(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774299
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】ポリアルキレングリコールベンゾエート含有光伝導体
(51)【国際特許分類】
G03G 5/05 20060101AFI20150820BHJP
G03G 5/06 20060101ALI20150820BHJP
G03G 5/14 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
G03G5/05 104B
G03G5/06 312
G03G5/14 101
【請求項の数】3
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2010-274152(P2010-274152)
(22)【出願日】2010年12月8日
(65)【公開番号】特開2011-133887(P2011-133887A)
(43)【公開日】2011年7月7日
【審査請求日】2013年12月5日
(31)【優先権主張番号】12/644,071
(32)【優先日】2009年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ウー
(72)【発明者】
【氏名】シェリー・エー・トゥアテス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ジェイ・ウィルバート
(72)【発明者】
【氏名】エミリー・ケイ・レッドマン
【審査官】
高松 大
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−275880(JP,A)
【文献】
特開2009−008957(JP,A)
【文献】
特開昭54−018739(JP,A)
【文献】
特開2000−247932(JP,A)
【文献】
特開2002−182412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 5/05
G03G 5/06
G03G 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、光生成層、および電荷輸送層を備え
る光伝導体であって、前記電荷輸送層は
電荷輸送成分およびポリアルキレングリコールベンゾエートを含
み、前記輸送成分は
【化1】
および
(式中、X、YおよびZは独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲンおよびそれらの混合物からなる群より選択される)
からなる群より選択されることを特徴とする、光伝導体。
【請求項2】
支持基板、その上の随意的下塗り層、光生成層、および少なくとも1つの電荷輸送層を備える光伝導体であって、前記光生成層と接触する前記少なくとも1つの電荷輸送層は、約1から約25重量パーセントの量存在するポリアルキレングリコールベンゾエートを含
み、前記少なくとも1つの電荷輸送層は1,2,または3層
であり、および前記電荷輸送層は以下の構造式
【化2】
および
(式中、X、YおよびZは独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲンおよびそれらの混合物からなる群より選択される)
で表される少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする光伝導体。
【請求項3】
光生成色素で構成する光生成層、および電荷輸送層のシーケンス
を備える光伝導体であって、前記輸送層は、
【化3】
および
(式中、X、YおよびZは独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ハロゲンおよびそれらの混合物からなる群より選択される)
からなる群より選択される電荷輸送アリ
ールアミン成分および
約1から約25重量パーセントの量で存在するポリアルキレングリコールベンゾエートで構成
され、および前記ポリアルキレングリコールベンゾエートは
【化4】
(式中、Rはアルキレン基、yは1から約50までの反復単位数を表す
)
で表されることを特徴とする光伝導体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して層状造影部材、光受容体、光伝導体、ならびに、コピー機およびプリンタ、特に乾式電子写真方式コピー機およびプリンタのような、多数のシステムに選択できる同種のものを対象とする。より具体的には、本開示は、多層ドラム、または基板のような支持媒体から成る、柔軟な、ベルト造影部材またはデバイス、随意的接地板層、随意的ホールブロック層、光生成層、および、少なくとも1つまたは多数の電荷輸送層を備える、電荷輸送層、を対象とし、さらにこの少なくとも1つの電荷輸送層は、例えば、1から約7まで、1から約3まで、および1とすることを特徴とし、またさらに具体的には、第1電荷輸送層および第2電荷輸送層とし、ポリプロピレングリコールジベンゾエートのようなポリアルキレングリコールベンゾエートを、さらにより具体的には、特にポリアルキレングリコールベンゾエートがトップ電荷輸送層中にまたは光生成層と接触する第1通過電荷輸送層中に存在するような実施例においては、疎水性ポリプロピレングリコールジベンゾエートをこの電荷輸送層に取り込むものとする。ポリアルキレングリコールベンゾエートは、実施例においては、実質的に非毒性および環境安全とし、その光伝導の電荷輸送は優れた摩耗特性を有するものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許第7,037,631号明細書
【特許文献2】米国特許第4,921,773号明細書
【特許文献3】米国特許第4,464,450号明細書
【0003】
特許文献1(米国特許第7,037,631号明細書)は、光伝導造影部材であって、支持基板、その上のホールブロック層、架橋光生成層および電荷輸送層で構成し、この光生成層は光生成成分および塩化ビニル、アリルグリシジルエーテル、ヒドロキシ含有ポリマーで構成することを特徴とする、光伝導造影部材を図示している。
【0004】
本開示の態様は光伝導体に関し、この光伝導体は
基板、光生成層、および電荷輸送層を備え、この電荷輸送層はポリアルキレングリコールエステル、さらにより具体的には、ポリアルキレングリコールベンゾエートを含むことを特徴とする光伝導体、
基板、その上の随意的下塗り層、光生成層、および少なくとも1つの電荷輸送層を備え、さらに光生成層と接触するこの少なくとも1つの電荷輸送層は、約1から25重量パーセントの量存在する、実質的に非毒および環境許容なポリアルキレングリコールベンゾエートを含み、さらに少なくとも1つの電荷輸送層は1,2,または3層とすることを特徴とする光伝導体、
光生成色素で構成する光生成層、および電荷輸送層のシーケンス中に含まれ、さらにこの輸送層は、アリ
ールアミンのような電荷輸送成分、および約1から25重量パーセントの量存在するポリアルキレングリコールベンゾエートで構成することを特徴とし、このポリアルキレングリコールベンゾエートは
【化1】
