(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774526
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】光直交周波数多重伝送方式による光伝送装置および方法
(51)【国際特許分類】
H04J 11/00 20060101AFI20150820BHJP
H04L 1/00 20060101ALI20150820BHJP
H04J 14/00 20060101ALI20150820BHJP
H04J 14/02 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
H04J11/00 Z
H04L1/00 B
H04B9/00 E
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-57082(P2012-57082)
(22)【出願日】2012年3月14日
(65)【公開番号】特開2013-192054(P2013-192054A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2014年7月25日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/革新的光通信インフラの研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100084870
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 香樹
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英憲
【審査官】
羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2005/0271387(US,A1)
【文献】
国際公開第2006/109436(WO,A1)
【文献】
特開2011−023787(JP,A)
【文献】
特開2011−142436(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/037091(WO,A1)
【文献】
特開2002−009732(JP,A)
【文献】
特開2009−253754(JP,A)
【文献】
特表2012−518961(JP,A)
【文献】
Brendon J.C.Schmidt,100 Gbit/s Transmission using Single-Band Direct-Detection Optical OFDM,Optical Fiber Communication - includes post deadline papers,2009. OFC2009.Conference on,2009年 3月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 11/00
H04J 14/00
H04J 14/02
H04L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたペイロードをn(2以上の整数)個に分割するペイロード分割手段と、
分割されたn個のペイロードに異なる訂正能力を備える前方誤り訂正符号を付与する前方誤り訂正符号付与手段と、
前方誤り訂正符号が付与されたn個のペイロードを合成して1つチャネルに対するブロック信号を生成するペイロード合成手段と、
動作帯域内で高周波となるにつれて出力振幅が低下する周波数振幅特性を有し、前記ブロック信号に対する時間軸上のデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器と、
前記デジタル/アナログ変換器からのアナログ信号により光源からの光波を変調する光変調器を備え、
前記ペイロード合成手段は、より訂正能力が高い前方誤り訂正符号が付与されたペイロードを、前記デジタル/アナログ変換器の周波数振幅特性に起因してサブキャリアのパワーとノイズパワー密度の比(SNR)がより低くなる、光直交周波数多重信号のキャリアから、より離れた位置のサブキャリアに配置することを特徴とする光直交周波数多重伝送方式による光伝送装置。
【請求項2】
前記nは2であり、
前記ペイロード分割手段は、入力されたペイロードを第1のペイロードと第2のペイロードに分割し、
前記前方誤り訂正符号付与手段は、前記第1のペイロードに訂正能力が低い前方誤り訂正符号を付与し、前記第2のペイロードに訂正能力が高い前方誤り訂正符号を付与し、
前記ペイロード合成手段は、前記訂正能力が低い前方誤り訂正符号が付与された第1のペイロードを、前記デジタル/アナログ変換器の周波数振幅特性に起因してサブキャリアのパワーとノイズパワー密度の比(SNR)がより高くなる、光直交周波数多重信号のキャリア周辺のサブキャリアに配置し、前記訂正能力が高い前方誤り訂正符号が付与された第2のペイロードを、前記デジタル/アナログ変換器の周波数振幅特性に起因してよりサブキャリアのパワーとノイズパワー密度の比(SNR)がより低くなる、光直交周波数多重信号のキャリアから離れた位置のサブキャリアに配置することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項3】
