(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
主面を有する基板と、前記基板の前記主面に形成された絶縁層と、前記絶縁層の主面に形成されて第1金属から成るパッドと、を用意し、前記パッドの上面に複数の第1半田ペーストを互いに離間して形成する工程と、
リフローにより第1半田ペーストを溶融させて第1半田構造を形成する工程と、
前記第1半田構造および前記パッドの上面が覆われるように第2半田ペーストを塗布する工程と、
前記第2半田ペーストの上面に回路素子を載置して加熱することにより、前記回路素子を前記パッドに固着する工程と、を具備し、
前記固着する工程では、複数の第2半田構造を形成し、前記第1半田構造と前記第2半田構造と前記パッドとの間に合金層を生成し、前記合金層は第1半田構造と第2半田構造と前記パッドの前記第1金属とを含む化合物を有し、前記合金層は第1合金層と第2合金層を有し、前記第2合金層は前記第1合金層よりも薄く、前記第1合金層は互いに離間してマトリックス状に配置されることを特徴とする回路装置の製造方法。
前記第1半田構造は前記パッドの上面に直に形成され、前記第2半田ペーストは前記第1半田構造の表面および前記パッドの上面に塗布されることを特徴とする請求項4に記載の回路装置の製造方法。
【背景技術】
【0002】
図8を参照して、従来の回路装置の製造方法を説明する。ここでは、基板106の表面に導電パターン108および回路素子を形成する混成集積回路装置の製造方法を説明する(例えば、下記特許文献1を参照)。
【0003】
図8(A)を参照して、先ず、基板106の表面に形成された導電パターン108の表面に半田109を形成する。基板106は例えばアルミニウム等の金属から成る金属基板であり、導電パターン108と基板106とは、絶縁層107により絶縁されている。導電パターン108により、パッド108A、パッド108Bおよびパッド108Cが形成されている。パッド108Aは後の工程にてヒートシンクが上部に固着される。パッド108Bは後の工程にて小信号のトランジスタが固着される。パッド108Cは、後の工程にてリードが固着される。ここでは、比較的大きなパッドであるパッド108Aおよびパッド108Cの表面に半田109が形成される。
【0004】
図8(B)を参照して、次に、小信号系のトランジスタ104Cおよびチップ部品104Bを、半田を介して固着する。この工程では、トランジスタ104C等を接続する半田が溶融されるまで加熱を行う。従って、前工程にてパッド108Aおよびパッド108Cに形成された半田109も溶融される。
【0005】
図8(C)を参照して、次に、小信号系のトランジスタ104Cと所定の導電パターン108とを細線105Bにより接続する。
【0006】
図9(A)を参照して、次に、パッド108Aおよびパッド108C上に予め形成された半田109を溶融させて、ヒートシンク111およびリード101を固着する。ここでは、上部にパワートランジスタ104Aが載置されたヒートシンク111を、予め形成された半田109を介してパッド108A上に固着している。更に、太線105Aを用いて、所望の導電パターン108とトランジスタ104Aとを接続する。
【0007】
図9(B)を参照して、基板106の表面に形成された回路素子および導電パターン108が被覆されるように封止樹脂102を形成する。以上の工程により、混成集積回路装置100が製造される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、
図10を参照して、上記した従来の製造方法では溶融した半田109にヒケの問題が発生していた。
図10(A)はヒケが発生した基板106の平面図であり、
図10(B)は断面図であり、
図10(C)はヒケが発生した部分を拡大した断面図である。
【0010】
図10(A)および
図10(B)を参照して、「ヒケ」とは、パッド108Aの全面に塗布された半田を溶融すると、半田109が偏ってしまう現象のことである。特にヒートシンク111が固着されるパッド108Aは、例えば1つの辺の長さが9mm以上の大型な矩形に形成される。従って、他の部位と比較するとパッド108Aには多量の半田が上部に付着され、溶融した半田109には大きな表面張力が作用し、半田のヒケが発生する。
【0011】
半田109のヒケが発生すると、ヒケが発生した部分に於いて、パッド108Aと回路素子とが接合されないので、ヒケが発生した部分の熱抵抗が上昇してしまう。更に、ヒケが発生することにより半田接合の強度が低下するので、温度変化に対する半田接合部の接続信頼性が低下する。
