【実施例】
【0115】
材料および方法
試薬:mCD70、hCD40Lは、関連発現構築物によるヒト胚性腎臓HEK−293T細胞の大スケールトランスフェクションにより製造した(下記参照)。腫瘍壊死因子(TNF)は、オーストリア、ビエナのボーリンガー研究所のG.アドルフ博士から提供されたものを、100ng/mlの濃度で細胞に適用した。フィトヘマグルチニン(PHA)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン(DON)、カンプトテシン(CPT)、N−アセチル−D−グルコサミンおよびシスプラチン(CIS)は、シグマ社から購入した。MG132、ベンジル−α−GalNAc(BADGP)、ラクタシスチンおよびポナステロンは、カルビオケム社(Clbiochem)から購入した。ピューロマイシンはインビトロジェン社(Invitrogen)から、アガロース−結合コムギ胚芽凝集素(WGA)はベクターラボラトリー社(Vector Laboratories)から、そしてβ−D−N−アセチルヘキソサミニダーゼはV−ラブ社(V-Lab)から購入した。E1およびE2酵素はボストンバイオケム社(Boston Biochem)およびアレキシスバイオケミカル社(Alexis Biochemicals)から購入した。[
32P]オルトリン酸はアマシャムバイオサイエンス社(Amersham Biosciences)から、ストレプトアビジンHRPはピアス社(Pierce)から購入した。
【0116】
細胞:末梢血単核細胞(PBMCs)は、軟膜試料から単離され、記載されたように培養した(Ramakrishnanら、2004)。SIVA2またはSIVA1を発現するエクジソン誘導性EcR−293−CD27細胞株(EcR−293−CD27−SIVA2またはEcR−293−CD27−SIVA1)とEcR−293−CD40を、製造者(インビトロジェン)の使用説明書に従い、リン酸カルシウム法を用いたトランスフェクションにより作製した。全ての接着細胞、HEK−293T、EcR−293(インビトロジェン)、HeLa、HeLa T−REx(インビトロジェン)、およびHepG2は、ダルベッコ改変イーグル培地で培養された。培養培地は10%ウシ胎仔血清、ペニシリン100U/mlおよびストレプトマイシン100μg/mlを補足した。ヒトリンパ芽球様細胞株、ラモス(ヒトバーキットリンパ腫細胞株)およびBJAB(B−リンパ芽球腫細胞株)はRPMI培地で培養された。エクジソン誘導性EcR293−CD27およびEcR293−CD40細胞株は、ヒトCD27およびCD40それぞれに対するcDNAによるそれらの安定なトランスフェクションにより作製された。SIVA2またはSIVA1を発現するEcR293−CD27細胞株(EcR−293−CD27−SIVA2またはEcR−293−CD27−SIVA1)は、リン酸カルシウム法を用いたトランスフェクションにより作製し、mycNIKおよびmycNIK(K670A)を後にこれらの細胞にレトロウイルスによる形質導入と1μg/mlピューロマイシンによる選択で導入した。構造的にmyc−NIKを発現するラモス細胞は、レトロウイルスによる形質導入で作製し、1μg/mlピューロマイシンで選択した。myc−NIKを安定的に発現するBJAB細胞は、エレクトロポーレーションおよび0.5mg/mlのG418による選択により作製した。その後、SIVA2は、これらの細胞へのレトロウイルスによる形質導入および1μg/mlピューロマイシンでの選択により導入した。ブラストサイジン選択下でTetリプレッサ(インビトロジェン)を安定的に発現するラモス T−REx細胞は、pcDNA6/TRプラスミドおよびアマクサヌクレオフェクション(Amaxa nucleofection)を用いて作製した。これらの細胞は、pcDNA4ベクター(インビトロジェン)のテトラサイクリンオペレータおよびCMVプロモータ下の、SIVA2(ラモス T−REx−SIVA2)、SIVA2(C73A)(ラモス T−REx−SIVA2(C73A))、またはSIVA1(ラモス T−REx−SIVA1)cDNAで、記述されているようなレンチウイルスシステムにより導入した(Loisら、2002; Ramakrishnanら、2004)。T−REx細胞は、テトラサイクリン不含血清(インビトロジェン)で培養された。SIVA1およびSIVA2は、EcR293細胞ではポナステロン(5μg/ml)で、そしてラモス T−REx細胞ではドキシサイクリン(1μg/ml)で誘導された。
【0117】
酵母ツーハイブリッド試験
NIK、SIVAおよびTRAF2のcDNAを、pGBKT7またはpGBT9(ベイトベクターとして)、pGADT7(プレイベクターとして)で発現させた。結合は、供給者(クローンテック)の取扱説明書にしたがってSFY526レポーター酵母株で評価した。
【0118】
哺乳類発現ベクター
SIVA2、SIVA1をPCRでESTsからクローニングした。SIVA配列をNCBI配列NM_006427(SIVA1、配列番号10)およびNM_021709(SIVA2、配列番号11)と確認した。CD70およびhCD40Lの細胞外ドメイン用の発現ベクター、myc−タグ化野生型および「キナーゼデッド」NIK(KD−NIK)用の発現ベクター、およびヒトCD27用の発現ベクターは、すでに記述されている(Ramakrishnan, 2004)。レトロウイルス形質導入のために、myc−NIKをpBABE5puroベクターにクローニングした。pEGFPはクローンテックから購入した。SIVA2、TRAF2、NIK、およびUbc13における点突然変異は、PfuターボDNAポリメラーゼ(ストラタジーン)を用い位置指定突然変異技術により作出された。FLAG−GST−BR3−ICD
