特許第5774164号(P5774164)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774164
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】把持装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/00 20060101AFI20150813BHJP
【FI】
   B25J15/00 D
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-131091(P2014-131091)
(22)【出願日】2014年6月26日
(65)【公開番号】特開2015-9357(P2015-9357A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2014年6月26日
(31)【優先権主張番号】201310258698.2
(32)【優先日】2013年6月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503023069
【氏名又は名称】鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】朱 永剛
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−161590(JP,U)
【文献】 実開昭64−000522(JP,U)
【文献】 特開平06−226582(JP,A)
【文献】 実開昭61−030603(JP,U)
【文献】 実開平02−094030(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0260752(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の把持部材を備え、該各把持部材は、基部及び前記基部に設置された把持部品を備え、前記複数の把持部材の基部が互いに接触して重ね合わせられた把持装置において、
前記把持装置は、調節部材及び駆動部材を備え、前記駆動部材は、固定部材、駆動部品及び支持部材を備え、前記支持部材の一端は、前記固定部材に固定され、前記複数の把持部材の基部は、スライド可能に前記支持部材に貫通され、前記駆動部品は、前記固定部材に設置され、且つ前記固定部材に隣接する基部に固定され、前記調節部材は、互いに平行に位置する第一調節部材及び第二調節部材を備え、前記第一調節部材の一端は、前記固定部材に隣接する基部に固定され、前記第一調節部材は、対応する前記基部の側壁とスライド可能に接触される複数の第一階段を備え、前記複数の第一階段は、前記固定部材から離れる方向に沿って高くなり、前記第二調節部材の両端は、それぞれ前記固定部材及び前記固定部材から離れている基部に固定され、前記第二調節部材は、対応する前記基部の側壁とスライド可能に接触する複数の第二階段を備え、前記複数の第二階段は、前記固定部材から離れる方向に沿って低くなり、前記駆動部材は、前記駆動部材に固定される1つの前記基部を前記支持部材に沿って移動させ、且つ前記第一調節部材を連動し、各第一階段の側壁は、対応する基部の前記固定部材から離れている側面にロックされ、各第二階段の側壁は、対応する基部の前記固定部材に向かう側面にロックされ、前記複数の基部は、一定の間隔をあけて設置され、且つ定位されることを特徴とする把持装置。
【請求項2】
前記第一調節部材は、互いに反対側に位置する第一固定端及び第一ロック端を備え、前記第一固定端は、前記固定部材に隣接する前記基部に固定され、前記複数の第一階段は、前記第一固定端と前記第一ロック端との間に設置され、且つ、前記固定部材から離れる方向に沿って徐々に高くなり、前記第二調節部材は、前記固定部材に固定される第二固定端及び前記固定部材から離れている前記基部に固定される第二ロック端を備え、前記複数の第二階段は、前記第二調節部材の第二固定端と第二ロック端との間に設置され、且つ前記固定部材から離れる方向に沿って徐々に低くなることを特徴とする請求項1に記載の把持装置。
【請求項3】
