(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スキャナを備え画像スキャンに関しWebサービスを提供する画像形成装置と、ファイル配信先決定ルールがその記憶手段に格納されたファイル管理サーバと、クライアントとがネットワークで結合されたファイル配信システムにおいて、
該クライアントの記憶手段には、配信される文書種別毎に内容が定められた、該画像形成装置用及び該ファイル管理サーバ用のユーザインターフェイス情報ファイルが格納され、
該クライアントは、ユーザにより指定された該画像形成装置用のユーザインターフェイス情報ファイルの内容に基づき入力画面を表示させ、該入力画面へのユーザによる入力を受け付け、該入力画面への該ユーザによるスキャン実行指示入力に応答して、該画像形成装置に関し受け付けた該入力又は該画像形成装置用のユーザインターフェイス情報ファイルに記述された既定値をパラメータとして、該ファイル管理サーバに対し、該スキャナの設定と画像スキャンとを要求し、
該ファイル管理サーバは、この要求に応答して、該画像形成装置に該スキャナの設定と該画像スキャンとをWebサービス要求し、
該画像形成装置は、この要求に応答して、該パラメータに基づき該スキャナを設定し、原稿画像を光学的に読み取りそのスキャン画像ファイルを生成しこれをWebサービス応答として該ファイル管理サーバに送信し、
該ファイル管理サーバは、このスキャン画像ファイルを受信し、該スキャン画像ファイルのサムネイル画像を生成し、該サムネイル画像を該クライアントに返信し、
該クライアントは、該サムネイル画像を受信し、該ファイル管理サーバ用のユーザインターフェイス情報ファイルの内容に基づき入力画面を表示させ、該入力画面へのユーザによる入力を受け付け、該ファイル管理サーバに関し受け付けた該入力又は該ファイル管理サーバ用のユーザインターフェイス情報ファイルに記述された既定値を内容とするメタ情報を生成し、該サムネイル画像と該メタ情報の内容が表示された確認画面への該ユーザによるファイル管理サーバへの送信指示入力に応答して、該メタ情報を伴ったファイル配信要求を該ファイル管理サーバに送信し、
該ファイル管理サーバは、該ファイル配信要求に応答して、該配信先決定ルールに基づき該メタ情報の内容に対応した配信先を決定し、該スキャン画像ファイルを該配信先に送信する、
ことを特徴とするファイル配信システム。
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の実施例1のファイル配信システムの概略ネットワーク構成図である。
【0023】
このシステムでは、画像形成装置10と、ファイル配信サーバ20と、クライアント30−1〜30nとがネットワーク40に結合され、更に、携帯クライアントとしてのスマートフォン30−0がアクセスポイント50を介してネットワーク40に結合されている。
図1では、説明の複雑化を避けるため、画像形成装置10とスマートフォン30−0とをそれぞれ1台のみ代表して示している。
【0024】
図2は、ネットワーク40に結合された画像形成装置10とファイル配信サーバ20とクライアント30とのシステムの概略機能ブロック図である。このクライアント30は、
図1中のスマートフォン30−0及びクライアント30−1〜30−Nのうちの任意の1つを代表して示している。
【0025】
画像形成装置10は、画像スキャンに関しWebサービスを提供する機能を備えており、その制御部11は、通信部12からのWebサービス要求に応答して、この要求がスキャナ設定及びファイル形式指定を伴う画像スキャン要求であれば、画像スキャナ13に対しスキャナ13の画像読取りに関するカラー種別や解像度等の設定を行い、画像スキャナ13に対し画像をスキャンさせて画像データに変換させ、このデータを画像処理部14で、ノイズ除去等の処理を行わせた後、指定されたフォーマットのファイルを生成させ、通信部12を介し要求元に返信する。
【0026】
制御部11及び画像処理部14はいずれも、記憶手段に格納されたプログラムに従ってプロセッサが動作することにより、機能する。通信部12は、ネットワークインターフェイスと、そのドライバソフトウェアと、Webサービスのプロトコル及びその下位のプロトコルを処理するソフトウェア、例えばSOAP/TCP/IPのプロトコルスタック処理部と、SOAPとアプリケーションとの間のインターフェイスとして機能するプロキシとにより構成されている。画像スキャナ13は、スキャナ本体とオートシートフィーダとを備えている。
