(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態に係る樹脂成形体の洗浄処理装置(以下、洗浄処理装置という。)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態に係る洗浄処理装置1は、
図1に示す洗浄設備110を構成するものである。そこで、先ず、この洗浄設備110に付いて簡単に説明した後に、洗浄処理装置1に付いて詳細に説明する。また、この洗浄設備110及び後述する洗浄処理装置1は、塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート(PET)等により成形された可撓性を有する樹脂成形体に付着した付着物を洗浄するとともに、該樹脂成形体に付着した異臭や悪臭を脱臭するために本発明を適用したものである。ここで、上記樹脂成形体は、食品等の包装材や農業資材等として使用されていたフィルム状、シート状又は袋状等に成形されたものである。また、この洗浄処理装置1により洗浄処理される上記樹脂成形品には、有機廃棄物や農薬等が付着していたり、これらの有機廃棄物や農薬等に含まれる有害菌による異臭や悪臭が付着したりしているものである。以下、この洗浄設備110について説明する。
【0016】
この洗浄設備110は、
図1に示すように、洗浄処理装置1と、この洗浄処理装置1を構成する後述のホッパー23に上記樹脂成形体を搬送するコンベア装置111と、後述する弱酸性次亜塩素酸水(殺菌水)を生成するとともに、該弱酸性次亜塩素酸水を上記洗浄処理装置1に圧送する弱酸性次亜水生成装置112とから構成されている。上記コンベア装置111は、洗浄処理装置1の
図1に示す左側面側(上流側)に配置されており、左下側に配置され上記樹脂成形体を投入可能な投入口114と、この投入口114に投入された上記樹脂成形体を載置可能で回転可能なコンベアベルト115とを備え、このコンベアベルト115に載置された樹脂成形体を洗浄処理装置1の後述する投入枠体33内にホッパー23を介して搬送可能に傾斜して配置されている。上記コンベアベルト115は、表面に載置された樹脂成形体が滑り落ちないように係止する係止片116が等間隔に固定され、図示しない駆動モータにより樹脂成形体が載置される上面側が上昇するように回転駆動される。そして、コンベアベルト115に載置された樹脂成形体は下方から上方のホッパー23の流路23a内に搬送される。
【0017】
また、弱酸性次亜水生成装置112は、
図1及び
図2に示すように、洗浄処理装置1の背面側に配置されてなるものである。なお、弱酸性次亜水生成装置112は、希釈のための水道水を供給する図示しない給水管と、塩酸水溶液を注入する第1注入口と、流量抵抗を生じさせて塩酸水溶液と希釈水とを混合する第1混合希釈部と、次亜塩素酸塩水溶液を注入する第2注入口と、流量抵抗を生じさせて次亜塩素酸塩水溶液と希釈水とを混合する第2混合希釈部と、流量抵抗を生じさせて上記第1混合希釈部で希釈された塩酸水溶液と上記第2混合希釈部で希釈された次亜塩素酸塩水溶液とを混合する第3混合希釈部とを備えたものである。そして、こうした構成からなる弱酸性次亜水生成装置112により、生成された弱酸性次亜塩素酸水は、上記第3混合希釈部と連通して外部に延設された次亜水給送管(チューブ)13を介して後述する殺菌水噴射ノズル78を経て処理槽31内に噴射される。なお、本実施の形態における弱酸性次亜水生成装置112は、株式会社タクミナ社製の商品名「サラファイン(登録商標)」を使用した。
【0018】
次に、洗浄処理装置1について説明する。この実施の形態に係る洗浄処理装置1は、
図2又は
図3に示すように、下部に6個のキャスター2に支持されたフレーム3が立設され、このフレーム3の上部に後述する処理槽31が配置されてなり、その上部は上流側のカバー5及び下流側のカバー6により被覆されている。上記フレーム3は、
図4、
図6又は
図7に示すように、四隅にそれぞれ立設された4本の支柱3aと、これら支柱3aのうちの正面側(
図6、
図7に示す左側)と背面側(
図6、
図7に示す右側)とにそれぞれ横架された横桁3b,3bと、これら横桁3b,3bに直交して上流側と下流側とにそれぞれ横架された縦桁3cと、これら上流側と下流側とのそれぞれの縦桁3c上の左右方向に亘って固定された基台枠3dと、この基台枠3d上の上記正面側と上記背面側にそれぞれ立設された正面側支持体3e及び背面側支持体3fと、上記4本の支柱3aの上流側の2本と下流側の2本とのそれぞれの下端部に横架された土台3gとから構成されている。そして、このフレーム3の上端部には、
図6又は
図7に示すように、後述する処理槽31を構成する処理槽本体32が固定されている。
【0019】
また、上記フレーム3の基台枠3dの正面側には正面側外枠3jが延設され、背面側には背面側外枠3kが延設されてなり、一方の正面側外枠3jの前面には、
図6に示すように、上流側(投入口11側)の2個のロック部材40,40のそれぞれの一方側掛止部40aと掛合するように他方側掛止部40bがそれぞれ固定されるとともに、
図7に示すように、下流側(排出路69側)の2個のロック部材42,42のそれぞれの一方側掛止部42aと掛合するように他方側掛止部42bがそれぞれ固定されている。また、他方の背面側外枠3kの後端部上面には、上流側から下流側に亘ってブラケット4が立設され、このブラケット4の上端部に、
図6に示すように、上流側(投入口11側)の2個の蝶番41が、下方に一方側板部41aをそれぞれ有して固定されるとともに、
図7に示すように、下流側(排出路69側)の2個の蝶番43が、下方に一方側板部43aをそれぞれ有して固定されている。
【0020】
また、上記上流側のカバー5は、
図3、