各第一階段は、第一接触部及び前記第一接触部の一側から垂直に延在する第一係合部を備え、前記第一係合部は、隣接する2つの第一接触部に接続され、各第二階段は、第二接触部及び該第二接触部の一側から垂直にそれぞれ延在し、且つ隣接する2つの前記第二接触部に接続される第二係合部を備え、前記各第一階段の前記第一接触部の長さは、前記各第二階段の前記第二接触部の長さに等しく、前記各第一階段の前記第一接触部は、対応する前記基部の前記第一調節部材に隣接する側面とスライド可能に接触し、且つ前記第一階段の前記第一係合部は、対応する基部の前記固定部材から離れている側面にロックされ、前記各第二階段の前記第二接触部は、対応する前記基部の前記第二調節部材に隣接する側面とスライド可能に接触し、且つ前記第二階段の前記第二係合部は、対応する前記基部の前記固定部材に向かう側面にロックされることを特徴とする請求項1または2に記載の把持装置。
【請求項4】
各基部の前記第一調節部材及び前記第二調節部材双方に隣接する一側には、一定の間隔をあけて第一スライド溝及び第二スライド溝が設けられ、前記第一スライド溝及び前記第二スライド溝は、それぞれ対応する前記基部の互いに反対側に位置する2つの側面を貫通し、各第一階段は、前記第一スライド溝の底部とスライド可能に接触され、各第二階段は、前記第二スライド溝にスライド可能に接触されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の把持装置。
【請求項5】
前記複数の基部の前記第一スライド溝は、前記固定部材から離れる方向に沿って深くなり、前記複数の基部に対応する前記第二スライド溝は、前記固定部材から離れる方向に沿って浅くなることを特徴とする請求項4に記載の把持装置。
【請求項6】
前記基部には、気体通路が設けられ、前記気体通路の内壁には、突起が設けられ、各把持部材は、本体及び前記本体の一端に形成されたロック部を備え、前記本体は、前記気体通路内に収容され、且つ対応する前記基部から突出し、前記ロック部は、前記突起にロックされ、各把持部材には、対応する前記本体及び前記ロック部を貫通した通気孔が設けられ、前記通気孔は、前記気体通路と連通することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の把持装置。
【請求項7】
各把持部材は、対応する前記基部に固定された蓋板を備え、前記蓋板には、対応する前記気体通路と連通する通孔が設けられ、各把持部材は、ソケットを備え、前記ソケットは、前記通孔内に収容されることを特徴とする請求項6に記載の把持装置。
【請求項8】
前記固定部材は、第一固定板を備え、前記第二調節部材の一端は、前記第一固定板に固定され、前記第一固定板には、挿入孔が設けられ、前記駆動部材は、前記第一固定板に接続されたシリンダー及び前記シリンダーにスライド可能に設置された駆動棒を備え、前記駆動棒は、前記挿入孔を通過し、且つ前記固定部材に隣接する基部に固定されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の把持装置。
【請求項9】
前記駆動部材は、前記第一固定板に隣接する前記基部に接続される接続板を備え、前記駆動棒の前記シリンダーから離れている一端は、前記接続板に固定されることを特徴とする請求項8に記載の把持装置。
【請求項10】
複数の把持部材を備え、各把持部材は、基部及び前記基部に設置された把持部材を備え、前記複数の把持部材の基部が互いに接触して重ね合わせられた把持装置において、
前記把持装置は、調節部材及び駆動部材を備え、前記駆動部材は、前記駆動部材に隣接する前記基部に固定され、各基部の両側には、第一スライド溝及び第二スライド溝がそれぞれ設けられ、前記調節部材は、前記複数の基部の両側を支持し、且つ互いに平行に設置された第一調節部材及び第二調節部材を備え、前記第一調節部材は、前記複数の第一スライド溝内に受けられ、前記第一調節部材の一端は、前記駆動部材に隣接する基部に固定され、前記第一調節部材には、対応する前記第一スライド溝の底部にスライド可能に接触する複数の第一階段が設けられ、前記複数の第一階段は、前記複数の第一階段の前記駆動部材から離れる方向に沿って、徐々に高くなり、前記第二調節部材は、前記複数の第二スライド溝内に受けられ、且つ前記第二調節部材の両端は、前記駆動部材及び前記駆動部材から離れている前記基部にそれぞれ固定され、前記第二調節部材には、対応する前記第二スライド溝の底壁にスライド可能に接触する複数の第二階段が設けられ、前記複数の第二階段は前記駆動部材から離れる方向に沿って徐々に低くなり、前記駆動部材は、前記第一調節部材を動かし、各第一階段の側壁は、対応する前記基部の前記駆動部材から離れる側面にロックされ、且つ各第二階段