のうち1つで表現することができ、Rはアルキレンとし、yは反復単位数を表し、例えば1から約50、1から約25、1から約20、1から約12、1から約6、のうちの多数または一部分とすることを特徴とする光伝導体、
基板、光生成層、および電荷輸送層を備え、さらにこの電荷輸送層はポリアルキレングリコールジベンゾエートを含むことを特徴とする光伝導体、
基板、その上の下塗り層、光生成層、および少なくとも2つの電荷輸送層を備え、さらに光生成層と接触する少なくとも1つの電荷輸送層は、約0.1から約30の重量パーセント、1から約20の重量パーセント、1から約15の重量パーセント、10から約20の重量パーセント、4から約12の重量パーセント、9から約21の重量パーセント、0.1から約30の重量パーセント、さらにより具体的には10,14または20重量パーセント存在するポリアルキレングリコールベンゾエートを含むことを特徴とする光伝導体、
光生成色素で構成する光生成層、および電荷輸送層のシーケンス中に含まれ、さらに輸送層は電荷輸送成分およびポリプロピレングリコールジベンゾエート(ユナイテックス化学会社:Unitex Chemical CorporationのUNIPLEX(R)として入手可能)で構成することを特徴とする光伝導体、
支持基板、接地板層、ホールブロック層、少なくとも1つの光生成色素で構成する光生成層、および少なくとも1つの電荷輸送成分で構成する少なくとも1つの電荷輸送層を備え、さらに電荷輸送層はポリアルキレングリコールベンゾエート中に取り込み、アルキレン基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、およびその他のアルキル基のような、1から約18炭素原子、2から約10炭素原子、2から約8炭素原子、2から約6炭素原子、および1,2,3,4,5,または6炭素原子を含むものとする、光伝導体、
とする。
【0005】
ポリアルキレングリコールベンゾエートは、例えば、約150から約10,000または約200から約1,000の数平均分子量(M
n)、および約200から約20,000または約300から約2,000の重量平均分子量(M
w)を有し、MwおよびMnはゲル浸透クロマトグラフィ(GPC:Gel Permeation Chromatography)で決定したものとする。
【0006】
ポリアルキレングリコールベンゾエートの例は
【化2】
で表され、全てユニテックス化学会社から入手可能な、UNIPLEX(R)400(x=3),UNIPLEX(R)988(x=2),およびUNIPLEX(R)284(x=1)として入手可能な、ポリプロピレングリコールジベンゾエートとする。
【0007】
多数の既知の成分を、本明細書で参照する同時係属出願中に図示されている成分のように、支持基板、光生成層、電荷輸送層、存在するときはホールブロック層、および存在するときは接着層のような、様々な光伝導体層に選択することができる。
【0008】
光伝導体基板層の厚さは、経済的考察、電気特性、適切な柔軟性、入手可能性、および各層具体的な成分のコスト、およびその他を含む、多くの要素に依存し、つまりこの層は、例えば、約3,000ミクロン、約1,000から約2,000ミクロン、約500から1,000ミクロン、または約300から約700ミクロン(用語「約」は列挙する値の間の全ての値を完全に含むものとする)のような実質的厚さ、または最小厚さとすることができる。実施例においては、この層の厚さは約75から約300ミクロン、または約100から約150ミクロンとする。
【0009】
光伝導体基板は不透明または実質的に透明とすることができ、さらに、既知または将来開発される材料を含む任意の適切な材料を含むことができる。従って、基板は、無機または有機組成のような不導電性または導電性の層を備えることができる。不導電性の材料として、薄い繊維のように柔軟な、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、および同種のもの、を含む、この種の目的で既知の様々な樹脂を採用することができる。導電性の基板は、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、銅、金、およびその同種のもののような、任意の適切な金属、または、上述のように、炭素、金属粉末、およびその同種のもの、または有機導電性材料のような導電性物質で充填した、高分子材料とすることができる。絶縁性または導電性基板は、エンドレス柔軟ベルト、繊維、硬化シリンダ、シート、およびその同種のものの形式とすることができる。基板層の厚さは、所望強度、および経済的考察を含む多数の要素に依存する。ドラムには、この層は、例えば最大数センチメートルの実質的厚さ、または1ミリメートル以下の最小厚さとすることができる。同様に、柔軟ベルトは、最終の電気写真デバイスに悪影響がないならば、例えば、250ミクロンの実質的厚さ、または、約50ミクロン以下の最小厚さとすることができる。
【0010】
基板層が導電性でない実施例においては、その表面は導電性被覆によって導電性を与えることができる。この導電性被覆は、光透過率、所望の柔軟度、および経済的要素に依存して実質的に広範囲にわたって、厚さが変化するものとする。
【0011】
基板の例示的実施例を本明細書に図示するが、より具体的には、本開示の光伝導体に選択した支持基板層とし、さらにこの基板は不透明または実質的に透明とし、MYLAR(R)のような商業的に入手可能でチタニウムを含むような、無機または有機高分子材料を含む絶縁性材料を備えるものとし、有機または無機材料の層は、インジウムスズ酸化物、またはその上にアルミニウムを配置したもの、またはアルミニウム、クロミウム、ニッケル、真鍮、またはその同種のものを含有する導電性材料のような、半導性表面層を有するものとする。基板は柔軟、継ぎ目なし、または硬いものとし、さらに、例えば、平面、円筒形ドラム、渦巻き型、エンドレス柔軟ベルト型、およびその同種のもののような、多数の多くの構成を有することができる。実施例においては、基板は継ぎ目なしの柔軟ベルトの形式とする。ある状況においては、特に基板が、例えばMAKROLON(R)として商業的に入手可能なポリカルボネート材料のような、柔軟有機高分子材料、丸まらない層のとき、好適には基板の背面上を被覆するものとする。
【0012】
不導電性基板上に通常存在する導電性層または接地板層の例は、金、金含有化合物、アルミニウム、チタニウム、チタニウム/ジルコニウム、および他の既知の適切な成分とする。金属接地板の厚さは、例えば、約10から約100ナノメートル、約20から約50ナノメートル、およびより具体的には、約35ナノメートル、とし、チタニウムまたはチタニウム/ジルコニウム接地板は、例えば、約10から約30ナノメートル、およびより具体的には、約20ナノメートルの厚さとする。
【0013】
存在するとき、随意的ホールブロック層は通常接地板と接触させ、さらに金属酸化物、フェノール樹脂、アミノシラン、その混合物、およびその同種のもののような、本明細書に記載した多数の既知の成分で構成することができる。
【0014】
【化3】
ホールブロック層に含まれるアミノシランの例は
で表すことができ、R
1は例えば1から約25個の炭素原子を含むアルキレン基とし、R
2およびR