図6に示すように、天板5aと、この天板5aから下方へそれぞれ拡幅して垂下された正面側板部5b、上流側板部5c及び背面側板部5dとにより、下端が開口された角錘台箱形状に成形され、正面側下端部の内側には、前枠部5gが、上記フレーム3の正面側外枠3jの上面に当接して下降端を位置決め可能に固定されている。このカバー5の背面側板部5dには、上記2個の蝶番41の他方側板部41bがそれぞれ固定され、正面側板部5bには、上記2個のロック部材40がそれぞれ固定されてなり、上記カバー5は、上記蝶番41を回動中心にして自在に開閉することができるとともに、閉鎖された状態において上記ロック部材40の一方側掛止部40aが他方側掛止部40bに掛合することによりロックされるようになっている。そして、このカバー5の天板5aには、後述する投入枠体33の上端部が一体的に固定され、この投入枠体33は、上記カバー5が蝶番41を回動中心にして開閉することにより、後述する処理槽本体32に対して開閉される。なお、この投入枠体33の開閉操作は、上記2個のロック部材40のそれぞれの貫通穴(符号は省略する)に挿通された棒状の把手40c(
図1参照)を把持して上下方向に移動させて行う。
【0021】
また、上記下流側のカバー6は、
図3、
図7に示すように、天板6aと、この天板6aから下方へそれぞれ拡幅して垂下された正面側板部6b、背面側板部6d及び下流側板部6eとにより、下端が開口された角錘台箱形状に成形され、正面側下端部の内側には、前枠部6gが、上記フレーム3の正面側外枠3jの上面に当接して下降端を位置決め可能に固定されている。このカバー6の背面側板部6dには、上記2個の蝶番43の他方側板部43bがそれぞれ固定され、正面側板部6bには、上記2個のロック部材42がそれぞれ固定されてなり、上記カバー6は、上記蝶番43を回動中心にして自在に開閉することができるとともに、閉鎖された状態において上記ロック部材42の一方側掛止部42aが他方側掛止部42bに掛合することによりロックされるようになっている。そして、このカバー6の天板6aには、後述する蓋体34の上端部がコ字状の梁部材7,7を介して図示しないボルトにより一体的に固定され、この蓋体34は、上記カバー6が蝶番43を回動中心にして開閉することにより、後述する処理槽本体32に対して開閉される。なお、この蓋体34の開閉操作は、上記2個のロック部材42のそれぞれの貫通穴(符号は省略する)に挿通された棒状の把手42c(
図1参照)を把持して上下方向に移動させて行う。
【0022】
また、上記フレーム3の基台枠3dの側面には、
図6及び
図7に示すコ字溝形状に成形された排水樋47と排水樋48とが、後述する処理槽31内から漏出した洗浄水又は殺菌水を受け入れて、図示しない排水処理手段に排水すべく配置されている。一方の排水樋47は、基台枠3dの正面側に、
図3に示す右側から左側に下降するように傾斜して固定されている。また、他方の排水樋48は、基台枠3dの背面側に、上記排水樋47と同様に右側から左側に下降するように傾斜して固定されている。他方の排水樋48には、
図4に示す下降端部の下方にドレン49が接続され、後述する処理槽31内から漏出した洗浄水又は殺菌水は、このドレン49に接続された配管部材を経て図示しない排水処理手段に排水される。なお、一方の排水樋47に接続されるドレンの図示は無いが、上記他方の排水樋48と同様に接続され、同様に排水される。
【0023】
また、上記フレーム3内には、上記洗浄処理装置1に係る各電気機器を制御する図示しない制御盤が配設されるとともに、フレーム3の正面側には、この洗浄処理装置1の駆動を開始する図示しない始動スイッチ及び停止スイッチを含むスイッチ類が配設されている。これらのほかに、
図1、
図6に示す上記2個のロック部材40の近傍には、図示しないリミットスイッチが固定されている。このリミットスイッチは、後述する投入枠体33を固定している上記カバー5が閉塞しているか否かを判別する検知手段であって、図示しない制御盤と電気的に接続されており、危険防止の為に上記投入枠体33の開放時に後述する駆動モータ21が作動(回転)することを防ぎ、或いは、該駆動モータ21が作動中に上記投入枠体33を開放した場合に該駆動モータ21を緊急停止するためのものである。また、
図1、
図7に示す上記2個のロック部材42の近傍には、図示しないリミットスイッチが固定されている。このリミットスイッチは、後述する蓋体34を固定している上記カバー6が閉塞しているか否かを判別する検知手段であって、図示しない制御盤と電気的に接続されており、危険防止の為に上記蓋体34の開放時に後述する駆動モータ21が作動(回転)することを防ぎ、或いは、該駆動モータ21が作動中に上記蓋体34を開放した場合に該駆動モータ21を緊急停止するためのものである。
【0024】
そして、上記フレーム3上には、
図5に示すように、本発明を構成する処理槽31が配設されている。この処理槽31は、上方が開放されてなる処理槽本体32と、この処理槽本体32の上端開放部(符号は省略する)に前記カバー5を介して開閉自在に連結され、上記処理槽31内に樹脂成形体を投入するための投入口11が形成された投入枠体33と、この投入枠体33の下流側に並列して、上記処理槽本体32の上端開放部(符号は省略する)に上記カバー6を介して開閉自在に連結され、上記処理槽31内から樹脂成形体を排出するための排出路69が形成された蓋体34とを備えてなるものである。この蓋体34は、閉鎖されて上記処理槽本体32と合わせられた状態において、上記処理槽本体32の下流側上方を閉塞するとともに、処理槽本体32と蓋体34との内周の全体形状は水平方向に長さを有する略円筒形状とされている(
図6、
図7参照)。
【0025】
次に、上記処理槽本体32について説明する。この処理槽本体32は、
図6及び
図7に示す略半円筒形状に形成され、長さ方向の中央部の接合部32f(
図5参照)で接合された底板部32aと、
