(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技媒体を遊技領域に打込んで遊技を行なうことが可能であり、前記遊技領域に形成された所定の始動領域に遊技媒体が進入したことを条件として所定の単位遊技を行なうとともに、該単位遊技の結果が特定遊技結果となったときに遊技者にとって有利な特定状態に制御される遊技機であって、
前記単位遊技および前記特定状態のうち少なくともいずれかにおいて実行される演出の種類を、予め定められた複数種類の演出のうちから選択する演出種類選択手段と、
前記演出種類選択手段により選択された種類の演出を、前記単位遊技および前記特定状態のうち少なくともいずれかにおいて実行する演出実行手段と、
前記単位遊技および前記特定状態のうち少なくともいずれかにおいて前記演出実行手段により実行された演出の種類を予め定められた記憶手段に記憶する手段であって、前記特定状態に制御されることに係る開始条件の成立を契機に前記記憶手段への記憶する状態を開始するとともに、終了条件の成立を契機に前記記憶手段への記憶する状態を終了する演出種類記憶手段と、
前記記憶手段の記憶状態が特定の記憶状態となっているか否かを判定する記憶状態判定手段と、
前記記憶状態判定手段により前記特定の記憶状態となっていると判定されたことを条件として、前記特定の記憶状態となっていると判定されていないときには実行される割合が低い予め定められた複数種類の特別な演出のうちのいずれかを選択するための選択処理を行なう特別演出種類選択手段と、
前記特別演出種類選択手段により選択された種類の特別な演出を実行する特別演出実行手段とを備え、
前記特別演出種類選択手段は、遊技の進行に応じて成立し得る特別条件が、前記記憶状態判定手段により前記特定の記憶状態となっていると判定されたときに成立しているか否かに応じて異なる割合にしたがって前記選択処理を行なうことを特徴とする、遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態に適用されるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
【0034】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の前面には、チャンスボタン16が設けられている。チャンスボタン16は、可変表示装置9などの演出手段において所定の種類の演出が実行されているときに、遊技者がこれを操作し、その操作が所定の操作条件を満たしたか否かにより、演出の結果を変化させることができるボタンである。
【0035】
打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、回転操作することにより遊技領域7に打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0036】
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)により構成される可変表示装置9とを備えている。可変表示装置9の周囲を取り巻く円形状の枠の中に、演出手段としての装飾ランプ25a〜25cと、役物26とが設けられている。遊技領域7の可変表示装置9よりも下側には、2つの始動入賞口14a、14bが上下に並べて配置されている。下側にある始動入賞口14bには、開放状態となることで遊技球の入賞を容易にする可変入賞装置15が設けられている。可変入賞装置15が閉鎖状態となっているときには、始動入賞口14bへの遊技球の入賞が困難になるが、完全に不可能となってしまう訳ではない。
【0037】
始動入賞口14a、14bの下方には、大入賞口21が開放状態とされる特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20が閉鎖状態となっているときには、大入賞口21に遊技球が全く入賞し得なくなる。特別可変入賞装置20が設けられている位置は、遊技者が可変表示装置9を見て遊技を進めている場合には、大入賞口21が開放状態となっているのかどうかが遊技者にほとんど分からないような位置となっている。特別可変入賞装置20の両側には、7セグメントLEDにより構成される特別図柄表示器10a、10bとが設けられている。特別図柄表示器10a、10bでは、7セグメントLEDによって表示される特別図柄の変動表示を行なっている。
【0038】
特別図柄表示器10aは、始動入賞口14aへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示(特図ゲーム)を行い、特別図柄表示器10bは、始動入賞口14bへの遊技球の入賞に基づいて特別図柄の変動表示を行う。特別図柄表示器10a、10bの両方で同時に特別図柄の変動表示が行われることはなく、特別図柄表示器10aまたは10bで特別図柄の変動表示が終了した後に、特別図柄表示器10a、10bの両方で変動表示を開始させるための条件が成立しているときには、いわゆる電チューサポートがされる方の特別図柄表示器10bで優先的に特別図柄の変動表示が行われることとなる。
【0039】
特別図柄表示器10a、10bの表示結果の態様は、7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせにより、2^7−1=127通りある(^は、べき乗を表し、7セグメントの全てを非点灯する態様が特別図柄表示器10a、10bの表示結果として除かれるため、1だけマイナスされている)。第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果には、「0」〜「9」の数字などの遊技者にとって比較的分かり易い図柄を含んでいてよいが、意味のある文字とは認識できない7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせも採用しており、特別図柄表示器10a、10bの表示結果だけからは大当たりの種類を特定することが非常に困難なものとなっている。
【0040】
特別図柄表示器10a、10bに第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、通常遊技状態(或いは、確率変動状態とならない時短状態)よりも大当たり確率が高くなる確率変動状態に遊技状態が制御される。
【0041】
特別図柄表示器10a、10bに第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、前記した確率変動状態に遊技状態が制御される。
【0042】
特別図柄表示器10a、10bに第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)を表示した後には、後述する第2大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第2大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御されるとともに、前記した確率変動状態に遊技状態が制御される。なお、第3特定表示結果が表示されて第2大当たり遊技状態が終了した後においては、遊技状態が時短状態に制御されずに、確率変動状態にのみ制御されるものであってもよい。
【0043】
特別図柄表示器10a、10bに第4特定表示結果(時短大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、特別図柄表示器10a、10bにおいて100回の変動表示が行われるまでの間は時短状態に遊技状態が制御されるものの、次の大当たり発生までの大当たり確率を通常とする(確率変動状態の大当たり確率よりも低くなる)通常遊技状態に制御される。通常遊技状態において何れかの種類の大当たりが発生することを、初当たりという。
【0044】
また、可変表示装置9では、横方向に3つ並べられた飾り図柄表示領域9a〜9cにて飾り図柄(例えば、「0」〜「9」の10種類)を縦方向にスクロールさせる変動表示を行っている。可変表示装置9は、特別図柄表示器10a、10bで行われる変動表示の内容を、飾り図柄の変動表示によって演出効果を高めて遊技者に表示するための変動表示装置である。特別図柄表示器10a、10bで特別図柄の変動表示が継続されている限り、飾り図柄の変動表示が一旦停止(仮停止)していても、大当たり抽選及び大当たり種別抽選に対する確定的な表示結果が示されたことにはならない。
【0045】
さらに、可変表示装置9においては、飾り図柄が変動表示されるのに合わせてキャラクタの表示などによる演出(リーチ予告や大当たり予告などの各種演出)が行われるものとなる。可変表示装置9は、特別図柄の変動表示に合わせて飾り図柄の変動表示を行うため以外に、後述する大当たり演出における画像を表示するためにも用いられる。
【0046】
なお、第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)の表示によっても、第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)の表示によっても、第1大当たり遊技状態から確率変動状態への制御(+時短)という遊技状態の制御には全く変わりがない。もっとも、特別図柄表示器10a、10bに第1特定表示結果(確率変動大当たり図柄)が表示されたときには、この時点で可変表示装置9に表示される飾り図柄を「1」または「7」で揃えるなどして確率変動状態に制御される旨が報知される。
【0047】
これに対して、第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)が表示されたときには、この時点では可変表示装置9に表示される飾り図柄を第4特定表示結果(時短大当たり図柄)が表示されたときと同様に「1」または「7」以外の図柄で揃えるなどして確率変動状態に制御される旨が報知されない。第4特定表示結果(時短大当たり図柄)が表示されたときには、可変表示装置9に表示される飾り図柄を「1」または「7」以外の図柄とする。確率変動状態に制御される旨は、大当たり演出において報知される。
【0048】
第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)が表示されたときには、可変表示装置9に表示される飾り図柄を特別図柄表示器10a、10bにハズレ図柄が表示されたときと同様の3つの飾り図柄が揃っていない態様にするものとなっている。なお、突然確変大当たりによって制御される第2大当たり遊技状態は、後述するように大入賞口21の開放が極短期間で終了し、大当たり演出も実行されずに次の変動表示の開始までハズレ図柄を表示したままとしておく。もっとも、第2大当たり遊技状態が終了して次の変動表示が開始されたときには、確率変動状態に制御されていることとなる。
【0049】
また、特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示が行われ、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が行われているときに、装飾ランプ25a〜25cの点灯や役物26の駆動などによる演出が実行されることがある。なお、パチンコ遊技機1において実行される演出には、大きく分けて予告と告知とがあるが、予告とは、それによって示される内容が生じる可能性があることの報知であり、それによって示される内容が生じることを確定的に示す報知である告知と区別される。但し、一連の演出の終了間際までは可能性を示すだけであるが、当該一連の演出の最終部分で確定的な報知がなされる場合は、最終部分が告知、それよりも前の部分が予告としての意味を持つ演出となる。
【0050】
可変表示装置9の表示領域のうちの下部の表示領域に、始動入賞口14a、14bに遊技球が入り始動条件が成立したが未だ特別図柄表示器10a、10bの開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数として後述する主基板31のRAM55(
図2参照)に記憶された保留記憶数をそれぞれ表示する保留記憶数表示手段として特別図柄保留記憶表示部11a、11bが設定されている。
【0051】
特別図柄保留記憶表示部11aは、4つのアイコンの表示部を備え、始動入賞口14aへの有効始動入賞(本実施形態では、保留記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示するアイコンをその時点で表示されているアイコンの右側に1つ追加し、特別図柄表示器10aにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、最も左側に表示されていたアイコン(今回開始した変動表示に対応していたもの)を消去するとともに、他に表示されていたアイコンを1つずつ左にずらして表示する。すなわち、表示するアイコンの数を1つ減らす。特別図柄保留記憶表示部11bについても、同様に、始動入賞口14bへの有効始動入賞がある毎に、アイコンを1つ増やし、特別図柄表示器10bにて特別図柄の変動表示が開始される毎に、アイコンを1つ減らす。
【0052】
RAM55(
図2参照)には、特別図柄表示器10aにおける特別図柄の始動条件が成立(打球が始動入賞口14aへ入賞)したときに主基板31のCPU56(
図2参照)により抽出された大当たり判定用乱数等の各種乱数の抽出順番を特定可能に記憶する4つの保留記憶バッファが設けられている。特別図柄保留記憶表示部11aは、保留記憶バッファのうちで各種乱数の記憶された保留記憶バッファの数(保留記憶数)を特定可能に表示する。保留記憶バッファには、抽出された各種乱数のうち未だ開始条件(例えば、前回の特別図柄の変動表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。特別図柄保留記憶表示部11bについても、同様の保留記憶バッファが設けられている。
【0053】
上記した始動入賞口14a、14bに入った入賞球は、それぞれ遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62a、62b(
図2参照)によって検出される。可変入賞装置15は、ソレノイド71(
図2参照)によって開放状態とされる。後述する普通図柄の変動表示の結果に応じてソレノイド71により可変入賞装置15が開放状態となることにより、遊技球が始動入賞口14bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
【0054】
また、特別可変入賞装置20は、ソレノイド72(
図2参照)により可動して大入賞口21に遊技球が入賞可能な受入可能状態と、大入賞口21に遊技球が入賞不能な受入不能状態とに変化可能であり、受入可能状態において大入賞口21が開放状態とされるものとなる。また、特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ63(
図2参照)で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73(
図2参照)も設けられている。
【0055】
特別可変入賞装置20は、第1大当たり遊技状態において、大入賞口21の開放から一定時間経過するまで、または所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するまで大入賞口21を開放状態とする。大入賞口21が開閉されてから一定期間(例えば、第1大当たり遊技状態においては30秒、第2大当たり遊技状態においては1秒)経過するまで、または所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口21に入賞するまでが1ラウンドである。第1大当たり遊技状態は、このような大入賞口21の開放が所定回数(例えば、15回)に亘って繰り返して提供される遊技状態である。
