(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774545
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】樹脂封止成形装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/56 20060101AFI20150820BHJP
B29C 43/18 20060101ALI20150820BHJP
B29C 43/32 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
H01L21/56 T
B29C43/18
B29C43/32
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-121587(P2012-121587)
(22)【出願日】2012年5月29日
(65)【公開番号】特開2013-247315(P2013-247315A)
(43)【公開日】2013年12月9日
【審査請求日】2014年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001069
【氏名又は名称】特許業務法人京都国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 慎二
(72)【発明者】
【氏名】高 丈明
(72)【発明者】
【氏名】田村 孝司
【審査官】
金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−235366(JP,A)
【文献】
特開2008−283111(JP,A)
【文献】
特開2012−061728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/56
B29C 39/00−39/24
B29C 39/38−39/44
B29C 43/00−43/34
B29C 43/44−43/48
B29C 43/52−43/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 下面に電子部品実装基板が保持される上型と、
b) 前記上型に対向配置された下型であって、
b1) 第1駆動機構により上下に駆動される加圧部材上に弾性部材を介して載置された枠部材と、
b2) 第2駆動機構により、前記枠部材の内部で上下に摺動可能に駆動される底面部材とを有する下型とを備え、
前記第2駆動機構が、樹脂封止工程後に前記底面部材を上下動させること
を特徴とする樹脂封止成形装置。
【請求項2】
前記底面部材の側周に溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂封止成形装置。
【請求項3】
a) 下面に電子部品実装基板が保持される上型と、
b) 前記上型に対向配置された下型であって、
b1) 第1駆動機構により上下に駆動される加圧部材上に載置された底面部材と、
b2) 第2駆動機構により上下に駆動される、前記加圧部材の外周に設けられた枠状の可動部材と、
b3) 前記底面部材の外周で上下に摺動可能に設けられ、弾性部材を介して前記可動部材に連結された枠部材とを有する下型とを備え、
b4) 前記底面部材と前記枠部材とが独立して駆動されること
を特徴とする樹脂封止成形装置。
【請求項4】
a) 下面に電子部品実装基板が保持される上型と、
b) 前記上型に対向配置された下型であって、
b1) 第1駆動機構により上下に駆動される加圧部材上に載置された底面部材と、
b2) 第2駆動機構により前記底面部材の外周で上下に摺動可能に駆動され、前記加圧部材との間に弾性部材が設けられた枠部材とを有する下型とを備え、
前記第2駆動機構が、樹脂封止工程後に前記枠部材を上下動させること
を特徴とする樹脂封止成形装置。
【請求項5】
前記底面部材の側周に溝が設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の樹脂封止成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に実装された電子部品を樹脂封止するための樹脂封止成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上下両型から成る圧縮成形型を備えた樹脂封止成形装置を用いて、基板に実装された半導体チップ等の電子部品を樹脂封止して圧縮成形することが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