図5に示す左側(投入口11側)に配置され略半円形状に形成された左側半円板部32bと、この左側半円板部32bに対向してなる右側半円板部32cと、から構成されている。この処理槽本体32を構成する略半円筒形状の底板部32aには、多数の円形状の開口32dが、後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89(
図4、
図6又は
図7参照)の回転により切断された樹脂成形体から分離された付着物(有機廃棄物等)が通過して排出されるように千鳥状に穿設されている。この処理槽本体32の開口32dの直径は、
図5に示す上記接合部32fから上流側の左半部(符号は省略する)の直径に対して、下流側の右半部(符号は省略する)の直径が小さく穿設されている。このように、上記開口32dの上流側と下流側との直径を変化させることにより、洗浄・殺菌された後に排出路69から排出される樹脂成形体の回収率を向上させることができる。すなわち、上記処理槽本体32の開口32dは、樹脂成形体から分離された付着物のみを排出するためのみに設けられたものであって、上記処理槽31の上流側においては、上記投入口11から投入された樹脂成形体の洗浄処理が初期段階であるため、樹脂成形体の破断サイズ及び付着物の粒径は比較的大きい状態であることから、上記処理槽本体32の開口32dの直径が小さすぎると付着物が円滑に排出されないことがある。これに対して下流側では、上記処理物が下流側に移動するにしたがい樹脂成形体の破断サイズ及び付着物の粒径は漸次小さくなることから、上記処理槽本体32の開口32dの直径が大きすぎると付着物のみならず樹脂成形体も該開口32dから排出され、上記排出路69から排出される樹脂成形体の回収率が低下する。
【0026】
このように構成された処理槽本体32は、略半円形状の上端部が、
図6及び
図7に示すように、正面側においては、前記フレーム3の正面側支持体3eの後面に固定支持され、背面側においては、上記フレーム3の背面側支持体3fの前面に固定支持されている。そして、上記処理槽31内に投入された樹脂成形体は、後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89の反時計方向への回転又はその遠心力により、上記処理槽本体32、投入枠体33及び蓋体34の各内周面に叩き付けられるようにして上流側から下流側へ移動するとともに、これら各内周面と擦れ合い・摺接しながら移動することから、樹脂成形体から分離・洗浄された付着物は、上記多数の開口32dから排出される。これら多数の開口32から排出された付着物(有機廃棄物等)は、
図4又は
図5に示す漏斗体56に誘導されて、後述する廃棄物貯蔵槽57内に貯蔵される。
【0027】
次に、上記投入枠体33について説明する。この投入枠体33は、
図6に示す左側(正面側)に配置された正面側板部33aと、この正面側板部33aに連なる左側板部33b(
図5参照)と、この左側板部33bに連なる背面側板部33c(
図6参照)と、この背面側板部33cと上記正面側板部33aとに連なる右側板部33d(
図5参照)とから上下両端が開口された略角筒形状に形成され、内側の空間部(符号は省略する)が本発明を構成する投入口11であって、この投入口11から樹脂成形体が投入される。また、上記正面側板部33aと背面側板部33cとの下端外部には、角筒形状の前枠部33iと後枠部33kとがそれぞれ形成され、これら前枠部33iと後枠部33kとは、上記フレーム3の正面側支持体3eと背面側支持体3fとの上端面にそれぞれ当接することにより、上記投入枠体33の閉止状態である下降端を位置決めする。また、上記投入枠体33の
図5に示す右方には、右側板部33dから略半円形状に突出した係合鍔部33eが形成されている。この係合鍔部33eの外周面(符号は省略する)は、上記投入枠体33が前記処理槽本体32上で閉じられた状態において、後述する蓋体34に形成された係合鍔部34jの内周面と接して係合可能な略同一半径に形成されている(
図5参照)。したがって、この投入枠体33は前記処理槽本体32の上方において、上記蓋体34よりも後にしか開放することができないが、該蓋体34よりも先に閉鎖することができる。
【0028】
また、上記投入枠体33の背面側板部33cの内側には、
図5、
図6に示すように、跳ね上げ防止部33fが、後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84の反時計方向への回転により攪拌される樹脂成形体を上記投入口11の上方側に跳ね上げられないように当接させて抑止させるために配置されている。この跳ね上げ防止部33fは、
図6に示す上記背面側板部33cに固定された上方から下方に向かって突出すように傾斜する上面33hと、この上面33hと連なり上記背面側板部33cに固定された下方に向かって傾斜する下面33gとを有して、
図5に示す左側板部33bから後述する仕切り板58に亘って配置されている。これらのうちの下面33g側に樹脂成形体が当接することにより、上記投入口11の上方側に樹脂成形体が跳ね上げられないように防止するものであって、この下面33gは、後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84の外周面よりも離隔して形成されている。
【0029】
また、上記跳ね上げ防止部33fの下方には、
図6に示すように、後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89の反時計方向への回転によって投入口11より吸入される上記処理槽31内の空気が上流側から下流側(
図5に示す左側から右側)に案内されるように、第1ないし第5の案内リブ51・・・55が、上記背面側板部33cの内面に起立してそれぞれ配置されている。これら第1ないし第5の案内リブ51・・・55は、各案内リブ51・・・55の背面側端部51a・・55aよりも正面側端部51b・・55bが右側に位置して傾斜(上流側から下流側に向かって傾斜)するとともに、内周面が後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84の外周面に近接してそれぞれ形成されている(