*(TRAF3の結合を防ぐ変異[PVPAT>AVAAA]を有するBAFF受容体の細胞内ドメイン[アミノ酸100〜184])をCD70およびhCD40Lの細胞外ドメインに使用されるベクターと、後者ではリーダー配列が除去されている以外は同じベクターで発現された。ユビキチン突然変異体のためのcDNAは記述されている(Kovalenkoら、2003)。増強された緑色蛍光タンパク質プラスミド(pEGFP)は、クローンテックから購入した。N−末端FLAG−タグcIAP1およびcIAP1 H588A(cIAP1mut)は、レスター大学のGerry M Cohen博士のご厚意により提供されたcIAP発現ベクターからサブクローニングにより作出した。
【0119】
RNA干渉によるタンパク質合成の抑制のために使用されるオリゴヌクレオチド配列
以下のsiRNA配列は、pSUPERベクター(Brummelkampら、2002)中にスペーサーとして使用される配列ttcaagaga(配列番号1)と共に導入された。ヒトSIVA−NC3用、センス鎖5'-gatcccctgaataaacctctttatatttcaagagaatataaagaggtttattcatttttggaaa-3'(配列番号2)およびアンチセンス鎖5'-agcttttccaaaaatgaataaacctctttatattctcttgaaatataaagaggtttattcaggg-3'(配列番号3);SIVA275用、センス鎖5'-gatccccactgcagtgacatgtacgattcaagagatcgtacatgtcactgcagttttttggaaa-3'(配列番号4)およびアンチセンス鎖5'-agcttttccaaaaaactgcagtgacatgtacgatctcttgaatcgtacatgtcactgcagtggg-3'(配列番号5);GFP用、センス鎖5'-gatccccgctacctgttccatggccattcaagagatggccatggaacaggtagctttttggaaa-3'(配列番号6)およびアンチセンス鎖5'-agcttttccaaaaagctacctgttccatggccatctcttgaatggccatggaacaggtagcggg-3'(配列番号7)。
【0120】
抗体
ヒトSIVA2に対するモノクローナル抗体は、細菌的に作出したGST−SIVA2での免疫化によりマウスで起こし、Trx−HIS−SIVA2でアフィニティー精製した。この抗体はSIVA1およびSIVA2の両方を認識した。抗−HIS、抗−FLAG、抗−FLAG M2−ビーズ、および抗−β−アクチンはシグマから購入した。抗−ユビキチンおよび抗−GSTは、コーヴァンス(Covance)からであり、抗−GFPはロッシュ(Roche)から購入し、抗CD27CD27、TNFR1、TRAF2、Oct−1およびHAはサンタクルーズバイオテクノロジー(Santa Cruz Biotechnology)から購入した。抗−NIKモノクローナル抗体は、以前に記述されている(Ramakrishnan, 2004)。ウエスタン分析に使用された抗−HAモノクローナル抗体(クローン−12CA5)と、抗−mycモノクローナル抗体(クローン−9E10)とは、それらの対応するペプチドを結合させたアフィニティーカラム上でマウスの腹水から精製された。
【0121】
組換えタンパク質の発現
細菌の発現について、SIVA2のGST−融合タンパク質を、製造業者(ファルマシア バイオテック(Pharmacia Biotech))のGST遺伝子融合システムプロトコールにしたがって、pGEX2Tベクター中にクローニングし、発現させた。一過性のトランスフェクション、全タンパク質抽出、核および細胞質タンパク質分離、免疫沈降、免疫ブロッティング、およびインビトロキナーゼアッセイは、記述されている(Ramakrishnanら、2004)ように行った。FLAG−SIVA2は、pET44ベクターを用いて発現され、そしてTRAF3(Trx−HIS−TRAF3)およびSIVA2(Trx−HIS−SIVA2)は、BL−21(DE3)pLysS細胞(ノバジェン(Novagen))においてpET32ベクター(ノバジェン)を用いてTrx融合として発現された。すべてのタンパク質の誘導は、0.2mMのイソプロピル−β−D−チオ−ガラクトピラノで、0.4〜0.5のOD600で実施された。
【0122】
ルシフェラーゼアッセイ
HEK293T細胞(2×10
5細胞)を6ウェルプレートに播種し、カルシウム−リン酸沈殿法によりトランスフェクトした。ヒト免疫不全ウイルス長い末端反復配列(HIV−LTR)NF−κBプロモータの制御下ルシフェラーゼcDNAをレポータープラスミドとして使用した。表示時間で、細胞を溶解緩衝液120μl中で記載されているように溶解し、10〜20μlのライセートを25℃で4時間Lumac BiocounterサイドにおいてD−ルシフェリン基質を用いるアッセイに使用した。
【0123】
インビトロタンパク質結合アッセイ