【0012】
図10(C)を参照して、パッド108Aと半田109との間に合金層110が生成されるのが、ヒケが発生する原因である。半田ペーストをパッド108Aの上部に付着させて加熱溶融すると、パッド108Aの材料である銅と半田の材料である錫から成る金属間化合物が形成される。この図では金属間化合物から成る層を合金層110で示している。具体的には、合金層110の厚みは数μm程度であり、組成がCu
6Sn
5またはCu
3Snの金属間化合物である。この合金層110は、パッド108Aの材料である銅と比較すると、半田の濡れ性が極めて悪い。このように半田の濡れ性に劣る合金層110が形成されることにより、半田のヒケが発生していた。更にまた、複数回に渡り半田を溶融させると、パッド108Aの上面に形成される合金層110が厚くなり、このことにより半田の濡れ性は更に悪くなる。以下の説明では、銅と錫とか成る合金層をCu/Sn合金層と呼ぶ。
【0013】
一方、近年では環境への配慮から鉛フリー半田が使用されている。半田109Aとして鉛フリー半田を用いると、より厚い合金層110が形成され、上記したヒケの問題が顕著に発生する。これは、鉛フリー半田には鉛共晶半田よりも多量の錫が含まれるからである。具体的には、一般的な鉛共晶半田に含まれる錫の割合は60重量%程度であるのに対して、鉛フリー半田に含まれる錫の割合は90重量%程度である。
【0014】
更にまた、生産性向上等を目的として、ロジン系フラックスが添加された半田ペーストを採用すると、溶融した半田ペーストが濡れない問題が発生する。この理由は、水溶性フラックスと比較するとロジン系フラックスは活性力が弱いからである。また、銅から成るパッドの上面をニッケル膜により被覆し、このニッケル膜の上面にロジン系の半田ペーストを塗布して溶融すると、半田ペーストが濡れない問題が顕著と成る。
【0015】
ここで、濡れ性が悪いとは、パッドと半田との間に合金層が形成されずに、半田が広がらないことをいう。一方、ヒケとは、半田とパッドとの間に合金層形成されて一時的に半田は濡れ広がるが、その後、半田の表面張力で半田が寄ってしまう状態のことである。従って、半田にヒケが発生すると、後述するようにパッドの上面に合金層が露出しボイドが発生する。
【0016】
更に、回路素子を半田接続する場合において、半田とパッドとの境界部分にCu/Sn合金層が厚く形成されると、厚いCu/Sn層は機械的強度が弱いので、半田接続の接続信頼性が低下するおそれがある。
【0017】
本発明は、上記問題点を鑑みてなされ、本発明の主な目的は、半田のヒケの発生を抑止して半田接合部の接続信頼性を向上させた回路装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の回路装置は、主面を有する基板と、前記基板の前記主面に形成され、主面を有する絶縁層と、前記絶縁層の前記主面に形成された導電パターンを有し、第1金属から成り少なくとも1つのパッドを形成する金属膜と、少な
くとも一つの前記パッドに半田を介して固着された回路素子と、を具備し、前記半田と前記パッドとの境界には、前記半田を構成する金属と前記第1金属とを含む金属間化合物から成る合金層が形成され、前記合金層は、第1合金層と、前記第1合金層よりも薄い第2合金層を有し、前記第1合金層は、互いに離間してマトリックス状に配置されることを特徴とする。
【0019】
本発明の回路装置の製造方法は、主面を有する基板と、前記基板の前記主面に形成された絶縁層と、前記絶縁層の主面に形成されて第1金属から成るパッドと、を用意し、前記パッドの上面に複数の第1半田ペーストを互いに離間して形成する工程と、リフローにより第1半田ペーストを溶融させて第1半田構造を形成する工程と、前記第1半田構造および前記パッドの上面が覆われるように第2半田ペーストを塗布する工程と、前記第2半田ペーストの上面に回路素子を載置して加熱することにより、前記回路素子を前記パッドに固着する工程と、を具備し、前記固着する工程では、複数の第2半田構造を形成し、前記第1半田構造と前記第2半田構造と前記パッドとの間に合金層を生成し、前記合金層は第1半田構造と第2半田構造と前記パッドの前記第1金属とを含む化合物を有し、前記合金層は第1合金層と
