特許第5774540号(P5774540)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774540
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】遠隔監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20150820BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   H04Q9/00 311K
   H04Q9/00 301C
   G08B25/04 A
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-93984(P2012-93984)
(22)【出願日】2012年4月17日
(65)【公開番号】特開2013-223126(P2013-223126A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2014年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 孝博
(72)【発明者】
【氏名】賀来 靖貴
(72)【発明者】
【氏名】本田 大典
【審査官】 山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−170458(JP,A)
【文献】 特開平08−194877(JP,A)
【文献】 特開2001−338371(JP,A)
【文献】 特開平05−022291(JP,A)
【文献】 特開2010−068238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00−31/00
H03J 9/00− 9/06
H04M 3/00
3/16− 3/20
3/38− 3/58
7/00− 7/16
11/00−11/10
H04Q 9/00− 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられた設備機器と、この設備機器が異常状態であるか又はその異常状態から復旧した復旧状態であるかを異常復旧情報として検出して発信する端末装置と、この端末装置に一般回線を介して接続され、前記端末装置から前記異常復旧情報を受信する監視サーバと、この監視サーバが受信した前記異常復旧情報に基づいて前記設備機器を遠隔的に監視する監視センタとを備え、前記監視サーバは、前記異常復旧情報を受信する度に記憶する記憶装置と、この記憶装置によって記憶された前記異常復旧情報の処理を行う制御装置とを備えた遠隔監視システムにおいて、
前記記憶装置は、前記設備機器の情報、前記端末装置が前記異常復旧情報を検出した検出時刻、及び前記監視サーバがこの異常復旧情報を受信した受信時刻を前記異常復旧情報に対して関連付けた受信履歴情報を格納する受信履歴テーブルを有し、
前記制御装置は、
前記受信履歴テーブルに格納された前記受信履歴情報における前記検出時刻と前記受信時刻との時間差を演算する第1の時間差演算手段と、
この第1の時間差演算手段によって演算された時間差が第1の所定時間以上のとき、前記設備機器が異常状態と復旧状態を交互に繰返す繰返し状態であると判断する繰返し状態判断手段とを有することを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔監視システムにおいて、
前記監視センタは、前記監視サーバが受信した前記異常復旧情報を表示する監視卓を有し、
前記制御装置は、前記繰返し状態判断手段によって前記設備機器が前記繰返し状態であると判断されたとき、前記異常復旧情報を前記監視卓に表示せず、前記繰返し状態判断手段によって前記設備機器が前記繰返し状態であると判断されなかったとき、前記異常復旧情報を前記監視卓に表示する表示制限手段とを有することを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遠隔監視システムにおいて、
現在の時刻を計測する現在時刻計測手段を備え、
前記制御装置は、
前記現在時刻計測手段によって計測された現在の時刻と前記受信履歴テーブルに格納された前記受信履歴情報における前記受信時刻との時間差を演算する第2の時間差演算手段と、
この第2の時間差演算手段によって演算された時間差が第2の所定時間以上のとき、前記受信履歴テーブルに格納された前記受信履歴情報のうち該当する受信履歴情報を削除する削除手段とを有することを特徴とする遠隔監視システム。
【請求項4】
請求項3項に記載の遠隔監視システムにおいて、
前記第2の所定時間は前記第1の所定時間よりも長く設定されたことを特徴とする遠隔監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に設けられた設備機器の異常を検出する端末装置を介して当該設備機器を遠隔的に監視する遠隔監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、この種の遠隔監視システムは、建物に設けられた設備機器と、この設備機器が異常状態であるか又はその異常状態から復旧した復旧状態であるかを異常復旧情報として検出して発信する端末装置と、この端末装置に一般回線を介して接続され、端末装置から異常復旧情報を受信する監視サーバと、この監視サーバが受信した異常復旧情報に基づいて設備機器を遠隔的に監視する監視センタとを備えている。
【0003】
ここで、例えば地震等が発生して建物が揺れた場合には、この揺れに伴って監視対象の設備機器が異常状態と復旧状態を交互に繰返す繰返し状態(チャタリング)が生じることがある。この設備機器の繰返し状態が発生すると、設備機器が異常状態又は復旧状態に切替る度に端末装置が異常復旧情報を検出することになるので、監視サーバが異常復旧情報を短時間の間に何度も受信することにより、監視センタが監視する情報が増大する等の不都合が生じていた。
【0004】
そのため、上述した監視サーバは、異常復旧情報を受信する度に記憶する記憶装置と、この記憶装置によって記憶された異常復旧情報の処理を行う制御装置とを備えており、この制御装置は、設備機器が実際に故障して異常復旧情報が検出されたのか、あるいは繰返し状態に伴って異常復旧情報が検出されたのかどうかを判別して適切に処理することにより、監視センタにおける監視作業の負担を軽減するようにしている。
【0005】
