特許第5774247号(P5774247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5774247スコア算出装置、及びスコア算出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5774247
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】スコア算出装置、及びスコア算出システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20150820BHJP
【FI】
   G06Q30/02 150
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-54882(P2015-54882)
(22)【出願日】2015年3月18日
【審査請求日】2015年3月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】394025924
【氏名又は名称】株式会社博報堂
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】辻田 敏宏
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼久 真也
(72)【発明者】
【氏名】奥野 夏帆
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−6757(JP,A)
【文献】 特開2012−73880(JP,A)
【文献】 特開2012−160078(JP,A)
【文献】 特開2014−112401(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象とするデジタルコンテンツである対象コンテンツの操作者が関心を有する特定情報と、前記対象コンテンツと前記特定情報との関連性の高さに対応する特徴スコアとを、前記対象コンテンツに対する少なくとも1つの実施行動によって規定された行動条件ごとに対応付けた特徴リストを少なくとも2つ以上取得する取得手段と、
前記行動条件ごとに、前記対象コンテンツを提供することによって提供者が目的としている結果である提供目的行為に至るまでのプロセスに含まれる前記行動条件の段階に対応した重みを、前記特徴リストにおける前記特徴スコアに付与する付与手段と、
前記付与手段で行動条件ごとに重みが付与された特徴スコアを前記特定情報ごとに統合し、前記特定情報それぞれのスコアを算出する算出手段と
を備えることを特徴とするスコア算出装置。
【請求項2】
前記実施行動には、前記対象コンテンツ内に規定された特定の箇所を操作する行動を含み、
前記行動条件は、1つの前記実施行動、または互いに異なる2以上の前記実施行動の組み合わせである
ことを特徴とする請求項1に記載のスコア算出装置。
【請求項3】
前記付与手段は、
前記提供目的行為に結びつく度合いが高い前記行動条件ほど、大きな重みを付与する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスコア算出装置。
【請求項4】
前記付与手段は、
実行された前記実施行動の種類が多いほど、前記提供目的行為に結びつく度合いが高い前記行動条件とする
ことを特徴とする請求項3に記載のスコア算出装置。
【請求項5】
前記付与手段は、
複数の前記実施行動が規定された順序で実行される前記行動条件を、前記提供目的行為に結びつく度合いが高い前記行動条件とする
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のスコア算出装置。
【請求項6】
前記付与手段は、
購買行動を前記提供目的行為として、前記重みを付与する
ことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のスコア算出装置。
【請求項7】
前記取得手段は、
キーワードを前記特定情報とした、前記特徴リストを取得する
ことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のスコア算出装置。
【請求項8】
前記取得手段は、
前記操作者の位置を前記特定情報とした、前記特徴リストを取得する
ことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載のスコア算出装置。
【請求項9】
前記取得手段は、
前記実施行動が実行されたことを検出する検出手段と、前記検出手段で前記実施行動が実行されたことを検出すると、その実施行動に関する情報を収集する収集手段と、前記収集手段で情報を収集した結果に基づいて、前記特徴リストを生成する生成手段とを備えた装置から前記特徴リストを取得する
ことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のスコア算出装置。
