特許第5774217号(P5774217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5774217キャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774217
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】キャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20150820BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20150820BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20150820BHJP
   H04J 1/00 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   H04W72/04 111
   H04W28/06 130
   H04W72/12 110
   H04J1/00
【請求項の数】36
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-519388(P2014-519388)
(86)(22)【出願日】2012年7月2日
(65)【公表番号】特表2014-521260(P2014-521260A)
(43)【公表日】2014年8月25日
(86)【国際出願番号】CN2012078031
(87)【国際公開番号】WO2013007152
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2014年1月10日
(31)【優先権主張番号】201110193333.7
(32)【優先日】2011年7月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502012727
【氏名又は名称】電信科学技術研究院
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(72)【発明者】
【氏名】パン,シュウミン
(72)【発明者】
【氏名】シェン,ズーカン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ヤナン
【審査官】 桑原 聡一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/175030(WO,A1)
【文献】 特表2014−519289(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102075949(CN,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02658303(EP,A1)
【文献】 国際公開第2011/078581(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0257554(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/051752(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02355567(EP,A1)
【文献】 Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,CC-specific TDD configuration for enhanced CA in Rel-11[online], 3GPP TSG-RAN WG1#66 R1-112408,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_66/Docs/R1-112408.zip>,2011年 8月22日
【文献】 MediaTek Inc,HARQ Feedback Mechanism in CA with Different TDD Configurations[online], 3GPP TSG-RAN WG1#66 R1-112349,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_66/Docs/R1-112349.zip>,2011年 8月22日
【文献】 Huawei, HiSilicon,Half duplex operation for TDD inter-band CA with different UL-DL configurations[online], 3GPP TSG-RAN WG1#71 R1-124685,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_71/Docs/R1-124685.zip>,2012年11月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
H04J 1/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法であって、
基地局が、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、特定のユーザー設備(User Equipment, UE)にデータを伝送するステップを有し、
前記UEは、同一のサブフレームデータ伝送とダウンリンクデータ伝送におけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないTDD UEであり、
特定のコンポーネントキャリアに対して、前記基地局は、特定のコンポーネントキャリアに用いられたTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアを介して、特定のUEにデータを伝送し、
非特定のコンポーネントキャリアに対して、前記基地局は、特定のコンポーネントキャリアに用いられたTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおける非特定のコンポーネントキャリアを介して、特定のUEにデータを伝送する場合、
基地局が、同一のサブフレームにおいて非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が同じであるか否かを判断し、同じだと判断する場合、該サブフレームが非特定のコンポーネントキャリアに用いられるサブフレームであると確定し、同じではないと判断する場合、該サブフレームが非特定のコンポーネントキャリアに用いられないサブフレームであると確定することと、
基地局が、ユーザー設備(User Equipment, UE)にアップリンク使用可能なサブフレームに対応するアップリンク伝送資源をスケジューリングするとともに、スケジューリングされたアップリンク伝送資源上にUEが送信したデータを受信することと、
ダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、UEにダウンリンクデータを送信することと、
を有することを特徴とするキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項2】
基地局がUEにデータを送信した後に、前記方法は更に、
基地局が、特定のコンポーネントキャリアの物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Dowlink Shared Channel, PDSCH)のデータ受信と、特定のコンポーネントキャリアのアップリンク(Up link, UL)肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報フィードバックとのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのアップリンクサブフレーム上で、UEが送信したULACK/NACK情報を受信するステップを有することを特徴とする請求項記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項3】
前記UEが送信したULACK/NACK情報には、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用不可サブフレームに対応するULACK/NACK情報が含まれないことを特徴とする請求項記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項4】
基地局はスケジューリングされたアップリンク伝送資源上にUEが送信したデータを受信した後に、前記方法は、
基地局が、物理アップリンク共有チャンネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)データに送信と、物理ハイブリッド自動再送指示チャンネルPHICHによるダウンリンクDL肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信するステップを更に有することを特徴とする請求項記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項5】
セカンダリセル(SCell)が非特定のコンポーネントキャリアであり、且つ、クロスキャリアスケジューリングが設置されていない場合、基地局は、PUSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信し、この場合、
基地局が、特定のコンポーネントキャリアのPDSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームにおいて、PHICHを介して、UEにULACK/NACK情報を送信するステップと、
基地局が、非特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用可能なサブフレームにおいてPHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信するステップとを有することを特徴とする請求項記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項6】
セカンダリセル(SCell)が非特定のコンポーネントキャリアであり、且つ、クロスキャリアスケジューリングが設置されている場合、基地局は、PUSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信し、この場合、
基地局が、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームのみにおいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信するステップとを有することを特徴とする請求項記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項7】