図6参照)。これら第1ないし第5の案内リブ51・・・55は、樹脂成形体から付着物を分離・洗浄し、殺菌すべく移動させるための適速を得るために、略3度の傾斜角度で上記背面側板部33cの内面及び跳ね上げ防止部33fの下面33gに対して溶接によりそれぞれ固定されている。なお、
図5に示す跳ね上げ防止部33fの右側には、仕切り板58が、上記各案内リブ51・・・55と略同一半径の内周面を有して、略同一角度で傾斜して上記正面側板部33a及び背面側板部33cに固定されている。
【0030】
また、上記投入枠体33の正面側板部33aの内側には、内張板35が内接して固定され、この内張板35には多数の開口35aが、上記投入口11から投入され樹脂成形体を後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84の反時計方向への回転により叩きつけて付着物を分離するための段差を形成すべく穿設されている。また、上記投入枠体33の上端部には、
図4に示すように、ホッパー23が固定されており、このホッパー23は、上下両端部が開口された角筒形状に成形され、その内側が樹脂成形体を上方から下方へ自在に流通させる流路23aとされている。
【0031】
そして、上記投入枠体33は、上端部が前記カバー5の天板5aに一体的に固定され(
図6参照)、該投入枠体33の上端面(符号は省略する)には、ホッパー23が固定されてなることから(
図5参照)、
図1に示すコンベアベルト115の投入口114に樹脂成形体が投入されると、該樹脂成形体は、上記ホッパー23の流路23aから上記投入枠体33の投入口11を経て上記処理槽31内に投入される。なお、この投入枠体33の開閉操作は、上記カバー5に固定された前記2個のロック部材40のそれぞれの貫通穴(符号は省略する)に挿通された棒状の把手40c(
図1参照)を把持して上方へ移動させることにより、前記蝶番41を回動中心にして、上記2個のロック部材40の一方側掛止部40aと他方側掛止部40bとの掛止状態が解除されて開放できるとともに、上記把手棒40cを下方へ移動させ、下端部において上記一方側掛止部40aと他方側掛止部40bとを掛合させることによりロック状態で閉止することができる。
【0032】
次に、上記蓋体34について説明する。この蓋体34は、
図5、
図7に示すように、天板部34aと、正面側に配置された正面側板部34bと、この正面側板部34bに連なる右側板部34c、この右側板部34cと連なる背面側板部34dと、この背面側板部34dと上記正面側板部34bとに連なる左側板部34eとから下端が開口された箱形状に形成されている。また、上記正面側板部34bと背面側板部34dとの下端部には角筒形状の前枠部34fと後枠部34hとがそれぞれ形成され、これら前枠部34fと後枠部34hとは、上記フレーム3の正面側支持体3eと背面側支持体3fとの上端面にそれぞれ当接することにより、上記蓋体34の閉止状態である下降端を位置決めする。また、上記蓋体34の正面側板部34bの
図5に示す右端側には、該正面側板部34bの左右長さの約七分の一の幅による開口(符号は省略する)が形成され、この開口の周囲には
図7に示す角筒形状の排出枠部34iが突設されてなり、この排出枠部34i内の空間部が本発明を構成する排出路69である。この排出枠部34iの前方には、角筒形状に成型された排出管70が、前記カバー6の正面側板部6bを貫通して該正面側板部6bに図示しないボルトにより固定されている。そして、上記処理槽31内で付着物が分離され洗浄・殺菌された樹脂成形体は、上記排出路69から排出管70内の排出路70aを経て図示しない回収箱内へ回収される。
【0033】
また、上記蓋体34の
図5に示す左側には、左側板部34eから略半円形状に突出した係合鍔部34jが形成され、この係合鍔部34jの内周面(符号は省略する)は、前記投入枠体33が前記フレーム3の正面側支持体3e及び背面側支持体3f上で閉じられた状態において(
図7参照)、上記投入枠体33に形成された係合鍔部33eの外周面と接して係合可能な略同一半径に形成されている。したがって、この蓋体34は前記処理槽本体32の上方において、上記投入枠体33よりも先に開放することができるが、該投入枠体33よりも後からしか閉鎖することができない。
【0034】
また、上記蓋体34内には内張板59が、
図5又は
図7に示すように、前記処理槽本体32の底板部32aの略半円筒形状と略々同形状に形成され、上記排出路69を有する排出枠部34iに干渉しないようにして固定されている。この内張板59には、多数の円形状の開口59aが、後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89の反時計方向への回転により樹脂成形体を叩きつけて付着物を分離するための段差を形成すべく穿設されている。そして、樹脂成形体は、後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89の反時計方向への回転又はその遠心力により、上記処理槽本体32、投入枠体33及び蓋体34の各内周面に叩き付けられるとともに、これら各内周面と擦れ合い・摺接しながら移動することから、樹脂成形体から分離・洗浄された付着物は、上記処理槽本体32の多数の開口32dから排出される。
【0035】
また、上記内張板59の内面には、
図5又は
図7に示すように、第6ないし第10の案内リブ61・・・65が、後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89の反時計方向への回転によって投入口11より吸入される上記処理槽31内の空気が上流側から下流側(