精製されたタンパク質を、30mM HEPES pH7.6、5mM MgCl
2、150mM NaCl、および0.5mMジチオスレイトール(DTT)を含む50μlの緩衝液中、30℃で1時間インキュベートした。後で、結合混合物を、1%トリトンX−100と1mM EDTAとを加えた同じ緩衝液で1mlまで希釈し、ついで免疫沈降に付した。
【0124】
siRNAおよびレンチウイルス形質導入
TRAF2、cIAP1、およびsiCONTROL非標的siRNAはダーマコン(Dharmacon)から購入した。siRNAは前述したレンチウイルス形質導入により安定に発現した(Ramakrishnanら、2004)。siRNAはリポフェクタミン2000試薬(インビトロジェン)で一時的にトランスフェクトされた。
【0125】
インビトロユビキチン化
インビトロでのユビキチン化は、30mM HEPES pH7.6、5mM MgCl
2、2mM ATP、0.5mM DTT、10mM クエン酸ナトリウム、10mMリン酸クレアチン、0.2μg/mlクレアチンキナーゼおよび5μMユビキチンアルデヒドを含む緩衝液中において、組換えユビキチン(8μg)、E1酵素(0.2μg)、表示されたE2酵素(0.5μg)、およびグルタチオンアガロースに結合した組換えGST−SIVA2またはGST−SIVA2(C73A)1〜2μgを含む50μl反応容量でアッセイされた。反応は、断続的なかく拌下37℃で2時間インキュベートされた。反応上清は、溶液中に形成された遊離のポリユビキチン鎖について分析された。SIVA2の自己ユビキチン化のアッセイのために、グルタチオンビーズを20mM HEPES pH7.6、250mM NaCl、1mMDTT、1%トリトンX−100、完全プロテアーゼ阻害剤カクテル(Complete Protease Inhibitor Cocktail)を含む緩衝液で3回洗浄し、LDSサンプル緩衝液(インビトロジェン)で煮沸し、そしてウエスタンブロッティングで分析した。インビトロ基質ユビキチン化アッセイに対して、0.5〜1μgの組換えGST−TRAF2、Trx−HIS−TRAF3、細胞性TRAF2(C34A)またはcIAP1を反応に添加した。インキュベーション後、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むサンプル緩衝液中で煮沸することにより反応を停止させた。煮沸したサンプルを、20mM HEPES pH7.6、150mM NaCl、0.2% NP−40、1mM EDTA、および完全プロテアーゼ阻害剤カクテルを含む緩衝液で1mlまで希釈した。特定のタンパク質を4℃で2時間免疫沈降し、4〜12% NuPAGE Novex Bis−Trisゲル(インビトロジェン)を用いてウエスタンブロッティングでアッセイした。
【0126】
半定量的RT−PCRおよびリアルタイムPCR
RNAは、製造業者の取扱説明書にしたがい、RNeasy Mini Kit(キアゲン)を用いて製造された。SIVA2メッセージに対する半定量的RT−PCRは、MMLV逆転写酵素およびオリゴdTプライマー(プロメガ)でおこなった。SIVA1、SIVA2、およびSIVA3は、以下のプライマー:BamHI部位を含むセンス鎖、5'-cgcggatccaacatgcccaagcggagctgcccc-3'(配列番号8)、およびXhoI部位を含むアンチセンス鎖5'-ccgctcgaggccagcctcaggtctcgaacatgg-3'(配列番号9)を用いて増幅された。
【0127】
インビボ[
32P]オルトリン酸標識化
細胞でのSIVA2のリン酸化は、HEK−293T細胞において[
32P]オルトリン酸での代謝的標識化により評価された。細胞は、トランスフェクション後22時間、10%透析血清を含むリン酸不含培地で培養された。血清は、10mMトリシン緩衝生理食塩水pH7.4に対して48時間透析した。リン酸不含培地において90分間の飢餓の後、[
32P]オルトリン酸(0.4mCi/ml)を90分の付加期間に添加した。MG132を1つのサンプルに最後の2時間添加した。細胞をトランスフェクションの25時間後に回収し、リン酸不含培地で2回洗浄し、そしてキナーゼ溶解緩衝液に溶解した(Ramakrishnanら、2004)。SIVA2は、FLAGタグを介して免疫沈降され、そしてリン酸の取り込みをオートラジオグラフィーにより評価した。
【0128】
クーマシーブルー染色ゲルからのSIVA2の電気溶出
SIVA2は、FLAG−SIVA2およびNIKで同時トランスフェクトしたHEK−293T細胞の抽出物から、抗−FLAG−M2ビーズとの免疫沈降により単離し、GeBAflex−tube(ジーンバイオアプリケーション)において150Vで2時間電気溶出した。溶出緩衝液は0.025%(w/v)SDS、25mMトリス緩衝液、および250mMトリシン緩衝液(pH8.5)を含有した。電気溶出に続いて、SDSは冷50%(w/v)トリクロロ酢酸中で、0.5%(w/v)デオキシコール酸ナトリウムの存在下で沈殿により除去され(Montigny, C.ら、Fe2+-catalyzed oxidative cleavages of Ca2+-ATPase reveal novel features of its pumping mechanism. J Biol Chem 279, 43971-43981 (2004))、サンプルは質量分析法(MS)により分析された。
