特許第5774313号(P5774313)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イエダ リサーチ アンド ディベロップメント カンパニー リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774313
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】SIVA2の安定化
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/47 20060101AFI20150820BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20150820BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20150820BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20150820BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20150820BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   C07K14/47ZNA
   C12N15/00 A
   C12P21/02 C
   C12N5/00 101
   C12N1/15
   C12N1/19
【請求項の数】3
【全頁数】59
(21)【出願番号】特願2010-545611(P2010-545611)
(86)(22)【出願日】2009年2月11日
(65)【公表番号】特表2011-512333(P2011-512333A)
(43)【公表日】2011年4月21日
(86)【国際出願番号】IL2009000161
(87)【国際公開番号】WO2009098701
(87)【国際公開日】20090813
【審査請求日】2012年1月27日
(31)【優先権主張番号】189405
(32)【優先日】2008年2月10日
(33)【優先権主張国】IL
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500018608
【氏名又は名称】イエダ リサーチ アンド ディベロップメント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098464
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 洌
(74)【代理人】
【識別番号】100149630
【弁理士】
【氏名又は名称】藤森 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ワラック、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ラマクリシュナン、パラメスワラン
(72)【発明者】
【氏名】コバレンコ、アンドレイ
【審査官】 川合 理恵
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/080593(WO,A1)
【文献】 特表2007−517501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 14/47
C12N 1/15
C12N 1/19
C12N 5/10
C12N 15/09
C12P 21/02
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号11によりコードされるSIVA2の配列と少なくとも90%の同一性を有し、翻訳後修飾O−GlcNアシル化を含む安定性が改善されたSIVA2の製造方法であって、真核細胞中で組換えまたは内因性SIVA2を過剰発現させること、および該細胞において、(a)O−GlcNacトランスフェラーゼ、(b)O−GlcNAcaseの阻害剤、または(c)(a)および(b)の組合せのレベルを増加させることを含む方法。
【請求項2】
エクソビボで行われ、さらに、前記細胞を前記安定性が改善されたSIVA2の産生を可能とする条件下で培養すること、および得られたSIVA2を培養物から回収することを含む請求項記載の方法。
【請求項3】
配列番号11によりコードされるSIVA2の配列と少なくとも90%の同一性を有するSIVA2を安定化する方法であって、エクソビボにより行われ、SIVA2を、O−GlcNacトランスフェラーゼ、O−GlcNAcaseの阻害剤、またはそれらの組合せと接触させることを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疾患、障害または症状の治療または予防におけるSIVA2安定性のモジュレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
TNF/NGF受容体ファミリーのメンバーは、ほとんど全ての種類の細胞において発現され、広範囲に渡る多様な細胞活性を制御している。それらは、タンパク質合成とは独立した細胞の変化、最もよく知られているものとしてはカスパーゼ介在性細胞死(外因性細胞死経路)を誘導する能力、ならびに転写および転写後レベルの両方において遺伝子発現パターンをモジュレートする能力の両方を有する。これらの効果は、免疫防御のほとんどすべての態様や胚発生および組織恒常作用の制御に貢献する。それらは、細胞の種類および活性化受容体の正体ならびに多数の他の決定因子に依存し、いくつかの作用は他のものと対立さえし得る。この広範囲に及ぶ活性は、むしろ少ない数のシグナル伝達タンパク質により媒介される。そのうち最も特徴付けられているのが、2つのデスドメイン含有アダプター、FADD/MORT1およびTRADD、インデューサーカスパーゼ、カスパーゼ−8およびカスパーゼ−10、TRAFリング−フィンガータンパク質のメンバー、ならびにアポトーシスタンパク質1の細胞阻害剤(cIAP1)およびcIAP2(IAPモチーフを有するリング−フィンガータンパク質)である。(Wallachら、1999)(Locksleyら、2001)。この限られたタンパク質が受容体の多方面にわたる様々な作用をどのように媒介するのか、また誘導された作用の性質をどのように必要に応じたものに調整するのかは、まだほとんど理解されていない。
【0003】
TNF/NGF受容体ファミリーのメンバーの近位シグナル伝達活性に関与することが示唆されている付加的なタンパク質であるSIVAは、イーストツーハイブリッド試験におけるCD27受容体へのその結合に基づいて同定された(Prasadら、1997)。TNF/NGF受容体ファミリーのいくつかの他のメンバーとのSIVAの関連性については、いくつかの証拠も示された(NocentiniおよびRiccardi、2005)。SIVAの存在は、数年間にわたり知られており、長期間過剰発現した場合このタンパク質が細胞を殺すことが示された(Prasadら、1997)。しかしながら、これがSIVAの真の唯一の活性かどうかは知られていない。SIVAは、他の既知のタンパク質のいずれとも、近接した構造的類似性は有していない。初めにデスドメインと類似していると思われたSIVA内のある領域は、そのドメインとして特徴付けられるような構造的特徴は有していない。その領域のC末端では、タンパク質はシステイン残基が比較的豊富であり、これは明らかにいくつかの亜鉛イオンの結合に寄与している(Nestlerら、2006)。しかしながら、この領域のアミノ酸配列は、既知の亜鉛結合モチーフのいずれとも厳密には適合しない。このタンパク質の中心の短いα−へリックス領域は、抗アポトーシスタンパク質BCL−XLに結合するが(Xueら、2002)、そのシステインリッチ領域(CRR)により保存される機能は知られていない。
【0004】
SIVAは、2つの択一的スプライスアイソフォームまたはスプライス変異体、SIVA1およびSIVA2として存在することが知られている。SIVA1はより長く、その中心部分に推定両親媒性へリックスを有するデスドメインホモロジー領域(DDHR)を含む。SIVA2はより短く、DDHRを欠く。両アイソフォーム共にB−ボックス様リング−フィンガーとC−末端にジンクフィンガー様ドメインを含む。SIVA1およびSIVA2の両方の強制発現は、アポトーシスを誘導することが示されている(Prasadら、1997、Yoonら、1998、Spinicelliら、2003、Pyら、2004)。SIVA1誘導アポトーシスは、その両親媒性へリックス領域を介する抗アポトーシスBcl−2ファミリーメンバーへの結合と阻害によりなされると示唆されている(Chuら、2005;Chuら、2004;Xueら、2002)。そのアポトーシス促進的役割と一致して、SIVAは、腫瘍サプレッサーp53およびE2F1の直接的な転写ターゲットである(Fortinら、2004)。証拠における様々な点から、SIVAがストレス誘導タンパク質であり、急性虚血性傷害において(Padanilamら、1998)、コクサキーウイルス感染において(Henkeら、2000)、およびシスプラチン治療によって(Qinら、2002)、ならびにアポトーシスを誘導するTIP30の発現によって(Xiaoら、2000)もアップレギュレートされるということが示唆される。近年、SIVA1およびSIVA2のデスドメインではない共通N−およびC−末端が、カスパーゼ依存性ミトコンドリア経路の活性化によりリンパ系細胞におけるアポトーシスを媒介するのに十分可能であることが示された(Pyら、2004)。
【0005】
最近、SIVAがNF−κB誘導キナーゼ(NIK)に結合し、その機能を制御し(Ramakrishnanら、2004)、ユビキチン化関連活性を有し、自己ユビキチン化、TRAF2(TNF受容体関連アダプタータンパク質2)のユビキチン化を直接誘導することができること、およびSIVA2がE3リガーゼである(国際公開第2007/7080593号パンフレット)ということが見出された。
【0006】
ユビキチン化は、タンパク質がユビキチンという名の小さいタンパク質(本来は、ユビキタスイムノポイエティックポリペプチド(UBIP))の共有結合により翻訳後修飾される真核生物に特有のプロセスを意味する。ユビキチンリガーゼは、ユビキチンを標的タンパク質のリジン残基に共有結合させるタンパク質である。ユビキチンリガーゼは、通常、ポリユビキチン化、すなわち二番目のユビキチンが一番目のユビキチンに結合し;三番目のユビキチンが二番目のユビキチンに結合するなどのポリユビキチン化に関与している。ユビキチンリガーゼは、「E3」と呼ばれ、ユビキチン活性化酵素(本明細書では「E1」という)およびユビキチン複合酵素(本明細書では「E2」という)と共に機能する。1つの主要なE1酵素は、すべてのユビキチンリガーゼによって共有され、ATPを用いて結合のためにユビキチンを活性化し、E2酵素にユビキチンを引き渡す。E2酵素は、特異的E3パートナーと相互作用し、ユビキチンを標的タンパク質に移す。多重タンパク質複合体でもあり得るE3は、ユビキチン化を特定の基質タンパク質へ標的化しなければならない。E3は、E2酵素からユビキチンを受け取り、標的タンパク質または基質タンパク質にそれを渡す場合もあれば、他のケースでは、E3はE2酵素と基質との両方と相互作用することにより作用する場合もある。
【0007】
NIK(MAP3K14)は、TRAF2に結合するタンパク質のスクリーニングにおいて発見された(Malininら、1997)。NIKの過剰発現の際のNF−κBの著しい活性化と、触媒的に不活性なNIK突然変異体の発現の際の多様な誘導薬剤に応答するNF−κB活性化の効果的な阻害は、NIKがNF−κB活性化のシグナル伝達に関与していることを示唆した(Malininら、1997)。
【0008】
リンパ器官におけるNF−κB種のパターン評価から、Relタンパク質およびIκBを含むNF−κB複合体の制御におけるその役割とは別に、NIKは、他のNF−κB種の発現/活性化の制御にも関与しているということが示唆された。実際、NIKは、p100の部位特異的リン酸化に関与していることが示されており、p100のユビキチン化およびp52を形成するための活性なプロセッシングを誘発する分子としての機能を果たす。このp100プロセッシング活性は、NIKのaly変異により除去されることが見出された(Xiaoら、2001b)。
【0009】
胸腺ストローマにおいてNIKは、免疫寛容を維持するのに必須なTreg細胞の正常な産生にとって重要である。NIKの突然変異は、alyマウスにおける、胸腺構造の破壊、Treg細胞の産生障害をもたらす(Kajiuraら、2004)。一貫して、NIK−欠損マウスの研究は、Treg細胞の成長および拡大の制御におけるNIKの役割も示唆している(Luら、2005)。この知見は、ストローマ依存的な自己寛容確立におけるNIKの必須の役割を示唆している。NIKは、ウイルス感染の結果としてNF−κB活性化にも参加する。呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)感染は、NIKのキナーゼ活性の増加、胞(alveolus)様a549細胞における活性化NIK、IKK1、p100および処理p52を含む複合体の形成をもたらす。この場合、NIK自体はp52に結合した核に移行し、驚くべきことに、この事象は正準NF−κB経路活性化の活性化に先行する(Choudharyら、2005)。この知見は、NIKが実際にNF−κBのメディエータとしての機能を果たすが、他の機能も果たし得るということ、ならびにNIKが細胞および受容体特異的にこれらの機能を発揮するということを示している。
【0010】
NIKは、NIK分子内の「活性化ループ」のリン酸化の結果として活性化される。実際、このループ内のリン酸化部位(Thr−559)の変異により、NIK過剰発現時のNF−κBの活性は妨げられる(Linら、1999)。加えて、NIKの活性は、そのキナーゼモチーフの上流および下流領域が互いに結合する能力を通して制御されているようである。NIKのキナーゼモチーフの下流のC−末端領域は、直接IKK1(Regnierら、1997)ならびにp100(Xiaoら、2001b)に結合できることが示されており、これらの相互作用は、NF−κBシグナル伝達におけるNIK機能に必要とされるようである。NIKのN末端領域は、塩基性のモチーフ(BR)およびプロリンリッチ繰り返しモチーフ(PRR)から成る、負の調節ドメイン(NRD)を含む(XiaoおよびSun、2000)。N−末端NRDは、NIKのC−末端領域とシスで相互作用し、それによりNIKのその基質(IKK1およびp100)への結合を阻害する。異所的に発現したNIKは、自発的にオリゴマーを形成し、このオリゴマーにおいては、各NIK分子におけるN−末端領域のC−末端領域へのこれらの結合が崩壊するようであり、高レベルの構造的活性化が示される(Linら、1999)。NIKのC−末端領域のTRAF2(ならびに他のTRAF類)への結合が、最も活性化プロセスに関与するようである。しかしながら、その関与の正確な様式は知られていない。
【0011】
近年、NIK調節の新規な機序が大きな注目を集めている。これは、NIKのプロテアソーム介在性分解を導く、NIKとTRAF3との動的相互作用に関する。興味深いことに、CD40およびBLySのようなNF−κBの代替的経路の誘導因子は、TRAF3の分解とNIK発現の同時増強を誘導することが示されている(Liaoら、2004)。
【0012】
NIK作用における下流の機序はかなり限定された情報しかない。NIKは、そのC−末端領域のIKK1への結合を通して、IκBキナーゼ(IKK)複合体を活性化できるということを示す証拠が提示されている。実際、IKK1の活性化ループにおいけるセリン−176をリン酸化し、それにより活性化できることが示されている(Lingら、1998)。
【0013】
NIKは、正準NF−κB経路には全く関与せず、むしろ代替的経路を活性化するためにもっぱら機能するということが示唆された(総説としてPomerantzおよびBaltimore参照)。しかしながら、リンパ球におけるTNFによるIκB分解の誘導はNIKと無関係であるが、いずれもNF−κB2/p100プロセッシングも誘導する、CD70、CD40リガンドおよびBlyS/BAFFによるIκB分解の誘導は、NIK機能に依存するということが最近示された(Ramakrishnanら、2004)。CD70およびTNFの両方は、IKKキナーゼ複合体のその受容体への動員を誘導する。CD70の場合、TNFとは異なり、このプロセスはNIK動員と関連しており、その後にまさにIKK1とNIKとの長期に渡る受容体会合が続く。IKK複合体のCD70への動員は、NIKの動員とは異なり、NIKキナーゼ機能に依存する。この知見から、NIKは、標準および非標準NF−κB二量体の両方を活性化する特異的誘導因子により開始される独自の近位シグナル伝達事象に関与することが示される。
【0014】
YamamotoおよびGaynorは、ヒト疾患の原因におけるNF−κBの役割を概説している(YamamotoおよびGaynor、2001)。NF−κB経路の活性化は、喘息、リウマチ性関節炎(TakおよびFirestein、this perspectiveseries ref. Karinら、2000参照)および炎症性大腸炎などの慢性炎症性疾患の原因に関係している。加えて、NF−κB調節の改変は、アテローム性動脈硬化症(CollinsおよびCybulsky、this series, ref. Leonardら、1995参照)、アルツハイマー病(Mattson Camandola、this series, ref. Linら、1999参照)などの炎症性応答が少なくとも部分的に関与している他の疾患に関係し得る。また、NF−κB経路の異常は、しばしば多様なヒト癌にも見られる。
【0015】
いくつかの系統の証拠が、サイトカイン遺伝子のNF−κB活性が、肺における炎症の浸潤と多くのサイトカインおよびケモカインの脱制御に特徴付けられる喘息の病因への重要な一因であるということを示唆している(Lingら、1998)。同様に、NF−κB経路の活性化も、リウマチ性関節炎の病因において役割を果たしているようである。TNF−などのサイトカインは、NF−κBを活性化し、リウマチ性関節炎の患者の滑液中で増加し、慢性炎症性変化およびこれらの患者の間接に見られる滑膜の過形成の一因となる(Malininら、1997)。TNF−に対する抗体や、TNF−に結合する切断型TNF−受容体の投与は、リウマチ性関節炎の患者の症状を顕著に改善できる。
【0016】
リンパ球およびマクロファージの両方による炎症性サイトカインの産生の増加も、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性大腸炎の病因に関係があるとされている(Matsumotoら、1999)。NF−κB活性化は、活性クローン病の患者および潰瘍性大腸炎の患者由来の粘膜生検標本に見られる。炎症性大腸炎の患者のステロイドによる治療は、生検標本におけるNF−κB活性を減少させ、臨床症状を軽減する。これらの結果から、NF−κB経路の刺激は、これらの疾患に関連して増強される炎症性応答に関与し得るということを示唆する。
【0017】
アテローム性動脈硬化症は、損傷した血管壁の内皮および平滑筋に対するおびただしい数の傷害(insults)によって誘発される(Matsushimaら、2001)。内皮細胞、平滑筋、マクロファージおよびリンパ球から放出される多数の成長因子、サイトカインおよびケモカインは、この慢性の炎症性線維増殖性プロセスに関与している(Matsushitaら、2001)。炎症性応答および細胞増殖の制御に関与する遺伝子のNF−κB調節は、アテローム性動脈硬化症の開始および進行において重要な役割を果たすようである。
【0018】
また、NF−κB経路の調節異常は、アルツハイマー病の病因にも関与し得る。たとえば、NF−κBの免疫反応性は、大部分はアルツハイマー病の初期の老人斑型中または周囲に見られ、一方、成熟斑型は非常に減少したNF−κB活性を示す(Mercurioら、1999)。したがって、NF−κB活性化は、アルツハイマー病の初期段階のあいだの老人斑および神経細胞アポトーシスの開始に関与し得る。これらのデータから、NF−κB経路の活性化は、病因に関係した炎症性要素を有する多数の疾患においてある役割を果たし得る。
【0019】