【請求項10】
対象とするデジタルコンテンツである対象コンテンツに対する少なくとも1つの実施行動が実行されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段で前記対象コンテンツに対する実施行動が実行されたことを検出すると、その実施行動に関する情報を収集する収集手段と、
前記収集手段で情報を収集した結果に基づいて、前記対象コンテンツの操作者が関心を有する可能性のある特定情報と、前記対象コンテンツと前記特定情報との関連性の高さに対応する特徴スコアとを、前記少なくとも1つの実施行動によって規定された行動条件ごとに対応付けた特徴リストを少なくとも2つ以上生成する生成手段と、
前記生成手段で生成された少なくとも2つ以上の特徴リストを取得する取得手段と、
前記行動条件ごとに、前記対象コンテンツを提供することによって提供者が目的としている結果に至るまでのプロセスに含まれる前記行動条件に応じた重みを、前記特徴リストにおける前記特徴スコアに付与する付与手段と、
前記付与手段で行動条件ごとに重みが付与された特徴スコアを前記特定情報ごとに統合し、前記特定情報それぞれのスコアを算出する算出手段と
を備えることを特徴とするスコア算出システム。
【請求項11】
前記対象コンテンツは、ウェブサイトであり、
前記対象コンテンツには、前記実施行動が実行されると発動するタグが前記実施行動ごとに設けられ、
前記検出手段は、
前記タグが発動すると、前記実施行動が実行されたことを検出する
ことを特徴とする請求項10に記載に記載のスコア算出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スコアを算出するスコア算出装置、及びスコア算出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検索連動型広告のキーワードの入力を受け付ける際に、スコアの高い検索キーワードを候補として提示する装置が知られている(特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された装置においては、検索キーワードの入力頻度に従って検索キーワードのスコアを算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−6757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、キーワードのスコアを算出する装置においては、特定のウェブサイトを提供することによって提供者が目的としている結果に至るまでのプロセスとの相関が高いスコアを算出することが求められている。
【0005】
しかし、特許文献1に記載された装置では、検索キーワードの入力頻度に従ってスコアを求めており、その求められたスコアは、特定のウェブサイトを提供することによって提供者が目的としている結果に至るまでのプロセスとの相関が低い可能性があった。
【0006】
つまり、従来の技術では、特定のデジタルコンテンツを提供することによって提供者が目的としている結果に至るまでのプロセスとの相関が高いスコアが算出されないという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、スコアを算出する装置において、特定のデジタルコンテンツを提供することによって提供者が目的としている結果に至るまでのプロセスとの相関が高いスコアを算出可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様のスコア算出装置は、取得手段と、付与手段と、算出手段とを備える。
取得手段は、対象とするデジタルコンテンツである対象コンテンツの操作者が関心を有する可能性のある特定情報と、対象コンテンツと特定情報との関連性の高さに対応する特徴スコアとを、行動条件ごとに対応付けた特徴リストを少なくとも2つ以上取得する。ここで言う行動条件とは、対象コンテンツに対する少なくとも1つの実施行動によって規定したものである。
【0009】
付与手段は、行動条件ごとに、提供目的行為に至るまでのプロセスに含まれる行動条件の段階に対応した重みを、特徴リストにおける特徴スコアに付与する。ここで言う提供目的行為とは、対象コンテンツを提供することによって提供者が目的としている結果である。
【0010】
算出手段は、付与手段で行動条件ごとに重みが付与された特徴スコアを特徴情報ごとに統合し、特徴情報それぞれのスコアを算出する。
このように、スコア算出装置では、特徴情報それぞれのスコアを、重みが付与された特徴スコアを特徴情報ごとに統合することで算出している。その重みは、対象コンテンツの提供目的行為に至るまでのプロセスに含まれる行動条件の段階に対応したものである。
【0011】
すなわち、スコア算出装置によれば、対象コンテンツの提供目的行為に至るまでのプロセスとの相関が高い特徴情報のスコアを算出できる。