第2合金層を有し、前記第2合金層は前記第1合金層よりも薄く、前記第1合金層は互いに離間してマトリックス状に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の回路装置では、回路素子を接続する半田とパッドとの境界に設けられる合金層を、厚い第1合金層と、薄い第2合金層とから構成している。このようにすることで、薄い合金層により接続強度が確保されるので、半田とパッドとの接続信頼性が向上される。
【0021】
本発明の回路装置の製造方法では、比較的大型なパッドの上面に複数の第1半田を離間した状態で溶着させる。パッドの上面に一体化された第1半田を形成するのではなく、離散的に複数個の第1半田をパッド状に設けることにより、個々の第1半田に作用する表面張力が低減されるので、第1半田を形成する工程におけるヒケが防止される。
【0022】
更に、第1半田にヒケが発生しないことにより、第1半田が形成されない領域のパッドの上面にCu/Sn合金層が露出しない。半田の濡れ性が悪いCu/Sn合金層が露出しないことにより、更に半田ペーストを溶融する次工程でのヒケが抑止される。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1の実施の形態>
本実施の形態では、
図1を参照して、本発明の回路装置の一例として混成集積回路装置10の構成を説明する。
図1(A)は混成集積回路装置10の斜視図であり、
図1(B)はその断面図である。
図1(C)はトランジスタ14A(回路素子)が固着される構造を示す断面図である。
【0025】
図1(A)および
図1(B)を参照して、混成集積回路装置10は、基板16の表面に導電パターン18が形成され、半田19を介して導電パターン18にトランジスタ等の回路素子が固着されている。そして、基板16の少なくとも表面は封止樹脂12により封止されている。
【0026】
基板16は、アルミニウムや銅等の金属から成る金属基板、エポキシ樹脂等の樹脂材料からなる基板である。基板16としてアルミニウムより成る基板を採用した場合、基板16の両主面はアルマイト処理により生成された陽極酸化膜により被覆される。基板16の具体的な大きさは、例えば、縦×横×厚さ=60mm×40mm×1.5mm程度である。
【0027】
絶縁層17は、基板16の上面全域を覆うように形成されている。絶縁層17は、Al
2O
3等のフィラーが高充填されたエポキシ樹脂等から成る。このことにより、内蔵される回路素子から発生した熱を、基板16を介して良好に外部に放出することができる。絶縁層17の具体的な厚みは、例えば50μm程度である。
【0028】
導電パターン18は銅を主材料とする金属膜から成り、所定の電気回路が実現されるように絶縁層17の表面に形成される。更に導電パターン18により、パッド18A、パッド18Cおよびパッド18Eが形成されている。各パッドの詳細は
図2を参照して後述する。
【0029】
パワートランジスタ14A、チップ部品14Bおよび小信号トランジスタ14C等の回路素子は、半田19を介して所定の導電パターン18に固着されている。ここで、パワートランジスタ14Aは、ヒートシンク14Dを介してパッド18Aに固着されることで、放熱性が向上されている。チップ部品14Bは、両端の電極が半田19により導電パターン18に固着されている。小信号トランジスタ14Cは、半田19を介して裏面がパッド18Cに固着されている。ここで、パワートランジスタ14Aとは、例えば1A以上の電流が流れるトランジスタであり、小信号トランジスタ14Cとは1A未満の電流が流れるトランジスタである。更に、パワートランジスタ14Aの表面の電極は、太さが100μm以上の金属細線である太線15Aにより導電パターン18と接続されている。また、小信号トランジスタ14Cの表面に形成された電極は、太さが80μm程度以下の細線15Bを介して導電パターン18に接続されている。
【0030】
基板16に実装される回路素子としては、トランジスタ、LSIチップ、ダイオード等の半導体素子を採用することができる。更に、チップ抵抗、チップコンデンサ、インダクタンス、サーミスタ、アンテナ、発振器等のチップ部品も回路素子として採用することができる。さらには、樹脂封止型の回路装置も回路素子として混成集積回路装置10に内蔵させることができる。また本形態では、下面にヒートシンク14Dが固着されたトランジスタ14Aを、一つの回路素子としてみなしても良い。
【0031】
リード11は、基板16の周辺部に設けられたパッド18Eに固着され、外部との入力・出力を行う働きを有する。ここでは、一つの側辺に多数個のリード11が固着されているが、リード11は基板16の4辺から導出させることも可能であり、対向する2辺から導出させることも可能である。