【0027】
ファイル配信サーバ20は、クライアント30からの画像形成装置10に対する画像スキャン要求を仲介するとともに、クライアント30からのメタ情報ファイルを伴う配信要求に対し、得られたスキャン画像ファイルを配信するものである。ユーザは、スキャン画像を確認する必要があるので、完全な自動化はできす、このため、クライアント30に対しファイル配信サーバ20は、WebサーバとWebアプリケーションとの組を備えていても、画像形成装置10と同様にWebサービス提供機能を備えてもよい。
【0028】
ファイル配信サーバ20では、その制御部21が、通信部22を介してクライアント30から受信した、スキャナ設定及びファイル形式指定を伴う画像スキャン要求に応答して、画像形成装置10にこのWebサービス要求を行い、画像形成装置10からの応答であるスキャン画像ファイルを受信フォルダ23に格納するとともに、そのサムネイル画像を生成してクライアント30に返信することにより画像を確認させる。
【0029】
制御部21は、クライアント30からメタ情報ファイルを受信し、これをファイル受信フォルダ23に格納させる。制御部21は、クライアントからの配信要求に応答して、このメタ情報ファイルの内容に従って画像処理部24に対しスキャン画像ファイルを処理させ、ファイル配信先決定部25に対し配信先を決定させる。ファイル配信先決定部25は、ファイル配信先決定ルール26に基づき、メタ情報に対応した配信先を決定する。
【0030】
メタ情報としては、メタ情報ファイルの内容の一部のみ又は/及びファイル名を用いることができる。ファイル配信先は、ファイル配信サーバ20内の配信先フォルダ27又はクライアント30内のフォルダである。
【0031】
例えば、ファイル配信先決定ルール26に基づき、メタ情報ファイル又はファイル名に含まれている後述の文書種別名とユーザIDとに対応した配信先を決定する。
【0032】
より具体的には、例えば文書種別名が「資料」であり、メタ情報ファイル内に配信先の指定がなければ、ユーザIDに対応したクライアントの配信フォルダ37を配信先と決定し、配信先の指定が例えば"MySection"であれば、それを優先して、ユーザIDのユーザが所属する部の共有フォルダを配信先と決定する。また、文書種別名が「報告書」であり、メタ情報ファイル内に配信先の指定がなければ、配信先フォルダ27内の、ユーザIDのユーザが所属する課の課長に対応した共有ファルダを配信先と決定する。
【0033】
ファイル配信先決定ルール26には、ユーザID毎のクライアント30のIPアドレス及びこのクライアント内の配信先フォルダ37のパス、配信先フォルダ27内のユーザID毎のフォルダのパス、各ユーザIDの所属及び肩書などの、ファイル配信先決定のための付属情報が含まれている。
【0034】
ファイル配信サーバ20にはまた、ユーザダウンロード用フォルダ28内に、クライアント30にインストールされるファイル管理クライアントソフトウェア(FMC)280と、クライアント30で用いられるユーザインターフェイス情報ファイル群281とが格納されている。
図3は、ユーザインターフェイス情報ファイル群281に含まれる1つのユーザインターフェイス情報ファイル2810を示す。このユーザインターフェイス情報ファイル2810は、XMLで記述されている。ユーザインターフェイス情報ファイルに対応した文書種別には、組織で通常用いられる資料、報告書、設計案、稟議、見積書等の名前のものがある。
【0035】
制御部21、画像処理部24及びファイル配信先決定部25はいずれも、記憶手段に格納されたプログラムに従ってプロセッサが動作することにより、機能する。
【0036】