このような樹脂封止圧縮成形に用いられる樹脂封止成形装置の一例を
図11に示す。
図11の樹脂封止成形装置50は、上型51と下型52とから成る圧縮成形型を備えている。上型51は装置50の上側の所定の位置に固定され、電子部品71が実装された基板70が下面に保持される。下型52は、枠部材55と、該枠部材55内で上下に摺動する底面部材54とから成り、枠部材55と底面部材54とで囲まれた空間(キャビティ53)に封止用の樹脂が収容される。下型52の下方には板状の加圧部材57が設けられており、加圧部材57と枠部材55の間には圧縮スプリング等の弾性部材58が設けられている。加圧部材57の下方には、該加圧部材57を上下方向に移動させるための駆動機構(図示略)が設けられている。
【0004】
この樹脂封止成形装置50によって樹脂封止成形を行う際には、まず、下型52のキャビティ53に顆粒状の樹脂を供給し、加熱することによって融解させる。これにより、キャビティ53内に融解樹脂72を生成する。また、上型51の下面に基板70を取り付ける。このとき、基板70は電子部品71の実装面が下側を向くようにする。そして、加圧部材57を上昇させることにより、それに載置された下型52を上昇させて、枠部材55を、上型51に固定された基板70の周辺部に当接させる(
図12(a))。その後、加圧部材57を更に上昇させると、枠部材55は弾性部材58により基板70に当接したままそれ以上上昇せず、上下両型51、52が型締めされる一方、底面部材54は枠部材55の内部を摺動しながら上昇する。これにより、電子部品71が融解樹脂72に浸漬すると共に、融解樹脂72が加圧される。この加圧状態を所定時間維持して融解樹脂72を硬化させることにより圧縮成形が完了し、基板70上の電子部品71が樹脂封止される(
図12(b))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−296382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の樹脂封止成形装置には、以下の問題があった。
(1)底面部材を枠部材の中で適切に摺動させるために、両者の間には或る程度の隙間を設けておかなければならない。このため、加圧の際にキャビティ内の融解樹脂がこの隙間に入り込んでしまう。隙間に入り込んだ融解樹脂は、硬化して樹脂バリとなり、枠部材と底面部材の間の摺動性を低下させる。また、リリース工程(離型工程)の際にその樹脂バリがキャビティ内に入りこみ、次の圧縮工程の際に製品(圧縮成形されるパッケージ)内に混入し(これを「バリの打ち込み」と言う。)、製品の質を低下させてしまうこともある。
【0007】
(2)従来の樹脂封止成形装置では、1つの駆動源で型締めとキャビティ内の融解樹脂72の加圧を行うため、枠部材内の底面部材の移動距離が、弾性部材が変形することのできる範囲に制限される。このため、樹脂を圧縮する際のキャビティの深さが制限され、圧縮成形されるパッケージの厚さが制限される。
【0008】
(3)従来の樹脂封止成形装置では、圧縮成形終了後、加圧部材を下動させる際に、枠部材が基板を上型に押さえ付けておく力が弱まる。加えて、前述のとおり、枠部材と底面部材の間の隙間にバリが存在することにより、枠部材と底面部材の両部材は更に一体的に下動するようになるため、圧縮成形されたパッケージを安定してリリース(離型)することができない
【0009】
本発明の目的は、上記の課題を解決することのできる樹脂封止成形装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために成された本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置の第1の形態のものは、
a) 下面に電子部品実装基板が保持される上型と、
b) 前記上型に対向配置された下型であって、
b1) 第1駆動機構により上下に駆動される加圧部材上に弾性部材を介して載置された枠部材と、
b2) 第2駆動機構により、前記枠部材の内部で上下に摺動可能に駆動される底面部材と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
従来の樹脂封止成形装置では第1駆動機構のみが設けられており、それが加圧部材を押し上げると、枠部材と加圧部材の間に設けられた弾性部材のみが変形し、底面部材が枠部材内を上下に摺動する。上記本発明の第1の態様の樹脂封止成形装置では、その他に第2駆動機構が設けられており、該第2駆動機構が底面部材を枠部材とは別に、独立して上下動させることができるため、以下の動作が可能となる。
【0012】