基地局がUEに特定のコンポーネントキャリアの指示情報を送信するステップを有することを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項8】
前記特定のコンポーネントキャリアは、プライマリーセル(PCellに用いられたコンポーネントキャリアであることを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項9】
基地局は、UEが報告した能力情報を受信し、その情報から該UEが特定UEであるか否かの指示情報を取得して、該指示情報に基づいてUEを特定のUEとして確定することを有することを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項10】
キャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法であって、
ユーザー設備(User Equipment, UE)が、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、基地局にデータを伝送するステップを有し、
前記UEは、同一のサブフレームデータ伝送とダウンリンクデータ伝送におけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないTDD UEであり、
特定のコンポーネントキャリアに対して、前記UEは、特定のコンポーネントキャリアに用いられたTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアを介して、特定のUEにデータを伝送し、
非特定のコンポーネントキャリアに対して、前記UEは、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられたTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおける非特定のコンポーネントキャリアを介して、基地局とデータの伝送を行い、その場合、
UEが、基地局がスケジューリングしたアップリンク使用可能なサブフレームに対応するアップリンク伝送資源を取得するとともに、該アップリンク伝送資源において基地局にデータを送信するステップと、
UEが、ダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、基地局が送信したデータを送信するステップと、を有し、
前記使用可能なサブフレームは、該サブフレームにおいて非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が同じであるサブフレームであることを特徴とするキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項11】
UEが、基地局が送信したデータを受信した後に、
UEが、特定のコンポーネントキャリアの物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Dowlink Shared Channel, PDSCH)のデータ受信と、特定のコンポーネントキャリアのアップリンク(Up link, UL)肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報フィードバックとのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのアップリンクサブフレームにおいて、基地局にULACK/NACK情報を送信するステップを有することを特徴とする請求項1記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項12】
前記UEが送信したULACK/NACK情報には、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用不可サブフレームに対応するULACK/NACK情報が含まれず、
前記使用不可サブフレームは、該サブフレームにおいて非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が異なるであるサブフレームであることを特徴とする請求項1記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項13】
UEが、基地局がスケジューリングしたアップリンク伝送資源上でUEにデータを送信した後に、
UEが、物理アップリンク共有チャンネル(Physical Dowlink Shared Channel, PDSCH)のデータ送信と、物理ハイブリッド自動再送指示チャンネルPHICHによるダウンリンクDL肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、基地局が送信したDLACK/NACK情報を受信するステップを有することを特徴とする請求項1記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項14】
セカンダリセル(SCell)が非特定のコンポーネントキャリアであり、且つ、クロスキャリアスケジューリングを構成していない場合、UEは、PUSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、基地局が送信したDLACK/NACK情報を受信し、その場合、
UEが、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームにおいて、PHICH上のDLACK/NACK情報を受信するステップと、
UEが、非特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、非特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、PHICH上のUEにDLACK/NACK情報を受信するステップとを有することを特徴とする請求項1記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項15】
セカンダリセル(SCell)が非特定のコンポーネントキャリアであり、且つ、クロスキャリアスケジューリングが設置されている場合、UEは、PUSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、基地局が送信したDLACK/NACK情報を受信し、その場合、
UEが、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームのみにおいて、PHICH上のDLACK/NACK情報を受信するステップを有することを特徴とする請求項1記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項16】
UEが、基地局が送信した特定のコンポーネントキャリアの指示情報を受信して、該指示情報に基づいて特定のコンポーネントキャリアを確定するステップを有することを特徴とする請求項1〜請求項1の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項17】
前記特定のコンポーネントキャリアは、プライマリーセル(PCell)に用いられたコンポーネントキャリアであることを特徴とする請求項1〜請求項1の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項18】
さらに、UEが、基地局にUEの能力情報を報告するステップを有し、
前記UEの能力情報には、該UEが特定UEであるか否かの指示情報が含まれることを特徴とする請求項1〜請求項1の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法。
【請求項19】
キャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置であって、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成を確定するサブフレーム構成確定手段と、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)アップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、特定のユーザー設備(User Equipment, UE)にデータを伝送するデータ伝送処理手段と、を有し、
前記特定のUEは、同一のサブフレームにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないUEであり、
特定のコンポーネントキャリアに対して、前記データ伝送処理手段は、特定のコンポーネントキャリアに用いられたTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアを介して、特定のUEとデータの伝送を行い、
非特定のコンポーネントキャリアに対して、前記データ伝送処理手段は、同一のサブフレームにおいて非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が同じであるか否かを判断し、同じだと判断する場合、該サブフレームが非特定のコンポーネントキャリアに用いられるサブフレームであると確定し、同じではないと判断する場合、該サブフレームが非特定のコンポーネントキャリアに用いられないサブフレームであると確定し、ユーザー設備(User Equipment, UE)にアップリンク使用可能なサブフレームに対応するアップリンク伝送資源をスケジューリングするとともに、スケジューリングされたアップリンク伝送資源上でUEが送信したデータを受信して、ダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、UEにダウンリンクデータを送信することを特徴とするキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項20】
前記データ伝送処理手段がUEにデータを送信した後に、特定のコンポーネントキャリアの物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Dowlink Shared Channel, PDSCH)のデータ受信と、特定のコンポーネントキャリアのアップリンク(Up link, UL)肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報フィードバックとのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのアップリンクサブフレーム上にUEが送信したULACK/NACK情報を受信するアップリンクフィードバック処理手段を有することを特徴とする請求項19記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項21】
