特許第5774239号(P5774239)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5774239-弁装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774239
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/22 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   F16K1/22 A
【請求項の数】5
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2014-547912(P2014-547912)
(86)(22)【出願日】2012年12月18日
(65)【公表番号】特表2015-505017(P2015-505017A)
(43)【公表日】2015年2月16日
(86)【国際出願番号】EP2012075912
(87)【国際公開番号】WO2013092561
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2014年6月19日
(31)【優先権主張番号】102011089080.7
(32)【優先日】2011年12月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ヴァイス
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 特表平7−507618(JP,A)
【文献】 特開平2−93183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/22
F16K 41/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、該ハウジング内に延びる流れ通路とを備えた弁装置であって、前記流れ通路内で弁フラップが、流れ方向に対して垂直に配置された軸に固定されており、該軸が前記ハウジング内に回転自在に支承されている、弁装置において、
自由側軸受けとして構成された軸受け(5’,6’)が、ばねポット(12)により取り囲まれており、該ばねポット(12)の底部(13)が、前記自由側軸受けの軸受けブシュ(6’)に接触しており、前記ばねポット(12)の外周面(14)が、半径方向に波形成形された形状を有していることを特徴とする、弁装置。
【請求項2】
前記ばねポット(12)は、孔(5’)を取り囲むハウジング部分を取り囲んでいる、請求項1記載の弁装置。
【請求項3】
前記ばねポット(12)は金属から成っている、請求項1記載の弁装置。
【請求項4】
前記ばねポット(12)は、フランジ(15)を有し、該フランジ(15)は、前記ハウジング(1)に結合されている、請求項1記載の弁装置。
【請求項5】
前記フランジ(15)は、前記ハウジング(1)と溶接されているか、またはねじ締結されている、請求項4記載の弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、ハウジングと、このハウジング内に延びる流れ通路とを備えた弁装置であって、前記流れ通路内で弁フラップが、流れ方向に対して垂直に配置された軸に固定されており、該軸が、ハウジング内に回転自在に支承されている形式の弁装置である。
【0002】
このような形式の弁装置は、自動車における排ガスフラップとして使用され、したがって公知である。公知の排ガスフラップでは、軸が、流れ通路の両側において、それぞれ1つの軸受けブシュ内に支承されている。軸受けブシュは、ハウジングに設けられた、対応する孔内に配置されていて、固定側軸受けおよび自由側軸受けとして構成されている。ハウジングに設けられた孔は、流れ通路内を流れる排ガスが、これらの孔を介して外部に向かって環境大気中へ漏出することを防ぐために、付加的にシール部を有している。
【0003】
本発明の根底を成す課題は、できるだけ少数の構成部分点数を用いるだけで、軸の確実でかつ信頼性の良い支承が可能になると同時に、弁装置の確実な運転が達成されるような弁装置を提供することである。
【0004】
この課題は、自由側軸受けとして構成された軸受けが、ばねポットによって取り囲まれており、ばねポットの底部が、自由側軸受けの軸受けブシュに接触しており、ばねポットの外周面が、半径方向に波形成形された形状を有することにより解決される。
【0005】
ばねポットの配置により、第1に、支承箇所のシールが実現される。それと同時に、ばねポットを介して、自由側軸受けにプリロードがかけられるので、軸を軸方向で遊びなしに支承することができる。これら両機能のためには、付加的な構成部分は必要とされない。
【0006】
有利な実施態様では、ばねポットが、孔を取り囲むハウジング部分を取り囲んでいる。
【0007】
ばねポットが金属から成っていると、ばねポットの良好な冷却が達成されると同時に、良好なばね特性が達成される。
【0008】
ばねポットとハウジングとの一層良好な結合のためには、ばねポットがフランジを有し、このフランジによって、ばねポットがハウジングに接触している。
【0009】
流れ通路からの排ガスの流出を阻止する密な結合のためには、前記フランジが、ハウジングと溶接されているか、またはねじ締結されている。その際、付加的なシール部材を設けることが考えられる。
【0010】
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る弁装置の断面図である。
【0012】
図1に示した弁装置は、ハウジング1と、このハウジング1内に延びる流れ通路2とを有する。流れ通路2内には弁フラップ3が、流れ方向に対して垂直に配置された軸4に固定されており、この場合、軸4はハウジング1内に回転自在に支承されている。軸4の支承のためには、ハウジング1が孔5,5’を有し、これらの孔5,5’内には軸受けブシュ6,6’が配置されている。ウェブ7,7’を介して、ハウジング1は別の構成部分に結合可能である。図示された実施形態では、一方の孔5内に位置決め用の固定側軸受けが配置されている。このためには孔5が、底部8を有し、この底部8は開口9を有しており、この開口9は、軸4によって駆動装置(図示しない)にまで貫通される。底部8には、軸受けブシュ6が接触しており、この軸受けブシュ6は、底部8とは反対の側では、軸4に設けられたつば10により仕切られる。他方の孔5’は、軸受けブシュ6’の軸方向の運動を制限することなしに、軸受けブシュ6’を収容している。フラップ側では、軸受けブシュ6’に、軸4に設けられたつば11が接触している。軸受けブシュ6’は、部分的に孔5’から突出するように孔5’内に配置されている。ばねポット12により、孔5’を取り囲んでいるハウジング部分が取り囲まれている。ばねポット12は、軸受けブシュ6’に接触する底部13と、半径方向に波形成形された外周面14とから成っている。ばねポット12はフランジ15を備えており、このフランジ15はハウジング1に接触している。波形成形された外周面14の構造により、ばね力が生ぜしめられるので、底部13は軸受けブッシュ6’の方向に力を発生させる。このことは、この自由側軸受けに対するプリロードを生ぜしめ、ひいては軸方向遊びのない支承を生ぜしめる。孔5’をシールし、かつばね力を発生させるためには、フランジ15がハウジング1に溶接されている。この実施形態の他に、自由側軸受けと固定側軸受けとを置き替えて配置することも考えられる。その場合には、ばねポットを備えた自由側軸受けが、軸の駆動装置寄りの側に配置されている。この変化形では、ばねポットの底部が、やはり軸受けブシュに接触していて、ただし軸の貫通のためのみ中断されている。
図1