【0056】
特別可変入賞装置20は、また、第2大当たり遊技状態において、大入賞口21を極めて短い時間(例えば、0.2〜0.5秒程度)で2回だけ開放状態とする。突然確変大当たりしたときに確率変動状態に制御される前の遊技状態が、この第2大当たり遊技状態である。第2大当たり遊技状態は、大入賞口21の開放が極めて短い期間しか行われないため、打球が1つも大入賞口21に入賞しないまま終了して、確率変動状態に制御されることとなる場合も多く、第2大当たり遊技状態に制御されたこと自体が遊技者に気づかれない場合も多い。
【0057】
また、遊技領域7の左側には、「15」及び「2」と付された一対のLEDからなるラウンド数表示器19が設けられている。このラウンド数表示器19は、発生される大当たり遊技状態のラウンド数(第1、第2大当たり遊技状態で、それぞれ15、2ラウンド)を表示するものである。一方、遊技領域7の右側には、「○」及び「×」と付された左右一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を変動表示可能なものである。
【0058】
ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61(
図2参照)で検出されると、普通図柄当たり判定用乱数が抽出されて主基板31(
図2参照)に搭載されるRAM55(
図2参照)の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55(
図2参照)の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当たり判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する変動表示を開始できる状態(前回の普通図柄表示器12における変動表示の終了)であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の変動表示が開始される。
【0059】
普通図柄表示器12の上方には、普通図柄バッファに格納される普通図柄当たり判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器13が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器13は、ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61で検出されて新たに普通図柄当たり判定用乱数が記憶されると、点灯するLEDを1つ増やす。普通図柄表示器12にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の変動表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
【0060】
普通図柄表示器12にて、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の変動表示が行われ、変動表示は所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ29.2秒)継続する。そして、変動表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当たりとなる。普通図柄表示器12における変動表示の表示結果が当たりである場合には、可変入賞装置15が所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ1.4秒)だけ開放状態になる。
【0061】
普通図柄の変動表示の結果を当たりとするか否かは、ゲート28a、28bを遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された普通図柄当たり判定用乱数の値が所定の普通図柄当たり判定値と合致したか否かによって決定される。この当たり確率は、時短状態では非常に高い(例えば、35/36)が、時短状態でなければ低い(例えば、1/36)ものとなっている。時短状態は、このように可変入賞装置15が開放状態にある割合が非常に多いので、遊技者の手持ちの遊技球を減少させずに(或いは、減少したとしても減少量はごく僅かで)、遊技を進められる状態となっている。
【0062】
ゲート28aの左方及び下方、並びにゲート28bの下方及び右方には、それぞれ入賞口29a〜29dが設けられている。入賞口29a〜29dに遊技球が入賞したことが入賞口スイッチ64a(
図2参照)で検出されると、所定数の遊技球が払い出される。遊技球の払い出しは、始動入賞口14a、14b、大入賞口21への遊技球の入賞によっても行われるが、ゲート28a、28bを遊技球が通過しても行われない。
【0063】
遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口30が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。
【0064】
また、
図1には示していないが、パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45(
図2参照)が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。始動入賞口14a、14b、大入賞口21、入賞口29a〜29dのいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口30から排出されるものとなっている。
【0065】
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。
【0066】
この実施の形態では、ROM54、RAM55、CPU56及びI/Oポート部57を含む基本回路53は、1チップマイクロコンピュータとして構成されているが、この基本回路53を構成する1チップマイクロコンピュータには、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間にもバックアップバッテリから電力が供給されている。すなわち、RAM55に記憶されているデータは、バックアップバッテリから電力が供給される限りにおいて、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間も保持される。
【0067】
なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
【0068】
また、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63、入賞口スイッチ64、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、可変入賞装置15を開閉するソレノイド71、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当たり遊技状態(第1大当たり遊技状態、第2大当たり遊技状態)の発生を示す大当たり情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
【0069】
また、電源起動時において内部状態(RAM55)をリセットするリセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94も、主基板31に接続されており、これらのスイッチの検出信号を基本回路53へと送る。これらのスイッチ93、94は、パチンコ遊技機1の内部に設けられている。
【0070】
また、主基板31に搭載されたCPU56は、特別図柄表示器10a、10bの表示制御、普通図柄表示器12、およびラウンド数表示器19の表示制御を行う。さらに、普通図柄保留記憶表示器13の発光制御を行う。
【0071】
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56及びROM54、RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
【0072】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)は、可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用マイクロコンピュータには、パチンコ遊技機1の電源が遮断されている間にバックアップバッテリから電力が供給されず、そのRAMに記憶されたデータは、パチンコ遊技機1の電源が遮断されると消去される。
【0073】
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って可変表示装置9の表示制御を行う。具体的には、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するVDP(図示しない)により可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
【0074】
そして、表示制御用CPUは、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP(図示しない)が表示制御基板80に搭載されている。また、VDPは、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM(図示しない)をマッピングしている。VDPは、キャラクタ画像データに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、VRAMに展開する。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、可変表示装置9に出力する。なお、可変表示装置9の表示制御には、特別図柄の変動表示、大当たり演出、保留記憶のアイコン表示などが含まれる。
【0075】
また、表示制御基板80には、スイッチ回路(図示しない)を介してチャンスボタン16が接続されており、チャンスボタン16の操作によって内容が変化される演出を可変表示装置9において実行しているときには、チャンスボタン16の操作を検出した検出信号に基づいて、可変表示装置9における画像の表示を制御するものとしている。
【0076】
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータは、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することによりスピーカ27の音声出力制御を行うとともに、ランプドライバ基板35に役物、ランプ・LEDの駆動信号を出力することによりパチンコ遊技機1に設けられた役物、ランプ・LEDの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される可変表示装置9の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて可変表示装置9、スピーカ27、パチンコ遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。
【0077】
スピーカ27から出力される音声の再生の処理そのものは、音声出力基板70に搭載された音声制御用マイクロコンピュータ(CPU、RAM、ROMを含む)が行い、ランプ・LEDの点灯制御の処理そのものは、ランプドライバ回路35に搭載されたランプ制御用マイクロコンピュータ(CPU、RAM、ROMを含む)が行うものとなっている。もっとも、これらのマイクロコンピュータは、表示制御基板80の表示制御用CPUから指示されたままに音声の再生出力やランプ・LEDの点灯を単純に行うのみであり、どの様な音声を再生出力させるか、ランプ・LEDをどの様に点灯させるかは、表示制御基板80の表示制御用CPUが制御しているとも言える。
【0078】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示、及び可変表示装置9における飾り図柄の変動表示について説明する。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否か、大当たりとする場合にはいずれの種類の大当たりとするか、さらには特別図柄の変動パターンをいずれとするかは、始動入賞時に抽出される各種乱数に基づいて、特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示の始動条件が成立したときに決定される。
【0079】
まず、大当たりの決定について説明する。
図3(a)は、ROM54に記憶されている大当たり判定用テーブルを示す図である。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否かは、
図3(a)の大当たり判定用テーブルと、始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり判定用乱数(ランダムR:0〜65535)の値とに基づいて決定される。通常時(非確率変動時)においては、大当たり判定用乱数の値が1000〜1059、13320〜13477であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。一方、確率変動時においては、大当たり判定用乱数の値が1020〜1519、13320〜15004であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。
【0080】
次に、大当たり種別の決定について説明する。
図3(b)及び
図3(c)は、ROM54に記憶されている大当たり種別判定用テーブルを示す図である。ここで、
図3(b)は、特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルであり、
図3(c)は、特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合に大当たり種別を決定するための大当たり種別判定用テーブルである。
【0081】
特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が0、3、5または7であれば確率変動大当たりと決定し、1であれば確変昇格大当たりと決定し、9であれば突然確変大当たりと決定し、2、4、6または8であれば時短大当たりと決定する。
【0082】
一方、特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合には、大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が3、5または7であれば確率変動大当たりと決定し、1であれば確変昇格大当たりと決定し、0または9であれば突然確変大当たりと決定し、2、4、6または8であれば時短大当たりと決定する。
【0083】
ところで、確率変動状態では、30分の1の確率で大当たりとなるが、新たな大当たりが発生するまで特別図柄の変動表示が実行される回数の制限なく、時短状態に制御される。時短状態では、可変入賞装置15が開放状態にある割合が非常に高く、特別図柄表示器10aよりも優先される特別図柄表示器10bにて特別図柄の変動表示を行わせるための始動入賞口14bの入賞による保留記憶が途切れることが少ない。また、第1大当たり遊技状態に制御されている間の時間は非常に長いので、ほとんど例外なく、第1大当たり遊技状態が終了するまでに始動入賞口14aの入賞による保留記憶も、始動入賞口14bの入賞による保留記憶も一杯になる。