前記訂正能力が低い前方誤り訂正符号は、冗長ビットが7%のBCHコードであり、
前記訂正能力が高い前方誤り訂正符号は、冗長ビットが20%の軟判定FECであることを特徴とする請求項2に記載の光伝送装置。
【請求項4】
既知の信号を用いてサブキャリア毎のSNRを測定し、前記n個のペイロードそれぞれのサブキャリア数を算出する測定手段と、
前記算出されたサブキャリア数を前記ペイロード分割手段に送信するフィードバック手段をさらに備え、
前記ペイロード分割手段は送信されたサブキャリア数に基づいて、入力されたペイロードをn(2以上の整数)個に分割することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項5】
前記nは2であり、
前記測定手段は、訂正能力が低い前方誤り訂正符号が訂正可能なビットエラーレートを下回る第1のサブキャリア数と、訂正能力が高い前方誤り訂正符号が訂正可能なビットエラーレートを下回る第2のサブキャリア数を算出し、
前記フィードバック手段は、前記第1のサブキャリア数と前記第2のサブキャリア数を送信し、
前記ペイロード分割手段は、入力されたペイロードを、前記第1のサブキャリア数の第1のペイロードと、前記第2のサブキャリア数の第2のペイロードに分割することを特徴とする請求項4に記載の光伝送装置。
【請求項6】
入力されたペイロードをn(2以上の整数)個に分割するペイロード分割ステップと、
分割されたn個のペイロードに異なる訂正能力を備える前方誤り訂正符号を付与する前方誤り訂正符号付与ステップと、
前方誤り訂正符号が付与されたn個のペイロードを合成して1つチャネルに対するブロック信号を生成するペイロード合成ステップと、
動作帯域内で高周波となるにつれて出力振幅が低下する周波数振幅特性のデジタル/アナログ変換器により、前記ブロック信号に対する時間軸上のデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換ステップと、
前記デジタル/アナログ変換ステップからのアナログ信号により光源からの光波を変調する光変調ステップを有し、
前記ペイロード合成ステップは、より訂正能力が高い前方誤り訂正符号が付与されたペイロードを、前記デジタル/アナログ変換ステップでの周波数振幅特性に起因してサブキャリアのパワーとノイズパワー密度の比(SNR)がより低くなる、光直交周波数多重信号のキャリアから、より離れた位置のサブキャリアに配置することを特徴とする光直交周波数多重伝送方式による光伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信分野に関するものである。より詳細には、光直交周波数多重(光OFDM)伝送方式において、波長多重(WDM)チャネル間でのクロストークを低減する光伝送装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光信号の光ファイバ伝送において、非特許文献1に示すように、光直交周波数多重伝送方式が提案されている。高速信号Dを多数の低速信号に分割し、低速信号を多数のサブキャリアにて伝送する方式である。
【0003】
図1(a)は、光OFDM信号生成の従来例を示す。ベースバンド信号発生器において、高速信号のペイロード伝送レートD_net[bit/s]に、前方誤り訂正(FEC)のコーディングを適用し、物理層の伝送レートD_nominal[bit/s]を生成する。サブキャリア数ND毎にD_nominalを取り出したものをD_nominal_symbolとする。NDより大きい数の逆高速フーリエ変換(IFFT)の処理サイズであるIFFTサイズ(NF)を選択し、NDをIFFT処理する。これにより時間軸のアナログ信号が得られ、デジタル/アナログ変換器DAC1、DAC2により電気信号に変換される。それぞれI信号Q信号であり、これらの電気信号が光変調器に入力される。光変調器は、光源からの光波をこの電気信号により光変調する。これにより光OFDM信号が生成される。
【0004】
図1(b)に示すように、DACの周波数振幅特性は、周波数に因らず一定であることが理想である。この理想DACを用いて生成した場合の光OFDM信号の光スペクトル模式図を、
図1(c)に示す。光源の周波数であるキャリアを中心に、サブキャリア数NDの信号が生成される。DACの振幅特性が一定のため、全てのサブキャリアの振幅は一定であることから、振幅の2乗に比例するサブキャリア当たりのパワーは一定である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Sander L. Jansen, Itsuro Morita, Tim C. W. Schenk, and Hideaki Tanaka, “Long-haul transmission of 16x52.5 Gbits/s polarization-divisionmultiplexed OFDM enabled by MIMO processing,” Vol. 7, No. 2 / February 2008 / JOURNAL OF OPTICAL NETWORKING 173-182.
【非特許文献2】X. Zhou, et al, OFC/NFOEC2011, PDPB3.