3は、少なくとも1つの水素または例えば1から約12個の炭素原子、より具体的には1から約4個の炭素原子を含むアルキル、例えばフェニル基のような約6から約42個の炭素原子を含むアニル、およびポリマー(アルキレンのようなエチレンアミノ)基で構成する官能基から独立に選択するものとし、R
4,R
5およびR
6は例えば1から約10個の炭素原子、およびより具体的には、1から約4個の炭素原子を含むアルキル基から独立に選択するものとする。
【0015】
アミノシランに特有の例は、3−アミノプロピル トリエトキシシラン、N,N−ジメチル−3−アミノプロピル トリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピル トリメトキシシラン、トリエトキシリルプロピレチレン ジアミン、トリメトキシシリルプロピレチレン ジアミン、トリメトキシリルプロピルジエチレン トリアミン、N−アミノエチル−3−アミノプロピル トリメトキシシラン、N−アミノエチル−3−アミノプロピル トリス(エチルエトキシ)シラン、p−アミノフェニル トリメトキシシラン、N
,N’ −ジメチル−3−アミノプロピル トリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチル ジエトキシシラン、3−アミノプロピル トリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピル トリエトキシシラン、メチル[2−(3−トリメトキシシリルプロピルアミノ)エチルアミノ]−3−プロプリオネート、(N,N’−ジメチル 3−アミノ)プロピル トリエトキシシラン、N,N−ジメチルアミノフェニル トリエトキシシラン、トリメトキシシリル プトピルジエチレン トリアミン、およびその同種のもの、およびその混合物を含むものとする。しかしより具体的なアミノシラン材料は、3−アミノプロピル トリエトキシシラン(γ−APS)、N−アミノエチル−3−アミノプロピル トリメトキシシラン、(N,N’−ジメチル−3−アミノ)プロピル トリエトキシシラン、およびその混合物とする。
【0016】
アミノシランは、最終下塗り被覆溶液または分散中に加える前に、加水分解して加水分解シラン溶液を形成することができる。アミノシランの加水分解中、アルコキシ基のような、加水分解可能な官能基、はヒドロキシ基で置換される。加水分解シラン溶液のpHは制御して、優れた硬化特性を得る、および電気的安定をもたらすことができる。例えば4から約10の溶液のpHは選択することができ、より詳細には約7から約8のpHとする。加水分解シラン溶液のpHの制御は、通常は有機または無機酸のような、任意の適切な材料を用いて影響を与えることができる。通常の有機および無機酸は、酢酸、ハイドロフルオロケイ素酸(ケイフッ化水素酸)、p−トルエンスルホン酸、およびその同種の酸を含むものとする。
【0017】
実施例においては、ホールブロック層は、多数の既知の方法で構成することができるが、プロセスパラメータは、例えば、所望の光伝導体部材に依存するものとする。ホールブロック層は、溶液または分散として支持基板上または接地板上に被覆することができ、これはスプレー塗装機、浸漬塗装機、押し出し塗装機、回転塗装機、ワイヤバー塗装機、スロット塗装機、ドクターブレード塗装機、グラビア塗装機、およびその同種の塗装機を用いるものとし、約40℃から約200℃で、約1分間から約10時間のような適切な時間、静止状態下または空気流下において塗装するものとする。被覆は、塗装後に、例えば約0.01から約30ミクロン、または約0.02から約5ミクロン、または約0.03から約0.5ミクロンの最終被覆厚さを設けるよう仕上げることができる。
【0018】
通常、光生成層は、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アルキルヒドロキシルガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ペリレン、特にビス(ベンズイミダゾール)ペリレン、チタニルフタロシアニン、およびその同種、およびより具体的には、バナジルフタロシアニン、タイプVヒドロキシガリウムフタロシアニン、高感度チタニルフタロシアニン、ならびに、セレニウム、セレニウム合金、およびトリゴナルセレニウムのような、無機化合物既知の光生成色素を含むことができる。光生成色素は、電荷輸送層に選択した樹脂粘結剤と同様の樹脂粘結剤中に分散させることができる、または代替的には樹脂粘結剤の必要が存在しないものとする。通常、光生成層の厚さは、他の層の厚さ、光生成層中に含まれる光生成材料の量を含む、多数の要素に依存するものとする。従って、この層は、例えば光生成組成が体積で約30から約75パーセント存在するとき、例えば、約0.05から約10ミクロン、およびより具体的には、約0.25から約2ミクロンの厚さとすることができる。実施例においては、この層の最大厚さは、光感度、電気特性、および機械的考察のような、要素に主に依存する。
【0019】
光生成組成または色素は、最大100重量パーセントを含む様々な量の樹脂粘結剤組成中に存在することができる。通常、約5から約95体積パーセントの光生成色素は約95から約5体積パーセントの樹脂粘結剤中に分散するものとする、または約20から約30体積パーセントの光生成色素は、約70から約80体積パーセントの樹脂粘結剤組成中に分散するものとする。1実施例においては、約90体積パーセントの光生成色素は、約10体積パーセントの樹脂粘結剤組成中に分散し、さらに樹脂は、ポリ(ビニルブチラル)、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリエステル、ポリカルボネート、ポリ(ビニルクロライド)、ポリアクリレートおよびメタクリレート、ビニルクロライドおよびビニルアセテートの共重合体、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、およびその同種のような、多数の既知の高分子から選択することができる。好適には、デバイスの他の以前被覆した層を実質的に阻害しないまたは悪影響を与えない被覆溶媒を選択するものとする。光生成層用の被覆溶媒の例は、ケトン、アルコール、芳香族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、エーテル、アミン、アミド、エステル、およびその同種とする。具体的な溶媒の例は、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ブタノール、アミルアルコール、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラハイドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ブチルアセテート、エチルアセテート、メトキシエチルアセテート、およびその同種とする。
【0020】