このような設備機器の繰返し状態が発生したときに検出される異常復旧情報の処理を行う装置の従来技術の1つとして、上述した端末装置のように信号の入出力を行う入出力装置と、この入出力装置から受信した信号を演算処理して警報信号を算出する論理演算を行う演算装置と、警報信号の発生時と復帰時に警報内容と時刻を印字するための処理を行う計算機及びプリンタ装置とから成り、短時間に発生・復帰を繰返すチャタリング警報を、初回発生時と最終復帰時のみ印字させるプロセス制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、他の従来技術の1つとして、建物の設備機器、例えば受水槽の水位変化をその水位変化信号の所定時間の検出により検知する水位変化検知手段と、この水位変化検知手段が検知した時に状態変化情報を発する情報発信手段と、地震の発生を検知する地震検知手段と、この地震検知手段が地震を検知した時に、水位変化信号の検出時間を一定時間延長して設定し、この設定時間より短時間の水位変化信号の検出を無効とする無効手段とを備えたビル端末装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−296225号公報
【特許文献2】特開平8−212476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された従来技術のプロセス制御装置は、入出力装置と演算装置が直接接続されているので、演算装置が入出力装置から発信された信号を即時に受信することができる。しかし、従来技術のプロセス制御装置が、入出力装置から発信された信号、すなわち端末装置から発信された異常復旧情報を一般回線を介して監視サーバへ送信する遠隔監視システムに適用された場合には、端末装置は異常復旧情報を検出した際に端末装置と監視サーバとの回線接続を行うことにより、この回線接続に時間がかかるので、端末装置が異常復旧情報を検出しても監視サーバがこの異常復旧情報を即時に受信することができない。
【0009】
特に、端末装置と監視サーバとの回線接続は端末装置が異常復旧情報を検出する度に新たに行われるので、上述したように監視対象の設備機器が異常状態と復旧状態を交互に繰返す繰返し状態が発生した場合には、この繰返し状態が収まるまで端末装置と監視サーバとの回線接続が何度も行われることになる。そのため、この回線接続の回数に応じて端末装置が異常復旧情報を検出してから監視サーバがこの異常復旧情報を受信するまでの時間が増大することにより、監視サーバの制御装置が繰返し状態に伴う異常復旧情報を判別するのに長時間を要するので、この異常復旧情報の処理が滞り、監視サーバが設備機器の状態を迅速に判断できないことが問題になっている。
【0010】
また、特許文献2に開示された従来技術のビル端末装置では、チャタリングに伴う異常復旧情報を地震検知手段で容易に判別することができるが、建物に地震検知手段が備えられていない場合には、設置場所や通線を考慮した上で地震検知手段を設置する必要があるので、地震検知手段の設置作業が煩雑になることが懸念されている。さらに、地震検知手段を建物に設置した後もこの地震検知手段が正常に機能するかどうかを定期的に確認する必要があるので、この地震検知手段のメンテナンス作業に多くの労力と時間を費やすことが懸念されている。なお、このような懸念は、遠隔監視システムにおける端末装置が監視する設備機器の数が多いほどより一層顕在化する虞がある。
【0011】
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、その目的は、監視サーバが設備機器の状態を迅速に判断することができ、余分な作業を伴わないで済む遠隔監視システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の遠隔監視システムは、建物に設けられた設備機器と、この設備機器が異常状態であるか又はその異常状態から復旧した復旧状態であるかを異常復旧情報として検出して発信する端末装置と、この端末装置に一般回線を介して接続され、前記端末装置から前記異常復旧情報を受信する監視サーバと、この監視サーバが受信した前記異常復旧情報に基づいて前記設備機器を遠隔的に監視する監視センタとを備え、前記監視サーバは、前記異常復旧情報を受信する度に記憶する記憶装置と、この記憶装置によって記憶された前記異常復旧情報の処理を行う制御装置とを備えた遠隔監視システムにおいて、前記記憶装置は、前記設備機器の情報、前記端末装置が前記異常復旧情報を検出した検出時刻、及び前記監視サーバがこの異常復旧情報を受信した受信時刻を前記異常復旧情報に対して関連付けた受信履歴情報を格納する受信履歴テーブルを有し、前記制御装置は、前記受信履歴テーブルに格納された前記受信履歴情報における前記検出時刻と前記受信時刻との時間差を演算する第1の時間差演算手段と、この第1の時間差演算手段によって演算された時間差が第1の所定時間以上のとき、前記設備機器が異常状態と復旧状態を交互に繰返す繰返し状態であると判断する繰返し状態判断手段とを有することを特徴としている。
【0013】
このように構成した本発明は、端末装置が設備機器の異常復旧情報を検出すると、この異常復旧情報が一般回線を介して監視サーバに送信される。このとき、異常復旧情報を受信した監視サーバは、端末装置が監視する設備機器の情報、端末装置が異常復旧情報を検出した検出時刻、及び監視サーバがこの異常復旧情報を受信した受信時刻を異常復旧情報に対して関連付けた受信履歴情報を記憶装置の受信履歴テーブルに格納することにより、監視対象の設備機器における端末装置が異常復旧情報を検出した検出時刻、及び監視サーバがこの異常復旧情報を受信した受信時刻を容易に取出して参照することができる。
【0014】
ここで、監視対象の設備機器が異常状態と復旧状態を交互に繰返す繰返し状態が発生した場合には、端末装置が異常復旧情報を検出してから監視サーバがこの異常復旧情報を受信するまでの時間、すなわち端末装置が異常復旧情報を検出した検出時刻と監視サーバがこの異常復旧情報を受信した受信時刻との時間差が拡大する。従って、制御装置は、記憶装置の受信履歴テーブルから端末装置が異常復旧情報を検出した検出時刻と監視サーバがこの異常復旧情報を受信した受信時刻を取出して参照し、これらの検出時刻と受信時刻との時間差を第1の時間差演算手段で演算することにより、演算した時間差を評価することで設備機器の繰返し状態に伴う異常復旧情報の判別を的確に行うことができる。
【0015】