【0129】
ゲル内消化
タンパク質のバンドをSDSゲルから切り出し、ゲルコードで染色し、50mM重炭酸アンモニウム中の50%アセトニトリルで複数回洗浄することにより脱染色した。そのタンパク質のバンドは、その後還元され、アルキル化され、そして説明されているように37℃で、50mM重炭酸ナトリウム中、12.5ng/μlの濃度でウシトリプシン(配列決定等級、ロッシュ)、Lys C、およびエンドプロテイナーゼGlu−C(V8)(共にベーリンガーマンハイム)によるゲル内消化に付された(Shevchenko, A., Wilm, M., Vorm, O. & Mann, M. Mass spectrometric sequencing of proteins silver-stained polyacrylamide gels. Anal Chem 68, 850-858 (1996))。抽出されたペプチド溶液を次のマトリクス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型Matrix−Assisted Laser Desorption Time−Of Flight−ionization(MALDI−TOF)分析およびエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)のために乾燥した。
【0130】
サンプル調製
0.1%トリフルオロ酢酸に溶解された抽出ペプチド混合物のアリコートは、高速エバポレーション法(Jensen, O.N., Podtelejnikov, A. & Mann, M. Delayed extraction improves specificity in database searches by matrix-assisted laser desorption/ionization peptide maps. Rapid Commun Mass Spectrom 10, 1371-1378 (1996))または液滴法(Kussmann, M., Lassing, U., Sturmer, C.A., Przybylski, M. & Roepstorff, P. Matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometric peptide mapping of the neural cell adhesion protein neurolin purified by sodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis or acidic precipitation. J Mass Spectrom 32, 483-493 (1997))のいずれかによるMALDI−TOF MSのために使用した。α−シアノ−4−ヒドロキシ−桂皮酸(HCCA)または2,5−ジヒドロキシ安息香酸または両方は、マトリクスとして分析に使用された。サンプルは精製され、ESI−MSのために以前に説明されているように調製された(Wilm, M., Neubauer, G. & Mann, M. Parent ion scans of unseparated peptide mixtures. Anal Chem 68, 527-533 (1996))。マイクロカラムはR2逆相材料(material)(パーセプティブバイオシステムズ(PerSeptive Biosystem)、フレーミングハム)で調製した。ペプチドは60%メタノール/5%ギ酸で直接ナノエレクトロスプレー毛細管に溶出された。
【0131】
完全(intact)質量測定
これは、ディレイドエクストラクションイオン源、反射器、および337−nm窒素レーザーを備えたReflex III MALDI−TOF質量分析計(ブルカー(Bruker))で行った。電子溶出されたタンパク質を80%ギ酸1〜2μlに溶解し、MilliQ H
2Oで最終濃度10%まで直ちに希釈した。サンプルを25℃で5〜10分間超音波処理した。サンプルの一部(5%〜25%)が分析に使用された。DHBをマトリックスとして使用した。
【0132】
ペプチド質量マッピングおよびナノ液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析法(ナノ−LC−ESI−MS/MS)によるタンパク質の同定
これらの手法は、Reflex III MALDI−TOF質量分析計および、ナノ−エレクトロスプレー源(MDSプロテオミクス)を備えた四重極衝突セル(MDS-Sciex)を有するAPI Q-STAR
Pulsari エレクトロスプレー四重極TOFタンデム質量分析計で行った。
【0133】
プリカーサーイオンスキャンおよびナノ−ESI−MS/MS
プリカーサーイオンスキャンは、m/z−67、−79および−97でのリン酸化セリン、トレオニンおよびチロシンアミノ酸残基の特異的検出のために実験され(Neubauer, G. & Mann, M. Mapping of phosphorylation sits of gel-isolated proteins by nanoelectrospray tandem mass spectrometry: potentials and limitations. Anal Chem 71, 235-242 (1999))、そしてホスホペプチドのMS/MS配列決定は、API Q-STAR