前記アップリンクフィードバック処理手段が受信した、前記UEが送信したULACK/NACK情報には、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用不可サブフレームに対応するULACK/NACK情報が含まれないことを特徴とする請求項20記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項22】
前記データ伝送処理手段がスケジューリングされたアップリンク伝送資源上でUEから送信したデータを受信した後に、物理アップリンク共有チャンネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)データ送信と、物理ハイブリッド自動再送指示チャンネルPHICHによるダウンリンクDL肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信するダウンリンクフィードバック処理手段を有することを特徴とする請求項19記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項23】
セカンダリセル(SCell)が特定のコンポーネントキャリアであり、且つ、クロスキャリアスケジューリングが構成設置されていない場合、前記ダウンリンクフィードバック処理手段は、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームにおいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信し、非特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、非特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信することを特徴とする請求項2記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項24】
セカンダリセル(SCell)が特定のコンポーネントキャリアであり、且つ、クロスキャリアスケジューリングが設置されている場合、前記ダウンリンクフィードバック処理手段は、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームのみにおいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信することを特徴とする請求項2記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項25】
UEに特定のコンポーネントキャリアの指示情報を送信する特定コンポーネントキャリア指示手段を有することを特徴とする請求項19〜請求項2の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項26】
前記特定のコンポーネントキャリアは、プライマリーセル(PCell)に用いられたコンポーネントキャリアであることを特徴とする請求項19〜請求項2の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項27】
UEが報告した能力情報を受信して、その情報から該UEが特定UEであるか否かの指示情報を取得し、該指示情報に基づいてUEを特定のUEとして確定する特定UE確定手段を有することを特徴とする請求項19〜請求項2の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項28】
キャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置であって、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成を確定するサブフレーム構成確定手段と、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)アップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、基地局にデータを伝送するデータ伝送処理手段と、を有し、
前記UEは、同一のサブフレームにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないUEであり、
特定のコンポーネントキャリアに対して、前記データ伝送処理手段は、特定のコンポーネントキャリアに用いられたTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアを介して、基地局にデータを伝送し、
非特定のコンポーネントキャリアに対して、前記データ伝送処理手段は、基地局がスケジューリングしたアップリンク使用可能なサブフレームに対応するアップリンク伝送資源を取得するとともに、該アップリンク伝送資源において、基地局にデータを送信し、
ダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて基地局が送信したデータを受信し、
前記使用可能なサブフレームとは、該サブフレームにおける非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が同じであるサブフレームであることを特徴とするキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項29】
前記データ伝送処理手段が基地局から送信したデータを受信した後に、特定のコンポーネントキャリアの物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Dowlink Shared Channel, PDSCH)のデータ受信とアップリンク(Up link, UL)肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報フィードバックとのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのアップリンクサブフレームにおいて、基地局にULACK/NACK情報を送信するアップリンクフィードバック処理手段を有することを特徴とする請求項28記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項30】
前記アップリンクフィードバック処理手段が受信したULACK/NACK情報には、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用不可サブフレームに対応するULACK/NACK情報が含まれず、
前記使用不可サブフレームは、該サブフレームにおいて非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が同じではないサブフレームであることを特徴とする請求項29記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項31】
前記データ伝送処理手段が基地局によりスケジューリングされたアップリンク伝送資源上で基地局にデータを送信した後に、物理アップリンク共有チャンネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)データ送信と、物理ハイブリッド自動再送指示チャンネルPHICHによるダウンリンクDL肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、基地局が送信したDLACK/NACK情報を受信するダウンリンクフィードバック処理手段を有することを特徴とする請求項28記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項32】
セカンダリセル(SCell)が特定のコンポーネントキャリアであり、且つ、クロスキャリアスケジューリングが構成されていない場合、前記ダウンリンクフィードバック処理手段は、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームにおいて、PHICH上のDLACK/NACK情報を受信し、非特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、非特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、PHICH上のDLACK/NACK情報を受信することを特徴とする請求項3記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項33】
セカンダリセル(SCell)が非特定のコンポーネントキャリアであり、且つ、クロスキャリアスケジューリングが設置されている場合、前記ダウンリンクフィードバック処理手段は、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームのみにおいて、PHICH上のDLACK/NACK情報を受信することを特徴とする請求項31記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項34】
基地局が送信した特定のコンポーネントキャリアの指示情報を受信し、該指示情報に基づいて特定のコンポーネントキャリアを確定する特定コンポーネントキャリア確定手段を有することを特徴とする請求項28〜請求項3の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項35】
前記特定のコンポーネントキャリアはプライマリーセル(PCell)に用いられたコンポーネントキャリアであることを特徴とする請求項28〜請求項3の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。
【請求項36】
基地局にUEの能力情報を報告する能力情報報告手段を有し、
当該能力情報は該UEが特定UEであるか否かの指示情報を含むことを特徴とする請求項28〜請求項3の何れか1つに記載のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年07月11日に出願された、発明の名称が「キャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法及び装置」である中国出願201110193333.7を基礎とする優先権を主張し、その全文の内容を引用することにより本出願に取り込む。
【0002】
本発明は、通信技術領域に関し、特にキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
バージョン11(Rel−11)の長期進化(LTE)システムは、異なるバンドにおける隣接キャリア時分割復信(Time division duplex,TDD)システムの干渉を防ぐために、異なるバンドに位置するLTEセルが異なるTDDのアップリンク/ダウンリンクサブフレームを使用してキャリアアグリゲーションを行うように、インタ−バンド(Inter−Band)式のキャリアアグリゲーションを行う。
【0004】
低能力のTDD CAユーザー設備(UE)は、異なるキャリアのアップリンク及びダウンリンクでの同時動作をサポートすることができない。例えば、同一のサブフレームにおいて、コンポーネントキャリア(Component Carrier、CCと略称する)1上でダウンリンクデータを受信しながらCC2上でアップリンクデータを送信することができない。