(1)樹脂封止成形を行った後に枠部材の内部で底面部材の上下動を行うことにより、これらの摺動面に浸入した樹脂バリを掻き出すことができる。樹脂バリを掻き出した後は、装置内に別途設けた吸引手段により、樹脂バリを吸引すれば良い。これにより、樹脂バリがキャビティ内に入り込み、次工程でパッケージ内に混入することを防ぐことができる。また、安定的に装置を作動させることができる。
【0013】
(2)独立的に設けた第2駆動機構により、枠部材の内部における底面部材の高さ(すなわち、キャビティの深さ)を任意に設定することができる。これにより、パッケージの厚さの設定の自由度を向上させることができるため、同一の圧縮成形型で多品種の電子基板の樹脂封止成形を行うことが可能となる。
【0014】
(3)枠部材によって基板を押さえたまま、第2駆動機構により底面部材を下動させることができるため、パッケージを安定してリリースすることが可能となる。
【0015】
(4)従来の樹脂封止成形装置では駆動源が一つであるため、駆動源の種類(トランスファ駆動源、エアシリンダ駆動源、あるいは、サーボモータ駆動源)に応じて、それぞれに対応したプレス構造の金型を製作する必要があったが、本発明に係る樹脂封止成形装置では、枠部材用駆動源(型締駆動源)と底面部材用駆動源(プランジャ駆動源)が個別に設けられているため、本発明に係る金型をトランスファ成形にも用いることができる。
【0016】
なお、本樹脂封止成形装置では、底面部材を上下動させるものとしたが、枠部材を上下動させるものであっても、同様の機能を得ることができる。
【0017】
すなわち、上記課題を解決するために成された本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置の第2の形態のものは、
a) 下面に電子部品実装基板が保持される上型と、
b) 前記上型に対向配置された下型であって、
b1) 第1駆動機構により上下に駆動される加圧部材上に載置された底面部材と、
b2) 第2駆動機構により前記底面部材の外周で上下に摺動可能に駆動され、前記加圧部材との間に弾性部材が設けられた枠部材と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る樹脂封止成形装置では、下型側の加圧部材上に、従来、弾性部材を介して設けていた底面部材又は枠部材を直接的に上下動させる第2駆動機構を設けている。これにより、底面部材と枠部材の間の隙間に浸入した樹脂バリを掻き出したり、枠部材と底面部材によって囲まれるキャビティの深さを変更したり、パッケージを安定してリリースできるようにしたり、本発明に係る金型をトランスファ成形にも用いたりすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る樹脂封止成形装置の第1実施例の概略構成図。
【
図2】第1実施例の樹脂封止成形装置による樹脂封止工程の説明図。
【
図3】第1実施例の樹脂封止成形装置によるリリース工程の説明図。
【
図4】第1実施例の樹脂封止成形装置による掻き出し工程の説明図。
【
図5】第1実施例の樹脂封止成形装置における底面部材の変形例を示す断面図。
【
図6】本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置の第2実施例の概略構成図。
【
図7】第2実施例の樹脂封止成形装置による樹脂封止工程の説明図。
【
図8】第2実施例の樹脂封止成形装置によるリリース工程の説明図。
【
図9】第2実施例の樹脂封止成形装置による掻き出し工程の説明図。
【
図10】第2実施例の樹脂封止成形装置の変形例を示す概略構成図。
【
図11】樹脂封止成形装置の従来例を示す概略構成図。
【
図12】従来例の樹脂封止成形装置による樹脂封止工程の説明図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
以下、本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置の第1実施例について、
図1〜
図5を参照して説明する。本実施例の樹脂封止成形装置10は、
図1に示すように、半導体チップ等の電子部品71が実装された基板70を下面で保持する上型11及びこの上型11に対向配置された下型12から成る樹脂封止成形型101と、下型12を載置して上下方向に移動させる加圧部材17とを備える。加圧部材17は、該加圧部材17の下方に設けられた第1駆動機構18により、上下に駆動される。
【0021】