【非特許文献3】D. Qian, et al, ECOC2011, Th.13.K3.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、
図2(a)で示すように、実際のDACの周波数振幅特性は一定ではない。特に、高周波となるにつれて出力振幅は低下する。よって実際のDACを用いて光OFDM信号を生成した場合の光スペクトル模式図は
図2(b)のようになる。キャリア周波数からの周波数が大きくなる方向、即ち高周波数由来のサブキャリアの振幅が低下する。
【0007】
図3に、信号とノイズの関係の模式図を示す。ノイズは白色ノイズであり、周波数に因らずパワーの時間平均値が一定のものである。サブキャリアのパワーSとノイズパワー密度Nの比をSNRとすると、キャリア付近のSNRは高く、高周波由来のサブキャリアのSNRは低いことが分かる。SNRが低いということは、信号誤り(エラー)が生じる頻度が高くなるため、信号品質が低くなる問題があった。
【0008】
信号品質劣化を解消する方法としてFECが用いられる。
図4にFEC適用の模式図を示す。一般に、冗長ビット(オーバーヘッド、OH)が大きいと訂正能力が高くなる。光通信分野で用いられているFECの例として、非特許文献2にOHが7%のもの、非特許文献3に、OHが20%のものの例を示す。7%のBCHコードのものは、入力ビットエラーレート(BER_in)=4.6×10
−3を、出力BER(BER_out)=1×10
−12以下に低減可能である。一方、OHが20%の軟判定FEC(SD−FEC)のものは、BER_in=1.48×10
−2を、BER_out=1×10
−12以下に低減可能である。
【0009】
しかしながら、
図5に示すように、OHの大きいものを用いると、D_nominalが大きくなるため、より多数のサブキャリア数NDが必要となり、占有する信号帯域BWが広くなってしまう。D_netの帯域幅B_netに対し、7%OH適用で帯域幅BWは1.07×B_netとなり、20%OH適用で1.2×B_netとなる。
【0010】
図6に、波長多重分割多重(WDM)伝送を行う場合の光スペクトル模式図を示す。WDMチャネル間隔とは複数の信号が干渉しないよう波長多重する際の間隔である。例えば、ITU等での規格は100GHz間隔を規準とした50GHzや25GHzなどがある。即ちWDM信号の帯域幅BWはこのWDMチャネル間隔Df以内とする必要がある。
【0011】
図6(a)は全てのサブキャリアに7%のFECを適用した場合である。BWはWDMチャネル間隔以内であり、ガードバンドBg=Df−BWが存在する場合である。この場合隣接チャネルとの干渉は無いが、SNRの低いサブキャリアも7%OHのFECの訂正能力に限られる。一方、
図6(b)は、全てのサブキャリアに20%のFECを適用した場合であり、条件は1.07×B_net<Df<1.2×B_netである。この場合、帯域幅BWが、WDMチャネル間隔Dfを越えてしまうため、隣接チャネルと干渉してしまう問題があった。
【0012】
したがって、本発明は、信号品質劣化を解消する方法としてFECを用いて、波長多重(WDM)チャネル間でのクロストークを低減する光伝送装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため本発明の光直交周波数多重伝送方式による光伝送装置は、入力されたペイロードをn(2以上の整数)個に分割するペイロード分割手段と、分割されたn個のペイロードに異なる訂正能力を備える前方誤り訂正符号を付与する前方誤り訂正符号付与手段と、前方誤り訂正符号が付与されたn個のペイロードを合成
して1つチャネルに対するブロック信号を生成するペイロード合成手段と
、動作帯域内で高周波となるにつれて出力振幅が低下する周波数振幅特性を有し、前記ブロック信号に対する時間軸上のデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器と、前記デジタル/アナログ変換器からのアナログ信号により光源からの光波を変調する光変調器を備え、前記ペイロード合成手段は、より訂正能力が高い前方誤り訂正符号が付与されたペイロードを、
前記デジタル/アナログ変換器の周波数振幅特性に起因してサブキャリアのパワーとノイズパワー密度の比(SNR)が
より低くなる、光直交周波数多重信号のキャリアから、より離れた位置のサブキャリアに配置することを特徴とする。
【0014】
また、前記nは2であり、前記ペイロード分割手段は、入力されたペイロードを第1のペイロードと第2のペイロードに分割し、前記前方誤り訂正符号付与手段は、前記第1のペイロードに訂正能力が低い前方誤り訂正符号を付与し、前記第2のペイロードに訂正能力が高い前方誤り訂正符号を付与し、前記ペイロード合成手段は、前記訂正能力が低い前方誤り訂正符号が付与された第1のペイロードを