Pulsari エレクトロスプレー四重極TOFで行った。質量分解は、10,000〜15,000の範囲で通常得られ(従来の質量分析およびMS/MSの両方の操作モードに対して)、外部較正で少なくとも0.02Daの質量測定正確度が達成された。約2μlのサンプルは、ナノエレクトロスプレーチップ中にロードされた。プリカーサーイオンスキャン実験のために、ペプチド混合物は、本質的に説明されたように
6製造および操作されるPoros R2およびPoros オリゴR3吸着剤(パーセプティブバイオシステムズ)で満たされた脱塩毛細管の二重アライメントを用いて脱塩された。リン酸化部位の同定のために、負のモードにおいて多重プリカーサーイオンスキャン実験の間蓄積された全ペプチドのデータをまず解析し、ペプチドの荷電状態を与えるためにESI−MSTOFスペクトル(正のイオンモードで記録された)と比較した。プリカーサーイオンスキャン実験に基づき仮定されたペプチド(Kalkum, M., Lyon, G.J. & Chait, B.T. Detection of secreted peptides by using hypothesis-driven multistage mass spectrometry. Proc Natl Acad Sci U S A 100, 2795-2800(2003))は、ナノ−ESI−MS/MSによるさらなる分析に付された。
【0134】
ナノ−LC−ESI−MS/MS
これは、FAMOSミクロ自動サンプラーおよびAPI Q-STAR
Pulsari エレクトロスプレー四重極TOFタンデム質量分析計とつながったSwitchosミクロカラムスイッチングモジュール(LCパッキング(LC Packing)、ダイオネクス(Dionex))から構成される主要(Ultimate)キャピラリー/ナノLCシステムを組み込むナノ−液体クロマトグラフィーシステムで行われた。C
18ナノカラム(内径(i.d.)75μm、長さ15mm、粒径5μm(LCパッキング、ダイオネクス)が使用された。カラムを通る流量は、150nl/分であった。緩衝液AおよびB中にギ酸0.1%および2%をそれぞれ含む移動相でメタノール−アセトニトリル勾配が用いられた。使用された勾配は、45分を通して5%〜50%アセトニトリルであった。注入量は5μlであった。ナノ−エレクトロスプレーイオン化源において、ナノ−LCカラムからの毛細管の末端は、ピコチップシリカチューブ(i.d.20μm(ニュー オブジェクティブ))を有するエミッターに、オンラインナノ−LCとナノスプレーを結合するためのPEEKスリーブとのステンレススチール融合(union)により接続された。エレクトロスプレーを生産するために、融合に適用した電話圧は2kVで、およびコーン電圧は3Vであった。アルゴンが、衝突ガスとして1psiの圧力で導入された。ナノ−ESI−MS/MSおよびナノ−LC−ESI−MS/MSにより回収されたペプチドが同定され、そしてそれらのリン酸化残基の位置が、Mascotソフトウェア(マトリクス サイエンス)により検出された衝突誘導解離生成物から決定され、断片化系列の検査マニュアルにより確認された。
【0135】
代謝糖タンパク質標識化
NIKと共発現するSIVA2のインビボでのO−GlcNアシル化は、Click−iT GlcNAz代謝糖タンパク質標識化試薬およびビオチン糖タンパク質検出キット(インビトロジェン)により製造業者の取り扱い説明者にしたがい検出した。標識化されたタンパク質は、ストレプトアビジンHRPでウエスタンブロッティングにより検出された。
【0136】
コムギ胚芽凝集素−レクチン結合アッセイ
細胞を、50mM HEPES pH7.6、150mM NaCl、1%トリトンX−100およびEDTA−不含完全プロテアーゼ阻害剤カクテル(ロッシュ)を含む緩衝液中に溶解した。WGAアガロースビーズを溶解緩衝液で2回洗浄し、ライセートに添加した。糖タンパク質のレクチンへの結合が4℃で2時間、回転器中で進められた。WGAへのO−GlcNアセチル化SIVA2結合の特異性を確認するために、0.5M N−アセチル−D−グルコサミンをレクチン結合アッセイの競合相手として添加した。インキュベーション後、WGAビーズを溶解緩衝液で3回洗浄し、結合したSIVA2をウエスタンブロッティングにより分析した。
【0137】
実施例1:SIVA2のサイトカイン−誘導安定化
多くの細胞型がSIVA1およびSIVA2両方に対するmRNAを発現するが、本発明者らの種々の細胞株の実験においては、本発明者らは相当量のSIVA1タンパク質を検出することができたのみであった(
図1A、左パネル)。さらに、一過性のトランスフェクション実験では、SIVA2のcDNAはSIVA1と比較してほとんど発現されなかった(
図1A、右パネル)。
【0138】
末梢血単核細胞(PBMCs)におけるSIVA発現のより詳しい実験では、両スプライス変異体の転写産物が見られ、そのうえ、エクソン1および4に相当するより短い変異体(「SIVA3」)まで見られたが、タンパク質自体はほとんど見られなかった(
図1Bおよび未掲載データ)。しかしながら、CD70(CD27リガンド)、CD154(CD40リガンド、CD40L)またはTNFによる細胞の処置は、結果としてSIVA2発現の大きな増強をもたらしたが、SIVA1の発現には影響を及ぼさなかった(