【0084】
特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示を行う場合に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる確率は、大当たりとなった場合の2/5(=4/10)であるのに対して、特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示を行う場合に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる確率は、大当たりとなった場合の1/2(=5/10)もある。つまり、一旦確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりが発生すると、それに基づく第1大当たり遊技状態が終了してから、さらに遊技者が多くの遊技球を獲得することができる第1大当たり遊技状態を介して次も確率変動状態となる割合が高いものとなる。
【0085】
次に、特別図柄の変動パターンの決定について説明する。特別図柄の変動パターンは、開始条件(より先の始動入賞に基づく変動表示が全て終了する(している)ことにより成立)が成立したときに、特別図柄の変動表示の結果(大当たりとするか否か、大当たりとする場合は大当たりの種別)に応じて決定されるものとなる。また、変動パターンを決定する場合、まず始動入賞時に抽出された乱数のうちの変動種別判定用乱数の値に基づいて変動パターンの種別を決定し、さらに始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数の値に基づいて変動パターンを決定するものとなる。
【0086】
変動パターンの種別には、ハズレとすることが決定された場合には、非リーチハズレ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの3種類がある。確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとすることが決定された場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチの2種類がある。突然確変大当たりとすることが決定された場合には、突然確変の1種類であるが、これは、飾り図柄の変動に関しては非リーチハズレと基本的に同じものになる。
【0087】
ここで、ノーマルリーチ、スーパーリーチは、何れも変動表示の過程において1番目、2番目にそれぞれ停止される左と右の飾り図柄が同一の種類の図柄で揃うリーチ表示態様が出現するパターンであるが、ノーマルリーチは、中の飾り図柄の変動表示の態様がハズレの場合と異ならない(最終的に停止される図柄は異なる)変動パターンであり、変動表示の開始から終了までに要する時間が非リーチハズレと比べて通常の場合には変わりがない。
【0088】
一方、スーパーリーチは、リーチ表示態様が出現した後、最後に停止される中の飾り図柄の変動表示が通常とは異なる態様となるリーチ演出表示が行われる変動パターンとなっており、変動表示に要する時間が非リーチハズレやノーマルリーチと比べると、かなり長くなっている。
【0089】
また、保留記憶の数が3以上となったときには、選択された変動パターンの本来の変動表示時間よりも特別図柄及び飾り図柄の変動表示が実行される時間が短縮される(4となったときには、3となったときよりも一層短縮される)。非リーチハズレとノーマルリーチでは、通常の場合に変動表示が実行される時間に変わりがないものの、ノーマルリーチでは一旦リーチ表示態様を出現させてから表示結果を導出させるという過程を経ることになるため、短縮された変動時間については、このような過程を経ないでよい非リーチハズレよりもノーマルリーチハズレの方が長くなる。また、スーパーリーチの変動パターンでは、中の飾り図柄における演出表示が(全部または一部)省略されて飾り図柄の変動表示の結果が表示されることがある。
【0090】
変動パターンの種別の選択割合は、当該変動表示の開始条件が成立した時点における保留記憶の数に応じて異なっていてもよい。もっとも、少なくともスーパーリーチの種別を選択する割合は、開始条件が成立した時点での保留記憶の数に関わらずに同じであり、変動パターンの種別がスーパーリーチとなることは、始動入賞時に抽出された各種乱数の値によって既に定まっている。
【0091】
変動パターンの種別が決定されると、そこからより細かく変動パターンが決定される。ここで、変動パターンの種別が非リーチハズレ、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりでノーマルリーチの場合に選択される変動パターンは、それぞれ1種類だけである。ノーマルリーチハズレの場合に選択される変動パターンには、飾り図柄のすべりコマ数が異なる複数の変動パターン(1コマ前、1コマ後、2コマ後)がある。
【0092】
また、スーパーリーチの場合に選択される変動パターンには、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなるときにも出現し得るが、全体としての出現率は非常に小さいレアリーチと、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなるときのみに出現し得るプレミアリーチとがある。
図4は、変動パターン選択テーブルを示す図であり、特に、レアリーチとプレミアリーチとの選択に関するものを示すものである。なお、
図4の選択割合a1、b1、b2は、変動パターンの種別としてスーパーリーチが選択された上での選択割合ではなく、ハズレとなる場合全体、或いは確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる場合全体での選択割合である。
【0093】
図示するように、レアリーチは、ハズレとなる場合にa1の割合で選択され、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる場合にb1の割合で選択される。一方、プレミアリーチは、ハズレとなる場合には選択され得ず、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる場合にb2の割合で選択される。
【0094】
ここで、特図ゲーム全体に対して確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる確率をXとすると、(1−X)a1+Xb1≦Xb2という関係があり、レアリーチは、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる場合のみに出現するプレミアリーチ以上に、非常に出現頻度が低い変動パターンとなっている。しかも、レアリーチでハズレとなる場合はその一部であるので、レアリーチの変動パターンとなってハズレとなる場合は、プレミアリーチが出現する頻度よりもさらに頻度が低いものとなっている。
【0095】
もっとも、レアリーチは、プレミアリーチのように確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの確定となる変動パターンではないが、プレミアリーチ以外の他の変動パターンに比べると、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる確率が非常に高い変動パターンであり、レアリーチとなってハズレとなる確率は、極めて低いものとなっている。
【0096】
特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示の開始条件は、当該変動表示を行わせることとなる始動入賞よりも先の始動入賞に基づく全ての変動表示が終了していることによって成立する(但し、第1、第2大当たり遊技状態に制御されたときには、その終了によって成立する)。従って、保留記憶が全くない状態で始動入賞した場合には、当該始動入賞によって直ちに特別図柄の変動表示の開始条件が成立することとなる。
【0097】
これに対して、未だ先の始動入賞に基づく変動表示が終了していないときの始動入賞(特定始動入賞とする)によって保留記憶がされていた場合には、特定始動入賞よりも1つだけ先の始動入賞(先始動入賞とする)に基づく特別図柄の変動表示が終了したときに、特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の開始条件が成立する。このとき、先始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の終了後に、遅滞なく特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることとなる。
【0098】
前述したとおり、特別図柄表示器10a、10bにおいて特別図柄が変動表示されるときにおいては、可変表示装置9において飾り図柄が変動表示される。特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるものとなるが、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるのではなく、開始条件の成立から一定の遅延時間(インターバル期間)を経過してから開始されるものとなっている。なお、特別図柄の変動表示は、開始条件が成立してから選択された変動パターンに応じて定められた変動表示時間を経過するまで実行されることとなる。
【0099】
上記したように、特別図柄表示器10a、10bに第1、第2または第4特定表示結果が導出されると、すなわち確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりが発生すると、第1大当たり遊技状態に制御されるが、この確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりを発生させることとなる始動入賞が発生しても、そのときには先の始動入賞に基づいて特別図柄の(飾り図柄も)変動表示が行われていることもある。この場合は、始動入賞に基づいて変動表示を行う権利(始動入賞時に抽出された各種乱数)が保留記憶されるが、保留記憶されている旨が特別図柄保留記憶表示部11a、11bに表示されて、遊技者に報知されるものとなる。
【0100】
この特別図柄保留記憶表示部11a、11bへのアイコンの表示、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示や大当たり演出は、表示制御基板80の表示制御用CPUにより実行されるものとなっている。もっとも、これらのアイコンの表示や各種演出は、遊技の進行状況に沿って行われるものとなるため、上記各種の決定を含む主基板31のCPU56による遊技の進行状況に応じて、CPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
【0101】
すなわち、始動入賞口14aまたは14bに遊技球が入賞したときに、このときに抽出された大当たり判定用乱数により大当たりとなるか否か(さらに、大当たり種別乱数により決定される大当たりの種別を含んでいてもよい)、及び変動種別判定用乱数の値により選択される変動パターンの種別、並びに遊技球が入賞した始動入賞口の種類と該始動入賞後の保留記憶数と対応付けた始動入賞コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
【0102】
また、特別図柄表示器10aまたは10bにて特別図柄の変動表示を開始させるときに、これを開始させた始動入賞と、この変動表示において大当たりとするか否か及び大当たり種別と、決定された変動パターンとを示す開始時コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。また、遊技状態が変化したときに、変化した後の遊技状態を示す遊技状態コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
【0103】
また、特別図柄表示器10aまたは10bに第1特定表示結果〜第4特定表示結果が導出されて、大当たり遊技状態に制御されたときには、各ラウンドが開始される度に当該ラウンド数を示す大当たりラウンドコマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。各ラウンドが終了したときにも、ラウンドの終了を示すラウンド終了コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
【0104】
さらに、パチンコ遊技機1の電源を立ち上げたときには、前回の電源遮断時のデータがクリアされずにRAM55に記憶されていれば該電源遮断時の状態(始動入賞口14a、14bの保留記憶がある場合もあり)から、RAM55がクリアされていれば初期状態(始動入賞口14a、14bの何れの保留記憶の数も0)から、遊技の進行を開始させることとなるが、このときに、始動入賞口14a、14bの保留記憶数と遊技状態とを特定可能な情報を含む起動時コマンドが、主基板31のCPU56から表示制御基板80の表示制御用CPUへと送信されるものとなっている。
【0105】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において、表示制御基板80の表示制御用CPUにより実行される演出の制御について説明する。表示制御基板80の表示制御用CPUは、開始時コマンドを受信すると、後に説明するように飾り図柄の種類を選択し、開始時コマンドが示す変動パターンで飾り図柄を可変表示装置9において変動表示させた後、選択した種類の飾り図柄を可変表示装置9に表示して、変動表示の結果を示すものとしている。
【0106】
まず、変動表示の結果として表示される飾り図柄の選択について説明する。前述したように、飾り図柄の変動表示において具体的に表示される飾り図柄の種類は、主基板31のCPU56によって行われた大当たりの決定、大当たり種別の決定、変動パターンの決定に従うことを条件として、表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとなっている。例えば、確率変動大当たりが決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「1」または「7」の同じ図柄となり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりが決定されているときには、最終的に停止される飾り図柄は、3つとも「1」または「7」以外の同じ図柄となる。
【0107】
確変昇格大当たりまたは時短大当たりでは、最終的に停止される図柄を「1」または「7」以外の同じ図柄としなければならないため、その前提で表示されるリーチ表示態様も「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様となる。スーパーリーチにおいて再抽選はあっても、そこでの降格はできないため、最終的に停止される図柄を「1」または「7」以外の同じ図柄とするには、リーチ表示態様も「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様としなければならないからである。
【0108】