の側壁は、対応する前記基部の前記駆動部材に向かう側面にロックされ、前記複数の基部は、一定の間隔をあけて設置され、且つ定位されることを特徴とする把持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、把持装置に関し、特にトレーの中において異なる距離に設置されたワークを同時に把持する把持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工業製品の生産過程において、複数の小さなワークを第一トレーの複数の収容溝内に収容し、把持装置(例えば、ロボット)を介して、第一トレーの複数の収容溝内に収容された複数のワークを同時に把持した後、移動部材を介して、この複数のワークを第二トレーの複数の収容溝に搬送する。この際、把持装置の複数の爪部の間の間隔は、第一トレーの複数の収容溝の間の間隔と対応する。しかし、第二トレーの複数の収容溝の間の間隔が、第一トレーの複数の収容溝の間の間隔と異なる場合、把持した複数のワークの間の間隔が、第二トレーの収容溝の間の間隔と異なるため、ワークを正確に第二トレーの収容溝に収容させることができない。この際、爪部を利用すれば、ワークを1つずつ第二トレーの収容溝に搬送することができるが、このような搬送方法では搬送効率が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、複数の把持部材の間の間隔を調整することができる把持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明の把持装置は、複数の把持部材を備え、各把持部材は、基部及び前記基部に設置された把持部材を備え、前記複数の把持部材の基部は互いに接触して重なり合い、前記把持装置は、調節部材及び駆動部材を備え、前記駆動部材は、固定部材、駆動部品及び支持部材を備え、前記支持部材の一端は、前記固定部材と固定され、前記複数の把持部材の基部は、スライド可能に前記支持部材に貫通され、前記駆動部材は、前記固定部材に設置され、且つ前記固定部材に隣接する基部に固定され、前記調節部材は、互いに平行に位置する第一調節部材及び第二調節部材を備え、前記第一調節部材の一端は、前記固定部材に隣接する基部に固定され、前記第一調節部材は、対応する前記基部の側壁とスライド可能に接触される複数の第一階段を備え、前記複数の第一階段は、前記固定部材から離れる方向に沿って高くなり、前記第二調節部材の両端は、前記固定部材及び前記固定部材から離れている基部にそれぞれ固定され、第二調節部材は、対応する前記基部の側壁とスライド可能に接触される複数の第二階段を備え、前記複数の第二階段は、前記固定部材と離れる方向に沿って低くなり、前記駆動部材は、前記駆動部材に固定される1つの前記基部を、前記支持部材に沿って移動させ、且つ前記第一調節部材を連動し、各第一階段の側壁は、対応する基部の前記固定部材から離れている側面にロックされ、且つ各第二階段の側壁は、対応する基部の前記固定部材に向かう側面にロックされ、前記複数の基部は、一定の間隔をあけて設置され、且つ定位される。
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の把持装置は、複数の把持部材を備え、各把持部材は、基部及び前記基部に設置された把持部材を備え、前記複数の把持部材の基部が互いに接触して重なり合い、前記把持装置は、調節部材及び駆動部材を備え、前記駆動部材は、前記駆動部材に隣接する前記基部に固定され、各基部の両側には、第一スライド溝及び第二スライド溝がそれぞれ設けられ、前記調節部材は、前記複数の基部の両側を支持し、且つ互いに平行に位置する第一調節部材及び第二調節部材を備え、前記第一調節部材は、前記複数の第一スライド溝内に受けられ、前記第一調節部材の一端は、前記駆動部材に隣接する基部に固定され、前記第一調節部材には、対応する前記第一スライド溝の底部にスライド可能に接触される複数の第一階段が設けられ、前記複数の第一階段は、前記駆動部材から離れる方向に沿って、徐々に高くなり、前記第二調節部材は、前記複数の第二スライド溝内に受けられ、且つ前記第二調節部材の両端は、それぞれ前記駆動部材及び前記駆動部材から離れている前記基部に固定され、前記第二調節部材には、対応する前記第二スライド溝の底壁にスライド可能に接触する複数の第二階段が設けられ、前記複数の第二階段は、前記駆動部材から離れる方向に沿って徐々に低くなり、前記駆動部材は、前記第一調節部材を動かし、各第一階段の側壁は、対応する前記基部の前記駆動部材から離れる側面にロックされ、各第二階段の側壁は、対応する前記基部の前記駆動部材に向かう側面にロックされ、前記複数の基部は、一定の間隔をあけて設置され、且つ定位される。