宿主免疫および免疫応答の増加により特徴付けられる疾患の病因における役割に加え、NF−κB経路の構造的活性化は、いくつかのヒト癌の病因にも関係する。NF−κB経路の調節異常は、白血病、リンパ腫、および固形腫瘍などの多種多様なヒト悪性腫瘍に頻繁に見られる(Miyawakiら、1994)。これらの異常は、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、および結腸癌などの多様な腫瘍の核における構造的に高いレベルのNF−κBをもたらす。これらの変画の大部分は、NF−κB経路の活性化を誘導するシグナル伝達経路を活性化する調節タンパク質における変化によるもののようである。しかしながら、NF−κBファミリーメンバーをコードする遺伝子の増幅および再配列に加え、IBタンパク質を不活性化する突然変異は、いくつかの腫瘍で見られるNF−κBの核レベルを増強させることができる。
【0020】
免疫系の発達および機能の調節への寄与とは別に、NIKは、乳腺発達などの様々な非免疫機能の調節にも関与していると思われる(Miyawakiら、1994)。NIKは、リンパ系器官の発達にもある役割を有する(Shinkuraら、1999)。インビトロ研究は、骨格筋細胞分化を導くシグナル伝達(Canicioら、2001)、およびニューロンの生存および分化(Foehrら、2000)にNIKが関係しているとみなされた。
【0021】
悪性腫瘍疾患や、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、免疫性疾患および移植関連疾患などの病的免疫応答と関連付けられる疾患などの、SIVA、NIKおよび/またはNF−κB分子の調節を欠いた活性と関連付けられる多数の命に関わる病気および/または消耗性疾患のための満足のいく治療が必要とされている。
【発明の概要】
【0022】
1つの側面において、本発明は、以下の翻訳後修飾、(i)O−GlcNアシル化;(ii)セリン残基5、50および51のリン酸化;(iii)K17および/またはK99残基におけるユビキチン化;または(iv)(i)〜(iii)の組合せを含むことにより特徴付けられる、安定性の改善されたSIVA2またはその塩を提供する。
【0023】
本発明の1つの実施態様では、安定性が改善されたSIVA2は、セリン残基21、26および35もリン酸化されている。
【0024】
別の側面において、本発明は、以下の翻訳後修飾、(i)O−GlcNアシル化;(ii)セリン残基5、50および51のリン酸化;(iii)K17および/またはK99残基におけるユビキチン化;または(iv)(i)〜(iii)の組合せを含むことにより特徴付けられる、安定性が改善されたSIVA2の製造方法であって、真核細胞中で組換えまたは内因性SIVA2を過剰発現させること、および該細胞において、(a)TRAF2、(b)cIAP1のリングフィンガー突然変異体、(c)O−GlcNacトランスフェラーゼ、(d)O−GlcNAcaseの阻害剤、(e)UDP−GlcNAc、(f)(a)〜(e)の組合せ、または(g)NF−κB誘導キナーゼおよび(a)〜(f)のいずれか、のレベルを増加させることを含む方法を提供する。
【0025】
本発明の1つの実施態様において、エクソビボで行われ、さらに、前記細胞を前記安定性が改善されたSIVA2の生産を可能とする条件下で培養すること、および得られたSIVA2を培養物から回収することを含む、安定性が改善されたSIVA2の製造方法が提供される。また、本発明によれば、安定性が改善されたSIVA2を含む宿主細胞、および本発明の方法により製造された単離された安定性が改善されたSIVA2も提供される。
【0026】
さらなる側面において、本発明は、薬学的に許容され得る担体および、以下の翻訳後修飾、(i)O−GlcNアシル化;(ii)セリン残基5、50および51のリン酸化;(iii)K17および/またはK99残基におけるユビキチン化;または(iv)(i)〜(iii)の組合せを含むことにより特徴付けられる、安定性が改善されたSIVA2またはその塩を含む医薬組成物を提供する。本発明の1つの実施態様において、医薬組成物は、SIVA2の低い活性または低いレベルに関連するか、または細胞におけるSIVA2の活性を増加させることにより軽減される疾患、障害または症状を治療するため;および/またはTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによって活性化されるシグナル伝達経路が病因や経過に関係する疾患、障害または症状、たとえば癌、炎症性疾患および/または自己免疫疾患を治療するために使用することができる。
【0027】
本発明の1つの目的は、以下の翻訳後修飾、(i)O−GlcNアシル化;(ii)セリン残基5、50および51のリン酸化;または(iii)K17および/またはK99残基におけるユビキチン化の1つ以上を含むことにより特徴付けられる、安定性が改善されたSIVA2の、SIVA2の低い活性または低いレベルに関連するか、または細胞におけるSIVA2の活性を増加させることにより軽減される疾患、障害または症状を治療するためまたは治療するための医薬の製造における;および/またはTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによって媒介されるシグナル伝達経路が病因や経過に関係する疾患、障害または症状、たとえば癌、炎症性疾患および/または自己免疫疾患を治療するためまたは治療するための医薬の製造における使用を提供することである。
【0028】
本発明のもう1つの目的は、SIVA2を、O−GlcNacトランスフェラーゼ、TRAF2、O−GlcNAcaseの阻害剤、CIAP1活性阻害剤、H588AなどのcIAP1のリング−フィンガー突然変異体、またはそれらの組合せと接触させることを含むSIVA2を安定化する方法を提供することである。前記接触は、インビボ、インビトロまたはエクスビボで実施することができる。
【0029】
本発明のさらなる目的は、(i)O−GlcNアシル化をモジュレートできる薬剤、(ii)TRAF2活性をモジュレートできる薬剤、(iii)CIAP1活性をモジュレートできる薬剤、(iv)H588AなどのcIAP1のリング−フィンガー突然変異体から選択されるSIVA2の安定性を改変できる薬剤の、TNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達経路が病因や経過に関係する疾患、障害または症状の治療のための使用を提供することである。
【0030】
本発明の1つの実施態様において、SIVA2の安定性の改変は、SIVA2の安定性の改善であり、SIVA2の安定性を改善するために使用することができる薬剤は、たとえば、O−GlcNacトランスフェラーゼ、UDP−GlcNacなどのO−GlcNacトランスフェラーゼの誘導因子、TRAF2、O−GlcNAcaseの阻害剤、CIAP1活性阻害剤、H588AなどのcIAP1のリング−フィンガー突然変異体、またはそれらの組合せである。SIVA2の安定性の改善は、癌、炎症性疾患および/または自己免疫疾患を治療するために使用することができる。
【0031】
本発明の別の実施態様においては、SIVA2の安定性の改変は、SIVA2の安定性の消滅または減少であり、使用できる薬剤は、O−GlcNacトランスフェラーゼの阻害剤、TRAF2の阻害剤、O−GlcNAcase、CIAP1またはその組合せである。SIVA2の安定性の消滅または減少は、免疫不全または虚血/再灌流の治療のために使用することができる。
【0032】
別の側面において、本発明は、SIVA2または安定性が改善されたSIVA2とcIAPとの複合体を提供する。本発明のさらなる実施態様においては、SIVA2とcIAP1との複合体が提供される。
【0033】
さらなる側面において、本発明は、疾患、障害または症状においてTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をモジュレートできる分子のスクリーニング方法であって、SIVA2をcIAPおよび/またはTRAF2と接触させること、候補分子の存在下および非存在下においてSIVA2とcIAPおよび/またはTRAF2との複合体のレベルをモニターすることを含み、該候補分子の存在下におけるSIVA2−cIAPおよび/またはSIVA2−TRAF2複合体のレベルの変化が、該候補分子がTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をモジュレートすることの指標となる方法を提供する。
【0034】
本発明の1つの実施態様では、その方法は、自己免疫疾患、障害または症状、または腎虚血における疾患、障害または症状などの、疾患、障害または症状においてTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をダウンレギュレートできる分子をスクリーニングするためのものであり、候補分子が複合体のレベルを増加させるものである。
【0035】
本発明の別の実施態様では、その方法は、免疫抑制に関連する疾患、障害または症状においてTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達を延長することができる分子をスクリーニングするためのものであり、候補分子が複合体のレベルを減少させるものである。
【0036】
本発明のなおさらなる側面では、疾患、障害または症状においてTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をモジュレートできる分子のスクリーニング方法であって、候補分子の存在下および非存在下においてSIVA2の安定性を誘導することを含み、該候補分子の存在下における安定性の誘導されたSIVA2のレベルの変化が、該候補分子がTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をモジュレートできることの指標となる方法が提供される。
【0037】
本発明の1つの実施態様において、その方法は、自己免疫疾患、障害または症状、または腎虚血における疾患、障害または症状などの、疾患、障害または症状においてTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をダウンレギュレートできる分子をスクリーニングするためのものであり、候補分子が安定化されたSIVA2のレベルを増加させるものである。
【0038】
別の実施態様において、その方法は、たとえば免疫抑制に関連する疾患、障害または症状においてTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達を延長することができる分子をスクリーニングするためのものであり、候補分子が安定化されたSIVA2のレベルを減少させる。
【0039】
本発明はまた、TNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達経路が病因または経過に関係する疾患、障害または症状の治療方法であって、治療的に有効量の(i)O−GlcNアシル化をモジュレートできる薬剤、(ii)TRAF2活性をモジュレートできる薬剤、(iii)CIAP1活性をモジュレートできる薬剤、(iv)H588AなどのcIAP1のリング−フィンガー突然変異体から選択されるSIVA2の安定性を改変できる薬剤を投与することを含む方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1A】SIVA2がTNFファミリーのいくつかのリガンドにより安定化されるということを示す。種々の細胞株におけるSIVA1およびSIVA2の発現を示す。各細胞株について、細胞性タンパク質(30μg)を13.5%SDS−PAGEにより分離し、抗−SIVA抗体で調べた。右の2つのレーンは、HEK−293T細胞において過剰発現されたSIVA1およびSIVA2を示す(各タンパク質について、6ウェルプレートで、2μgcDNA/ウェル)。
図1B】SIVA2がTNFファミリーのいくつかのリガンドにより安定化されるということを示す。いくつかのSIVAアイソフォームがPBMCにおいて発現されている。RT−PCRは、静止PBMCにおけるSIVA1、SIVA2およびSIVA3の発現を示す。
図1C】SIVA2がTNFファミリーのいくつかのリガンドにより安定化されるということを示す。リガンドの活性化が静止PBMCにおいてSIVA2の量を増加させる。細胞(2×106)を表示するリガンドで8時間処理し、細胞ライセートをウエスタンブロッティングにより分析した。
図1D】SIVA2がTNFファミリーのいくつかのリガンドにより安定化されるということを示す。リガンド活性化とプロテアソーム阻害は、遺伝毒性ストレスではないが、SIVA2レベルを活性化PBMCにおいて増加させる。細胞はPHA(1μg/ml)で48時間刺激され、リン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄され、そしてPHAなしで18時間さらにインキュベートされた。ついで、リガンドおよび遺伝毒性薬剤(カンプトセシン(CPT)10μMおよびシスプラチン(CIS)50μM)を18時間適用した。MG132を処理の最後の4時間に適用した。その他表示されているところを除いて、MG132は、本研究においては25μMの濃度で適用した。「ns」は、ローディング対照として機能する非特異的バンドを示す。
図1E】SIVA2がTNFファミリーのいくつかのリガンドにより安定化されるということを示す。SIVA2のメッセージは、リガンド活性化後に増加しない。PBMCは、図1Dのように活性化された。リガンドは、表示した細胞型に18時間適用した。SIVAメッセージに対する半定量的RT−PCRは、方法の項に記載されるように行った。GAPDHが標準化の基礎として使用された。
図1F】SIVA2がTNFファミリーのいくつかのリガンドにより安定化されるということを示す。EcR−293−CD27およびEcR−293−CD40細胞において、TNFファミリーのリガンドにより一時的に発現したSIVA2の安定化を示す。SIVA2またはSIVA1プラスミド(0.5μg)がトランスフェクトされ、18時間後にリガンドを8時間適用した。全細胞ライセートを抗−SIVA抗体を用いてウエスタンブロッティングにより分析した。TNF−誘導SIVA2安定化は、EcR−293−CD27細胞において評価した。
図1G】SIVA2がTNFファミリーのいくつかのリガンドにより安定化されるということを示す。誘導により発現されたSIVA2は、CD70により安定化される。EcR−293−CD27−SIVA2細胞(方法の項参照)は、表示したようにポナステロンおよびCD70で処理した。全細胞ライセートをローディング対照としてLDHを用い(下段パネル)、ウエスタンブロッティングにより分析した。
図1H】SIVA2がTNFファミリーのいくつかのリガンドにより安定化されるということを示す。プロテアソーム阻害は、一時的に発現したSIVA2を安定化し、ポリユビキチン化されたタンパク質の蓄積を強化した。HEK−293T細胞は、FLAG−SIVA2でトランスフェクトされ、トランスフェクション後24時間分析した。MG132を処理の最後の4時間適用した。TCLは全細胞ライセート。
図1I】SIVA2がTNFファミリーのいくつかのリガンドにより安定化されるということを示す。遺伝毒性薬剤のSIVA1およびSIVA2の発現に対する差動効果を示す。最上段:HepG2細胞をCPTで18時間処理した。表示されている場合は、pSUPERSIVAでCPT適用の30時間前にトランスフェクトされた。細胞ライセートは、抗−SIVA抗体を用いてウエスタンブロッティングにより分析した。中段:HepG2細胞をUVC(20J/m2)にさらし、SIVAタンパク質のレベルを処理の18時間後に測定した。最上段および中間部のパネルにおける最終レーン(「対照」)は、HEK−293T細胞においてNIKおよび内因性SIVA1により過剰発現したSIVA2を示す。下段:HEK−293T細胞を0.5μgのFLAG−SIVA2でトランスフェクトした。CPTおよびCD40Lをトランスフェクションの8時間後に、さらに18時間適用した。
図2A】TRAF2およびNIKは、独立してSIVA2のリガンド誘導安定化に寄与し、一方、cIAP1はその分解を促進することを示す。NIKであるが酵素的には不活性なNIKがSIVAを安定化する。SIVA2は、HEK−293T細胞において、野生型NIKまたは酵素的に不活性なNIK突然変異体KD−NIKと、同時トランスフェクトされ、ライセートはトランスフェクション後24時間SIVAおよびNIK発現について分析された。
図2B】TRAF2およびNIKは、独立してSIVA2のリガンド誘導安定化に寄与し、一方、cIAP1はその分解を促進することを示す。TRAF2はSIVA2をNIKとは独立して安定化させる。プラスミドがHEK−293T細胞中に表示されたようにトランスフェクトされ、ライセートをトランスフェクション後24時間分析した。
図2C】TRAF2およびNIKは、独立してSIVA2のリガンド誘導安定化に寄与し、一方、cIAP1はその分解を促進することを示す。NIKおよびTRAF2は共にCD70誘導SIVA2安定化に不可欠である。プラスミドをEcR−293−CD27細胞に、TRAF2 siRNAのトランスフェクション24時間後にトランスフェクトした。CD70を、最初のトランスフェクションの時間から開始される48時間の処理期間の最後の18時間に適用した。
図2D】TRAF2およびNIKは、独立してSIVA2のリガンド誘導安定化に寄与し、一方、cIAP1はその分解を促進することを示す。NIKおよびTRAF2は共にCD70誘導SIVA2安定化に不可欠である。SIVA2およびKD−NIKをEcR−293−CD27細胞に一時的に同時トランスフェクトし、28時間のトランスフェクションの最後の18時間CD70で処理した。
図2E】TRAF2およびNIKは、独立してSIVA2のリガンド誘導安定化に寄与し、一方、cIAP1はその分解を促進することを示す。NIKおよびTRAF2は共にCD40誘導SIVA2安定化に不可欠である。EcR−293−CD40細胞を、表示したプラスミドでトランスフェクトし、8時間後、CD40を18時間適用した。トランスフェクションにおける全プラスミド濃度は、空ベクターの使用により維持した。緑色蛍光タンパク質(GFP)プラスミドは、トランスフェクションの均一性をモニターするために使用した。
図2F】TRAF2およびNIKは、独立してSIVA2のリガンド誘導安定化に寄与し、一方、cIAP1はその分解を促進することを示す。NIKではなくTRAF2は、TNF−誘導SIVA2安定化に寄与する。HEK−293T細胞をSIVA2およびpSUPER NIKまたはTRAF2 siRNAで上述したようにトランスフェクトした。TNFを、細胞が回収される前に表示した時間適用した。
図2G】TRAF2およびNIKは、独立してSIVA2のリガンド誘導安定化に寄与し、一方、cIAP1はその分解を促進することを示す。NIKはTRAF2と独立してSIVA2を安定化する。プラスミドをHEK−293細胞に、TRAF2 siRNAのトランスフェクション24時間後にトランスフェクトした。ライセートを最初のトランスフェクションの48時間後に調製し、SIVA2およびTRAF2について分析した。
図2H】TRAF2およびNIKは、独立してSIVA2のリガンド誘導安定化に寄与し、一方、cIAP1はその分解を促進することを示す。cIAP1およびそのH588A突然変異体のSIVA2発現に対する効果を示す。HEK−293T細胞を6ウェルプレートに播種し、FLAG−SIVA2およびFLAGcIAP1またはFLAGcIAP1(H588A)プラスミドと同時トランスフェクトした。トランスフェクションの28時間後、細胞を回収し、SIVA2およびcIAP1のレベルをウエスタンブロッティングにより評価した。矢印は、cIAP1(H588A)でトランスフェクトされた細胞に蓄積するSIVA2の修飾形態を指し示す。
図3A】SIVAがO−結合N−アセチルグルコサミンで修飾され、この種の修飾がTRAF2およびNIKによるその安定化に寄与することを示す。SIVA2は、細胞にアジドGlcNAcを組み込む。NIKおよびSIVA2で同時トランスフェクトされたHEK−293T細胞は、アジド−GlcNAcで代謝的に標識され、インビトロでビオチニル化され、免疫沈降された。SIVA2のビオチン標識GlcNAc部位は、ストレプトアビジン西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)で検出された。