光生成層は、真空蒸着または堆積法によって形成する、セレニウムならびに、セレニウムおよびヒ素、テルリウム、ゲルマニウム、およびその同種のものの合金、水素化アモルファスシリコンならびに、シリコンおよびゲルマニウム、炭素、酸素、窒素、およびその同種のものの化合物、のアモルファス膜を備えるものとする。光生成層は、結晶セレニウムおよびその合金、II族からVI族化合物、およびキナクリドンのような有機色素、ジブロモアンサントロン色素、ペリレンおよびペリノンジアミンのような多環式色素、多核芳香族キノン、ビス−、トリス−およびテトラキス−アゾを含むアゾ色素、および膜形成高分子粘結剤中に分散し、溶媒被覆技術によって形成する同種のもの、も含むことができる。
【0021】
実施例においては、光生成層用に母材または粘結剤として選択することができる高分子粘結剤材料の例は、熱可塑性および熱硬化性樹脂とし、例えば、ポリカルボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアリルエーテル、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリメチルペンテン、ポリ(フェニレン硫化物)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリシロキサン、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリイミド、アミノ樹脂、フェニレン酸化物樹脂、テレフタル酸樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル共重合体、ポリ(ビニル塩化物)、ビニル塩化物およビニルアセテート共重合体、アクリレート共重合体、アルキド樹脂、セルロース膜形成要素、ポリ(アミドイミド)、スチレンブタジエン共重合体、ビニリデン塩化物−ビニル塩化物共重合体、ビニルアセテート−ビニリデン塩化物共重合体、スチレン−アルキド樹脂、ポリ(ビニルカルボゾール)、およびその同種のものとする。これらの高分子はブロック、ランダム、または交互共重合体とすることができる。
【0022】
様々な適切および便利な既知のプロセスを組み合わせ、およびその後、スプレー、浸漬被覆、回転被覆、ワイヤ巻き付けロッド被覆、真空昇華、およびその同種のような、光生成層被覆の混合物を塗布することができる。ある用途には、光生成層はドット状または線状パターンで形成することができる。溶媒被覆層の溶媒の除去は、オーブン乾燥、赤外光放射乾燥、空気乾燥、およびその同種の乾燥方法のような、既知の従来の方法によって達成することができる。
【0023】
光生成層の最終乾燥厚さは本明細書に図示したようにし、さらに、例えば、約15から90分間約40℃から約15℃で乾燥後に、例えば、約0.01から約30ミクロンとする。より具体的には、例えば、約0.1から約10ミクロン、または約0.2から約2ミクロンの厚さの光生成層は、支持基板、または基板および電荷輸送層間中の他の表面上、およびその他上に塗布または堆積することができる。電荷ブロック層またはホールブロック層は、光生成層の塗布前に、導電性支持基板に随意的に塗布することができる。必要時、粘着層を電荷ブロック、ホールブロック層または界面層、および光生成層間に設けることができる。通常、光生成層はブロック層上に塗布し、さらに電荷輸送層または多数の電荷輸送層はこの光生成層上に形成する。この構造は、電荷輸送層上または下に光生成層を有することができる。
【0024】
実施例においては、適切な既知の粘着層を光伝導体中に設けることができる。通常の粘着層材料は、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、およびその同種のもの、を含む。粘着層厚さは変化させることができ、実施例においては、例えば、約0.05から0.3ミクロンとする。粘着層は、スプレー、浸漬被覆、回転被覆、ワイヤ巻き付けロッド被覆、グラビア被覆、バード型塗布器被覆、およびその同種のものによって、ホールブロック層上に堆積させることができる。堆積被覆の乾燥は、例えば、オーブン乾燥、赤外光放射乾燥、空気乾燥、およびその同種のものによって、達成することができる。
【0025】
通常ホールブロック層および光生成層と接触する、またはその間に配置する随意的粘着層として、共重合エステル、ポリアミド、ポリ(ビニルブチラル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリウレタン、およびポリアクリロニトリルを含む、様々な既知の物質を選択することができる。この層は、例えば、約0.001から約1ミクロン、または約0.1から約0.5ミクロンの厚さとする。随意的に、この層は、例えば、約1から約10重量パーセントの、有効な適切量の、亜鉛酸化物、チタニウム酸化物、シリコン窒化物、カーボンブラック、およびその同種のような、導電性および不導電性粒子を含みものとし、例えば、本開示の実施例においては、さらに好適な電気的および光学的特性を得ることができる。
【0026】
多数の電荷輸送化合物を、電荷輸送層中に設けることができ、この層は通常、約5から約75ミクロン、約10から約35ミクロン、約29から約32ミクロン、約10から約40ミクロンの厚さとする。電荷輸送成分の例は、以下の構造式
【化4】
で表されるアリ
ールアミンとし、Xは適切な炭化水素のアルキル基、アルコキシ基、アリ
ール基、およびその派生物、ハロゲン、またはその混合物、および特にClおよびCH
3から成る官能基から選択した置換基、および以下の構造式
【化5】
で表される分子であって、ここでX,YおよびZは独立にアルキル基、アルコキシ基、アリ
ール基、ハロゲン、またはその混合物とし、さらに実施例においては、少なくとも1つのYおよびZが存在するものとする分子、とする。
【0027】
アルキル基およびアルコキシ基は、メチル基、エチル基、ポロピル基、ブチル基、ペンチル基、および対応するアルコキシドのような、例えば、1から約25個の炭素原子、およびより具体
的には、1から約12個の炭素原子を含むものとする。アリ
ールは、フェニル基、およびその同種のもののような、6から約36個の炭素原子を含むことができる。ハロゲンは塩素、臭素、ヨウ素、およびフッ素を含むものとする。置換アルキル基、アルコキシ基、およびアリ
ール基も、実施例において選択することができる。
【0028】
電荷輸送層用に選択することができる具体的アリ
ールアミンの例は、
アルキル基はメチル基、エチル基、ポロピル基、ブチル基、ヘキシル基、およびその同種のものから成る官能基から選択するN,N’−ジフェニル−N,N’ −ビス(アルキルフェニル)−1,1−ビフェニル−4,4’ −ジアミン、
ハロゲン置換基は塩素置換基とするN,N’ −ジフェニル−N,N’−ビス(ハロゲンフェニル)−1,1’ −ビフェニル−4,4’ −ジアミン、
N,N’ −(4−ブチルフェニル)−N,N’ −ジ−p−トリル−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’ −ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−m−トリル−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、