【発明の効果】
【0006】
本発明の把持装置は、第一調節部材及び第二調節部材には、第一階段及び第二階段が設けられ、第一階段及び第二階段は、それぞれ複数の対応する基部とスライド可能に接触し、複数の第一階段の高さの上昇方向は、複数の第二階段の高さの上昇方向と反対の方向であり、駆動部材は、複数の基部を駆動させ、且つ対応する第一調節部材及び第二調節部材を移動させて、把持部材の間の間隔を変更させるため、把持部材の間の間隔は、異なるトレーの収容溝の間隔と対応する。これにより、把持装置は、毎回複数のワークを把持し、且つ収容溝の間隔が異なるトレーに収容できるため、加工効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る第一実施形態の把持装置の斜視図である。
図2図1に示した把持装置の分解斜視図である。
図3図1に示した把持装置の把持部材の斜視図である。
図4図1に示した把持装置の駆動部材の斜視図である。
図5図1に示した把持装置の使用状態図である。
図6】本発明に係る第二実施形態の把持装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて、本発明に係る把持装置について詳細に説明する。図1に示したように、第一実施形態の把持装置100は、複数の把持部材20、調節部材40及び駆動部材60を備える。複数の把持部材20は、一定の間隔をあけて設置されており、調節部材40は、複数の把持部材20をロックし、且つ駆動部材60によって駆動され、駆動部材60は、複数の把持部材20を貫通して、隣接する1つの把持部材20に固定される。把持装置100は、外部の移動部材(図示せず)を介して、トレー(図示せず)の収容溝(図示せず)内に収容されているワーク(図示せず)を移動させる。
【0009】
図2及び図3に示したように、把持部材20は、基部22、把持部品24、蓋板26及びソケット28を備える。把持部品24は、基部22に設置され、蓋板26は、基部22をカバーし且つソケット28と固定される。本実施形態において、把持部材20の数量は、5つであり、把持部材20は真空吸着方式によってワークを把持する。他の実施形態において、把持部材20の数量は5つに限定されず、2つ、4つ或いは5つ以上の数量であってもよい。この際、把持部品24は、他の把持方式によって、ワークを把持する。
【0010】
基部22は、矩形状を呈し、且つ互いに反対側に位置する2つの第一側面221と、2つの第一側面221にそれぞれ接続される2つの第二側面223と、2つの第一側面221及び2つの第二側面223にそれぞれ接続される2つの第三側面225と、を備える。基部22の第一側面221の中央部には、気体通路222が設けられている。気体通路222の形状は、T形状を呈し、内壁には突起226が設けられている。基部22の2つの第二側面223には、一定の間隔をあけてそれぞれ形成された第一スライド溝227及び第二スライド溝228が設けられている。5つの基部22の第一スライド溝227の深さは、駆動部材60から離れる方向に沿って深くなり、駆動部材60と最も離れている基部22には、第二スライド溝228は設けられていない。基部22には、一定の間隔で、且つ2つの第三側面225を貫通する複数のスライド孔229が設けられており、複数のスライド孔229は、気体通路222の両側に位置する。本実施形態において、スライド孔229の数量は、4つである。他の実施形態において、スライド孔229の数量は、4つに限定されず、1つ、2つ、3つ或いは4つ以上の数量であってもよい。
【0011】
把持部品24は、気体通路222内に収容され、且つ一方の第一側面221から突出する。把持部品24は、T形状を呈し、該形状は、気体通路222の形状と対応する。把持部品24は、本体241及び本体241の一端に形成されたロック部243を備え、ロック部243の両側は、本体241の周縁から突出している。本体241は、気体通路222内に収容された際、一方の第一側面221から突出する。この際、ロック部243は突起226にロックされる。また、把持部品24には、通気孔245が設けられており、この通気孔245は、本体241及びロック部243を貫通し、且つ気体通路222と連通する。通気孔245は、把持部品24の長手方向に沿って延在している。
