(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774489
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】統合的針保護を施した針生検装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
A61B10/02 110Z
A61B10/02 300Z
【請求項の数】39
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2011-538671(P2011-538671)
(86)(22)【出願日】2009年11月24日
(65)【公表番号】特表2012-509747(P2012-509747A)
(43)【公表日】2012年4月26日
(86)【国際出願番号】US2009065705
(87)【国際公開番号】WO2010062895
(87)【国際公開日】20100603
【審査請求日】2012年11月20日
(31)【優先権主張番号】61/117,966
(32)【優先日】2008年11月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/607,636
(32)【優先日】2009年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/152,746
(32)【優先日】2009年2月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】ムガン、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー、ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】マクウィーニー、ジョン
【審査官】
福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−513692(JP,A)
【文献】
特表2004−505688(JP,A)
【文献】
特開平05−345032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部と先端部とを有するハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記基端部に配置された基端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記先端部に配置された先端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の内部に配置され、前記ハンドル部材の前記先端部から延びるシース管腔と、
前記基端ハンドル部材に着脱可能に配置され、前記シース管腔内に配置された中空の針を含むとともに、前記針の基端側末端が接続された針ケース部材と、
前記針内部に配置されたスタイレットと、
装置の操作性と作用性を向上させるために前記基端ハンドル部材と前記先端ハンドル部材上に配置された、円錐形グリップを含む人間工学設計の特徴点と、
前記針ケース部材の先端部に部分的に配置され、前記針の長手方向に沿って延在するとともに前記針が長手方向に沿って移動可能に挿通される針保護シャフトと、前記針保護シャフトの基端側末端に位置し、半径方向外側に向かって延在すると共に、前記基端ハンドル部材に係合する針保護ハブと、を含む針保護部材と、
を備える針生検装置。
【請求項2】
基端部と先端部とを有するハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記基端部に配置された基端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記先端部に配置された先端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の内部に配置され、前記ハンドル部材の前記先端部から延びるシース管腔と、
前記基端ハンドル部材に着脱可能に配置され、前記シース管腔内に配置された中空の針を含むとともに、前記針の基端側末端が接続された針ケース部材と、
前記針ケース部材の先端部に部分的に配置され、前記針の長手方向に沿って延在するとともに前記針が長手方向に沿って移動可能に挿通される針保護シャフトと、前記針保護シャフトの基端側末端に位置し、半径方向外側に向かって延在すると共に、前記基端ハンドル部材に係合する針保護ハブと、を含む針保護部材と、
を備える針生検装置。
【請求項3】
前記針保護シャフトは、前記シース管腔の少なくとも1つの相補的係合部材と係合する、少なくとも1つの係合部材を含む、請求項2に記載の針生検装置。
【請求項4】
前記針保護シャフトの少なくとも1つの係合部材は、前記針保護部材の先端部に設けられている、請求項3に記載の針生検装置。
【請求項5】
前記シース管腔の少なくとも1つの係合部材は、前記シース管腔の先端部に設けられている、請求項3に記載の針生検装置。
【請求項6】
前記基端ハンドル部材から針ケース部材を脱着させると、前記シース管腔の少なくとも1つの係合部材は、前記針保護シャフトの少なくとも1つの相補的係合部材と係合し、前記針保護シャフトが前記針の先端部を覆うようにさせる、請求項3に記載の針生検装置。
【請求項7】
前記針は、前記針の内部に配置されたスタイレットを更に含む、請求項2に記載の針生検装置。
【請求項8】
基端部と先端部とを含むハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記基端部に配置された基端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記先端部に配置された先端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の内部に配置され、前記ハンドル部材の前記先端部から延びるシース管腔と、
前記基端ハンドル部材に着脱可能に配置されているとともに、平坦リングと、汚れ除去部材と、前記シース管腔内に配置され、表面に複数の突起を持つ針と、を含み、前記針の基端側端部が接続された針ケース部材と、
前記針ケース部材の先端部に部分的に配置され、前記針の長手方向に沿って延在するとともに前記針が長手方向に沿って移動可能に挿通される針保護シャフトと、前記針保護シャフトの基端側末端に位置し、半径方向外側に向かって延在すると共に、前記基端ハンドル部材に係合する針保護ハブと、を含む針保護部材と、を備え、前記基端ハンドル部材の内部には前記針保護ハブが係合する係合部材が設けられている
針生検装置。
【請求項9】
前記針保護ハブは、前記針保護シャフトの基端部を覆ってモールドされている、請求項8に記載の針生検装置。
【請求項10】
前記係合部材は、前記基端ハンドル部材内の前記針保護ハブの係合を容易にする、請求項8に記載の針生検装置。
【請求項11】
前記係合部材はO型のリングである、請求項8に記載の針生検装置。
【請求項12】
前記針ケース部材を前記ハンドル部材の前記基端部の中へ挿入すると、前記針の汚れ除去部材が前記針保護ハブを前記O型のリングを通して前進させて前記針保護ハブを前記基端ハンドル部材に固定させる、請求項11に記載の針生検装置。
【請求項13】
前記複数の突起は前記針の長さに沿って分布している、請求項8に記載の針生検装置。
【請求項14】
前記複数の突起は前記針の長さ方向に一定の割合で増加して配置されている、請求項8に記載の針生検装置。
【請求項15】
前記突起は前記針の少なくとも一部の長さに分布している、請求項8に記載の針生検装置。
【請求項16】
前記針ケース部材を前記基端ハンドル部材から後退させると、前記針の少なくとも1つの突起が、前記針保護ハブに係合する、請求項8に記載の針生検装置。
【請求項17】
前記針の突起が前記針保護ハブに係合した状態において、前記針ケース部材を前記基端ハンドル部材から更に後退させると、前記針保護ハブは、前記基端ハンドル部材の前記係合部材から外れ、前記針保護シャフトが前記針の先端部を覆う、請求項16に記載の針生検装置。
【請求項18】
前記針は、前記針の内部に配置されたスタイレットを更に含む、請求項8に記載の針生検装置。
