(54)【発明の名称】バクテリア燃料電池およびバクテリア電解セルにおいて使用するための電極、ならびにそのような電極を用いたバクテリア燃料電池およびバクテリア電解セル
【文献】
Shun'ichi ISHII et al.,Methanogenesis versus Electrogenesis: Morphological and Phylogenetic Comparisons of Microbial Commun,Biosci. Biotechnol. Biochem.,2008年 2月 7日,72 (2),286-294
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
当該電極はまた、少なくとも一つの表面を有し、該表面は、その表面上での生物膜の成長に適しており、浄化されるべき液体と液体連絡しており、かつ、該導電性コーティングを通じて該金属製導電体と電気的に連絡している、請求項1記載の電極。
生物膜の成長に適した上記少なくとも一つの表面が、多数の細長いエレメントの円柱状表面によって定められており、それら細長いエレメントは、上記金属製導電体から外側に向かって概して放射状に延びており、
該金属製導電体は、該導電性コーティングによってコーティングされ、かつ、自体の長手方向の延伸に沿って、多数の細長いエレメントのうちの複数の物を束にして保持するように捩れており、かつ、
該多数の細長いエレメントは繊維を有してなり、かつ、該繊維はグラファイト繊維または導電性プラスチックから形成されている、
請求項2記載の電極。
【背景技術】
【0004】
発明の背景
次の刊行物は、当該技術分野の現状を表すものと確信する。
Microbial Fuel Cells: Methodology and Technology, Bruce E. Logan et al., Environ. Sci. Technol., 40(17), 5181-5192, 2006
Microbial Fuel Cells - Challenges and Applications, Bruce E. Logan & John M. Regan, Environ Sci. Tech., Vol. 40, 17
Stefano Freguia, Korneel Rabaey, Zhiguo Yuan, Jurg Keller, Non-catalyzed cathodic oxygen reduction at graphite granules in microbial fuel cells, Electrochimica Acta 53 (2007) 598-603
Hong Liu et al., Quantification of the internal resistance distribution in microbial fuel cells, Environmental Science and Technology
米国特許出願公開第20070259217号
【発明の概要】
【0005】
発明の要旨
本発明は、改善されたバイオ電気化学デバイスの提供を目的とし、より詳細には、改善されたバクテリア燃料電池およびバクテリア電解セルの提供を目的とする。
【0006】
よって、本発明の好ましい実施形態に従ってバクテリア燃料電池が提供され、当該バクテリア燃料電池は、複数のアノードおよび複数のカソードを有し、該複数のアノードおよび該複数のカソードは、浄化されるべき液体と液体連絡(liquid communication)しており、該複数のアノードおよび該複数のカソードはそれぞれ、電気回路中に負荷を渡って電気的に連結されるように配置された金属製導電体を有し、かつ、少なくとも該金属製導電体と該浄化されるべき液体との間に導電性コーティングを有し、該導電性コーティングは、該液体と該導電体とを互いから相互に遮断するように機能するものである。
【0007】
また、本発明の別の好ましい実施形態に従ってバクテリア燃料電池が提供され、当該バクテリア燃料電池は、複数のアノードと複数のカソードを有し、これらアノードとカソードは、浄化されるべき液体と液体連絡しており、該複数のアノードと該複数のカソードは、それぞれ、電気回路中に負荷を渡って電気的に連結されるように配置された金属製導電体を有し、かつ、少なくとも該金属製導電体と該浄化されるべき液体との間に導電性コーティングを有し、該導電性コーティングは、該液体と該導電体とを互いから相互に遮断するように機能するものであり、該カソードの少なくとも二つは、互いに隣り合って配置され、かつ、酸素含有ガスで満たされた間隙によって互いから分離されている。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によれば、当該バクテリア燃料電池はまた、少なくとも一つの表面を有し、該表面は、その表面上での生物膜の成長に適しており、上記浄化されるべき液体と液体連絡しており、かつ、上記導電性コーティングを通じて金属製導電体と電気的に連絡している。好ましくは、生物膜の成長に適した上記少なくとも一つの表面が、導電性コーティングの表面を覆う布地(fabric)によって定められている。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、金属製導電体は、コーティングされた金属製導電体であり、かつ、該導電性コーティングは、該金属製導電体上に形成された導電性のコーティングを有してなる。付加的または代替的には、該導電性コーティングは、導電性シートを有する。