しかも、スコア算出装置では、特徴情報それぞれのスコアを、少なくとも2つの特徴リストに基づいて算出するため、特徴情報のスコアの算出に用いる情報量を増加できる。そして、情報量が増加することで、対象コンテンツの提供目的行為に至るまでのプロセスと特徴情報との相関をより正確に把握できる。
【0012】
このため、スコア算出装置によれば、対象コンテンツの提供目的行為に至るまでのプロセスとの相関をより正確に反映した特徴情報のスコアを算出できる。
実施行動には、対象コンテンツ内に規定された特定の箇所を閲覧する行動を含んでもよい。この場合、行動条件は、1つの実施行動、または互いに異なる2以上の実施行動の組み合わせであってもよい。
【0013】
この場合、スコア算出装置においては、対象コンテンツ内での実施行動をより正確に把握でき、その実施行動を特定情報のスコアにより正確に反映できる。
スコア算出装置の付与手段においては、対象コンテンツの提供目的行為に結びつく度合いが高い行動条件ほど、大きな重みを付与してもよい。
【0014】
このようなスコア算出装置においては、対象コンテンツの提供目的行為に至るまでのプロセスとの相関をより適切に反映した特定情報のスコアを算出できる。
ところで、対象コンテンツの提供目的行為を実行しようとする意欲が高い人物ほど、対象コンテンツに対する多数の実施行動を実行している可能性が高い。
【0015】
このため、付与手段においては、実行された実施行動の種類が多いほど、対象コンテンツの提供目的行為に結びつく度合いが高い行動条件として、大きな重みを付与してもよい。
【0016】
このようなスコア算出装置によれば、対象コンテンツの提供目的行為に至るまでのプロセスの段階を、特定情報のスコアに、より確からしく表すことができる。
また、対象コンテンツの提供目的行為を実行しようとする意欲が高い人物は、対象コンテンツに対する実施行動を規定された順序で実行している可能性が高い。
【0017】
このため、付与手段においては、複数の実施行動が規定された順序で実行される行動条件を、対象コンテンツの提供目的行為に結びつく度合いが高い行動条件として、大きな重みを付与してもよい。
【0018】
このようなスコア算出装置によれば、対象コンテンツの提供目的行為に至るまでのプロセスの段階を、特定情報のスコアに、より確からしく表すことができる。
さらに、付与手段は、購買行動を提供目的行為として、特徴スコアに重みを付与してもよい。
【0019】
このようなスコア算出装置によれば、購買行動につながった特徴情報ほど、大きな値のスコアを算出できる。
なお、取得手段においては、キーワードを特定情報とした特徴リストを取得してもよいし、操作者の位置を特定情報とした特徴リストを取得してもよい。
【0020】
また、取得手段は、検出手段と、収集手段と、生成手段とを備えた装置から特徴リストを取得してもよい。検出手段は、実施行動が実行されたことを検出する。収集手段は、検出手段で実施行動が実行されたことを検出すると、その実施行動に関する情報を収集する。さらに、生成手段は、収集手段で情報を収集した結果に基づいて、特徴リストを生成する。
【0021】
このようなスコア算出装置によれば、特徴情報のスコアの算出に用いる特徴リストを、実施行動に関する情報を収集した結果に基づいて特徴リストを生成する装置から取得できる。
【0022】
なお、本発明の1つの態様として、スコア算出システムが考えられる。
このスコア算出システムは、検出手段と、収集手段と、生成手段と、取得手段と、付与手段と、算出手段とを備える。
【0023】
検出手段は、対象サイトに対する実施行動が実行されたことを検出する。収集手段は、対象サイトに対する実施行動が実行されたことを検出すると、その実施行動に関する情報を収集する。生成手段は、収集手段で情報を収集した結果に基づいて、少なくとも2つ以上の特徴リストを生成する。
【0024】
そして、取得手段は、生成手段で生成された少なくとも2つ以上の特徴リストを取得する。付与手段は、行動条件ごとに、対象コンテンツを提供することによって提供者が目的としている結果に至るまでのプロセスに含まれる行動条件の段階に対応した重みを、特徴リストにおける特徴スコアに付与する。さらに、算出手段は、付与手段で行動条件ごとに重みが付与された特徴スコアを、特定情報ごとに統合し、特定情報それぞれのスコアを算出する。
【0025】
このようなスコア算出システムによれば、スコア算出装置と同様、対象コンテンツを提供することによって提供者が目的としている結果に至るまでのプロセスとの相関が高いスコアを算出できる。
【0026】
また、ウェブサイトを対象コンテンツとした場合、その対象コンテンツには、実施行動が実行されると発動するタグが実施行動ごとに設けられていてもよい。この場合、検出手段は、タグが発動すると、対象コンテンツに対する実施行動が実行されたことを検出してもよい。
【0027】