【請求項19】
前記針ケース部材との係合と開放を行う、前記基端ハンドル部材の前記基端部に配置されたリリース部材をさらに含む、請求項8に記載の針生検装置。
【請求項20】
前記リリース部材は、偏向可能ヒンジを組み込んだ押し込み部材を備える、請求項19に記載の針生検装置。
【請求項21】
前記押し込み部材が押し込まれると、前記針ケース部材が前記基端ハンドル部材から分離する、請求項20に記載の針生検装置。
【請求項22】
前記押し込み部材は、押し込まれると平坦リングを開放し、それによって、前記針ケース部材を実質的に横方向へ動かして前記針ケース部材を前記基端ハンドル部材から分離する、請求項21に記載の針生検装置。
【請求項23】
基端部と先端部とを有するハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記基端部に配置された基端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記先端部に配置された先端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の内部に配置され、前記ハンドル部材の前記先端部から延びるシース管腔と、
前記基端ハンドル部材に着脱可能に配置された針ケース部材と、
前記シース管腔内部に配置され、エコー発生性と超音波可視性を高めるための複数の窪みを含み、基端側端部において前記針ケース部材に接続された針と、
前記針ケース部材の先端部に部分的に配置され、前記針の長手方向に沿って延在するとともに前記針が長手方向に沿って移動可能に挿通される針保護シャフトと、前記針保護シャフトの基端側末端に位置し、半径方向外側に向かって延在すると共に、前記基端ハンドル部材に係合する針保護ハブと、を含む針保護部材と、
を備える針生検装置。
【請求項24】
前記複数の窪みは前記針の長さに沿って分布している、請求項23に記載の針生検装置。
【請求項25】
前記複数の窪みは前記針の長さ方向に一定の割合で増加して配置されている、請求項23に記載の針生検装置。
【請求項26】
前記窪みの幾何形状は、円、凹面、円筒、螺旋、楕円、長方形、正方形、の少なくとも1つまたは複数から成る、請求項23に記載の針生検装置。
【請求項27】
前記針は、前記針の内部に配置されたスタイレットを更に含む、請求項23に記載の針生検装置。
【請求項28】
基端部と先端部とを有するハンドル部材と、
前記ハンドル部材の基端部に配置された基端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の先端部に配置された先端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の内部に配され、前記ハンドル部材の先端部から延びるシース管腔と、
前記基端ハンドル部材に着脱可能に配置された針ケース部材と、
シース管腔内部に配置された針であって、基端側末端において前記針ケース部材に接続され、且つその上に複数の突起が配置され、更に、前記針の先端部の取り外しを可能とするジョイントを含む、針と、
前記針ケース部材の先端部に部分的に配置され、前記針の長手方向に沿って延在するとともに前記針が長手方向に沿って移動可能に挿通される針保護シャフトと、前記針保護シャフトの基端側末端に位置し、半径方向外側に向かって延在すると共に、基端ハンドル部材に係合する針保護ハブと、を含む針保護部材と、
を備える針生検装置。
【請求項29】
基端部と先端部と停止部とを有するハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記基端部に配置された基端ハンドル部材であって、前記ハンドル部材の前記基端部に摺動可能に係合するように構成され、前記摺動可能な動きを制御するために、前記ハンドル部材の前記基端部に沿って埋め込まれた少なくとも1つの溝に係合するために、前記基端ハンドル部材の長手軸に沿う少なくとも1つのガイドレールを含む、基端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記先端部に配置された先端ハンドル部材であって、前記ハンドル部材の前記先端部に摺動可能に係合するように構成され、前記摺動可能な動きを制御するために、前記ハンドル部材の前記先端部に沿って埋め込まれた少なくとも1つの溝に係合するために、前記先端ハンドル部材の長手軸に沿う少なくとも1つのガイドレールを含む、先端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の内部に配置され、前記ハンドル部材の前記先端部から延びるシース管腔と、
前記基端ハンドル部材に着脱可能に配置された針ケース部材であって、前記シース管腔内に配置され、且つ基端側端部において前記針ケース部材に接続されている針を含む針ケース部材と、
前記針ケース部材の先端部に部分的に配置され、前記針の長手方向に沿って延在するとともに前記針が長手方向に沿って移動可能に挿通される針保護シャフトと、前記針保護シャフトの基端側末端に位置し、半径方向外側に向かって延在すると共に、前記基端ハンドル部材に係合する針保護ハブと、を含む針保護部材と、
を備える針生検装置。
【請求項30】
前記ハンドル部材の前記停止部は、前記基端ハンドル部材と前記先端ハンドル部材との間に配置され、前記基端ハンドル部材が前記先端ハンドル部材の中へ軸方向運動するのを防止し、さらには前記先端ハンドル部材が前記基端ハンドル部材の中へ軸方向運動するのを防止する、請求項29に記載の針生検装置。
【請求項31】
前記ハンドル部材の前記基端部に沿って埋め込まれた前記溝は、前記針が前記シース管腔の先端部を越えて延びる長さを表す、請求項29に記載の針生検装置。
【請求項32】
前記ハンドル部材の前記先端部に沿って埋め込まれた前記溝は、前記先端ハンドル部材が前記シース管腔を超えて伸びる長さを表す、請求項29に記載の針生検装置。
【請求項33】
前記針の少なくとも一部は、エコー発生性と超音波可視性を高めるための材料または設計の特徴点を含む、請求項29に記載の針生検装置。
【請求項34】
前記針は、前記針の内部に配置されたスタイレットを更に含む、請求項29に記載の針生検装置。
【請求項35】
基端部と先端部とを有するハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記基端部に配置された基端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の前記先端部に配置された先端ハンドル部材と、
前記ハンドル部材の内部に配置され、前記ハンドル部材の前記先端部から延びるシース管腔と、
前記基端ハンドル部材に着脱可能に配置された針ケース部材であって、前記シース管腔内に配置されているとともに近接側端部において前記針ケース部材に接続された針を含む、針ケース部材と、
前記先端ハンドル部材の先端部に部分的に配置された針係止部材と、
前記針ケース部材の先端部に部分的に配置され、前記針の長手方向に沿って延在するとともに前記針が長手方向に沿って移動可能に挿通される針保護シャフトと、前記針保護シャフトの基端側末端に位置し、半径方向外側に向かって延在すると共に、前記基端ハンドル部材に係合する針保護ハブと、を含む針保護部材と、
を備える針生検装置。
【請求項36】
前記針係止部材は、
圧縮嵌合ハブと、
前記圧縮嵌合ハブ内に部分的に配置された圧縮ガスケットと、
前記圧縮ガスケット内に部分的に配置された円筒外筒と、
前記円筒外筒と前記圧縮ガスケット内に部分的に配置された針と、
を含む請求項35に記載の針生検装置。
【請求項37】
前記圧縮ガスケットは、変形可能な材料でできている、請求項36に記載の針生検装置。
【請求項38】
前記圧縮ガスケットは、前記針の外表面の少なくとも一部に接触すると、前記針の動きを防止する、請求項37に記載の針生検装置。
【請求項39】
前記圧縮嵌合ハブは、前記圧縮ガスケットを圧縮し、それにより
前記圧縮ガスケットを圧縮方向へ移動し、
前記円筒外筒を基端方向に移動し、