【0005】
以下、キャリア・アグリゲーション技術を説明する。
【0006】
LTEシステム及びその前の無線通信システムでは、セルごとに1つのキャリアのみが利用され、LTEシステムにおけるキャリアの最大帯域幅は20MHzである。
【0007】
しかし、進化版の長期進化システム(LTE Advanced、LTE−A)において、システムのピークレートがLTEシステムより大幅に向上され、ダウンリンクで1Gbpsに、アップリンクで500Mbpsに達することが求められでいるため、帯域幅最大20MHzのキャリア1個のみで、もうピークレートの要件を満足できなくなる。
【0008】
そのため、LTEシステムにおいて、 UEが使用可能な帯域幅を拡張することが必要となり、キャリアのグリゲーション技術が導入されるようになった。
【0009】
即ち、同一基地局(eNB)における複数の連続又は非連続キャリアをアグリゲーションして、同時にUEのためにサービングし、所要のスピードを提供することである。このようなアグリゲーションされたキャリアは、コンポーネントキャリアとも略称できる。各々のセルのキャリアは1つのコンポーネントキャリアであってもよいが、異なるeNBにおけるセルのキャリア(コンポーネントキャリア)はアグリゲーションできない。
【0010】
また、LTEのUEがいずれのアグリゲーションされたキャリアでも動作できることを確保するために、キャリアの最大帯域幅は、20MHzを超えてはいけない。
【0011】
LTE−AのCA技術は図2に示すとおりである。図2に示すLTE−Aの基地局の配下に、アグリゲーション可能な4つのキャリアがあり、基地局は、同時にその4つのキャリアを介して、UEにデータを伝送することができる。
【0012】
LTEシステムにおいて、FDDモード及びTDDモードは、いずれも無線フレームを10msとし、サブフレームを1msとする。TDDの各無線フレームには、表1に示すように、いずれも7種類のTDDアップリンク又はダウンリンクサブフレームという構成が定義されている。
【表1】
【0013】
ここで、Dはダウンリンク(DL)サブフレームを示し、Uはアップリンク(UL)サブフレームを示し、SはTDDシステムにおける特別なサブフレームを示しており、例えば、構成1の場合、サブフレーム構成はDSUUDDSUUDとなる。
【0014】
LTEシステムでは、UEは、1つのアップリンクにおいて、複数のダウンリンクサブフレームに対応する肯定応答(ACK)或いは否定応答(NACK)をフィードバック可能である。
【0015】
即ち、UEは、第n−k個のダウンリンクサブフレーム上のデータに対する復調、デコードを終了した後に、第n個のアップリンクサブフレームを介して、基地局に、該ダウンリンクサブフレームn−k上のデータ再送信の要否のシグナリング(即ち、ACK/NACK情報)をフィードバックする。
【0016】
k∈K,K:{k0,k1,kM−1}、集合Kの値は、表2に示すように、システムのアップリンク/ダウンリンクサブフレーム構成及びサブフレーム番号に関する。
【表2】
【0017】
ここで、複数の無線フレームは順次に並んでおり、即ち、無線フレームαにおける最後の1つのサブフレームはkであれば、無線フレームα+1における第1のサブフレームはβである。表2には、1つの無線フレームのみの例を挙げて、各々のアップリンクサブフレームに対応するKの仕様を示し、n−k<0は、直前の無線フレームにおけるダウンリンクサブフレームを示すものである。
【0018】
従来のキャリア・アグリゲーションシステムでは、UEは、いずれのアグリゲーションのセル(Cell)においても上記のタイミングシーケンス(タイミング)でULACK/NACKフィードバックを受信し、かつ、対応するフィードバックは、プライマリーセル(PCell)で行われる。
【0019】
アップリンクデータ伝送の場合、基地局は、ダウンリンクにおいてACK/NACKのフィードバックを送信する必要があるが、当該情報は、物理ハイブリッド自動再送要求(HARQ,Hybrid−ARQ)指示チャンネル(PHICH,Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)により搬送される。
【0020】
周波数分割復信(FDD)システムについて、アップリンク及びダウンリンクサブフレームは共存され、いずれのサブフレームもPHICHを有するため、ダウンリンクACK/NACKフィードバックと、対応するアップリンクデータのシーケンとの関係は、比較的に安定であり、第nのサブフレームにおけるアップリンクデータに対応するACK/NACKフィードバック情報は、第n+4のダウンリンクサブフレーム上で伝送される。
【0021】
これに対し、TDDシステムについては、異なるTDDサブフレーム構成により、アップリンク及びダウンリンクサブフレーム数もそれぞれであるため、複数のアップリンクサブフレームのACK/NACKのフィードバック情報が同一のダウンリンクサブフレーム上で伝送される可能性もある。第nのサブフレームにおけるアップリンクデータに対応するACK/NACKフィードバック情報は、第n+kのダウンリンクサブフレームにおいて伝送され、kの値は表3に示すようになっている。
【表3】
【0022】
従来のキャリア・アグリゲーションシステムでは、UEは各々のアグリゲーションのCellにおいて上記タイミングでDLACK/NACK情報を受信し、また、対応するフィードバックは、物理アップリンク共有チャンネル(PUSCH)のスケジューリングためのUL grantにより送信したCellにおけるPHICHチャンネル上で受信される。
【0023】
LTE Rel−11又は以後のバージョンのシステムにおいては、他のTDDシステムへの干渉を防ぐために、ネットワークアレンジメントにおいて、異なるBandに位置する複数のLTEセルが、異なるTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成を使用する可能性がある。図3に示すように、キャリア1はBand Aに位置し、キャリア2はBand Bに位置している。セル1とセル2はそれぞれキャリア1とキャリア2のセルである。セル1のTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成は構成0であり、セル2のTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成はセル1とは違って、構成0である。もし UEがこの2つのセルを利用してキャリアアグリゲーションしようとすれば、 UEによりアグリゲーションされたセルにおけるアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成が異なり、図4に示すように、このような異なるTDD構成のネットワークアレンジメントは、同じサブフレームにおいて、異なるCellの伝送方向が一致しないことを引き起こす可能性がある。例えば、図4に示すサブフレーム4及びサブフレーム9は、Cell1においてアップリンクサブフレームであり、Cell2においてダウンリンクサブフレームである。低能力のUEとしては、このようなサブフレーム上で、複数のCellで同時動作できない恐れがある。
【0024】
総じて、従来技術は、異なるTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成のキャリア・アグリゲーションシステムにおいて、アップリンク及びダウンリンク同時伝送をサポートできないUEのデータ伝送について、解決方法を提供していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
総じて、従来技術は、異なるTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成のキャリア・アグリゲーションシステムにおいて、アップリンク及びダウンリンク同時伝送をサポートしないUEのデータ伝送について、解決方法を提供していない。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、アップリンク及びダウンリンクの同時伝送をサポートしないUEが、異なるTDDのアップリンク及びダウンリンク構成を使用するキャリア・アグリゲーションシステムにおいて、データを伝送できるようにする、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法及び装置を提供することに目的とする。
【0027】
本発明に係るキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法は、
基地局が、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられた時分割復信(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、特定のユーザー設備(User Equipment, UE)にデータを伝送するステップとを備え、
前記UEは、同一のサブフレームにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないTDD UEである。
【0028】
本発明に係る別のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法は、
ユーザー設備(User Equipment, UE)が、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、にデータを伝送する基地局にデータを伝送するステップとを備える。
【0029】
前記UEは、同一のサブフレームにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないTDD UEである。
【0030】
本発明に係るキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置は、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成を確定するサブフレーム構成確定手段と、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)アップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、特定のユーザー設備(User Equipment, UE)にデータを伝送するデータ伝送処理手段とを備える。
【0031】
前記UEは、同一のサブフレームにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないUEである。
【0032】
