(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
以下では、本実施形態のページビュー切替装置をタブレット端末に適用した例について説明するが、これに限定されない。本実施形態のページビュー切替装置は、据え置きタイプ、携帯タイプを問わず、情報処理装置及びその周辺機器全般に適用することができる。例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、携帯電話、ゲーム機、電子書籍端末、キーボード、マウスなどに適用できる。
【0011】
図1は、本実施形態のタブレット端末10の正面の外観の一例を示す図である。
図1に示すように、タブレット端末10は、表示部11と、その左右両側に操作部12を備える。
図1では例として、ユーザが右手で操作する用と左手で操作する用の2つの操作部12が備えられている。操作部12は、本実施形態における特徴的な構成であり、実際の書籍におけるページ捲りに近い直感的な操作を実現するためのデバイスである。その詳細は、後述する。
【0012】
また、
図1に示すタブレット端末10の内部には、操作部12にて受け付けた操作を基に表示部11に表示する静止画像データのページを切り替える制御を行う制御手段が備えられている。制御手段は、例えば、タブレット端末10全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。表示部10に表示される静止画像データは、複数のページで構成された電子データ(例えば、電子書籍データ)である。制御手段により実現されるページの切り替え制御としては、ページを先に送る「ページ送り」及びページを前に戻す「ページ戻し」がある。
【0013】
ユーザは、表示部11に表示される静止画像データを閲覧する際に、表示中のページを先に進めたい場合は、表示部11の右側に位置する右手用の操作部12に右手の指(例えば親指)を載せて、実際の書籍でページ捲りを行うようにその指を動かす(例えば操作部12上の指を右方向へ移動させる)。この操作を受け付けると、制御手段は、表示部11において、これまで表示していたページから先のページを表示するように切り替える。また、ユーザは、表示部11に表示される静止画像データを閲覧する際に、表示中のページを前に戻したい場合は、表示部11の左側に位置する左手用の操作部12に左手の指(例えば親指)を載せて、実際の書籍でページ捲りを行うようにその指を動かす(例えば操作部12上の指を左方向へ移動させる)。この操作を受け付けると、制御手段は、表示部11において、これまで表示していたページから前のページを表示するように切り替える。
【0014】
次に、操作部12の構成例について、
図2を参照して説明する。
図2(a)は、操作部12の上面の断面を示す図であり、
図2(b)は、操作部12の側面(
図1においてユーザが位置する側からの側面)を示す図である。
【0015】
図2(a)、(b)に示すように、操作部12は、配線14、突起部15、センサ16(圧力検知手段の一例)をそれぞれ複数有して構成される。
図2(a)に示すように、配線14は格子状となっており、各交点にはセンサ16が設けられている。各センサ16の上には、
図2(a)、(b)に示すように、柵状(直方体状)の突起部が等間隔で並列に配置されている。突起部15は、例えばゴムなどの弾性部材で構成されている。
【0016】
ユーザは、突起部15の上面に指を載せ、その指を所定方向に移動させることで、擬似的なページ捲り動作を行う。ユーザが所定の突起部15の上面に指を載せたとき、指が載せられた突起部15の下部に配置されているセンサ16は、当該突起部15に加えられた圧力を検知し、配線14を介して図示しない制御手段へ圧力検知信号を送出する。その後、ユーザが指を移動させて所定の突起部15の上面から指を離したとき、指が離された突起部15の下部に配置されているセンサ16は、当該突起部15に加えられていた圧力の低下を検知し、配線14を介して図示しない制御手段へ圧力低下検知信号を送出する。この圧力低下検知信号が入力された制御手段は、ページ切り替え制御として、ページ送り又はページ戻しを行う。
【0017】
次に、
図3を参照して、ページ切り替え制御の具体例について説明する。
図3(a)〜(c)において、上図は突起部15の上面に指が置かれた状態を模式的に示す図であり、下図は上図に示される状態のときにセンサ16が検知する圧力を示すグラフである。なお、
図3は、右手用の操作部12が操作されて、ページ送りが実行される例について示している。
【0018】
ユーザは、表示部11に表示中のページを先に進めたい場合、右手用の操作部12において、例えば右手の親指を突起部15の上面に載せ、右斜め下に力を加える。これにより、