図1C)。SIVA2に限定される増加は、フィトヘマグルチニン(PHA)での事前活性化に続くこれらのサイトカインによる処置細胞でも観察された。しかしながら、事前活性化された細胞におけるSIVA2の見かけの分子サイズは、これはおそらく、いくつかのタンパク質の翻訳後修飾の結果として、SIVA2のcDNAでの細胞のトランスフェクションにより産生されるタンパク質のサイズよりも幾分大きかった(
図1D)。SIVA2タンパク質におけるこの増加は、その転写レベルの変化とは何の関係もなく(
図1E)、このこともそれが転写後に生じるということを示唆している。TNFファミリーの前記3つのリガンドは、対応するcDNAでトランスフェクトされた細胞において(
図1F)、さらにSIVA1またはSIVA2のいずれかの発現誘導を可能にする構造的cDNA構築物を発現する細胞において(
図1G、および未掲載データ)、SIVA2の発現を増強するが、SIVA1の発現は増強しないことも見出された。プロテアソームの機能を遮断することも、PBMCs(
図1D)およびトランスフェクトされた細胞株(
図1H)の両方において、SIVA2の発現の劇的な増強を引き起こした。プロテアソーム機能の遮断は、そのタンパク質のユビキチン化型の蓄積も増加させた(
図1H)。遺伝毒性物質および酸化ストレスの適用は、SIVA1発現を増強させるが((Xue, 2002; Padanilam, 1998; Qin, 2002; Daoud, 2003; Fortin, 2004; Jacobs, 2007)および(
図1I、上段パネルおよび中段パネル)、SIVA2の発現は増強せず、実際サイトカインによるその増強を拮抗した(
図1Dおよび
図1I、下段パネル)。
【0139】
これらの知見は、TNFファミリーのリガンドが、SIVA2タンパク質を安定化させる能力を有するということを示唆している。
【0140】
実施例2:TRAF2およびNIKは、独立して、SIVA2のリガンド誘導安定化に寄与し、一方cIAP1はSIVA2の分解を促進する。
【0141】
SIVA2は、TNFファミリーのいくつかのレセプターのシグナル伝達複合体に補充され、これらのレセプターが採用する3つのシグナル伝達タンパク質:ユビキチンリガーゼTRAF2およびcIAP1(以下の実施例参照)ならびにタンパク質キナーゼNIK({Ramakrishnan, 2004}およびRamakrishnanら、提出)に特異的に結合することが見出された。これらのシグナル伝達タンパク質のSIVA2に対する影響を評価することにより、このタンパク質の発現が、NIKと同時発現された場合に劇的にアップレギュレートされ(
図2A)、酵素的に不活性なNIK変異体や、KD−NIKではそうではない(
図2A)ことがわかった。SIVA2の発現は、TRAF2と同時発現される場合も強くアップレギュレートされた(
図2B)。なお、TRAF2(C34A)、ユビキチンキナーゼ活性を欠いたTRAF2変異体ではそうではなかった(
図2B)ことから、NIKおよびTRAF2活性がそのリガンド誘導安定化に寄与しているということが示唆される。この考えに沿って、SIVA2のCD70(
図2C、2D)またはCD40(
図2E)による安定化は、NIKまたはTRAF2のいずれかの機能または発現を干渉することにより劇的に減少され、さらに、シグナル伝達活性がNIKを用いず、かつSIVA2との関係を誘導しないTNFによるその安定化は、TRAF2の機能の干渉によってのみ減少した(
図2F)。
【0142】
TRAF2(C34A)変異体の過剰発現とTRAF2 siRNAでの細胞のトランスフェクションは、SIVA2のNIK誘導安定化に影響がなく(
図2G)、KD−NIKの過剰発現またはNIK発現のノックダウンもTRAF2によるSIVA2安定化を干渉しなかった(
図2B)。これらの知見は、2つのタンパク質は少なくとも部分的に別々の機序によりSIVA2の安定性を増強させるということを示唆している。
【0143】
さらに、cIAP1結合のSIVA2発現への影響を試験すると、cIAP1の過剰発現が結果として一時的に発現されたSIVA2の量を劇的に減少させるということが見出された(
図2H)。対照的に、ユビキチンリガーゼ活性を欠くcIAP1のリング−フィンガー変異体(H588A)の過剰発現は、SIVA2発現を増強させた。より大きい見かけの分子量を有するタンパク質の修飾型の蓄積も促進した(
図2Hの矢印)。しかしながら、cIAP1のsiRNA媒介ノックダウンは、SIVA2発現に影響がなかった(未掲載データ)。これらの知見は、cIAP1はある状況においてSIVA2分解を促進し得るが、このユビキチンリガーゼのみならず他のものも、本発明者らの試験細胞におけるSIVA2の低い安定性に関与しているということを示唆した。cIAP1のH588A変異体のSIVA2発現を増強する能力は、cIAP1とまだ未知の他のユビキチンリガーゼとのSIVA2上の共通の結合部位に対する競合を反映し得る。
【0144】
実施例3:SIVAはO−GlcNアシル化され、この修飾はNIKおよびTRAF2によるSIVA2安定化に貢献するようである。
【0145】
タンパク質の安定性のモジュレーションは、セリン、トレオニン、またはチロシンのリン酸化、セリンまたはトレオニンのO−結合N−アセチルグルコサミン修飾(O−GlcNアシル化)、およびユビキチンまたはそのホモログの1つの、主にはリジン残基への連結などの、多種多様な共有結合性の修飾により誘導することができる。SIVA2は、インビボ標識化(