このようなスコア算出装置によれば、実施行動が実際に実行されたことに起因して生成された特徴リストに基づいて、特定情報のスコアを算出でき、特定情報のスコアの信頼性をより高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明が適用されたスコア算出システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】特徴リスト生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
図3】特徴リストを例示する図である。
図4】スコア算出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<スコア算出システム>
図1に示すスコア算出システム1は、対象コンテンツの操作者が関心を有する特定情報ごとに、対象コンテンツを提供することによって提供者が目的としている結果(以下、「提供目的行為」と称す)に至るまでのプロセスの段階に対応した重みを反映したスコアを算出するシステムである。
【0030】
本実施形態における対象コンテンツとは、対象とする特定のデジタルコンテンツである。ここで言うデジタルコンテンツは、デジタル形式のコンテンツであり、例えば、ウェブサイトやアプリケーション、デジタルテレビの放送コンテンツなどを含む。なお、本実施形態においては、特定のウェブサイト(以下、「対象サイト」と称す)を対象コンテンツとして説明する。この対象サイトには、例えば、企業の商品や役務、企業自身の情報を提供するウェブサイトを含む。
【0031】
本実施形態における対象サイトは、少なくとも1つのウェブページを有している。そのウェブページの一例として、例えば、企業が提供する商品や役務の内容を操作者が確認するウェブページ、その商品や役務に対する資料を請求するウェブページが想定される。また、ウェブページの一例として、見積もりを要求するウェブページ、操作者が企業を訪問することを予約するウェブページ想定される。さらに、ウェブページの一例として、操作者の個人情報を登録するウェブページが想定される。さらに、ウェブページの一例として、対象サイトの提供者が提供する商品を購入するためのウェブページや、対象サイトの提供者が提供する役務を受けるためのウェブページなどがあってもよい。
【0032】
そして、提供目的行為とは、ウェブサイト(デジタルコンテンツ)の提供者が操作者に実行を期待する最終行動である。この提供目的行為の一例として、対象サイトの提供者が提供する商品を購入する購買行動や、対象サイトの提供者が提供する役務を受ける行動などが考えられる。
【0033】
また、本実施形態における特定情報は、キーワード、ウェブページのURL、操作者の位置を示すロケーション情報などを含む。ここで言うキーワードは、検索に用いた検索キーワードを含むものであり、一つのワードであってもよいし、複数のワードの組み合わせであってもよい。
【0034】
そして、スコア算出システム1は、情報端末3と、特徴リスト生成装置10と、情報処理装置30とを備えている。
このうち、情報端末3は、公衆通信網5に接続し、ウェブサイトを検索・閲覧する機能や、アプリケーションをダウンロードして実行する機能を有する端末である。この情報端末3として、例えば、周知のパーソナルコンピュータや携帯型情報端末が考えられる。ここで言う携帯型情報端末には、周知のスマートホンやタブレット端末、スマートテレビジョン、ウェアラブル端末、スマートカーに搭載される情報端末などを含む。
<特徴リスト生成装置>
特徴リスト生成装置10は、特徴リスト34を生成する装置であり、記憶部12と、入力部14と、出力部16と、制御部20とを備えている。
【0035】
特徴リスト34は、対象サイトの操作者が関心を有する可能性のあるキーワードと、対象サイトとキーワードとの関連性の高さに対応する特徴スコアとを、対象サイトに対する少なくとも1つの実施行動によって規定した行動条件ごとに対応付けたものである。
【0036】
記憶部12は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリによって構成されている。
入力部14は、情報やデータの入力を受け付ける。この入力部14には、キーボードやポインティングデバイス、スイッチなどの各種入力機器を含む。さらに、入力部14には、データの入力を受け付ける入力ポートや、公衆通信網5に接続する接続ポートを含む。
【0037】
出力部16は、情報やデータを出力する。この出力部16には、表示装置や音声出力装置などの各種出力装置を含む。さらに、出力部16には、データを出力する出力ポートや、公衆通信網5に接続する接続ポートを含む。
【0038】
制御部20は、ROM22,RAM24,CPU26を備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成された周知の制御装置である。ROM22は、電源を切断しても記憶内容を保持する必要のあるデータやプログラムを記憶する。RAM24は、データを一時的に格納する。CPU26は、ROM22またはRAM24に記憶されたプログラムに従って処理を実行する。