【0032】
封止樹脂12は、熱硬化性樹脂を用いるトランスファーモールドにより形成される。
図1(B)を参照すると、基板16の表面に形成された導電パターン18および回路素子が封止樹脂12により被覆される。ここでは、基板16の側面および裏面も封止樹脂12により被覆されており、このようにすることで、装置全体の耐湿性を向上させることができる。また、基板16の放熱性を向上させるために、基板16の裏面を封止樹脂12から露出させても良い。更に、封止樹脂12の替わりに、ケース材による封止を行うこともできる。
【0033】
図1(C)を参照して、ヒートシンク14Dがパッド18Aに溶着される構造を説明する。具体的には、銅を主材料とするパッド18Aの上面には半田19を介してヒートシンク14Dが固着されており、更にヒートシンク14Dの上面にトランジスタ14Aの下側の電極が固着されている。
【0034】
また、トランジスタ14Aの上面に配置された電極は太線15Aを経由して、パッド18Aの近傍に配置されたパッド状の導電パターン18と接続される。上記したように、トランジスタ14Aとパッド18Aとの間にヒートシンク14Dを配置することにより、熱が伝導する面積が大きくなり、トランジスタ14Aから放出された熱は良好に基板16に伝導する。
【0035】
トランジスタ14AとしてMOSFETが採用された場合、トランジスタ14Aの下面に設けたドレイン電極はヒートシンク14Dを経由してパッド18Aと接続される。また、トランジスタ14Aの上面に設けたソース電極は、パッド18Aの近傍に配置された他の導電パターン18と太線15Aを経由して接続される。そして、トランジスタ14Aの上面に配置されたゲート電極は太線15Aあるいは細線を経由して、パッド18Aの周囲に配置された他の導電パターン18と接続される。
【0036】
パッド18Aの上面と半田19との境界部分には、半田パッド18Aの材料と半田19の材料とから構成される金属間化合物が生成される。例えば、パッド18Aの材料が銅であり、半田19の主材料が錫の場合は、上記したCu/Sn合金層が生成される。特に、半田19として錫を主材料とする鉛フリーはんだが採用された場合、厚いCu/Sn合金層が生成される傾向にある。
【0037】
また、本形態では、パッド18Aの上面に固着される素子として、トランジスタ14Aが上面に固着されたヒートシンクが採用されているが、その他の素子がパッド18Aに固着されても良い。例えば、トランジスタ14Aが直にパッド18Aの上面に固着されても良い。
【0038】
更に本形態では、上記した合金層を部分的に薄くすることにより、半田19とパッド18Aとの接続信頼性が向上する利点がある。具体的には、Cu/Sn合金から成る合金層は脆い性質を備えている。従って、この合金層が厚く形成されると、使用状況下に於いて合金層が形成された箇所にて半田19とパッド18Aとが剥離してしまう恐れがある。このことを防止するために、合金層を部分的に薄く形成している。このようにすることで、厚い合金層22では強度が弱くなるが、薄い合金層23で強度が確保されるので、この合金層の部分で使用状況下においてクラックが発生することが抑制される。
【0039】
また、厚い合金層22はパッド18Aの上面にマトリックス状に配置されており、薄い合金層23は合金層22の間に格子状に形成されている。薄い合金層23が格子状に形成されることにより、パッド18Aの全面に渡り合金層23で剥離が防止される。
【0040】
更にまた、
厚い合金層22は、パッド18Aの四方の周辺部に配置されており、このことによっても半田19とパッド18Aとの剥離が抑制されている。
ここで、薄い合金層は符号23で示されている。
【0041】
このような合金層は、後述するように、部分的に半田を複数個に分けて形成することで実現される。
図5(B)を参照して、パッド18Aの上面に半田19が形成される箇所が上記した厚い合金層22が形成される領域である。また、パッド18Aの上面に於いて半田19が形成されない領域が、薄い合金層23が形成される領域である。
【0042】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、
図2から
図7を参照して、上記した混成集積回路装置10の製造方法を説明する。
【0043】
第1の工程:
図2参照
本工程では、基板16の表面に導電パターン18を形成する。
図2(A)は本工程での基板16の平面図であり、
図2(B)はその断面図である。
【0044】
図2(A)および