本発明に係る別のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置は、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成を確定するサブフレーム構成確定手段と、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)アップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、基地局にデータを伝送するデータ伝送処理手段とを備える。前記UEは、同一のサブフレームにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないUEである。
【発明の効果】
【0033】
本発明に実施例において、基地局は、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、特定のユーザー設備(User Equipment, UE)とデータの伝送を行い、上記UEは、異なるコンポーネントキャリアを介した同一のサブフレームデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないTDD UEである。これにより、アップリンク及びダウンリンクの同時伝送をサポートしないUEは、異なるTDDのアップリンク及びダウンリンク構成を用いるキャリア・アグリゲーションシステムにおいて、マルチキャリアのデータ伝送を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1はLTEセルのキャリアの分布の模式図である。
図2図2はLTE−AのCA模式図である。
図3図3はLTE−ACA UEがアグリゲーションした異なるBandは異なるTDDアップ/ダウンリンクサブフレーム構成を用いることを示す図である。
図4図4はTDD構成0及びTDD構成1の2つのCellがアグリゲーションされる模式図である。
図5図5は本発明の実施例に係るキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータ伝送方法のフロー模式図である。
図6図6は本発明の実施例に係るCell―1がPCellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成0を用い、Cell―2がScellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成1を用いる場合、UEがサブフレームの伝送方向を選択する模式図である。
図7図7は本発明の実施例に係る、Cell―1がSCellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成0を用い、Cell―2がPcellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成1を用いる場合、UEがサブフレームの伝送方向を選択する模式図である。
図8図8は本発明の実施例に係る、Cell―1がSCellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成0を用い、Cell―2がPcellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成1を用いる場合、UEがUL ACK/NACKをフィードバックする模式図である。
図9図9は本発明の実施例に係る、Cell―1がPcellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成0を用い、Cell―2がSCellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成1を用いる場合、UEがUL ACK/NACKをフィードバックする模式図である。
図10図10は本発明の実施例に係る、Cell―1がPcellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成0を用い、Cell―2がSCellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成1を用いる場合、非クロスキャリアスケジューリング時にUEがPHICHを受信する模式図である。
図11図11は本発明の実施例に係る、Cell―1がScellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成0を用い、Cell―2がPCellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成1を用いる場合、非クロスキャリアスケジューリング時にUEがPHICHを受信する模式図である。
図12図12は本発明の実施例に係る、Cell―1がPcellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成0を用い、Cell―2がSCellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成1を用いる場合、クロスキャリアスケジューリング時にUEがPHICHを受信する模式図である。
図13図13は本発明の実施例に係る、Cell―1がScellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成0を用い、Cell―2がPCellである時にTDDアップリンク及びダウンリンク構成1を用いる場合、クロスキャリアスケジューリング時にUEがPHICHを受信する模式図である。
図14図14は本発明の実施例に係るキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置の構成模式図である。
図15図15は本発明の実施例に係る他のキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置の構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施例は、アップリンク及びダウンリンク伝送を同時にサポートしないUEが、異なるTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成を用いるキャリア・アグリゲーションシステムにおいて、データを伝送できるようにする、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法及び装置を提供する。即ち、本発明の実施例に係る技術案は、アップリンク及びダウンリンク伝送を同時にサポートしないUEを、クロスバンドの異なるTDDアップリンク及びダウンリンク構成のキャリア・アグリゲーションシーンにおいて、キャリアのアグリゲーションの伝送を行えるようにする。
【0036】
本発明の実施例は、アップリンク及びダウンリンク伝送を同時にサポートしないUEが、異なるTDDアップリンク及びダウンリンク構成を用いるマルチキャリアネットワークにアクセスされる際に、アグリゲーションの伝送及びフィードバックを行う技術案を提供される。以下、図面を参照しながら説明する。
【0037】
図5を参照する。基地局側における、本発明に係るキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法は、ステップ101と、ステップ102とを備える。
【0038】
ステップ101において、基地局が、データを伝送する必要があるUEを特定のUEとして確定する。上記特定のUEは、同一のサブフレームにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないUEである。
【0039】
当該方法は、以下のことを更に備えることが好ましい。
【0040】
基地局はUEからの能力情報を受信し、当該能力情報から当該UEが特定のUEであるか否かの指示情報を取得{しゅとく}する。ステップS101において該指示情報に基づいてUEを特定のUEとして確定する。
【0041】
S102において、基地局は、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、特定のUEにデータを伝送する。
【0042】
好ましくは、S102において、特定のコンポーネントキャリアについて、前記基地局は、特定のコンポーネントキャリアに用いられるTDDアップリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、特定のUEにデータを伝送する。
【0043】
非特定のコンポーネントキャリアについて、前記基地局は、特定のコンポーネントキャリアに用いられるTDDアップリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおける非特定のコンポーネントキャリアを介して、特定のUEにデータを伝送する。この場合、以下のことを備える。
【0044】
基地局は、同一のサブフレームにおいて非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が同じであるか否かを判断する。同じだと判断する場合、該サブフレームが非特定のコンポーネントキャリアに用いられるサブフレームであると確定する。同じではないと判断する場合、該サブフレームが非特定のコンポーネントキャリアに用いられないサブフレームであると確定する。
【0045】
基地局は、ユーザー設備(User Equipment, UE)にアップリンク使用可能なサブフレームに対応するアップリンク伝送資源をスケジューリングするとともに、スケジューリングされたアップリンク伝送資源上でUEが送信したデータを受信する。
【0046】
基地局は、ダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、UEにダウンリンクデータを送信する。
【0047】
例えば、UEにはキャリア・アグリゲーションが設置され、PCellが割当てられる。UEがPCellに対応するコンポーネントキャリアの伝送方向を基準とすることを予め定め、セカンダリセル(SCell)において同一のサブフレームの伝送方向がPCellの伝送方向と異なれば、SCellに上の対応するサブフレームの受信と処理を無視する。
【0048】
図6を参照する。Cell−1がPCellであり、Cell−2がSCellである場合、サブフレーム4と9において、UEは、PCellでアップリンクサブフレーム伝送の動作を行う。この時、SCellにおける対応するダウンリンクサブフレームの受信及び処理を無視する(対応するDL grantブラインド検出及びダウンリンク信号の受信を行わないことを備える)。
【0049】
基地局がUEにデータを送信した後に、該方法は以下のことを更に備えることが好ましい。
【0050】
基地局は、特定のコンポーネントキャリアの物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Dowlink Shared Channel, PDSCH)のデータ受信と、特定のコンポーネントキャリアのアップリンク(Up link, UL)肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報フィードバックとのタイミングとの対応関係に基づき、特定のコンポーネントキャリアのアップリンクサブフレーム上でUEからのULACK/NACK情報を受信する。