【0039】
記憶部12または制御部20のROM22には、対象サイトに対する操作者の行動を監視し、その監視結果に基づいて特徴リスト34を生成する特徴リスト生成処理を、制御部20が実行するための処理プログラムが格納されている。
<情報処理装置>
情報処理装置30は、記憶部32と、入力部36と、出力部38と、制御部40とを備えている。
【0040】
記憶部32は、書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリによって構成されている。この記憶部32には、特徴リスト生成処理にて生成された特徴リスト34が格納される。
【0041】
入力部36は、情報やデータの入力を受け付ける。この入力部36には、キーボードやポインティングデバイス、スイッチなどの各種入力機器を含む。さらに、入力部36には、データの入力を受け付ける入力ポートや接続ポートを含む。
【0042】
出力部38は、情報やデータを出力する。この出力部38には、表示装置や音声出力装置、印刷装置などの各種出力装置を含む。さらに、出力部38には、データを出力する出力ポートや接続ポートを含む。
【0043】
制御部40は、ROM42,RAM44,CPU46を備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成された周知の制御装置である。ROM42は、電源を切断しても記憶内容を保持する必要のあるデータやプログラムを記憶する。RAM44は、データを一時的に格納する。CPU46は、ROM42またはRAM44に記憶されたプログラムに従って処理を実行する。
【0044】
記憶部32または制御部40のROM42には、特徴リスト生成処理にて生成した特徴リスト34に基づいて、キーワードごとのスコア(以下、「キーワード特徴スコア」と称す)を算出するスコア算出処理を、制御部40が実行するための処理プログラムが格納されている。
【0045】
すなわち、情報処理装置30は、スコア算出処理を実行することで、特許請求の範囲に記載されたスコア算出装置として機能する。
<特徴リスト生成処理>
次に、特徴リスト生成装置10の制御部20が実行する特徴リスト生成処理について説明する。
【0046】
この特徴リスト生成処理が起動されると、制御部20は、図2に示すように、対象サイトにおける特定の箇所の各々にタグを設定する(S110)。
タグは、対象サイトに対する操作者の行動(以下、「実施行動」と称す)を監視する周知のものである。このタグのそれぞれは、実施行動が実行されると発動する。
【0047】
ここで言う実施行動には、例えば、対象サイト及び対象サイトを構成するウェブページへのアクセス、オンクリック操作、ウェブサイト上で実施可能なその他の操作を含む。
すなわち、S110では、例えば、対象サイトまたは対象サイトを構成するウェブページへのアクセスを実施行動として検出するように、対象サイトそのものや対象サイトを構成するウェブページそのものにタグを設定してもよい。また、S110では、オンクリック操作を実施行動として検出するように、対象サイトに規定された一部の箇所にタグを設定してもよい。さらに、S110では、資料の請求や見積もりの要求を実施行動として検出するように、対象サイトに規定された一部の箇所にタグを設定してもよい。さらには、S110では、個人情報の登録を実施行動として検出するように、対象サイトに規定された一部の箇所にタグを設定してもよい。
【0048】
なお、タグを設定する特定の箇所、即ち、実施されたか否かを監視すべき実施行動は、対象サイトの提供者などが、提供目的行為に応じて任意で設定すればよい。
続いて、制御部20は、S110で設定した各タグが発動したか否かを監視し、タグが発動するとログを収集する(S120)。このS120にて収集するログは、少なくとも、タグを識別するタグ識別情報と、タグを発動させた操作者が検索に用いた各キーワードと、操作者を特定する操作者特定情報とが対応付けられたものである。
【0049】
なお、ここで言う操作者特定情報には、例えば、クッキー(cookie)を含む。さらに、S120にて収集するログには、当該タグが発動した時刻が含まれていてもよい。
さらに、制御部20は、予め規定された規定時間が経過したか否かを判定する(S130)。ここで言う規定時間とは、対象サイトへのアクセスが一定数以上となるまでに要する期間であり、例えば、一週間や一ヶ月などの期間である。
【0050】
そして、S130での判定の結果、規定時間が経過していなければ(S130:NO)、制御部20は、特徴リスト生成処理をS120へと戻す。そのS120では、タグの発動を監視して、ログの収集を継続する。
【0051】
一方、S130での判定の結果、規定時間が経過すると(S130:YES)、制御部20は、S120で収集したログに基づいて、キーワードの特徴スコアを行動条件ごとに算出する(S140)。さらに、S140では、制御部20は、その算出した特徴スコアとキーワードとを対応付けた特徴リスト34を行動条件ごとに生成する。