図2(B)を参照して、基板16の表面に貼着された導電箔をパターニングすることで、所定のパターン形状の導電パターン18が形成される。ここでは、導電パターン18により、パッド18A〜18Eが形成されている。パッド18Aは、後の工程にてヒートシンクが固着されるパッドであり、比較的大型に形成される。例えば、パッド18Aは、9mm×9mm以上の四角形形状に形成される。パッド18B、18Cは、後の工程にてチップコンデンサ等のチップ素子の両電極が半田を介して固着されるパッドである。また、パッド18Dは、小信号系のトランジスタまたはLSIが固着されるパッドであり、パッド18Aと比較すると小さく形成される。例えばパッド18Dの大きさは2mm×2mm程度の矩形である。パッド18Eは、紙面上にて基板16の上側辺に沿って複数個が略等間隔に形成されている。このパッド18Eは、後の工程にてリード11が固着される。更に、各パッドを相互に接続するように延在する配線パターン18Fも形成される。
【0045】
上記した導電パターン18は、銅を主材料とする金属から構成されている。また、パッド18A等の上面はメッキ膜等により被覆されることはなく、導電パターン18を構成する金属材料が露出する面である。更に、通常の作業雰囲気下では、パッド18Aの表面は薄い酸化膜により被覆される場合もあるが、この酸化膜は後に塗布される半田ペーストに含まれるフラックスにより除去される。
【0046】
第2の工程:
図3参照
本工程では、パッド18A〜18Dの上面に半田ペースト21Aを塗布する。
【0047】
具体的には、
図3(A)を参照して、スクリーン印刷を行うことにより、パッド18A〜18Dの上面に半田ペースト21Aを塗布する。本工程では、次工程で小信号系素子が実装されるパッド18B−18Dおよび大型のパッド18Aの上面に、半田ペースト21Aが印刷して塗布される。
【0048】
図3(A)および
図3(B)を参照して、パッド18B、18Cは抵抗器等のチップ素子が実装される素子であり、上面のほぼ全域に半田ペースト21Aが一体的に塗布される。また、パッド18Dは、制御用のLSIが固着されるものであり、上面のほぼ全域に半田ペースト21Aが一体的に塗布される。
【0049】
ここで、
図3(A)で右端に配置されるパッド18Eは後の工程にて外部出力端子であるリードが固着されるものであるので、本工程では半田は溶着されない。
【0050】
一方、
図3(C)を参照して、パッド18Aの上面では、全面的に半田ペースト21Aが均一の厚みで塗布されるのではなく、半田ペースト21Aは離散的に塗布されている。具体的には、パッド18Aの上面には、マトリックス状に3行3列で合計9個の半田ペースト21Aが互いに離間して配置されている。ここでは9個の半田ペースト21Aがパッド18Aの上面に配置されているが、この個数は2個、4個または6個程度でも良い。
【0051】
先ず、半田ペースト21Aが離散して配置されるパッド18Aの平面視での形状は、L1=4.5mm以上13.0mmであり、L2も同程度である。
【0052】
各々の半田ペースト21Aは、平面視で四角形形状を呈しており、L3=2.4mm以上3.4mm以下であり、L4の長さも同程度である。ここで、半田ペースト21Aは正方形型でも良いし長方形型でも良い。半田ペースト21Aの一辺の長さが大きすぎると、半田ペースト21Aの量が多くなり、表面張力が大きくなるので、上記したヒケが発生する恐れが大きくなる。一方、逆に半田ペースト21Aの一辺の長さが小さすぎると、半田ペースト21Aの量が不十分となり、パッド18Aとその上面に固着される素子との接続強度が不十分となる。
【0053】
個々の半田ペースト21Aは、溶融された際に離散化された状態を維持する様に互いに離間している。半田ペースト21A同士が紙面上で縦方向に離間する距離L5は、例えば0.9mm以上1.7mm以下である。また、半田ペースト21A同士が紙面上で横方向に離間する距離L6も同様である。半田ペースト21A同士が離間する距離が短すぎると、溶融した半田ペースト21同士が一体化してしまい、その結果液状の半田に発生する表面張力が大きくなりヒケが発生する。一方、半田ペースト21A同士が離間する距離が長すぎると、半田ペースト21Aの量が不足する恐れがある。
【0054】
本工程は、スクリーン印刷塗布またはシリンジによる供給により行われる。スクリーン印刷による場合は、半田ペースト21Aが塗布される領域に開口部を有したスクリーンを、基板16の上面に載置し、このスクリーンの開口部にスキージを用いて半田ペーストを供給する。その後、スクリーンを基板16から離間させることにより、所定の位置に半田ペースト21Aが塗布される。