【0012】
蓋板26は、基部22の他方の第一側面221に設置され、且つ基部22に固定される。蓋板26の中央部には、気体通路222と連通する通孔262が設けられている。ソケット28は、この通孔262に挿し込むことで、気体通路222と連通する。
【0013】
調節部材40は、互いに平行な2つの第一調節部材42及び2つの第二調節部材44を備え、第一調節部材42は、第二調節部材44と平行に設置される。第一調節部材42は、複数の基部22の第一スライド溝227にロックされ、且つ最も駆動部材60に隣接する基部22に固定される。第一調節部材42は、細長い形状を呈し且つ互いに反対側に位置する固定端421及びロック端423と、固定端421とロック端423との間に順に設けられた複数の第一階段422と、を備える。複数の第一階段422の長さはそれぞれ等しい。複数の第一階段422は、固定端421からロック端423に向けて徐々に高くなっている。第一階段422は、接触部4221及び接触部4221の一側から垂直に延在された係合部4223を備え、接触部4221は、隣接する2つの係合部4223に接続されている。第一階段422の接触部4221は、対応する第一スライド溝277の底部と接触し、且つ第一スライド溝227に沿ってスライドする。各第一階段422の係合部4223は、対応する基部22の第三側面225と接触する。固定端421に隣接する第一階段422は、対応する第一スライド溝227にロックされて、基部22に固定される。第一階段422の基部22と対向する一側は斜面である。本実施形態において、ロック端423と隣接する第一階段422は、接触部4221を備え、第一階段422の数量は、5つである。他の実施形態において、第一階段422の数量は、2つ、3つ、4つ或いは5つ以上の数量である。他の実施形態において、第一調節部材42及び第二調節部材44の数量は、1つであり、第一調節部材42及び第二調節部材44は、複数の基部22の同じ一側に設置される、或いは複数の基部22の両側に設置される。この際、各基部22の第一スライド溝227及び第二スライド溝228は1つであり、且つ基部22の同じ側に設置される或いは基部22の2つの第二側面223に設置される。
【0014】
第二調節部材44は、第一調節部材42に平行に設置され、複数の基部22にロックされ、且つ駆動部材60から最も離れている基部22に固定される。第二調節部材44は、細長い形状を呈し且つ互いに反対側に位置する固定端441及びロック端443と、固定端441とロック端443との間に順に設けられた複数の第二階段442と、を備える。複数の第二階段442の長さはそれぞれ等しい。複数の第二階段442は、固定端441からロック端443に向けて徐々に低くなっている。即ち、第二調節部材44の複数の第二階段442の上昇方向は、第一調節部材42の複数の第一階段422の上昇方向と反対の方向である。第二階段442の基部22と対向する一側は斜面である。第二階段442の長さは、第一階段422の長さより長い。第二階段442は、接触部4421及び接触部4421の一側から垂直に延在された係合部4423を備え、係合部4423は、隣接する2つの第二階段442の接触部4421と接続する。第二階段442の接触部4421は、対応する第二スライド溝228の底部と接触し、且つ第二スライド溝228に沿ってスライドする。第二階段442の係合部4423は、対応する基部22の第三側面225と接触し、また、各第二階段442の係合部4423と、対応する第一階段422の係合部4223と、はそれぞれ対応する基部22の2つの第三側面225と接触して、複数の基部22に固定される。ロック端443と隣接する第二階段442は、対応する基部22に固定される。本実施形態において、第二階段442の数量は、5つである。他の実施形態において、第二階段442の数量は、2つ、3つ、4つ或いは5つ以上の数量である。
【0015】
図4に示したように、駆動部材60は、固定部材61、固定部材61に固定された駆動部品63及び複数の支持部材65を備える。
【0016】