図3A)、コムギ胚芽凝集素(WGA)結合(
図3B)、およびβ−D−N−アセチル ヘキソサミニダーゼ処置(
図3C)により評価された場合、O−結合N−アセチルグルコサミン修飾型で細胞に存在することがわかった。O−GlcNアシル化の阻害は、TRAF2(
図3D)またはNIK(
図3E、3F)によるSIVA2の安定化を減少させるが、プロテアソーム阻害剤(
図3D)による安定化は減少されず、したがってこの修飾は安定型でSIVA2を維持するために必要とされるということが示唆される。
【0146】
実施例4:SIVA2は、そのN−末端の複数のセリン残基でリン酸化され、このリン酸化もその安定化に寄与するようである。
【0147】
NIKで同時トランスフェクトされた細胞におけるSIVA2への
32P取り込みの評価により、SIVA2はリン酸化されているということを明らかにした(
図4A)。NIKで同時トランスフェクトされた細胞から単離されたSIVA2の質量分析(MS)において、リン酸がN−末端のいくつかのセリン残基に結合しているが(
図4B、
図S1およびS2および表S1)、以前に酸化ストレスに応答してリン酸化されると報告されていた{Cao, 2001}34位のチロシンには結合していないことがわかった。
【0148】
酵素的に活性なNIKのみがSIVA2を安定化させ(
図2A)、NIKはSIVA2に特異的に結合するので、NIKによるSIVA2の安定化は、NIKによるその直接のリン酸化の結果として生じるというのがもっともらしい。実際、NIKを過剰発現する細胞からイムノ精製された場合、SIVA2調製品はインビトロでいくつかの関連タンパク質キナーゼにより効果的にリン酸化された(
図4C)。しかしながら、SIVA2に対するNIK効果の欠失分析において、NIKも、SIVA2(1〜58)、C−末端システインリッチ領域(CRR)(他の場所で報告されているように(Ramakrishnanら、提出)NIKが結合するSIVA2の領域)が欠失したSIVA2の欠失変異体のリン酸化および発現を増強することが見出された(
図4D、4E)。この知見は、NIKによるSIVA2安定化が、それらの直接の会合を必要としないということを示唆した。これらの観察結果に対する説得力のある説明は、NIKは、別のSIVA2関連タンパク質キナーゼの活性を増強し、その結果としてSIVA2のN−末端部分のリン酸化がその安定性を増強するというものであった。
【0149】
実施例5:NIKおよびTRAF2によるSIVA2の安定化に寄与する、SIVA2におけるアミノ酸残基の同定
【0150】
SIVA2の安定性の制御における、SIVA2のリン酸化とグリコシル化の関与、ならびにTRAF2によるタンパク質のユビキチン化に必要とされるTRAF2の領域の関与を示唆する知見を考慮し、SIVA2安定性に対するこれらの修飾に関するSIVA2における潜在的標的部位の変異の影響を評価した。SIVA2においてリン酸化されることがわかっている個々のセリン残基の変異はいずれも、SIVA2安定化の程度に影響を与えなかった(
図5A)。NIKによるSIVA2の安定化は、チロシン34の変異により影響されないことがわかった(
図5B)。しかしながら、リン酸化されることがわかっている3つのセリン残基(残基5、50、51;「3SA」)の組み合わせ変異、ましてや6つのセリン残基(残基5、21、26、35、50、51;「6SA」)の組み合わせ変異は、インビトロでSIVA2のリン酸化を効果的に減少させ(
図4C)、またNIKによるSIVA2の安定化も減少させた(
図5C)が、一方、プロテアソーム阻害剤によりなお安定化されることができた(
図5D)。野生型タンパク質とは異なり、6SA変異体は、CD40Lにより安定化できなかった(
図5E)。しかしながら、TRAF2およびNIKは、異なる機序によりSIVA2を安定化するということを示唆する本発明者らの知見と一致して、前記6つのセリンの変異は、TRAF2による安定化効果を低下させなかった(
図5F)。
【0151】
さらに、SIVA2の安定化におけるSIVA2のリジン残基の関与を調べると、2つの残基K17およびK99のいずれか1つの変異が、TRAF2によるタンパク質の安定化を無効にするということがわかった(
図5F)。しかしながら、これらの変異はNIKによるSIVA2の安定化には影響しなかった(
図5G)。
【0152】
実施例6:SIVA2はNIK、TRAF2およびcIAPに結合する。
【0153】
TNF/NGFファミリーのレセプターによるシグナル伝達を媒介することが知られている多様な他のタンパク質へのSIVA2の結合を調べると、TRAF2(
図6A〜6C)およびcIAP1(
図6D)にも結合するが、TRAF3には結合しない(未提示)ということがわかった。欠失分析では、TRAF2はNIKと同様SIVA2のCRRに結合するということが示唆された(
図6F、下段パネル)。他方、cIAP1は、SIVA2のN−末端部分、CRRの上流に結合することがわかった(
図6D、右下段パネル、および
図6E)。
【0154】
実施例7:SIVA2はTRAF2およびNIK介在シグナル伝達を阻害する。
【0155】
上述したタンパク質会合の機能的意義の評価において、SIVA2の誘導は、CD70による代替および正準NF−κB経路の両方の活性化(