これにより、制御装置の繰返し状態判断手段は、第1の時間差演算手段で演算された時間差が第1の所定時間以上のとき、設備機器が繰返し状態であると判断することにより、端末装置から設備機器の異常復旧情報を全て受信しなくても、第1の時間差演算手段で演算された時間差が第1の所定時間以上であることが判明した時点で制御装置の処理を行えるようになるので、監視サーバが設備機器の状態を迅速に判断することができる。また、本発明は、設備機器の繰返し状態に伴う異常復旧情報の判別を監視サーバ内の制御だけで十分に実行できるので、端末装置とは別に設備機器の繰返し状態を検出する検出手段を建物に設置する必要がない。そのため、この検出手段の設置作業やメンテナンス作業等の余分な作業を伴わないで済む。
【0016】
また、本発明に係る遠隔監視システムは、前記発明において、前記監視センタは、前記監視サーバが受信した前記異常復旧情報を表示する監視卓を有し、前記制御装置は、前記繰返し状態判断手段によって前記設備機器が前記繰返し状態であると判断されたとき、前記異常復旧情報を前記監視卓に表示せず、前記繰返し状態判断手段によって前記設備機器が前記繰返し状態であると判断されなかったとき、前記異常復旧情報を前記監視卓に表示する表示制限手段とを有することを特徴としている。
【0017】
このように構成した本発明は、表示制限手段によって設備機器の繰返し状態に伴う異常復旧情報が監視卓に表示されることがないので、設備機器が異常状態又は復旧状態であるのかを判断する際に不要な情報を省くことができる。従って、設備機器が実際に故障して検出された異常復旧情報、あるいはその故障から復旧して検出された異常復旧情報だけが監視卓に表示されるようになるので、監視センタにおける設備機器の状態の判断を容易に行うことができる。
【0018】
また、本発明に係る遠隔監視システムは、前記発明において、現在の時刻を計測する現在時刻計測手段を備え、前記制御装置は、前記現在時刻計測手段によって計測された現在の時刻と前記受信履歴テーブルに格納された前記受信履歴情報における前記受信時刻との時間差を演算する第2の時間差演算手段と、この第2の時間差演算手段によって演算された時間差が第2の所定時間以上のとき、前記受信履歴テーブルに格納された前記受信履歴情報のうち該当する受信履歴情報を削除する削除手段とを有することを特徴としている。
【0019】
このように構成した本発明は、第2の所定時間を例えば設備機器の繰返し状態が終息する時間に設定しておくことにより、設備機器の繰返し状態が終息した後に監視サーバが受信した異常復旧情報を記憶装置の受信履歴テーブルに残しておくことがないので、監視サーバにおける制御装置の処理の負担を軽減できると共に、記憶装置の容量不足を回避することができる。
【0020】
また、本発明に係る遠隔監視システムは、前記発明において、前記第2の所定時間は前記第1の所定時間よりも長く設定されたことを特徴としている。このように構成すると、監視サーバが異常復旧情報を受信してから第2の所定時間が経過するまでの受信履歴情報を確保できるので、繰返し状態判断手段による繰返し状態の判断において必要かつ十分な情報を得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の遠隔監視システムによれば、監視サーバの制御装置は、記憶装置の受信履歴テーブルに格納された受信履歴情報における端末装置が異常復旧情報を検出した検出時刻と監視サーバがこの異常復旧情報を受信した受信時刻との時間差を第1の時間差演算手段で演算し、繰返し判断手段が、この演算した時間差が第1の所定時間以上のときに設備機器が異常状態と復旧状態を交互に繰返す繰返し状態であると判断するようにしているので、端末装置によって検出された設備機器の異常復旧情報を一般回線を介して受信した場合であっても、異常復旧情報の処理が滞るのを抑えることができる。これにより、監視サーバが設備機器の状態を迅速に判断することができる。さらに、本発明は、従来技術における地震検知手段を建物に設置する必要がないので、このような地震検知手段の設置作業やメンテナンス作業等の余分な作業を伴わないで済み、従来よりも効率的なシステムの運用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る遠隔監視システムの一実施形態の構成を示す図である。
図2図1に示す本実施形態に備えられた監視サーバの記憶装置に格納される受信履歴テーブルの構成を示す図である。
図3図1に示す本実施形態に備えられた監視センタの監視卓の画面に表示された設備機器の異常復旧情報の構成を示す図である。
図4図1に示す本実施形態における端末装置による異常復旧情報の検出動作を説明するフローチャートである。
図5図1に示す本実施形態における端末装置による回線接続の動作を説明するフローチャートである。
図6図1に示す本実施形態に備えられた監視サーバの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る遠隔監視システムを実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0024】
本発明に係る遠隔監視システムの一実施形態は、例えば図1に示すように複数の監視地区1に設けられた複数の建物(図示せず)と、これらの複数の建物にそれぞれ設けられた複数の設備機器(図示せず)と、これらの設備機器が異常状態であるか又はその異常状態から復旧した復旧状態であるかを異常復旧情報としてそれぞれ検出して発信する複数の端末装置11〜1nとを備えている。端末装置11〜1nは、例えば検出した異常復旧情報を来歴として登録する記憶装置(図示せず)を有している。
【0025】
本実施形態は、各端末装置11〜1nに一般回線2を介して接続され、端末装置11〜1nから異常復旧情報を受信する監視サーバ3と、この監視サーバ3が受信した異常復旧情報に基づいて設備機器を遠隔的に監視する監視センタ4とを備えている。この監視センタ4は、例えば監視サーバ3が受信した異常復旧情報を表示する監視卓41〜4nを有している。なお、これらの監視卓41〜4nは例えば汎用パソコンから成っている。
【0026】
本実施形態では、監視サーバ3は、例えば端末装置11〜1nとの接続を制御する回線制御装置31と、異常復旧情報を受信する度に記憶する記憶装置33と、この記憶装置33によって記憶された異常復旧情報の処理を行う制御装置32とを備えている。この制御装置32は、例えば受信した異常復旧情報から設備機器の状態の判定を行い、対応する指令を出力する監視センタ対応指令部32Aと、この監視センタ対応指令部32A及び監視センタ4にそれぞれ接続され、監視センタ対応指令部32Aから受信した指令に応じて監視センタ4の監視卓41〜4nを選択して異常復旧情報の表示を制御する監視制御装置34とを備えている。
【0027】