図5を併せて参照すると、固定部材61は、第一固定板612及び第一固定板612に隣接して設置された第二固定板618を備える。第一固定板612は、T形状を呈し且つ第一表面611及び第一表面611と反対の第二表面613を備える。第一固定板612には、第一表面611と第二表面613とを貫通する挿入孔615及び複数の固定孔616が設けられている。複数の固定孔616は、挿入孔615の周縁を囲み、且つ互いに一定の間隔をあけて設置されている。第一固定板612の両側には、それぞれ固定溝617が設けられており、該固定溝617は、第一表面611及び第二表面613を貫通している。第二調節部材44の固定端441は、固定溝617中に収容され、且つ固定部(図示せず)を介して固定される。該固定部は、例えば、ネジである。第二固定板618は、第二表面613に隣接して設置され、且つ第一固定板612に固定される。これにより、第二固定板618は挿入孔615を覆う。また、第二固定板618には、挿入孔615と連通する貫通孔(図示せず)が設けられている。
【0017】
駆動部品63は、順に貫通孔及び挿入孔615を貫通し、且つ1つの基部22に固定される。基部22は、第一調節部材42に固定される。駆動部品63は、シリンダー631、駆動棒633、接続板635、第一連通部636及び第二連通部637を備える。シリンダー631の一端は、第二固定板618に固定され、駆動棒633の一端は、移動可能にシリンダー631内に収容される。駆動棒633の他端は、シリンダー631から突出し、且つ順に貫通孔及び挿入孔615を通過して、接続板635に固定される。接続板635は、1つの基部22に固定され、この基部22は、第一調節部材42に固定される。第一連通部636は、シリンダー631と連通し、且つ外部の給気装置(図示せず)と接続されて、給気装置が提供した気体をシリンダー631に送る。駆動棒633はシリンダー631から突出している。第二連通部637は、シリンダー631と連通し、且つ外部の真空ポンプ(図示せず)と接続される。真空ポンプは、シリンダー631内の気体を排出し、この際、駆動棒633は、第一固定板612からの突出量が小さくなり、且つシリンダー631内に収容される。
【0018】
支持部材65は、円柱状を呈し、支持部材65の一端は、対応する固定孔616を貫通し、且つ第一固定板612に固定され、支持部材65の他端は、スライド可能にスライド孔229を貫通する。本実施形態において、支持部材65の数量は、4つである。他の実施形態において、支持部材65の数量は、1つ、2つ、3つ或いは4つ以上の数量である。
【0019】
把持装置100を組み立てる際、先ず、複数の支持部材65を順に複数の基部22の対応するスライド孔229に貫通させた後、接続板635を、複数の基部22のうちの最も駆動部品63に近い基部22に固定する。次に、第一調節部材42を、複数の基部22の対応する第一スライド溝227にロックし、第一調節部材42の固定端421と隣接する第一階段422を対応する基部22に固定する。引き続き、第二調節部材44を、複数の基部22にロックし、第二調節部材44の固定端441を固定溝617内に収容し、且つ第一固定板612に固定する。次に、第二調節部材44のロック端443を、複数の基部22のうち接続板635から最も離れている基部22に固定する。
【0020】
図5に示したように、把持装置100がトレーからワークを把持する際、給気装置を第一連通部636に連通させ、給気装置が提供した気圧によって、駆動棒633を介して複数の基部22を動かす。この際、基部22は、第二調節部材44の複数の第二階段442に沿ってスライドする。即ち、基部22は、第一固定板612と離れる方向に向けて移動する。複数の基部22のうち接続板635から最も離れている2つの基部22が互いに接触すると、駆動棒633は動作を停止する。この際、複数の基部22は互いに接触して重なり合い、また、隣接する2つの把持部品24の間の間隔は、トレーの収容溝の間隔に等しい。複数の把持部材20のソケット28は、外部の真空発生器(図示せず)に接続され、把持部品24は、真空吸着力によって、トレーに収容されたワークを把持する。
【0021】
把持したワークを複数の収容溝の間の間隔が異なる別のトレーに送る際、外部の真空ポンプを第二連通部637に連通させ、シリンダー631内の気体を排出し、駆動棒633を介して第一調節部材42を動かし、且つ第一固定板612に向けて移動させる。これにより、第一階段422の係合部4223は、順に対応する基部22の第三側面225にロックされる。同時に、係合部4223は、複数の基部22を連動し、且つ第二調節部材44の複数の第二階段442に沿ってスライドさせて、第一固定板612に近接させる。接続板635に隣接する基部22の第三側面225は、対応する第二階段442の係合部4423に接触し、各基部22の2つの第三側面225が、それぞれ第一調節部材42の対応する第一階段422の係合部4223及び第二調節部材44の対応する第二階段442の係合部4423に接触すると、駆動棒633は動作を停止する。この際、複数の基部22は、一定の間隔をあけて設置されており、隣接する2つの把持部品24の間隔は、トレーの収容溝の間隔に等しい。次に、移動部材によって把持装置100をトレーの上方に移動させて、把持装置100が把持したワークを収容溝に対向させる。次に、真空発生器を停止して、ワークを正確に収容溝に収容する。