図5に示す左側から右側)に案内されるように、上記内張板59の内面にそれぞれ起立して配置されている。これら第6ないし第10の案内リブ61・・・65は、各案内リブ61・・・65の背面側端部61a・・65aよりも正面側端部61b・・65bが右側に位置して傾斜(上流側から下流側に向かって傾斜)するとともに、内周面が後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89の外周面に近接してそれぞれ形成されている(
図7参照)。これら第6ないし第10の案内リブ61・・・65は、樹脂成形体から付着物を分離・洗浄し、殺菌すべく移動させるための適速を得るために、略1度の傾斜角度で上記内張板59の内面に対して溶接によりそれぞれ固定されている。
【0036】
そして、上記蓋体34は、上端部がコ字状の梁部材7,7を介して前記カバー6の天板5aに図示しないボルトにより固定され(
図7参照)、該蓋体34の排出枠部34iの前方には、前記排出管70が上記カバー6の正面側板部6bを貫通して固定されてなることから、上記処理槽31内で付着物が分離され洗浄・殺菌された樹脂成形体は、上記排出枠部34i内の排出路69から排出管70内の排出路70aを経て図示しない回収箱内へ回収される。なお、この蓋体34の開閉操作は、上記カバー6に固定された前記2個のロック部材42のそれぞれの貫通穴(符号は省略する)に挿通された棒状の把手42c(
図1参照)を把持して上方へ移動させることにより、前記蝶番43を回動中心にして、上記2個のロック部材42の一方側掛止部42aと他方側掛止部42bとの掛止状態が解除されて開放できるとともに、上記把手棒42cを下方へ移動させ、下端部において上記一方側掛止部42aと他方側掛止部42bとを掛合させることによりロック状態で閉止することができる。
【0037】
次に、本発明を構成する回転軸72について説明する。この回転軸72は、
図4に示すように、上述のように構成された処理槽31内に、後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89をそれぞれ固定して回転駆動すべく配設され、水平方向に長さを有する前記処理槽31の略円筒形状の中心軸線を通るように、前記フレーム3の基台枠3dに立設された上流側の軸受枠3pから下流側の軸受枠3qに亘って挿通され、
図4に示す左端部が上記軸受枠3pに着脱可能に固定された一方の転がり軸受73により回転自在に支持され、右端部近傍は、上記軸受枠3qに着脱可能に固定された他方の転がり軸受74により回転自在に支持されている。この回転軸72の左右両端部を除く内側には、
図6及び
図7に示すように、正方形状の断面でなる四角形状部72aが、前記投入口11側から排出路69側に亘って形成され(
図4参照)、この四角形状部72aの各面に後述する第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89が安定性を維持して固定されている。また、この回転軸72の右端部には、
図4に示すように、外周にV字状溝が形成された従動側のVプーリ67が固定され、このVプーリ67と後述する駆動モータ21の出力軸21aに固定された駆動側のVプーリ66とに張設された3本のVベルト68を介して、上記回転軸72は上記駆動モータ21の駆動により
図6及び
図7に示す反時計方向に回転される。
【0038】
次に、本発明を構成する第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89について説明する。これらの第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89は、
図6又は
図7に示すように、上記回転軸72の四角形状部72aの各面であって回転方向に90度ずつ等間隔に図示しないボルトによりそれぞれ固定されてなるものであり(
図4参照)、本実施の形態においては、各回転羽根81・・84、回転羽根86・・89の基端部である回転軸72側から先端部までのそれぞれの長さ(幅)は同一とされている。また、これら回転羽根81・・84と回転羽根86・・89との先端側(処理槽31の内周面側)には、第1ないし第4の櫛状体91・・94と第5ないし第8の櫛状体96・・99とがそれぞれボルト(符号は省略する)により着脱可能に固定されている。これらの櫛状体91・・94と櫛状体96・・99との先端側には、略U字状の多数の凹部91b・・94bと凹部96b・・99bとがそれぞれ等間隔に形成され(
図8参照)、これら凹部91b・・94b、96b・・99bは、それぞれの両側に起立する凸部(符号は省略する)とで凹凸をなす櫛状にそれぞれ形成されている。
【0039】
また、上記櫛状体91・・94、96・・99の回転により各先端側が通過する近傍であって、
図6、
図7に示す処理槽本体32の図示左上端側には、切断工具95が当て板95bを介して固定され、この切断工具95には、
図8に示すように、多数の切断刃95aがそれぞれ形成されて固定されている。これらの切断刃95aは、上記櫛状体91・・94、96・・99のそれぞれに形成された多数の凹部91b・・94b、96b・・99b方向にそれぞれ対向して突出するように形成されている。なお、本発明の回転羽根は、上記第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89と、これらの先端側に固定された第1ないし第4の櫛状体91・・94及び第5ないし第8の櫛状体96・・99とにより構成される。
【0040】
そして、
図4又は
図6に示す投入口11から処理槽31内に送り込まれた樹脂成形体は、処理槽31内で反時計方向に回転する上記第1ないし第4の櫛状体91・・94と第5ないし第8の櫛状体96・・99との先端部にそれぞれ衝突するとともに、上記櫛状体91・・94、96・・99の各凹部91b・・94b、96b・・99b部と、切断工具95の各切断刃95aとの間に挟まれることにより(