クライアント30は、ファイル管理サーバ30を介して画像形成装置10に対し、スキャナ設定及びファイル形式指定を伴う画像スキャンのWebサービスを要求し、得られたスキャン画像ファイルのサムネイルを受信して確認し、ファイル配信サーバ20に対し、必要に応じ傾斜補正等の画像処理をWebサービス要求するとともにスキャン画像ファイルの配信を要求するものである。クライアント30では、制御部31がUI部32を介して表示装置33にメニューを表示させ、ユーザが入力装置34を操作してメニュー項目を選択したことをUI部32が受け付ける。入力装置34は、キーボード、ポインティングデバイス又はタッチパネルである。制御部31は、ファイル配信の項目が選択された場合、ファイル管理クライアント部35に制御を移す。ファイル管理クライアント部35はこれに応答して、UI部32を介し表示装置33にファイル配信に関するメニューを表示させる。ファイル管理クライアント部35は、ユーザによる表示装置33の操作に応答して、UI部32を介しこれに対応した処理を行い、通信部36を介しファイル配信サーバ20の制御部21に対して間接的な画像スキャン又は直接的なファイル配信を要求する。
【0037】
ファイル管理クライアント部35のソフトウェアは、ファイル管理サーバ20内の上記FMC280をインストールしたものである。
【0038】
クライアント30には、ファイル配信サーバ20からクライアント30へファイルを配信する際の配信先フォルダ37が作成されている。
【0039】
制御部31、UI部32及びファイル管理クライアント部35はいずれも、記憶手段に格納されたプログラムに従ってプロセッサが動作することにより、機能する。
【0040】
ファイル配信サーバ20からクライアント30の配信先フォルダ37へのファイル配信、クライアント30からファイル配信サーバ20のファイル受信フォルダ23へのファイル配信、クライアント30から配信先フォルダ27内のファイルの閲覧及び取得及びクライアント30からユーザダウンロード用フォルダ28内のファイルの取得の構成を簡単にするために、これらを、OSに備えられているファイル共有サービスを用いて行っている。
【0041】
すなわち、ファイル受信フォルダ23、配信先フォルダ27、ユーザダウンロード用フォルダ28及び配信先フォルダ37はいずれも共有フォルダである。また、通信部22、36及び通信部12はいずれも、ファイル共有プロトコルとその下位のプロトコルの処理部、例えばSMB/TCP/IPプロトコルスタック処理部を備えている。
【0042】
図4は、ユーザ60によるクライアント30の操作と、これに基づくクライアント30での処理と、クライアント30とファイル配信サーバ30との間及びファイル配信サーバ30と画像形成装置10との間の通信のシーケンスを示す概略図である。以下、
図4を参照して、
図2の構成の動作を説明する。
【0043】
(S0)ユーザ60は、入力装置34を操作して前記メニューからユーザインターフェイス情報ファイルリストを選択する。
【0044】
(S1)ファイル管理クライアント部35はこれに応答して、制御部21に対しユーザインターフェイス情報ファイルリストを要求する。
【0045】
(S2)制御部21はこれに応答して、ユーザダウンロード用フォルダ28内のユーザインターフェイス情報ファイル群281のリストをファイル管理クライアント部35に返信する。ファイル管理クライアント部35は、その内容を表示装置33に表示させる。
【0046】
(S3)ユーザ60は、リスト内の1つ以上のユーザインターフェイス情報ファイルを選択する。
【0047】
(S4)ファイル管理クライアント部35はこれに応答して、制御部21に対し、選択されたユーザインターフェイス情報ファイルの取得を要求する。
【0048】
(S5)制御部21はこれに応答して、ユーザインターフェイス情報ファイル群281の内、選択されたものをファイル管理クライアント部35へ返信する。ファイル管理クライアント部35は、取得したユーザインターフェイス情報ファイルをユーザインターフェイス情報ファイル群281Aに加え、ユーザインターフェイス情報ファイル群281Aに存在するユーザインターフェイス情報ファイルを表示装置33に表示させる。
【0049】
以上のステップS0〜S5の処理は、必要なユーザインターフェイス情報ファイルがクライアント30に既に存在すれば、省略される。
【0050】
(S6)ユーザは、入力装置34を操作して、ユーザインターフェイス情報ファイル群281A内の1つのユーザインターフェイス情報ファイル2810を選択する。
【0051】
(S7)ファイル管理クライアント部35はこれに応答して、選択されたユーザインターフェイス情報ファイル2810の内容を表示装置33に表示させる。
【0052】
ユーザインターフェイス情報ファイル2810は、例えば