【0052】
本実施形態における行動条件には、単一行動条件と、複数行動条件とを含む。
ここで言う単一行動条件とは、予め規定された1つの実施行動が実施されたことである。1つの実施行動が実施されたか否かの判定は、タグが発動したか否かに基づいて実施すればよい。
【0053】
また、複数行動条件とは、同一の操作者が予め規定した少なくとも2つ以上の実施行動を実施したことである。この複数行動条件の具体例としては、資料の請求と見積もりの要求との両方を実施したことや、個人情報の登録を実施した上でオンクリック操作を実行することなどが考えられる。さらに、複数行動条件の具体例として、資料の請求と見積もりの要求との両方を実施した上で、対象サイトを提供する企業への訪問を予約することなどが考えられる。
【0054】
また、少なくとも2つ以上の実施行動を同一の操作者が実行したか否かの判定は、ログに基づいて実行すればよい。具体的には、各タグ識別情報と対応付けられたクッキー(cookie)が共通であれば、複数のタグを同一の操作者が発動させたものと判定すればよい。
【0055】
なお、これらの行動条件の内容については、少なくとも1つの実施行動によって規定されていれば、対象サイトの提供者などが提供目的行為に応じて任意で設定すればよい。
また、特徴スコアの算出方法としては、キーワードの入力回数を集計し、各キーワードのうち、対象サイトへの流入を実現したキーワードほど大きな値となるように、集計結果に係数を乗算することが考えられる。ただし、特徴スコアの算出方法は、これに限るものではなく、種種の方法が考えられる。
【0056】
その後、制御部20は、本特徴リスト生成処理を終了する。
すなわち、特徴リスト生成処理では、制御部20は、対象サイトに対する実施行動が実行されたことを、タグの発動に基づいて検出する。そして、対象サイトに対する実施行動が実行されたことを検出すると、そのログを収集する。この収集されたログに基づいて、図3に示す、キーワードと特徴スコアとを、行動条件ごとに対応付けた少なくとも2つ以上の特徴リスト34を生成する。なお、図3に示す特徴リスト34に記載したユニークユーザ数とは、行動条件を満たした利用者(操作者)の人数である。
<スコア算出処理>
次に、情報処理装置30が実行するスコア算出処理について説明する。
【0057】
このスコア算出処理が起動されると、制御部40は、図4に示すように、行動条件ごとに生成された少なくとも2つ以上の特徴リスト34を取得する(S210)。特徴リスト34の取得元は、記憶部32であってもよいし、特徴リスト生成装置10の記憶部12であってもよい。後者の場合には、ネットワークを介して取得してもよいし、可搬型の記憶媒体を介して取得してもよい。
【0058】
続いて、制御部40は、行動条件ごとに重みを算出する(S220)。このS220では、制御部40は、提供目的行為に至るまでのプロセスに含まれる行動条件の段階に対応した重みを算出する。この重みの算出では、提供目的行為に結びつく度合いが高い行動条件ほど、大きな値の重みを算出する。
【0059】
具体的には、制御部40は、実行された実施行動の種類が多い行動条件、即ち、発動したタグの個数が多い行動条件ほど、提供目的行為に結びつく度合いが高い行動条件として、大きな値の重みを算出してもよい。また、制御部40は、複数の実施行動が規定された順序で実行される行動条件、即ち、タグを規定された順序で発動させた行動条件を、提供目的行為に結びつく度合いが高い行動条件として、大きな値の重みを算出してもよい。
【0060】
この重みの算出方法の一例としては、予定行動を実施した人数を「Y」、各行動条件を「X」とした重回帰分析が考えられる。重回帰分析を用いる場合の操作者が予定行動を実施したか否かの判定は、例えば、予定行動を実施した場合にその人物から提出してもらった個人情報と、特徴リスト生成装置10に蓄積されたログに含まれる操作者特定情報とを照合することで実施すればよい。
【0061】
なお、重みの算出方法は、重回帰分析に限るものではなく、例えば、単回帰分析を用いてもよいし、その他の手法を用いてもよい。その他の手法には、任意の係数を決定することを含む。
【0062】
さらに、制御部40は、S220にて算出した重みを特徴スコアに付与する(S230)。具体的にS230では、制御部40は、行動条件ごとの特徴リスト34におけるキーワードの特徴スコアに、その行動条件に対応する重みを付与する。特徴スコアに重みを付与する方法としては、乗算や加算が考えられる。
【0063】
続いて、制御部40は、S230にて行動条件ごとに重みが付与された特徴スコアを、キーワードごとに統合して、キーワード特徴スコアを算出する(S240)。ここで言う統合には、キーワードごとの特徴スコアの代表値を算出することを含む。この代表値算出の具体例としては、行動条件ごとの重み付きの特徴スコアを加算することや、行動条件ごとの重み付きの特徴スコアを乗算すること、行動条件ごとの重み付きの特徴スコアの平均値を算出することなどが考えられる。