前記圧縮ガスケットを前記針との接触から開放する請求項38に記載の針生検装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年10月1日に出願された米国特許出願第12/243,367号明細書の一部継続出願であり、2008年11月26日に出願された米国仮特許出願第61/117,966号の利益を主張するものである。それぞれの内容全体を参照によりここに援用する。
【背景技術】
【0002】
超音波内視鏡検査法は、医学分野において25年以上利用されてきている。この方法により、臨床医は患者の胃腸管の各層のスキャン、位置決め、同定を行い、個々の粘膜層、粘膜下層の位置を決定することができる。これらの識別により、悪性腫瘍や種々の異常に対する適切な治療方法が決定される。
【0003】
超音波内視鏡検査法は幾つかのステップで構成される。例えば、臨床医が、患者に鎮静剤を与え、上部消化管内視鏡法によって患者の胃や十二指腸へプローブを挿入する。そうして、内視鏡を患者の口から入れて、十二指腸のあたりまで前進させる。食道から十二指腸までの間の様々な場所から、消化管の外側の器官や腫瘤を撮像して、異常を判定する。何らかの異常があれば、器官や腫瘤を微細な針で吸引して生検する。肝臓やすい臓や副腎等のような器官は、異常なリンパ節と同様に、容易に生検を行うことができる。患者の胃腸管壁も撮像して異常の有無を判定することができる。例えば、患者の胃腸管壁が異常に厚い場合には、炎症か悪性腫瘍が疑われる。
【0004】
超音波内視鏡検査法で得られる画像の品質は、利用する周波数の水準に直接比例する。高周波の超音波では高品質の画像を生成することができるが、高周波の超音波は、低周波の超音波と同様に器官壁を貫通しない。その結果、近傍にある器官の検査は不可能である。
【0005】
縦隔鏡検査法は、縦隔におけるリンパ節転移を判定するために広く行われている方法である。縦隔鏡検査法は外来患者への外科処方として一般に行われており、重大な副作用の発生率が低く、精度も非常に高いものと考えられている。縦隔リンパ節の、超音波ガイド下での気管支内細針吸引生検は、縦隔リンパ節の組織サンプリングで、組織への影響の小さい選択肢である。気管支内超音波法は、呼吸器科の医師によって広く採用されてきており、近い将来、縦隔鏡検査法に取って替わろうとしている。胸部外科医に取って、気管支内超音波法は容易に習得でき、その習得は、胸部悪性腫瘍の診断と病期判定における専門医としての従来からの重要な役割を維持するために重要である。
【0006】
気管支内超音波法を行う際に、臨床医は、経口挿入した気管支鏡を用いてリンパ節から針吸引を行うことが可能である。気管支内超音波法では、超音波プロセッサおよび小径吸引針を装備した内視鏡を患者の気管を通して誘導する。適切な位置にくると、細針吸引装置の針の部分をリンパ節の中へ進め、サンプルを吸引し、装置を気管支鏡から取り出す。
【0007】
超音波内視鏡検査法と細針吸引を介した超音波気管支内視鏡検査法とは、現在の処、胃腸内視鏡法と気管支鏡法の分野での標準的な処置方法である。これらの方法は、食道癌、膵臓癌、肝臓腫瘤、非小細胞肺癌、膵臓腫瘤、気管支腫瘤、腹内リンパ節などのような病気の発現管理において、高い感度と特異度とをもたらす。
【0008】
細針吸引を用いる超音波内視鏡検査法は、標準的なエコー内視鏡のルアーポートすなわち作用導管に取り付けた細針吸引装置を必要とする。従来の装置では、一連のプッシュハンドルとプルハンドルとを用いて、装置のカテーテルシャフトの軸方向移動と針の挿入深さとを制御する。しかしこれらの装置にはいくつかの難点がある。
【0009】
例えば、装置をエコー内視鏡に取り付ける手段が煩雑である。現在の装置では、オス型の取り付けアダプタを利用しており、メス型の内視鏡のルアーポートにねじ止めしなければならない。さらに、これらの装置は使用方法が人間工学的に最善とはなっていない。具体的には、臨床医は幾つかのハンドルをそれぞれに操作する必要があり、各ハンドルを抑えねじでロックして装置を固定しなければならない。これらの動作は全体として、臨床医に取ってかなり長たらしい作業となる。その上、装置から外す際に、針は曲がったり変形することが多く、甚大な作業の遅れや失敗を招く。また、1つの処置について複数回の操作が必要であり、このために処置が長引く。その結果、新しい操作の度ごとに臨床医は、所望の吸引場所に対する針の位置の再確認をする必要がある。
【0010】
標準的なエコー内視鏡における別の難点は、針の安全な予防保全設計の不足に関するものである。これは、臨床医が不注意で針に刺されることを防ぎ、立ち会いの医療スタッフが患者の血液を媒介とする病原に伝染することを防止するためのものである。現在使用されている細針吸引医療機器では、超音波内視鏡法と気管支内超音波法のいずれにおいても、所望の解剖学的部位からサンプルが吸引されると、細針吸引カテーテルがエコー内視鏡から外されて、サンプルの抽出と準備のために臨床医に渡される。臨床医は、針をエコー内視鏡から外す前に、“リシース”(即ち、針をカテーテルのシースの中に引き込ませる)ように指示されている。しかしこれが行われないことが多い。そうして、細針吸引装置を取り外して移す間、装置の針先が内視鏡超音波装置および気管支内超音波装置に関係する医療スタッフに対して露出されており、針にさされたり、血液で媒介される病原菌に汚染されたり曝されたりする危険性が高い。
【0011】
更には、針は医療処置においては日常的に使用されており、生検はそのような装置を利用する主要な分野である。超音波内視鏡(EUS)および超音波気管支鏡(EBUS)において、超音波処置の効率は、所望のサンプル取得位置へ針部品を指し向ける能力にかかっている。針の滑らかな円筒表面は、未処理の状態では鏡面仕上げとなっていて、残念ながら、超音波検査法を用いて画像を得ることが非常に難しい。この問題を解決するために、エコー発生性または超音波での針の可視性を高めるためのさまざまな技術が開発されてきた。さまざまな手法(サンドブラスト、表面エッチングや表面被覆)が針部品の表面を“粗化”するために利用されてきたが、十分な成果は得られなかった。この表面粗化は、超音波を散乱させる結果となる。上記の技術の問題点の一部は、(超音波発生装置からの音波の)入射角と(発生装置アレイへ向けて反射する音波の)反射角とに関係する。生検装置の針に対する表面仕上げと表面変形の方法および設計によって、超音波アレイが検出する反射波の割合を最大化できる、ということが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、超音波内視鏡法に利用する装置を改良する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様によれば、針生検用の一装置が提示される。この針生検装置は、ハンドル部材と、基端ハンドル部材と、先端ハンドル部材と、シース管腔と、針ケース部材と、針と、スタイレットと、装置の操縦性と作用性を向上させるための円錐形グリップを含む人間工学設計の特徴点と、を備えている。
【0014】
本発明の別の態様によれば、針生検用の一装置が提示される。この針生検装置は、ハンドル部材と、基端ハンドル部材と、先端ハンドル部材と、シース管腔と、針ケース部材と、針と、針保護アダプタと、針保護部材と、を備えている。
【0015】
本発明の別の態様によれば、針生検用の一装置が提示される。針生検装置は、係合可能な部材を含むハンドル部材と、基端ハンドル部材と、先端ハンドル部材と、シース管腔と、針ケース部材と、平坦リングと、汚れ除去部材と、表面に複数の突起を含む針と、針保護部材と、針保護ハブと、針保護シャフトと、を備えている。
【0016】
本発明のさらに別の態様によれば、針生検用の一装置が提示される。針生検装置は、ハンドル部材と、基端ハンドル部材と、先端ハンドル部材と、シース管腔と、針ケース部材と、エコー発生性および超音波への可視性を高めるための複数の窪みを含む針と、を備えている。
【0017】
本発明のさらに別の態様によれば、針生検用の一装置が提示される。この針生検装置は、ハンドル部材と、基端ハンドル部材と、先端ハンドル部材と、シース管腔と、針ケース部材と、表面に複数の突起と針の先端部を取り外せるようになったジョイントを含む針と、を備えている。
【0018】