図3に示すように、XMLで記述されている。
図3の内容は、後述の
図5の処理により、
図6に示すようにクライアント30の表示装置33に表示される。
【0053】
ユーザインターフェイス情報ファイルは、1次的には、画像形成装置10用及びファイル配信サーバ20用のファイルであり、簡単化してユーザによる操作性を向上させるため、配信される情報の種別毎にその内容が定められる。ユーザインターフェイス情報ファイルの内容は、画像形成装置10によるスキャン画像生成に関するものと、ファイル配信サーバ20によるファイル配信先に関するものと、コメントのように配信元又は配信先のユーザが利用するための付加情報に関するものとが含まれている。
【0054】
(S8)ユーザ60は、入力装置34を操作して、表示された項目のそれぞれについて、ラジオボタン形式のoptionを選択し又はテキストボックスに値を入力する。
【0055】
情報の流れをスムーズにするため、通常は、ユーザ60が何も入力又は選択せずに
図6の下部の「スキャン実行」ボタンを押せばよいように、既定値が選択状態となっており、また、ファイル名が例えば文書種別名+ユーザID+「スキャン実行」ボタン押下日時を用いて"資料_TaroYamada_2012-04-28-093456.pdf"のように自動決定され、配信先はファイル配信サーバ30により文書種別名とユーザIDとに基づいて自動決定される。
【0056】
(S9)ユーザ60は、画像形成装置10のオートシーダフィーダに、原稿束を載置する。
【0057】
(S10)ユーザ60は、「スキャン実行」ボタンを押下する。この時、ユーザによるスキャン画像ファイル名が指定されていなければ、上記のようにこのファイル名を決定する。
【0058】
(S11)ファイル管理クライアント部35は、入力用スクロール画像61について必須項目の入力が行われているか否か及び入力文字数等の制限を満たしているか否かをチェックし、満たしていなければエラー表示を行って、入力又はその修正を促す。ユーザはこれに応じた処理を行った後、スキャン実行ボタンを再度押下する。
【0059】
(S12)上記要件を満たしている場合には、ステップS8での設定のうちのスキャナ設定のパラメータ(既定のオプション値又はユーザが選択した値)とステップS8又はS10で決定されたファイル名とを引数として、ファイル配信サーバ20の制御部21に対し画像スキャンのWebサービス仲介を要求する。
【0060】
(S13)制御部21はこれに応答して、画像形成装置10の制御部11に対し、ステップS12で受信した引数を指定して画像スキャンのWebサービス仲介を要求する。
【0061】
(S14)画像形成装置10の制御部11は、画像スキャナ13に対しこの設定を行う。指定された項目以外の設定値は、画像形成装置10の最初の既定値又は管理者がこれを変更したものが既定値として用いられる。
【0062】
(S15、S16)制御部11は次いで、画像スキャナ13に対しスキャンを実行させる。制御部11は、画像処理部14に対し、得られた画像データのノイズ除去処理等を行わせるとともに、ファイル名の拡張子で定まるフォーマットの画像ファイルに変換させ、これをファイル管理クライアント部35に返信させる。
【0063】
(S17、S18)ファイル管理クライアント部35は、受信したスキャン画像ファイルをファイル受信フォルダ23に格納させ、また、そのサムネイル画像を生成し、クライアントに返信する。
【0064】
(S19)ファイル管理クライアント部35は、ステップS8(
図6)での設定値と
図3のユーザインターフェイス情報ファイル2810とに基づいて、後述の
図7の処理により、
図8に示すようなメタ情報ファイル62を生成し、その内容とサムネイルとを、
図9に確認用スクロール画像63として示すように表示させる。
【0065】
メタ情報ファイルは、前記のようにして作成されるので、ユーザインターフェイス情報ファイルと同様に、その内容には、画像形成装置10によるスキャン画像生成に関するものと、ファイル配信サーバ20によるファイル配信先に関するものと、コメントのように配信元又は配信先のユーザが利用するための付加情報に関するものとが含まれている。換言すれば、ユーザインターフェイス情報ファイルは、2次的にメタ情報ファイルとしても利用できるように、構成されている。