【0064】
さらに、制御部40は、S240で算出したキーワード特徴スコアと、キーワードとを対応付けたリストを生成し、出力部38を介して出力する(S250)。
制御部40は、その後、本スコア算出処理を終了する。
【0065】
つまり、スコア算出処理では、特徴リスト34を少なくとも2つ以上取得する。そして、提供目的行為に至るまでのプロセスに含まれる行動条件の段階に対応した重みを行動条件ごとに算出する。さらに、その算出した行動条件ごとの重みを、対応する行動条件の特徴スコアに付与する。
【0066】
続いて、スコア算出処理では、行動条件ごとに重みが付与された特徴スコアをキーワードごとに統合して、キーワード特徴スコアをキーワードごとに算出する。
[実施形態の効果]
以上説明したように、スコア算出処理では、キーワードそれぞれのスコアを、重みが付与された特徴スコアをキーワードごとに統合することで算出している。その重みは、提供目的行為に至るまでのプロセスに含まれる行動条件の段階に対応したものである。
【0067】
すなわち、情報処理装置30によれば、提供目的行為に至るまでのプロセスとの相関が高いキーワードのスコアを算出できる。
さらに、スコア算出処理では、提供目的行為に結びつく度合いが高い行動条件ほど、大きな重みを算出して、特徴スコアに付与している。
【0068】
この結果、情報処理装置30においては、提供目的行為に至るまでのプロセスとの相関をより適切に反映したキーワードのスコアを算出できる。
しかも、スコア算出処理では、キーワードそれぞれのスコアを、少なくとも2つの特徴リストに基づいて算出するため、キーワードのスコアの算出に用いる情報量を増加できる。そして、情報量が増加することで、提供目的行為に至るまでのプロセスとキーワードとの相関をより正確に把握できる。
【0069】
このため、情報処理装置30によれば、提供目的行為に至るまでのプロセスとの相関をより正確に反映したキーワードのスコアを算出できる。
ところで、提供目的行為を実行しようとする意欲が高い人物ほど、対象サイトに対する多数の実施行動を実行している可能性が高い。このため、スコア算出処理において、実行された実施行動の種類が多いほど、大きな重みを付与すれば、提供目的行為に至るまでのプロセスの段階を、キーワードのスコアに確からしく反映することができる。
【0070】
また、提供目的行為を実行しようとする意欲が高い人物は、対象サイトに対する実施行動を規定された順序で閲覧している可能性が高い。このため、スコア算出処理において、複数の実施行動が規定された順序で実行される行動条件に、大きな重みを付与すれば、提供目的行為に至るまでのプロセスの段階を、キーワードのスコアに確からしく反映することができる。
【0071】
なお、本実施形態において、提供目的行為の具体例を購買行動とすれば、購買意欲が高いと考えられる実施行動につながったキーワードほど、大きな値のキーワード特徴スコアを算出できる。この結果、スコア算出処理で生成したリストを、購買行動に直接的に結びつくキーワードの特定などに用いることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0072】
例えば、上記実施形態においては、「重み」の算出を、スコア算出処理のS220にて実行していたが、「重み」を算出する処理は、スコア算出処理のS220にて実行されていなくともよい。この「重み」を算出する処理は、スコア算出処理とは、独立して実行されてもよい。さらに言えば、「重み」を算出する処理を実行する主体は、情報処理装置30でなくともよく、情報処理装置30以外の装置であってもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、ウェブサイトに設けられたタグが発動することで、実施行動が実行されたことを検出していたが、本発明において、実施行動を検出する方法は、これに限るものではない。例えば、対象コンテンツとしてアプリケーションを想定する場合には、ソフトウェア開発キット(SDK:Softwere Development Kit)を経由して実施行動が実行されたことを検出してもよい。この場合の実施行動には、アプリケーションのダウンロードや、アプリケーションに対する各種の操作が含まれる。
【0074】
また、特徴リスト生成装置が収集するログは、少なくとも、実施行動を識別する実施行動識別情報と、実施行動を実行した操作者が検索に用いた各キーワードと、操作者を特定する操作者特定情報とが対応付けられたものであってもよい。ここで言う操作者特定情報は、クッキー(cookie)の他に、操作者ごとに割り当てられた識別情報、端末装置ごとに割り当てられた端末識別情報などであってもよい。また、ログには、広告コンテンツを識別する広告識別情報が含まれていても良い。
【0075】