N,N’ −ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’ −ジ−o−トリル−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’ −ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(4−イソプロピルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’ −ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(2−エチル−6−メチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’ −ビス−(2,5−ジメチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4’ −ジアミン、
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−塩化フェニル)−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、およびその同種のもの、とを含むものとする。他の既知の電荷輸送層分子は、例えば特許文献2(米国特許第4,921,773号明細書)および特許文献3(米国特許第4,464,450号明細書)を参照して、選択することができる。
【0029】
電荷輸送層用に選択する粘結剤材料の例は、ポリカルボネート、ポリアリレート、アクリレート高分子、ビニル高分子、セルロースポリマー、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(シクロオルフィン)、エポキシ、およびそのランダムまたは交互共重合体、より具体的には、ポリ(4,4’ −イソプロピリデン−ジフェニレン)カルボネート(ビスフェノール−A−ポリカルボネートとも呼称)、ポリ(4,4’−シクロヘキシリデン ジフェニレン)カルボネート(ビスフェノール−Z−ポリカルボネートとも呼称)、ポリ(4,4’−イソプロピリデン−3,3’−ジメチル−ジフェニル)カルボネート(ビスフェノール−C−ポリカルボネートとも呼称)、およびその同種のようなポリカルボネートとする。実施例においては、電気的に不活性な粘結剤は、約20,000から約100,000の分子量を、または約50,000から約100,000の分子量M
wを有するポリカルボネート樹脂で構成する。通常、輸送層は約10から約75重量パーセントの電荷輸送材料、より具体的には、約35パーセントから約50パーセントのこの材料、を含むものとする。
【0030】
電荷輸送層、およびより具体的には、光生成層と接触する第1電荷輸送、およびその上のトップまたは第2電荷輸送被覆層は、ポリカルボネートのような膜形成電気不活性ポリマー中で溶解するまたは分子状に分散する電荷を輸送する小分子を含むことができる。実施例においては、用語「溶解する」は、例えば、小分子がポリマーに溶解して均一相を形成するような溶液を形成することを言及するものとし、および「実施例において分子状に分散する」は、例えば、ポリマー中に分散する電荷輸送分子において、分子スケールでポリマー中に分散する小分子のことを言及するものとする。様々な電荷輸送または電気活性小分子を電荷輸送層用に選択することができる。実施例においては、電荷輸送は、例えば、光生成層中で生成する自由電荷が輸送層を横断して輸送されることを可能とするモノマーとしての、電荷輸送分子のことを言及するものとする。
【0031】
例えば、約50から約75重量パーセントの量の、電荷輸送層中に存在するホール輸送分子の例は、例えば、
1−フェニル−3−(4‘ジエチルアミノ スチリル)−5−(4”ジエチルアミノ フェニル)ピラゾリンのようなピラゾリン、
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’ −ジフェニル)−4,4’−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−p−トリル−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−m−トリル−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−o−トリル−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(4−イソプロピルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(2−エチル−6−メチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(2,5−ジメチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−塩化フェニル)−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、のようなアリ
ールアミン、
N−フェニル−N−メチル−3−(9−エチル)カルバジル ヒドラゾンおよび4ジエチルアミノ ベンズアルデヒド−1,2−ジフェニル ヒドラゾンのようなヒドラゾン、
および2,5−ビス(4−N,N’ −ジエチルアミノフェニル)−1,2,4−オキサジアゾルのようなオキサジアゾリル、スチルベン、およびその同種のものを含むものとする。しかし、実施例においては、プリンタのような高スループットを有する機器でサイクルアップを最小化または回避するために、電荷輸送層は実質的にジまたはトリアミノ−トリフェニルメタンを(約2パーセント以下に)排除するものとする。高効率での光生成層中へのホール注入を可能とし、さらにそれらを短い遷移時間で電荷輸送層を横断して輸送する、小分子電荷輸送化合物は、
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’ −ジフェニル)−4,4’ −ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’ −ジ−p−トリル−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’ −ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−m−トリル−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−o−トリル−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(4−イソプロピルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(2−エチル−6−メチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(2,5−ジメチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、および
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−塩化フェニル)−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、またはその混合物を含む。必要時、電荷輸送層中の電荷輸送材料は、高分子電荷輸送材料、または小分子電荷輸送材料および高分子電荷輸送材料の組み合わせを含むことができる。