確率変動大当たりでは、最終的に停止される図柄を「1」または「7」の同じ図柄としなければならないので、再抽選のないノーマルリーチの変動パターンで確率変動大当たり図柄を表示させるためには、その前提で表示されるリーチ表示態様も「1」または「7」の同じ図柄が2つ停止した態様としなければならない。一方、再抽選のあるスーパーリーチでは、「1」または「7」以外の同じ図柄を一旦揃えてから、「1」または「7」の同じ図柄を揃えた態様に変更することができるため、リーチ表示態様は「1」または「7」以外の同じ図柄が2つ停止した態様とすることができる。
【0109】
次に、大当たり演出について説明する。大当たり演出は、第1大当たり遊技状態において実行される演出であるが、第1大当たり遊技状態では、前述したように、大入賞口21を開放状態とするラウンドが15ラウンド提供される。また、15ラウンドの全てを消化した後、第1大当たり遊技状態を終了した後の新たな変動表示を開始するまでに、一定のエンディング期間が置かれるものとなっている。大当たり演出は、各ラウンドで行われるラウンド演出と、エンディング期間で行われるエンディング演出とからなる。
【0110】
ここで、大当たり演出において可変表示装置9に表示される画像について説明する。
図5は、大当たり演出が実行されているときに可変表示装置9に表示される画面の表示例を示す図であり、
図5(a)は、ラウンド演出の画面を、
図5(b)、(c)は、エンディング演出の画面を示す。大当たり演出では、ラウンドとラウンドの間のインターバル期間においてインターバル中であることを示す画面も可変表示装置9に表示される。
【0111】
まず、
図5(a)に示すように、ラウンド演出の画面では、実行中のラウンド数の表示が行われるとともに、所定の演出を行うためのキャラクタ100Aが表示される。
図5(a)の右側に示すように、ラウンド演出の画面では、キャラクタ100Aの代わりに、キャラクタ100B〜100Hの何れか1つが演出を行うためのキャラクタとして選択されるものとなるが、このキャラクタの種類の選択については、後述する。
【0112】
また、エンディング演出の画面には、
図5(b)に示すノーマルエンディング演出の画面と、
図5(c)および
図5(d)に示すスペシャルエンディング演出の画面とがある。スペシャルエンディング演出としては、スペシャルエンディング演出1〜3の3種類が設けられている。
図5(c)は、スペシャルエンディング演出1の画面を示し、
図5(d)は、スペシャルエンディング演出2の画面を示している。スペシャルエンディング演出1〜3は、各々、態様が異なる演出であればよく、たとえば、可変表示装置9において表示するキャラクタあるいは背景画像が異なる演出であってもよく、スピーカ27から発生させる遊技音が異なる演出であってもよく、装飾ランプ25a〜25cなどの点灯パターンあるいは点灯色が異なる演出であってもよい。
【0113】
表示制御基板80の表示制御用CPUは、主基板31のCPUから送信されたラウンド終了コマンドを受信したときに、
図5(b)に示すノーマルエンディング演出の画面と
図5(c)〜(d)に一例を示したスペシャルエンディング演出の画面の何れかを選択するが、その選択については、後述する。
【0114】
次に、ラウンド演出におけるキャラクタの選択について説明する。
図6(a)は、ラウンド演出におけるキャラクタ選択テーブルを示す図であり、表示制御基板80の表示制御用CPUは、主基板31のCPU56から送信された大当たりラウンドコマンドを受信したときに、このキャラクタ選択テーブルに従って、当該ラウンドのラウンド演出に登場させるキャラクタをキャラクタ100A〜100Hの中から選択する。
【0115】
図示するように、キャラクタ100A〜100Hの選択は、後述する条件成立フラグ801の特
図Aフラグがセットされている場合(突確フラグがセットされている場合および/またはレアリーチフラグがセットされている場合を含む、すなわち特
図Aフラグを他のフラグよりも優先して適用する)、突確フラグがセットされている場合(レアリーチフラグがセットされている場合を含む、すなわち突確フラグをレアリーチフラグよりも優先して適用する)、レアリーチフラグがセットされている場合、特
図Aフラグ、突確フラグ及びレアリーチフラグの何れもセットされていないかの区分に従って、その選択割合を異ならせている。
【0116】
特
図Aフラグがセットされている場合には、キャラクタ100Aとキャラクタ100Bがそれぞれα1の割合で選択され、キャラクタ100C〜キャラクタ100Hがそれぞれα2の割合で選択される。突確フラグがセットされている場合には、キャラクタ100Aとキャラクタ100Bがそれぞれβ1の割合で選択され、キャラクタ100C〜キャラクタ100Hがそれぞれβ2の割合で選択される。レアリーチフラグがセットされている場合には、キャラクタ100Aとキャラクタ100Bがそれぞれγ1の割合で選択され、キャラクタ100C〜キャラクタ100Hがそれぞれγ2の割合で選択される。特
図Aフラグ、突確フラグ及びレアリーチフラグの何れもセットされていない場合には、キャラクタ100Aとキャラクタ100Bがそれぞれδ1の割合で選択され、キャラクタ100C〜キャラクタ100Hがそれぞれδ2の割合で選択される。
【0117】
ここで、2α1+6α2=2β1+6β2=2γ1+6γ2=2δ1+6δ2=1であり、キャラクタ100A〜100Hの何れかが必ず選択される。また、α1<β1<γ1<δ1(言い換えれば、α2>β2>γ2>δ2)という関係があり、特
図Aフラグがセットされているときが最もキャラクタ100C〜100Hの選択割合が高く、突確フラグがセットされているときが次にキャラクタ100C〜100Hの選択割合が高く、レアリーチフラグがセットされているときが次にキャラクタ100C〜100Hの選択割合が高くなっている。
【0118】
そして、特
図Aフラグ、突確フラグ及びレアリーチフラグの何れもセットされていないときが最もキャラクタ100C〜100Hの選択割合が低いものとなっている。特
図Aフラグ、突確フラグ及びレアリーチフラグの何れもセットされていないときのキャラクタ100C〜100Hの選択割合δ2は、2%前後程度であり、大当たり演出全体を終了するまでにキャラクタ100C〜100Hが現れるラウンド数の期待値は、1〜2程度しかない。
【0119】
なお、キャラクタ100C〜キャラクタ100Hの選択については、ラウンド演出実行済フラグ800がセットされている種類のキャラクタが選択されたときであって、キャラクタ100C〜キャラクタ100Hの全てがセットされている訳ではないときには、フラグがセットされていない次順番の種類のキャラクタの選択に切り替えられる。例えば、キャラクタ選択テーブルによる選択ではキャラクタ100Cの選択となったが、キャラクタ100Cに対応するラウンド演出実行済フラグ800がセットされている場合には、キャラクタ100Dの選択に切り替えられる。キャラクタ100Hの選択となったが、キャラクタ100Hとキャラクタ100Cに対応するラウンド演出実行済フラグ800がセットされている場合には、キャラクタ100Dの選択に切り替えられる。
【0120】
次に、ラウンド演出実行済フラグ800と条件成立フラグ801の詳細について説明する。
図6(b)は、ラウンド演出実行済フラグ800と条件成立フラグ801とを示す図であり、その記憶領域は、表示制御基板80のRAMに設けられている。ラウンド演出実行済フラグ800と条件成立フラグ801の各々のフラグは、何れも確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは突然確変大当たりが発生した(確率変動状態に制御されることが確定した)後、確率変動状態に制御されている限りにおいて、各々の条件が成立するとセットされるフラグである。時短大当たりが発生して当該時短大当たりが終了(確率変動状態が終了)すると、ラウンド演出実行済フラグ800と条件成立フラグ801の各々のフラグは全てリセットされる。
【0121】
ラウンド演出実行済フラグ800は、ラウンド演出において選択可能なキャラクタ100A〜100Hの各々に対応する8ビットのフラグを含んでおり、例えば、何れも確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは突然確変大当たりが最初に発生してから時短大当たりが発生するまでの期間における各ラウンドのラウンド演出で選択されたキャラクタの種類に従って、対応するビットがセットされる。例えば、キャラクタ100Cが選択されると、ラウンド演出実行済フラグ800のキャラクタ100Cに対応したビットがセットされる。
【0122】
条件成立フラグ801は、特別図柄表示器10aでの特図ゲームで確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは突然確変大当たりが発生したときにセットされる特
図Aフラグと、突然確変大当たりが発生したときにセットされる突確フラグと、レアリーチでハズレとなったときにセットされるレアリーチフラグとを含む。なお、確率変動状態に制御されていない状態において特別図柄表示器10aでの特図ゲームで大当たりが発生しても特
図Aフラグはセットされず、突然確変大当たりが発生しても突確フラグはセットされない。条件成立フラグ801は、あくまで確率変動状態に制御されていることを条件としてセットされるフラグである。
【0123】
次に、エンディング演出の選択について説明する。
図7は、大当たり演出におけるエンディング演出選択テーブルを示す図である。前述したように、表示制御基板80の表示制御用CPUは、
図5(b)のノーマルエンディング演出、
図5(c)および(d)に一例を示したスペシャルエンディング演出1〜3の何れかを選択してエンディング演出の画面を可変表示装置9に表示させるが、このエンディング画面の選択は、
図7のエンディング演出選択テーブルに従って行われるものである。
【0124】
図7に示すように、エンディング演出選択テーブルは、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100C〜100Hに対応するフラグの全てがセットされている場合と、セットされていない場合とで、エンディング演出を選択するための割合が異なるように定められている。また、エンディング演出選択テーブルは、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100C〜100Hに対応するフラグの全てがセットされている場合に、さらに、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100C〜100Hに対応するフラグの全てがセットされたときの、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは突然確変大当たりが発生して確率変動状態に制御されてから確率変動状態中に発生した確変大当たり連続回数に応じて、エンディング演出を選択するための割合が異なるように定められている。
【0125】
確変大当たり連続回数とは、初回の確変大当たりと、当該確変大当たりにより制御される確率変動状態中において発生した大当たりとを含む合計回数をいう。よって、たとえば、初回の確変大当たり中のエンディング演出選択における確変大当たり連続回数は1回となり、初回の確変大当たり終了後において当該初回の確変大当たりの次に発生した大当たり中のエンディング演出選択における確変大当たり連続回数は2回となり、初回の確変大当たり終了後において2回目に発生した大当り中のエンディング演出選択における確変大当たり連続回数は3回となる。よって、キャラクタ100C〜100Hすべてを出現させるのに要した大当たり回数に応じて、エンディング演出を選択するための割合が異なるように定められている。なお、突然確変大当たりが発生しても大当たり演出が行なわれず、遊技者も気付き難いため、突然確変大当たりが発生しても前述した確変大当たり連続回数を1加算しないようにしてもよい。
【0126】
確変大当たり連続回数は、表示制御基板80のRAMに設けられている所定の記憶領域に記憶される。確変大当たり連続回数は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは突然確変大当たりが発生した(確率変動状態に制御されることが確定した)後、確率変動状態に制御されている限りにおいて、遊技の進行に応じて更新される値である。時短大当たりが発生して当該時短大当たりが終了(確率変動状態が終了)すると、確変大当たり連続回数はリセットされる。
【0127】
ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100C〜100Hに対応するフラグの全てが、確変大当たり連続回数が3回以下であるときにセットされた場合は、ノーマルエンディング演出がK1の割合で、スペシャルエンディング演出1がL1の割合で、スペシャルエンディング演出2がM1の割合で、スペシャルエンディング演出3がN1の割合で選択される。
【0128】
また、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100C〜100Hに対応するフラグの全てが、確変大当たり連続回数が4回〜5回であるときにセットされた場合は、ノーマルエンディング演出がK2の割合で、スペシャルエンディング演出1がL2の割合で、スペシャルエンディング演出2がM2の割合で、スペシャルエンディング演出3がN2の割合で選択される。
【0129】
また、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100C〜100Hに対応するフラグの全てが、確変大当たり連続回数が6回以上であるときセットされた場合は、ノーマルエンディング演出がK3の割合で、スペシャルエンディング演出1がL3の割合で、スペシャルエンディング演出2がM3の割合で、スペシャルエンディング演出3がN3の割合で選択される。
【0130】
K1〜3、L1〜3、M1〜3、N1〜3各々の割合は、Kn+Ln+Mn+Nn=1(ただしnは1〜3)、K1>K2>K3、L1>M1>N1、M2>L2>N2、N3>M3>L3の関係を成立するように定められている。なお、K1〜3、L1〜3、M1〜3、N1〜3各々の割合は、このような関係を成立するように定められているものに限るものではない。また、Kn<Ln+Mn+Nn(ただしnは1〜3)の関係を成立させるものでもよく、また、Kn=0(ただしnは1〜3)であってもよく、この場合には、L1>L2>L3の関係を成立させるように割合が定められているものであってもよい。
【0131】
一方、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100C〜100Hに対応するフラグのうちに1つでもセットされていないフラグが含まれていれば、ノーマルエンディング演出だけが選択され、スペシャルエンディング演出が選択されることはない。
【0132】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において遊技の進行のために行われる処理について説明する。まず、電源起動時の処理について説明する。リセットスイッチ93をON状態とした状態でメインスイッチ94をON状態としてパチンコ遊技機1を起動すると、RAM55の格納領域のうち使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する。ここで、RAM55が初期化されたときには、確率変動状態にも時短状態にも制御されていない遊技状態となる。そして、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。
【0133】