さらに、上記実施形態では、実施行動の一例として、対象サイト及び対象サイトを構成するウェブページへのアクセス、オンクリック操作、ウェブサイト上で実施可能なその他の操作を想定していたが、本発明における実施行動は、これに限るものではない。例えば、本発明における実施行動は、アプリケーションのダウンロードや、アイテムの購入、音声入力による検索などを含んでもよい。すなわち、本発明における実施行動は、対象コンテンツに対する何かしらの行動であれば、その行動内容はどのようなものであってもよい。
【0076】
なお、上記実施形態では、操作者が操作する対象として、ウェブサイトを想定したが、本発明の操作者が操作する対象は、デジタルコンテンツであってもよい。
さらに言えば、上記実施形態では、特定情報の一例として、キーワードを想定していたが、本発明における特定情報には、情報端末3の位置を表すロケーション情報を含んでもよい。この場合、キーワードに加えてロケーション情報が含まれていてもよいし、キーワードに変えてロケーション情報だけが含まれていてもよい。なお、ロケーション情報の取得方法の一例として、情報端末3に設けられたGPS受信機で受信した、GPS衛星からの信号に基づく周知の方法で検出したロケーション情報を取得することが考えられる。
【0077】
このように、特定情報としてロケーション情報が含まれていれば、提供目的行為の実現度が高い人物が関心を持っている位置についてスコアを算出できる。このような位置に関してスコアを算出できれば、交通広告やロケーションベースド広告を出稿に役立てることができる。
【0078】
また、上記実施形態においては、特徴リスト生成処理の実行主体は、特徴リスト生成装置10の制御部20であったが、本発明においては、特徴リスト生成処理の実行主体は、情報処理装置30の制御部40であってもよい。この場合、特徴リスト生成装置10は省略されていてもよい。
【0079】
また、上記実施形態におけるスコア算出処理の実行主体は、情報処理装置30の制御部40であったが、本発明におけるスコア算出処理の実行主体は、特徴リスト生成装置10の制御部20であってもよい。この場合、情報処理装置30は省略されていてもよい。
【0080】
なお、上記実施形態の構成の一部を省略した態様も本発明の実施形態である。また、上記実施形態と変形例とを適宜組み合わせて構成される態様も本発明の実施形態である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において考え得るあらゆる態様も本発明の実施形態である。
【0081】
また、本発明は、前述したスコア算出装置、スコア算出システムの他に、キーワード特徴スコアを算出するためにコンピュータが実行するプログラム等、種々の形態で実現することができる。
[実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
最後に、上記実施形態の記載と、特許請求の範囲の記載との関係を説明する。
【0082】
上記実施形態のスコア算出処理におけるS210を実行することで得られる機能が、特許請求の範囲に記載された取得手段の一例であり、S230を実行することで得られる機能が、特許請求の範囲に記載された付与手段の一例である。また、S240を実行することで得られる機能が、特許請求の範囲に記載された算出手段の一例である。
【0083】
さらに、上記実施形態の特徴リスト生成処理におけるS120を実行することで得られる機能が、特許請求の範囲に記載された検出手段、及び収集手段の一例であり、S140を実行することで得られる機能が、特許請求の範囲に記載された生成手段の一例である。
【符号の説明】
【0084】
1…スコア算出システム 3…情報端末 5…公衆通信網 10…特徴リスト生成装置 12,32…記憶部 14,36…入力部 16,38…出力部 20,40…制御部 22,42…ROM 24,44…RAM 26,46…CPU 30…情報処理装置
【要約】
【課題】スコアを算出する装置において、特定のデジタルコンテンツを提供することによって提供者が目的としている結果に至るまでのプロセスとの相関が高いスコアを算出可能とすること。
【解決手段】スコア算出装置は、少なくとも2つの特徴リストを取得する(S210)。特徴リストは、対象コンテンツの操作者が関心を有する可能性のある特定情報と、対象コンテンツと特定情報との関連性の高さに対応する特徴スコアとを、対象コンテンツに対する少なくとも1つの実施行動によって規定した行動条件ごとに対応付けたものである。行動条件ごとに、対象コンテンツを提供することによって提供者が目的としている結果に至るまでのプロセスに含まれる行動条件の段階に対応した重みを特徴スコアに付与する(S230)。行動条件ごとに重みが付与された特徴スコアを特定情報ごとに統合し、特定情報それぞれのスコアを算出する(S240)。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4