【0010】
好ましくは、複数のカソードのうちの少なくとも一つの該導電性コーティングが、水透過性の導電性シートを有してなる。
【0011】
好ましくは、複数のカソードのうちの少なくとも一つのコーティングされた金属製導電体が、水透過性である。
【0012】
好ましくは、該複数のカソードのうちの少なくとも一つが、取付け層(attachment layer)を有する。より好ましくは、該取付け層は、プラスチックの布地から形成されている。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、複数のアノードおよび複数のカソードに孔が形成されており、かつ、当該バクテリア燃料電池が、隣り合った該カソード同士の間に定めされた導通路(conduit)を有し、かつ、隣り合った該カソードと該アノードとの間に定められた体積部分(volumes)を有し、該体積部分は、該複数のアノードと該複数のカソードに、該浄化されるべき液体の連絡を提供し、該孔は、該導通路と該体積部分との間に該浄化されるべき液体の連絡を提供する。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、複数のアノードおよび複数のカソードが、エンボス加工されたエレメントとして形成されている。好ましくは、該複数のアノードおよび複数のカソードが、一緒に密封されている。
【0015】
またさらに本発明の別の好ましい実施形態に従ってバクテリア電解セルが提供され、当該バクテリア電解セルは、複数のアノードと複数のカソードを有し、これらアノードとカソードは、タンク中の浄化されるべき液体と液体連絡しており、該タンクは、浄化されるべき水を受け入れるための入口と、浄化された水の出力のための出口と、水素ガスのための出口を有し、前記複数のアノードと複数のカソードは、電気回路を通じて電源を渡って接続されており、該アノードおよびカソードの少なくとも一つは、電気回路中に電気的に連結されるように配置された金属製導電体を有し、かつ、少なくとも該金属製導電体と該セル中の液体との間に導電性コーティングを有し、該導電性コーティングは、該液体と該導電体とを互いから相互に遮断するように機能する。
【0016】
本発明の好ましい実施形態によれば、当該バクテリア電解セルはまた、少なくとも一つの表面を有し、該表面は、その表面上での生物膜の成長に適しており、該浄化されるべき液体と液体連絡しており、かつ、該導電性コーティングを通じて該金属製導電体と電気的に連絡している。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、該複数のカソードのそれぞれはまた、該導電性コーティングに隣接した酸素透過性かつ液体不透過性の層を有し、該酸素透過性かつ液体不透過性の層が、酸素含有ガスに曝されている。好ましくは、該酸素透過性かつ液体不透過性の層は、導電性シートを有する。代替的には、該酸素透過性かつ液体不透過性の層は、シリコーンゴムから形成されている。
【0018】
好ましくは、該複数のアノードのうちの少なくとも一つの該金属製導電体は、箔(foil)の形態になっている。
【0019】
好ましくは、該金属製導電体は、ワイヤー格子の形態になっている。代替的には、該金属製導電体は、孔のあいた(perforated)平坦なエレメントの形態になっている。代替的には、該金属製導電体は、概して平行なワイヤーのアレイの形態になっている。
【0020】
また、本発明の別の好ましい実施形態に従って、バクテリア燃料電池およびバクテリア電解セルのうちの少なくとも一つにおいて使用するための電極が提供され、当該電極は、電気回路中に電気的に連結されるように配置された金属製導電体を有し、かつ、該電極は、少なくとも該金属製導電体と該電池中のまたは該セル中の液体との間に導電性コーティングを有し、該導電性コーティングは、該液体と該導電体とを互いから相互に遮断するように機能する。
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば当該電極は、少なくとも一つの表面を有し、該表面は、その表面上での生物膜の成長に適しており、浄化されるべき液体と液体連絡しており、かつ、該導電性コーティングを通じて該金属製導電体と電気的に連絡している。
【0022】
好ましくは、該導電性コーティングは、その表面上での生物膜の成長に適している。
【0023】