なお、上述した端末装置11〜1nは複数設けられているが、個々の端末装置の機能及び構成は同一であるので、以下の説明において端末装置11〜1nのうち例えばビル名がAビルの建物に設置された端末装置1nを代表して説明する。同様に、監視卓41〜4nも複数設けられているが、個々の監視卓の機能及び構成は同一であるので、以下の説明において監視卓41〜4nのうち監視卓4nを代表して説明する。
【0028】
本実施形態では、設備機器は例えば水を蓄える受水槽(設備No.001)から構成されており、この受水槽は、頂部から垂下すると共に、それぞれ異なる長さに設定された複数の電極棒を有している。そして、端末装置1nは、これらの電極棒の導通に応じて受水槽に蓄えられた水の水位を検出し、この検出した水位に基づいて水が溢れる満水や水が枯渇する減水を異常状態として検出するようにしている。
【0029】
ここで、地震が発生して監視地区1の建物が揺れた場合には、受水槽の内部の水面が地震による揺れに伴って上下方向に変動するので、受水槽の電極棒が水面に浸かったり(異常状態)、あるいは浸からなかったりする(復旧状態)。これにより、電極棒からの信号に変化が生じるので、受水槽が異常状態と復旧状態を交互に繰返す繰返し状態が発生する。
【0030】
従って、端末装置1nは受水槽の電極棒からの信号変化毎に異常復旧情報を検出することになる。本実施形態では、端末装置1nは、このような受水槽の電極棒からの信号変化毎に一般回線2を介して監視サーバ3に接続する回線接続を行い、検出した異常復旧情報を監視サーバ3へ送信するようにしている。
【0031】
本実施形態では、監視サーバ3の記憶装置33は、設備機器として受水槽の情報、端末装置1nが異常復旧情報を検出した検出時刻、及び監視サーバ3がこの異常復旧情報を受信した受信時刻を異常復旧情報に対して関連付けた受信履歴情報を格納する受信履歴テーブル33Aを有している。
【0032】
具体的には、この受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報は、例えば図2に示すように監視サーバ3が異常復旧情報を受信した順番に従って番号を付す通報連番F1と、端末装置1nが設置された建物の名称を示すビル名F2と、受水槽を特定する番号を示す設備No.F3と、受水槽が異常状態又は復旧状態であるのかを示す種別F4と、端末装置1nが異常復旧情報を検出した検出時刻を示す端末検知時刻F5と、監視サーバ3がこの異常復旧情報を受信した受信時刻を示す受信時刻F6と、監視サーバ3がこの異常復旧情報を受信したときに制御装置32の監視センタ対応指令部32Aが判別する異常復旧情報の受信の種別として、繰返し状態が確定していないときの通常受信、繰返し状態の初期の段階における即時復旧受信、繰返し状態が確定されたときの繰返し受信のいずれかを示す受信種別F7とから構成されている。
【0033】
また、制御装置32は、この受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報における上述の検出時刻と受信時刻との時間差を演算する第1の時間差演算手段(図示せず)と、この第1の時間差演算手段によって演算された時間差が第1の所定時間以上のとき、受水槽が異常状態と復旧状態を交互に繰返す繰返し状態であると判断する繰返し状態判断手段(図示せず)とを有している。従って、第1の時間差演算手段は、受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報における各通報連番F1に対応する端末検知時刻F5と受信時刻F6との時間差を演算するようになっている。なお、この繰返し状態判断手段は、例えば監視センタ対応指令部32Aに格納されている。
【0034】
また、本実施形態では、制御装置32は、繰返し状態判断手段によって受水槽が繰返し状態であると判断されたとき、異常復旧情報を監視卓4nに表示せず、繰返し状態判断手段によって受水槽が繰返し状態であると判断されなかったとき、異常復旧情報を監視卓4nに表示する表示制限手段(図示せず)とを有している。なお、この表示制限手段は、例えば監視制御装置34に格納されている。
【0035】
監視卓41〜4nに表示される異常復旧情報は、例えば図3に示すように監視サーバ3が端末装置11〜1nから異常復旧情報のうち設備機器が異常状態を示すものを受信した月日時刻を示す異常時刻P1と、監視サーバ3が端末装置1nから異常復旧情報のうち設備機器が復旧状態を示すものを受信した月日時刻を示す復旧時刻P2と、異常復旧情報が検出された設備機器が設置された建物の名称を示すビル名称P3と、当該設備機器の名称及異常状態の内容を示す設備名称P4と、当該設備機器が異常状態と復旧状態を繰返した回数を示す繰返しP5と、当該設備機器の保守作業を行う担当保守員に対して監視センタ4からの対応を指示した時刻を示す指示P6と、監視センタ4から指示された対応の進捗状態を示す対応P7と、監視センタ4から指示された対応が完了したかどうかを示す完了P8とから構成されている。
【0036】
さらに、本実施形態は、現在の時刻を計測する現在時刻計測手段(図示せず)を備え、制御装置32は、この現在時刻計測手段によって計測された現在の時刻と受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報における上述の受信時刻との時間差を演算する第2の時間差演算手段と、この第2の時間差演算手段によって演算された時間差が第2の所定時間以上のとき、受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報のうち該当する受信履歴情報を削除する削除手段(図示せず)とを有している。
【0037】
本実施形態では、上述した第2の所定時間は第1の所定時間よりも長く設定されており、第2の所定時間は例えば5分、第1の所定時間は例えば2分に設定されている。なお、現在時刻計測手段及び削除手段は、例えば監視センタ対応指令部32Aに格納されている。また、上述したように第2の所定時間を5分に設定した理由は、受水槽の繰返し状態が終息する時間、すなわち地震によって受水槽の水面の上下変動が終息する時間を考慮したからである。
【0038】
次に、本実施形態における端末装置による異常復旧情報の検出動作を図4のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0039】