図3B】SIVAがO−結合N−アセチルグルコサミンで修飾され、この種の修飾がTRAF2およびNIKによるその安定化に寄与することを示す。SIVAはコムギ胚芽凝集素に結合する。SIVA2単独用、またはSIVAとNIKまたはTRAF2と用のプラスミドをHEK−293T細胞において一時的に発現させた。ラクタシスチンを24時間処理期間の最後の6時間適用した。ライセートをSIVA2の発現(右パネル)およびWGA結合(左パネル)について分析した。N−アセチル−D−グルコサミン(0.5M)をWGA結合の競合物質として添加した。
図3C】SIVAがO−結合N−アセチルグルコサミンで修飾され、この種の修飾がTRAF2およびNIKによるその安定化に寄与することを示す。β−D−N−アセチルヘキソサミニダーゼ処理はSIVA2のWGAへの結合を無効にする。FLAG−SIVA2をmyc−NIKとHEK−293T細胞に同時トランスフェクトし、抗FLAG−M2ビーズと免疫沈降した。免疫沈降したビーズを1%SDSで煮沸し、溶離したタンパク質をβ−D−N−アセチルヘキソサミニダーゼで記載されているように(Whelan、2006)処理した。試料を、4、8および20時間の処理後回収し、WGA結合緩衝液で希釈し、レクチンの結合を方法の項に記載するようにアッセイした。前述した8時間の処理後の抗−FLAG−M2ビーズとのタンパク質の免疫沈降と続くウエスタン分析により、WGAに結合する能力を失っているにもかかわらず、そのタンパク質はインタクトなままであったことが確認された。「Sup」は、反応後結合していないままのSIVAタンパク質。
図3D】SIVAがO−結合N−アセチルグルコサミンで修飾され、この種の修飾がTRAF2およびNIKによるその安定化に寄与することを示す。O−グルコシル化の阻害は、TRAF2誘導SIVA2安定化を妨害するが、MG132誘導安定化には影響しない。プラスミドがHEK−293T細胞で一時的に発現された。28時間処理期間の最後の16時間DON(50μM)を、最後の6時間MG132を適用した。
図3E】SIVAがO−結合N−アセチルグルコサミンで修飾され、この種の修飾がTRAF2およびNIKによるその安定化に寄与することを示す。O−グルコシル化の阻害は野生型SIVA2のNIK介在性安定化を阻止するが、SIVA26SA突然変異体のNIKによる残りの安定化には影響しない。図3Dに示したように、実験をおこなった。
図3F】SIVAがO−結合N−アセチルグルコサミンで修飾され、この種の修飾がTRAF2およびNIKによるその安定化に寄与することを示す。O−GlcNアシル化の特異的阻害は、NIK誘導SIVA2安定化を阻止する。HEK−293T細胞をNIKおよびSIVA2で同時トランスフェクトし、ついで、28時間の処理の最後の16時間に0.7、1.4または2.0mMのBADGPで処理した。第一のレーンは、BADGP溶媒のみで処理した細胞におけるSIVA2の発現を示す。
図4A】SIVA2がそのN−末端の複数のセリン残基でリン酸化され、このリン酸化も同様にSIVA2の安定化に寄与すると思われることを示す。SIVA2は細胞中でリン酸化される。一時的にmyc−NIKおよびFLAG−SIVA2を発現するHEK−293T細胞を、[32P]オルトリン酸塩で代謝的に標識化した。MG132を処理の最後の6時間適用した。
図4B】SIVA2がそのN−末端の複数のセリン残基でリン酸化され、このリン酸化も同様にSIVA2の安定化に寄与すると思われることを示す。NIKを過剰発現する細胞から単離されたSIVA2のリン酸化部位の配置。SIVA2のリン酸化された残基を含むペプチドを、m/z −79の陰イオンモードでプレカーサーイオンスキャンにより位置付けた。リン酸化残基は、陽性モードにおけるタンデムナノ電子スプレーMS分析により、より遅れて決定された(表SI参照)。上段に、SIVA2における、リン酸化された可能性の高い残基(太字体)および確認されたリン酸化残基(太字体およびpSnと指定)の図式的表示を含むSIVA2のアミノ酸配列を示す。
図4C】SIVA2がそのN−末端の複数のセリン残基でリン酸化され、このリン酸化も同様にSIVA2の安定化に寄与すると思われることを示す。SIVA2のインビトロリン酸化。セリン突然変異の効果。myc−NIKおよびFLAG−SIVA2およびその表示したセリン突然変異体(3SA:残基5、50および51のアラニンによる置換、および6SA:残基5、21、26、35、50および51のアラニンによる置換)を、HEK−293T細胞に同時トランスフェクトし、免疫沈降したSIVAをインビトロキナーゼアッセイ(Ramakrishnan、2004)にかけた。最下段のパネルは、キナーゼ反応におけるSIVA2およびその突然変異体の規格化した総量を示す。共沈降したNIKのウエスタンブロット分析により、沈降のその量は3SAまたは6SA突然変異により減少されないことが確認された。
図4D】SIVA2がそのN−末端の複数のセリン残基でリン酸化され、このリン酸化も同様にSIVA2の安定化に寄与すると思われることを示す。NIKの発現またはプロテアソームの阻害は、SIVAのN末端を安定化する。HEK−293T細胞を、表示したようにFLAG−SIVA2(1〜58)およびmyc−NIKでトランスフェクトした。MG132(25μM)を24時間処理の最後の6時間適用した。細胞を回収し、溶解し、SIVA2レベルを抗−FLAG抗体により評価した。
図4E】SIVA2がそのN−末端の複数のセリン残基でリン酸化され、このリン酸化も同様にSIVA2の安定化に寄与すると思われることを示す。NIK共発現は、SIVA2(1〜58)のリン酸化を増強する。細胞におけるSIVA2(1〜58)のリン酸化は、表示したプラスミドのトランスフェクション22時間後に、[32P]オルトリン酸塩による代謝的標識化で評価した。オカダ酸(1μM)を最後の45分添加した。
図5A】NIKおよびTRAF2によるSIVA2の安定化に寄与するSIVA2のアミノ酸残基の同定を示す。個々のセリン突然変異はNIK誘導SIVA2安定化を妨害しない。種々のセリン突然変異体SIVA2プラスミドを、HEK−293T細胞にNIKと同時トランスフェクトし、細胞ライセートをトランスフェクションの24時間後に分析した。
図5B】NIKおよびTRAF2によるSIVA2の安定化に寄与するSIVA2のアミノ酸残基の同定を示す。SIVA2のチロシン34は、そのリン酸化またはNIKによる安定化に関与しない。表示したプラスミドをHEK−293T細胞にトランスフェクトし、24時間後にライセート中のSIVA2およびNIKを測定した(上の2つのパネル)。最下段のパネル:NIKを共発現する細胞から免疫沈降したSIVAおよびSIVA突然変異体タンパク質を用い、図4Cに記載したように行われたインビトロキナーゼアッセイからのリン酸化SIVA2。
図5C】NIKおよびTRAF2によるSIVA2の安定化に寄与するSIVA2のアミノ酸残基の同定を示す。リン酸化されることができるSIVA2のいくつかの残基の複合突然変異は、そのタンパク質のNIK誘導安定化を妨害する。表示した各プラスミドをHEK−293T細胞にトランスフェクトし、細胞ライセート中のSIVA2およびNIKの量をトランスフェクションの24時間後に測定した。
図5D】NIKおよびTRAF2によるSIVA2の安定化に寄与するSIVA2のアミノ酸残基の同定を示す。TRAF2およびプロテアソーム阻害は、NIKにより安定化できないSIVA2セリン突然変異体を安定化する。プラスミドを上述のようにトランスフェクトした。MG132を18時間後に添加し、さらに6時間後に細胞タンパク質を抽出した。
図5E】NIKおよびTRAF2によるSIVA2の安定化に寄与するSIVA2のアミノ酸残基の同定を示す。SIVA2における複合セリン突然変異は、CD40Lによるその安定化を危険にさらす。EcR−293−CD40細胞を、SIVA2プラスミド0.75μg、またはSIVA2 6SA突然変異体プラスミド1.5μgでトランスフェクトした。CD40Lを、細胞回収(トランスフェクションの30時間後に行った)の前に表示した時間適用した。
図5F】NIKおよびTRAF2によるSIVA2の安定化に寄与するSIVA2のアミノ酸残基の同定を示す。SIVA2のリジンは、TRAF2によるその安定化に関与する。表示したプラスミドをHEK−293T細胞に同時トランスフェクトした。全細胞ライセートをトランスフェクションの24時間後に調製し、ウエスタンブロッティングにより分析した。
図5G】NIKおよびTRAF2によるSIVA2の安定化に寄与するSIVA2のアミノ酸残基の同定を示す。TRAF2によるSIVA2の安定化に寄与するリジンは、NIKによるその安定化には関与しない。SIVA2およびNIK発現レベルは上記のように測定した。
図6A】SIVA2は、TNF/NGFファミリーの受容体に動員され、特異的にNIK、TRAF2、およびcIAP1に結合することを示す。トランスフェクトされたSIVA2は内因性TRAF2に結合する。FLAG−SIVA2またはHIS−SIVA2(対照)をHEK−293T細胞にトランスフェクトした。SIVA2は抗−FLAG M2ビーズを用いて免疫沈降し、共沈降した細胞TRAF2をウエスタンブロッティングによりアッセイした。TRAF2の全細胞レベルは、最下段に示す。
図6B】SIVA2は、TNF/NGFファミリーの受容体に動員され、特異的にNIK、TRAF2、およびcIAP1に結合することを示す。SIVA2はTRAF2誘導的に結合する。細胞EcR293−CD27−SIVA2のポナステロンによる2時間の処理によりSIVA2を誘導し、表示したようにCD70で処理し、その後TRAF2を免疫沈降した。
図6C】SIVA2は、TNF/NGFファミリーの受容体に動員され、特異的にNIK、TRAF2、およびcIAP1に結合することを示す。SIVA2はインビトロでTRAF2に結合する。FLAG−タグ化TRAF2を、トランスフェクトされたHEK−293T細胞から抗−FLAG M2ビーズで免疫沈降し、FLAGペプチドを用いてビーズから溶離し、GST−SIVA2またはその突然変異体とインキュベートし、その後、表示したように免疫沈降とウエスタンブロッティングにかけた。
図6D】SIVA2は、TNF/NGFファミリーの受容体に動員され、特異的にNIK、TRAF2、およびcIAP1に結合することを示す。SIVA2はそのN−末端でcIAP1に結合する。左パネル:インビトロ結合。組換えcIAP1をGST−SIVA2またはその突然変異体とインキュベートした。右および下段パネルは、トランスフェクトされたHEK−293T細胞における結合を表現する。右パネル:細胞をHIS−SIVA2、HIS−SIVA2(1〜58)またはFLAG−TRAF2でトランスフェクトした。28時間後、内因性cIAP1を免疫沈降した。MG132をインキュベーションの最後の6時間適用した。下段パネル:細胞を、FLAG−SIVA2、FLAG−SIVA2(1〜58)または特異性対照としてFLAG−GST−BR3−ICD*(BAFF受容体の細胞内ドメインがそのTRAF3−結合領域で突然変異されている(PVPAT>AVAAA))でトランスフェクトした。28時間後、トランスフェクトされたタンパク質を免疫沈降し、共沈降した内因性cIAP1を調べた。MG132をインキュベーションの最後の6時間適用した。
図6E】SIVA2は、TNF/NGFファミリーの受容体に動員され、特異的にNIK、TRAF2、およびcIAP1に結合することを示す。図6Dおよび図6Hに示されたcIAP1、NIKおよびTRAF2に結合するSIVA2の欠失分析の図表示である。左:使用した欠失変異体。右:観察された結合。N/Aは分析されず。アスタリスクは、イーストツーハイブリット試験における評価を意味する(他の試験はすべてトランスフェクトされた哺乳類細胞において行われた。)。
図6F】SIVA2は、TNF/NGFファミリーの受容体に動員され、特異的にNIK、TRAF2、およびcIAP1に結合することを示す。SIVA2へのNIKの結合(上段パネル)およびTRAF2の結合(下段パネル)は、SIVA2のC−末端領域(システイン−リッチ領域)に作用する。表示したプラスミドをHEK−293T細胞に同時トランスフェクトした。ライセートをトランスフェクションの24時間後に調製し、図に表示したように分析した。このプラスミドのみでトランスフェクトされた細胞においてSIVA2の発現をさらに増加させるために、これらの細胞をMG132(25μM)で回収前の最後の4時間処理した。WB:抗−HIS。CRR自体に相当する欠失構造体は、むしろ発現されにくく、したがって、この領域へのタンパク質の結合を評価するために使用することができなかった。
図7A】SIVA2が、TRAF2−およびNIK−媒介シグナル伝達を阻害することを示す。ラモスT−REx−SIVA2細胞におけるSIVA2の誘導は、CD70による正準経路および代替経路の両方の誘導(それぞれ中央および左パネル)およびTNFによる正準NF−κB経路の誘導(右パネル)を抑制する。
図7B】SIVA2が、TRAF2−およびNIK−媒介シグナル伝達を阻害することを示す。EcR293−CD27−SIVA2細胞におけるSIVA1(右パネル)ではなくSIVA2(左パネル)の誘導は、CD70による代替的NF−κB経路の活性化を抑制する(IκBα分解なく、または核へのp65移行が、CD70処理EcR293−CD27細胞において識別され得る)。SIVAのウエスタンブロット分析により、SIVA2の誘導のレベルは、SIVA1のものより非常に低いということが証明される。プロテアソーム阻害によりさらに増強されない限り、SIVA2は検出レベル以下であった。
図7C】SIVA2が、TRAF2−およびNIK−媒介シグナル伝達を阻害することを示す。SIVAの抑制は、NIK発現を増加させ、また代替的NF−κB経路の構造的活性化を引き起こし、正準経路の応答性を増加させる。左パネル:pSUPER SIVAプラスミドの混合物(2×pSUPER 275+1×pSUPER NC3)を、レトロウイルスにより形質導入したNIKを発現するEcR293−CD27細胞に一時的にトランスフェクトした。40時間後、細胞をCD70で8時間処理し、ついで細胞質および核抽出物をNF−κBタンパク質とNIKについてアッセイした。siRNAによるSIVA発現の効果的な抑制は、SIVAメッセージのRT−PCRによりパネルC、DおよびEに示した実験において確認された。実験は材料および方法の項に記載するように行った。右パネル:レンチウイルスにより形質導入されたSIVAshRNA NC3を安定的に発現するラモス細胞(SIVA−ノックダウン)を、CD70で表示した時間処理し、核抽出物をNF−κBタンパク質について分析した。Oct1をローディング対照とした。
図7D】SIVA2が、TRAF2−およびNIK−媒介シグナル伝達を阻害することを示す。SIVAの抑制はCD70誘導NF−κBの活性化を増強した。HEK−293T細胞を、CD27、pSUPER−SIVAプラスミドの混合物、およびルシフェラーゼレポータープラスミドで一時的に同時トランスフェクトした。26時間後、細胞をCD70で4時間処理した。ライセートを2つの独立した実験で三重に分析し、結果は平均誘導倍率を表す。
図7E】SIVA2が、TRAF2−およびNIK−媒介シグナル伝達を阻害することを示す。SIVAの抑制は、CD70およびTNFによるMAPK活性を増強する。左:対照およびSIVA−ノックダウンラモス細胞を図7Cの右パネルで示したように処理した。右:pSUPER SIVAをHEK−293T細胞において一時的に発現させ、トランスフェクションの48時間後にTNFを教示した持続時間適用した。全細胞ライセートをリン酸化JNKおよびp38、ならびに全JNKおよびp38について分析した。
図8A】SIVA2は、cIAP1と協働して、CD27に応答してTRAF2のユビキチン化および分解を媒介することを示す。SIVA2は、CD27受容体複合体におけるTRAF2のユビキチン化および分解を促進する。左パネル:SIVA2ノックダウンによる、TRAF2の受容体複合体への動員の抑制、ならびにそのユビキチン化の抑制。EcR293−CD27細胞をpSUPER SIVAプラスミドの混合物でトランスフェクトし、48時間後CD70で表示した時間処理した。免疫沈降した受容体複合体におけるCD27のウエスタンブロット分析を内部対照とした。SIVA抑制の有効性は、材料および方法の項に記載したように、SIVAメッセージのRT−PCRによりこの実験およびCにおいて評価した。他のパネル:SIVA2(C73A)またはSIVA1ではなく、誘導的に発現されたSIVA2は、受容体複合体におけるTRAF2ユビキチン化を増強する。ラモスT−Rex−SIVA2細胞、ラモスT−Rex−SIVA2(C73A)細胞、またはラモスT−Rex−SIVA1細胞(5×107細胞)をドキシサイクリンで2時間誘導し、ついでCD70を表示した時間適用した。細胞におけるタンパク質のユビキチン化をアッセイする全ての実験において、ユビキチンアルデヒド(5μM)を細胞ライセートに添加した。
図8B】SIVA2は、cIAP1と協働して、CD27に応答してTRAF2のユビキチン化および分解を媒介することを示す。SIVAの抑制がCD70誘導TRAF2分解を阻止する。EcR293−CD27細胞を図8Aの左パネルのようにトランスフェクトし、表示した時間CD70で処理した。
図8C】SIVA2は、cIAP1と協働して、CD27に応答してTRAF2のユビキチン化および分解を媒介することを示す。NIK−またはNIK(K670A)−発現細胞のCD70への応答に対するSIVA2の効果。レトロウイスルで形質導入されたNIKまたはNIK(K670A)突然変異体を構造的に発現するEcR293−CD27−SIVA2細胞をCD70で処理し、表示した場合ポナステロンでも8時間処理した。
図8D】SIVA2は、cIAP1と協働して、CD27に応答してTRAF2のユビキチン化および分解を媒介することを示す。SIVA2を発現する細胞のCD27受容体複合体におけるTRAF2のK48−結合ユビキチン化。EcR293−CD27−SIVA2細胞を表示したHA−タグユビキチン突然変異プラスミドでトランスフェクトし、SIVA2をポナステロン2時間で誘導した。ついで、CD70を15分間適用し、CD27受容体複合体を抗−FLAGにより沈降させた。免疫沈降物を1%SDSで煮沸し、溶解緩衝液で20倍に希釈し、抗−HA抗体で再−免疫沈降し、抗−TRAF2抗体で分析した。
図8E】SIVA2は、cIAP1と協働して、CD27に応答してTRAF2のユビキチン化および分解を媒介することを示す。CD70−誘導TRAF2分解にはcIAP1が必要とされる。EcR293−CD27細胞をcIAP1 siRNAまたは対照siRNAでトランスフェクトし、トランスフェクションの48時間後にCD70で表示した時間処理した。
図9A】SIVA2は、TRAF2およびcIAP1の両方のユビキチン化を媒介することを示す。細胞におけるSIVA2−媒介TRAF2ユビキチン化にはcIAP1が必要とされる。HEK293T細胞を、cIAP1 siRNAでトランスフェクトし、24時間後、表示した他のプラスミドでトランスフェクトした。これらの細胞のライセートから免疫沈降したTRAF2のユビキチン化の程度、ならびに内因性cIAP1およびcIAP2およびトランスフェクトされたユビキチンの細胞レベルが、ウエスタンブロット分析により測定された。
図9B】SIVA2は、TRAF2およびcIAP1の両方のユビキチン化を媒介することを示す。SIVA1ではなくSIVA2は、細胞におけるTRAF2のK48−結合ポリユビキチン化を増強する。90mmプレートに増殖させたHEK293T細胞を、リン酸カルシウム法により4μgのFLAG−TRAF2(C34A)で、6μgのHA−ユビキチン突然変異体プラスミドおよび6μgのHIS−SIVA2またはHIS−SIVA2(C73A)またはHIS−SIVA1と一緒にトランスフェクトした。細胞をトランスフェクションの24時間後に溶解し、TRAF2を表示したように沈降させテ分析した。野生型SIVA2およびSIVA1、ならびにSIVA(C73A)突然変異体をTRAF2と共沈降させた(下段パネル)。
図9C】SIVA2は、TRAF2およびcIAP1の両方のユビキチン化を媒介することを示す。SIVA2は、インビトロでIAP1をユビキチン化する。E2酵素として使用されるUbcH5bまたはUbc13/Uevlaのいずれかによるユビキチン化反応において、組換えcIAP1がSIVA2またはSIVA2(C73A)突然変異体とインキュベートされた。反応後、タンパク質を図8DでのようにSDSで処理し、ついで表示したように免疫沈降し、ウエスタンブロッティングにより分析した。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明による知見は、SIVA2がTNF/NGF受容体シグナル伝達のフィードバック調節因子であるということ、およびSIVA2安定化のモジュレーションが、これらの受容体の活性と関係する疾患、障害または症状の治療において使用できるということを示す。