本発明の好ましい実施形態によれば、生物膜の成長に適した上記少なくとも一つの表面が、多数の細長いエレメントの円柱状表面によって定められており、該細長いエレメントは、導電性プラスチックから形成され、かつ、該コーティングされた金属製導電体から外側に向かって概して放射状に延びている。好ましくは、該コーティングされた金属製導電体は捩れており、自体の長手方向の延伸に沿って、多数の細長いエレメントのうちの複数の物を束にして保持している。好ましくは、それら細長いエレメントは、非金属の導電体であり、該非金属の導電体は、該コーティングされた金属製導電体よりも小さい電気伝導度を有する。好ましくは、該細長いエレメントは、導電性プラスチックから形成されている。代替的には、該細長いエレメントは、グラファイト繊維から形成されている。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によれば、生物膜の成長に適した上記少なくとも一つの表面が、複数の翼板のエレメントによって定められ、該複数の翼板のエレメントは、導電性プラスチックから形成され密でないように巻かれた螺旋状エレメントによって包囲されており、かつ、該翼板のエレメントは、該コーティングされた金属製導電体から外側に向かって概して放射状に延びている。
【0025】
本発明の好ましい実施形態によれば、生物膜の成長に適した上記少なくとも一つの表面が、該コーティングされた金属製導電体の周辺にある導電性プラスチックから形成された円柱状のエレメントによって定められている。
【0026】
好ましくは、コーティングされた金属製導電体がワイヤーの形態になっている。代替的には、コーティングされた金属製導電体がケーブルの形態になっている。代替的には、コーティングされた金属製導電体がロッド(棒)の形態になっている。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、生物膜の成長に適した上記少なくとも一つの表面が、導電性コーティングの表面を覆う布地によって定められている。
【0028】
本発明の好ましい実施形態によれば、導電性コーティングは、導電性シートを有してなる。
【0029】
好ましくは、金属製導電体が箔の形態になっている。代替的には、金属製導電体がワイヤー格子の形態になっている。代替的には、金属製導電体が、孔のあいた平坦なエレメントの形態になっている。代替的には、金属製導電体が、概して平行なワイヤーのアレイの形態になっている。
【0030】
好ましくは、金属製導電体が、銅またはアルミニウムから形成されている。好ましくは、該導電性コーティングが導電性プラスチックから形成されている。
【発明を実施するための形態】
【0033】
好ましい実施形態の詳細な説明
ここで
図1を参照する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に従って構成され機能するバクテリア燃料電池の単純化した図であって、当該バクテリア燃料電池は、複数のアノード100(それぞれ文字Aで示す)と複数のカソード102(それぞれ文字Cで示す)を有しており、これらは、工業廃水といったような浄化されるべき液体104と液体連絡した状態になってる。
図1の実施形態では、浄化されるべき水は、入口105において供給され、該入口105は、アノード100とカソード102とに形成された孔(aperture)を通じて、および、隣り合ったカソード同士の間に定められた導通路106を通じて、隣り合ったアノード100とカソード102との間に定められた一連の体積部分107と連通しており(これらは、エラストマーのシール(図示せず)などによって一緒に密封されている)、かつ、出口108と連通している。
【0034】
本発明の好ましい実施形態にでは、アノードとカソードは、従来の平板熱交換器(plate heat exchanger)で用いられるものと形状が類似した、エンボス加工されたエレメントとして形成されていてもよい。そのような構造の例は、米国特許第4,014,385号、第3,792,730号、第3,731,737号、第3,661,203号、第2,787,446号、および第2,550,339号に示されており、それらの開示は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0035】
本発明の好ましい実施形態によれば、複数のアノード100と複数のカソード102は、それぞれに、導電性コーティングによって包囲された金属製導電体を有する。
【0036】
各アノード100の構造が拡大
図109に示されている。図では、参照数字110で示されている金属導体(好ましくは、銅またはアルミニウム)が、導電性コーティングによって包囲されていることが分かる。
【0037】
図示した実施形態では、該導電性コーティングは、一対の液体不透過性の導電性プラスチックシート112をラミネートして金属導体110を包むことによって実現されている。好ましくは、該シート112は、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびPETなどのプラスチックから形成され、該プラスチックは、炭素またはグラファイトなどの導電性パウダーと混ぜられて、導電性プラスチックシートを生成している。