本発明の別の態様によれば、針生検用の一装置が提示される。針生検装置は、ハンドル部材と、摺動可能に係合するように構成され、その摺動可能な動きを制御するために埋め込まれた少なくとも1つの溝に係合する長手軸に沿った少なくとも1つのガイドレールを含む基端ハンドル部材と、摺動可能に係合するように構成され、その摺動可能な動きを制御するために埋め込まれた少なくとも1つの溝に係合する長手軸に沿った少なくとも1つのガイドレールを含む先端ハンドル部材と、シース管腔と、針ケース部材と、針とを備えている。
【0019】
本発明の別の態様によれば、針生検用の一装置が提示される。この針生検装置は、ハンドル部材と、基端ハンドル部材と、先端ハンドル部材と、シース管腔と、針ケース部材と、針と、針係止部材とを備えている。
【0020】
新規性があると確信される本発明の目的及び特徴は、添付の特許請求の範囲で詳細に説明される。本発明は、更なる目的及び利点と共にその構成及び運用方法の両方に関して、下記添付図面に併せて以下の説明を参照することにより、最もよく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明による、針保護部材の一実施形態の断面図である。
【
図2】本発明による、針保護部材の一実施形態の断面図である。
【
図3】本発明による、針保護部材の別の実施形態の断面図である。
【
図4】本発明による、針保護アダプタの一実施形態の透視図である。
【
図5】本発明による、ルアーアダプタの一実施形態の透視図である。
【
図6】本発明による、ルアーアダプタの一実施形態の透視図である。
【
図7】本発明による、針保護部材の一実施形態の断面図である。
【
図8】本発明による、針保護部材の一実施形態の断面図である。
【
図9】本発明による、針保護部材の一実施形態の透視図である。
【
図10】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図11】本発明による、針保護部材の一実施形態の透視図である。
【
図12】本発明による、針保護部材の一実施形態の透視図である。
【
図13】本発明による、針保護部材の一実施形態の透視図である。
【
図14】本発明による、針保護部材の一実施形態の透視図である。
【
図15】本発明による、針保護部材の一実施形態の透視図である。
【
図16】本発明による、針保護部材の一実施形態の透視図である。
【
図17A】本発明による、針係止部材の一実施形態の透視図である。
【
図17B】本発明による、針係止部材の一実施形態の透視図である。
【
図18A】本発明による、針保護部材の一実施形態の透視図である。
【
図18B】本発明による、針保護部材の一実施形態の透視図である。
【
図19】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図20A】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図20B】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図20C】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図20D】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図20E】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図20F】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図20G】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図21】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図22】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図23A】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図23B】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図23C】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図23D】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図23E】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図25】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図26】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図27】本発明による、針の一実施形態の透視図である。
【
図28】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図29】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図30】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図31】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図32A】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図32B】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図32C】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図32D】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図33】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図34】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図35】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図36】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図37】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図38A】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図38B】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図39A】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図39B】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図40】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図41】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図42】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図43】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図44】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【
図45】本発明による、針生検装置の一実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の例示的実施形態を、超音波内視鏡または超音波気管支鏡と連結して、患者から組織、液、細胞のサンプルを採取する針生検装置に関して議論する。針生検装置の様々な実施形態には、モジュール設計が含まれるものと考えられる。例えば、針生検装置は、それぞれのパス毎に、つまり病変部または異常部から臨床医がサンプルを吸引する度に、装置の基端ハンドル部材から取り外される針ケース部材を含んでいてもよい。更に、1つの装置の中に統合カテーテル駆動機構と、針の前進・後退機構と、針とを組み込んだ装置と結合させた場合の、とがった針の安全性とその保護を支援する潜在的な設計の実施形態もここに開示される。