一方、リセットスイッチ93をOFF状態でメインスイッチ94をON状態としてパチンコ遊技機1を起動した場合は、RAM55のデータが壊れているかどうかを診断し、RAM55のデータが壊れていなかった場合、すなわち前回のパチンコ遊技機1の電源をOFFしたときのデータが正常なままで残っている場合には、RAM55に記憶されているデータはそのままとして、前回にパチンコ遊技機1の電源をOFFしたときの状態から、遊技を進行させるための処理を開始させることができる。
【0134】
パチンコ遊技機1において遊技を進行させるための処理は、2ms毎に実行されるタイマ割り込みに従って実行される。なお、打球操作ハンドル5の操作に基づく遊技領域7への遊技球の発射だけは、2ms毎のタイマ割り込み処理とは独立して行われるものとなっている。
【0135】
図8は、CPU56が実行するメイン処理にて2ms毎に実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS21)を行った後、ステップS22〜S36の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63、クリアスイッチ65、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態を判定するスイッチ処理を行う(ステップS22)。
【0136】
次に、遊技制御に用いられる大当たり判定用の乱数、大当たり種別判定用乱数、確率変動終了判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS24)及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS25)。
【0137】
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器10a、10b、可変表示装置9、特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0138】
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
【0139】
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定され、可変表示装置9等において各種演出を行うためのコマンドを表示制御基板80に送出する特別図柄コマンド制御処理を行う(ステップS28)。また、普通図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定された普通図柄に関するコマンドを送出する普通図柄コマンド制御処理を行う(ステップS29)。
【0140】
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当たり情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
【0141】
また、CPU56は、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、始動口スイッチ62a、62b、カウントスイッチ63等の何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
【0142】
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。記憶処理においては、始動口スイッチ62a、62bの検出信号に基づいて大当たり判定用乱数等の各種乱数を抽出し、抽出した乱数の値を始動口スイッチ62a、62bの別に保留記憶させる。また、抽出した各種乱数の値等を示すコマンドを送出する処理も行う。
【0143】
また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行う(ステップS34)。可変入賞装置15、特別可変入賞装置20、を開放状態または閉鎖状態としたり、大入賞口21内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS35)、割込許可状態に設定する(ステップS36)。
【0144】
次に、ステップS26の特別図柄プロセス処理について説明する。特別図柄プロセス処理では、CPU56は、まず、遊技盤6に設けられている始動入賞口14a、14bに遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ62がオンしているかどうか、すなわち遊技球が始動入賞口14a、14bに入賞する始動入賞が発生しているかどうかを判定し、始動入賞が発生していたら始動口スイッチ通過処理を行う。始動口スイッチ通過処理では、大当たり判定用乱数、大当たり種別判定用乱数、変動種別判定用乱数、変動パターン判定用乱数、及び確率変動終了判定用乱数を抽出して始動入賞口14a、14bの各々に対応する保留記憶バッファに記憶させる(但し、保留記憶バッファが満杯のときは、抽出した乱数を破棄する)とともに、抽出した乱数の値と遊技球が入賞した始動入賞口の種類を始動入賞毎の識別情報と対応付けたコマンドを表示制御基板80へと送信する。
【0145】
その後、特別図柄プロセスフラグの状態に応じて、次に説明する特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、演出設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理、大当たり終了処理の何れかの処理を行う。
【0146】
特別図柄通常処理:特別図柄の変動表示を開始できる状態になると開始される処理であり、CPU56は、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、確率変動状態に制御されていれば確率変動終了判定用乱数の値に基づいて確率変動状態を終了させるか否か、大当たり判定用乱数の値に基づいて大当たりとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定し、大当たりとする場合には、確変回数カウンタの値と大当たり種別判定用乱数の値に基づいて大当たりの種別も決定する。始動入賞口14a、14bの何れについても保留記憶カウンタの値が0でないときには、始動入賞口14bの保留記憶から優先して大当たり等の決定が行われる。なお、特別図柄通常処理の詳細については後述する。
【0147】
変動パターン設定処理:特別図柄表示器10a、10bにおける特別図柄の変動パターン種別を、始動入賞時に抽出した変動種別判定用乱数の値と保留記憶の数とに応じて選択する。そして、選択した変動パターンの種別と始動入賞発生時に抽出した変動パターン判定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。決定された変動パターンと時短状態に制御されているか否かに基づいて、特別図柄の変動時間を特別図柄プロセスタイマ(ダウンタイマにより構成される)にセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、特別図柄表示器10aまたは10bに特別図柄の変動表示開始を指示する信号を出力するとともに、選択した変動パターンを示すコマンドと大当たりとするか否か及び大当たり種別を示すコマンドとを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。
【0148】
特別図柄変動処理:変動パターン設定処理で選択された変動パターンに応じて変動時間のセットされた特別図柄プロセスタイマの計時時間を監視し、当該変動時間が経過して特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、次に特別図柄停止処理に移行させるよう制御を行う。
【0149】
特別図柄停止処理:特別図柄表示器10a、10bにて変動表示する特別図柄の変動表示を停止するとともに、時短状態に制御されているときには、時短状態での変動表示が実行された回数をカウントし、100回となっていたならば時短状態を終了させる。また、特別図柄の停止を示す信号を特別図柄表示器10a、10bに出力される状態に設定するとともに、図柄の停止を示すコマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
【0150】
大入賞口開放前処理:大当たり後に最初にこの処理が行われるときには大入賞口21のラウンド数を設定し、ラウンド数表示器19にラウンド数を表示させた後、大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド72を駆動して大入賞口21を開放状態として特別可変入賞装置20を開放状態とする。また、大入賞口21の開放されたラウンド数をカウントすると共に、開放タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定する。
【0151】
大入賞口開放中処理:第1大当たり遊技状態中および第2大当たり遊技状態中のラウンド表示のためのコマンド(ラウンドの開始時におけるラウンド数を示すコマンド、及び各ラウンドの終了を示すコマンド)を、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する処理や、大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。
【0152】
大当たり終了処理:第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態が終了したことを示すコマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
【0153】
一方、表示制御基板80などのサブ側の各種基板においては、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて可変表示装置9において飾り図柄を変動表示させる処理、或いは第1大当たり遊技状態に制御されているときに大当たり演出を実行する処理を行う。
図9は、表示制御基板80の表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【0154】
このメイン処理では、まず、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに含まれるRAMのうちで必要な領域を初期化する初期化処理を行う(ステップS701)。次に、所定時間(例えば33ms(可変表示装置9の1フレーム期間))毎に実行されるタイマ割り込み処理によってセットされるタイマ割り込みフラグの状態が1となっているかどうかを判定し(ステップS702)、タイマ割り込みフラグの状態が1となるまでステップS702の処理を繰り返して行う。
【0155】
タイマ割り込みフラグの状態が1となっている後、まず、このタイマ割り込みフラグを0にクリアし(ステップS703)、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドを受信したかどうかをチェックし、コマンドを受信している場合には、その内容を解析するコマンド解析処理を実行する(ステップS704)。
【0156】
次に、コマンド解析処理におけるコマンドの解析結果に基づいて、可変表示装置9において飾り図柄を変動表示させたり、大当たり演出を実行させたりする演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。また、コマンドの解析結果に基づいて、飾り図柄の変動表示や大当たり演出以外の各種演出(リーチ予告など)を実行させる予告制御プロセス処理を実行する(ステップS706)。さらに、予告態様判定用乱数などの乱数を更新する乱数更新処理を実行して(ステップS707)、ステップS702の処理に戻る。
【0157】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において連チャン中に実行される大当たり演出について、具体的な例に基づいて説明する。
図10、
図11は、連チャン中の大当たり演出の具体的な実行例を示す図である。なお、
図10、
図11において、ラウンド演出実行済フラグ800としてはキャラクタ100A〜100Hの各々に対応するフラグを示しているが、条件成立フラグ801として示しているのは、突確フラグのみとする。
【0158】
図10に示す第1の例では、確率変動状態に制御されていない状態で確率変動大当たりが発生し、その後2回の大当たりが何れも確率変動大当たりとなった場合を示す。この第1の例では、
図10(a)に示すように、確率変動状態に制御されていない状態(この状態で、ラウンド演出実行済フラグ800と条件成立フラグ801は全てリセットされている)で、確率変動大当たりが発生したものとする。この大当たりにより、前述した確変大当たり連続回数は1回となる。ここで、確率変動状態に制御されることが確定するので、ラウンド演出実行済フラグ800と条件成立フラグ801を条件成立に応じてセットさせることが可能となる。
【0159】
図10(a)の確率変動大当たりに基づく大当たり演出が開始される。ここでの大当たり演出での各ラウンド演出では、条件成立フラグ801は何れもセットされていないので、
図6(a)で示したその他の欄における割合(δ1、δ2)にしたがってキャラクタ選択が行なわれるため、いずれかの条件成立フラグ801がセットされているときよりも、キャラクタ100A、100Bの選択割合が非常に高いものとなる。
図10(b)に示すように、キャラクタ100Aが選択されて第1ラウンドのラウンド演出が実行されたものとする。ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Aに対応するフラグがセットされる。
【0160】
その後、第14ラウンドまでにキャラクタ100B、キャラクタ100Gが選択されたラウンド演出が実行された後、
図10(c)に示すように、キャラクタ100Eが選択されて第15ラウンドのラウンド演出が実行されたものとする。ここで、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Eに対応するフラグがセットされ、ラウンド演出実行済フラグ800は、キャラクタ100A、100B、100E、100Gに対応するフラグがセットされた状態となる。
【0161】
次に、
図10(c)の第15ラウンドのラウンド演出が終了すると、エンディング演出が実行されることとなる。ここで、ラウンド演出実行済フラグ800は、キャラクタ100A、100B、100E、100Gに対応するフラグがセットされた状態で、キャラクタ100C、100D、100F、100Hに対応するフラグがセットされていないので、
図7で示したとおり、エンディング演出として、
図10(d)に示すノーマルエンディング演出の画面が表示されて行われる。
【0162】
図10(d)のエンディング演出が終了すると、確率変動状態は継続したまま新たな変動表示が開始される。
図10(e)は、確率変動状態において確率変動大当たりが発生した状態を示している。この大当たりにより、前述した確変大当たり連続回数は2回となる。
図10(e)に示す確率変動大当たりに基づく大当たり演出でも、条件成立フラグ801は何れもセットされていないので、キャラクタ100A、100Bの選択割合が非常に高いものとなる。
【0163】
第7ラウンドまではキャラクタ100Aまたはキャラクタ100Bが選択され、
図10(f)に示すように、第8ラウンドでキャラクタ100Dが選択されてラウンド演出が実行されると、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Dに対応するフラグがセットされる。その後、第9ラウンドから第15ラウンドまでキャラクタ100Aまたはキャラクタ100Bが選択されたものとすると、ラウンド演出実行済フラグ800は、キャラクタ100A、100B、100D、100E、100Gに対応するフラグがセットされた状態となる。