【0022】
他の実施形態において、蓋板26を省略して、ソケット28を直接的に気体通路222に挿し込んでもよい。この際、ソケット28の直径が気体通路222の直径と対応するように設計する。また、第二固定板618を省略して、シリンダー631を直接的に第一固定板612に固定してもよい。この際、挿入孔615の直径が駆動棒633の直径と対応するように設計する。また、接続板635を省略して、駆動棒633を直接的に複数の基部22のうちの1つの基部22に固定してもよい。また、第一スライド溝227及び第二スライド溝228を省略して、第一階段422の接触部4221及び第二階段442の接触部4221を対応する基部22の第二側面223にスライド可能に接触してもよい。
【0023】
本発明の把持装置100は、第一調節部材42及び第二調節部材44に、第一階段422及び第二階段442が設けられ、第一階段422及び第二階段442は、それぞれ複数の対応する基部22にスライド可能に接触し、複数の第一階段422の高さの上昇方向は、複数の第二階段442の高さの上昇方向と反対の方向であり、駆動部材60は、複数の基部22を駆動し、且つ対応する第一調節部材42及び基部22を移動させて、複数の把持部品24の間の間隔を変更させるため、複数の把持部品24の間の間隔は、異なるトレーの収容溝の間隔と対応するようになる。これにより、把持装置100は、毎回複数のワークを把持し、且つ収容溝の間隔が異なるトレーに収容できるため、加工効率を上げることができる。
【0024】
図6に示したように、第二実施形態の把持装置100’の部材において、第一実施形態の把持装置100の部材と異なる部分は、駆動部材60’が支持部材65を備えないことである。2つの第一調節部材42’は、複数の基部22の両側をそれぞれ挟持し、2つの第二調節部材44’も、複数の基部22’の両側をそれぞれ支持する。第一調節部材42’は、複数の第一スライド溝227’に受けられ、第一階段422’は、対応する第一スライド溝227’の底壁とスライド可能に接触する。第二調節部材44’は、複数の第二スライド溝228’に受けられ、第二階段442’は、対応する第二スライド溝228’の底壁とスライド可能に接触する。駆動部材60’は、駆動部材60と隣接する基部22’を駆動して、駆動部材60’から離れる方向に向けて移動させ、基部22’は、第一調節部材42’を連動する。
【0025】
他の実施形態において、第一調節部材42’及び第二調節部材44’の数量は、それぞれ1つであり、第一調節部材42’及び第二調節部材44’は、複数の基部22’の両側に位置し、且つ互いに協働して基部22’を支持する。
【符号の説明】
【0026】
100、100’ 把持装置
20 把持部材
22、22’ 基部
221 第一側面
222 気体通路
223、223’ 第二側面
225 第三側面
226 突起
227、227’第一スライド溝
228、228’ 第二スライド溝
229 スライド孔
24 把持部品
241 本体
243 ロック部
245 通気孔
26 蓋板
262 通孔
28 ソケット
40 調節部材
42、42’ 第一調節部材
421 固定端(第一固定端)
422、422’ 第一階段
4221 接触部(第一接触部)
4223 係合部(第一係合部)
423 ロック端(第一ロック端)
44、44’ 第二調節部材
441 固定端(第二固定端)
442、442’ 第二階段
4421 接触部(第二接触部)
4423 係合部(第二係合部)
443 ロック端(第二ロック端)
60、60’ 駆動部材
61 固定部材
611 第一表面
612 第一固定板
613 第二表面
615 挿入孔
616 固定孔
617 固定溝
618 第二固定板
63 駆動部品
631 シリンダー
633 駆動棒
635 接続板
636 第一連通部
637 第二連通部
65 支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6