1の接続箇所は、同形の3重の構成において、工具ヘッドのベースボディに設けられたポケット内に存在する。ケーブルガイドのコネクタ接続部を取り外すためには、単に、内側に位置する3つのポケットで接続部を外すだけでよい。ポケットは、閉鎖カバーにより閉じられているので、閉鎖カバーは、ポケットへのアプローチのために取り外さなければならない。ポケットと、組み込まれた電気的な構成要素との間において底部に設けられた内側の開口は、コネクタを含むケーブルガイドを貫通案内することができるように、構成されている。したがって、モータ−センサ−測定システムの全てのエネルギ−出力ラインもしくはデータ−信号ラインは、工具ヘッドのベースボディにおいてポケット内に配置されたコネクタに案内される。
【0025】
第2のコネクタ接続部もしくはケーブルガイドの後方端部における接続箇所は、対向部材としてのピンインサートを介して、スピンドルボックスの背面側で、定位置のハウジングに配置された、エネルギ−データ伝送部の構成要素並びに制御−駆動ユニットの構成要素に接続することができる。
【0026】
本発明の別の詳細及び特徴は、特許請求の範囲及び図面に示された本発明の態様に基づく以下の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】キャリッジもしくは工具キャリッジ上に配置されたユニットと共にキャリッジもしくは工具キャリッジの全体的な斜視図で管端部加工機械を詳しく示す図である。
図2】主スピンドル上に配置された工具ヘッドのための駆動トレーンの全体的な斜視図で図1の工具キャリッジを詳しく示す図である。
図3】管端部加工機械の工具ヘッドを示す正面斜視図である。
図4図3のIV−IV線に沿った縦断面図で図3の工具ヘッドを示す図である。
図5】工具ヘッドのスライダ対の横断面図で図3の工具ヘッドを詳しく示す図である。
図6】主スピンドル上に配置された工具ヘッドのベースボディと、データ−エネルギ伝送並びにパワーエレクトロニクスのための、後側もしくは後方に形成されたハウジングとを含む主スピンドルの縦断面図であり、この縦断面図では、下半分は上半分とは別の平面上を延在している。
【0028】
基本構造に関して十分に公知の管端部加工機械のうち、図1には、滑りガイド1により、機械ベッドのリニアガイド上で、矢印で表したように長手方向もしくはZ方向に往復移動可能な工具キャリッジ2が示されている。キャリッジハウジング3上に、モータ4及びスピンドルボックス5が配置されている。モータ4は、駆動出力を、ピニオン7を備える駆動軸6及び中間歯車8を介して、スピンドルボックス5を貫通案内される中空の主スピンドル10の外歯環9に伝達する。主スピンドル10により、スピンドルボックス5の前面に配置された工具ヘッド11が回転する。工具ヘッド11を含む前述の駆動トレーンは、図2では、スピンドルボックスを省いて示されている。
【0029】
図3に略示された工具ヘッド11は、ベースボディ12に形成された、対偶を成して協働する、工具13を支持する3つのスライダ、つまりスライダ対14A,14B;15A,15B;16A,16Bを備える。スライダもしくはスライダ対ひいてはスライダにより支持される工具13を半径方向に接近調節するために、本態様では、各スライダ14A,14B;15A,15B;16A,16Bに対応して、トルクモータとして構成された1つの送りモータ17が配置されている。択一的に、それぞれ1つのスライダ対に1つの送りモータ17が作用してもよい。
【0030】
図4の長手方向断面図から看取されるように、工具ヘッド11は、主スピンドル10に結合するために、円錐収容部18として構成された機械的な接触箇所と、各スライダ14A,14B;15A,15B;16A,16BのX軸線方向にスライダを位置調節するために、各送りモータ17が作用するスピンドル19(ローラねじ山伝動装置)を備える。図5に示すように、スライダは、1箇所でラック20を備え、各スライダ対14A,14B;15A,15B;16A,16Bの個々のスライダは、隣り合うラック20に噛み合う中央のセグメント車22を備える連結車結合部21を介して、相互に結合されている。工具ヘッド11の回動により発生する遠心力は、連結車結合部21と、連結車結合部21に組み込まれたバランスウェイト23とを介して補整される。