、前記デジタル/アナログ変換器の周波数振幅特性に起因してサブキャリアのパワーとノイズパワー密度の比(SNR)がより高くなる、光直交周波数多重信号のキャリア周辺
のサブキャリアに配置し、前記訂正能力が高い前方誤り訂正符号が付与された第2のペイロードを
、前記デジタル/アナログ変換器の周波数振幅特性に起因してよりサブキャリアのパワーとノイズパワー密度の比(SNR)がより低くなる、光直交周波数多重信号のキャリアから離れた位置
のサブキャリアに配置することも好ましい。
【0015】
また、前記訂正能力が低い前方誤り訂正符号は、冗長ビットが7%のBCHコードであり、前記訂正能力が高い前方誤り訂正符号は、冗長ビットが20%の軟判定FECであることも好ましい。
【0016】
また、既知の信号を用いてサブキャリア毎のSNRを測定し、前記n個のペイロード
それぞれのサブキャリア数を算出する測定手段と、前記算出されたサブキャリア数を前記ペイロード分割手段に送信するフィードバック手
段をさらに備え、前記ペイロード分割手段は送信されたサブキャリア数に基づいて、入力されたペイロードをn(2以上の整数)個に分割することも好ましい。
【0017】
また、前記nは2であり、前記測定手段は、訂正能力が低い前方誤り訂正符号が訂正可能なビットエラーレートを下回る第1のサブキャリア数と、訂正能力が高い前方誤り訂正符号が訂正可能なビットエラーレートを下回る第2のサブキャリア数を算出し、前記フィードバック手段は、前記第1のサブキャリア数と前記第2のサブキャリア数を送信し、前記ペイロード分割手段は、入力されたペイロードを、前記第1のサブキャリア数の第1のペイロードと、前記第2のサブキャリア数の第2のペイロードに分割することも好ましい。
【0018】
上記課題を解決するため本発明の光直交周波数多重伝送方式による光伝送方法は、入力されたペイロードをn(2以上の整数)個に分割するペイロード分割ステップと、分割されたn個のペイロードに異なる訂正能力を備える前方誤り訂正符号を付与する前方誤り訂正符号付与ステップと、前方誤り訂正符号が付与されたn個のペイロードを合成
して1つチャネルに対するブロック信号を生成するペイロード合成ステップと、
動作帯域内で高周波となるにつれて出力振幅が低下する周波数振幅特性のデジタル/アナログ変換器により、前記ブロック信号に対する時間軸上のデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換ステップと、前記デジタル/アナログ変換ステップからのアナログ信号により光源からの光波を変調する光変調ステップを有し、前記ペイロード合成ステップは、より訂正能力が高い前方誤り訂正符号が付与されたペイロードを、
前記デジタル/アナログ変換ステップでの周波数振幅特性に起因してサブキャリアのパワーとノイズパワー密度の比(SNR)が
より低くなる、光直交周波数多重信号のキャリアから、より離れた位置のサブキャリアに配置する。
【発明の効果】
【0019】
以上、本発明の光伝送装置および方法によれば、SNRの低いサブキャリアに選択的に訂正能力の高いFECを適用することで、帯域幅の増加量を低減しつつ、エラーの発生を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】理想的なDACを用いて光OFDM信号を用いた従来の信号生成方式を示す図である。
【
図2】現実的である振幅特性に周波数依存性があるDACを用いて光OFDM信号を用いた従来の信号生成方式を示す図である。
【
図4】FECを適用する際のペイロードとオーバーヘッドの概念を示す模式図である。
【
図5】FECのオーバーヘッドの大きさと信号帯域幅の関係を示す光スペクトル模式図である。
【
図6】従来例を用いたWDM伝送方式における、FECのオーバーヘッドの大きさ依存性を示す光スペクトル模式図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態による光伝送装置の構成を示す。
【
図9】本発明による実施例1により生成された光OFDM信号の光スペクトル模式図を示す。
【
図10】本発明による実施例1を用いてWDMを行う際により干渉を低減する様子を示す光スペクトル模式図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態による光伝送装置の構成を示す。
【