図8参照)、上記樹脂成形体は、不規則・不定形に折曲されるとともに不規則・不定形に破れて切断される。こうした樹脂成形体の折曲や切断の際に、付着物は分離される。さらに、不規則に切断された樹脂成形体は、
図6又は
図7に示す回転羽根81・・84、86・・89及び櫛状体91・・94、96・・99の回転又はその遠心力により、処理槽本体32、投入枠体33及び蓋体34の各内周面に叩き付けられるように移動するとともに、これら各内周面と擦れ合い・摺接しながら移動する。
【0041】
次に、本発明を構成する4個の洗浄水噴射ノズル76及び4個の殺菌水噴射ノズル78について説明する。まず、上記洗浄水噴射ノズル76は、
図6に示す前記フレーム3の正面側支持体3eの上流側(
図3に示す4個の開閉弁77のそれぞれの紙面裏側)に、吐出口から前記処理槽31内に洗浄水(水道水)を噴射可能に固定され、これら洗浄水噴射ノズル76の近傍には、4個の開閉弁77(
図3参照)が前枠部3nを介して固定されている。これら開閉弁77の2次側は図示しない配管部材により上記洗浄水噴射ノズル76とそれぞれ接続されるとともに、1次側には、図示しない配管部材により水道水の給水手段が接続されている。そして、上記開閉弁77のそれぞれに設けられた開閉レバー77aの開放操作により上記洗浄水噴射ノズル76から処理槽31内に水道水を噴射することにより、樹脂成形体は、付着していた付着物が洗浄される。また、上記殺菌水噴射ノズル78は、
図7に示す前記フレーム3の正面側支持体3eの下流側(
図3に示す4個の開閉弁79のそれぞれの紙面裏側)に、吐出口から前記処理槽31内に殺菌水(弱酸性次亜塩素酸水)を噴射可能に固定され、これら殺菌水噴射ノズル78の近傍には、4個の開閉弁79(
図3参照)が前枠部3nを介して固定されている。この開閉弁79の2次側は図示しない配管部材により上記殺菌水噴射ノズル78とそれぞれ接続されるとともに、1次側には、
図2に示す次亜水給送管13により前記弱酸性次亜水生成装置112が接続されている。そして、上記開閉弁79のそれぞれに設けられた開閉レバー79aの開放操作により上記殺菌水噴射ノズル78から、処理槽31内に殺菌水を噴射することにより、樹脂成形体は、付着していた付着物が洗浄されるとともに、付着していた有害菌が殺菌される。
【0042】
次に、本発明を構成する駆動モータ21について説明する。この駆動モータ21は、前記制御盤に電気的に接続され、
図4に示すように、前記処理槽本体32の右側下方に配置された据付ベース22上に固定されている。この据付ベース22は、前記フレーム3の右側下方にモータ台枠25が前記フレーム3の支柱3a及び横桁3bに固定され、このモータ台枠25上に上記据付ベース22が上下位置調節可能に配置されている。上記駆動モータ21の出力軸21aには、外周にV字状溝が形成された駆動側のVプーリ66が固定され、このVプーリ66と前記回転軸72に固定された従動側のVプーリ67とに3本のVベルト68が張設されている。これらのVベルト68を介して、上記駆動モータ21の駆動回転力が上記回転軸72に伝達され、前記第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89は回転される。なお、駆動モータ21の回転方向は、図示しない始動スイッチをオン操作すると、上記第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89の回転方向が
図6及び
図7において反時計方向となるように設定されている。
【0043】
次に、排出された付着物を誘導する漏斗体56及び貯蔵する廃棄物貯蔵槽57について説明する。まず、漏斗体56は、
図4又は
図5に示すように、上記処理槽本体32の開口32dから排出される付着物(有機廃棄物等)を受取るべく主体部56aと傾斜部56bとからなる漏斗形状に成形され、
図6又は
図7に示すように、正面側の上端部(符号は省略する)が前記フレーム3の正面側支持体3eに固定支持されるとともに、背面側の上端部(符号は省略する)が上記フレーム3の背面側支持体3fに固定支持されている。この漏斗体56の主体部56aは、
図4又は
図5に示す上下両端が開口された角筒形状に形成され、傾斜部56bは、上記主体部56aの右側部と接続され、上記処理槽本体32に接近した右上部から左下部の上記接続部に向かって下降する傾斜面(符号は省略する)を有して上端が開口されている。また、上記廃棄物貯蔵槽57は、上方が開口された有底角筒状に成形され、下方に4個のキャスター57aを備え、
図3に示す正面側には、この廃棄物貯蔵槽57を洗浄処理装置1下方から引き出すための2個の把手57c,57cが固定されている。したがって、上記漏斗体56の主体部56aの上方に位置する上記処理槽本体32の開口32dから排出された付着物は、上記主体部56aから廃棄物貯蔵槽57に直接貯蔵され、上記傾斜部56bの上方開口32dから排出された付着物は、該傾斜部56bの斜面面に沿って上記主体部56a内に降下して廃棄物貯蔵槽57に貯蔵される。
【0044】
次に、上述のように構成された洗浄処理装置1の作用効果について、図面を参照して以下のとおり説明する。
【0045】
まず、図示しない始動スイッチをオン操作すると、
図3に示す駆動モータ21の駆動が開始され、これに伴い該駆動モータ21とVプーリ66、Vベルト68及びVプーリ67により連結された回転軸72とともに、前記処理槽31内に設けられた
図4、
図6又は
図7に示す第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89が、反時計方向に回転される。これらのうち、上記第1ないし第4の回転羽根81・・84の反時計方向への回転により該回転羽根81・・84のそれぞれの回転方向の前方側に位置する空気は、遠心方向及び該遠心方向と直交する正面方向並びにこれらの間に向かって所定の風速及び風力により流動し、上記処理槽31の処理槽本体32、投入枠体33及び蓋体34の各内周面に叩き付けられるとともに、こられ各内周面に沿って