図7A、左中段パネルおよび
図7B上段パネル)ならびにTNFの正準経路の活性化(
図7A、右パネル)を抑制するということがわかった。他方、SIVA1はSIVA2よりも非常に高いレベルで発現されるが、そのような効果は示さなかった(
図7B、右パネル)。
【0156】
反対に、SIVA発現がノックダウンされている細胞は、代替的NF−κB経路の構造的活性化を示した(
図7C、左パネル)。それらは、p65NF−κBタンパク質の核移行の程度(
図7C、右パネル)およびルシフェラーゼレポーター試験(
図7D)の両方に現れているように、正準NF−κB経路の規定レベルのある程度の増加、CD70による活性化へのこの経路の反応性の上昇も示した。SIVAのノックダウンはまた、CD70およびTNFの両方によるJNKおよびp38キナーゼリン酸化の誘導を増強した(
図7E)。
【0157】
実施例8:SIVA2は、cIAP1と協働して、CD27に応答してTRAF2のユビキチン化および分解を媒介する。
【0158】
以前に、CD27に補充されたTRAF2分子は大量にユビキチン化されるということが報告された(Ramakrishnanら、2004)。CD27誘導シグナル伝達に対するSIVA2の効果に関する機序を探究するために、このユビキチン化に対するSIVA2の影響を評価した。
図8Aに示すように、SIVAのノックダウンは、TRAF2のCD70ユビキチン化を弱めた(左パネル)。対して、SIVA1(右パネル)ではなくSIVA2(中間パネル)の誘導は、それを増強した。
【0159】
実施例9:SIVA2は、TRAF2およびcIAP1の両方のユビキチン化を媒介する。
【0160】
すでに、SIVA2は自己ポリユビキチン化を促進し、固有のユビキチン−リガーゼ活性を有し、インビトロで、SIVA2のCRR内の73位のシステイン残基の変異はSIVA2のTRAF2への結合に影響を与えないが、この残基に依存してTRAF2のユビキチン化を促進したということが見出された。SIVA2の残基73の変異の効果は、トランスフェクトされた細胞においても証明され(
図9A)、そこでは、SIVA1ではなく野生型SIVA2の過剰発現が、TRAF2のみ発現された場合に観察されるよりも顕著にTRAF2のK48結合(K63結合ではないが)ポリユビキチン化を増加させたのに対して、SIVA2(C73A)はユビキチン化にほとんど影響しなかった(
図9B)。インビトロでのSIVA2の自己ユビキチン化は、この変異によって影響されなかったが、CRRの完全な欠失により劇的に減少した(未提示)。
【0161】
SIVA2のこの活性の生理学的な意義を検証するために、細胞においてそのC73A変異体を誘導可能な方法で発現させた。その変異は、CD27複合体におけるTRAF2のユビキチン化に対するSIVA2の増強効果を取り除くことがわかった(
図8A、右)。
【0162】
TRAF2に加えて、cIAP1もSIVA2により効果的にユビキチン化されること、およびそのユビキチン化もSIVA2(C73A)変異により低下させられることがわかった(
図9C)。SIVA2のcIAP1に対する効果とTRAF2に対する効果との間の因果関係を究明する試みにおいて、SIVA2のTRAF2に対する効果に対するcIAP1ノックダウンの効果を調べた。
図9Aに示すように、cIAP1のノックダウンは、SIVA2発現に応答するTRAF2のユビキチン化を劇的に減少させた。したがって、SIVA2は、インビトロでTRAF2を直接ユビキチン化する能力を有するが、細胞内でのTRAF2ユビキチン化のその円滑化は、cIAP1のそうする能力の増強を通して媒介されるか、または許容的役割を果たすためにcIAP1を必要とする。
【0163】
試験細胞におけるTRAF2の細胞質レベルの測定は、CD27の誘発が結果としてTRAF2の細胞内量に有意な減少を引き起こし(
図8B、左上パネル)、レセプター複合体内でのTRAF2のユビキチン化が分解に対する標的であるということを示唆した。TRAF2へのその連結がSIVA2により促進されるユビキチン鎖は、通常プロテオソーム分解を刺激するユビキチン化での場合のように、主としてK48に結合し(
図8D)、このSIVA2効果が、CD27によるTRAF2分解の誘導に寄与する可能性が高まる。一貫して、SIVA発現のノックダウンは、CD27によるTRAF2のダウンレギュレーションを防ぎ(
図8B、右上パネル)、一方SIVA2の誘導はそれを増強する(
図8C、左パネル)。
【0164】
上述したように、SIVAのノックダウンは、代替的NF−κB経路の構造的活性化ももたらした(
図7C、左パネルおよび
図8B、右パネル)。cIAP1発現の抑制も結果としてNF−κB活性化を生じ(Varfolomeevら、2007)(Vinceら、2007)、加えてそれは、TNF/NGFファミリーの別のレセプターであるTNF−RIIによるTRAF2のダウンレギュレーションを低下させる(Liら、2002)。
図8Eに示すように、cIAP1のノックダウンは(SIVA2のノックダウンと同様)、CD27によるTRAF2のダウンレギュレーションを低下させ、さらには代替的NF−κB経路の構造的活性化も伴った。
【0165】
これらの知見は、SIVA2およびcIAP1が、CD27によるTRAF2分解の誘導において、およびNF−κBの制御において共通した役割を果たすということを示唆した。
【0166】