【0023】
本発明は、患者からサンプルを採取するための多種の生検装置へ適用されるものと考えられる。また、本発明は、静脈切開、消化管、腸、泌尿器、および獣医学的な処置において用いられるものを含む体液の採取に使用されることも想定される。本発明は、これに限るものではないが、液体回収、カテーテル、カテーテル導入装置、脊髄および硬膜外生検、アフェレーシス、透析などを含む、その他の針生検用途への活用も考えられる。
【0024】
以下の議論において、“基端”という用語は、臨床医に近い構造部分を指し、“先端”という用語は、臨床医から遠い構造部分を指す。本発明によれば、“臨床医”という用語は、針生検装置から針を差し込み、または抜き取ってサンプルの収集を行う人、および場合によってはそれを支援する人を指す。添付の図面に示された、本発明の例示的な実施形態を、以下に詳細に参照する。
【0025】
図1と
図2は、エコー内視鏡110のルアー部108と共に利用される針保護部材100の実施形態の断面図である。針保護部材100は、針保護シャフト102と針保護ハブ104とを含む。針保護シャフト102の長さは、例えば4〜20cmであり、臨床医が偶発的に針114に刺されることを防ぐためのものである。針保護ハブ104は、針保護部材100の基端部にある。一実施形態では針保護ハブ104は、少なくとも1つの係合部材116から成る。少なくとも1つの係合部材は、例えばフランジである。
【0026】
針保護部材100は、ポリウレタン、ポリエーテルアミドまたはその共重合体、シリコーン、ネオプレンゴム、ポリビニルクロライドまたはその共重合体、ポリエチレンまたはその誘導体、あるいはその他の市販の低硬度高分子材料などの圧縮性材料から製造される。製造材料は、エコー内視鏡110の基端において、針保護部材100とルアー部108との間に圧縮嵌合を提供するようになっている。
【0027】
針保護部材100は、シース管腔106を覆っている。針保護部材100は、エコー内視鏡110の基端において、シース管腔106上を自由に動く。一実施形態において、針生検装置(図示せず)のルアー係止アダプタをルアー部108にねじ止めすることにより、臨床医がエコー内視鏡110に針生検装置を取り付ける際に、針保護部材100は、ルアー部108に固定される。針生検装置のルアー係止アダプタがルアー部108に締付けられると、針保護部材100は、位置が固定される。
【0028】
シース管腔106は、基本的に剛体の高分子押出部品で構成される。シース管腔106は、例えば熱可塑性材料でできていてもよい。熱可塑性材料としては、ポリウレタン、ポリアミド及びその誘導体、エーテルブロックアミド共重合体、ポリイミド、ポリエチレンとその誘導体、およびポリテトラフルオロエチレン等があるが、これに限られるものではない。シース管腔106は、滑らかな内部コアの外側に熱可塑性材料をらせん状に編んだ構造であってもよい。
【0029】
シース管腔106は少なくとも1つの係合部材112を含んでおり、これは針保護部材100の少なくとも1つの係合部材116に対して相補的な構造になっている。係合部材112は、シース管腔106の先端部の外径の変わり目を表している。係合部材112の外径は、例えば、0.002インチ〜0.050インチ、並びに0.005インチ〜0.020インチの程度であってよい。
【0030】
本発明の一実施形態において、臨床医はシース管腔106を基端方向に引き込ませることによって、偶発的に針に刺されることを防止する手段を講じる。引き込ませる段階で、係合部材112が係合部材116と連通する。係合部材112が係合部材116と連通すると、針保護部材100がルアー部108から外れて針114の先端部を覆う。針保護部材100は、針112がカテーテルシース106の先端から最大の長さまで延びている場合でも、針114を覆う。
【0031】
図3には、針保護部材100の別の実施形態の断面図が示されている。針保護部材100は、基端が圧縮性で変型可能な要素104でできており、エコー内視鏡(図示せず)のルアー部の中に挿入される際に、圧縮される。針保護部材100はさらに、針保護シャフト118と平坦インサート120とを含む。
【0032】
針保護シャフト118は、ポリウレタン、ポリアミドとその誘導体、エーテルブロックアミド共重合体、ポリイミド、ポリエチレンとその誘導体、ポリテトラフルオロエチレン等のような剛性高分子、またはステンレススチールやその派生物などの金属ベースの要素で製造されていてもよい。別の実施形態では、針保護シャフト118は、ステンレススチールのような材料でできていて、複数のサンプルを取得する間に、連続的な使用とパスの結果として針が損傷を受けた場合に、臨床医が再挿入のために針を真直ぐにできるようにする。針保護シャフト118は、平坦インサート120の剛性と圧縮性の要求を並立させるために、オーバーモールドされてもよい。
【0033】
図4は、針保護アダプタ200の透視図である。針保護アダプタ200はルアーアダプタ202の基端側と針生検装置204の先端側とに取り付けられる。針保護アダプタ200は、針保護部材206と、針保護シャフト208と、アダプタ部材210と、少なくとも1つの係合部材212とからなる。
【0034】
針保護部材206は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレンとその誘導体、ポリエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルスルフォン、ポリウレタン、エーテルブロックアミド共重合体、ポリアセタール、ポリカーボネートとその誘導体などのような熱可塑性材料でオーバーモールドされてもよい。一実施形態において、針保護シャフト208は、皮下注射用のステンレスパイプでできており、剛性があって、連続使用の間に針が折れ曲がった場合にまっすぐに直せる性質を有している。
【0035】
アダプタ部材210と係合部材212とは、ルアーアダプタ202と針保護アダプタ200と針生検装置204との間の係合を支援する。アダプタ部材210と係合部材212は、例えば、ねじ溝構成、またはスナップフィットタイプの構成になっていてもよい。
【0036】
一実施形態において、針保護アダプタ200はルアーアダプタ202に外せないように取り付けられている。別の実施形態において、ルアーアダプタ202は、エコー内視鏡(図示せず)にねじ止めタイプの構造で接続されている。ルアーアダプタ202は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレンとその誘導体、ポリエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルスルフォン、ポリウレタン、エーテルブロックアミド共重合体、ポリアセタール、およびその誘導体などのような、剛性または半剛性の熱可塑性高分子材料で製造されたオーバーモールドされた部品であってもよい。
【0037】
図5と
図6を参照すると、ルアーアダプタ202の実施形態の透視図が示されている。ルアーアダプタ202は、針保護アダプタ200にスナップフィット接続214、216で取り付けられてもよい。スナップフィット接続214、216では、臨床医はルアーアダプタ202からエコー内視鏡(図示せず)を比較的簡単に外すことができる。例えば、サンプルが所望の解剖学的部位から吸引されてしまうと、エコー内視鏡はルアーアダプタ202の先端から外すことができる。
【0038】
図7と
図8を参照すると、針保護アダプタ200の実施形態の断面図が示されている。針保護アダプタ200は、針保護アダプタ200の中間部から先端部に亘って延びている針保護部材206から構成されている。針保護部材206は、針保護シャフト208と、その内径上の少なくとも1つの係合部材222とからなっている。
【0039】