【0055】
本工程にて用いる半田ペースト21Aは、フラックスと半田粉末との混合物である。半田ペースト21Aに混入される半田粉としては、鉛を含む半田および鉛フリー半田の両方を採用することができる。半田粉の具体的な組成としては、例えば、Sn63/Pb37、Sn/Ag3.5、Sn/Ag3.0/Cu0.5、Sn/Ag2.9/Cu0.5、Sn/Ag3.0/Cu0.5、Sn/Bi58、Sn/Cu0.7、Sn/Zn9、Sn/Zn8/Bi3等が考えられる。これらの数字は半田全体に対する重量%を示す。鉛は環境に与える負荷が大きいことを考慮すると、鉛フリー半田を用いることが好ましい。
【0056】
上記した鉛フリー半田でも、Sn/Ag3.0/Cu0.5の組成を有する半田が融点の好適さ等の観点から最適である。ここで、この半田に含有されるAgの重量%は2.0以上4.0%以下でも良く、Cuの重量%は0.5%以上0.8%以下でも良い。
【0057】
また、鉛フリー半田はSn(錫)を主材料とする場合が多いので、パッド18Aと半田19との境界には、銅と錫とを含む濡れ性の悪い金属間化合物層が生成される。
【0058】
半田ペースト21Aに含まれるフラックスとしては、ロジン系フラックスが適用可能である。本形態ではリフローの工程が終了した後に、フラックスの残渣を洗浄して除去している。
【0059】
第3の工程:
図4および
図5参照
次に、パワートランジスタ以外の素子(小信号系トランジスタおよびチップ部品)の電気的接続を行い、パッド18Aの上面に離散的に半田19を形成する。
【0060】
先ず、
図4(A)を参照して、本工程で接続される素子を半田ペースト21Aに載置する。具体的には、パッド18B、18Cに塗布された半田ペースト21Aの上面に、チップ部品14Bを載置して仮留する。同様に、パッド18Dの上面に塗布された半田ペースト21Aの上面に、トランジスタ14Cを載置する。
【0061】
次に、
図4(B)を参照して、リフロー工程により過熱することで、上記した半田ペースト21Aを溶融させて半田19を形成している。このことにより、チップ部品14Bの両端の電極は半田19を介して、パッド18B、18Cに固着される。また、トランジスタ14Cの裏面も、半田19を介してパッド18Dの上面に固着される。本工程のリフローにて、パッド18Aの上面に塗布された半田ペースト21Aも溶融して、半田19(第1半田)となる。
【0062】
図4(C)を参照して、次に、細線15Bを介して、トランジスタ14Cの上面に配置された電極を、パッド18Dの周囲に配置された導電パターンから成るパッドと接続する。ここで、細線15Bとしては、太さが80μm程度以下の金、銅またはアルミニウムから成る金属細線である。
【0063】
本工程が終了した後の基板16の状態を
図5に示す。
図5(A)は本工程が終了した後の基板16の上面を示す平面図であり、
図5(B)はパッド18Aを示す拡大平面図である。
【0064】
図5(A)および
図5(B)を参照して、パッド18Aの上面には、3行3列で合計9個の半田19が互いに離間して配置されている。個々の半田19の平面的な大きさは
図3(C)を参照して説明した場合よりも若干大きくなっており、その形状はやや膨らんだ四角形形状を呈している。これは、半田ペーストが溶融して外部に広がった事による。また、各半田19同士が離間する距離L5、L6は、
図3(C)に示した場合と比較すると、若干距離が短くなっている。しかしながら、本工程を経ても、半田19同士は離間した状態を保っている。
【0065】
本形態では、このようにパッド18Aの上面に離散的に小型の半田19を設けることで、半田ヒケが防止される。
【0066】
具体的には、上記したように、後の工程にてヒートシンクが実装されるパッド18Aは、例えば一辺が9mm以上の大型なものである。従って、パッド18Aの上面全域に半田ペーストを塗布して溶融すると、大量の液状の半田に対して大きな表面張力が作用する。このようになると、表面張力の作用で半田19がヒケてしまう。また、半田19がヒケた部分では、パッド18Aと半田19とから生成されるCu/Sn合金が露出する。このCu/Sn合金が露出する面では、半田の濡れ性が極めて悪いので、後の工程にてこの領域に半田が溶着せずにボイドが発生する。
【0067】