【0042】
本発明は、治療に使用することができる安定性が改善されたSIVA2またはその塩であって、以下の翻訳後修飾、(i)O−GlcNアシル化;(ii)SIVA2のセリン残基5、50および51のリン酸化;(iii)K17および/またはK99残基におけるSIVA2上のユビキチン化;または(iv)(i)〜(iii)の組合せの1つ以上を含むことにより特徴付けられる、安定性の改善されたSIVA2またはその塩を提供する。本発明はまた、安定化されたSIVA2ムテイン、アイソフォーム、融合タンパク質、機能的誘導体、活性画分、断片、円順列変異誘導体に関し、本明細書においてまとめて安定化SIVA2と総称する。
【0043】
TNF/NGFファミリーの受容体によるシグナル伝達に関与することが知られているタンパク質のなかで、それらは、(i)シグナル伝達を媒介するタンパク質と(ii)受容体の種々の活性のうちのいずれかに、どのような強度およびどのくらいの長さかを命令する、シグナル伝達を調節するタンパク質との2つの機能的グループに区分けすることができる。第1のグループのタンパク質は通常、構造的に細胞中に存在し、リガンド結合に際し受容体にいつでも動員される。しかしながら、シグナル伝達を制御するタンパク質の発現は、しばしばそれ自体がシグナル伝達に依存する。すなわち、それらの細胞レベルはTNF/NGF受容体により、ならびにこれらの受容体の機能に影響を及ぼす他の薬剤により増強される。SIVAの初期の研究は、このタンパク質はシグナル伝達を媒介するということ、およびこのタンパク質は特異的に細胞死を促進させるように作用するということを示唆していると解釈された。これは実際SIVA1の場合であると思われる。SIVA2については、本発明により、このタンパク質はむしろシグナル伝達の調節因子として機能し、必ずしも細胞死を促進させるものではなく、実際、受容体誘導シグナル伝達を調節するタンパク質に典型的に、それ自身の細胞におけるレベルがTNF/NGF受容体により生み出されるシグナルにより影響される。その機能において、およびその形成の調節において、SIVA2は本発明によりSIVA1とは異なることが示される。後者はSIVA2と異なり、SIVA2よりも多量に種々の細胞に構造的に存在し、さらに、細胞ストレスにより誘導される。また、SIVA1とTNF/NGFファミリーの受容体のシグナル伝達複合体との関係は検出されず、SIVA2により示されるシグナル伝達に対する効果もない。
【0044】
SIVA1の短い変異体であるSIVA2は、TNF/NGFファミリーの受容体に特異的に動員され、それらのいくつかの非アポトーシス性作用についてのシグナル伝達を阻害も増強もできる。本発明により、(a)SIVAの細胞内含有量は刺激のない状態では非常に低く、これらの受容体が誘発されたあと非常に増加されること;(b)この増加は、SIVA2に結合するシグナル伝達タンパク質、TRAF2およびNIKによるその安定性の増強を反映すること;および(c)該安定性の増強が、O−GlcNアシル化、特定のリジンにおけるユビキチン化、特定のセリンにおけるリン酸化などの、SIVA2の翻訳後修飾を含むということが見出された。また、本発明により、SIVA2が抗アポトーシス性タンパク質cIAP1に結合およびユビキチン化し、TRAF2に結合しその分解を誘発するということも見出された。最近、本発明者らにより、SIVA2はNIKおよびTRAF3のユビキチン化およびプロテアソーム処理もモジュレートすることが見出された(国際公開第2007/080593号パンフレット)。全体で、これらの知見はSIVA2が、TNF/NGF受容体シグナル伝達のフィードバック調節因子であるということ、およびSIVA3の安定性のモジュレーションがTNF/NGFファミリーの受容体によるシグナル伝達において重要な役割を果たしているということを強調している。
【0045】
本発明により、フィードバックループがSIVA2の受容体シグナル伝達複合体への動員、ならびにSIVA2が結合する2つのシグナル伝達タンパク質TRAF2およびタンパク質キナーゼNIKの活性化により誘導されるSIVA2の劇的な安定化により開始されるということが見出された。それゆえに、SIVA2は、受容体に動員されるいくつかのシグナル伝達タンパク質のユビキチン化を義務付け、したがってそのプロテアソーム処理をモジュレートする。
【0046】
これまで、TNF/NGFファミリーの受容体によるシグナル伝達を調節するタンパク質の細胞レベルの増加の誘導の根底にあると報告されている機序は、転写レベルへの作用である。対照的に、本発明により、リガンド刺激後のSIVA2レベルの増加は、転写後に生じるということが見出された。本発明により証明されたSIVA2のレベルを増加させるためのSIVA2の翻訳後修飾は、特定のセリン残基のリン酸化、O−GlcNアシル化、およびユビキチン化などが含まれ、本発明により示すように、これらの修飾はSIVA2の安定性のモジュレーションに寄与する。少なくとも2つのシグナル伝達タンパク質が、NIKはそのプロテインキナーゼ機能に依存することにより、そしてTRAF2はそのユビキチンリガーゼ機能を含む機序により、サイトカイン誘導SIVA2安定化に関与していると思われた。
【0047】
より詳細には、SIVA1およびSIVA2の以下の相違点が本発明により見出された。(a)SIVA2は、種々の細胞株においてSIVA1スプライス変異体よりもほとんど発現されず、CD70、CD40L、TNFなどのTNF/NGFファミリーのサイトカインは、休止PBMCにおいてSIVA2の量を増加した;(b)遺伝毒性ストレスではない、リガンド活性化およびプロテアソーム阻害は、活性化PBMCにおいてSIVA2レベルを増加させ、そのSIVA2レベルの増加は、SIVA2の安定性の増加に起因するのであって、SIVA2発現の増加に起因するのではない;(c)サイトカイン安定化は、SIVA1の安定性は不変のままであるので、SIVA2に特異的であった;(d)SIVA2は、CD70による処理によりCD27に動員され、一方SIVA1は動員されず、さらにSIVA2はCD40およびTNFR1に動員されることも示された;(e)遺伝毒性薬剤はSIVA1の発現を増強する一方、SIVA2の発現には影響しない;(f)細胞におけるSIVA2のCD40による安定化は遺伝毒性薬剤CPTで処理した場合減少した。これらのSIVA1およびSIVA2の相違点は、治療においてSIVA2活性を特異的に誘導するために有利に使用できる。
【0048】
本発明により細胞におけるその安定化に寄与することが見出されたSIVA2の修飾の1つは、セリン残基のリン酸化、特にセリン残基5、50および51すべて(3S)におけるリン酸化、とりわけセリン残基5、21、26、35、50および51すべて(6S)におけるリン酸化である。たとえば、3Sの突然変異体(SIVA3SA)は、SIVA2の安定化を有意に減少し、6S突然変異(SIVA6SA)は、ほぼ完全にNIKにより誘導されるSIVA2の安定化を減少する。注目すべきは、個々のセリン突然変異は、NIK誘導SIVA2安定化を妨害せず、SIVA2のチロシン34はNIKによるそのリン酸化および安定化に関与していなかった。SIVA2は、SIVA3SAの一部のみが、NIKを共発現する細胞から免疫沈降したSIVAタンパク質により行われるインビトロキナーゼアッセイからもリン酸化され、SIVA6SA突然変異体のほとんどがリン酸化されないということが見いだされた。NIKと異なり、TRAF2およびプロテアソーム阻害がSIVA6SA突然変異体を安定化することが見出された。注目すべきは、SIVA2のセリン突然変異はサイトカインCD40Lによるその安定化を脅かす。また、本発明による知見は、SIVA2のリジンがTRAF2によるその安定化に関与していることを示す。対照的に、SIVA2のリジンは、NIKによるその安定化に関与していないということを見出した。
【0049】
本発明により細胞におけるその安定化に寄与することが見出されたSIVA2のもう1つの修飾は、O−GlcNアシル化である。たとえば、(a)SIVAが糖タンパク質である;(b)SIVA2は、NIKおよびSIVA2で同時トランスフェクトされた細胞においてアジド−GlcNAcを取り込む;(c)β−D−N−アセチルヘキソサミニダーゼ処理が、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)基およびシアル酸に選択的に結合するコムギ胚芽凝集素(WGA)への、NIKと共発現された細胞から抽出したSIVA2の結合を無効にした;(d)O−グルコシル化の阻害も、TRAF2誘導SIVA2安定化を妨害したが、MG132誘導安定化には影響しなかった;(e)O−グルコシル化の阻害は、野生型SIVA2のNIK媒介安定化を阻止するが、SIVA2 6SA突然変異体のNIKによる残りの安定化には効果がなかった;および(f)O−GlcNアシル化の特異的な阻害は、NIK誘導SIVA2安定化を阻止した、ということを見出した。
【0050】
さらに、本発明により、SIVA2のSIVA2残基K17および/またはK99上のユビキチン化は、SIVA2の安定化に寄与するということが見出された。このユビキチン化による安定化は、TRAF2により誘導されるようである。
【0051】
したがって、本発明は、治療におけるSIVA2安定性の特異的モジュレーションの使用を提供する。SIVA2モジュレーションは、インビトロで、たとえば細胞を含まない系で、または細胞内で、たとえばインビボもしくはエクスビボで実施または誘導することができる。SIVA2安定性のモジュレーションは、疾患細胞または調節されていないレベルのサイトカインを産生する細胞において誘導することができる。SIVA2安定性のモジュレーションを誘導することができる細胞の例としては、単核細胞、リンパ系細胞、Treg細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、マクロファージ、リンパ球、胚腎臓細胞、リンパ腫細胞、B−リンパ芽球腫細胞、肝細胞肝臓癌細胞、調節されていないレベルのCD27、CD40、および/またはTNF受容体発現細胞などが挙げられるが、それらに限定されるものではない。本発明の1つの実施態様において、SIVA安定性のモジュレーションは、化学療法または放射線治療などの遺伝的毒性薬剤での治療の前、治療中、および/または後に細胞において誘導される。
【0052】
本発明の1つの実施態様では、SIVA安定性のモジュレーションは、SIVA2の安定性の増加である。安定化されたSIVA2は、以下の翻訳後修飾、(i)O−GlcNアシル化;(ii)SIVA2のセリン残基5、50および51のリン酸化;(iii)SIVA2残基、K17および/またはK99におけるユビキチン化;または(iv)(i)〜(iii)の組合せの1つ以上を含むことにより特徴付けられる。
【0053】
安定化されたSIVA2は、たとえば細胞において、NIK、TRAF2、cIAP1、H588AなどのcIAP1のリング−フィンガー突然変異体、O−GlcNAcトランスフェラーゼ、O−GlcNAcaseの阻害剤などの組換え体または内因性タンパク質(下記EGA参照)の1つ以上を過剰発現することにより該細胞において誘導することができる。安定化されたSIVA2は、SIVA2を前記タンパク質、たとえば下記の実施例に示すようなタンパク質と一緒に過剰発現させることにより細胞において誘導することができる。あるいは、O−GlcNacトランスフェラーゼのアクチベーター、TRAF2、O−GlcNAcaseの阻害剤、cIAP1活性阻害剤および/またはH588AなどのcIAP1のリング−フィンガー突然変異体を使用してもよい。
【0054】
安定化されたSIVA2は、SIVA2の低い活性に関連するか、または細胞におけるSIVA2の活性を増加させることにより軽減される疾患、障害または症状を治療するためまたは治療するための医薬の製造において;および/またはTNF/NGFファミリーのいくつかのメンバーによってタンパク質合成の方向へ活性化されるシグナル伝達経路が病因や経過に関係する疾患、障害または症状、たとえば癌、炎症性疾患および/または自己免疫疾患を治療するためまたは治療するための医薬の製造において使用することができる。当該治療は、インビボまたはエクスビボで実施することができる。
【0055】
本明細書中において用語「塩」は、本発明のポリペプチドのカルボキシル基の塩およびアミノ基の酸付加塩の両方を意味する。カルボキシル基の塩は、本技術分野において既知の手段により形成することができ、たとえばナトリウム、カルシウム、アンモニウム、第二鉄または亜鉛の塩などの無機塩、ならびにたとえばトリエタノールアミン、アルギニン、リジンなどのアミン、ピペラジン、プロカインと形成されるものなどの有機塩基との塩が挙げられる。酸付加塩は、たとえば、塩酸または硫酸などの塩鉱物酸との塩、酢酸またはシュウ酸などの有機酸との塩が挙げられる。もちろん、いずれの塩もSIVA2と実質的に同様の活性を有さなければならない。
【0056】
本明細書において使用される場合、用語「断片」は、ポリペプチド分子の一部または一部分(part or fraction)を意味し、ただし、そのより短いペプチドは、SIVA2の所望の生物学的活性を保持することを条件とする。断片は、ポリペプチドのいずれかの末端からアミノ酸を除去し、得られた断片の生物学的活性、たとえばcIAP1への結合、TRAF2への結合、NIK分解の誘導、および/またはNIK媒介NF−κB活性化を細胞において試験することにより容易に調製され得る。一度に1つのアミノ酸をポリペプチドのN−末端またはC−末端のいずれかから除去するプロテアーゼは当技術分野において知られており、所望の生物学的活性を保持する断片は、そのようなプロテアーゼにより通常の実験で得ることができる。
【0057】
タンパク質の「活性画分」として、本発明は、その化合物自体のポリペプチド鎖の任意の断片または前駆体単独、またはそこに結合された関連分子または残基との組合せであって、このような断片または前駆体が、医薬としてSIVA2と同じ活性を示す、たとえば糖またはリン酸エステルの残基、またはポリペプチド分子の集合体を意味する。「前駆体」は、ヒト体内または動物体内においてSIVA2に変換できる化合物である。
【0058】
本明細書において使用する場合、定義「機能的誘導体」は、既知の方法によりアミノ酸部分の側鎖に、または末端N−またはC−基上に存在する官能基から製造される誘導体を意味し、それらが薬学的に許容され得る、すなわちそれらがタンパク質の活性を破壊することなく、それらを含む医薬組成物に毒性を与えることのない場合本発明に包含される。このような誘導体は、たとえば、カルボキシル基のエステルまたは脂肪族アミド、およびたとえばアルカノイル−もしくはアロイル−基などのアシル基と形成される、遊離のアミノ基のN−アシル誘導体もしくは遊離のヒドロキシル基のO−アシル誘導体を含む。SIVA2は、安定性、半減期、バイオアベイラビリティー、人体による寛容、または免疫原性などのタンパク質の性質を改善するためにポリマーと結合されても良い。したがって、本発明の1つの実施態様は、アミノ酸残基の1つ以上の側鎖として存在する1つ以上の官能基に結合された少なくとも1つの部分を含むSIVA2の機能的誘導体に関する。本発明の1つの実施態様は、ポリエチレングリコール(PEG)に結合されたSIVA2ポリペプチドに関する。PEG化は、たとえば、国際公開第92/13095号パンフレットに記載された方法などの既知の方法により実施され得る。
【0059】
本明細書において使用される場合、用語「円順列変異誘導体」は、直鎖状分子を意味し、終端が、直接またはリンカーを介して一緒に連結されて環状分子を生成し、ついでその環状分子が別の位置で開環され、元の分子とは異なる終端を有する新しい直鎖状分子を生成する。環状変異は、構造が環化され、ついで開環された分子と等価である分子を含む。したがって、円順列変異分子は、直鎖状分子として、環化および開環工程を経ることなくデノボ合成されてもよい。円順列変異誘導体の製造法は国際公開第95/27732号パンフレットに記載されている。
【0060】
本明細書において使用される場合、用語「ムテイン」は、SIVA2の類似体を意味する。本発明は、本発明の前記SIVA2タンパク質の類似体であって、本質的にSIVA2の天然に存在する配列のみを有するSIVA2タンパク質と同じ生物学的活性を本質的に保持する類似体にも関する。そのような「類似体」は、約30個までのアミノ酸残基が、この種の修飾が実質的にタンパク質自体に関するタンパク質類似体の生物学的活性を変化しないように、SIVA2タンパク質において欠失、付加または他のアミノ酸残基によって置換されているものであっても良い。したがって、元のSIVA2と比較した場合に得られた生成物の活性が大幅に変化させることなく、SIVA2の天然に存在する構成成分の1つ以上のアミノ酸残基は、異なるアミノ酸残基により置換されるかまたは欠失され、または1つ以上のアミノ酸残基がSIVA2の元の配列に付加される。これらのムテインは、既知の合成技術および/または部位特異的突然変異誘発法、または任意のほかの好適な技術により製造される。
【0061】
あらゆるそのようなムテインは、好ましくは、基本のSIVA2と実質的に同様の活性を有するように、基本のSIVA2と充分に重複したアミノ酸配列を有する。したがって、任意の所定のムテインが、本発明の基本のSIVA2と実質的に同じ活性を有するかどうかを、そのような類似体を以下の実施例に説明する生物学的活性試験に付すこと、たとえばcIAP1への結合、TRAF2への結合、NIKへの結合、NIK分解の誘導、TRAF2のユビキチン化、自己ユビキチン化、cIAP1のユビキチン化、または細胞におけるNIK媒介NFκB活性化の阻害などを含む日常の実験により決定することができる。
【0062】
本発明にしたがって使用することができるSIVA2タンパク質のムテイン、またはそれをコードする核酸は、日常的に過度の実験を伴うことなく、本願明細書に示された教示および助言に基づき当業者により得ることができる置換ペプチドまたはポリヌクレオチドとして、実質的に対応する配列の有限集合を含む。タンパク質の化学および構造の詳しい説明については、Schulz, G.E.ら、Principle of Protein Structure, Spring-Verlag, New York, 1978; およびCreighton, T.E., Proteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, 1983を参照。これらの文献は参考文献として本明細書に組み込まれる。コドン選択などのヌクレオチド配列置換の提示については、Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology, Greene PublicationsおよびWiley Interscience, New York, NY, 1987-1995; Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY, 1989参照。
【0063】
本発明によれば、ムテインの好ましい変化は、「保存的」置換として知られるものである。本質的に天然に存在するSIVA2配列を有するSIVA2タンパク質における保存的なアミノ酸置換は、充分同様の物理化学的性質を有するグループ内の同義アミノ酸を含み、そのグループのメンバー間の置換はその分子の生物学的機能を保存する(Granthem, Science, Vol. 185, pp. 862-864(1974))。アミノ酸の挿入および欠失は、特に挿入または欠失が、数個のアミノ酸、たとえば30個以下および好ましくは10個以下を伴い、また機能的コンフォメーションに絶対不可欠な、たとえばシステイン残基などのアミノ酸を除去または取換えない場合、前記定義された配列においてその機能を変化させることなくなされ得るということが明らかである(Anfinsen, “Principles That Govern The Folding of Protein Chains”, Science, Vol. 181, pp. 223-230(1973))。そのような欠失および/または挿入により作製された類似体は本発明の範囲に入る。
【0064】
好ましくは、同義的アミノ酸のグループは表Iに定義されるものである。より好ましくは、同義的アミノ酸のグループは表IIに定義されるものであり、最も好ましくは、同義的アミノ酸のグループは表IIIに定義されるものである。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