【0032】
例えば優れた側方電荷移動(LCM:lateral charge migration)抵抗を可能とする電荷輸送層、または少なくとも1つの電荷輸送層中に随意的に取り込む成分または材料の例は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であって、例えば、テトラキスメチレン(3,5−ジ−テルト−ブチル−4−ヒドロキシ ヒドロシンナメート ハイドロケイ皮酸エステル)メタン(チバスペシャルティケミカルズ社から入手可能なIRGANOX
TM 1010)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ならびに、SUMILIZER
TM BHT−R,MDP−S,BBM−S,WX−R,NW,BP−76,BP−101,GA−80,GMおよびGS他のヒンダードフェノール系酸化防止剤(住友化学株式会社から入手可能)、IRGANOX
TM 1035,1076,1098,1135,1141,1222,1330,1425WL,1520L,245,259,3114,3790,5057および565(チバスペシャルティケミカルズ社から入手可能)、およびADEKA STAB
TM AO−20,AO−30,AO−40,AO−50,AO−60,AO−70,AO−80およびAO−330(旭電化株式会社から入手可能)を含む他のヒンダードフェノール系酸化防止剤、
ヒンダードアミン系酸化防止剤であって、例えば、SANOL
TM LS−2626,LS−765,LS−770およびLS−744(三共株式会社から入手可能)、TINUVINTM 144および622LD(チバスペシャルティケミカルズ社から入手可能)、MARK
TM LA57,LA67,LA62,LA68およびLA63(旭電化株式会社から入手可能)、およびSUMILIZER
TM TPS(住友化学株式会社)、
チオエーテル系酸化防止剤であって、例えば、SUMILIZER
TM TP−D(住友化学株式会社から入手可能)、
亜リン酸系酸化防止剤であって、例えば、MARK
TM 2112,PEP−8,PEP−24G,PEP−36,329KおよびHP−10(旭電化株式会社から入手可能)、
他の分子であって、例えば、ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン(BDETPM)、ビス−[2−メチル−4−(N−2−ヒドロキシエチル−N−エチル−アミノフェニル)]−フェニルメタン(DHTPM)、およびその同種のものを含むものとする。少なくとも1つの電化輸送層中の酸化剤の重量パーセントは約0から約20重量パーセント、約1から約10重量パーセント、または約3から約8重量パーセントとする。
【0033】
多数のプロセスを組み合わせ、およびその後、電荷輸送層被覆の混合物を電荷生成層に塗布することができる。典型的な塗布技術は、スプレー、浸漬被覆、回転被覆、ワイヤ巻き付けロッド被覆、およびその同種の方法を含む。電荷輸送堆積被覆の乾燥は、オーブン乾燥、赤外光放射乾燥、空気乾燥、およびその同種の乾燥方法のような、適切な従来の技術によって達成することができる。
【0034】
実施例において、各電荷輸送層の厚さは約10から約70ミクロンとするが、この範囲外の厚さも、実施例において、選択することができる。電荷輸送層は絶縁体とし、ホール輸送層に注入される静電的電荷が、その上における静電的潜像の形成および保持を阻止するに十分な速度において、照明がない場合、伝導されない程度とする。通常、電荷輸送層と光生成層の厚さの比は、約2:1から200:1、および例えば400:1とすることができる。電荷輸送層は、目的用途の領域における可視光または放射に対して実質的に吸収がないものとするが、これは光伝導体層または光生成層からの光生成ホールの注入を可能とする、およびこれらのホールを輸送して光伝導体の表面上に存在する表面電荷を選択的に放電することを可能とする、という点において、電気的に「活性」であるものとする。通常の塗布技術はスプレー、浸漬被覆、回転被覆、ワイヤ巻き付けロッド被覆、およびその同種の技術を含むものとする。堆積被覆の乾燥は、オーブン乾燥、赤外光放射乾燥、空気乾燥、およびその同種の乾燥方法のような、任意の適切な従来の技術によって達成することができる。既知の随意的な被覆は電荷輸送層上に塗布し、摩耗からの保護を設けることができる。
【0035】
実施例においては、本開示は、
光伝導体造影部材であって、チタニウム/ジルコニウム含接地板層、ホールブロック層、光生成層、電荷輸送含有ポリプロピレングリコールエステル、および被覆電荷輸送層で構成する光伝導体造影部材、
光伝導体部材であって、厚さ約0.1から約8ミクロンの光生成層、および各厚さが約5から約100ミクロンの少なくとも1つの輸送層を備える光伝導体部材、
造影方法および造影装置であって、放電成分、現像成分、転写成分、および定着成分を含み、さらに該装置は、光伝導体造影部材であって、支持基板、接地板層、ホールブロック層、およびその上の光生成色素で構成する光生成層、ならびにポリアルキレングリコールベンゾエート含有電荷輸送層、およびその上の被覆電荷輸送層であって、該輸送層の厚さは約40から約75ミクロンとする、被覆電荷輸送層、とを含むことを特徴とする、造影方法および造影装置、
部材であって、この光生成層は約8から約95重量パーセントの量存在する光生成色素を含むことを特徴とする部材、
部材であって、光生成層の厚さは約0.1から約4ミクロンとすることを特徴とする部材、
部材であって、光生成層は高分子粘結剤を含むことを特徴とする部材、
部材であって、この粘結剤は約50から約90重量パーセントの量存在する、および全層成分の総計は約100パーセントとすることを特徴とする部材、
部材であって、光生成成分は、約370から約950ナノメートルの波長の光を吸収するチタニルフタロシアニンまたはヒドロキシガリウムフタロシアニンとすることを特徴とする部材、
造影部材であって、支持基板は基板で構成する伝導体基板で構成することを特徴とする造影部材、
造影部材であって、伝導体基板はアルミニウム、アルミ化ポリエチレンテレフタレート、アルミ化ポリエチレンナフタレート、チタン化ポリエチレンテレフタレート、チタン化ポリエチレンナフタレート、チタン化/ジルコニア化ポリエチレンテレフタレート、チタン化/ジルコニア化ポリエチレンナフタレート、金化ポリエチレンテレフタレート、または金化ポリエチレンナフタレートとすることを特徴とする造影部材、
造影部材であって、光生成樹脂粘結剤は、ポリエステル、ポリビニルブチラル、ポリカルボネート、ポリスチレン−b−ポリビニルピリジン、およびポリビニルホルマールから成る官能基から選択することを特徴とする造影部材、
造影部材であって、光生成色素は無金属フタロシアニンとすることを特徴とする造影部材、
造影部材であって、各電荷輸送層は
【化6】
を含み、Xはアルキル基、アルコキシ基、アリ
ール基、およびハロゲンから成る官能基から選択し、アルキル基およびアルコキシ基は1から約6つの炭素原子を含む、およびハロゲンは塩素とすることを特徴とする造影部材、