【0164】
次に、第15ラウンドのラウンド演出が終了すると、エンディング演出が実行されることとなる。ここで、ラウンド演出実行済フラグ800は、キャラクタ100A、100B、100D、100E、100Gに対応するフラグがセットされた状態で、キャラクタ100C、100F、100Hに対応するフラグがセットされていないので、
図10(g)に示すように、ここでのエンディング演出は、ノーマルエンディング演出の画面が表示されて行われる。
【0165】
図10(g)のエンディング演出が終了すると、確率変動状態は継続したまま新たな変動表示が開始される。
図10(h)は、確率変動状態において確率変動大当たりが発生した状態を示している。この大当たりにより、前述した確変大当たり連続回数は3回となる。
図10(h)に示す確率変動大当たりに基づく大当たり演出でも、条件成立フラグ801は何れもセットされていないので、キャラクタ100A、100Bの選択割合が非常に高いものとなる。
【0166】
第4ラウンドまではキャラクタ100Aまたはキャラクタ100Bが選択され、
図10(i)に示すように、第5ラウンドでキャラクタ100Fが選択されてラウンド演出が実行されると、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Fに対応するフラグがセットされる。その後、第6ラウンドから第14ラウンドまでキャラクタ100Aまたはキャラクタ100Bが選択され、
図10(j)に示すように、第15ラウンドでキャラクタ100Cが選択されてラウンド演出が実行されると、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Cに対応するフラグがセットされる。この時点で、ラウンド演出実行済フラグ800は、キャラクタ100A、100B、100C、100D、100E、100F、100Gに対応するフラグがセットされた状態となる。
【0167】
次に、
図10(j)の第15ラウンドのラウンド演出が終了すると、エンディング演出が実行されることとなる。ここで、ラウンド演出実行済フラグ800は、キャラクタ100A、100B、100C、100D、100E、100F、100Gに対応するフラグがセットされた状態で、未だキャラクタ100Hに対応するフラグがセットされていないので、
図10(k)に示すように、ここでのエンディング演出は、ノーマルエンディング演出の画面が表示されて行われる。以降、確率変動状態が継続する期間にわたり、ラウンド演出実行済フラグ800、条件成立フラグ801、および確変大当たり連続回数が遊技の進行に応じて更新され、時短大当たりが発生して当該時短大当たりが終了して、確率変動状態が終了したときにラウンド演出実行済フラグ800および条件成立フラグ801はリセットされる。
【0168】
図11に示す第2の例では、確率変動状態に制御されていない状態で確率変動大当たりが発生し、その後2回の大当たりが突然確変大当たり、確率変動大当たりとなった場合を示す。
図11(a)に示すように、確率変動状態に制御されていない状態(この状態で、ラウンド演出実行済フラグ800と条件成立フラグ801は全てリセットされている)で、確率変動大当たりが発生したものとする。この大当たりにより、前述した確変大当たり連続回数は1回となる。ここで、確率変動状態に制御されることが確定するので、ラウンド演出実行済フラグ800と条件成立フラグ801を条件成立に応じてセットさせることが可能となる。
【0169】
図11(a)の確率変動大当たりに基づく大当たり演出が開始される。ここでの大当たり演出での各ラウンド演出では、条件成立フラグ801は何れもセットされていないので、キャラクタ100A、100Bの選択割合が非常に高いものとなる。
図11(b)に示すように、キャラクタ100Aが選択されて第1ラウンドのラウンド演出が実行されたものとする。ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Aに対応するフラグがセットされる。
【0170】
その後、第14ラウンドまでにキャラクタ100B、キャラクタ100Gが選択されたラウンド演出が実行された後、
図11(c)に示すように、キャラクタ100Eが選択されて第15ラウンドのラウンド演出が実行されたものとする。ここで、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Eに対応するフラグがセットされ、ラウンド演出実行済フラグ800は、キャラクタ100A、100B、100E、100Gに対応するフラグがセットされた状態となる。
【0171】
次に、
図11(c)の第15ラウンドのラウンド演出が終了すると、エンディング演出が実行されることとなる。ここで、ラウンド演出実行済フラグ800は、キャラクタ100A、100B、100E、100Gに対応するフラグがセットされた状態で、キャラクタ100C、100D、100F、100Hに対応するフラグがセットされていないので、
図11(d)に示すように、ここでのエンディング演出は、ノーマルエンディング演出の画面が表示されて行われる。
【0172】
図11(d)のエンディング演出が終了すると、遊技状態が確率変動状態に制御されて新たな変動表示が開始される。
図11(e)は、確率変動状態において突然確変大当たりが発生した状態を示している。この大当たりにより、前述した確変大当たり連続回数は2回となる。突然確変大当たりであるので、大当たり演出が行われることはない。ここで、条件成立フラグ801のうちの突確フラグがセットされるものとなる。
【0173】
図11(e)の突然確変大当たりの後に、確率変動状態は継続したまま新たな変動表示が開始される。
図11(f)は、確率変動状態において確率変動大当たりが発生した状態を示している。この大当たりにより、前述した確変大当たり連続回数は3回となる。
図11(f)に示す確率変動大当たりに基づく大当たり演出では、条件成立フラグ801のうちの突確フラグがセットされている。このため、
図6(a)で示したように、キャラクタ100C〜100Hの選択割合が高まるものとなる。
【0174】
第1ラウンドではキャラクタ100Aまたはキャラクタ100Bが選択された後、
図11(g)に示すように、第2ラウンドでキャラクタ100Cが選択されてラウンド演出が実行されると、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Cに対応するフラグがセットされる。第3ラウンドから第5ラウンドまでキャラクタ100Aまたはキャラクタ100Bが選択された後、
図11(h)に示すように、第6ラウンドでキャラクタ100Dが選択されてラウンド演出が実行されると、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Dに対応するフラグがセットされる。
【0175】
第7ラウンドから第10ラウンドまでキャラクタ100Aまたはキャラクタ100Bが選択された後、
図11(i)に示すように、第11ラウンドでキャラクタ100Hが選択されてラウンド演出が実行されると、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Hに対応するフラグがセットされる。第12ラウンドから第14ラウンドまでキャラクタ100Aまたはキャラクタ100Bが選択された後、
図11(j)に示すように、第15ラウンドでキャラクタ100Fが選択されてラウンド演出が実行されると、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100Fに対応するフラグがセットされる。
【0176】
次に、
図11(j)の第15ラウンドのラウンド演出が終了すると、エンディング演出が実行されることとなる。ここで、ラウンド演出実行済フラグ800は、キャラクタ100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100Hに対応する全てのフラグがセットされており、確率変動状態に制御されることが確定してからキャラクタ100C〜100Hの全てによるラウンド演出が行われたこととなる。また、
図11(f)において発生した確率変動大当たりにより、確変大当たり連続回数は3回となっている。このため、
図7のC〜H全セット時における確変大当たり連続回数が3回以下に対応する割合にしたがって、エンディング演出が選択される。このため、スペシャルエンディング演出を選択可能となる。
図11(k)では、スペシャルエンディング演出1が選択されて、スペシャルエンディング演出1の画面が表示されている場合を示している。
【0177】
なお、
図11(f)において確率変動大当たりではなく時短大当たりが発生し、当該時短大当たり中に
図11(j)に示すようにキャラクタ100C、100D、100E、100F、100G、100Hに対応する全てのフラグがセットされたときには、確変大当たり中であるときと異なる割合にしたがって、スペシャルエンディング演出を含む複数種類のエンディング演出から、一のエンディング演出を選択してもよく、また、確変大当たり中であるときと異なる種類のスペシャルエンディング演出を含む複数種類のエンディング演出から、一のエンディング演出を選択してもよい。
【0178】
また、
図11(j)に示すようにキャラクタ100C、100D、100E、100F、100G、100Hに対応する全てのフラグがセットされたときであっても、キャラクタ100C〜100Hのうちいずれかが所定回数連続するラウンド演出で連続して出現したか否かで異なる割合にしたがって、スペシャルエンディング演出を含む複数種類のエンディング演出から、一のエンディング演出を選択してもよく、また、キャラクタ100C〜100Hのうちいずれかが所定回数連続するラウンド演出で連続して出現したか否かで異なる種類のスペシャルエンディング演出を含む複数種類のエンディング演出から、一のエンディング演出を選択してもよい。
【0179】
以降、確率変動状態が継続する期間にわたり、ラウンド演出実行済フラグ800の記憶状態は維持され、条件成立フラグ801および確変大当たり連続回数は遊技の進行に応じて更新される。よって、確変大当たりが発生したときの大当たり終了時におけるエンディング演出は、
図7のC〜H全セット時の割合であって、確変大当たり連続回数に対応する割合にしたがって選択される。
図11(m)は、確変大当たりが発生したときの大当たり終了時におけるエンディング演出として、スペシャルエンディング演出2が選択されて、スペシャルエンディング演出2の画面が表示されている場合を示している。
【0180】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態に制御されていないときには、始動入賞口14a、14bの始動入賞に基づいて特別図柄表示器10a、10bにおいて特別図柄の変動表示が行われ、これに合わせて可変表示装置9において飾り図柄の変動表示が行われる。これらの変動表示の結果に応じて確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりが発生すると、第1大当たり遊技状態に制御される。また、変動表示の結果に応じて確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは突然確変大当たりが発生すると、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態の終了後に確率変動状態に制御される。
【0181】
確率変動状態に制御されている場合には比較的高い確率で大当たりが発生することとなるので、第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態の終了後に行われた変動表示の回数が比較的少ない時点で再び第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態に制御され、実質的に遊技者にとって有利な状態が継続していると言える状態となる。第1大当たり遊技状態に制御されている間には、可変表示装置9において大当たり演出が行われるが、この大当たり演出には、第1大当たり遊技状態の各ラウンドで実行されるラウンド演出と、15ラウンド全てを終了した後に行われるエンディング演出とが含まれる。
【0182】
ラウンド演出は、キャラクタ100A〜100Hのうちから何れかのキャラクタが選択されて実行される。また、エンディング演出は、ノーマルエンディング演出およびスペシャルエンディング演出1〜3の何れかが可変表示装置9に表示されて実行されるが、スペシャルエンディング演出1〜3は、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100C〜100Hに対応する全てのフラグがセットされているときに限って、選択することが可能なものとなっている。
【0183】
また、
図7で示したように、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100C〜100Hに対応する全てのフラグがセットされたときの確変大当たり連続回数、すなわちキャラクタ100C〜100Hすべてを出現させるのに要した大当たり回数に応じて定められた割合に従って、ラウンド演出実行済フラグ800のうちのキャラクタ100C〜100Hに対応する全てのフラグがセットされているときのエンディング演出が選択される。このため、キャラクタ100C〜100Hがすべて出現することのみならず、キャラクタ100C〜100Hがすべて出現したときの確変大当たり連続回数や、どの種類のエンディング演出が実行されるかなどに対しても、遊技者の興味を引くことができる。その結果、スペシャルエンディング演出1〜3のいずれかが実行されるまでの過程および実行されること自体によって遊技の興趣を向上させることができる。
【0184】
(2) 前述した実施の形態におけるラウンド演出実行済フラグ800に含まれる各フラグは、確率変動状態に制御されることが確定した(即ち、確率変動状態に制御されていない状態で確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは突然確変大当たりが発生した)ときから、当該確率変動状態が継続している限りの期間においてセットすることができ、時短大当たりが発生して当該時短大当たりが終了(確率変動状態が終了)したときにリセットされる。
【0185】
このように大当たり演出のエンディング演出におけるスペシャルエンディング演出1〜3は、確率変動状態が継続している限りにおいて、それまでに実行された大当たり演出のラウンド演出との関係において実行されるものとなるため、ラウンド演出とエンディング演出との関連性が高いものとなる。しかも、エンディング演出と関係しているラウンド演出は、当該エンディング演出と同じ大当たり演出におけるものだけに限らず、確率変動状態が終了していない限り、それよりも前の大当たり演出のラウンド演出も含んでいる。このため、遊技全体を長い目で見ての演出の面白みを生じさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0186】
(3) 前述した実施の形態においては、
図7で示したように、キャラクタ100C〜100Hのすべてが出現したタイミングが、確変大当たり連続回数が3回以下のタイミングであるか、4〜5回のタイミングであるか、6回以上のタイミングであるかによって、異なる割合でエンディング演出が選択される。このため、キャラクタ100C〜100Hのすべてが出現したタイミングが、確変大当たり連続回数が3回以下のタイミングであるか、4〜5回のタイミングであるか、6回以上のタイミングであるかに遊技者の関心を向けさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0187】