本発明の一実施形態においては、臨床医がシース管腔218を基端方向に引くと、係合部材222がシース管腔218の先端部に位置する相補的係合部材220に連通する。例えば、係合部材220が針保護部材206の基端において係合部材222と接触すると、シース管腔218は接続部に到達する。この段階において、針224が針保護シャフト208内に完全に保護されているので、臨床医は、ルアーアダプタ202から針保護アダプタ200を取り外すことができる。このようにして、針保護シャフト208は、針224が針保護部材206の先端から最大の長さで延びている場合でも、先端方向に突出している針224を覆うことが可能である。
【0040】
図9〜
図12には、針保護部材300と針生検装置310の透視図が示されている。針保護部材300は、針保護ハブ302と針保護シャフト304とを含む。針保護ハブは例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレンとその誘導体、ポリエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルスルフォン、ポリウレタン、ポリエチレン、エーテルブロックアミド共重合体、ポリアセタール、ポリカーボネートとその誘導体などのような剛性または半剛性の熱可塑性材料で製造されてもよい。
【0041】
針生検装置310は、針ケース部材312と、基端ハンドル部材314と、ハンドル部材316と、先端ハンドル部材318とから構成されている。本発明の実施形態において、針保護部材300は、針ケース部材312の先端側に前以って組み込まれている。針ケース部材312が基端ハンドル部材314の中へ進むと、針保護ハブ302と針保護シャフト304は係合部材320の間に固定される。例えば、針保護ハブ302は、基端ハンドル部材314中のスナップフィット構成となっている係合部材320の間に実質的に固定される。
【0042】
次に
図13〜
図16を参照すると、針保護ハブ302と針保護シャフト304の実施形態の透視図が示されている。針保護ハブ302と針保護シャフト304は、一連の市販の剛性または半剛性の熱可塑性材料で成形された射出成型部品であってよい。これらの材料は、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレンとその誘導体、ポリエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルスルフォン、ポリウレタン、エーテルブロックアミド共重合体、ポリアセタール、ポリカーボネートとその誘導体などであるがこれに限られるものではない。一実施形態では、針保護ハブ302と針保護シャフト304は、ポリスチレン、ポリカーボネート、スチレンアクリロニトリルなどのような、基本的に透明または半透明の材料から構成される。透明または半透明であることで、臨床医に、針保護シャフト304の先端部に対する針324の位置の視覚的なフィードバックを与えることができる。
【0043】
本発明の一実施形態において、針324は、針324の先端部から特定の距離だけ離れた所にある係合部材322を含んでいる。針324に沿った係合部材322の位置は、サンプル採取時の針の最大侵入深さに対応する。係合部材322は、例えば、高分子の押出スペーサであってよい。臨床医が針324を針保護シャフト322を通して後退させると、少なくとも1つの係合部材322が針保護ハブ302中の対応する係合部材に係合するまでは、針保護ハブ302は基端ハンドル部材314の中にロックされたままとなる。この段階で、臨床医が後に引く力を更に強めると、針保護ハブ302は係合部材320から外れ、針324が基端ハンドル部材314から引き出される時にケースに包み込まれて、その結果、偶発的に針に刺されることが防止される。
【0044】
図17Aと
図17Bには、針係止部材の実施形態の透視図が示されている。本発明の実施形態において、針係止部材は、圧縮ガスケット400、圧縮嵌合ハブ410、および円筒外筒412とで構成される。針402は、圧縮ガスケット400と円筒外筒412の中に一部が配置されている。圧縮ガスケット400は一部分が、圧縮嵌合ハブ410の内部に配置され、円筒外筒412はその一部が圧縮ガスケット400の中に配置されている。圧縮ガスケット400は、所望通りに圧縮力を掛けたり外したりすることが可能な、例えばシリコーンおよび他の柔軟な変形可能高分子やゴム材料から作られてよい。
【0045】
一実施形態において、圧縮ガスケット400は、圧縮状態404または非圧縮状態405であってよい。次に
図17Aを参照すると、圧縮状態404においては、圧縮ガスケット400は針402の一部分と接触している。これにより針402がカテーテルシース406の先端の外へ押し出されたり引き込められたりするのを防ぐ。この状態で、臨床医は内視鏡(図示せず)の使用チャネルのルアー部品をアダプタ408に係合させて、アダプタ408をエコー内視鏡に取り付ける。次に
図17Bにおいて、臨床医は圧縮嵌合ハブ410を回転させて、圧縮嵌合ハブ410をアダプタ408上に接続する。この回転運動の結果、圧縮ガスケット400が先端方向に移動する。この回転により、円筒外筒412もまた基端の圧縮ガスケット400を通して移動する。この段階で、圧縮嵌合ハブ410とアダプタ408とが位置を固定されると、圧縮ガスケット400は針402とは接触しなくなる。そうして、針402は所望のサンプルを採取するために自由に前進、後退ができる。
【0046】
図18Aと
図18Bでは、針生検装置500と510で使用する、針保護機構の実施形態の透視図が示されている。針生検装置500は、針ケース部材502と基端ハンドル部材504とハンドル部材506とから構成されている。針ケース部材502は、その中に針を含む。針生検装置510は、基端ハンドル部材512とハンドル部材516とを備える。
【0047】
一実施形態において、針ケース部材502は基端ハンドル部材504の中に完全に挿入され、シース管腔(図示せず)の先端から針が延びて出られるようになっている。これに関し、臨床医が組織サンプルを入手すると、臨床医は基端ハンドル504を最大幅まで後退させ、針がシース管腔の先端部分の中に確実に納まるようにする。このプロセスを支援するために、針生検装置500は、基端ハンドル部材504の基端部に第1の係合部材508を組み込み、ハンドル部材516の基端部に第2の係合部材514と第3の係合部材518とを組み込む。これらの係合部材を利用して、臨床医が力を加えない限り、基端ハンドル部材504が前進しないようにする。この機能はまた、臨床医に針がロックされたことを知らせる触覚でのフィードバックを提供する。すなわち、係合部材508、514,518がカチッとその位置に入るのがわかるようになっている。この設計の特徴は、臨床医はシース管腔506を除去する前に係止スライドリングをきちんとロックすることだけを頼りにしなくてもよいように考えられている。係合部材508、514、518などのようなセルフロック機構の導入により、臨床医は係止スライドリングをロックする必要がなく、それによって処置の効率を上げる事が企図されている。更には、ハンドル部材504の特定の位置に係止リングをロックしたままにすることにより、臨床医が複数の組織サンプル採取のために連続的に針を通す時、針の挿入設定を維持しておくことが可能となる。
【0048】
図19には、針生検装置520の別の実施形態の透視図が示されている。針生検装置520は、アダプタ522と、基端ハンドル部材524と、基端ハンドル部材524と先端ハンドル部材(図示せず)に設置された人間工学設計の特徴点526、528と、係止リング532と、針530とを備える。一実施形態において、針生検装置520がエコー内視鏡に取り付けられている場合には、針生検装置520はカテーテルシャフト調節には関与しない。
【0049】
基端ハンドル部材524は、臨床医が針生検装置520に対するより優れた感触を持てるように、人間工学設計の特徴点526、528が組み込まれている。人間工学的特徴点の526と528は、例えば円錐形のつまみや、親指や人差し指に適した窪みである。係止リング532によって臨床医は、装置のシース管腔の端からの針の延伸深さをロックすることができる。係止リング532は先端方向または基端方向に動かすことができ、締め付けることにより位置をロックすることが可能である。
【0050】
次に
図20A〜