【0038】
生物膜(biofilm)の成長は、シート112の外側表面上に支持されることが好ましい。オプション的には、該シート112の少なくとも一方の外側表面上に、生物膜成長支持体116が設けられてもよい。該生物膜成長支持体116は、布地であってよく、該布地は、ポリエステルまたは他の好適な材料から形成されていることが好ましい。
【0039】
アノード100の様々のエレメントの典型的な厚さは次の通りである。
導体110 −− 20〜200ミクロン
シート112 −− 50〜400ミクロン
生物膜成長支持体116 −− 10〜50ミクロン
【0040】
アノード100の4つの代替的な実施形態が
図2A〜2Dに示されている。
図2Aでは、導体110は箔の形態になっており、参照数字120で示されている。
図2Bでは導体110はワイヤー格子の形態になっており、参照数字122で示されている。
図2Cでは、導体110は孔のあいた平坦なエレメント(要素)であり、参照数字124で示されている。
図2Dでは、導体110は概して平行なワイヤーのアレイの形態になっており、参照数字126で示されている。
【0041】
各カソード102の構造の一つの実施形態が拡大
図128に示されている。孔のあいた金属導体130(好ましくは、銅またはアルミニウム)が導電性コーティングによって取り囲まれていることが分かる。
【0042】
図示した実施形態では、該導電性コーティングは、液体不透過性の導電性プラスチックを用いて金属導体130をコーティングし、かつ、該導電性プラスチックによって形成された孔のあいたシート132で、該コーティングされた金属導体の液体に面した側を覆うことによって実現されていることが好ましい。好ましくは、該導電性プラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびPETなどのプラスチックを、炭素またはグラファイトなどの導電性パウダーと混ぜることによって形成されている。
【0043】
生物膜の成長は、コーティングされた導体130およびシート132の外側表面上に支持されることが好ましい。オプション的には、生物膜成長支持体136がシート132の少なくとも一方の外側表面上に設けられてもよい。生物膜成長支持体136は、布地であってよく、該布地は、ポリエステルまたは他の好適な材料から形成されていることが好ましい。
【0044】
孔のあいた導電性コーティングされた金属導体130の、反対側にある空気に面した側(air-facing side)には、オプション的な取付け層138が設けられていることが好ましく、該取付け層は、典型的には、ポリエステルなどのプラスチックから形成された織布または不織布を有してなる。該取付け層138の外側には、液体不透過性かつ酸素透過性の層140が設けられていることが好ましく、該層140は、シリコーンゴムから形成されていることが好ましい。該取付け層138は、コーティングされた導体130への酸素透過性の層140の取付け(アタッチメント)を補助する。酸素透過性の層140の外側には、機械的な支持層142が設けられていてもよく、該支持層は、比較的剛性を持ったプラスチックの格子であることが好ましい。
【0045】
拡大
図128に示すカソード102の様々なエレメントの典型的な厚さは次の通りである。
孔のあいたコーティングされた導体130 −− 100〜600ミクロン
孔のあいたシート132 −− 50〜400ミクロン
生物膜成長支持体136 −− 10〜50ミクロン
取付け層138 −− 10〜50ミクロン
酸素透過性かつ液体不透過性の層140 −− 50〜500ミクロン
機械的な支持層142 −− 100〜2000ミクロン
【0046】
拡大
図128に示すカソードの該実施形態のうちの3つの代替的な実施形態を
図3A〜3Cに示す。
図3Aでは、孔のあいた導体130は、ワイヤー144を有するワイヤー格子の形態になっており、全てのワイヤー144は、拡大
図148に見られるように、液体不透過性の導電性コーティング146によってコーティングされている。
図3Bでは、孔のあいた導体130は、孔のあいた平坦な金属製エレメント150を有しており、該エレメントの表面の全ては、拡大
図154に見られるように、液体不透過性の導電性コーティング152によってコーティングされている。
図3Cでは、孔のあいた導体130は、概して平行なワイヤー156のアレイの形態になっており、全てのワイヤー156は、拡大
図160に見られるように、液体不透過性の導電性コーティング158によってコーティングされている。
【0047】
各カソード102の構造の別の実施形態が拡大
図168に示されている。孔のあいた金属導体170(好ましくは、銅またはアルミニウム)は、導電性コーティングによって包囲されていることが分かる。
【0048】