【0066】
(S20)特にクライアント30がスマートフォン30−0の場合、その画像処理能力が比較的低いので、ユーザ60はサムネイル画像を確認して、ファイル配信サーバ20の画像処理部24による必要な画像処理を、確認用スクロール画像63の下部で選択する。この画像処理には、例えばOCR、傾斜補正、赤目補正、美肌処理などがある。
【0067】
(S21)ユーザ60は、
図9の下部に示す「サーバへ送信」ボタンを押下する。
【0068】
(S22)ファイル管理クライアント部35はこれに応答して、
図8のメタ情報ファイル62に、ステップS18で選択された画像処理の要素を加えて、
図10に示すようなメタ情報ファイル64を生成し、これを伴った配信要求を、ファイル配信サーバ20の制御部21に対し行う。メタ情報ファイル64をスキャン画像ファイルと簡単に紐付けるため、そのファイル名は、その本体部がスキャン画像ファイルのそれと同一にする。
【0069】
ファイル配信サーバ20で利用するのはメタ情報ファイルの内容の一部であり、上記配信要求においては、この部分のみを抽出して送信してもよいが、ユーザが後で参考にすることができ、また、処理を簡単化するため、この抽出は行わない。
【0070】
(S23)制御部21は前記要求に応答して、受信したメタ情報ファイル64をファイル受信フォルダ23に格納させ、メタ情報ファイル64の内容を読み出し、これに画像処理が含まれていれば、画像処理部24に対し、この画像処理とスキャン画像ファイルとを指定してこの処理を行わせる。制御部21はまた、このメタ情報ファイル64を指定して、ファイル配信先決定部25に対しファイル配信先を決定させる。ファイル配信先決定部25は、メタ情報ファイル64内の要素deliveryDestinationの内容に応じ上述のようにして配信先を自動決定する。
【0071】
(S24)制御部21は、決定した配信先へ、これらスキャン画像ファイル及びメタ情報ファイル64を配信する。配信に成功した場合には、配信先フォルダに対応したユーザ宛に、この配信先へ配信したことを通知する電子メールを送信する。
【0072】
(S25)制御部21は、配信の成否をファイル管理クライアント部35に返信する。ファイル管理クライアント部35はこの結果を表示装置33に表示させる。
【0073】
なお、
図1において例えばクライアント30−1とスマートフォン30−0とをUSBで接続し、スマートフォン30−0内のファイル管理クライアント35により、クライアント30−1内のユーザインターフェイス情報ファイル群281Aの一部を、上記ステップS0〜S5と同一の処理により、スマートフォン30−0内に転送するように構成してもよい。
【0074】
次に、上記ステップS7での処理の詳細を、
図5を参照して説明する。
【0075】
(S30)ユーザインターフェイス情報ファイル2810から、次の1つの要素の開始タグ(
図5では簡単化の為、単に「要素」と記載)を読み出す。
図3の場合、これにより最初は<fileManagement caption="資料">が読み出される。終了タグは読み飛ばす。
【0076】
(S31)ステップS30で要素が存在すればステップS32へ進み、そうでなければステップS7の処理を終了する。
【0077】
(S32、S33)この要素が前回ステップS30で読み出した要素の、子要素であればインデント変数を1だけインクリメントし、親要素であればインデント変数を1だけデクリメントする。インデント変数の初期値は0である。
【0078】
(S34、S35)この要素の開始タグにcaption属性が含まれていれば、インデント変数の値だけインデントさせてcaption属性の値(文字列)を表示させる。
【0079】
例えば
図3のスキャナ設定の<scannerSetting caption="スキャナ設定">とカラー種別の<color caption="カラー種別選択">のそれぞれについてcaption属性があり、カラー種別の要素のときのインデント変数の値がスキャナ設定の要素のときのインデント変数の値より1だけ大きいので、caption値"カラー種別選択"がcaption値"スキャナ設定"よりも1つインデントが下げられて
図6に示すように表示される。
【0080】