図3(a)の上図に示すように、突起部15が右方向(矢印aに示す方向)に傾く。
図3(a)の上図の例では、ユーザが、突起部15全てに指を載せている状態を示している。このとき、指が載せられた突起部15に対応して設けられたセンサ16は、
図3(a)の下図に示すように、圧力pを検知する。この検知結果は、圧力検知信号として、センサ16から配線14を介して制御手段へ出力される。制御手段は、
図3(a)の下図に示すように、全ての突起部15において圧力pが検知されたことを認識する。
【0019】
次に、ユーザは、1ページ先に進めたい場合、
図3(a)の上図の状態において、右手の親指を右方向(矢印aに示す方向)に移動させ、一番左(x1)に位置する突起部15から指を離す。これにより、
図3(b)の上図に示すように、一番左の突起部15はその弾性力により、傾いた状態から元の位置に戻る。このとき、指が離された突起部15に対応して設けられたセンサ16は、
図3(b)の下図に示すように、圧力pの低下(図の例では0)を検知する。この検知結果は、圧力低下検知信号として、センサ16から配線14を介して制御手段へ出力される。制御手段は、
図3(b)の下図に示すように一番左(x1)の突起部15において圧力低下が検知されたことを認識すると、ページ送り制御を行う。すなわち、制御手段は、表示部11において、表示中のページを、1ページ分先に進めたページを表示するように切り替える。
【0020】
ユーザがさらに1ページ先に進めたい場合、
図3(b)の上図の状態において、右手の親指を右方向(矢印aに示す方向)に移動させ、左端から2番目(x2)に位置する突起部15から指を離す。これにより、
図3(c)の上図に示すように、左から2番目の突起部15はその弾性力により、傾いた状態から元の位置に戻る。このとき、指が離された突起部15に対応して設けられたセンサ16は、
図3(c)の下図に示すように、圧力pの低下(図の例では0)を検知する。この検知結果は、圧力低下検知信号として、センサ16から配線14を介して制御手段へ出力される。制御手段は、
図3(c)の下図に示すように左から2番目(x2)の突起部15において圧力低下が検知されたことを認識すると、ページ送り制御を行う。すなわち、制御手段は、表示部11において、表示中のページを、1ページ分先に進めたページを表示するように切り替える。
【0021】
なお、
図3(c)の上図の状態以降において、ユーザが指を右方向に移動させていき、一番右の突起部15から指を離すと、全ての突起部15が元の位置に戻る(
図2(b)に示す状態となる)。よって、その後もページ送りを行いたい場合、ユーザは再度、指を
図3(a)の上図に示すように突起部15に載せて、右方向に移動させていけばよい。このように突起部15において指の移動を繰り返すことで、静止画像データのページ数が多い場合でもページ送りを行うことができる。
【0022】
以上がページ送り制御の例であるが、ページ戻し制御も上記同様である。ページ戻し制御の例について、
図4を参照して説明する。
【0023】
ユーザは、表示部11に表示中のページを前に戻したい場合、左手用の操作部12において、例えば左手の親指を突起部15の上面に載せ、左斜め下に力を加える。これにより、
図4(a)に示すように、突起部15が左方向(矢印bに示す方向)に傾く。
図4(a)の例では、ユーザが、突起部15全てに指を載せている状態を示している。このとき、指が載せられた突起部15に対応して設けられたセンサ16は、圧力(所定値)を検知する。この検知結果は、圧力検知信号として、センサ16から配線14を介して制御手段へ出力される。制御手段は、全ての突起部15において圧力(所定値)が検知されたことを認識する。
【0024】
次に、ユーザは、1ページ前に戻したい場合、
図4(a)の状態において、左手の親指を左方向(矢印bに示す方向)に移動させ、一番右に位置する突起部15から指を離す。これにより、
図4(b)に示すように、一番右の突起部15はその弾性力により、傾いた状態から元の位置に戻る。このとき、指が離された突起部15に対応して設けられたセンサ16は、圧力の低下(例えば0)を検知する。この検知結果は、圧力低下検知信号として、センサ16から配線14を介して制御手段へ出力される。制御手段は、一番右の突起部15において圧力低下が検知されたことを認識すると、ページ戻し制御を行う。すなわち、制御手段は、表示部11において、表示中のページを、1ページ分前に戻したページを表示するように切り替える。
【0025】
なお、
図4(b)の状態以降において、ユーザが指を左方向に移動させていき、一番左の突起部15から指を離すと、全ての突起部15が元の位置に戻る(