図6、
図7に示す反時計方向に移動する。また、上記第5ないし第8の回転羽根86・・89の回転により該回転羽根86・・89のそれぞれの回転方向の前方側に位置する空気は、遠心方向及び該遠心方向と直交する正面方向並びにこれらの間に向かって所定の風速及び風力により流動し、上記処理槽31の処理槽本体32、投入枠体33及び蓋体34の各内周面に叩き付けられるとともに、これら各内周面に沿って反時計方向に移動する。
【0046】
この際、処理層31内の空気は、
図5に示す第1ないし第5の案内リブ51・・・55と、第6ないし第10の案内リブ61・・・65とに案内されて排出路69に向かって処理層内31を回転するように移動するが、こうした移動に加え、処理槽本体32の開口32dを通過する。こうした空気の通過に伴い樹脂成形体は、該開口32dの内周側に押圧され摩擦抵抗を受けながら移動することとなる。したがって、この洗浄処理装置1では、樹脂成形体から分離された付着物は、上記処理槽本体32の開口32dから排出されるとともに、樹脂成形体は、
図7に示す排出路69から排出管70内の排出路70aを経て図示しない回収箱内へ回収される。
【0047】
そして、この状態において、4個の開閉弁77をそれぞれの開閉レバー77aの操作により開放して洗浄水噴射ノズル76から洗浄水を噴射させるとともに、4個の開閉弁79をそれぞれの開閉レバー79aの操作により開放して殺菌水噴射ノズル78から弱酸性次亜塩素酸水(殺菌水)を噴射させた後、樹脂成形体が、
図1に示すコンベア装置111により搬送され、
図4に示すホッパー23から投入されると、この樹脂成形体は、投入口11内の空間を経て、処理槽31内へ引き込まれるようにして移動する。この移動により、樹脂成形体は、上記第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第5ないし第8の回転羽根86・・89とともに回転される第1ないし第4の櫛状体91・・94及び第5ないし第8の櫛状体96・・99の先端側に直接衝突するか、上記櫛状体91・・94、96・・99の先端部に形成された略U字状の各凹部91b・・94b、96b・・99bと、
図8に示す切断工具95の各切断刃95aとの間に挟まれるか、又は、上記回転羽根81・・84、86・・89若しくは櫛状体91・・94、96・・99の回転方向(
図6又は
図7に示す反時計方向)の前方側に移動する。
【0048】
これらのうち、上記櫛状体91・・94、96・・99の先端側に直接衝突した樹脂成形体は、不規則・不定形に折曲されるとともに、不規則・不定形に破れて切断される。また、上記各櫛状体91・・94、96・・99の各凹部91b・・94b、96b・・99bと、上記切断工具95の各切断刃95aとの間に挟まれた樹脂成形体は、一方の切断工具95は
図8に示す当て板95bを介して処理槽本体32に固定され、他方の櫛状体91・・94、96・・99は回転されることから、より確実に不規則・不定形に折曲されるとともに、より確実に不規則・不定形に破れて切断される。こうした樹脂成形体の折曲や切断の際に、上記付着物は樹脂成形体から衝撃により分離されるとともに、洗浄水噴射ノズル76から噴射される洗浄水により付着物が分離・洗浄される。また、分離された付着物は前記処理槽本体32の開口32dから排出されるとともに、樹脂成形体(一部には付着物が残っている)は下流側へ移動する。
【0049】
そして、下流側へ移動した樹脂成形体は、さらに上記第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第1ないし第4の櫛状体91・・94と、これらの下流側に配置された第5ないし第8の回転羽根86・・89及び第5ないし第8の櫛状体96・・99との回転力、遠心力又は風力により、
図7に示す処理槽31の処理槽本体32及び蓋体34の各内周面に叩き付けられ(この際にも、残りの付着物は衝撃により分離される)反時計方向へ移動するとともに、これら各内周面と擦れ合い・摺接して付着物を分離しながら
図4又は
図5に示す処理層31の内周を下流側へ移動する。この移動により、一方の樹脂成形体は、下流側に配置された殺菌水噴射ノズル78から噴射される弱酸性次亜塩素酸水(殺菌水)により付着物が確実に洗浄・殺菌されて、蓋体34の排出路69から排出されるとともに、他方の付着物は、処理槽本体32に穿設された多数の開口32dを通過しようとする空気により処理槽本体32の内周面に押圧されて、この処理槽本体32の開口32dから排出される。
【0050】
他方、上記回転羽根81・・84、86・・89若しくは櫛状体91・・94、96・・99の回転方向の前方側に移動した樹脂成形体は、上記回転羽根81・・84、86・・89若しくは櫛状体91・・94、96・・99の回転力、遠心力又は風力により、
図6又は
図7に示す処理槽31の処理槽本体32、投入枠体33及び蓋体34の各内周面に叩き付けられて(この際にも、一部の付着物は衝撃により分離される)反時計方向へ移動するとともに、これら各内周面と擦れ合い・摺接しながら処理層31の内周を移動する。こうした樹脂成形体の移動の際に、上記付着物は樹脂成形体から衝撃により分離されるとともに、樹脂成形体は洗浄水噴射ノズル76から噴射される洗浄水により洗浄される。分離された付着物は前記処理槽本体32の開口32dから排出されるとともに、樹脂成形体(一部には付着物が残っている)は下流側へ移動する。
【0051】
そして、下流側へ移動した樹脂成形体は、さらに上記第1ないし第4の回転羽根81・・84及び第1ないし第4の櫛状体91・・94と、これらの下流側に配置された第5ないし第8の回転羽根86・・89及び第5ないし第8の櫛状体96・・99との回転力、遠心力又は風力により、