図示した実施形態では、該導電性コーティングは、好ましくは、液体不透過性の導電性プラスチックにて該金属導体170をコーティングすることによって、かつ、導電性プラスチックから形成された酸素透過性かつ液体不透過性のシート172にて、該コーティングされた金属導体を液体に面した側を包囲することによって、実現されていることが好ましい。好ましくは、該導電性プラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびPETなどのプラスチックを、炭素またはグラファイトなどの導電性パウダーと混ぜることによって形成されたものである。
【0049】
生物膜の成長は、導電性シート172の外側表面上に支持されることが好ましい。オプション的には、該生物膜成長支持体176が、シート172の少なくとも一方の外側表面上に設けられてもよい。該生物膜成長支持体176は、布地であってよく、該布地は、ポリエステルまたは他の好適な材料から形成されていることが好ましい。
【0050】
孔のあいた導電性コーティングされた金属導体170について、反対側にある空気に面した側には、機械的な支持層178がオプション的に設けられてもよく、該支持層は、比較的剛性を持ったプラスチックの格子であることが好ましい。
【0051】
拡大
図168に示すカソード102の様々なエレメントの典型的な厚さは、次の通りである。
孔のあいたコーティングされた導体170 −− 100〜600ミクロン
酸素透過性のシート172 −− 50〜400ミクロン
生物膜成長支持体176 −− 10〜50ミクロン
機械的な支持層178 −− 100〜2000ミクロン
【0052】
拡大
図168に示すカソードの該実施形態のうちの3つの代替的な実施形態が、
図4A〜4Cに示されている。
図4Aでは、孔のあいた導体170はワイヤー格子の形態になっており、該ワイヤー格子はワイヤー180を有してなり、全てのワイヤー180は、拡大
図184に見られるように、液体不透過性の導電性コーティング182によってコーティングされている。
図4Bでは、孔のあいた導体170は、孔のあいた平坦な金属製エレメント186を有してなり、該エレメントの表面の全ては、拡大
図190に見られるように、液体不透過性の導電性コーティング188によってコーティングされている。
図4Cでは、孔のあいた導体170は、概して平行なワイヤー192のアレイの形態になっており、該ワイヤー192の全ては、拡大
図196に見られるように、液体不透過性の導電性コーティング194によってコーティングされている。
【0053】
図1に見られるように、全てのアノード100と全てのカソード102は、負荷197を渡る電気回路中で電気的に連結されている。
図1の当該バクテリア燃料電池では、CODで示されている液体104中の有機物質は、ジオバクターおよびシュワネラなどの電気発生性(electrogenic)のバクテリアによって酸化される。該電気発生性のバクテリアは、典型的には生物膜198中に存在し、該生物膜は、アノード100上に設けられた生物膜成長支持体116(拡大
図109)によって支持されていることが好ましい。
【0054】
この酸化により、CO
2、プロトン、および電子が生じる。プロトンは、カソード102に向かって液体104を通じて拡散し、電子は、該バクテリアによってアノード100に供給され、アノードから電気回路を通じてカソード102に移動する。
【0055】
カソード102では、大気中の酸素O
2が、層140(拡大
図128)または172(拡大
図168)といった酸素透過性の層を通過して、層132(拡大
図128)または172(拡大
図168)といったカソード上の導電性プラスチック層へと浸透する。該導電性プラスチック層の水に面した側において、酸素O
2はプロトンおよび電子と反応し、水H
2Oを生成する。この反応は典型的には触媒を必要とする。該触媒は生物膜199によって提供されることが好ましく、該生物膜は、好ましくはカソード102上に設けられている生物膜成長支持体136(拡大
図128)または176(拡大
図168)によって支持されていることが好ましい。
【0056】
図1の該バクテリア燃料電池の作動が、このように、電力と、有機物質を有する液体の浄化との両方を提供することが理解され得る。
【0057】
ここで
図5Aおよび5Bを参照する。
図5Aおよび5Bは、本発明のまた別の好ましい実施形態に従って構成され機能するバクテリア燃料電池の単純化した側面図および上面図であって、当該バクテリア燃料電池は、多数のアノード300を含んでおり、該アノードは、多数のカソード302の間に差し入れられて点在しており、工業廃水などの浄化されるべき液体304と液体連絡している。それら複数のアノード300と複数のカソード302は、タンク306内に位置し、該タンクは、浄化されるべき水を受け入れるための入口308、および、浄化された水の出力のための出口309を有している。該タンク306内での水304の循環は、好適な撹拌機またはポンプ(図示せず)によって提供されることが好ましい。低い圧力の大気の酸素O
2が、ファン(図示せず)によってカソード302の内部を通過するよう送られることが好ましい。
【0058】
図6をも参照すると、該図は、
図5Aおよび5Bのバクテリア燃料電池において有用な、アノード300の好ましい実施形態を示している。