SIVA2のムテインを得るために使用することができるタンパク質におけるアミノ酸置換の製造例には、Markらの米国特許RE33,653号明細書、米国特許第4,959,314号明細書、米国特許第4,588,585号明細書および米国特許第4,737,462号明細書;Kothsらの米国特許第5,116,943号明細書;Namenらの米国特許第4,965,195号明細書、Chongらの米国特許第4,879,111号明細書;およびLeeらの米国特許第5,017,691号明細書に示されたもの;ならびに米国特許第4,904,584号明細書(Strawら)に示されたリジン置換タンパク質などのあらゆる既知の方法工程が含まれる。
【0069】
本発明のもう1つの好ましい実施態様において、本発明において使用するためのSIVA2タンパク質のあらゆるムテインは、本発明の前記SIVA2タンパク質の配列と本質的に対応するアミノ酸配列を有する。用語「本質的に対応する」とは、特に、SIVA2に対するその影響が懸念される限りにおいてその基本の特徴に影響しない、基本のSIVA2タンパク質の配列に対して変化の少ないムテインを包含することが意図される。通常、「本質的に対応する」という言葉に該当するとみなされる変化の種類は、本発明のSIVA2タンパク質をコードするDNAの従来の突然変異誘発技術から生じるものであり、数個の重要でない修飾、および所望の活性について前述した方法でスクリーニングに帰着する。
【0070】
本発明の1つの実施態様において、このムテインはいずれも、SIVA2の配列と少なくとも40%の同一性を有し、より好ましくは、SIVA2の配列と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または最も好ましくは、少なくとも90%の同一性を有する。
【0071】
同一性は、配列を比較することにより決定される、2つ以上のポリペプチド配列または2つ以上のポリヌクレオチド配列の間の関係を示す。概して、同一性とは、比較される配列の長さにわたって、2つのポリヌクレオチドまたは2つのポリペプチドの、それぞれヌクレオチド対ヌクレオチドのまたはアミノ酸対アミノ酸の正確な一致を意味する。
【0072】
正確に一致していない配列に対して、「%の同一性」が決定され得る。概して、比較すべき2つの配列は、配列間の最大の相関が生じるように並べられる。これには、アライメントの程度を高めるために、配列の片方または両方どちらかに「ギャップ(gap)」の挿入を含んでもよい。%同一性は、比較される配列それぞれの長さ全体にわたって決定され得(いわゆるグローバルアラインメント)、これは同一かかなり類似した配列に特に適しており、またはより短い定義された長さにわたって決定され得(いわゆるローカルアラインメント)、これは不揃いな長さの配列に適している。
【0073】
本明細書において使用される場合、用語「配列同一性」は、アミノ酸配列が、ClustalW多重配列アラインメントプログラムのウインドウズインターフェースである(Thompsonら、1994)、Clustal−Xプログラムを用いる低ホモロジー領域の改良版で、HanksおよびQuinn(1991)によるアライメントにより比較されるということを意味する。Clustal−Xプログラムは、ftp://ftp-igbmc.u-strasbg.fr/pub/clustalx/でインターネットにより利用可能である。もちろん、このリンクが使えなくなった場合は、当業者は過度の実験をすることなく標準的なインターネット検索技術を用いて他のリンクからこのプログラムのバージョン類を見つけることができるということが理解されるべきである。他に特段の定めがない限り、本明細書において引用されるプログラムはいずれも、本願の有効出願日現在で、最新バージョンが本発明を実施するために使用されるものである。
【0074】
「配列同一性」を決定するための前記方法が、何らかの理由により有効でないと判断される場合、次の技術により配列同一性を決定することができる。配列は、Genetic Computing Group‘s GDAP(グローバルアライメントプログラム)のバージョン9を用いて、−12のギャップオープンペナルティー(ギャップの最初の空値について)と−4のギャップ拡張ペナルティー(ギャップにおける付加的な連続した空値それぞれ毎に)とを有する初期値(BLOSUM62)マトリックス(−4〜+11の値)を用いて整列される。アラインメント後、%同一性が一致数を請求する配列におけるアミノ酸数の割合として表現することにより計算される。
【0075】
本発明によるムテインは、ストリンジェントな条件下で本発明によるSIVA2タンパク質をコードするDNAまたはRNAにハイブリダイズし、本質的にSIVA2をコードする天然に存在する配列の全てを含むDNAまたはRNAなどの核酸によってコードされるものを含む。たとえば、そのようなハイブリダイズするDNAまたはRNAは、SIVA2の配列などを有する本発明の同じタンパク質をコードするものであるが、しかしそのヌクレオチドは、遺伝コードの縮重のために天然由来のヌクレオチド配列とはヌクレオチド配列が異なる、すなわち、多少異なるヌクレオチド配列がなお、この縮重により同じアミノ酸配列をコードし得る。
【0076】
本発明による知見により、安定化されたSIVA2の製造が可能となる。たとえば、安定化されたSIVA2または安定性の改善されたSIVA2は、タンパク質におけるO−GlcNアシル化を増加させることにより、たとえば、タンパク質をO−GlcNAcトランスフェラーゼと接触させることおよび/またはO−GlcNAcaseの活性を阻害することにより得られ得る。O−GlcNAcトランスフェラーゼの誘導は、たとえば、細胞におけるUDP−GlcNAcのレベルを増加させることにより達成することができる(Slawsonら、Journal of cellular Biochemistry 97:71-83, 2006)。また、SIVA2の安定化は、タンパク質のセリン残基5、50および51でのリン酸化を誘導することにより得ること、またはさらに増強させることが可能である。安定性の増加は、たとえばSIVA2をNIKと接触させることにより、セリン残基5、50、51、21、26および35のリン酸化により得られ得る。加えて、SIVA2の安定化は、たとえばタンパク質をTRAF2と接触させることにより、SIVA2のユビキチン化を増加させることにより得ること、またはさらに増強させることが可能である。ユビキチン化によるSIVA2の安定化に関与するリジン残基は、K17およびK99の2つの残基のいずれか一方である。これらの残基における突然変異はNIKによるSIVA2の安定化には影響しない。SIVA2を安定化するためのもう1つの方法は、SIVA2を、H588AなどのcIAP1のリング−フィンガー突然変異体と接触させることによる。SIVA2と他の言及されたタンパク質との接触は、インビボ(たとえば、細胞内)およびインビトロ(たとえば、細胞を含まない系)で実施することができる。本発明の1つの実施態様において、SIVA2の安定性を特異的に増加させるために、細胞を操作し、1つ以上の以下のタンパク質、O−GlcNAcトランスフェラーゼ、NIK、TRAF2またはH588AなどのcIAP1のリング−フィンガー突然変異体を過剰発現させることができる。内因性タンパク質の過剰発現は、たとえば内因性遺伝子の活性化により実施することができる(EGA、下記参照)。外因性タンパク質の過剰発現は、たとえば発現ベクターなどを用いて、そのタンパク質をコードする遺伝子を細胞内に導入することにより実施することができる(下記参照)。本発明のさらなる実施態様において、SIVA2はそのタンパク質と共過剰発現される。安定化されたSIVA2がエクスビボで製造される場合、細胞は、該安定性の改善されたSIVA2を製造可能な条件下で培養され、得られたSIVA2を培養物から回収する。たとえば、低栄養環境または過剰栄養環境でストレスをかけられた細胞は、O−GlcNacレベルを上昇させることが示され、安定化SIVA2の製造に使用することができる。また、これまで試験された全ての種類のストレス(浸透圧、エタノール、酸化および熱ショック)は、細胞内のO−GlcNacレベルを迅速に上昇させる(Slawsonら、2006)。
【0077】
さらに、本発明は、哺乳類、昆虫類および酵母細胞などの真核細胞から選択される、安定化されたSIVA2を含む宿主細胞を提供する。本発明の1つの実施態様において、その細胞は、HeLa、293THEKまたはCHO細胞である。あるいは、本発明は、トランスジェニック動物の作製および該動物の体液からの産生されたタンパク質の単離を含む本発明の安定化されたSIVA2を製造する方法を提供する。
【0078】
安定化されたSIVA2は、SIVA2をコードするベクターによりトランスフェクト、形質導入または感染された真核宿主細胞において、またはトランスジェニック動物において産生され得る。トランスジェニック動物を用いる場合、その乳中に異種ポリペプチドを産生することが特に有利である。
【0079】
哺乳類細胞におけるタンパク質の過剰発現は、そのポリペプチドをコードするDNAを、プロモータ、任意にはイントロン配列およびスプライシングドナー/アクセプターシグナル、およびさらに任意には終止配列および分泌シグナルペプチドを含むベクターに、周知の技術(たとえば、Current Protocols in Molecular Biology、16章に記載されている)により挿入することにより実施してもよい。
【0080】
哺乳類細胞におけるタンパク質の過剰発現は、たとえばSIVA2ポリペプチドおよび/またはO−GlcNAcトランスフェラーゼ、NIKおよびTRAF2をコードする内因性遺伝子の発現の増加を誘導することにより実施してもよい。内因性のSIVA2および/またはO−GlcNAcトランスフェラーゼおよび/またはO−GlcNAcトランスフェラーゼ、NIK、およびTRAF2の発現を変化させることも採用することができる。必要に応じて、化合物は、遺伝子の発現レベルまたは内因性タンパク質の活性を増加させ得る。そのような化合物は、充分でない量のタンパク質を発現する細胞においてタンパク質の内因性産生を誘導するためのベクターであり得る。そのベクターは、タンパク質の発現を望まれる細胞において機能する調節配列を含み得る。そのような調節配列は、たとえば、プロモータまたはエンハンサであり得る。ついで、調節配列は、相同組換えによりゲノムの正しい遺伝子座に導入され、調節配列は、発現の誘導または増強が必要とされる遺伝子と作動可能に連結され得る。その技術は、通常、「内因性遺伝子活性化」(EGA)と呼ばれ、国際公開第91/09955号パンフレットに記載されている。
【0081】
当業者には、ペプチドが過剰発現され、細胞中に過剰量のポリペプチドが生じた場合、またはペプチド発現を閉鎖することが望まれた場合、直接的にペプチド発現を閉鎖することも可能であるということが理解されるであろう。たとえば、細胞におけるO−GlcNアシル化(Acidated)SIVA2を増加させるために、O−GlcNAcaseの発現をEGAにより小さくさせ得る。そうするために、サイレンシングエレメントなどの負の調節エレメントがタンパク質の遺伝子座に導入され、ゆえにタンパク質発現のダウンレギュレーションまたは抑制を導く。当業者は、そのようなタンパク質発現のダウンレギュレーションまたはサイレンシングは阻害剤の使用と同じ効果を有するということを理解するであろう。
【0082】
本発明はまた、薬学的に許容され得る担体および、以下の翻訳後修飾、(i)O−GlcNアシル化;(ii)セリン残基5、50および51のリン酸化;(iii)K17および/またはK99残基におけるユビキチン化;または(iv)(i)〜(iii)の組合せの1つ以上を含むことにより特徴付けられる、安定性が改善されたSIVA2またはその塩を含む医薬組成物を提供する。
【0083】
本発明により、SIVA2が、TRAF2、cIAP1およびNIKなどの、TNF/NGFファミリーの受容体によるシグナル伝達を媒介することが知られている種々の他のタンパク質に結合することが見出された。TRAF2は、NIK同様SIVA2のCRRに結合し、cIAP1は、本発明によりSIVA2のN−末端部分(CRRの上流)に結合することが見出された。SIVA2の誘導が、CD70による代替および正準両方のNF−κB経路の活性化ならびにTNFによる正準経路の活性化を抑制するため、SIVA2はTRAF2およびNIK媒介シグナル伝達を阻害できることも見出された。一方、SIVA1はSIVA2よりも非常に高いレベルで発現されているが、そのような作用はもたなかった。反対に、SIVA発現がノックダウンされている細胞は、代替NF−κB経路の構造的活性化を示し、また、正準NF−κB経路の基礎レベルの幾分の増加も示し、CD70による活性化に対するこの経路の反応性を高めた。SIVAのノックダウンはまた、CD70によるおよびTNFによる両方のJNKおよびp38キナーゼリン酸化の誘導を増強した。SIVA2は、cIAP1と協力して、CD70に応答してTRAF2のユビキチン化および分解を媒介した。また、以前に、CD70に動員されたTRAF2分子は、大量に(massively)ユビキチン化されるということが報告された(Ramakrishnanら、2004)。SIVAのノックダウンはTRAF2のCD70ユビキチン化を弱めた。対照的に、SIVA1ではなくSIVA2の誘導がそれを増強した。
【0084】
SIVA2は固有のユビキチン−リガーゼ活性を有するということ、およびSIVA2はインビトロでのTRAF2のユビキチン化を促進したということ(国際公開第2007/080593号パンフレット)が以前に見出された。SIVA2のCRR内の73位のシステイン残基がTRAF2のユビキチン化に必要とされることが見出された。SIVA1ではなく野生型SIVA2の過剰発現が、TRAF2のK48結合(K63結合ではないが)ポリユビキチン化を、TRAF2が単独で発現された場合に観測される程度を越えて顕著に増強させ、一方SIVA(C73A)は、ほとんどユビキチン化に影響しなかったということが、トランスフェクトされた細胞を用いて証明された。SIVA2のインビトロでの自己ユビキチン化は、この突然変異により影響されなかったが、CRRの完全な欠失によっては劇的に減少した。SIVA2 C73A突然変異体の細胞における発現は、CD27複合体におけるTRAF2のユビキチン化に対するSIVA2の効果を増強できることが見出された。
【0085】
TRAF2に加えて、本発明により、cIAP1もSIVA2により効果的にユビキチン化されたこと、およびこのユビキチン化はまたSIVA2(C73A)突然変異により損なわれたことが見出された。cIAP1のノックダウンは、SIVA2発現に応答したTRAF2のユビキチン化を劇的に減少させた。したがって、SIVA2は、インビトロでTRAF2を直接ユビキチン化する能力を有するが、細胞内におけるTRAF2のユビキチン化のSIVA2による促進は、cIAP1のユビキチン化能力の増強を通して媒介されるかまたは許容的役割を果たすためにcIAP1を必要とする。CD27の誘発は、細胞のTRAF2の量を有意に減少する結果となり、受容体複合体内でのそのユビキチン化は分解の標的とされることを示している。TRAF2へのライゲーションがSIVA2により促進されるユビキチン鎖は、通常のプロテオソーム分解を促進するユビキチン化と同様に、最初にK48に結合され、このSIVA2作用がCD27によるTRAF2文化の誘導に寄与する可能性を上昇させる。一貫して、SIVA発現のノックダウンは、CD27によるTRAF2のダウンレギュレーションを防止し、一方SIVA2の誘導はそれを増強した。
【0086】
上述のように、SIVAのノックダウンは代替的NF−κB経路の構造的活性化ももたらした。cIAP1発現の抑制はNF−κB活性化ももたらし(Varfolomeevら、2007)(Vinceら、2007)、さらに、TNF/NGFファミリーの別の受容体であるTNF−RIIによるTRAF2のダウンレギュレーションを低下させる(Liら、2002)。本発明によれば、cIAP1のノックダウンは(SIVA2のノックダウン同様)、代替的NF−κB経路の構造的活性化と一緒に、CD27によるTRAF2のダウンレギュレーションも低下させた。これらの知見により、SIVA2およびcIAP1は、CD27によるTRAF2分解の誘導およびNF−κBの調節において共通の役割を果たしているということが示唆される。
【0087】
SIVA2の機能に関するこれらの知見を考慮すると、SIVA2安定化の特異的モジュレーションは、SIVA2のレベルまたは活性が関係する状況の治療(予防または処置)または診断において、および/またはTNF/NGFファミリーのいくつかの受容体メンバーによるタンパク質合成の方向へ活性化されるシグナル伝達経路、そして特に代替経路を活性化するものがその病因または経過に関係する状況において使用することができる。
【0088】
したがって、本発明の1つの実施態様において、安定化されたSIVA2は、疾患、障害または症状が不適切なNIK−媒介活性またはNIK媒介NF−κB活性により特徴付けられる、たとえば発達障害、細胞増殖性障害および免疫障害などにおいて、NIKおよびNF−κBの活性をモジュレートするのに有用である。1つの実施態様において、疾患、障害または症状は、NIKおよびNF−κB活性の増加により媒介される、宿主免疫の増加、炎症性応答および/または細胞増殖により特徴付けられ、したがって、安定化したSIVA2は当該疾患の治療に使用することができる。
【0089】
SIVA2の安定性のモジュレーションが有益であるそのような状況には、発達障害;たとえば癌、黒色腫、肉腫、腎腫瘍、結腸腫瘍などの腫瘍性疾患などの細胞増殖性障害;遺伝性障害;神経系障害;代謝異常;感染症および他の病的症状;変形性関節症、自己免疫疾患、リウマチ性関節症、乾癬、全身性多発性硬化症、およびエリテマトーデスなどの免疫障害;糸球体腎炎、アレルギー、鼻炎、結膜炎、ブドウ膜炎、消化系炎症、クローン病および潰瘍性大腸炎などの炎症性大腸炎、重症筋無力症、膵炎、敗血症、内毒素性ショック、悪液質、筋肉痛、強直性脊椎炎、喘息、気道炎症などの炎症性障害;創傷治癒;皮膚病;老化;ならびに、原虫(plasmodium)感染症、細菌感染症およびウイルス感染症などの感染症がある。したがって、安定化したSIVA2は、そのような状況の治療のための医薬の製造において使用することができる。
【0090】
本発明の1つの実施態様において、細胞におけるSIVA2の減少、NIK活性および/またはNF−κB活性の増加が関係する、原発腫瘍および転移の両方を含む悪性腫瘍、喘息、リウマチ性関節炎、アテローム性動脈硬化症、炎症などの疾患、障害または症状は、細胞におけるNIKの活性および/またはNF−κB活性をダウンレギュレーション/阻害できる本発明の安定化されたSIVA2を投与することにより治療され得る。
【0091】
本発明は、細胞におけるその活性をモジュレートするため、そしてSIVA2の活性が、直接的または他のTNF/NGF経路のモジュレータ/メディエータを介して間接的に関与する炎症、細胞死または細胞生存経路に対する細胞内効果をモジュレート/媒介するために、SIVA2の安定性のモジュレーションを可能にする。SIVA2活性をモジュレーションするために、細胞を、該細胞に安定化されたSIVA2を導入することにより、または細胞内でSIVA2のモジュレーションを誘導することにより処理することができる。本発明の1つの実施態様において、SIVA2ポリヌクレオチドは、該ポリヌクレオチドの宿主細胞への挿入を、該配列が該細胞において発現されるようにできる好適なベクターに担持される。そのベクターは、発現されたSIVA2を安定化するために、O−GlcNAcトランスフェラーゼ、および/またはNIK、TRAF2、cIAP1のリング−フィンガー突然変異体(H588A)、またはGlcNアシル化(acidase)の阻害剤などのタンパク質のGlcNAc部分を増加することができる酵素をコードする配列も担持するウイルスベクターであってよい。その処理は、細胞をベクターで感染させることより成すことができる。インビボにおけるSIVA2の過剰発現は、O−GlcNacトランスフェラーゼ(OGT)の発現または活性が高い、またはO−GlcNacaseの発現または活性が減少した結果タンパク質のO−GlcNac含量の増加を示す特定の病状または特定の条件下で有利である。そのような細胞がO−GlcNac含量の増加を示す特定の病状の例は、II型糖尿病である(Slawsonら、2006)。たとえば、処理すべき細胞に、たとえば低体温条件によりストレスを与えることにより、OGT誘導と一緒のインビボでのSIVA2の過剰発現が有利である(Slawsonら、2006)。