【0051】
好ましくは、前記UEが送信したULACK/NACK情報には、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用不可サブフレームに対応するULACK/NACK情報が備えられない。
【0052】
まだ図6を例とし、即ち、UEは、ULACK/NACKをフィードバックする時に、処理しないダウンリンクサブフレームをACK/NACKコードブック(codebook)サイズ(size)から外れ、該ダウンリンクサブフレームに対してULACK/NACKのフィードバックを行わない。
【0053】
また、図7を参照する。Cell−1がSCellであり、Cell−2がPCellである場合、サブフレーム4と9において、UEは、PCellでダウンリンクサブフレームの受信及び処理を行い、SCellにおけるアップリンクサブフレームの送信及び処理を無視する(対応するDL grantブラインド検出及びアップリンク信号の受信を行わないことを備える)。
【0054】
ここでのSCellにおけるアップリンク及びダウンリンクデータの伝送は、SCell自身のDLgrant及びULgrantによりスケジューリングしてもよく、PCellのLgrant及びULgrantによりクロスキャリアスケジューリングを行ってもよい。
【0055】
例えば、特定のコンポーネントキャリアはPCellキャリアである。UEは、PCellのTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、データの伝送を行う。UEは、PCellとSCellの対応するダウンリンクサブフレームにおいて、物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Downlink Shared Channel,PDSCH)のデータを受信した後に、PCellにおけるPDSCHからULACK/NACKまでのタイミング(Timing)に基づき、PCell上の対応するアップリンクサブフレームにおいて、対応するPCellとSCellのPDSCHのACK/NACK情報をフィードバックする。即ち、特定のキャリアのULACK/NACKタイミングに基づいて、特定のキャリアにおける対応するアップリンクサブフレームにおいて、PCellとSCellのPDSCHのACK/NACK情報をフィードバックする。
【0056】
図8図9は、PCell構成が異なる場合のフィードバック対応関係をそれぞれ提供するものである。矢印方向は、PDSCH受信サブフレームからULACK/NACKフィードバックのサブフレームへの向けを示す。ここで、PDSCHからULACK/NACKタイミングまでは、LTERel−8と同じ、即ち、表2に基づいてPCellに対応するタイミング関係を検索すればよい。「×」を付けたダウンリンクに対して、UEは、受信及び処理を行わないし、対応するULACK/NACKもフィードバックしない。
【0057】
本発明の実施例における上記SCellのダウンリンクデータ伝送は、SCell自身のDLgrantによりスケジューリングを行ってもよく、PCellのDLgrantによりクロスキャリアスケジューリングを行ってもよい。
【0058】
好ましくは、基地局はスケジューリングされたアップリンク伝送資源上でUEが送信したデータを受信した後に、該方法は更に以下のことを備える。
【0059】
基地局は、物理アップリンク共有チャンネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)データ送信と、物理ハイブリッド自動再送指示チャンネルPHICHによるダウンリンクDL肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報の受信タイミングの対応関係に基づき、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信する。
【0060】
好ましく、セカンダリセル(SCell)にクロスキャリアスケジューリングを配置していない場合、基地局は、PUSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信タイミングの対応関係に基づいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信する。
【0061】
以下、詳細に説明する。
【0062】
基地局は、特定のコンポーネントキャリアのPDSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信タイミングの対応関係に基づき、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームにおいてPHICHを介して、UEにULACK/NACK情報送信する。
【0063】
基地局は、非特定のコンポーネントキャリアのPDSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信タイミングの対応関係に基づき、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用可能なサブフレームにおいてPHICHを介して、UEにULACK/NACK情報を送信する。
【0064】
好ましくは、セカンダリセル(SCell)にクロスキャリアスケジューリングを配置している場合、基地局は、PUSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信タイミングの対応関係に基づいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信する。
【0065】
以下、詳細に説明する。
【0066】
基地局は、特定のコンポーネントキャリアのPDSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信タイミングの対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームのみにおいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信する。
【0067】
例えば、UEは、PCellとSCellに対応するアップリンクサブフレームにおいてPUSCHを送信した後に、以下のタイミング対応関係に基づいて、対応するPHICH上のDLACK/NACKフィードバックを受信する。
【0068】
〈ケース1〉
SCellにはクロスキャリアスケジューリングが配置されてない。即ち、SCellにおけるPUSCHの伝送は、SCell自身のULgrantによりスケジューリングされる場合、UEは、PCellとSCellにおいて、各自の独立PUSCHからPHICHまでのタイミングに基づいて、PCellとSCellの各自のDLACK/NACKフィードバックを受信する。
【0069】
図10に示すように、矢印方向は、PDSCH送信サブフレームに対応するPHICHフィードバックサブフレームの方向を示す。ここで、PDSCHからPHICHまでのタイミング関係は、LTERel−8と同様であり、即ち、表3に基づいてSCellとPCellそれぞれに対応するタイミング関係を検索することができる。
【0070】
以下のことを特に説明する。SCellにおける、PCellの伝送方向と異なることにより処理が無視されたダウンリンクサブフレーム(例えば、図10における「×」を付けたダウンリンクサブフレーム)において、UEは、PHICHデータを受信することができないため、それに関連するアップリンクPUSCHプロセッサの伝送にも影響を受ける。よって、基地局は、これらのサブフレームにおいてできる限りPUSCHのスケジューリングを行わない。また、基地局は、これらのサブフレームにおいてPUSCHのスケジューリングを行ってもよいが、これらのサブフレームに対してDLACK/NACKフィードバックを行わない。
【0071】
図10に示すように、基地局はSCellサブフレーム3においてPUSCHをスケジューリングして、UEはSCellサブフレーム3においてデータを送信してもよいが、SCellサブフレーム3に対応するDLACK/NACKフィードバックサブフレームはSCell9であり、UEはSCell9を処理しないため、基地局はSCellサブフレーム3に対してDLACK/NACKフィードバックを行わない。また、基地局がSCellサブフレーム3においてPUSCHをスケジューリングしなくてもよいため、UEはSCellサブフレーム3においてデータを送信しない。SCellサブフレーム8は、SCellサブフレーム3における動作と同じである。
【0072】
そして、SCellにおける、PCellの伝送方向と異なることにより処理が無視されたアップリンクサブフレーム、例えば、図11における「×」を付けたアップリンクサブフレームにおいて、UEは、PUSCHデータを送信しないため、UEも対応するダウンリンクフィードバックサブリンクにおいてPHICHデータを受信しない。
【0073】
〈ケース2〉
SCellにはクロスキャリアスケジューリングが配置されている。即ち、SCellにおいて、PUSCHは、PCellからのULgrantを伝送してスケジューリングする。UEは、PCellにおけるPUSCHからPHICHまでのタイミングに基づいて、ULgrantを送信するキャリア(即ち、PCell)のダウンリンクサブフレームのPHICHチャンネルにおいて、PCellとSCell PUSCHに対するDLACK/NACKフィードバックを受信する。
【0074】
図12図13に示すように、矢印方向は、PDSCH送信サブフレームに対応するPHICHフィードバックサブフレームの方向を示す。ここで、PDSCHからPHICHまでのタイミング関係は、LTERel−8と同様であり、即ち、表3に基づいてPCellに対応するそれぞれのタイミング関係を検索すればよい。
【0075】
以下のことを特に説明する。SCellにおける、PCellの伝送方向と異なることにより処理が無視されたアップリンクサブフレーム、例えば、図13における「×」を付けたダアップリンクサブフレームにおいて、UEは、PUSCHデータを送信しないため、対応するダウンリンクフィードバックサブフレームにおいてPHICHデータを受信しない。
【0076】
該方法が、基地局がUEに特定のコンポーネントキャリアの指示情報を送信することを更に備えることが好ましい。
【0077】
前記特定のコンポーネントキャリアがプライマリーセル(PCell)が採用したコンポーネントキャリアであることが好ましい。
【0078】
本発明の実施例において、PCellを基準とすることはただ1つの好ましい案であるが、他のコンポーネントキャリアを特定のコンポーネントキャリアとしてもよく、即ち、SCellを基準としてもよい。該基準SCellの番号(又は、該特定のコンポーネントキャリアの番号)は、基地局によりUEに報告する。つまり、UEは特定のコンポーネントキャリアの指示情報を受信して、該指示情報に基づいて特定のコンポーネントキャリアを確定してもよい。
【0079】