造影部材であって、アルキル基およびアルコキシ基は約1から約12個の炭素原子を含むことを特徴とする造影部材、
造影部材であって、アルキル基は約1から約12個の炭素原子を含むことを特徴とする造影部材、
造影部材であって、アルキル基はメチル基とすることを特徴とする造影部材、
造影部材であって、各、または少なくとも1つの電荷輸送層は
【化7】
を含み、XおよびYはそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリ
ール基、ハロゲン、またはその混合物とすることを特徴とする造影部材、
造影部材であって、テルフェニル電荷輸送成分アリ
ールアミンのアルキル基およびアルコキシ基は約1から約12個の炭素原子を含むことを特徴とする造影部材、
造影部材であって、アルキル基は約1から約5個の炭素原子を含む、および樹脂粘結剤はポリカルボネートおよびポリスチレンから成る官能基から選択することを特徴とする造影部材、
造影部材であって、光生成層中に存在する光生成色素は、塩化ガリウムフタロシアニン、またはタイプVヒドロキシガリウムフタロシアニンで構成するものとし、このタイプVヒドロキシガリウムフタロシアニンは、ガリウムフタロシアニン前駆体を加水分解し、強酸中でヒドロキシガリウムフタロシアニンを溶解し、その後得られた溶解前駆体を塩基性溶媒中で再沈殿させ、形成した任意のイオン種を水で洗浄することで除去し、水およびヒドロキシガリウムフタロシアニンで構成される得られた水性スラリーをウェットケーキに濃縮し、乾燥させてウェットケーキから水を除去し、さらに得られた乾燥色素を第2溶液の添加と混合させてヒドロキシガリウムフタロシアニンの形成をもたらすことによって形成する、ことを特徴とする造影部材、
造影部材であって、タイプVヒドロキシガリウムフタロシアニンは、X線回折装置で測定時に、主ピークを有し、この主ピークはブラッグ角度(2シータ±0.2°)7.4,9.8,12.4,16.2,17.6,18.4,21.9,23.9,25.0,28.1度、および最大ピークは7.4度であることを特徴とする造影部材、
造影の方法であって、本明細書に図示した光伝導体上に静電的潜像を生成するステップ、潜像を現像するステップ、および現像した静電像を適切な基板に転写するステップ、とを備える方法、
造影の方法であって、開示する光伝導体は約450から約950ナノメートルの波長の光に露光させることを特徴とする方法、
光伝導体部材であって、光生成層は基板および電荷輸送間に配置することを特徴とする光伝導体部材、
光伝導体部材であって、電荷輸送層は基板および光生成層間に配置することを特徴とする光伝導体部材、
部材であって、光生成層は厚さ約0.4から約10ミクロンとすることを特徴とする部材、
部材であって、光生成色素は約1重量パーセントから約80重量パーセントの高分子粘結剤中に分散させることを特徴とする部材、
部材であって、光生成成分はタイプVヒドロキシガリウムフタロシアニン、タイプVチタニルフタロシアニンまたは塩化ガリウムフタロシアニンとする、および電荷輸送層は、
N,N’−ジフェニル−N,N−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−p−トリル−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−m−トリル−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ジ−o−トリル−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(4−イソプロピルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(2−エチル−6−メチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン、
N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス−(2,5−ジメチルフェニル)−[p−テルフェニル]−4,4” −ジアミン、
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−塩化フェニル)−[p−テルフェニル]−4,4”−ジアミン分子のホール輸送を含むものとする、およびホール輸送樹脂粘結剤はポリカルボネートおよびポリスチレンから成る官能基から選択すること、を特徴とする部材、
造影部材であって、光生成層は無金属フタロシアニンを含むことを特徴とする造影部材、
光伝導体であって、光生成層はアルコキシガリウムフタロシアニンを含むことを特徴とする光伝導体、
光伝導体造影部材であって、支持基板、光生成層、ホール輸送層で構成し、さらに実施例においては、多数の電荷輸送層を選択する、例えば、2から約10個、およびより具体的には2個を選択することを特徴とする、光伝導体造影部材、
および光伝導体造影部材であって、随意的支持基板、光生成層、および第1、第2および第3電荷輸送層で構成する光伝導体造影部材、
とに関する。
【0036】
実施例においては、電荷輸送成分は以下の構造式
【化8】
で表すことができる。
【0037】
以下の例は本開示の実施例を図示するため提示する。
【0038】
光伝導体は、3.5ミリの厚さの二軸方向ポリエチレンナフタレート基板(KALEDEX
TM 2000)上を被覆する0.02ミクロンの厚さのチタニウム/ジルコニウム層を設る、および、グラビア塗布器または噴出塗布器を用いて、その上に、50グラムの3アミノ−プロピルトリエトキシシラン、41.2グラムの水、15グラムの酢酸、684.8グラムの変性アルコール、および200グラムのヘプタンを含むホールブロック層溶液を塗布することによって、設けた。その後、この層は約5分間、135℃で、塗布器の強制空気乾燥器中で乾燥させた。得られたブロック層は500オームストロングの乾燥厚さを有した。その後、粘着層は、グラビア塗布器または噴出塗布器を用いて、液状塗料をブロック層上に塗布することによって設けた、さらにこの粘着層は、総重量に基づいて0.2重量パーセントの、トヨタスツ社:Toyota Hsutsu Inc.から入手可能な、共重合エステル粘着ARDEL
TM D100の溶液を、テトラヒドロフラン/モノクロロベンゼン/塩化メチレンの60:30:10体積比の混合物中に、含んだ。その後、粘着層は約5分間、135℃で、塗布器の強制空気乾燥器中で乾燥した。得られた粘着層は200オームストロングの乾燥厚さを有した。
【0039】
光生成層分散は、重量平均分子量20,000で三菱ガス株式会社から入手可能な、0.45グラムの既知のポリカルボネートIUPILONTM 200(PCZ−200)またはPOLYCARBONATE ZTM、および50ミリリットルのテトラヒドロフランを、4オンスガラスボトルに導入することによって作成した。この溶液に、2.4グラムのヒドロキシガリウムフタロシアニン(タイプV)、および300グラムの直径1/8インチ(3.2ミリメートル)のステンレススチール弾を加えた。その後、得られた混合物は8時間ボールミル中に入れた。続いて、2.25グラムのPCZ−200を46.1グラムのテトラヒドロフラン中に溶解し、さらに上述のヒトロキシガリウムフタロシアニン分散に加えた。その後、得られたスラリーは10分間撹拌器中に入れた。その後、得られた分散は、グラビア塗布器または噴出塗布器を用いて上述の粘着界面に塗布し、液状厚さ0.25ミリを有する光生成層を形成した。ブロック層および粘着層を支える基板ウェブの一端に沿って、約10ミリメートル幅のストリップを、任意の光生成層材料によって、故意に塗布せず残し、後に塗布する既知の接地ストリップ層による適切な電気的接触を促進した。光生成層は120℃、1分間、強制空気オーブン中で乾燥し、厚さ0.4ミクロンの乾燥光生成層を形成した。