(S36〜S39)この要素にテキスト又は数値の内容が含まれている場合には、要素名がoptionでなければこの内容(変更できない既定値)をインデント変数だけ下げて表示させ、optionであればインデント変数だけ下げてラジオボタンとその内容を表示させる。
【0081】
例えば
図3ではこの変更できない既定値は存在せず、また、<option selected=1>白黒2値</option>は
図4に示すようにラジオボタンとその内容「白黒2値」が表示される。selected=1は既定で選択されていることを示し、selectedが存在しないoption要素は選択されていない(selected=0が省略されている)ことを示す。
図6内の表示を見易くするための縦線及び横線は、インデント変数を用いて決定される。
【0082】
(S40〜S42)要素にテキスト又は数値の内容が含まれていない場合、要素名がoptionであればインデント変数だけ下げてラジオボタンとテキストボックスを表示させ、optionでなければ改行しインデント変数だけ下げてテキストボックスを表示させる。例えば
図3において、要素<name caption="自動付加以外を望む場合のファイル名"></name>及び要素<option caption="その他"></option>がこれらに該当し、
図6に示すように表示される。また、
図3の要素<comment caption="コメント" size="25x5"></comment>は内容が無いのでテキストボックスが表示されるが、そのサイズは属性size="25x5"により、横幅ファイル配信先決定部25文字分で縦幅5行と決定される。
【0083】
図6の下部の「以上の・・・」及び「スキャン実行」ボタンは、すべてのユーザインターフェイス情報ファイル2810について共通に付加される。
【0084】
なお、
図6の項目「配信先入力/選択」の、既定で選択状態の"Auto"は、ファイル管理サーバ20が上述のように配信先を自動決定することを意味している。また、"MySection"は、配信先が、フォルダ27内の、ユーザIDのユーザが所属する部に割り当てられた共有フォルダであり、"MySubection"は、配信先が、フォルダ27内の、ユーザIDのユーザが所属する課に割り当てられた共有フォルダである。これらの場合、上記ステップS22において、それぞれその部又は課に所属する各ユーザ宛に、配信通知の電子メールが送信される。
【0085】
次に、
図4のステップS19での処理の詳細を、
図7を参照して説明する。
【0086】
(S50)
図3のユーザインターフェイス情報ファイル2810の第1行のXML宣言をそのまま取り出して、
図8に示すようにメタ情報ファイル62に転記する。
【0087】
(S51)ユーザインターフェイス情報ファイル2810から、次の1つの要素の開始タグを読み出す。終了タグについてはそのままメタ情報ファイル62に転記する。
【0088】
(S52)ステップS51での読み出しで要素が存在すれば、ステップS53へ進み、そうでなければステップS66へ進む。
【0089】
(S53)この要素の開始タグに、caption属性が含まれていればステップS54へ進み、そうでなければステップS57へ進む。
【0090】
(S54〜56)この要素がfileManagement要素であれば、その属性名captionを属性名documentClassに変更し、そうでなければ、そのcaptionを削除する。例えば、要素の開始タグが
図3の<fileManagement caption="資料">であれば、これを<fileManagement documentClass="資料">に変更し、要素の開始タグが例えば
図3の<color caption="カラー種別選択">であれば、これを<color>に変更する。
【0091】
(S57〜S61)この要素にテキスト又は数値の内容が無い場合、入力用スクロール画像61に対応するテキストボックスが存在し、その内容があれば、これをこの要素の内容とし、この要素をメタ情報ファイル62に転記する。
【0092】
例えば、要素<name caption="自動付加以外を望む場合のファイル名"></name>については、ステップS56で要素<name></name>とし、ステップS60で要素<name>TaroYamada</name>に変更し、ステップS61でこれをメタ情報ファイル62に転記する。
【0093】