【0031】
全てのスライダ対14A,14B;15A,15B;16A,16Bの位置バランスを維持するために、つまり、全てのサイズAのスライダ及び全てのサイズBのスライダの位置バランスを維持するために、スライダは、管端部加工機械の運転中、持続的に監視される。したがって、図5に示されているように、本態様では、各スライダは、走査ヘッドとリニアセンサ25とを含む組み込まれた測定装置24を備える。選択的に、スライダ位置は、スライダのスピンドル19に設けられた回転数センサシステムにより特定することができる。
【0032】
管端部加工機械は、工具ヘッド11を備えて構成されており、工具ヘッド11は、ベースボディ12の自由空間にもしくはベースボディ12のスライダ対14A,14B;15A,15B;16A,16Bの間の間隔に、図3に略示されているように、カバー26により閉じられたポケット27を備え、ポケット27に、コネクタユニット28が内設されており、コネクタユニット28に、モータ−、センサ−、測定システムもしくはモータ−、センサ−、測定装置の全てのエネルギ−データラインが案内される(図6も参照)。この場合、コネクタユニット28は、所期のように個々の構成要素(送りモータ、ロータ位置センサ、直接的な測定システム)に対応して配置されている。
【0033】
主スピンドル10は、図6に示すように、出力−信号伝送のために、定位置の部分及び回転する部分を備えて構成されている。スピンドルボックス5(図1)の背面に接続する区分で、主スピンドル10は、外側カバー29により閉じられた、制御−駆動ユニット31(図示していない、矢印で示すにとどめた)の構成要素を収容するためのハウジング30と、エネルギ−データ伝送部32の構成要素(同じく矢印で示すにとどめた)を収容するための、2部分から成るハウジング33とを備える。ハウジング33は、主スピンドル10と共に回転する内側ハウジング33aと、定位置の外側ハウジング33bとから成っており、この場合、回転する部分と定位置の部分との間の分離箇所は、ほぼライン34に沿って延在している。
【0034】
主スピンドル10内では、ケーブルガイド35内に、制御−駆動ユニット31の構成要素もしくはエネルギ−データ伝送部32の構成要素のハウジング30,33に向かって複数のケーブルが延在している。中空スピンドルとして構成された主スピンドル10は、その中空室内で、出力−信号−データ伝送のための図示していない別の構成要素及びケーブル接続部を備える。制御される6本のX軸を有する工具ヘッドを備える管端部加工機械の様々な駆動装置を制御するための計算ユニットは図示されていない。
【符号の説明】
【0035】
1 滑りガイド
2 工具キャリッジ
3 キャリッジハウジング
4 モータ
5 スピンドルボックス
6 駆動軸
7 ピニオン
8 中間車
9 外歯環
10 主スピンドル
11 工具ヘッド
12 ベースボディ
13 工具
14A,B スライダ/スライダ対
15A,B スライダ/スライダ対
16A,B スライダ/スライダ対
17 送りモータ/トルクモータ
18 円錐収容部/機械的な接触箇所
19 スピンドル(ローラねじ山伝動装置)
20 ラック
21 連結車結合部
22 セグメント車
23 バランスウェイト
24 測定装置
25 リニアセンサ
26 カバー
27 ポケット
28 コネクタユニット
29 外側カバー
30 ハウジング
31 制御−駆動ユニット/パワーエレクトロニクス
32 エネルギ−データ伝送部
33 ハウジング
33a 内側ハウジング
33b 外側ハウジング
34 分離箇所/ライン
35 ケーブルガイド
X 軸線
Z 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6