本実施形態は、図4に示すように端末装置1nが建物に設置された受水槽の電極棒の信号の変化を前回値と比較し(ステップ(以下、STと記す)1)、この信号が変化したかどうか、すなわち受水槽の電極棒が水面と接触したかどうかを判断する(ST2)。このとき、端末装置1nは受水槽の電極棒の信号が変化していないと判断した場合、本実施形態における端末装置による異常復旧情報の検出動作を終了する。
【0040】
一方、手順ST1において端末装置1nは受水槽の電極棒の信号が変化したと判断した場合、検出した信号から受水槽が異常状態及び復旧状態のうちいずれかの状態であるのか、すなわち検出した信号は受水槽の電極棒の水面への接触により検出されたものであるのか、あるいは水面への接触が外れたことにより検出されたものであるのかどうかを判断する(ST3)。
【0041】
手順ST3において端末装置1nは、受水槽が異常状態であると判断すると(ST4)、設備No.F3(001)、種別F4(異常)、端末検知時刻F5を来歴として内部の記憶装置に記憶し(ST6)、本実施形態における端末装置による異常復旧情報の検出動作を終了する。一方、手順ST3において端末装置1nは、受水槽が復旧状態であると判断すると(ST5)、設備No.F3(001)、種別F4(復旧)、端末検知時刻F5を来歴として内部の記憶装置に記憶し(ST6)、本実施形態における端末装置による異常復旧情報の検出動作を終了する。
【0042】
次に、本実施形態における端末装置による回線接続の動作を図5のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0043】
本実施形態では、図5に示すように端末装置1nは、異常復旧情報を検出すると、端末装置1nの記憶装置の来歴を参照することにより、監視サーバ3へ送信していない異常復旧情報があるかどうかを確認する(ステップ(以下、STCと記す)1)。このとき、端末装置1nが監視サーバ3へ送信していない異常復旧情報がないことを確認すると、本実施形態における端末装置による回線接続の動作を終了する。
【0044】
一方、手順STC1において端末装置1nが監視サーバ3へ送信していない異常復旧情報があることを確認すると、該当する異常復旧情報を読込み(STC2)、一般回線2を介して監視サーバ3との回線接続を行う(STC3)。次に、端末装置1nは、手順STC2において読込んだ異常復旧情報を監視サーバ3へ送信し(STC4)、その後監視サーバ3との回線接続を切断する(STC5)。そして、端末装置1nの記憶装置は、手順STC4において送信した異常復旧情報を送信済みとして記憶し(STC6)、本実施形態における端末装置1nによる回線接続の動作を終了する。
【0045】
次に、本実施形態における監視サーバの動作を図6のフローチャートに基づいて詳細に説明する。
【0046】
監視サーバ3は、上述したように端末装置1nによって検出された受水槽の最初の異常復旧情報を受信すると、記憶装置33の受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報を作成する。このとき、監視サーバ3が受信した異常復旧情報は最初のものであるので、図2に示すように受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報において通報連番F1、種別F4、及び受信種別F7はそれぞれ0001、異常、及び通常となる。
【0047】
また、監視サーバ3が受信した異常復旧情報は、ビル名がAビルの建物に設置された設備No.001の監視端末1nによって検出されたものであるので、受信履歴情報において各通報連番F1に対応するビル名F2及び設備No.F3は、それぞれAビル及び001となる。なお、本実施形態では、以下の説明において監視サーバ3が受信する異常復旧情報のうち10回目までのものが繰返し状態によって検出されたものとする。
【0048】
本実施形態では、図6に示すように、監視サーバ3は、記録装置33を参照して受信した異常復旧情報があるかどうかを確認する(ステップ(以下、Sと記す)1)。このとき、受信した異常復旧情報が確認されると、監視サーバ3の制御装置32は、記憶装置33の受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0001)に対する受信種別F7(通常)を参照し、異常復旧情報が受水槽の繰返し状態によって検出されたものでないと判断する。次に、制御装置32は、通報連番F1(0001)に対応する種別F4(異常)及び受信種別F7(通常)を参照して受水槽が異常状態であると判断する(S3)。
【0049】
次に、制御装置32は、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0001)に対応するビル名F2(Aビル)、設備No.F3(001)、種別F4(異常)、端末検知時刻F5(例えば2011/09/30 09:01:10)、受信時刻F6(例えば2011/09/30 09:01:20)、及び受信種別F7(通常)を取り込んで監視センタ対応指令部32Aに一時的に格納する。
【0050】
そして、監視センタ対応指令部32Aは、監視制御装置34に対して監視センタ4の監視卓4nの表示処理を行う旨の指令を出力すると、監視制御装置34は、監視センタ対応指令部32Aに一時的に格納された受信履歴情報における通報連番F1(0001)に対応するビル名F2(Aビル)、設備No.F3(001)、種別F4(異常)、端末検知時刻F5(2011/09/30 09:01:10)、受信時刻F6(2011/09/30 09:01:20)、及び受信種別F7(通常)を取込んで監視卓4nへの異常復旧情報の表示を制御する。そして、監視卓4nは、監視制御装置34からの出力を受け、図3に示すように異常復旧情報として異常時刻P1(09/30 09:01)、ビル名称P3(Aビル)、及び設備名称P4(受水槽 満水)を一行目に表示する(S4)。
【0051】
次に、手順S4において異常復旧情報が監視卓4nに表示された後、あるいは手順S1において受信した異常復旧情報が確認されなかったとき、監視センタ対応指令部32Aの第2の時間差演算手段は、現在時刻計測手段によって計測された現在の時刻と受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1に対応する受信時刻F6との時間差を演算する(S5)。
【0052】
そして、監視センタ対応指令部32Aの削除手段は、演算された時間差が5分以上であるかどうかを判断する(S6)。このとき、削除手段は、演算された時間差が5分以上であると判断した場合には、受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報を削除し(S7)、本実施形態における監視サーバの動作を終了する。一方、手順S6において削除手段は、演算された時間差が5分未満であると判断した場合には、受信履歴テーブルに格納された受信履歴情報を削除せず、本実施形態における監視サーバの動作を終了する。