以上の本発明の実施例では、PCellを基準とするデータ伝送の処理案を提供したが、他の特定のCellを基準としてもよい、該基準Cellの番号は基地局によりUEに報告する。また、本発明の実施例について、PCellとSCellに異なるTDDのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成(configuration)での動作仕様を提供したが、本発明の実施例が提供した技術案は、複数のSCellに異なるTDDのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成が設置された態様にも同様に適用し、SCell間にクロスキャリアスケジューリングを設置した態様にも適用する。
【0080】
対応のUE側において、本発明がキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送方法を提供する。
【0081】
該方法は、ユーザー設備(User Equipment, UE)が、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、基地局にデータを伝送するステップを備える。
【0082】
前記UEは、同一のサブフレームにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないTDDUEである。
【0083】
特定のコンポーネントキャリアに対して、前記UEは、特定のコンポーネントキャリアに用いられたTDDアップリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアを介して、基地局にデータを伝送する。
【0084】
以下、詳細に説明する。
【0085】
UEは、基地局がスケジューリングしたアップリンク使用可能なサブフレームに対応するアップリンク伝送資源を取得するとともに、該アップリンク伝送資源において基地局にデータを送信する。
【0086】
UEは、ダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、基地局が送信したデータを受信する。
【0087】
上記使用可能なサブフレームとは、該サブフレームにおける、非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が同一であるサブフレームを指す。
【0088】
好ましく、UEが基地局からデータを受信した後に、該方法は更に以下のことを備える。
【0089】
UEは、特定のコンポーネントキャリアの物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Dowlink Shared Channel, PDSCH)のデータ受信と、特定のコンポーネントキャリアのアップリンク(Up link, UL)肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報フィードバックのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのアップリンクサブフレームにおいて基地局にULACK/NACK情報を送信する。
【0090】
好ましく、上記UEが送信したULACK/NACK情報には、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用不可サブフレームに対応するULACK/NACK情報を備えない。
【0091】
使用不可サブフレームとは、該サブフレームにおける、非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が異なるサブフレームを指す。
【0092】
好ましく、UEが基地局がスケジューリングしたアップリンク伝送資源上で基地局にデータを送信した後に、該方法は更に以下のことを備える。
【0093】
UEは、物理アップリンク共有チャンネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)データ送信と、物理ハイブリッド自動再送指示チャンネルPHICHによるダウンリンクDL肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、基地局が送信したDLACK/NACK情報を受信する。
【0094】
好ましく、セカンダリセル(SCell)にはクロスキャリアスケジューリングを設置していない場合、UEは、PUSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信のタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、基地局が送信したDLACK/NACK情報を受信する。この場合、以下のことを備える。
【0095】
UEは、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームにおいて、PHICH上のDLACK/NACK情報を受信する。
【0096】
UEは、非特定のコンポーネントキャリアのPDSCHデータ送信と、非特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、PHICH上のUEにDLACK/NACK情報を受信する。
【0097】
好ましく、セカンダリセル(SCell)にはクロスキャリアスケジューリングを設置してる場合、UEは、PUSCHデータ送信と、PHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、基地局が送信したDLACK/NACK情報を受信する。この場合、以下のことを備える。
【0098】
UEは、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームのみにおいて、PHICH上のDLACK/NACK情報を受信する。
【0099】
好ましく、当該方法は、
UEが、基地局が送信した特定のコンポーネントキャリアの指示情報を受信して、該指示情報に基づいて特定のコンポーネントキャリアを確定するステップを更に備える。
【0100】
好ましく、上記特定のコンポーネントキャリアは、プライマリーセル(PCell)が採用したコンポーネントキャリアである。
【0101】
好ましく、該方法は、
UEは、基地局にUEの能力情報を報告することを更に備える。前記UEの能力情報には該UEが特定UEであるか否かの指示情報を備える。
【0102】
図14を参照する。基地局側における、本発明に係るキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置は、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成を確定するサブフレーム構成確定手段11と、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)アップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、特定のユーザー設備(User Equipment, UE)にデータを伝送するデータ伝送処理手段12とを備える。
【0103】
上記特定のUEは、同一のサブフレームにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないUEである。
【0104】
好ましくは、特定のコンポーネントキャリアについて、前記データ伝送処理手段12は、特定のコンポーネントキャリアに用いられたTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアを介して、特定のUEにデータを伝送する。
【0105】
非特定のコンポーネントキャリアについて、前記データ伝送処理手段12は、同一のサブフレームにおいて非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が同じであるか否かを判断する。同じだと判断する場合、該サブフレームが非特定のコンポーネントキャリアに用いられるサブフレームであると確定し、同じではないと判断する場合、該サブフレームが非特定のコンポーネントキャリアに用いられないサブフレームであると確定し、ユーザー設備(User Equipment, UE)にアップリンク使用可能なサブフレームに対応するアップリンク伝送資源をスケジューリングするとともに、スケジューリングされたアップリンク伝送資源上にUEが送信したデータを受信して、ダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、UEにダウンリンクデータを送信する。
【0106】
好ましくは、該装置は、前記データ伝送処理手段12がUEにデータを送信した後に、特定のコンポーネントキャリアの物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Dowlink Shared Channel, PDSCH)のデータ受信と、特定のコンポーネントキャリアのアップリンク(Up link, UL)肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報フィードバックとのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのアップリンクサブフレーム上でUEが送信したULACK/NACK情報を受信するアップリンクフィードバック処理手段13を更に備える。
【0107】
好ましく、前記アップリンクフィードバック処理手段13が受信したULACK/NACK情報には、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用不可サブフレームに対応するULACK/NACK情報を備えない。
【0108】
好ましく、該装置は、前記データ伝送処理手段12がUEにデータを送信した後に、物理アップリンク共有チャンネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)データ送信と、物理ハイブリッド自動再送指示チャンネルPHICHによるダウンリンクDL肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信するダウンリンクフィードバック処理手段14を更に備える。
【0109】
好ましく、セカンダリセル(SCell)にはクロスキャリアスケジューリングを構成していない場合、上記ダウンリンクフィードバック処理手段14は、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームにおいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信し、非特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、非特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、PHICHを介して、UEにDLACK/NACK情報を送信する。
【0110】