図12】実施例をSNRの大きさに応じてペイロードを分割する割合を決定する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の実施形態について、以下では図面を用いて詳細に説明する。
図7に、本発明の第1の実施形態による光伝送装置の構成を示す。
【0022】
光伝送装置は、ベースバンド信号発生器1、2つのDAC2、光源3、および光変調器4を備える。これらの機能は、
図1の従来の光伝送装置の各機能と同じである。ベースバンド信号発生器1は、ペイロード分割部11、2つのFEC付与部12、ペイロード合成部13、およびIFFT14を備える。
【0023】
ペイロード分割部11は、入力されたペイロードを2つに分割する。分割は所定の比率にて行う。分割されたペイロードをペイロード1とペイロード2とする。ペイロード1とペイロード2は、別々のFEC付与部12に送られる。
【0024】
FEC付与部12は、入力されたペイロードにFECのOHを付与する。2つのFEC付与部12は、異なる大きさ、つまり訂正能力が異なるOHを付与する。入力されたペイロード1は、所定の大きさのOHが付与され、入力されたペイロード2は、ペイロード1より大きいOHが付与される。つまり、ペイロード2はペイロード1より訂正能力が高くなる。
【0025】
ペイロード合成部13は、所定の大きさのOHが付与されたペイロード1を光OFDM信号のキャリア周辺のSNRが高いサブキャリアに配置されるように設定し、より大きいOHが付与されたペイロード2を高周波由来のSNRが低いサブキャリアに配置されるよう設定する。この後、ペイロード合成部13は、残りのサブキャリア数に、0を設定(ゼロパディング)したブロック信号を作る。
【0026】
IFFT14は、このブロック信号をIFFTし、時間波形信号を生成し、
図7に示す構成で光OFDM信号を生成する。
【0027】
なお、上記実施形態では、ペイロード分割部11は、入力されたペイロードを2つに分割し、FEC付与部12は2つだけであったが、分割は2つに限らない。一般的には、ペイロード分割部11は、入力されたペイロードをn(2以上の整数)個に分割し、n個のFEC付与部12が異なる大きさ、つまり訂正能力が異なるOHを付与する。ペイロード合成部13は、より大きいOHが付与されたペイロードを、よりSNRが低いサブキャリアに配置する。
【0028】
図8に、本発明の実施例1を示す。まず、ペイロード分割部11はペイロードを2つに分割する。それぞれ、ペイロード1とペイロード2とする。FEC付与部12は、ペイロード1を7%OHのFECでコーディングし、一方ペイロード2を20%OHのFECでコーディングする。
【0029】
ペイロード合成部13は、つぎに、7%OH込ペイロード1が光OFDM信号のキャリア周辺のSNRが高いサブキャリアに配置されるよう設定し、一方20%OH込ペイロード2が、高周波由来のSNRが低いサブキャリアに配置されるよう設定する。7%OH込ペイロード1のサブキャリア数をND7、20%OH込ペイロード2のサブキャリア数をND20とし、IFFTサイズのNFに対し、残りのサブキャリア数NZ=NF−(ND7+ND20)に、0を設定(ゼロパディング)したブロック信号を作る。
【0030】
IFFT14は、このブロック信号をIFFTし、時間波形信号を生成し、
図7に示す構成で光OFDM信号を生成する。生成された光OFDM信号の光スペクトル模式図を
図9に示す。キャリア周辺のサブキャリア(黒塗り)が、7%OH込ペイロード1、白塗りのサブキャリアが20%OH込のペイロード2である。
【0031】
図10に、本発明の効果を示す。
図10(a)に、7%OHの光OFDM信号のスペクトルを示し、
図10(b)に20%OHのものを示す。それぞれ、帯域幅は1.07×B_net、1.2×B_netである。
図10(c)に、本発明の光OFDM信号のスペクトルを示す。本発明により生成された信号の帯域幅をB’とすると、1.07×B_net<B’<1.2×B_netとなる。
【0032】
図10(d)に、本発明を用いてWDM信号を生成した場合を示す。WDMチャネル間隔Dfは、1.07×B_net<Df<1.2×B_netである。
図6に示す従来例と比較し、本発明を用いることにより、B’をDf以内とすることができ、隣接チャネルとのクロストークを避けることが可能となる。
【0033】
次に本発明の第2の実施形態を示す。本実施形態は、各サブキャリアのSNRの情報を元にペイロードの分割を決定する。
図11に、第2の実施形態による光伝送装置の構成を示す。光伝送装置は、送信器と受信器から構成され、
図11(a)に送信器の構成、