【0053】
次に、監視サーバ3は、端末装置1nによって検出された受水槽の2回目の異常復旧情報を受信すると、記憶装置33の受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報を更新する。このとき、受信履歴情報の更新において通報連番F1(0002)に対応するビル名F2(Aビル)、設備No.F3(001)、種別F4(復旧)、端末検知時刻F5(例えば2011/09/30 09:01:11)、受信時刻F6(例えば2011/09/30 09:02:20)が追加される。
【0054】
そして、手順S1において監視サーバ3は、記録装置33を参照して受信した異常復旧情報があることを確認すると、手順S2において制御装置32は、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における前回の通報連番F1(0001)に対応する受信種別F7(通常)を参照し、異常復旧情報が受水槽の繰返し状態によって検出されたものでないと判断する。次に、手順S3において制御装置32は、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0002)に対応する種別F4(復旧)を参照し、受水槽が復旧状態である、すなわち受水槽が異常状態でないと判断する。
【0055】
次に、監視センタ対応指令部32Aは、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における更新前後の端末検知時刻F5を比較し(S8)、比較した結果、更新前後の端末検知時刻F5の時間差が2分以上であるかどうかを判断する(S9)。このとき、監視センタ対応指令部32Aは、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における更新前の端末検知時刻F5(2011/09/30 09:01:10)と更新後の端末検知時刻F5(2011/09/30 09:01:11)とを比較するので、比較した結果、更新前後の端末検知時刻F5の時間差が2分未満であり、一時的な復旧状態である即時復旧通報(繰返し状態の前兆)であると判断する(S10)。なお、監視センタ対応指令部32Aは、手順S9において比較した結果、更新前後の端末検知時刻F5の時間差が2分以上である場合には、手順S4へ進む。
【0056】
次に、手順S10において監視センタ対応指令部32Aは即時復旧通報であると判断すると、監視センタ対応指令部32Aは、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0002)に対応する受信種別F7を即時復旧として更新する。その後、制御装置32は、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0002)に対応するビル名F2(Aビル)、設備No.F3(001)、種別F4(復旧)、端末検知時刻F5(2011/09/30 09:01:11)、受信時刻F6(2011/09/30 09:02:20)、及び受信種別F7(即時復旧)を取り込んで監視センタ対応指令部32Aに一時的に格納する。
【0057】
次に、監視センタ対応指令部32Aは、監視制御装置34に対して監視センタ4の監視卓4nの表示処理を行う旨の指令を出力すると、監視制御装置34は、監視センタ対応指令部32Aに一時的に格納された受信履歴情報における通報連番F1(0002)に対応するビル名F2(Aビル)、設備No.F3(001)、種別F4(復旧)、端末検知時刻F5(2011/09/30 09:01:11)、受信時刻F6(2011/09/30 09:02:20)、及び受信種別F7(即時復旧)を取込んで監視卓4nへの異常復旧情報の表示を制御する。そして、手順S4において監視卓4nは、監視制御装置34からの出力を受け、図3に示すように異常復旧情報として異常時刻P1(09/30 09:01)、復旧時刻P2(09/30 09:02)、ビル名称P3(Aビル)、設備名称P4(受水槽 満水)を一行目に表示する。
【0058】
次に、手順S4において異常復旧情報が監視卓4nに表示された後、手順S5において監視センタ対応指令部32Aの第2の時間差演算手段は、現在時刻計測手段によって計測された現在の時刻と受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0002)に対応する受信時刻F6(2011/09/30 09:02:20)との時間差を演算する。
【0059】
そして、手順S6において監視センタ対応指令部32Aの削除手段は、演算された時間差が5分以上であるかどうかを判断する。このとき、削除手段は、演算された時間差が5分以上であると判断した場合には、手順S7において受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報を削除し、本実施形態における監視サーバの動作を終了する。一方、手順S6において削除手段は、演算された時間差が5分未満であると判断した場合には、受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報を削除せず、本実施形態における監視サーバの動作を終了する。
【0060】
次に、監視サーバ3は、端末装置1nによって検出された受水槽の3回目の異常復旧情報を受信すると、記憶装置33の受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報を更新する。このとき、受信履歴情報の更新において通報連番F1(0003)に対応するビル名F2(Aビル)、設備No.F3(001)、種別F4(異常)、端末検知時刻F5(例えば2011/09/30 09:01:12)、受信時刻F6(例えば2011/09/30 09:03:20)が追加される。
【0061】
そして、手順S1において監視サーバ3は、記録装置33を参照して受信した異常復旧情報があることを確認すると、手順S2において制御装置32は、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における前回の通報連番F1(0002)に対応する受信種別F7(即時復旧)を参照し、繰返し状態の前兆があるので、異常復旧情報が受水槽の繰返し状態によって検出されたものであると判断する。