図24では、針の設計の特徴に関する実施形態の透視図が示されている。針は、最大の延び長さを示す場合に、先端部の長さ全体に亘ってエコー生成に係わる特徴が埋め込まれている。この機能は、針の表面から材料を除去して実現され、反射率を高め、信号の反射強度を強くする。しかし、材料を除去することは針の押し込みの観点からは性能が劣化し、所望のサンプルを取得する能力がそがれることになると考えられる。
【0051】
図20Aには、針600の実施形態の透視図が示されている。針600は、複数の窪み602を含んでいる。窪み602は、これに限定するものではないが、円形、凹面、円筒形、らせん形、楕円、長方形、正方形等の要素であって、針600の表面上の窪みの形態となっている。窪み602は、針の先端周囲にらせん状に配置されていてもよい。これらの窪みは、針600の先端斜面の一番先まで拡がっていてもよいし、あるいは斜面から特定の距離の所で終わっていてもよい。このような窪みのある針600の先端の長さは、例えば1〜20cmである。別の実施形態では、この長さは、5〜10cmである。
図20Bと
図20Cでは窪み602は、凹面の細部604となっている。
図20Dと
図20Eでは窪み602は、正方形の底面の縁606となっている。
図20Fと
図20Gでは窪み602は、半球状の底面608となっている。
【0052】
図21には、針610の別の実施形態の透視図が示されている。針610は、先端の周辺が楕円の窪み612で構成されている。
図22には、正方形の窪みを有する、針614の実施形態の透視図が示されている。窪み616は、針614の先端斜面の一番先まで拡がっていてもよいし、あるいは斜面から特定の距離の所で終わっていてもよい。
図23Aと
図23Bを参照すると、スパイラル窪み620とヘリカル窪み622を含む針614の実施形態が示されている。
図23Cでは、窪み624は、凹面の細部となっている。
図23Dでは、窪み626は、正方形の底面の縁となっている。
図23Eでは、窪み628は、半球状の底面となっている。
【0053】
次に
図24は、針の窪みに角度α1 630とβ1 632とでそれぞれ入射する超音波の図である。一実施形態において、波が窪みの底面に当たり、それぞれの入射角α1 630、β1 632に等しい反射角α2 634、β2 636で上方に反射される。この反射波は、窪みの側壁でそれぞれα3 638、β3 640の反射角で2回目の反射をする。この角度は、入射角α1 630とβ1 632と、1回目の反射角α2 634、β2 636にそれぞれ等しい。こうして、反射波は最初に伝搬されて入射されてきた波の入射角と同じ角度で超音波変換装置に反射される。一実施形態において、正方形端部を有するように設計された窪みが、この過程においてより効率的な超音波の反射を行なう。
【0054】
次に
図25〜
図27では、針700の異なる設計の実施形態の透視図が示されている。針700は、フィルタ要素702と、少なくとも1つの突起706と、ジョイント708とを備え、針保護部材704の内部に収納されている。
【0055】
本発明の一実施形態において、ジョイント708により、臨床医は針700の先端部を針700の本体から取り外すことができる。ジョイント708は例えば、ラップやスナップフィットや接着接合構造である。ジョイント708は、サンプル抽出時に針700の押し込み性や曲がりに対する抵抗を損なうものであってはならない。
【0056】
フィルタ要素702は、吸引プロセスで取得される細胞を捉える膜として作用する。吸引後の手順において、臨床医は針生検装置のハンドルの基端ハンドルの端部で、針ケース部材を取り外す。完全に引き込まれると、針700の尖った先端は針保護部材704で保護される。臨床医は、針700をジョイント708で取り外して、分析のためにバイル(vile)の中に針700を安全に挿入することができる。EUSまたはEBUS装置では連続的な針の挿入を行う前にサンプルを針700から除去するための待ち時間を通常必要とするが、このようにサンプル準備時間をなくすことで、微細針吸引処理の効率は改善される。
【0057】
図28〜45においては、交換可能な針ケース部材を有する針生検装置の様々な実施形態が示されている。
図28と
図29には針生検装置800が示されている。針生検装置800は、基端ハンドル部材802、基端内部ハンドル部材804、基端ガイドレール805、止め部材806、先端ガイドレール807、先端内部ハンドル部材808、先端ハンドル部材810、針ケース部材812、スタイレット814、リリース部材816、シース管腔818、針保護ハブ820、針保護シャフト822、リング係合部材824、基端内部ハンドルシャフト826、および針828、を備える。
【0058】
基端ハンドル部材802を利用して、基端内部ハンドル部材804に沿って針828を摺動して前進、後退させる方法が提供される。例えば、基端内部ハンドル部材804の先端にある基端ガイドレール805は、くぼんだ溝であって、針828の腫瘍部位への出し入れの動きを可能とする。
【0059】
先端ハンドル部材810を利用して、先端内部ハンドル部材808に沿ってシース管腔818を摺動させ、針828の展開長さに対する突出深さを調整する方法を提供する。
【0060】
一実施形態において、針ケース部材812は統合針保護機構(図示せず)に事前に取り込まれている。臨床医が細胞サンプルを取得すると、針ケース部材812は、リリース部材816を押すことによって基端ハンドル部材802からロック解除される。リリース部材816は、例えば、外部押しボタンヒンジであってよい。リリース部材816を操作することにより、臨床医は、針ケース部材812をロック解除し、針を装置800から引き込ませる。
【0061】
図30と
図31には、基端ハンドル部材802の一実施形態の透視図が示されている。基端ハンドル部材802は窪み830を備え、リング係合部材824と基端ガイドレール805とを配置する。基端ハンドル部材802は、基端ガイドレール805に沿って前後に自由にスライドでき、処置中に臨床医が針を前進、後退させることができる。先端ハンドル部材(図示せず)は、先端ガイドレールに沿って前後に自由にスライド可能であり、エコー内視鏡の端部から出ているシース管腔818の深さを臨床医が調節できるようになっている。
【0062】
図32A〜
図32Dには、ハンドル部材部品の透視図が示されている。先端ハンドル部材810は、少なくとも1つの中空穴834と、ロック係合穴836とルアーリセス838とを備える。一実施形態において、ねじの切られたスペーサが中空穴834に挿入されて固定される。固定は、例えば機械的な圧入もしくは接着剤利用によって行われる。
【0063】
基端内部ハンドル部材804と先端内部ハンドル部材808は、止め部材806で分離されている。止め部材806は、基端内部ハンドル部材804と先端内部ハンドル部材808とに沿う、ハンドル部材の前進及び後退を制御するための分割器として作用する。一実施形態において、止め部材806は基端部材のリセス840に固定されている。止め部材806は、針交換のためのテーパ付き通路842と平坦穴844の機能には干渉しないものとする。
【0064】
図33には、針ケース部材812の一実施形態の透視図が示されている。針ケース部材812は平坦リング813とスタイレット814とを含む。平坦リング813は、リリース部材816と連動して機能する。平坦リング813の機能に関しては以下で更に詳細に述べる。
【0065】
図34には、針ケース部材812の一実施形態の断面図が示されている。針ケース部材812は、リング係合部材824と、針ルアーハブ840と、内側ケース842と、針歪開放部材844とを含んでいる。一実施形態において、内側ケース842には、リリース部材816(
図29に示す)と、係合および開放を行う棚が組み込まれている。この設計の特徴は、針ケース部材をリリース部材816のアセンブリに固定する場合に、臨床医に滑らかなロック応答を与える。針ルアーハブ840は、接着剤による接着、溶接、ろう付け、はんだ付け手法、等の様々な固定手段によって針ケース部材812に固定される。内側ケース842は、針歪開放部材844を定置するための連結器として作用する。
【0066】
次に
図35〜