(S62)要素に内容が有る場合、要素名がoptionであれば、ステップS63へ進み、そうでなければ、すなわち変更できない既定値であれば、ステップS61へ進む。
【0094】
(S63〜S65)select属性の値が1であればその内容を親要素の内容に追加し、この属性値の値によらずoption要素を削除し、ステップS51へ戻る。
【0095】
(S66)ユーザID要素(
図8では<userId>TaroYamada</userId>)をメタ情報ファイル62に追加し、ステップS17の処理を終了する。このユーザIDは例えば、ユーザ60がクライアント30にログインする際にOSが取得したものを用いる。
【0096】
このような処理により
図8に示すメタ情報ファイル62が得られ、これに、
図9の下部でユーザが選択した画像処理種別を内容とするimageProcessRequest要素を追加することにより、
図10に示すメタ情報ファイル64が得られる。
【0097】
本実施例1によれば、クライアント30でユーザ60の入力に基づいてメタ情報ファイル64を生成し、クライアント30からファイル配信サーバ20を介した画像形成装置10へのWebサービス要求により画像をスキャンさせ、メタ情報ファイル64をファイル管理サーバ20に送信してスキャン画像ファイルの配信を要求するので、操作パネルの無い画像形成装置でファイル配信システムを構成することができ、また、画像形成装置の操作パネルが小形であっても、使い慣れたクライアントを操作すればよいので、操作性が向上するという効果を奏する。
【0098】
また、クライアント30の記憶手段に、配信される情報の種別毎に定められた、画像形成装置10用及びファイル配信サーバ20用のユーザインターフェイス情報ファイル群281Aが格納され、クライアント30は、ユーザ60により指定されたユーザインターフェイス情報ファイルの内容に基づき入力画面を表示させ、その入力を受け付け、画像形成装置10用及びファイル配信サーバ20用の入力情報を定めるので、ユーザインターフェイスの構成が簡単になって、操作性がさらに向上するという効果を奏する。
【0099】
また、ユーザインターフェイス情報ファイルとしてのXMLファイル2810について、入力項目のそれぞれの要素に表示文字属性captionを含むので、XMLファイルのみで入力用インターフェイスの表示形式を、入力項目と対応付けて定めることができ、ユーザインターフェイスを定める構成が簡単になるという効果を奏する。
【0100】
また、ユーザインターフェイス情報ファイル2810の内容を処理して、ファイル配信サーバ20に送信するメタ情報ファイル64も構成することができるという効果を奏する。
【0101】
さらに、ファイル管理サーバ20に登録された複数種のユーザインターフェイス情報ファイル群281を各ユーザが選択的に且つ容易に利用できるという効果を奏する。
【0102】
また、ユーザがスキャン画像ファイルの内容又はそのサムネイル画像を確認してファイル管理サーバ20に対し特別な画像処理を依頼することができるという効果を奏する。
【0103】
さらにまた、使い慣れたスマートフォン30−0で以上の効果を享受できるという効果を奏する。
【0104】
以上において、本発明の好適な実施例を説明したが、本発明には他にも種々の変形例が含まれ、上記実施例で述べた各構成要素の機能を実現する他の構成を用いたもの、当業者であればこれらの構成又は機能から想到するであろう他の構成も、本発明に含まれる。
【0105】
例えば、
図4において、ファイル配信サーバの画像形成装置に対するステップS13の要求を、スキャナ設定要求と画像スキャン要求の2つに分けた構成であってもよい。
【0106】
また、上記実施例では1つのXMLファイルに設定情報と表示情報とを含める構成を説明したが、両情報を分けて記述し両者を対応付ける情報を付加した構成であってもよい。
【0107】
さらに、
図7でcaption属性を削除しない構成であったり、
図4のステップS18のサムネイル画像として、画像形成装置10で作成したものを用いる構成であったりしてもよいことは勿論である。また、クライアントがパーソナルコンピュータである場合、サムネイル画像を用いずにスキャン画像ファイルの内容を表示させてそれを確認することにより、画像処理種別をより正確に選択できるようにする構成であってもよい。