【0062】
次に、監視センタ対応指令部32Aの第1の時間差演算手段は、受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報における通報連番F3(0003)に対応する端末検知時刻F5(2011/09/30 09:01:12)と受信時刻F6(2011/09/30 09:03:20)との時間差を演算する(S12)。そして、監視センタ対応指令部32Aの繰返し状態判断手段は、第1の時間差演算手段によって演算された時間差が2分以上であるので、受水槽が繰返し状態であると判断する(S14)。
【0063】
手順S14において繰返し状態判断手段は受水槽が繰返し状態であると判断すると、監視センタ対応指令部32Aは、保守作業員による受水槽の対応が完了しているかどうか確認する(S15)。このとき、監視センタ対応指令部32Aは、保守作業員による受水槽の対応が完了していないことを確認した場合には、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0003)に対応する受信種別F7を繰返しとして更新すると共に(S17)、監視センタ4からの対応の指示を待つ。
【0064】
そして、監視制御装置34の表示制限手段は、異常復旧情報を監視卓4nに表示させないように制御する。すなわち、表示制限手段は、図3に示すように異常復旧情報の受信回数に応じて追加改行させないようにすると共に、監視卓4nに表示される異常復旧情報(1行目)における繰返しP5(例えば1)、指示F6(例えば09:16)、及び対応P7(例えば確認中)を表示させ(S18)、手順S5に進む。
【0065】
一方、手順S17において監視センタ対応指令部32Aは、保守作業員による受水槽の対応が完了していることを確認した場合には、対応済みであることを登録し(S16)、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0003)に対応する受信種別F7を繰返しとして更新する。そして、監視制御装置34の表示制限手段は、図3に示すように異常復旧情報の受信回数に応じて追加改行させないようにすると共に、監視卓4nに表示される異常復旧情報(1行目)における繰返しP5(例えば1)、指示F6(例えば09:16)、及び完了P8(例えば完了済み)を表示させ(S18)、手順S5に進む。
【0066】
次に、手順S5において監視センタ対応指令部32Aの第2の時間差演算手段は、現在時刻計測手段によって計測された現在の時刻と受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0003)に対応する受信時刻(2011/09/30 09:03:20)との時間差を演算する。
【0067】
そして、手順S6において監視センタ対応指令部32Aの削除手段は、演算された時間差が5分以上であるかどうかを判断する。このとき、削除手段は、演算された時間差が5分以上であると判断した場合には、手順S7において受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報を削除し、本実施形態における監視サーバの動作を終了する。一方、手順S6において削除手段は、演算された時間差が5分未満であると判断した場合には、受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報を削除せず、本実施形態における監視サーバの動作を終了する。
【0068】
以上、端末装置1nによって検出された受水槽の1〜3回目の異常復旧情報を受信した監視サーバ3の動作を説明したが、受水槽の4〜10回目の異常復旧情報を受信した監視サーバ3についても、上述したのと同様の動作を繰返す。この場合には、手順S18において監視卓4nに表示される異常復旧情報(2行目)において異常時刻P1として、受信履歴情報における端末検知時刻F5のうち種別F4(異常)の最新の時刻が表示されると共に、復旧時刻P2として復旧待ちが表示される。
【0069】
次に、監視サーバ3は、端末装置1nによって検出された受水槽の11回目の異常復旧情報を受信すると、記憶装置33の受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報を更新する。このとき、受信履歴情報の更新において通報連番F1(0011)に対応するビル名F2(Aビル)、設備No.F3(001)、種別F4(異常)、端末検知時刻F5(例えば2011/09/30 09:15:00)、受信時刻(例えば2011/09/30 09:15:10)が追加される。
【0070】
そして、手順S1において監視サーバ3は、記録装置33を参照して受信した異常復旧情報があることを確認すると、手順S2において制御装置32は、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における前回の通報連番F1(0010)に対応する受信種別F7(繰返し)を参照し、この異常復旧情報が受水槽の繰返し状態によって検出されたものであると判断する。
【0071】
次に、手順S12において監視センタ対応指令部32Aの第1の時間差演算手段は、受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報における通報連番F1(0011)に対応する端末検知時刻F5(2011/09/30 09:15:00)と受信時刻F6(2011/09/30 09:15:10)との時間差を演算する。そして、監視センタ対応指令部32Aの繰返し状態判断手段は、第1の時間差演算手段によって演算された時間差が2分未満であるので、受水槽が繰返し状態でないと判断する(S19)。監視センタ対応指令部32Aは、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0011)に対応する受信種別F7を通常として更新する。
【0072】
その後、制御装置32は、受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0011)に対応するビル名F2(Aビル)、設備No.F3(001)、種別F4(異常)、端末検知時刻F5(2011/09/30 09:15:00)、受信時刻F6(2011/09/30 09:15:10)、及び受信種別F7(通常)を取り込んで監視センタ対応指令部32Aに一時的に格納する。
【0073】