図37を参照すると、針ケース部材812と共に使用するための針保護ハブ820の一実施形態の透視図が示されている。針保護ハブ820は係合部材846を含む。係合部材846は針の先端の突起848と連通する。針が連続的に引き込まれると、最も基端側の突起848が係合部材846と協調してそこに機械的にロックされる。この段階で、臨床医が針ケース部材を基端ハンドルから後退させると、針保護ハブ820は突起848にロックされたままとなり、鋭い針の先端斜面をケースに収め、針が患者から取り除かれた後、臨床医を保護する。
【0067】
針保護ハブ820は、例えば、アルミニウム、ステンレススチール、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)やその剛性誘導体、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、およびポリカーボネート等のような、剛体の変形可能な金属や、熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性材料から製造されてもよい。一実施形態において、これらの材料は、ショアD35〜120の範囲、より好ましくはショアD80〜110の範囲の硬度を有する。
【0068】
係合部材846は、これに限られるものではないが、ポリウレタンとその誘導体、ポリエーテルアミドブロック共重合体、ポリアミド、スチレンブタジエンゴムおよび/またはスチレン基高分子の代替誘導体、ネオプレン、およびポリエチレンとその誘導体などのような、一連の低硬度の熱可塑性または熱硬化性材料から製造されてもよい。一実施形態において、これらの製造材料は、ショアA70〜120の範囲、より好ましくはショアA70〜90の範囲の硬度を有する。
【0069】
図38A〜
図39Bには、リリース部材816の一実施形態の様々な図が示されている。リリース部材816は、針ケース部材を針生検装置の基端ハンドル部材に取り付ける機構である。リリース部材816は、例えば押しボタンであって、リリース部材816への外力を外すと、ヒンジ部材850を利用して、定位置へ戻るように作動させる。ヒンジ部材850は、弾性的に変形することが可能であり、針ケース部材を取り外す時に、「ロック」の開閉を提供する。一実施形態において、リリース部材816は、外部結合筺体852と押しボタン816方式の機構とを組み込んでいる。
図39Aと
図39Bには、典型的な動作サイクルにおける開位置と閉位置のリリース部材816が示されている。
【0070】
図38Aと
図38Bにおいて、リリース部材816と外部結合筺体852とは、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリスチレンまたはその剛性誘導体、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、およびポリカーボネート等のような、一連の剛体で、変形しない熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性材料から製造されてもよい。一実施形態において、これらの製造材料は、ショアD35〜120の範囲、より好ましくはショアD80〜110の範囲の硬度を有する。
【0071】
ヒンジ部材850は、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、ポリスチレンまたはその剛性誘導体、ポリアミド、ポリエチレン、ポリウレタン、およびポリカーボネート等のような、一連の剛体の熱可塑性プラスチックまたは熱硬化性材料から製造されてもよい。一実施形態において、針生検装置の典型的な“開および閉”サイクルの時に受けるような外力の下で、製造材料は、ひび割れや疲労やクラックなしで曲げ変形可能でなければならない。
【0072】
図40〜
図42には、針生検装置で使用する針保護部材820のいくつかの実施形態の透視図が示されている。一実施形態において、針ケース部材は、針保護ハブ820と針保護シャフト822とに前以って搭載されている。その後、針ケース部材が、リリース部材816のある基端ハンドル部材の基端部の中へ挿入される。針ケース部材は連続的に挿入されて、針保護ハブ820のテーパ部分がリング係合部材824に着座する。更に力を加えると、針保護ハブ820が前方に押されて、リング係合部材824が変形して静止する。この段階で、針保護ハブ820が位置を固定され動かなくなる。更に、針ケース部材の平坦リングがリリース部材816を作動させて、リリース部材816の結合器の外部表面上で“平坦リング”を超える。平衡状態では、リリース部材816は完全な延伸状態にあり、結合器はその位置にロックされる。
【0073】
リリース部材816の狙いとする機能は、針ケース部材がリリース部材816に力を掛けることなく、基端ハンドル部材から外れるのを防ぐことである。例えば、所期の場所からサンプルが吸引されると、リリース部材816が作動されて針が引き抜かれる。針は連続的に引き抜かれて、最も基端側の係合部材848が針保護ハブ820に係合する。更に力を加えて針を更に引き出せば、テーパ部の基端側半径がリング係合部材824に接触する。リング係合部材840は弾性的に膨張して、針保護ハブ820がリング係合部材840を横断する。その結果、針の鋭い先端が偶発的に刺すことのないように保護された状態で、針ケース部材は完全に装置から引出される。更に、追加的なサンプルを同一または新規の針ケース部材を用いて取得することが可能である。針ケース部材が挿入されて結合器にロックされると、針のサブアセンブリが回転可能となる。針の回転および短い移動幅での前進と後退によって、組織取得時に組織を抜き取る機能が提供されることも想定されている。
【0074】
図43には、結合器854の一実施形態の透視図が示されている。一実施形態において、結合器854はOリングを利用して、針ケース部材をリリース部材機構へ円滑にロックする。別の実施形態においては、Oリングは取り外し可能であり、針ケース部材はそのような部品なしで利用することができる。
【0075】
図44には、針生検装置の一実施形態の透視図が示されている。基端側内部ハンドル部材804と先端側内部ハンドル部材808が固定調節機構の利用に備えられ、蝶ねじが基端側内部ハンドル部材と先端側内部ハンドル部材とを摩擦固定して、針挿入深さとシース管腔挿入深さの両方をそれぞれロックする。
【0076】
次に
図45を参照すると、基端側内部ハンドル部材804の一部として組み込まれたリング係合部材856の一実施形態の透視図が示されている。一実施形態において、リング係合部材856は、基端側内部ハンドル部材804の中の窪んだ円形スロット中に配置される。基端ハンドル部材802を先端方向および基端方向に前進及び後退させるとき、基端側内部ハンドル部材804は、膨張可能なリング部材856を横切って、内部部材の先端方向および基端方向へすべる。この時、膨張可能リング部材856は、基端側内部ハンドル部材804と基端ハンドル部材802との間に摩擦抵抗力を与える。臨床医が基端ハンドル部材802から手を離した場合、膨張可能リング部材856が基端側内部ハンドル部材804との間に十分な摩擦力を生じて、基端ハンドル部材802がその位置にとどまって基端側内部ハンドル部材804に固定されるように考えられている。このようにして、臨床医は基端ハンドル部材802の前進又は後退を停止して、ハンドルをその位置にとどめることが可能となる。
【0077】
膨張可能リング部材856は、これに限られるものではないが、ポリウレタンとその誘導体、ポリエーテルアミドブロック共重合体、ポリアミド、スチレンブタジエンゴムおよび/またはスチレン基高分子の代替誘導体、ネオプレン、およびポリエチレンとその誘導体などのような、一連の低硬度の熱可塑性または熱硬化性材料から製造されてもよい。一実施形態において、これらの製造材料は、ショアA70〜120の範囲、より好ましくはショアA70〜90の範囲の硬度を有する。そのようなOリング部品は、一例としてマクマスター・カー社(McMaster−Carr)などの一連の会社から容易に入手可能である。
【0078】
本明細書で開示した実施形態に対し、様々な変更をなしうることを理解されたい。従って、上記の記述は制限的に解釈されるべきではなく、本発明の様々な実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者であれば、添付の特許請求範囲の範囲及び精神におけるその他の変更を想像できるであろう。