図6に見られるように、中央の細長い金属導体310(これは、銅またはアルミニウムから形成されたワイヤー、ケーブル、またはロッドであることが好ましい。)が成型され、かつ、そこから複数の翼板(vane、ベーン)エレメント312が放射状に外へと延びており、該エレメント312が、導体310のために、液体不透過性の導電性コーティングを提供している。オプション的には、付加的な細長い導体314が、エレメント312の1つ以上の翼板316の放射方向の外端部に成形され、かつ該外端部から外側に延び、エレメント312は、導体314のために、液体不透過性の導電性コーティングを提供する。エレメント312は、炭素またはグラファイトなどの導電性パウダーと混ぜられた、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびPETなどの液体不透過性導電性プラスチックから形成されることが好ましい。
【0059】
周囲の電極部分318は、翼板316の半径方向の外側端部の周りに位置することが好ましく、かつ、密でないように(loosely、ルーズに)巻いた螺旋状エレメントとして、導電性プラスチックから形成されていることが好ましく、それにより、エレメント312の表面との液体の比較的自由な流通が可能となる。エレメント312と周囲の電極部分318とは、押し出し法によって一体になったエレメントとして形成されていることが好ましい。エレメント312の表面の一部または全部、および電極部分318の表面の一部または全部が、炭素またはグラファイトから形成された導電性パウダーまたは導電性繊維(図示せず)でコーティングされていてもよい。エレメント312の表面および電極部分318の表面は、全体が、生物膜の成長を支持するように、ならびに、電気の生成および液体304の浄化を可能とするように作用することが好ましい。
【0060】
ここで
図7を参照すると、該図は、
図5Aおよび5Bのバクテリア燃料電池において、とりわけアノード300として有用な、電極組立て体(電極アセンブリー)を示している。
図7に見られるように、該電極組立て体は、ブラシ状(brush-like)の構造を有することが好ましく、該構造では、多数の細長い導電性エレメント350が、ねじれた金属製導電体352によって保持され、かつ該金属製導電体352から外側に向かって概して放射状に延びており、該金属製導電体352は、液体不透過性の導電性コーティング354(好ましくは導電性プラスチック)でコーティングされている。導電性プラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびPETなどのプラスチックを、炭素またはグラファイトなどの導電性パウダーと混ぜることによって形成されていることが好ましい。
【0061】
エレメント350は、導電性プラスチックから形成されていることが好ましく、あるいは代替的には、グラファイト繊維であってもよい。ねじれた導体352は、銅またはアルミニウムなどの金属から形成されていることが好ましい。コーティングされた導体352の表面およびエレメント350の表面は、その全体が、生物膜の成長を支持するように、ならびに、図示されているように導体352が電気負荷に接続されているときに、電気の発生および液体304の浄化を可能とするように作用することが好ましい。
【0062】
好ましくは、エレメント350の半径方向外側の先端部は、隣り合った電極同士の間の意図せぬ短絡を防止するために、シリコーンゴム材料などの電気的に絶縁性の材料(図示せず)でコーティングされていてもよい。
【0063】
ここで
図8を参照すると、該図は、
図5Aおよび5Bのバクテリア燃料電池において有用な好ましいカソード302を示している。カソード302は、円筒体360を有してなることが好ましく、該円筒体は、炭素またはグラファイトなどの導電性パウダーと混ぜられた、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびPETなどの孔のあいたまたは多孔性の導電性プラスチックから形成されている。円筒体360の表面の一部または全部が、炭素またはグラファイトから形成された導電性パウダーまたは導電性繊維(図示せず)でコーティングされていてもよい。円筒体360の表面は、生物膜の成長を支持するように、ならびに、電気の発生および液体304の浄化を可能とするように作用することが好ましい。
【0064】
カソード302の外側表面には液体304が浸透し、また、カソード302の内側表面は、円筒体360の内側表面と並んで形成された液体不透過性かつ酸素透過性のコーティング362によって、液体304との接触から遮断される。コーティング362はシリコーンゴムから形成されていることが好ましい。1つ以上の細長い金属導体364(好ましくは、銅またはアルミニウムから形成されたワイヤー、ケーブル、またはロッドである。)が、好ましくは、円筒体360中に成型され、かつ円筒体360から外側に延び、円筒体360が、導体364のために、液体不透過性の導電性コーティングを提供する。
【0065】