次に、監視センタ対応指令部32Aは、監視制御装置34に対して監視センタ4の監視卓4nの表示処理を行う旨の指令を出力すると、監視制御装置34は、監視センタ対応指令部32Aに一時的に格納された受信履歴情報における通報連番F1(0011)に対応するビル名F2(Aビル)、設備No.F3(001)、種別F4(異常)、端末検知時刻F5(2011/09/30 09:15:00)、受信時刻F6(2011/09/30 09:15:10)、及び受信種別F7(通常)を取込んで監視卓4nへの異常復旧情報の表示を制御する。そして、手順S4において監視卓4nは、監視制御装置34からの出力を受け、図示されないが、異常復旧情報として異常時刻P1(09/30 09:15)、復旧時刻P2(09/30 09:15)、ビル名称P3(Aビル)、設備名称P4(受水槽 満水)を3行目に表示する。
【0074】
次に、手順S4において異常復旧情報が監視卓4nに表示された後、手順S5において監視センタ対応指令部32Aの第2の時間差演算手段は、現在時刻計測手段によって計測された現在の時刻と受信履歴テーブル33Aの受信履歴情報における通報連番F1(0011)に対応する受信時刻F6(2011/09/30 09:15:10)との時間差を演算する。
【0075】
そして、手順S6において監視センタ対応指令部32Aの削除手段は、演算された時間差が5分以上であるかどうかを判断する。このとき、削除手段は、演算された時間差が5分以上であると判断した場合には、手順S7において受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報を削除し、本実施形態における監視サーバの動作を終了する。一方、手順S6において削除手段は、演算された時間差が5分未満であると判断した場合には、受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報を削除せず、本実施形態における監視サーバの動作を終了する。
【0076】
このように構成した本実施形態によれば、監視サーバ3が異常復旧情報を受信すると、この異常復旧情報を受信した順番を示す通報連番F1に対して、端末装置1nが異常復旧情報を検出した検出時刻、すなわち端末検知時刻F5と監視サーバ3がこの異常復旧情報を受信した受信時刻F6を対応させた受信履歴情報を受信履歴テーブル33Aに格納するようにしているので、制御装置32は、手順S5、S8、S12における演算において端末検知時刻F5及び受信時刻F6を容易に取出して参照することができる。
【0077】
ここで、受水槽に繰返し状態が発生した場合には、各通報連番F1(0003〜0010)における端末検知時刻F5と受信時刻F6との時間差が拡大するので、制御装置32は、記憶装置33の受信履歴テーブル33Aから端末装置1nが各通報連番F1(0003〜0010)に対応する端末検知時刻F5と受信時刻F6を取出して参照し、手順S12においてこれらの端末検知時刻F5と受信時刻F6との時間差を第1の時間差演算手段で演算することにより、手順S13において演算した時間差を評価することで受水槽の繰返し状態に伴う異常復旧情報の判別を的確に行うことができる。
【0078】
従って、制御装置32の繰返し状態判断手段は、第1の時間差演算手段で演算された時間差が2分以上のとき、受水槽が繰返し状態であると判断することにより、端末装置1nから受水槽の異常復旧情報を全て受信しなくても、第1の時間差演算手段で演算された時間差が2分以上であることが判明した時点、すなわち3回目の異常復旧情報を受信した監視サーバ3の動作において第1の時間差演算手段で演算された時間差が評価された時点で制御装置32の処理を行うことができる。これにより、監視サーバ3が受水槽の状態を迅速に判断することができる。
【0079】
また、本実施形態は、受水槽の繰返し状態に伴う異常復旧情報の判別を監視サーバ3内の制御だけで十分に実行できるので、端末装置1nとは別に受水槽の繰返し状態を検出する検出手段、例えば地震の揺れを検出する地震検出手段を建物に設置する必要がない。そのため、この地震検出手段の設置作業やメンテナンス作業等の余分な作業を伴わないで済み、効率的なシステムの運用を実現することができる。
【0080】
また、本実施形態は、監視制御装置34の表示制御手段は、繰返し状態判断手段によって受水槽が繰返し状態であると判断されたときには、異常復旧情報を監視卓4nに表示させないように制御することにより、受水槽が異常状態又は復旧状態であるのかを判断する際に不要な情報を省くことができる。従って、本実施形態のように監視サーバ3が繰返し状態に伴う異常復旧情報を10回受信しても、監視卓4nに表示される異常復旧情報(一行目及び2行目)は受信回数に応じて追加改行されず、整理された状態で表示されるので、監視センタ4における受水槽の状態の判断を容易に行うことができる。これにより、監視センタ4の監視作業の負担を軽減できるので、監視作業の効率を向上させることができる。
【0081】
また、本実施形態は、監視サーバ3が異常復旧情報を受信してから受水槽の繰返し状態が終息する時間である5分が経過したときには、手順S7において監視センタ対応指令部32Aの削除手段により受信履歴テーブル33Aに格納された受信履歴情報が自動的に削除されるので、監視サーバ3における制御装置32の処理の負担を軽減できると共に、記憶装置33の容量不足を回避することができる。
【0082】
また、本実施形態は、上述したように第2の所定時間を受水槽の繰返し状態が終息する時間である5分に設定し、繰返し状態の判断基準となる第1の所定時間を第2の所定時間よりも短い2分に設定することにより、監視サーバ3が異常復旧情報を受信してから繰返し状態判断手段で受水槽の繰返し状態が判断されるまで受信履歴情報を十分に確保すると共に、繰返し状態の判断後に受信履歴情報を削除手段で迅速に削除することができる。これにより、監視サーバ3の記憶装置33における情報管理の効率化を図ることができる。
【0083】
なお、上述した本実施形態は、第2の所定時間は受水槽の繰返し状態が終息する時間である5分、第1の所定時間は2分に設定された場合について説明したが、この場合に限らず、受水槽の繰返し状態が終息する時間、すなわち地震によって受水槽の水面の上下変動が終息する時間は受水槽の大きさによって異なるので、第2の所定時間は受水槽毎に任意の時間に設定されても良い。また、第1の所定時間についても任意の時間に設定されても良い。
【符号の説明】
【0084】
1 監視地区
11〜1n 端末装置
2 一般回線
3 監視サーバ
31 回線制御装置
32 制御装置
32A 監視センタ対応指令部
33 記憶装置
33A 受信履歴テーブル
34 監視制御装置
4 監視センタ
41〜4n 監視卓
図1
図2
図3
図4
図5
図6