図11(b)に受信器の構成を示す。送信器は第1の実施形態と同じ構成である。受信器は、光源21、90°ハイブリッド干渉系22、光電気変換器23、アナログ・デジタル変換器24、信号処理部25、測定部26およびフィードバック部27を備えている。
【0034】
90°ハイブリッド干渉系22は、受信器が有する光源21と、光OFDM信号を干渉させるものである。90°ハイブリッド干渉系22は、光源21を2分岐し、90°位相差を設けた状態で、光OFDM信号と干渉させ、I成分、Q成分として光出力する。光電気変換器23は、それぞれの成分のパワー変化を電気信号に変換し、その信号をアナログ・デジタル変換器(ADC)24に出力する、アナログ・デジタル変換器24は、それぞれの信号をデジタル信号化した上で、信号処理部25に入力する。信号処理部25において光OFDM信号が復調される。
【0035】
測定部26は、既知の信号を用いてサブキャリア毎のSNRを測定し、ペイロード1に付与されるFECで訂正可能なサブキャリア数を検出し、ペイロード2に付与されるFECで訂正可能なサブキャリア数を検出する。この後、ペイロード伝送レートからペイロード1用サブキャリア数とペイロード2用サブキャリア数を算出する。
【0036】
フィードバック部27は、算出したペイロード1用サブキャリア数とペイロード2用サブキャリア数を情報フィードバック経路に送信する機能を具備する。
【0037】
ペイロード分割部11は、フィードバック部27から受信した情報に基づいて、ペイロードをペイロード1(ペイロード1用サブキャリア数分)とペイロード2(ペイロード2用サブキャリア数分)に分割する。
【0038】
なお、第2の実施形態も第1の実施形態と同様に、ペイロード分割部11は、入力されたペイロードをn(2以上の整数)個に分割し、n個のFEC付与部12が異なる大きさ、つまり訂正能力が異なるOHを付与することも可能である。この場合、測定部26は、サブキャリア毎のSNRの測定から、n個のペイロードそれぞれに属するサブキャリア数を算出する。
【0039】
図12に、本発明の第2の実施形態の実施例のフローチャートを示す。光伝送装置の送信器と受信器は、以下の通りに動作する。
【0040】
ステップ1:既知信号送信、送信器から既知の信号を送信する。
ステップ2:既知信号受信、受信器が既知の信号を受信する。
ステップ3:BER測定、受信器において各サブキャリアのビットエラーレート(BER)を測定する。
ステップ4:BER1を下回るサブキャリア検出、規定のBER1(7%OHのFEC限界)を下回るサブキャリア(サブキャリア数:Nsc7)を検出する。
ステップ5:BER2を下回るサブキャリア検出、規定のBER2(20%OHのFEC限界)を下回る、サブキャリア最大値Nsc_maxを検出する。
ステップ6:Nsc7とNsc20算出、ペイロード伝送レートD_netから、Nsc7と20%OHのFEC用サブキャリア数Nsc20を算出する。この時、Nsc_max>Nsc7+Nsc20であることを確認する。
ステップ7:受信器フィードバック、受信器から各サブキャリアのBER情報、Nsc7の値、Nsc20の値をフィードバックする。
ステップ8:送信器受信、送信器が各サブキャリアのBER情報、Nsc7、Nsc20を受信する。
ステップ9:ペイロード分割、ペイロードをペイロード1(サブキャリア数Nsc7分)とペイロード2(サブキャリア数Nsc20分)に分割する。
ステップ10:FEC付与、ペイロード1を7%OHのFEC、ペイロード2を20%OHのFECでコーディングする。
ステップ11:ペイロード合成、ペイロード1、ペイロード2をサブキャリアにマッピングする。
ステップ12:送信器送信、送信器が上記信号を用いて光OFDM信号を生成し、信号を送信する。
ステップ13:受信器受信、受信器が信号を受信する。
ステップ14:受信器デコード、Nsc7、Nsc20に基づきFECをデコードし受信する。
以上の手順により、実際のSNRに応じて適用することが可能となる。
【0041】
また、以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様および変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲およびその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【符号の説明】
【0042】
1 ベースバンド信号発生器
2 DAC
3 光源
4 光変調器
11 ペイロード分割部
12 FEC付与部
13 ペイロード合成部
14 IFFT
21 光源
22 90°ハイブリッド干渉系
23 光電気変換器
24 アナログ・デジタル変換器
25 信号処理部
26 測定部
26 フィードバック部