図7に示す処理槽31の処理槽本体32及び蓋体34の各内周面に叩き付けられ(この際にも、残りの付着物は衝撃により分離される)反時計方向へ移動するとともに、これら各内周面と擦れ合い・摺接して付着物を分離しながら処理層31の内周を移動する。この移動により、一方の樹脂成形体は、下流側に配置された殺菌水噴射ノズル78から噴射される弱酸性次亜塩素酸水(殺菌水)により付着物が確実に洗浄、殺菌されて、蓋体34の排出路69から排出されるとともに、他方の付着物は、処理槽本体32に穿設された多数の開口32dを通過しようとする空気により処理槽本体32の内周面に押圧されて、この処理槽本体32の開口32dから排出される。
【0052】
したがって、
図4に示すホッパー23から投入され樹脂成形体は、処理槽31内において不規則・不定形に折曲され、不規則・不定形に破れて切断され、処理槽31の処理槽本体32、投入枠体33及び蓋体34の各内周面に叩き付けられ、これら各内周面と擦れ合い・摺接しながら
図6又は
図7に示す反時計方向へ移動され、処理槽本体32の内周面と櫛状体91・・94、96・・99とにより揉まれ、又は上記櫛状体91・・94、96・・99の多数の凹部91b・・94b、96b・・99bと、上記切断工具95の多数の切断刃95aとの間に挟まれて上記反時計方向へ移動するとともに、下流側へ移動する。そして、これらを繰り返すことにより一方の付着物は、樹脂成形体から分離されて上記処理槽本体32の開口32dから排出され、
図4に示す漏斗体56を経て廃棄物貯蔵槽57に貯蔵される。また、他方の樹脂成形体は、上流側の洗浄水噴射ノズル76から噴射される洗浄水により付着物が分離・洗浄されるとともに、下流側の殺菌水噴射ノズル78から噴射される弱酸性次亜塩素酸水(殺菌水)により付着物が確実に洗浄・殺菌されて、
図4又は
図7に示す排出路69から排出管70内の排出路70aを経て図示しない回収箱内へ回収される。
【0053】
なお、処理槽本体32の開口32dの直径は、
図5に示す上記接合部32fから上流側の左半部(符号は省略する)の直径に対して、下流側の右半部(符号は省略する)の直径が小さく穿設されてなることから、洗浄・殺菌された後に排出路69から排出される樹脂成形体の回収率を向上させることができる。すなわち、上記処理槽本体32の開口32dは、樹脂成形体から分離された付着物のみを排出するためのみに設けられたものであって、樹脂成形体の分離・洗浄処理が初期段階である上流側においては、樹脂成形体の破断サイズ及び付着物の粒径は比較的大きい状態であることから、上流側の開口32dの直径をできるだけ大きくすることにより付着物のみを円滑に排出することができる。これに対して下流側においては、上記処理物が下流側に移動するにしたがい樹脂成形体の破断サイズ及び付着物の粒径は漸次小さくなることから、下流側の開口32dの直径を上流側よりも小さくすることにより該開口32dから付着物のみを円滑に排出して、排出路69から排出される樹脂成形体の回収率を向上させることができる。
【0054】
上述したように、本発明に係る洗浄処理装置1によれば、
図4、
図6又は
図7に示す回転羽根81・・84、86・・89と、櫛状体91・・94、96・・99との回転により付着物を分離した樹脂成形体は、処理槽31の上流側において、
図6に示す洗浄水噴射ノズル76から噴射される洗浄水により付着物が分離されるとともに洗浄され、さらに下流側において、
図7に示す殺菌水噴射ノズル78から噴射される殺菌水(弱酸性次亜塩素酸水)により洗浄されるとともに殺菌されることから、洗浄前に付着していた有機廃棄物等の有害菌は確実に殺菌され、この有害菌から放出されていた異臭(悪臭)を脱臭することができる。したがって、上記洗浄処理装置1の
図4、
図5又は
図7に示す排出路69から排出され回収される樹脂成形体は、例えばペレット状の原料に再生して新たな製品(商品)を製造しても、その製品(商品)から異臭(悪臭)が放出されることがなく、新たな製品の原料として再利用(リサイクル)に十分貢献することができる。
【0055】
また、
図7に示す殺菌水噴射ノズル78から噴射される殺菌水は、弱酸性次亜塩素酸水であることから、通常の塩素系殺菌剤やアルコールと比較し高い除菌力を有し、樹脂成形体に付着した有害菌を殺菌して異臭をより確実に脱臭することができる。したがって、上記洗浄処理装置1の排出路69から排出され回収される樹脂成形体は、例えばペレット状の原料に再生して新たな製品(商品)を製造しても、その製品(商品)から異臭(悪臭)が放出されることがなく、新たな製品の原料として再利用(リサイクル)に十分貢献することができる。
【0056】
また、
図5に示す処理槽31の上半部を構成する投入枠体33と、蓋体34とのそれぞれの内側には、樹脂成形体を上流側から下流側に案内する複数の第1ないし第5の案内リブ51・・・55と、案内リブ61・・・65とが備えられ、上流側の案内リブ51・・・55は上流側から下流側に向かって略1度の傾斜角度で形成されてなるとともに、下流側の案内リブ61・・・65は略3度の傾斜角度で形成されてなることから、樹脂成形体は、付着物を確実に分離・洗浄し、樹脂成形体に付着した有害菌を殺菌して異臭を脱臭するための適正な速度で、処理槽内を上流側から下流側へ移動することができる。したがって、上記洗浄処理装置1の排出路69から排出され回収される樹脂成形体は、例えばペレット状の原料に再生して新たな製品(商品)を製造しても、その製品(商品)から異臭(悪臭)が放出されることがなく、新たな製品の原料として再利用(リサイクル)に十分貢献することができる。
【0057】
なお、本発明に係る洗浄処理装置1は、上述した形態に限定されるものではなく、例えば、樹脂により成形された包装材(樹脂成形体)内に有機廃棄物等(付着物)が内蔵された状態で上記投入口11に投入され、この有機物等が内蔵された包装材から付着物を分離し、上記包装材を洗浄し、殺菌・脱臭する場合にも適用することができる。