【0092】
SIVA2の安定化を減少させることは、SIVA2のレベルの増加、NF−κBまたはNIKの活性の減少が関係する疾患、障害または症状を治療するために達成できる。細胞におけるNF−κBまたはNIKのレベルの増加が望まれる場合、SIVA2安定化の低下は、以下の、SIVA2の翻訳後修飾、(i)O−GlcNアシル化;(ii)SIVA2のセリン残基5、50および51のリン酸化;(iii)ユビキチン化;または(iv)(i)〜(iii)の組合せを減少させることにより行われる。SIVA2の安定性の低下は、たとえばSIVA3SAおよびSIVA6SA突然変異体におけるようにこれらの残基を突然変異させることによる、SIVA2のセリン残基5、50および51(3S)、および特にセリン残基5、21、26、35、50および51(6S)におけるリン酸化の減少により;またはSIVA2活性に競合するためにこれらの突然変異体を用いることにより、たとえばβ−D−N−アセチルヘキソサミニダーゼ処理により、たとえばO−GlcNアシル化を弱めることにより、AcトランスフェラーゼO−グルコシル化の阻害およびO−GlcNアシル化の特異的な阻害、O−GlcNAcトランスフェラーゼ活性の減少、O−GlcNAcaseの活性化、UDP−GlcNAcのレベルの低下、およびcIAP1の使用により達成することができる。SIVA2の安定性の低下は、たとえば免疫障害を有する対象などで免疫応答を破壊するために使用され得る。また、SIVA2の安定性の低下は、虚血/再灌流において使用され得る。なぜなら、この症状はSIVAのレベルの増加に伴うものであるからである(Padanilamら、1998)。SIVA2安定性の減少は、たとえば正常細胞におけるアポトーシスを減少するためなど、アポトーシスの減少が望まれる場合に使用され得る。
【0093】
本発明は、対象における疾患を診断するための方法および/またはキットであって、該対象由来の組織におけるSIVA2の翻訳後修飾(i)O−GlcNアシル化;(ii)SIVA2のセリン残基5、50および51のリン酸化;(iii)SIVA2のK17および/またはK99残基におけるユビキチン化;または(iv)(i)の組合せを評価すること、および翻訳後修飾の前記レベルを対照レベルと比較することを含む方法および/またはキットを提供する。その対照レベルは、健康な個体におけるレベルである。対照レベルと異なる対象におけるSIVA2の翻訳後修飾のレベルが、疾患の指標となる。また、本発明は、治療的処置の前、後および/または中に患者由来の組織における翻訳後修飾のレベルをモニターすることにより、患者における疾患の治療的処置をモニターするための同様の方法を提供する。治療的処置の前の患者のSIVA2の翻訳後修飾のレベルと異なる治療的処置の後の患者のSIVA2の翻訳後修飾のレベルが、治療の有用性の指標となる。組織におけるSIVA2の翻訳後修飾は、たとえば以下の実施例に示すように測定することができる。本発明の特定の方法およびキットを使用し、SIVA2の翻訳後修飾を、SIVA2の翻訳後修飾のレベルとヒト疾患、障害または症状との関連性を見出すために使用され得、該疾患、障害または症状は、その後SIVA2の翻訳後修飾を調節できる薬剤を投与することにより予防、治療または軽減され得る。
【0094】
これらのツールのいくつかの、治療にまたは診断にまたは調査に関連した使用は、生きている生物の細胞中へのそれらの導入を余儀なくさせる。この目的のために、ペプチド、タンパク質およびオリゴヌクレオチドの膜透過性を改善することが望まれる。新油性構造との誘導体化は、増強された膜透過性を有するペプチドおよびタンパク質の作製に使用され得る。たとえば、前述のように既知の膜向性ペプチドの配列が、ペプチドまたはタンパク質の配列に追加され得る。さらに、ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも1つの極性または荷電された基で置換されている、前記炭化水素鎖などの部分的に新油性の構造により誘導体化され得る。たとえば、ペプチドのラウロイル誘導体は、Muranishiら1991年に説明されている(Lipophilic peptides: synthesis of lauroyl thyrotropin-releasing hormone and its biological activity. Pharm Res. 1991 May; 8(5):649-52)。ペプチドおよびタンパク質のさらなる修飾には、Zachariaら1991年により説明されているように、スルホキシド基を作り出すメチオニン残基の酸化が含まれる(Eur J Pharmacol. 1991 Oct 22;203(3):353-7)。Zachariaおよび共同研究者らは、比較的疎水性のペプチド結合がそのケトメチレンイソエステル(COCH2)に置き換えられたペプチドまたは誘導体も記載している。これらの修飾そしてタンパク質およびペプチド化学の分野において当業者に知られた他の修飾が、膜透過性を向上させる。
【0095】
膜透過性を向上させる別の方法には、ペプチドまたはタンパク質の細胞取り込みを誘導するために細胞表面上のウイルスレセプターなどのレセプターの使用がある。この機序は、ウイルスにより頻繁に使用され、特定の細胞表面分子に特異的に結合する。結合すると、細胞はウイルスをその内部に取り込む。細胞表面分子は、ウイルスレセプターと呼ばれる。たとえば、インテグリン分子CARおよびAdVは、アデノウイルスに対するウイルスレセプターとして記載されている、Hemmiら1998年(Hum Gene Ther. 1998 Nov 1;9(16):2363-73)およびその参考文献参照。CD4、GPR11、GPR15およびSTRL33分子は、HIVに対するレセプター/コレセプターとして同定されている、Edingerら、1998年(Virology. 1998 Sep 30;249(2):367-78)およびその参考文献参照。
【0096】
したがって、細胞表面レセプターに結合することが知られている分子へ、ペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドをコンジュゲートすることは、該ペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドの膜透過性を向上させる。コンジュゲートを形成するための好適な群の例は、糖、ビタミン、ホルモン、サイトカイン、トランスフェリン、アシアロ糖タンパク質などの分子である。Lowら(米国特許第5,108,921号明細書)は、ペプチド、タンパク質およびオリゴヌクレオチドの膜透過性を向上させる目的でのこれらの分子の使用とそのコンジュゲートの製造方法を記載している。
【0097】
Lowおよび共同研究者は、さらに葉酸またはビオチンなどの分子がそのコンジュゲートを生物における多数の細胞への標的とするために使用することができる。これは、これらの分子のレセプターが豊富にかつ非特異的に発現しているためである。
【0098】
本発明のペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドの膜透過性を向上させるための非細胞表面タンパク質の前記使用は、本発明の該ペプチド、タンパク質またはオリゴヌクレオチドを特定の種類の細胞または組織に標的化するのにも使用され得る。たとえば、癌細胞を標的化したい場合、それらの細胞の表面により豊富に発現される細胞表面タンパク質を使用することが好ましい。そのような例としては、葉酸レセプター、ムチン抗原MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、MUC5AC、MUC5BおよびMUC7、糖タンパク質抗原KSA、癌胎児性抗原、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、HER−2/neu、およびヒト絨毛性ゴナドトロピン−ベータがある。前記Wangら、1998年(J Control Release. 1998 Apr 30;53(1-3):39-48. Review.)には、癌細胞を標的化するための葉酸の使用が教示されており、そしてZhangら、1998年(Clin Cancer Res. 1998 Nov;4(11):2669-76およびClin Cancer Res. 1998 Feb;4(2):295-302)には、様々な種類の癌および正常細胞において前述の他の各抗原の相対存在量が記載されている。
【0099】
SIVA2および/またはその安定性を変更することのできるタンパク質は、したがって、前記コンジュゲーション技術を用い、要望通りに特定の細胞種に標的化され得る。たとえば、リンパ球系統の細胞においてNIKを阻害したい場合、本発明SIVA2のポリペプチドまたはポリヌクレオチドまたは化合物が、たとえばこれらの細胞上に発現されるMHCクラスII分子を用いることによってそのような細胞を標的とし得る。これは、前記MHCクラスII分子の定常領域に対する抗体またはその抗原結合部位を本発明のタンパク質またはペプチドとカップリングさせることにより達成される。さらに、様々なサイトカインに対する多数の細胞表面レセプターおよび他の細胞コミュニケーション分子が記載されており、これらの分子の多くは、多かれ少なかれ組織または細胞の種類に制限された様式で発現される。したがって、T細胞のサブグループを標的化したい場合、CD4 T細胞表面分子を本発明のコンジュゲートの生産に使用してもよい。CD4−結合分子はHIVウイルスにより提供され、その表面抗原gp42はCD4分子に特異的に結合することができる。
【0100】
1つの実施態様において、ペプチドおよびポリヌクレオチドは、ウイルスベクターを使用することにより細胞に導入し得る。この目的のためのワクシニアベクターの使用は、Current Protocols in Molecular Biologyの第16章に詳しく述べられている。アデノウイルスベクターの使用は、たとえばTeohら(Blood. 1998 Dec 15;92(12):4591-601)、Narumiら、1998年(Blood. 1998 Aug 1;92(3):822-33およびAm J Respir Cell Mol Biol. 1998 Dec;19(6):936-41)、Pedersonら、1998年(J Gastrointest Surg. 1998 May-Jun;2(3):283-91)、Guang-Linら、1998年(Transplant Proc. 1998 Nov;30(7):2923-4)およびそのなかの参考文献、Nishidaら、1998年(Spine. 1998 Nov 15;23(22):2437-42)、Schwarzenbergerら、1998年(J Immunol. 1998 Dec 1;161(11):6383-9)、ならびにCaoら、1998年(Gene Ther.1998 Aug;5(8):1130-6)により説明されている。アンチセンス配列のレトロウイルス導入は、Danielら、1998年(J Biomed Sci.1998 Sep-Oct;5(5):383-94)により説明されている。
【0101】
ベクターとしてウイルスを使用する場合、ウイルス表面タンパク質が通常そのウイルスの標的化に使用される。上記のアデノウイルスなどの多くのウイルスはその向細胞性がかなり非特異的であるため、細胞型または組織特異的プロモータを使用することによりさらに特異性を与えることが望ましい。Griscelliら、1998年(Hum Gene Ther. 1998 Sep 1;9(13):1919-28)は、導入がアデノウイルスにより媒介される遺伝子の心臓特異的標的化のための心室特異的心臓ミオシン軽鎖2プロモータを教示している。
【0102】
あるいは、ウイルスベクターは、その表面に付加的タンパク質を発現するように設計されてもよく、またはウイルスベクターの表面タンパク質は所望のペプチド配列を組み込むように変更してもよい。したがって、ウイルスベクターは、該ウイルスベクターを標的化するために使用され得る1つ以上の付加的なエピトープを発現するように設計されていても良い。たとえば、サイトカインエピトープ、MHCクラスII−結合ペプチド、またはホーミング分子由来のエピトープは、本発明の教示に従い、ウイルスベクターを標的化するために使用することができる。SIVA2およびその安定性を改変できるタンパク質は、特定の細胞における選択的な発現を可能にするプロモータを導入することにより標的化することができる。
【0103】
本発明の知見は、TNF/NGFファミリーのレセプターが誘発される場合、SIVA2が安定化し(TRAF2およびNIK)、そしてこれはSIVA2細胞レベルの増加という結果をもたらすということを示す。このSIVA2レベルの増加が起こると、SIVA2はTRAF2、cIAP1およびNIKに結合する。この結合とSIVA2 E3活性の結果として、TRAF2はダウンレギュレートされる。TRAF2のダウンレギュレーションの結果として、レセプターによるシグナル伝達(正準および代替経路の両方の活性化のためのシグナル伝達、ならびにJNKおよびp38MAPキナーゼのためのシグナル伝達)が停止する。したがって、SIVA2の安定化を阻害する分子およびSIVA2のcIAP1またはTRAF2との相互作用を阻害できる分子の両方が、TNF/NGFファミリーのレセプターによるシグナル伝達の延長を誘導するであろう。そのようなTNF/NGFファミリーのレセプターによるシグナル伝達の延長の潜在的な用途は、抗体の作出などの免疫機能の増強に関するものです。そのようなTNF/NGFファミリーのレセプターによるシグナル伝達の延長を得ることが望まれる対象の例は、AIDS患者、免疫抑制された癌患者、および高齢者である。反対に、SIVA2の安定化またはそのcIAP1またはTRAF2との相互作用を促進できる分子は、TNF/NGFファミリーのレセプターによるシグナル伝達をダウンレギュレートするであろう。TNF/NGFファミリーのレセプターによるシグナル伝達のダウンレギュレーションを誘導することが望まれる例は、SLE RAなどの自己免疫疾患、または腎虚血である。したがって、本発明は、SIVA2とTRAF2との複合体およびSIVA2とcIAP1との複合体、ならびに疾患、障害または症状においてTNF/NGFファミリーのレセプターによるシグナル伝達を改変することができる分子をスクリーニングするためのこれらの複合体の使用を提供する。
【0104】
1つの実施態様において、本発明は、SIVA2とcIAPまたはTRAF2とを接触させること、候補分子の存在下および非存在下でSIVA2とcIAPまたはTRAF2との複合体のレベルをモニターすることを含む、疾患、障害または症状においてTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をモジュレートできる分子のスクリーニング方法であって、候補分子の存在下でのSIVA2−cIAPまたはSIVA2−TRAF2複合体のレベルの変化が、該候補分子がTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をモジュレートするということの指標となる方法を提供する。
【0105】
別の側面では、本発明は、候補分子の存在下および非存在下でSIVA2の安定性を誘導することを含む、疾患、障害または症状においてTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をモジュレートできる分子のスクリーニング方法であって、候補分子の存在下で安定化されたSIVA2のレベルの変化が、該候補分子がTNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をモジュレートするということの指標となる方法を提供する。
【0106】
そのような方法で選抜され、SIVA2の安定性を遮断することが見出され、またSIVA2とcIAP1またはTRAF2の相互作用を遮断できることが見出される分子は、TNF/NGF受容体のメンバーによるシグナル伝達の延長に有用である。反対に、そのようなアッセイで選抜され、SIVA2の安定性またはSIVA2のcIAP1またはTRAF2との相互作用を促進できることが見出される分子は、TNF/NGF受容体ファミリーのメンバーによるシグナル伝達をダウンレギュレートするのに有用である。
【0107】
SIVA2とcIAP1またはTRAF2とのレベルをモニターするアッセイや、SIVA2の安定性をモニターするアッセイの例は、以下の実施例において提供する。
【0108】
本発明のスクリーニング方法において選抜され得る候補分子の例は、低分子量有機分子、ペプチド(抗体など)、核酸、および天然の抽出物由来の分子、炭水化物または他の任意の物質が含まれるが、これらに限定されるものではない。検査薬は、たとえばコンビナトリアルケミストリーにより作り出される合成有機化合物を含む。検査化合物は、コンビナトリアルケミストリーによってのみならず、他のハイスループット合成法によっても得ることができる。オートメーション化された技術は、選抜され得る分子のライブラリ、個別化合物(discrete compounds)の多数のコレクションの迅速合成を可能にする。大規模かつより多様な化合物ライブラリの製造により、ライブラリ内に有用な薬物を発見する可能性が増大する。ハイスループットスクリーニングでは、何千もの分子を検査するためにロボットを使用することができる。
【0109】
本発明の組成物は、多種多様な方法で患者に投与することができる。肝臓内、皮内、経皮(たとえば徐放製剤などで)、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、経口、硬膜外、局所および鼻腔内投与などの任意の好適な投与経路が本発明により予想されるが、これらに限定されるものではない。組成物は、他の生物学的に活性な薬剤と一緒に投与することもできる。
【0110】
「薬学的に許容され得る」との定義は、活性成分の生物学的活性の有効性を妨害せず、かつ投与される宿主に対して毒性がない、あらゆる担体を包含することを意味する。たとえば、非経口投与については、本発明の物質は、生理食塩水、デキストロース溶液、血清アルブミンおよびリンガー溶液などのビヒクル中で注射用単位剤形に製剤され得る。
【0111】
「治療的に有効量」とは、その量が投与されると、本発明の物質が治療に有益な効果を誘導する量である。単回投与または複数回投与として個体に投与される投薬量は、投与経路、患者の状態および特徴(性別、年齢、体重、健康状態、および大きさ)、症状の範囲と重症度、併用療法、治療の頻度および所望の効果などの様々な因子によって変わり得る。確立された投与量の調整と取り扱いは、十分当業者の能力の範囲内である。
【0112】
用語「投薬量(dosage)」は、投与頻度および投与回数の決定および制御と関係する。
【0113】
本明細書において引用される、論文、要約、公開もしくは未公開特許出願、発行特許または他のあらゆる参考文献を含むすべての参考文献は、本明細書に参考文献として完全に組み込まれる。
【0114】
ここで、本発明を以下の非制限的な実施例により説明する。
【実施例】
【0115】
材料および方法
試薬:mCD70、hCD40Lは、関連発現構築物によるヒト胚性腎臓HEK−293T細胞の大スケールトランスフェクションにより製造した(下記参照)。腫瘍壊死因子(TNF)は、オーストリア、ビエナのボーリンガー研究所のG.アドルフ博士から提供されたものを、100ng/mlの濃度で細胞に適用した。フィトヘマグルチニン(PHA)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン(DON)、カンプトテシン(CPT)、N−アセチル−D−グルコサミンおよびシスプラチン(CIS)は、シグマ社から購入した。MG132、ベンジル−α−GalNAc(BADGP)、ラクタシスチンおよびポナステロンは、カルビオケム社(Clbiochem)から購入した。ピューロマイシンはインビトロジェン社(Invitrogen)から、アガロース−結合コムギ胚芽凝集素(WGA)はベクターラボラトリー社(Vector Laboratories)から、そしてβ−D−N−アセチルヘキソサミニダーゼはV−ラブ社(V-Lab)から購入した。E1およびE2酵素はボストンバイオケム社(Boston Biochem)およびアレキシスバイオケミカル社(Alexis Biochemicals)から購入した。[32P]オルトリン酸はアマシャムバイオサイエンス社(Amersham Biosciences)から、ストレプトアビジンHRPはピアス社(Pierce)から購入した。