本形態では、小型の半田19をパッド18Aの上面に離間的に形成することで、表面張力を小さくした結果、半田19はヒケが防止された状態でパッド18Aの上面に溶着されている。従って、半田19が形成されてない領域のパッド18Aの上面には、Cu/Sn層は露出しない。即ち、この領域では、パッド18Aの材料である銅等の金属材料が露出する。このことにより、この領域にて半田の濡れ性が低下することが防止されている。
【0068】
第4の工程:
図6参照
図6を参照して、次に、トランジスタ14Aが固着されたヒートシンク14Dを、パッド18Aの上面に固着する。
【0069】
図6(A)を参照して、先ず、パッド18Aの上面に新たに半田ペースト31を供給する。本工程では、基板16の上面にチップ部品14B等の回路素子が既に配置されており、スクリーン印刷が困難であるので、シリンジ30を用いて半田ペースト31をパッド18Aの上面に供給している。本工程では、既にパッド18Aの上面に形成された半田19の間を埋めるように団子状に半田ペースト31を供給する。本工程で使用される半田ペースト31の組成は、
図3(A)に示す半田ペースト21Aと同様で良い。
【0070】
本工程では、半田ペースト31は、半田19が形成されていない領域のパッド18Aの上面に接触する。更に、半田19の表面は半田ペースト31に被覆される。
【0071】
図6(B)を参照して、次に、パワー系のトランジスタ14Aが固着されたヒートシンク14Dを、半田19の上面に載置する。ここでは、予めヒートシンク14Dの上面にトランジスタ14Aが半田を介して固着されているが、ヒートシンク14Dをパッド18Aに固着した後に、トランジスタ14Aをヒートシンク14Dに固着しても良い。
【0072】
この状態で、リフロー工程を行うことにより、パッド18Aの上面に形成された半田19と、半田ペースト31が溶融する。この結果、予め形成された半田19と半田ペースト31とが溶融して混合された結果、
図6(C)に示す新たな半田19(第2半田)を介してヒートシンク14Dがパッド18Aの上面に固着される。また、チップ部品14Bとトランジスタ14Cを固着する半田19も本工程にて溶融された後に固化する。
【0073】
ここで、半田19が溶着されていない領域のパッド18Aの上面は、パッド19Aの材料である銅が露出する面である。即ち、半田の濡れ性が悪いCu/Sn合金層がこの領域に露出していない。従って、本形態で生成される半田はこの領域に良好に密着し、ボイドの発生は抑止されている。
【0074】
図6(C)を参照して、半田19を介したヒートシンク14Dの固着が終了した後に、トランジスタ14Aの上面に配置された電極を、太線15Aを経由して導電パターン18と接続する。
【0075】
本工程にて、半田ペーストを溶融して半田19を形成することにより、パッド18Aと半田19との間に上記した合金層が生成される。具体的には、パッド18Aと半田19との境界部分には、厚みの異なる2種類の合金層22、23が生成される。
【0076】
合金層22は、上記した半田19が離散的に配置される箇所に有り、半田の溶融が2回行われるので、比較的厚い合金層となる。換言すると、合金層22は、
図4に示す工程で生成された合金層と、本工程にて生成された合金層とを含むものである。
【0077】
一方、合金層23は、本工程のみ(即ち一回のみの溶融)で生成されたものであり、その厚みは、例えば合金層22の半分以下程度である。
図6(A)を参照して、厚みが不均一な合金層は、最初に形成される半田19を部分的に形成し、再度形成される半田ペースト31を全体的に行き渡らせることで設けられる。
【0078】
本形態では、上記のように、最初に離散的に半田を設け、その後再び半田ペースト31を供給して半田19を形成することにより、ヒートシンク14Dを実装するために十分な半田量が確保されると共に、この半田のヒケが防止できる2つの効果が得られる。
【0079】
第5の工程:
図7参照
本工程では、リード11の固着および封止樹脂12の形成を行う。
【0080】
図7(A)を参照して、先ずパッド18Eの上部に半田ペースト21Aを塗布してリード11を載置した後に、半田ペースト21Aを溶融させてリード11を固着する。
【0081】
図7(B)を参照して、次に、基板16の表面に固着された回路素子が被覆されるように封止樹脂12を形成する。本形態では、基板16の側面および裏面も被覆されるように封止樹脂12が形成されている。ここで、基板16の裏面を外部に露出させて封止樹脂12を形成することもできる。更に、ケース材を用いて基板16の表面を封止することもできる。
【0082】
上述した工程により、
図1に示すような混成集積回路装置10が形成される。