(4) 前述した実施の形態におけるスペシャルエンディング演出1〜3は、ラウンド演出実行済フラグ800のキャラクタ100C〜100Hの全てに対応するフラグがセットされていることを条件に選択され得るが、ラウンド演出におけるキャラクタ100A〜100Hの選択は、如何なる場合も同じ条件で行われる訳ではない。即ち、条件成立フラグ801に含まれる特
図Aフラグのセット、突確フラグのセット、レアリーチフラグのセットという有利条件が成立しているときには、これら何れのフラグもセットされていない場合よりも高い選択割合で、ラウンド演出においてキャラクタ100C〜100Hが選択されるものとなっている。
【0188】
もっとも、これはあくまで選択割合の問題であって、特
図Aフラグ、突確フラグ、或いはレアリーチフラグがセットされているときでもキャラクタ100C〜100Hが選択されないことも、特
図Aフラグ、突確フラグ、及びレアリーチフラグの何れもセットされていないときでもキャラクタ100C〜100Hが選択されることもある。
【0189】
このように、キャラクタ100C〜100Hが一律に定められた割合にしたがって単純に選択されるものではなく、有利条件が成立することに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0190】
(5) 前述した実施の形態においては、キャラクタ100C〜100Hの選択割合を高めさせる条件として条件成立フラグ801のうちの特
図Aフラグ、突確フラグ、或いはレアリーチフラグがセットされていることが定められているが、特
図Aフラグは、特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示が行われる場合が多い確率変動状態において特別図柄表示器10aでの変動表示で大当たりが発生することがセットされ、突確フラグは、突然確変大当たりが発生することがセットされ、レアリーチフラグは、飾り図柄の変動パターンがレアリーチハズレとなったときにセットされる。
【0191】
突然確変大当たりは、第2大当たり遊技状態に制御した後に確率変動状態に制御する大当たりであり、確率変動状態に制御されていないときの発生なら遊技者にとって好ましいものとなるものの、確率変動状態に制御されているときの発生では確率変動状態が継続することの意味しかなく、ハズレの場合と大差ない。変動パターンがレアリーチとなった場合は、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる確率が高いのに、これでハズレとなると却って遊技者の落胆も大きくさせてしまう。
【0192】
このように遊技者にとってほとんど何の意味もない確率変動状態での突然確変大当たりの発生や、遊技者を落胆させかねないレアリーチハズレの発生は、それぞれ突確フラグ、レアリーチフラグをセットさせることによって、ラウンド演出においてキャラクタ100C〜100Hの選択割合を高めさせるものとなり、結果的にスペシャルエンディング演出1〜3を表示させやすくすることができる。これにより、確率変動状態での突然確変大当たりの発生や飾り図柄の変動表示におけるレアリーチハズレの発生で遊技者を落胆させてしまうのを防ぐことができる。
【0193】
また、確率変動状態における特別図柄表示器10aでの大当たりの発生や、レアリーチハズレの発生は、それ自体の発生頻度が非常に低いものであるが、それぞれ特
図Aフラグ、レアリーチフラグをセットさせることによって、ラウンド演出においてキャラクタ100C〜100Hの選択割合を高めさせるものとなり、結果的にスペシャルエンディング演出1〜3を表示させやすくすることができる。これにより、本来的に発生頻度が低い、これら事象の発生に対する遊技者の関心をいっそう高めさせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0194】
(6) 前述した実施の形態においては、表示制御基板80の表示制御用CPUがラウンド演出におけるキャラクタ100A〜100Hを選択する場合において、キャラクタ100C〜100Hを一旦選択した場合に対応するラウンド演出実行済フラグ800がセットされている場合には、フラグがセットされていない次順番の種類のキャラクタの選択に切り替えられる。これにより、キャラクタ100C〜100Hが選択されたのに、スペシャルエンディング演出1〜3の表示には何の意味もない選択となるということがなくなるので、ラウンド演出においてキャラクタ100C〜100Hが選択されることに対する遊技者の期待にいっそう応えることができるものとなる。
【0195】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0196】
[記憶を終了させる終了条件について]
上記の実施の形態では、時短大当たりが発生して当該時短大当たりが終了(確率変動状態が終了)することにより、終了条件が成立する例について説明した。すなわち、大当たり遊技状態→確率変動状態→大当たり遊技状態→…という確率変動状態を含む大当たりの連チャンが終了したときに終了条件が成立する例について説明した。しかしながら、終了条件は、時短大当たりが発生したときに終了するようにしてもよい。また、終了条件は、時短大当たりの発生を契機とする大当たりが終了した後において制御される時短状態が終了することにより成立するものであってもよい。すなわち、大当たりの連チャンの概念に確率変動状態のみならず時短状態をも含め、当該確率変動状態および時短状態のいずれもが終了したときに、終了条件が成立するようにしてもよい。
【0197】
また、終了条件は、これらに限らず、第1大当たり遊技状態に制御されてから、当該第1大当たり遊技状態が終了することにより、終了条件が成立するようにしてもよい。この場合の第1大当たり遊技状態は、時短大当たりに基づくものであってもよい。大当たり演出は、大入賞口21を開放状態としているラウンド毎に実行されるラウンド演出と、全てのラウンドを終了した後に新たな変動表示が開始されるまでに実行されるエンディング演出とから成り立っている。
【0198】
この場合において、ラウンド演出実行済フラグ800は、第1大当たり遊技状態が終了した時点で全てリセットされる。一方、条件成立フラグ801は、第1大当たり遊技状態が終了した時点で全てリセットされるが、確率変動状態に制御されていなくても該当する条件が成立したならば、セットされるものとしてもよい。つまり、前回の大当たりから今回の大当たりまでの間にレアリーチハズレが生じていた場合には、条件成立フラグ801のうちのレアリーチフラグがセットされていることとなるので、ラウンド演出においてキャラクタ100C〜100Hが高い割合で選択されることとなる。
【0199】
また、突然確変大当たりが発生して確率変動状態に制御され、この状態で新たな大当たり(突然確変大当たり以外)が発生したものとする。この場合には、当該新たな大当たりに基づく大当たり演出を行う場合において、条件成立フラグ801のうちの突確フラグがセットされていることとなるので、ラウンド演出においてキャラクタ100C〜100Hが高い割合で選択されることとなる。
【0200】
このように第1大当たり遊技状態に制御されている間に実行される大当たり演出において完結するように本発明を適用した場合、第1大当たり遊技状態が終了すると、ラウンド演出実行済フラグ800をリセットすることとなる。これにより、各ラウンド演出でキャラクタ100C〜100Hの全てが登場したかを判断する単位を1回の第1大当たり遊技状態とすることができ、各回の第1大当たり遊技状態毎に実行される大当たり演出に遊技者の関心を向けさせることができる。
【0201】
また、表示制御基板80の表示制御用CPUは、各回の第1大当たり遊技状態の終了でラウンド演出実行済フラグ800及び条件成立フラグ801をリセットすればよく、第1大当たり遊技状態に制御されていない間に確率変動状態に制御されているか否かを判断する必要はない。
【0202】
[特別な演出を実行するタイミングについて]
上記の実施の形態では、特定の記憶状態となっていると判定されたことに起因する特別な演出であるスペシャルエンディング演出を、当該特定の記憶状態となっていると判定された大当たり中において実行し得る例について説明した。しかし、特定の記憶状態となっていると判定されたことに起因する特別な演出は、これに限らず、たとえば、当該特定の記憶状態となっていると判定された大当たりが終了した後、次に発生した大当たり中において実行し得るように構成してもよい。
【0203】
この場合においては、特定の記憶状態となっていると判定されたときに特別条件が成立しているか否かに加えて、次に発生した大当たりの種類(確変大当たりであるか否か)に応じて、異なる態様(確率を異ならせる、選択対象を異ならせる)で選択処理を行なうようにしてもよい。
【0204】
また、このように、特定の記憶状態となっていると判定されたことに起因する特別な演出を、当該特定の記憶状態となっていると判定された大当たりが終了した後、次に発生した大当たり中において実行し得るように構成した場合には、確率変動状態あるいはその後に確率変動状態となる大当り中であるときにしか特定の記憶状態とならないように演出を種類を選択するようにしてもよい。すなわち、次に大当たりとなる保障がないときには、特定の記憶状態とならないように演出の種類を選択し、たとえば確率変動状態中であることより次に大当たりとなる保障があるときにのみ、特定の記憶状態となるように演出の種類を選択してもよい。
【0205】
[特定の記憶状態を構成する演出および特別な演出について]
上記の実施の形態では、特定の記憶状態を構成する演出が、大当たり中であってラウンド演出中に実行される演出である例について説明したが、これに限らず、大当たり中であってラウンド間のインターバル中などに実行される演出であってもよく、大当たり中以外に実行される演出であってもよく、さらに、大当たり中に実行される演出と大当たり中以外において実行される演出との双方の演出であってもよい。特定の記憶状態を構成する大当たり中以外に実行される演出としては、たとえば、リーチ演出のうち、大当たりとなる信頼度が高い複数種類のスーパーリーチ演出や、予告演出のうち、大当たりとなる信頼度が高い複数種類の高信頼度予告演出などであってもよい。これにより、特定の記憶状態となることに対する期待感を大当たり中のみならず大当たり中以外においても抱かせることができる。
【0206】
また、上記の実施の形態では、特定の記憶状態となったことにより実行される特別な演出が、大当たり中のエンディング演出である例について説明したが、これに限らず、大当たり中におけるラウンド演出やインターバル中に実行される演出であってもよく、大当たり中以外に実行される演出であってもよい。大当たり中以外に実行される特別な演出としては、たとえば、特定の記憶状態となっているときにのみ選択可能となる、特別な変動パターンや特別な予告演出であってもよい。これにより、大当たり中のみならず大当たり中以外においても特別な演出が実行されることに対する期待感を抱かせることができる。
【0207】
[特定の記憶状態と特別な演出との関係について]
上記の実施の形態では、
図7で示したように、特定の記憶状態となっているときにのみ特別な演出が選択され得る例について説明した。しかし、特別な演出は、特定の記憶状態となっているときよりも低い割合であれば、特定の記憶状態となっていないときにおいても所定割合(たとえば、1%など)で選択され得るものであってもよい。
【0208】
[特別条件について]
上記の実施の形態では、特定の記憶状態となっていると判定されたときの確変大当たり連続回数がたとえば3回以下か否かで成否が分かれる条件を特別条件の一例として説明した。しかし、特別条件は、特定の記憶状態となっていると判定されたときの、確変大当たり連続回数に限らず、たとえば、所定の遊技履歴の履歴情報、確率変動状態中であるか否か、時短中であるか否か、確変大当たり中であるか否か、ラウンド回数の総数、大当たり合計回数、確変大当たり合計回数、変動表示回数などのうち少なくともいずれかに応じて成否が分かれるものであってもよい。なお、所定の遊技履歴の履歴情報とは、たとえば、特定の記憶状態となっていると判定されたときの大当たりが、当該特定の記憶状態を構成する演出が最初に実行された大当たりから所定回数以内の大当たりであるか否かであってもよい。また、日時を計時するためのリアルタイムクロックを備える遊技機においては、特別条件が、特定の記憶状態となっていると判定されたときのリアルタイムクロックの値に基づき成立するものであってもよい。
【0209】
また、上記の実施の形態では、特定の記憶状態となっていると判定されたときに特別条件が成立しているか否かに応じて、選択可能となる特別な演出が同じ複数種類の特別な演出のうちから選択割合を異ならせる例について説明したが、これに限らず、特定の記憶状態となっていると判定されたときに特別条件が成立しているか否かに応じて、選択可能となる特別な演出を異ならせるようにしてもよい。
【0210】
[特定の記憶状態について]
上記の実施の形態では、特別な演出であるスペシャルエンディング演出を実行可能にする特定の記憶状態として、ラウンド演出で選択し得るキャラクタ100A〜100Hのうちのキャラクタ100C〜100Hの全てに対応したラウンド演出実行済フラグがセットされている記憶状態を例示した。しかし、特定の記憶状態は、これに限るものではない。
【0211】
たとえば、特定の記憶状態は、キャラクタ100A〜100Hの全てに対応したラウンド演出実行済フラグがセットされている記憶状態であってもよい。或いは、条件成立フラグの何れもセットされていないときには選択割合が低いキャラクタ100C〜100Hのうちの一部で予め定められた組合せ(例えば、キャラクタ100C、100E、100G、100Hなど)に対応するラウンド演出実行済フラグがセットされている記憶状態であってもよく、また、条件成立フラグの何れもセットされていないときには選択割合が低いキャラクタ100C〜100Hのうちの同じものが所定回数以上選択された(この場合は、キャラクタ100C〜100Hの選択の切り替えはないものとする)ことが特定される記憶状態であってもよい。
【0212】
また、キャラクタ100A〜100Hのうち特定の記憶状態を満足する特定のキャラクタ(たとえば、キャラクタ100C〜100G)すべてに対応したラウンド演出実行済フラグがセットされている記憶状態であっても、特定のキャラクタ以外の所定のキャラクタ(たとえば、キャラクタ100H)に対応したラウンド演出実行済フラグがセットされている記憶状態であるときには、特定の記憶状態を満たさず、特定のキャラクタ(たとえば、キャラクタ100C〜100G)すべてに対応したラウンド演出実行済フラグがセットされておりかつ所定のキャラクタ(たとえば、キャラクタ100H)に対応したラウンド演出実行済フラグがセットされていないときにのみ特定の記憶状態を満たすものであってもよい。
【0213】
[その他の変形例について]
上記の実施の形態においては、特別な演出であるスペシャルエンディング演出を選択する割合を、確変大当たり連続回数に応じて異ならせる例について説明したが、これに限らず、セットされている条件成立フラグ801に応じて異ならせるようにしてもよい。
【0214】
上記の実施の形態では、確率変動大当たりまたは突然確変大当たりの発生に基づいて確率変動状態に制御された場合、当該確率変動状態は、次に大当たりが発生するまで無制限で継続されるものとなっていた(但し、次の大当たりが確率変動大当たりまたは突然確変大当たりであれば、改めて確率変動状態に制御される)。もっとも、確率変動状態において実行される特別図柄の変動表示の回数を無制限とせずに、一定回数までとするものとしてもよい。