下型12は、枠部材15と、枠部材15内で上下に摺動可能な底面部材14とからなり、枠部材15と底面部材14とで囲まれた空間(キャビティ13)に樹脂材料を収容できるようになっている。ここで、枠部材15は、加圧部材17上に弾性部材20を介して載置されている。また、底面部材14は、該底面部材14の下方(
図1では加圧部材17の内部)に設けられた第2駆動機構19により、枠部材15の内部で上下に摺動可能に駆動される。
【0022】
次に、上記樹脂封止成形装置10を用いた電子部品の樹脂封止工程について説明する。まず、
図2(a)に示すように樹脂封止成形型101を型開きし、上型11の下面に基板70を固定する。このとき、基板70は電子部品71の実装面が下側を向くようにする。また、同じく
図2(a)に示すように、下型12のキャビティ13に樹脂材料73を供給する。樹脂材料73は電子部品71を封止するためのものであり、例えばエポキシ樹脂である。樹脂材料73はキャビティ13への供給時に顆粒状であっても液状であってもよいが、本実施形態では、顆粒状の樹脂材料73がキャビティ13内に供給されることとする。顆粒状の樹脂材料73がキャビティ13内に供給された後、キャビティ13内において樹脂材料73を加熱することにより融解させて、融解樹脂72にする(
図2(b))。
【0023】
このとき樹脂の体積は大きく減少するので、第2駆動機構19により底面部材14を上昇させ、底面部材14の上面から枠部材15の上面までの高さを適宜調整する(
図2(c))。次に、第1駆動機構18により加圧部材17を上昇させ、下型12の枠部材15の上面を基板70の周辺部に当接させる(
図2(d))。その後、更に加圧部材17を上昇させ、電子部品71をキャビティ13内の融解樹脂72に浸漬させると共に、底面部材14によって融解樹脂72を加圧する(
図2(e))。
【0024】
融解樹脂72を加圧した状態を所定温度で所定時間維持し、融解樹脂72を硬化させて硬化樹脂を形成する。これにより、電子部品71が硬化樹脂によって封止された封止成形品が形成される。
【0025】
なお、第2駆動機構19により底面部材14を上下動させるタイミングは、いずれのタイミングであっても良い。例えば、枠部材15の上面を基板70に当接させた後に底面部材14を上昇させることもできる。また、キャビティ13に顆粒状の樹脂73を投入する際、投入する量によって適宜、第2駆動機構19により底面部材14を上下動させても良い。
【0026】
図3は、本実施例の樹脂封止成形装置10におけるリリース工程の説明図である。
図3(a)に示すように、本実施例の樹脂封止成形装置10では、枠部材15によって基板70を押さえたまま、底面部材14を第2駆動機構19により下降させることができるため、底面部材14を安定してパッケージからリリースさせることができる。その後は、第1駆動機構18により、加圧部材17を下降させる(
図3(b))。
【0027】
また、上記説明では、第1駆動機構18が加圧部材17を上昇させることによりキャビティ13内の融解樹脂72を加圧したが、第2駆動機構19が底面部材14を上昇させることにより、キャビティ13内の融解樹脂72を加圧することもできる。また、両者を併用しても良い。弾性部材20は、枠部材15の傾きを補償し、底面部材14の全面に亘って均一に加圧させることができるため、第1駆動機構18による加圧、もしくは第1駆動機構18と第2駆動機構19の両者を併用することによる加圧が、均一に樹脂封止成形するためには望ましい。
【0028】
以上のように、本実施例の樹脂封止成形装置10では第2駆動機構19により底面部材14を上昇させ、キャビティ13の深さを任意のタイミングで調整することにより、弾性部材58のストローク幅を一定以上大きくならないようにすることができる。そのため、比較的厚い樹脂モールド(例えば、大電流を制御するためのパワートランジスタを内蔵した厚さ5mm程度の半導体パッケージ)の封止成形であっても、十分に高い圧力で圧縮成形することができる。
【0029】
また、本実施例の樹脂封止成形装置10では、樹脂封止成形が終了した後、第2駆動機構19により底面部材14の上下動を繰り返させる。これにより、枠部材15と底面部材14の摺動面に浸入した樹脂バリを掻き出すことができる(
図4)。なお、この際に樹脂バリを掻き出しやすくするため、底面部材14の側周に溝14Aが設けられていることが望ましい(
図5(a)及び(b))。樹脂バリを掻き出した後は、図示しない吸引手段により樹脂バリを吸引し、これを除去する。これにより、樹脂封止成形装置10を安定的に作動させ続けることができる。
【実施例2】
【0030】
次に、本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置の第2実施例について、
図6〜