【0040】
その後、得られた造影部材ウェブは1つの電荷輸送層で被覆した。電荷輸送層塗布溶液は、琥珀ガラスボトル中に、重量比1:1のN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンおよびMAKROLON(R) 5705中において、分子量平均約50,000から約100,000を有しFarbenfabriken Bayer A.G.社から商業的に入手可能な既知のポリカルボネート樹脂を導入することによって、作成した。その後、得られた混合物は塩化メチレン中で溶解し、15重量パーセントの固体を含有する溶液を形成した。この溶液は光生成層上に塗布し、乾燥(120℃1分間)を施して29ミクロンの厚さを有する電荷輸送層被覆を形成した。この塗布プロセス中、湿度は15パーセントとした。
【0041】
光伝導体は、電荷輸送層にUNIPLEX(R)400として入手可能およびユニテックス化学株式会社:Unitex Chemical Corporationから得られる10重量パーセントのポリプロピレングリコールジベンゾエートを添加したこと以外は、比較例1のプロセスを反復することによって作成した、また約400の重量平均分子量はGPC解析によって決定し、およびMAKROLON(R)5705/N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4‘ジアミン/UNIPLEX(R)400の比は45/45/10とした。
【0042】
光伝導体は、電荷輸送層にUNIPLEX(R)400として入手可能およびユニテックス化学株式会社:Unitex Chemical Corporationから得られる20重量パーセントのポリプロピレングリコールジベンゾエートを添加したこと以外は、比較例1のプロセスを反復することによって作成した、また約400の重量平均分子量はGPC解析によって決定し、およびMAKROLON(R)5705/N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4‘ジアミン/UNIPLEX(R)400の比は40/40/20に等しくした。
【0043】
光伝導体は、電荷輸送層にUNIPLEX(R)284として入手可能およびユニテックス化学株式会社:Unitex Chemical Corporationから得られる10重量パーセントのポリプロピレングリコールジベンゾエートを添加したこと以外は、比較例1のプロセスを反復することによって作成した、また約400の重量平均分子量はGPC解析によって決定し、およびMAKROLON(R)5705/N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4‘ジアミン/UNIPLEX(R)400の比は45/45/10に等しくした。
【0044】
比較例1、ならびに実施例IおよびIIの上述の作成した3光伝導体は、9インチかける12インチのピースにそれぞれ切り分けた。電荷輸送層中にポリアルキレングリコールベンゾエートがないので、比較例1の光伝導体を参照して、人間の干渉なしで即座および自動的に、直径およそ2インチチューブに曲げた。電荷輸送層中の10重量パーセントおよび14重量パーセントの上述のポリプロピレングリコールジベンゾエートを含むので、実施例I光伝導体は平坦、つまり支持表面との関係が180度、少なくとも1年間は湾曲がない方向であり、結果的に湾曲防止背面被覆(ACBC:anticurling backside coating)層の必要を省いた。実施例II光伝導体の平坦性は実施例I光伝導体のそれを同一とした。
【0045】
比較例1光伝導体が湾曲するとき、内部に収縮する傾向があり、結果的に光伝導体のサイズを変化させてしまう。これは今度は、紙への現像トナー像の転写に衝撃を与えるおよび減少させ、さらにこのコピー像品質は、実質的に完璧な紙へのコピー像転写、および実施例Iの光伝導体のための優れた像品質と比較して劣ってしまう。
【0046】
比較例1、ならびに実施例IおよびIIの上述の作成した3光伝導体は、スキャナセットで検査して、1帯電−消去サイクルに続いてI帯電−消去サイクルが繰り返す、光誘起放電サイクルを得た、ここで、光強度はサイクルとともに徐々に増加させ、様々な露光強度における光感度および表面ポテンシャルを測定するための、一連の光誘起放電特性カーブを作成した。追加の電気特性は、表面ポテンシャルを徐々に増加させて電荷密度カーブに対して数ボルト発生させることによって、一連の帯電−消去サイクルを得た。スキャナはスコロトロンセットを備え、様々な表面ポテンシャルで一定電圧となるようにした。上述の光伝導体は、500ボルトの表面ポテンシャルにおいて、一連の減光フィルタを制御することによって露光強度を徐々に増加させて検査した、また露光源は780ナノメートル発光ダイオードとした。コピーシミュレーションは、環境制御光の狭いチャンバ中において、大気条件(40パーセント相対湿度よび22℃)で完遂した。
【0047】
実質的に同様のPIDCを、上述の3光伝導体について得て、上述のポリプロピレングリコールジベンゾエートの電荷輸送層中への取り込みはこれら光伝導体の電気特性に悪影響を与えないことを示した。
【0048】
側方電荷移動(LCM:lateral charge migration)抵抗も、上述の比較例1の光伝導体、および電荷輸送層中に10重量パーセントのUNIPLEX(R)400を備える上述の実施例Iの光伝導体について決定した。比較例1および実施例の光伝導体ストリップをアルミニウムドラム上に取り付け、次に15秒間の期間、作動中のスコロトロンデバイスへ露光した。スコロトロングリッドは接地して光伝導体の帯電を回避した。露光後即座に、光伝導体ストリップは、様々な幅の線(5段階の画素において値5は最高LCM抵抗と同等)を有する印刷テンプレートを用いるゼロックスDC−8000プリンタから印刷した。その後、得られた試料は、欠線の関数として順位付けし、ここで、欠線なしの試料は視覚的にグレード5またはG5(大抵のLCM抵抗)と順位付けし、また全てが欠線の試料は視覚的にグレード1またはG1(最小LCM抵抗)と順位付けした。電荷輸送層中の10重量パーセントのUNIPLEX(R)400実施例I光伝導体は、大抵の線が存在するLCM抵抗のグレード4と評価された。対照的に、比較例1光伝導体は全線が欠けたLCM抵抗のグレード1と評価された。
【0049】
このようにして、ポリプロピレングリコールジベンゾエートの電荷輸送層への取り込みは、実施例I光伝導体のLCM抵抗を改善した。
【0050】
比較例1光伝導体および実施例II光伝導体の既知のFPS電荷欠乏スポット検査は、実施例II光伝導体に改善した0.9CDSカウント/cm
2を示した。