【0215】
1回の確率変動状態において実行される特別図柄の変動表示の最大回数は、確率変動状態における大当たり確率の逆数よりも大きい回数(例えば、100回)とすることもできる。或いは、保留記憶の数程度(例えば、始動入賞口14bについての保留記憶数である4、或いは始動入賞口14a、14bについての保留記憶数の合計である8)とすることもできる。確率変動状態において実行される特別図柄の変動表示の回数を一定回数に限る場合、時短状態に制御する回数も、これに合わせることができる。
【0216】
上記の実施の形態では、大当たり遊技状態として、確率変動大当たりまたは時短大当たりの発生に基づいて大入賞口21が30秒15ラウンドで開放状態となる第1大当たり遊技状態と、突然確変大当たりまたは突然通常大当たりの発生に基づいて0.5秒2ラウンドで開放状態となる第2大当たり遊技状態とがあった。このような第1大当たり遊技状態と第2大当たり遊技状態に代えて、大入賞口21が開放されるラウンド数が互いに同じ(例えば、8ラウンド)であるが、1ラウンド当たりの大入賞口21の開放時間をそれぞれ30秒、0.5秒とした長期大当たり遊技状態と短期大当たり遊技状態とを設けるものとしてもよい(1ラウンド当たりの大入賞口21の開放時間と大入賞口21が開放されるラウンド数は、あくまで一例)。
【0217】
そして、上記の実施の形態における第1大当たり遊技状態を長期大当たり遊技状態に置き換え、第2大当たり遊技状態を短期大当たり遊技状態に置き換えるものとすることができる。このように、長期大当たり遊技状態と短期大当たり遊技状態とでは、1ラウンド当たりでの大入賞口21の開放時間が互いに異なるものの、大入賞口21が開放状態となるラウンド数が異なることはない。このため、大当たり遊技状態のラウンド数を報知するラウンド数表示器19をパチンコ遊技機1に設けないでも済むようになる。
【0218】
上記の実施の形態では、何れも確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは突然確変大当たりが発生した(確率変動状態に制御されることが確定した)後、確率変動状態に制御されている限りにおいて実行された大当たり演出におけるラウンド演出で選択されたキャラクタの種類の組合せに応じて、大当たり演出のエンディング演出としてスペシャルエンディング演出を選択し得るものとしていた。
【0219】
何れも確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは突然確変大当たりが発生した(確率変動状態に制御されることが確定した)後、確率変動状態に制御されている限りにおいて実行された飾り図柄の変動表示において選択された変動パターンに応じて、大当たり演出のエンディング演出としてスペシャルエンディング演出を選択し得るものとしてもよい。また、このような間の飾り図柄の変動表示において停止図柄として選択された飾り図柄の種類に応じて、大当たり演出のエンディング演出としてスペシャルエンディング演出を選択し得るものとしてもよい。
【0220】
例えば、このような間に何度も行われた飾り図柄の変動表示において、複数種類ある変動パターンのうちから予め定められた組合せの変動パターン(ハズレのものだけとしても、ハズレ・当たりの双方としてもよい)の全てで変動表示が実行されていた場合に、大当たり演出のエンディング演出としてスペシャルエンディング演出を選択し得るものとしてもよい。或いは、このような間に何度も行われた飾り図柄の変動表示において、特定の組合せ(1種類だけでも複数種類でも可)の停止図柄が生じた(1回だけとしても複数回としても可)場合に、大当たり演出のエンディング演出としてスペシャルエンディング演出を選択し得るものとしてもよい。
【0221】
上記の実施の形態では、大当たり抽選及び大当たり種別抽選の結果に関わらず、変動パターンとして疑似連を選択することはなかった。これに対して、変動パターンとして一定の割合で疑似連を選択できるようにしてもよい。ここで、疑似連とは、特別図柄の変動表示に応じて可変表示装置9で飾り図柄が変動表示されるが、1回分の特別図柄の変動表示(すなわち、1回の始動入賞)に対して、飾り図柄表示領域9a〜9cの全てにおいて飾り図柄の変動表示を仮停止(図柄の更新を停止しているが確定はしていない状態であって、揺り動かすなどの状態としていてもよい)させた後に、全ての飾り図柄を再度変動表示させる再変動表示を1回または複数回実行する飾り図柄の変動パターンを指す。
【0222】
疑似連は、再変動表示の回数が少ないほど出現頻度は高いが、再変動表示の回数が多くなるほど確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる割合が高い変動パターンであり、特定回数(ここでは、4回とする)の再変動表示が行われた場合には確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなることが確定する変動パターンとすることができる。疑似連3回は、全体としての出現頻度も低く、出現した場合には確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる確率が比較的高いにも関わらず、ハズレとも成り得る変動パターンであるという点で、上記の実施の形態におけるレアリーチハズレと同じ性質を有するものとなる。
【0223】
そこで、条件成立フラグ801には、疑似連3回でハズレとなった場合にセットされる疑似連3回フラグも設けるものとし、表示制御基板80の表示制御用CPUは、ラウンド演出におけるキャラクタを選択するに当たって、疑似連3回フラグがセットされているときには、レアリーチフラグがセットされている場合と同様にキャラクタ100C〜100Hを高い選択割合で選択することができる。これにより、上記の実施の形態におけるレアリーチハズレの場合と同様の効果を得ることができる。
【0224】
上記の実施の形態では、特別図柄表示器10a、10bで特別図柄の変動表示が行われているときの演出は、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示の変動パターンの違いによってなされるものとしていた。この変動パターンは、主基板31のCPU56が決定するのに対して、表示制御基板80の表示制御用CPUが受信した開始時コマンドに従って独自に決定を行う演出を実行させることもできる。例えば、飾り図柄の変動表示においてリーチとなることを予告するリーチ予告などがある。
【0225】
リーチ予告は、複数種類の実行態様のものを含むが、リーチとならないときの選択割合とリーチとなるときの選択割合は、各々の実行態様毎に異なっている。つまり、比較的高い頻度で出現するがリーチとなる割合は低い実行態様のリーチ予告と、出現頻度は比較的低いがリーチとなる割合は非常に高い実行態様のリーチ予告と、出現頻度自体は低いが出現すればリーチとなることが確定する実行態様のリーチ予告とを実現することができる。ここで、出現頻度は比較的低いがリーチとなる割合は非常に高い実行態様のリーチ予告が実行されてリーチとならない場合は、上記の実施の形態におけるレアリーチハズレと同じ性質を有するものとなる。
【0226】
そこで、条件成立フラグ801には、出現頻度は比較的低いがリーチとなる割合は非常に高い実行態様のリーチ予告が実行されてリーチとならない場合にセットされるレア予告フラグも設けるものとし、表示制御基板80の表示制御用CPUは、ラウンド演出におけるキャラクタを選択するに当たって、レア予告フラグがセットされているときには、レアリーチフラグがセットされている場合と同様にキャラクタ100C〜100Hを高い選択割合で選択することができる。これにより、上記の実施の形態におけるレアリーチハズレの場合と同様の効果を得ることができる。
【0227】
上記の実施の形態では、大当たりの種類として確率変動大当たり、確変昇格大当たり、突然確変大当たり、及び時短大当たりがあり、前三者では、何れも確率変動大当たりに制御されたことが遊技者に分かるものとなっていた。これに対して、大当たりの種類として確変昇格大当たりに代えて、飾り図柄を「1」または「7」以外の図柄で揃えて停止させるとともに、大当たり演出においても確率変動状態に制御されるか否かを報知しない確変潜伏大当たりを設けるものとしてもよい。確変潜伏大当たりでも時短大当たりでも遊技者の見た目上は変わらないので、その何れかが発生した場合に、確率変動状態に制御されているか否かが分からない確変潜伏状態となる。
【0228】
実際には確率変動状態に制御されているのに確率潜伏状態となってしまう確変潜伏大当たりは、確率変動状態に制御されていることが確実に分かる確率変動大当たりに比べれば、遊技者にとって好ましい大当たりではない。つまり、確率変動状態に制御されていることが分かれば遊技を続けるべきという判断を、確率変動状態に制御されていなければ遊技を止めるべきという判断を遊技者が行い得るのに対して、遊技を続けるべきか止めるべきかの判断が困難になるからである。
【0229】
そこで、条件成立フラグ801には、確変潜伏大当たりが発生した場合にセットされる確変潜伏フラグも設けるものとし、表示制御基板80の表示制御用CPUは、ラウンド演出におけるキャラクタを選択するに当たって、確変潜伏フラグがセットされているときには、突確フラグがセットされている場合と同様にキャラクタ100C〜100Hを高い選択割合で選択することができる。これにより、上記の実施の形態における突確フラグの場合と同様の効果を得ることができる。
【0230】
なお、確変潜伏状態には、特別図柄表示器10a、10bに特定表示結果以外の表示結果を表示した後に、第2大当たり遊技状態と同様の制御が行われる小当たり遊技状態に制御し、小当たり遊技状態の終了後は小当たり遊技状態に制御される前に制御されていたのと同じ遊技状態に(確率変動状態に制御されていたのであれば確率変動状態に、通常遊技状態に制御されていたのであれば通常遊技状態に)制御させる小当たりと、突然通常大当たり(確率変動状態に制御されないこと以外は突然確変大当たりと同じ)と上記の突然確変大当たりとで確変潜伏状態とすることもできる。
【0231】
この場合、条件成立フラグ801には、突然確変大当たりまたは小当たりが発生した場合にセットされる確変潜伏フラグも設けるものとし、表示制御基板80の表示制御用CPUは、ラウンド演出におけるキャラクタを選択するに当たって、確変潜伏フラグがセットされているときには、突確フラグがセットされている場合と同様にキャラクタ100C〜100Hを高い選択割合で選択することができる。
【0232】
上記の実施の形態では、大当たりの種類として確率変動大当たり、確変昇格大当たり、突然確変大当たり、及び時短大当たりがあり、前三者では確率変動状態に制御されることで、次の大当たりが比較的早い時期に発生するものとなっていた。もっとも、確率変動状態に制御されたからといって次の大当たりが確約されている訳ではなく、確率変動状態に制御されているのに何回(例えば、100回)もの変動表示を経ても新たな大当たりが発生しないハマリが生じる場合もある。このハマリは、遊技者にとって好ましくない事象であり、また、その発生頻度も低い事象である。
【0233】
そこで、条件成立フラグ801には、ハマリが生じた場合にセットされるハマリフラグも設けるものとし、表示制御基板80の表示制御用CPUは、ラウンド演出におけるキャラクタを選択するに当たって、ハマリフラグがセットされているときには、特
図Aフラグや突確フラグやレアリーチフラグがセットされている場合と同様にキャラクタ100C〜100Hを高い選択割合で選択することができる。これにより、上記の実施の形態における特
図Aフラグや突確フラグやレアリーチフラグの場合と同様の効果を得ることができる。
【0234】
上記の実施の形態では、条件成立フラグ801には、レアリーチハズレの場合にセットされるレアリーチフラグが含まれており、これがセットされている場合には、ラウンド演出におけるキャラクタ100C〜100Hの選択割合が高くなるものとしていた。これに対して、例えば、複数種類の変動パターンのうちの変動パターンXが選択されたときにセットされるXフラグと、変動パターンYが選択されたときにセットされるYフラグとを条件成立フラグ801に設け、XフラグとYフラグが両方ともセットされていることを条件に、ラウンド演出におけるキャラクタ100C〜100Hの選択割合を高くするものとしてもよい(XフラグとYフラグの一方のみがセットされているだけでは、キャラクタ100C〜100Hの選択割合は高くならない)。
【0235】
この場合、変動パターンXと変動パターンYの選択割合が上記の実施の形態におけるレアリーチほど低いものでなかったとしても、変動パターンXと変動パターンYの両方が選択されることになる割合は、レアリーチと同等かそれ以上に低いものと成り得る。これにより、上記の実施の形態におけるレアリーチフラグの場合と同様の効果を得ることができる。
【0236】
上記の実施の形態では、確率変動状態においては可変入賞装置15が開放状態とされている場合が非常に多く、始動入賞口14bの保留記憶が途切れることがあまりないために特別図柄表示器10bで特別図柄の変動表示が行われることが多くなるので、特別図柄表示器10aで特別図柄の変動表示が行われ、しかもその結果が大当たりとなることが極めて少ないことから、特別図柄表示器10aでの特図ゲームで確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは突然確変大当たりが発生したときに特
図Aフラグをセットし、フラグがセットされているときには、突確フラグがセットされている場合と同様にキャラクタ100C〜100Hを高い選択割合で選択するものとしていた。
【0237】
ところで、第1大当たり遊技状態に制御されている間にも始動入賞口14a、14bに遊技球が入賞し得るものとなり、第1大当たり遊技状態の終了時点では、通常、始動入賞口14a、14bの保留記憶が満杯になっている。そして、頻度そのものは決して高いものではないが、第1大当たり遊技状態の終了時点の保留記憶に新たな大当たりを発生させるもの、即ち第1大当たり遊技状態の終了から極めて短い期間の間に新たな大当たりを発生させるものが存在してる、いわゆる保留連チャンが生じる場合がある。
【0238】
そこで、条件成立フラグ801には、保留連チャンが生じた場合にセットされる保留連チャンフラグも設けるものとし、表示制御基板80の表示制御用CPUは、ラウンド演出におけるキャラクタを選択するに当たって、保留連チャンフラグがセットされているときには、特
図Aフラグがセットされている場合と同様にキャラクタ100C〜100Hを高い選択割合で選択することができる。これにより、上記の実施の形態における特
図Aフラグの場合と同様の効果を得ることができる。
【0239】
上記の実施の形態では、キャラクタ100C〜100Hに対応したラウンド演出実行済フラグ800の全てがセットされていることを実行されるスペシャルエンディングは、ノーマルエンディングとは可変表示装置9に表示される画面が異なるものとしていた。もっとも、画面は同じであるが、ノーマルエンディングとスペシャルエンディングとで出力される音声が異なるものとしたり、役物の動きが違うものとしてもよい。基本的な画面の構成は同じであるが、スペシャルエンディング画面では、ノーマルエンディング画面には登場しない特別なキャラクタが登場し得るものとしてもよい。或いは、これらの違いを任意に組み合わせて、ノーマルエンディングとスペシャルエンディングを区別するものとしてもよい。
【0240】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。