図2(b)に示す状態となる)。よって、その後もページ戻しを行いたい場合、ユーザは再度、指を
図4(a)に示すように突起部15に載せて、左方向に移動させていけばよい。このように突起部15において指の移動を繰り返すことで、静止画像データのページ数が多い場合でもページ戻しを行うことができる。
【0026】
このように本実施形態では、突起部15を擬似的なページに見立て、ユーザが、突起部15の上面に指を載せた状態で指を所定方向に移動させ、突起部15から指を順に離していくと、離した突起部15の数に応じて、表示中のページが切り替えられていく。なお、上記説明では、1つの突起部15に対して「1ページ」が、切り替えられる数として予め設定されている場合とした。この切り替えられる数は、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。例えば1つの突起部15に「2ページ」を予め設定した場合において、ユーザによる指の移動により所定の突起部15が1つ元の位置に戻ると、それによる圧力低下を認識した制御手段は、表示部11において、表示中のページを、2ページ分先に進めた(又は前に戻した)ページを表示するように切り替える。
【0027】
また、上記説明では、
図3(a)の上図や
図4(a)に示すように、ユーザが、指を突起部15の全てに載せるようにした場合を例としたが、指の載せ方はこれに限定されない。突起部15の全てに指を載せる必要はなく、任意の位置にある突起部15に指を載せ、そこから指を移動させるようにしてもよい。
【0028】
また、上記説明では、
図1に示すように右手用と左手用の2つの操作部12を備える例としたが、数はこれに限定されない。例えば、操作部12を1つだけ備えるようにしてもよい。その場合、1つの操作部12にて、
図3で説明した操作(ページ送りの操作)及び
図4で説明した操作(ページ戻しの操作)を受け付けることになる。よって、どちらの操作が行われたのかを識別するために、ユーザが指を突起部15に載せて力を加えたときにその突起部15が傾く方向を検知する方向検知手段を備える必要がある。方向検知手段は、例えば、圧力検知手段として機能する
図2のセンサ16が方向検知機能を兼ね備えてもよいし、あるいは、圧力検知手段として機能する
図2のセンサ16とは別に、方向検知機能を備えたセンサを設けるようにしてもよい。方向検知機能を備えたセンサは、例えば、1つの突起部に対して複数設けられるようにし、突起部が右方向から弾かれたとき(
図3)と突起部が左方向から弾かれたとき(
図2)の圧力分布の変化を検知することにより、ページ送りの操作がされたか又はページ戻しの操作がされたかを検出するようにしてもよい。方向検知機能を備えたセンサは、
図3(a)の上図に示すようにユーザにより突起部15が右方向に傾けられると、傾きが右方向である旨を示す方向検知信号を、制御手段へ出力する。一方、方向検知機能を備えたセンサは、
図4(a)に示すようにユーザにより突起部15が左方向に傾けられると、傾きが左方向である旨を示す方向検知信号を、制御手段へ出力する。制御手段には予め、突起部15の傾きが右方向である場合はページ送りを行い、突起部15の傾きが左方向である場合はページ戻しを行うように設定されている。よって、制御手段は、入力された方向検知信号において、傾きが右方向を示す場合にはページ送り制御を実行するようにし、傾きが左方向を示す場合にはページ戻し制御を実行するようにする。このようにして、操作部12が1つであってもページ送り及びページ戻しの両方を実現できる。
【0029】
また、上記説明では、タブレット端末10において、同一筐体に、操作部12(突起部15、センサ16)及び制御手段を備える例としたが、これに限定されない。例えば、デスクトップパソコンに適用する場合、制御手段はPC本体の筐体に内蔵し、操作部12はキーボードやマウスといった、PC本体の筐体に接続される周辺機器に備えるようにしてもよい。
【0030】
また、上記説明では、操作部12がタブレット端末10の正面に配置される例としたが、これに限定されない。例えば、操作部12は、タブレット端末10の側面にそれぞれ配置されてもよい。すなわち、操作部12は、備えられる機器・装置においてユーザビリティを考慮した任意の位置に備えられればよい。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、実際の書籍におけるページ捲りに近い直感的な操作により、表示中の静止画像データのページ切り替えを実現することができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。