図9を参照して説明する。本実施例の樹脂封止成形装置30は、第2駆動機構19により、枠部材15を上下動させるものである。枠部材15は連結部材32と連結され、連結部材32は、弾性部材33を介して枠状の可動プレート31と連結されている。可動プレート31は、加圧部材17の内部に載置された第2駆動機構19により上下動する(
図6)。その他の構成は
図1と同じであり、加圧部材17は、該加圧部材17の下方に設けられた第1駆動機構18(図示せず)により、上下に駆動される。
【0031】
上記樹脂封止成形装置30を用いた電子部品の樹脂封止工程について説明する。まず、
図7(a)に示すように樹脂封止成形型101を型開きし、上型11の下面に基板70を固定する。このとき、基板70は電子部品71の実装面が下側を向くようにする。また、下型12のキャビティ13に顆粒状の樹脂材料73を供給する。顆粒状の樹脂材料73がキャビティ13内に供給された後、キャビティ13内において樹脂材料73を加熱することにより融解させて、融解樹脂72にする(
図7(b))。このとき樹脂の嵩体積は減少するので、第2駆動機構19により枠部材15を下降させ、底面部材14の上面と枠部材15の上面の高さを適宜調整する(
図7(c))。
【0032】
次に、第1駆動機構18により加圧部材17を上昇させ、下型12の枠部材15の上面を基板70の周辺部に当接させる(
図7(d))。その後、更に加圧部材17を上昇させ、電子部品71をキャビティ13内の融解樹脂72に浸漬させると共に、底面部材14によって融解樹脂72を加圧する(
図7(e))。この加圧状態を所定温度で所定時間維持し、融解樹脂72を硬化させて硬化樹脂を形成する。これにより、電子部品71が硬化樹脂によって封止された封止成形品が形成される。
【0033】
なお、第2駆動機構19により、枠部材15を上下動させるタイミングは、いずれのタイミングであっても良い。例えば、融解樹脂72を加圧する際、加圧部材17の上昇に同期して、第2駆動機構19により枠部材15を下降させるようにすることもできる。また、キャビティ13に顆粒状の樹脂73を投入する際、投入する量によって適宜、第2駆動機構19により枠部材15を上下動させることもできる。
【0034】
図8は、本実施例の樹脂封止成形装置30におけるリリース工程の説明図である。
図8(a)では、第1駆動機構18により加圧部材17を下降させると共に、加圧部材17を下降させた距離だけ、枠部材15を第2駆動機構19により上昇させる。これにより、枠部材15によって基板70を押さえたまま、底面部材14を第2駆動機構19により下降させることができるため、底面部材14を安定してパッケージからリリースさせることができる。その後は、第1駆動機構18により、加圧部材17を更に下降させる(
図8(b))。
【0035】
以上のように、本実施例の樹脂封止成形装置30においても、第2駆動機構19により、樹脂の体積が減少した後のキャビティ13の深さを適宜調整することができる。そのため、本実施例の樹脂封止成形装置30においても、比較的厚い樹脂モールド(例えば、大電流を制御するためのパワートランジスタを内蔵した厚さ5mm程度の半導体パッケージ)の封止成形に好適に用いることができる。
【0036】
また、本実施例の樹脂封止成形装置30では、樹脂封止成形が終了した後、第2駆動機構19により枠部材15の上下動を繰り返させる。これにより、枠部材15と底面部材14の摺動面に浸入した樹脂バリを掻き出すことができる(
図9)。また、第1実施例の樹脂封止成形装置10と同様に、底面部材14には周溝14Aが設けられていることが望ましい。
【0037】
なお、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿って適宜変形や修正を行えることは明らかである。
【0038】
例えば、第2実施例の樹脂封止成形装置30の変形例として、中間プレート75を枠部材15と連結し、エアシリンダ76によって上下動させるようにすることもできる(
図10)。この
図10の樹脂封止成型型装置における樹脂封止工程と、樹脂封止工程後の樹脂バリの掻き出し工程は、第2実施例と同じである。
【符号の説明】
【0039】
10、30、50…樹脂封止成形装置
101…樹脂封止成形型
11、51…上型
12、52…下型
13、53…キャビティ
14、54…底面部材
14A…周溝
15、55…枠部材
17、57…加圧部材
18…第1駆動機構
19…第2駆動機構
20、33、58…弾性部材
30…樹脂封止成形装置
31…可動プレート
32…連結部材
70…基板
71…電子部品
72…融解樹脂
73…樹脂材料
75…中間プレート
76…エアシリンダ