【0116】
細胞:末梢血単核細胞(PBMCs)は、軟膜試料から単離され、記載されたように培養した(Ramakrishnanら、2004)。SIVA2またはSIVA1を発現するエクジソン誘導性EcR−293−CD27細胞株(EcR−293−CD27−SIVA2またはEcR−293−CD27−SIVA1)とEcR−293−CD40を、製造者(インビトロジェン)の使用説明書に従い、リン酸カルシウム法を用いたトランスフェクションにより作製した。全ての接着細胞、HEK−293T、EcR−293(インビトロジェン)、HeLa、HeLa T−REx(インビトロジェン)、およびHepG2は、ダルベッコ改変イーグル培地で培養された。培養培地は10%ウシ胎仔血清、ペニシリン100U/mlおよびストレプトマイシン100μg/mlを補足した。ヒトリンパ芽球様細胞株、ラモス(ヒトバーキットリンパ腫細胞株)およびBJAB(B−リンパ芽球腫細胞株)はRPMI培地で培養された。エクジソン誘導性EcR293−CD27およびEcR293−CD40細胞株は、ヒトCD27およびCD40それぞれに対するcDNAによるそれらの安定なトランスフェクションにより作製された。SIVA2またはSIVA1を発現するEcR293−CD27細胞株(EcR−293−CD27−SIVA2またはEcR−293−CD27−SIVA1)は、リン酸カルシウム法を用いたトランスフェクションにより作製し、mycNIKおよびmycNIK(K670A)を後にこれらの細胞にレトロウイルスによる形質導入と1μg/mlピューロマイシンによる選択で導入した。構造的にmyc−NIKを発現するラモス細胞は、レトロウイルスによる形質導入で作製し、1μg/mlピューロマイシンで選択した。myc−NIKを安定的に発現するBJAB細胞は、エレクトロポーレーションおよび0.5mg/mlのG418による選択により作製した。その後、SIVA2は、これらの細胞へのレトロウイルスによる形質導入および1μg/mlピューロマイシンでの選択により導入した。ブラストサイジン選択下でTetリプレッサ(インビトロジェン)を安定的に発現するラモス T−REx細胞は、pcDNA6/TRプラスミドおよびアマクサヌクレオフェクション(Amaxa nucleofection)を用いて作製した。これらの細胞は、pcDNA4ベクター(インビトロジェン)のテトラサイクリンオペレータおよびCMVプロモータ下の、SIVA2(ラモス T−REx−SIVA2)、SIVA2(C73A)(ラモス T−REx−SIVA2(C73A))、またはSIVA1(ラモス T−REx−SIVA1)cDNAで、記述されているようなレンチウイルスシステムにより導入した(Loisら、2002; Ramakrishnanら、2004)。T−REx細胞は、テトラサイクリン不含血清(インビトロジェン)で培養された。SIVA1およびSIVA2は、EcR293細胞ではポナステロン(5μg/ml)で、そしてラモス T−REx細胞ではドキシサイクリン(1μg/ml)で誘導された。
【0117】
酵母ツーハイブリッド試験
NIK、SIVAおよびTRAF2のcDNAを、pGBKT7またはpGBT9(ベイトベクターとして)、pGADT7(プレイベクターとして)で発現させた。結合は、供給者(クローンテック)の取扱説明書にしたがってSFY526レポーター酵母株で評価した。
【0118】
哺乳類発現ベクター
SIVA2、SIVA1をPCRでESTsからクローニングした。SIVA配列をNCBI配列NM_006427(SIVA1、配列番号10)およびNM_021709(SIVA2、配列番号11)と確認した。CD70およびhCD40Lの細胞外ドメイン用の発現ベクター、myc−タグ化野生型および「キナーゼデッド」NIK(KD−NIK)用の発現ベクター、およびヒトCD27用の発現ベクターは、すでに記述されている(Ramakrishnan, 2004)。レトロウイルス形質導入のために、myc−NIKをpBABE5puroベクターにクローニングした。pEGFPはクローンテックから購入した。SIVA2、TRAF2、NIK、およびUbc13における点突然変異は、PfuターボDNAポリメラーゼ(ストラタジーン)を用い位置指定突然変異技術により作出された。FLAG−GST−BR3−ICD*(TRAF3の結合を防ぐ変異[PVPAT>AVAAA]を有するBAFF受容体の細胞内ドメイン[アミノ酸100〜184])をCD70およびhCD40Lの細胞外ドメインに使用されるベクターと、後者ではリーダー配列が除去されている以外は同じベクターで発現された。ユビキチン突然変異体のためのcDNAは記述されている(Kovalenkoら、2003)。増強された緑色蛍光タンパク質プラスミド(pEGFP)は、クローンテックから購入した。N−末端FLAG−タグcIAP1およびcIAP1 H588A(cIAP1mut)は、レスター大学のGerry M Cohen博士のご厚意により提供されたcIAP発現ベクターからサブクローニングにより作出した。
【0119】
RNA干渉によるタンパク質合成の抑制のために使用されるオリゴヌクレオチド配列
以下のsiRNA配列は、pSUPERベクター(Brummelkampら、2002)中にスペーサーとして使用される配列ttcaagaga(配列番号1)と共に導入された。ヒトSIVA−NC3用、センス鎖5'-gatcccctgaataaacctctttatatttcaagagaatataaagaggtttattcatttttggaaa-3'(配列番号2)およびアンチセンス鎖5'-agcttttccaaaaatgaataaacctctttatattctcttgaaatataaagaggtttattcaggg-3'(配列番号3);SIVA275用、センス鎖5'-gatccccactgcagtgacatgtacgattcaagagatcgtacatgtcactgcagttttttggaaa-3'(配列番号4)およびアンチセンス鎖5'-agcttttccaaaaaactgcagtgacatgtacgatctcttgaatcgtacatgtcactgcagtggg-3'(配列番号5);GFP用、センス鎖5'-gatccccgctacctgttccatggccattcaagagatggccatggaacaggtagctttttggaaa-3'(配列番号6)およびアンチセンス鎖5'-agcttttccaaaaagctacctgttccatggccatctcttgaatggccatggaacaggtagcggg-3'(配列番号7)。
【0120】
抗体
ヒトSIVA2に対するモノクローナル抗体は、細菌的に作出したGST−SIVA2での免疫化によりマウスで起こし、Trx−HIS−SIVA2でアフィニティー精製した。この抗体はSIVA1およびSIVA2の両方を認識した。抗−HIS、抗−FLAG、抗−FLAG M2−ビーズ、および抗−β−アクチンはシグマから購入した。抗−ユビキチンおよび抗−GSTは、コーヴァンス(Covance)からであり、抗−GFPはロッシュ(Roche)から購入し、抗CD27CD27、TNFR1、TRAF2、Oct−1およびHAはサンタクルーズバイオテクノロジー(Santa Cruz Biotechnology)から購入した。抗−NIKモノクローナル抗体は、以前に記述されている(Ramakrishnan, 2004)。ウエスタン分析に使用された抗−HAモノクローナル抗体(クローン−12CA5)と、抗−mycモノクローナル抗体(クローン−9E10)とは、それらの対応するペプチドを結合させたアフィニティーカラム上でマウスの腹水から精製された。
【0121】
組換えタンパク質の発現
細菌の発現について、SIVA2のGST−融合タンパク質を、製造業者(ファルマシア バイオテック(Pharmacia Biotech))のGST遺伝子融合システムプロトコールにしたがって、pGEX2Tベクター中にクローニングし、発現させた。一過性のトランスフェクション、全タンパク質抽出、核および細胞質タンパク質分離、免疫沈降、免疫ブロッティング、およびインビトロキナーゼアッセイは、記述されている(Ramakrishnanら、2004)ように行った。FLAG−SIVA2は、pET44ベクターを用いて発現され、そしてTRAF3(Trx−HIS−TRAF3)およびSIVA2(Trx−HIS−SIVA2)は、BL−21(DE3)pLysS細胞(ノバジェン(Novagen))においてpET32ベクター(ノバジェン)を用いてTrx融合として発現された。すべてのタンパク質の誘導は、0.2mMのイソプロピル−β−D−チオ−ガラクトピラノで、0.4〜0.5のOD600で実施された。
【0122】
ルシフェラーゼアッセイ
HEK293T細胞(2×105細胞)を6ウェルプレートに播種し、カルシウム−リン酸沈殿法によりトランスフェクトした。ヒト免疫不全ウイルス長い末端反復配列(HIV−LTR)NF−κBプロモータの制御下ルシフェラーゼcDNAをレポータープラスミドとして使用した。表示時間で、細胞を溶解緩衝液120μl中で記載されているように溶解し、10〜20μlのライセートを25℃で4時間Lumac BiocounterサイドにおいてD−ルシフェリン基質を用いるアッセイに使用した。
【0123】
インビトロタンパク質結合アッセイ
精製されたタンパク質を、30mM HEPES pH7.6、5mM MgCl2、150mM NaCl、および0.5mMジチオスレイトール(DTT)を含む50μlの緩衝液中、30℃で1時間インキュベートした。後で、結合混合物を、1%トリトンX−100と1mM EDTAとを加えた同じ緩衝液で1mlまで希釈し、ついで免疫沈降に付した。
【0124】
siRNAおよびレンチウイルス形質導入
TRAF2、cIAP1、およびsiCONTROL非標的siRNAはダーマコン(Dharmacon)から購入した。siRNAは前述したレンチウイルス形質導入により安定に発現した(Ramakrishnanら、2004)。siRNAはリポフェクタミン2000試薬(インビトロジェン)で一時的にトランスフェクトされた。
【0125】
インビトロユビキチン化
インビトロでのユビキチン化は、30mM HEPES pH7.6、5mM MgCl2、2mM ATP、0.5mM DTT、10mM クエン酸ナトリウム、10mMリン酸クレアチン、0.2μg/mlクレアチンキナーゼおよび5μMユビキチンアルデヒドを含む緩衝液中において、組換えユビキチン(8μg)、E1酵素(0.2μg)、表示されたE2酵素(0.5μg)、およびグルタチオンアガロースに結合した組換えGST−SIVA2またはGST−SIVA2(C73A)1〜2μgを含む50μl反応容量でアッセイされた。反応は、断続的なかく拌下37℃で2時間インキュベートされた。反応上清は、溶液中に形成された遊離のポリユビキチン鎖について分析された。SIVA2の自己ユビキチン化のアッセイのために、グルタチオンビーズを20mM HEPES pH7.6、250mM NaCl、1mMDTT、1%トリトンX−100、完全プロテアーゼ阻害剤カクテル(Complete Protease Inhibitor Cocktail)を含む緩衝液で3回洗浄し、LDSサンプル緩衝液(インビトロジェン)で煮沸し、そしてウエスタンブロッティングで分析した。インビトロ基質ユビキチン化アッセイに対して、0.5〜1μgの組換えGST−TRAF2、Trx−HIS−TRAF3、細胞性TRAF2(C34A)またはcIAP1を反応に添加した。インキュベーション後、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むサンプル緩衝液中で煮沸することにより反応を停止させた。煮沸したサンプルを、20mM HEPES pH7.6、150mM NaCl、0.2% NP−40、1mM EDTA、および完全プロテアーゼ阻害剤カクテルを含む緩衝液で1mlまで希釈した。特定のタンパク質を4℃で2時間免疫沈降し、4〜12% NuPAGE Novex Bis−Trisゲル(インビトロジェン)を用いてウエスタンブロッティングでアッセイした。
【0126】
半定量的RT−PCRおよびリアルタイムPCR
RNAは、製造業者の取扱説明書にしたがい、RNeasy Mini Kit(キアゲン)を用いて製造された。SIVA2メッセージに対する半定量的RT−PCRは、MMLV逆転写酵素およびオリゴdTプライマー(プロメガ)でおこなった。SIVA1、SIVA2、およびSIVA3は、以下のプライマー:BamHI部位を含むセンス鎖、5'-cgcggatccaacatgcccaagcggagctgcccc-3'(配列番号8)、およびXhoI部位を含むアンチセンス鎖5'-ccgctcgaggccagcctcaggtctcgaacatgg-3'(配列番号9)を用いて増幅された。
【0127】
インビボ[32P]オルトリン酸標識化
細胞でのSIVA2のリン酸化は、HEK−293T細胞において[32P]オルトリン酸での代謝的標識化により評価された。細胞は、トランスフェクション後22時間、10%透析血清を含むリン酸不含培地で培養された。血清は、10mMトリシン緩衝生理食塩水pH7.4に対して48時間透析した。リン酸不含培地において90分間の飢餓の後、[32P]オルトリン酸(0.4mCi/ml)を90分の付加期間に添加した。MG132を1つのサンプルに最後の2時間添加した。細胞をトランスフェクションの25時間後に回収し、リン酸不含培地で2回洗浄し、そしてキナーゼ溶解緩衝液に溶解した(Ramakrishnanら、2004)。SIVA2は、FLAGタグを介して免疫沈降され、そしてリン酸の取り込みをオートラジオグラフィーにより評価した。
【0128】
クーマシーブルー染色ゲルからのSIVA2の電気溶出
SIVA2は、FLAG−SIVA2およびNIKで同時トランスフェクトしたHEK−293T細胞の抽出物から、抗−FLAG−M2ビーズとの免疫沈降により単離し、GeBAflex−tube(ジーンバイオアプリケーション)において150Vで2時間電気溶出した。溶出緩衝液は0.025%(w/v)SDS、25mMトリス緩衝液、および250mMトリシン緩衝液(pH8.5)を含有した。電気溶出に続いて、SDSは冷50%(w/v)トリクロロ酢酸中で、0.5%(w/v)デオキシコール酸ナトリウムの存在下で沈殿により除去され(Montigny, C.ら、Fe2+-catalyzed oxidative cleavages of Ca2+-ATPase reveal novel features of its pumping mechanism. J Biol Chem 279, 43971-43981 (2004))、サンプルは質量分析法(MS)により分析された。
【0129】
ゲル内消化
タンパク質のバンドをSDSゲルから切り出し、ゲルコードで染色し、50mM重炭酸アンモニウム中の50%アセトニトリルで複数回洗浄することにより脱染色した。そのタンパク質のバンドは、その後還元され、アルキル化され、そして説明されているように37℃で、50mM重炭酸ナトリウム中、12.5ng/μlの濃度でウシトリプシン(配列決定等級、ロッシュ)、Lys C、およびエンドプロテイナーゼGlu−C(V8)(共にベーリンガーマンハイム)によるゲル内消化に付された(Shevchenko, A., Wilm, M., Vorm, O. & Mann, M. Mass spectrometric sequencing of proteins silver-stained polyacrylamide gels. Anal Chem 68, 850-858 (1996))。抽出されたペプチド溶液を次のマトリクス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型Matrix−Assisted Laser Desorption Time−Of Flight−ionization(MALDI−TOF)分析およびエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)のために乾燥した。
【0130】
サンプル調製
0.1%トリフルオロ酢酸に溶解された抽出ペプチド混合物のアリコートは、高速エバポレーション法(Jensen, O.N., Podtelejnikov, A. & Mann, M. Delayed extraction improves specificity in database searches by matrix-assisted laser desorption/ionization peptide maps. Rapid Commun Mass Spectrom 10, 1371-1378 (1996))または液滴法(Kussmann, M., Lassing, U., Sturmer, C.A., Przybylski, M. & Roepstorff, P. Matrix-assisted laser desorption/ionization mass spectrometric peptide mapping of the neural cell adhesion protein neurolin purified by sodium dodecyl sulfate polyacrylamide gel electrophoresis or acidic precipitation. J Mass Spectrom 32, 483-493 (1997))のいずれかによるMALDI−TOF MSのために使用した。α−シアノ−4−ヒドロキシ−桂皮酸(HCCA)または2,5−ジヒドロキシ安息香酸または両方は、マトリクスとして分析に使用された。サンプルは精製され、ESI−MSのために以前に説明されているように調製された(Wilm, M., Neubauer, G. & Mann, M. Parent ion scans of unseparated peptide mixtures. Anal Chem 68, 527-533 (1996))。マイクロカラムはR2逆相材料(material)(パーセプティブバイオシステムズ(PerSeptive Biosystem)、フレーミングハム)で調製した。ペプチドは60%メタノール/5%ギ酸で直接ナノエレクトロスプレー毛細管に溶出された。
【0131】
完全(intact)質量測定
これは、ディレイドエクストラクションイオン源、反射器、および337−nm窒素レーザーを備えたReflex III MALDI−TOF質量分析計(ブルカー(Bruker))で行った。電子溶出されたタンパク質を80%ギ酸1〜2μlに溶解し、MilliQ H2Oで最終濃度10%まで直ちに希釈した。サンプルを25℃で5〜10分間超音波処理した。サンプルの一部(5%〜25%)が分析に使用された。DHBをマトリックスとして使用した。
【0132】
ペプチド質量マッピングおよびナノ液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析法(ナノ−LC−ESI−MS/MS)によるタンパク質の同定
これらの手法は、Reflex III MALDI−TOF質量分析計および、ナノ−エレクトロスプレー源(MDSプロテオミクス)を備えた四重極衝突セル(MDS-Sciex)を有するAPI Q-STAR Pulsari エレクトロスプレー四重極TOFタンデム質量分析計で行った。
【0133】
プリカーサーイオンスキャンおよびナノ−ESI−MS/MS
プリカーサーイオンスキャンは、m/z−67、−79および−97でのリン酸化セリン、トレオニンおよびチロシンアミノ酸残基の特異的検出のために実験され(Neubauer, G. & Mann, M. Mapping of phosphorylation sits of gel-isolated proteins by nanoelectrospray tandem mass spectrometry: potentials and limitations. Anal Chem 71, 235-242 (1999))、そしてホスホペプチドのMS/MS配列決定は、API Q-STAR Pulsari エレクトロスプレー四重極TOFで行った。質量分解は、10,000〜15,000の範囲で通常得られ(従来の質量分析およびMS/MSの両方の操作モードに対して)、外部較正で少なくとも0.02Daの質量測定正確度が達成された。約2μlのサンプルは、ナノエレクトロスプレーチップ中にロードされた。プリカーサーイオンスキャン実験のために、ペプチド混合物は、本質的に説明されたように6製造および操作されるPoros R2およびPoros オリゴR3吸着剤(パーセプティブバイオシステムズ)で満たされた脱塩毛細管の二重アライメントを用いて脱塩された。リン酸化部位の同定のために、負のモードにおいて多重プリカーサーイオンスキャン実験の間蓄積された全ペプチドのデータをまず解析し、ペプチドの荷電状態を与えるためにESI−MSTOFスペクトル(正のイオンモードで記録された)と比較した。プリカーサーイオンスキャン実験に基づき仮定されたペプチド(Kalkum, M., Lyon, G.J. & Chait, B.T. Detection of secreted peptides by using hypothesis-driven multistage mass spectrometry. Proc Natl Acad Sci U S A 100, 2795-2800(2003))は、ナノ−ESI−MS/MSによるさらなる分析に付された。