図5Aおよび5Bに見られるように、全てのアノード300および全てのカソード302が、負荷320を渡る電気回路中で電気的に結合されている。
図5Aおよび5Bのバクテリア燃料電池において、CODで示されている液体304中の有機物質は、ジオバクターおよびシュワネラなどの電気発生性のバクテリアによって酸化される。該電気発生性のバクテリアは、典型的には、アノード300上に支持されている生物膜370中に存在する。
【0066】
この酸化によりCO
2、プロトン、および電子が生じる。プロトンは、カソード302に向かって液体304を通じて拡散し、電子は、該バクテリアによってアノード300に供給され、アノード300から電気回路を通じてカソード302に移動する。
【0067】
カソード302では、大気中の酸素O
2が、層362(
図8)といった酸素透過性の層を通過して、層360といったカソード上の導電性プラスチック層に浸透する。導電性プラスチック層360の水に面した側において、酸素O
2はプロトンおよび電子と反応し、水H
2Oを生成する。この反応は典型的には触媒を必要とする。該触媒は生物膜372によって提供されることが好ましく、生物膜372は、好ましくはカソード302上に存在する。
【0068】
このように、
図5Aおよび5Bのバクテリア燃料電池の動作について、電力と、有機物質を有する液体の浄化との両方を提供することが理解され得る。
【0069】
図1〜8を参照して上に示して説明した類型のバクテリア燃料電池のうちの複数のものを、直列的におよび/または並列的に、液体的および電気的の両方で相互接続してもよいことが理解される。並列的な相互接続は、浄化される水の体積を増加させ、電流出力の増加を提供し、一方、直列的な相互接続は、浄化の程度を増大させ、電圧出力の増加を提供する。並列的および直列的な接続の様々な組み合わせが、最適な水の処理および電力生成を提供するために有利に利用され得る。
【0070】
ここで
図9Aおよび9Bを参照する。
図9Aおよび9Bは、本発明の好ましい実施形態に従って構成され機能するバクテリア電解セルの、単純化したそれぞれ側面図および上面図である。
【0071】
図9Aおよび9Bのバクテリア電解セルは、多数のアノード400を有しており、該アノードは、多数のカソード402の間に差し入れられて点在しており、工業廃水などの浄化されるべき液体404と液体連絡している。アノード400およびカソード402は、タンク406内に位置し、該タンクは、浄化されるべき水を受け入れるための入口408、および、浄化された水の出力のための出口409を有している。タンク406内での水404の循環は、好適な撹拌機またはポンプ(図示せず)によって提供されることが好ましい。
【0072】
示されているように、アノード400およびカソード402は構造的に同一であってもよいことが理解される。そのような場合、アノード400とカソード402とは、電気的な接続によってのみ、互いに区別される。従って、アノード400とカソード402は、それぞれに、
図2A〜2Dに示すタイプのものであってもよいし、あるいは
図6に示すタイプのものであってもよいし、あるいは
図7に示すタイプのものであってもよいし、あるいは任意の他の好適な構成のものであってもよい。好ましくは、アノード400は
図6に示すタイプのものであり、かつカソードは
図7に示すタイプのものであるか、あるいは、その反対である。
【0073】
図9Aおよび9Bに見られるように、全てのアノード400と全てのカソード402は、電源420を渡る電気回路中で電気的に結合されている。
図9Aおよび9Bのバクテリア電解セルでは、CODで示されている液体404中の有機物質は、ジオバクターおよびシュワネラなどの電気発生性のバクテリアによって酸化される。該電気発生性のバクテリアは、典型的には、アノード400上に支持されている生物膜430に存在する。
【0074】
この酸化によりCO
2、プロトン、および電子が生じる。プロトンは、カソード402に向かって液体404を通じて拡散し、電子は、該バクテリアによってアノード400に供給され、該アノードから電気回路を通じてカソード402に移動する。
【0075】
カソード402では、プロトンは、電源420により電気回路によって動かされる電子によって水素ガスH2に還元される。タンク406を覆うカバー440によって定められた上部空間内に水素ガスおよびCO
2が蓄積され、出口442において取り出され、そして好適な方法で分離される。
【0076】
図9Aおよび9Bのバクテリア電解セルの動作が、従来法よりも低いレベルの電力消費で水素ガスの生成を提供し、かつ有機物質を有する液体の浄化を提供することが理解され得る。
【0077】
上に具体的に示して説明したものに本発明は限定されないことを当業者は理解するであろう。本発明の範囲はむしろ、上述した様々な特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせの両方、ならびに、上述の説明を読んだ当業者が想起するであろう、先行技術にはない改良および変形を含む。