好ましく、セカンダリセル(SCell)にはクロスキャリアスケジューリングを構成している場合、上記ダウンリンクフィードバック処理手段14は、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームのみにおいて、PHICHを介し、UEにDLACK/NACK情報を送信する。
【0111】
好ましく、該装置は、
UEに特定のコンポーネントキャリアの指示情報を送信する特定コンポーネントキャリア指示手段15を更に備える。
【0112】
好ましく、上記特定のコンポーネントキャリアは、プライマリーセル(PCell)が採用したコンポーネントキャリアである。
【0113】
好ましく、該装置は、
UEが報告した能力情報を受信し、その情報から該UEが特定UEであるか否かの指示情報を取得して、該指示情報に基づいてUEを特定のUEとして確定する特定UE確定手段16を更に備える。
【0114】
図15を参照する。UE側における、本発明に係るキャリア・アグリゲーションシステムにおけるデータの伝送装置は、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)のアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成を確定するサブフレーム構成確定手段21と、
キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアに用いられる時分割(Time Division Duplex,TDD)アップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおけるコンポーネントキャリアを介して、基地局にデータを伝送するデータ伝送処理手段22とを備える。
【0115】
上記UEは、異なるコンポーネントキャリアを介した、同一のサブフレームにおけるアップリンクデータ伝送とダウンリンクデータ伝送とを同時にサポートしないUEである。
【0116】
好ましく、特定のコンポーネントキャリアに対して、前記データ伝送処理手段22は、特定のコンポーネントキャリアに用いられたTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成に基づき、キャリア・アグリゲーションシステムにおける特定のコンポーネントキャリアを介して、基地局にデータを伝送する。
【0117】
非特定のコンポーネントキャリアに対して、前記データ伝送処理手段22は、基地局がスケジューリングしたアップリンク使用可能なサブフレームに対応するアップリンク伝送資源を取得するとともに、該アップリンク伝送資源において基地局にデータを送信し、ダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて基地局が送信したデータを受信する。
【0118】
上記使用可能なサブフレームとは、該サブフレームにおいて非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が同じであるサブフレームを指す。
【0119】
好ましく、該装置は、
前記データ伝送処理手段が基地局から送信したデータを受信した後に、特定のコンポーネントキャリアの物理ダウンリンク共有チャンネル(Physical Dowlink Shared Channel, PDSCH)のデータ受信と、特定のコンポーネントキャリアのアップリンク(Up link, UL)肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報フィードバックとのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのアップリンクサブフレームにおいて、基地局にULACK/NACK情報を送信することに用いられるアップリンクフィードバック処理手段23を更に備える。
【0120】
好ましく、上記アップリンクフィードバック処理手段23が受信したULACK/NACK情報には、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用不可サブフレームに対応するULACK/NACK情報を備えない。
【0121】
上記使用不可サブフレームとは、該サブフレームにおいて非特定のコンポーネントキャリアと特定のコンポーネントキャリアの伝送方向が同じではないサブフレームを指す。
【0122】
好ましく、該装置は、
前記データ伝送処理手段22が基地局によりスケジューリングされたアップリンク伝送資源上に基地局にデータを送信した後に、物理アップリンク共有チャンネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)データ受信と、物理ハイブリッド自動再送指示チャンネルPHICHによるダウンリンクDL肯定応答(ACK)/否定応答(NACK)情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、PHICHを介し、基地局が送信したDLACK/NACK情報を受信するダウンリンクフィードバック処理手段24を更に備える。
【0123】
好ましく、セカンダリセル(SCell)にはクロスキャリアスケジューリングを構成していない場合、上記ダウンリンクフィードバック処理手段24は、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームにおいてPHICH上のDLACK/NACK情報を受信し、非特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、非特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、非特定のコンポーネントキャリアのダウンリンク使用可能なサブフレームにおいて、PHICH上のDLACK/NACK情報を受信する。
【0124】
好ましく、セカンダリセル(SCell)にはクロスキャリアスケジューリングを構成している場合、上記ダウンリンクフィードバック処理手段24は、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHデータ送信と、特定のコンポーネントキャリアのPHICHによるDLACK/NACK情報の受信とのタイミング対応関係に基づいて、特定のコンポーネントキャリアのダウンリンクサブフレームのみにおいて、PHICH上のDLACK/NACK情報を受信する。
【0125】
好ましく、該装置は、
基地局が送信した特定のコンポーネントキャリアの指示情報を受信し、該指示情報に基づいて特定のコンポーネントキャリアを確定する特定コンポーネントキャリア確定手段25を更に備える。
【0126】
好ましく、上記特定のコンポーネントキャリアは、プライマリーセル(PCell)に用いられたコンポーネントキャリアである。
【0127】
好ましく、該装置は、
基地局にUEの能力情報を報告する能力情報報告手段26を更に備える。その情報には該UEが特定UEであるか否かの指示情報を備える。
【0128】
総じて、本発明の実施例では、UEは、特定のコンポーネントキャリアの伝送方向に基づいて各コンポーネントキャリアのアップリンク及びダウンリンクサブフレームの使用を確定する。UEは、特定のコンポーネントキャリアのPDSCHからULACK/NACKまでのタイミング関係に基づいて各コンポーネントキャリア上のULACK/NACKのフィードバックを確定する。UEは、特定のコンポーネントキャリアのPUSCHからPHICHまでのタイミング関係に基づいて、各コンポーネントキャリア上PHICHを受信する方案を確定する。アップリンクデータ伝送及びダウンリンクデータの同時伝送を支持しないUEに対し、異なるTDDアップリンク及びダウンリンクサブフレーム構成を用いるマルチキャリアのネットワークにアクセスされる際の、キャリア・アグリゲーションのアップリンク及びダウンリンクのデータ伝送方案、及び対応するフィードバック案を提供した。
【0129】
当業者にとって理解すべきことは、本発明の実施形態が方法、システム、又はコンピュータプログラム製品で提供されることができる。基づいて、本発明は完全ハードウェア実施形態、完全ソフトウェア実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの合わせの実施形態を用いることができる。かつ、本発明は1つ又は複数のその中にコンピュータ利用可能なプログラムコードを含むコンピュータ利用可能な記憶媒介(磁気メモリ、CD−ROM、光学メモリ等を含むがこれらに限られない)で実施するコンピュータプログラム製品の形式を用いることができる。
【0130】
本発明は本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフロー図及び/又はブロック図を参照して説明したものである。理解すべきは、コンピュータプログラムコマンドによりフロー図及び/又はブロック図の中の各流れ及び/又はブロック、及びフロー図及び/又はブロック図の中の流れ及び/又はブロックの合わせを実現できる。これらのコンピュータプログラムコマンドを通用コンピュータ、専用コンピュータ、埋め込みプロセッサ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供して1つの機器を生じ、コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサが実行するコマンドはフロー図の1つの流れ又は複数の流れ及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックに指定する能力を実現するための装置を生じるようになる。
【0131】
これらコンピュータプログラムコマンドはコンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置を引導して所定の方式で動作させるコンピュータ読み取る可能なメモリに記憶されてもよく、該コンピュータ読み取る可能なメモリに記憶されるコマンドはコマンド装置を備える製品を生じるようになり、該コマンド装置がフロー図の1つの流れ又は複数の流れ及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックに指定する能力を実現する。
【0132】
これらコンピュータプログラムコマンドはコンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置にロードしてもよく、コンピュータ又はその他のプログラム可能な装置で一連動作ステップを実行してコンピュータが実現する処理を生じ、このようにして、コンピュータ又はその他のプログラム可能な装置で実行するコマンドがフロー図の1つの流れ又は複数の流れ及び/又はブロック図の1つのブロック又は複数のブロックに指定する能力を実現するステップを提供する。
【0133】
当然、当業者は本発明の実施形態に対して様々な変更と変形を行うことができるが、本発明の実施形態の精神と範囲を逸脱しない。このようにして、本発明の実施形態のこれら修正と変形が本発明のクレーム及びその同等技術の範囲に含まれれば、本発明はこれら修正と変形を含む意図する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15