【0134】
ナノ−LC−ESI−MS/MS
これは、FAMOSミクロ自動サンプラーおよびAPI Q-STAR Pulsari エレクトロスプレー四重極TOFタンデム質量分析計とつながったSwitchosミクロカラムスイッチングモジュール(LCパッキング(LC Packing)、ダイオネクス(Dionex))から構成される主要(Ultimate)キャピラリー/ナノLCシステムを組み込むナノ−液体クロマトグラフィーシステムで行われた。C18ナノカラム(内径(i.d.)75μm、長さ15mm、粒径5μm(LCパッキング、ダイオネクス)が使用された。カラムを通る流量は、150nl/分であった。緩衝液AおよびB中にギ酸0.1%および2%をそれぞれ含む移動相でメタノール−アセトニトリル勾配が用いられた。使用された勾配は、45分を通して5%〜50%アセトニトリルであった。注入量は5μlであった。ナノ−エレクトロスプレーイオン化源において、ナノ−LCカラムからの毛細管の末端は、ピコチップシリカチューブ(i.d.20μm(ニュー オブジェクティブ))を有するエミッターに、オンラインナノ−LCとナノスプレーを結合するためのPEEKスリーブとのステンレススチール融合(union)により接続された。エレクトロスプレーを生産するために、融合に適用した電話圧は2kVで、およびコーン電圧は3Vであった。アルゴンが、衝突ガスとして1psiの圧力で導入された。ナノ−ESI−MS/MSおよびナノ−LC−ESI−MS/MSにより回収されたペプチドが同定され、そしてそれらのリン酸化残基の位置が、Mascotソフトウェア(マトリクス サイエンス)により検出された衝突誘導解離生成物から決定され、断片化系列の検査マニュアルにより確認された。
【0135】
代謝糖タンパク質標識化
NIKと共発現するSIVA2のインビボでのO−GlcNアシル化は、Click−iT GlcNAz代謝糖タンパク質標識化試薬およびビオチン糖タンパク質検出キット(インビトロジェン)により製造業者の取り扱い説明者にしたがい検出した。標識化されたタンパク質は、ストレプトアビジンHRPでウエスタンブロッティングにより検出された。
【0136】
コムギ胚芽凝集素−レクチン結合アッセイ
細胞を、50mM HEPES pH7.6、150mM NaCl、1%トリトンX−100およびEDTA−不含完全プロテアーゼ阻害剤カクテル(ロッシュ)を含む緩衝液中に溶解した。WGAアガロースビーズを溶解緩衝液で2回洗浄し、ライセートに添加した。糖タンパク質のレクチンへの結合が4℃で2時間、回転器中で進められた。WGAへのO−GlcNアセチル化SIVA2結合の特異性を確認するために、0.5M N−アセチル−D−グルコサミンをレクチン結合アッセイの競合相手として添加した。インキュベーション後、WGAビーズを溶解緩衝液で3回洗浄し、結合したSIVA2をウエスタンブロッティングにより分析した。
【0137】
実施例1:SIVA2のサイトカイン−誘導安定化
多くの細胞型がSIVA1およびSIVA2両方に対するmRNAを発現するが、本発明者らの種々の細胞株の実験においては、本発明者らは相当量のSIVA1タンパク質を検出することができたのみであった(図1A、左パネル)。さらに、一過性のトランスフェクション実験では、SIVA2のcDNAはSIVA1と比較してほとんど発現されなかった(図1A、右パネル)。
【0138】
末梢血単核細胞(PBMCs)におけるSIVA発現のより詳しい実験では、両スプライス変異体の転写産物が見られ、そのうえ、エクソン1および4に相当するより短い変異体(「SIVA3」)まで見られたが、タンパク質自体はほとんど見られなかった(図1Bおよび未掲載データ)。しかしながら、CD70(CD27リガンド)、CD154(CD40リガンド、CD40L)またはTNFによる細胞の処置は、結果としてSIVA2発現の大きな増強をもたらしたが、SIVA1の発現には影響を及ぼさなかった(図1C)。SIVA2に限定される増加は、フィトヘマグルチニン(PHA)での事前活性化に続くこれらのサイトカインによる処置細胞でも観察された。しかしながら、事前活性化された細胞におけるSIVA2の見かけの分子サイズは、これはおそらく、いくつかのタンパク質の翻訳後修飾の結果として、SIVA2のcDNAでの細胞のトランスフェクションにより産生されるタンパク質のサイズよりも幾分大きかった(図1D)。SIVA2タンパク質におけるこの増加は、その転写レベルの変化とは何の関係もなく(図1E)、このこともそれが転写後に生じるということを示唆している。TNFファミリーの前記3つのリガンドは、対応するcDNAでトランスフェクトされた細胞において(図1F)、さらにSIVA1またはSIVA2のいずれかの発現誘導を可能にする構造的cDNA構築物を発現する細胞において(図1G、および未掲載データ)、SIVA2の発現を増強するが、SIVA1の発現は増強しないことも見出された。プロテアソームの機能を遮断することも、PBMCs(図1D)およびトランスフェクトされた細胞株(図1H)の両方において、SIVA2の発現の劇的な増強を引き起こした。プロテアソーム機能の遮断は、そのタンパク質のユビキチン化型の蓄積も増加させた(図1H)。遺伝毒性物質および酸化ストレスの適用は、SIVA1発現を増強させるが((Xue, 2002; Padanilam, 1998; Qin, 2002; Daoud, 2003; Fortin, 2004; Jacobs, 2007)および(図1I、上段パネルおよび中段パネル)、SIVA2の発現は増強せず、実際サイトカインによるその増強を拮抗した(図1Dおよび図1I、下段パネル)。
【0139】
これらの知見は、TNFファミリーのリガンドが、SIVA2タンパク質を安定化させる能力を有するということを示唆している。
【0140】
実施例2:TRAF2およびNIKは、独立して、SIVA2のリガンド誘導安定化に寄与し、一方cIAP1はSIVA2の分解を促進する。
【0141】
SIVA2は、TNFファミリーのいくつかのレセプターのシグナル伝達複合体に補充され、これらのレセプターが採用する3つのシグナル伝達タンパク質:ユビキチンリガーゼTRAF2およびcIAP1(以下の実施例参照)ならびにタンパク質キナーゼNIK({Ramakrishnan, 2004}およびRamakrishnanら、提出)に特異的に結合することが見出された。これらのシグナル伝達タンパク質のSIVA2に対する影響を評価することにより、このタンパク質の発現が、NIKと同時発現された場合に劇的にアップレギュレートされ(図2A)、酵素的に不活性なNIK変異体や、KD−NIKではそうではない(図2A)ことがわかった。SIVA2の発現は、TRAF2と同時発現される場合も強くアップレギュレートされた(図2B)。なお、TRAF2(C34A)、ユビキチンキナーゼ活性を欠いたTRAF2変異体ではそうではなかった(図2B)ことから、NIKおよびTRAF2活性がそのリガンド誘導安定化に寄与しているということが示唆される。この考えに沿って、SIVA2のCD70(図2C、2D)またはCD40(図2E)による安定化は、NIKまたはTRAF2のいずれかの機能または発現を干渉することにより劇的に減少され、さらに、シグナル伝達活性がNIKを用いず、かつSIVA2との関係を誘導しないTNFによるその安定化は、TRAF2の機能の干渉によってのみ減少した(図2F)。
【0142】
TRAF2(C34A)変異体の過剰発現とTRAF2 siRNAでの細胞のトランスフェクションは、SIVA2のNIK誘導安定化に影響がなく(図2G)、KD−NIKの過剰発現またはNIK発現のノックダウンもTRAF2によるSIVA2安定化を干渉しなかった(図2B)。これらの知見は、2つのタンパク質は少なくとも部分的に別々の機序によりSIVA2の安定性を増強させるということを示唆している。
【0143】
さらに、cIAP1結合のSIVA2発現への影響を試験すると、cIAP1の過剰発現が結果として一時的に発現されたSIVA2の量を劇的に減少させるということが見出された(図2H)。対照的に、ユビキチンリガーゼ活性を欠くcIAP1のリング−フィンガー変異体(H588A)の過剰発現は、SIVA2発現を増強させた。より大きい見かけの分子量を有するタンパク質の修飾型の蓄積も促進した(図2Hの矢印)。しかしながら、cIAP1のsiRNA媒介ノックダウンは、SIVA2発現に影響がなかった(未掲載データ)。これらの知見は、cIAP1はある状況においてSIVA2分解を促進し得るが、このユビキチンリガーゼのみならず他のものも、本発明者らの試験細胞におけるSIVA2の低い安定性に関与しているということを示唆した。cIAP1のH588A変異体のSIVA2発現を増強する能力は、cIAP1とまだ未知の他のユビキチンリガーゼとのSIVA2上の共通の結合部位に対する競合を反映し得る。
【0144】
実施例3:SIVAはO−GlcNアシル化され、この修飾はNIKおよびTRAF2によるSIVA2安定化に貢献するようである。
【0145】
タンパク質の安定性のモジュレーションは、セリン、トレオニン、またはチロシンのリン酸化、セリンまたはトレオニンのO−結合N−アセチルグルコサミン修飾(O−GlcNアシル化)、およびユビキチンまたはそのホモログの1つの、主にはリジン残基への連結などの、多種多様な共有結合性の修飾により誘導することができる。SIVA2は、インビボ標識化(図3A)、コムギ胚芽凝集素(WGA)結合(図3B)、およびβ−D−N−アセチル ヘキソサミニダーゼ処置(図3C)により評価された場合、O−結合N−アセチルグルコサミン修飾型で細胞に存在することがわかった。O−GlcNアシル化の阻害は、TRAF2(図3D)またはNIK(図3E、3F)によるSIVA2の安定化を減少させるが、プロテアソーム阻害剤(図3D)による安定化は減少されず、したがってこの修飾は安定型でSIVA2を維持するために必要とされるということが示唆される。
【0146】
実施例4:SIVA2は、そのN−末端の複数のセリン残基でリン酸化され、このリン酸化もその安定化に寄与するようである。
【0147】
NIKで同時トランスフェクトされた細胞におけるSIVA2への32P取り込みの評価により、SIVA2はリン酸化されているということを明らかにした(図4A)。NIKで同時トランスフェクトされた細胞から単離されたSIVA2の質量分析(MS)において、リン酸がN−末端のいくつかのセリン残基に結合しているが(図4B図S1およびS2および表S1)、以前に酸化ストレスに応答してリン酸化されると報告されていた{Cao, 2001}34位のチロシンには結合していないことがわかった。
【0148】
酵素的に活性なNIKのみがSIVA2を安定化させ(図2A)、NIKはSIVA2に特異的に結合するので、NIKによるSIVA2の安定化は、NIKによるその直接のリン酸化の結果として生じるというのがもっともらしい。実際、NIKを過剰発現する細胞からイムノ精製された場合、SIVA2調製品はインビトロでいくつかの関連タンパク質キナーゼにより効果的にリン酸化された(図4C)。しかしながら、SIVA2に対するNIK効果の欠失分析において、NIKも、SIVA2(1〜58)、C−末端システインリッチ領域(CRR)(他の場所で報告されているように(Ramakrishnanら、提出)NIKが結合するSIVA2の領域)が欠失したSIVA2の欠失変異体のリン酸化および発現を増強することが見出された(図4D、4E)。この知見は、NIKによるSIVA2安定化が、それらの直接の会合を必要としないということを示唆した。これらの観察結果に対する説得力のある説明は、NIKは、別のSIVA2関連タンパク質キナーゼの活性を増強し、その結果としてSIVA2のN−末端部分のリン酸化がその安定性を増強するというものであった。
【0149】
実施例5:NIKおよびTRAF2によるSIVA2の安定化に寄与する、SIVA2におけるアミノ酸残基の同定
【0150】
SIVA2の安定性の制御における、SIVA2のリン酸化とグリコシル化の関与、ならびにTRAF2によるタンパク質のユビキチン化に必要とされるTRAF2の領域の関与を示唆する知見を考慮し、SIVA2安定性に対するこれらの修飾に関するSIVA2における潜在的標的部位の変異の影響を評価した。SIVA2においてリン酸化されることがわかっている個々のセリン残基の変異はいずれも、SIVA2安定化の程度に影響を与えなかった(図5A)。NIKによるSIVA2の安定化は、チロシン34の変異により影響されないことがわかった(図5B)。しかしながら、リン酸化されることがわかっている3つのセリン残基(残基5、50、51;「3SA」)の組み合わせ変異、ましてや6つのセリン残基(残基5、21、26、35、50、51;「6SA」)の組み合わせ変異は、インビトロでSIVA2のリン酸化を効果的に減少させ(図4C)、またNIKによるSIVA2の安定化も減少させた(図5C)が、一方、プロテアソーム阻害剤によりなお安定化されることができた(図5D)。野生型タンパク質とは異なり、6SA変異体は、CD40Lにより安定化できなかった(図5E)。しかしながら、TRAF2およびNIKは、異なる機序によりSIVA2を安定化するということを示唆する本発明者らの知見と一致して、前記6つのセリンの変異は、TRAF2による安定化効果を低下させなかった(図5F)。
【0151】
さらに、SIVA2の安定化におけるSIVA2のリジン残基の関与を調べると、2つの残基K17およびK99のいずれか1つの変異が、TRAF2によるタンパク質の安定化を無効にするということがわかった(図5F)。しかしながら、これらの変異はNIKによるSIVA2の安定化には影響しなかった(図5G)。
【0152】
実施例6:SIVA2はNIK、TRAF2およびcIAPに結合する。
【0153】
TNF/NGFファミリーのレセプターによるシグナル伝達を媒介することが知られている多様な他のタンパク質へのSIVA2の結合を調べると、TRAF2(図6A〜6C)およびcIAP1(図6D)にも結合するが、TRAF3には結合しない(未提示)ということがわかった。欠失分析では、TRAF2はNIKと同様SIVA2のCRRに結合するということが示唆された(図6F、下段パネル)。他方、cIAP1は、SIVA2のN−末端部分、CRRの上流に結合することがわかった(図6D、右下段パネル、および図6E)。
【0154】
実施例7:SIVA2はTRAF2およびNIK介在シグナル伝達を阻害する。
【0155】
上述したタンパク質会合の機能的意義の評価において、SIVA2の誘導は、CD70による代替および正準NF−κB経路の両方の活性化(図7A、左中段パネルおよび図7B上段パネル)ならびにTNFの正準経路の活性化(図7A、右パネル)を抑制するということがわかった。他方、SIVA1はSIVA2よりも非常に高いレベルで発現されるが、そのような効果は示さなかった(図7B、右パネル)。
【0156】
反対に、SIVA発現がノックダウンされている細胞は、代替的NF−κB経路の構造的活性化を示した(図7C、左パネル)。それらは、p65NF−κBタンパク質の核移行の程度(図7C、右パネル)およびルシフェラーゼレポーター試験(図7D)の両方に現れているように、正準NF−κB経路の規定レベルのある程度の増加、CD70による活性化へのこの経路の反応性の上昇も示した。SIVAのノックダウンはまた、CD70およびTNFの両方によるJNKおよびp38キナーゼリン酸化の誘導を増強した(図7E)。
【0157】
実施例8:SIVA2は、cIAP1と協働して、CD27に応答してTRAF2のユビキチン化および分解を媒介する。
【0158】
以前に、CD27に補充されたTRAF2分子は大量にユビキチン化されるということが報告された(Ramakrishnanら、2004)。CD27誘導シグナル伝達に対するSIVA2の効果に関する機序を探究するために、このユビキチン化に対するSIVA2の影響を評価した。図8Aに示すように、SIVAのノックダウンは、TRAF2のCD70ユビキチン化を弱めた(左パネル)。対して、SIVA1(右パネル)ではなくSIVA2(中間パネル)の誘導は、それを増強した。
【0159】
実施例9:SIVA2は、TRAF2およびcIAP1の両方のユビキチン化を媒介する。
【0160】
すでに、SIVA2は自己ポリユビキチン化を促進し、固有のユビキチン−リガーゼ活性を有し、インビトロで、SIVA2のCRR内の73位のシステイン残基の変異はSIVA2のTRAF2への結合に影響を与えないが、この残基に依存してTRAF2のユビキチン化を促進したということが見出された。SIVA2の残基73の変異の効果は、トランスフェクトされた細胞においても証明され(図9A)、そこでは、SIVA1ではなく野生型SIVA2の過剰発現が、TRAF2のみ発現された場合に観察されるよりも顕著にTRAF2のK48結合(K63結合ではないが)ポリユビキチン化を増加させたのに対して、SIVA2(C73A)はユビキチン化にほとんど影響しなかった(図9B)。インビトロでのSIVA2の自己ユビキチン化は、この変異によって影響されなかったが、CRRの完全な欠失により劇的に減少した(未提示)。
【0161】
SIVA2のこの活性の生理学的な意義を検証するために、細胞においてそのC73A変異体を誘導可能な方法で発現させた。その変異は、CD27複合体におけるTRAF2のユビキチン化に対するSIVA2の増強効果を取り除くことがわかった(図8A、右)。
【0162】
TRAF2に加えて、cIAP1もSIVA2により効果的にユビキチン化されること、およびそのユビキチン化もSIVA2(C73A)変異により低下させられることがわかった(図9C)。SIVA2のcIAP1に対する効果とTRAF2に対する効果との間の因果関係を究明する試みにおいて、SIVA2のTRAF2に対する効果に対するcIAP1ノックダウンの効果を調べた。図9Aに示すように、cIAP1のノックダウンは、SIVA2発現に応答するTRAF2のユビキチン化を劇的に減少させた。したがって、SIVA2は、インビトロでTRAF2を直接ユビキチン化する能力を有するが、細胞内でのTRAF2ユビキチン化のその円滑化は、cIAP1のそうする能力の増強を通して媒介されるか、または許容的役割を果たすためにcIAP1を必要とする。
【0163】
試験細胞におけるTRAF2の細胞質レベルの測定は、CD27の誘発が結果としてTRAF2の細胞内量に有意な減少を引き起こし(図8B、左上パネル)、レセプター複合体内でのTRAF2のユビキチン化が分解に対する標的であるということを示唆した。TRAF2へのその連結がSIVA2により促進されるユビキチン鎖は、通常プロテオソーム分解を刺激するユビキチン化での場合のように、主としてK48に結合し(図8D)、このSIVA2効果が、CD27によるTRAF2分解の誘導に寄与する可能性が高まる。一貫して、SIVA発現のノックダウンは、CD27によるTRAF2のダウンレギュレーションを防ぎ(図8B、右上パネル)、一方SIVA2の誘導はそれを増強する(図8C、左パネル)。
【0164】
上述したように、SIVAのノックダウンは、代替的NF−κB経路の構造的活性化ももたらした(図7C、左パネルおよび図8B、右パネル)。cIAP1発現の抑制も結果としてNF−κB活性化を生じ(Varfolomeevら、2007)(Vinceら、2007)、加えてそれは、TNF/NGFファミリーの別のレセプターであるTNF−RIIによるTRAF2のダウンレギュレーションを低下させる(Liら、2002)。図8Eに示すように、cIAP1のノックダウンは(SIVA2のノックダウンと同様)、CD27によるTRAF2のダウンレギュレーションを低下させ、さらには代替的NF−κB経路の構造的活性化も伴った。
【0165】
これらの知見は、SIVA2およびcIAP1が、CD27によるTRAF2分解の誘導において、およびNF−κBの制御において共通した役割を果たすということを示唆した。
【0166】







図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]