(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記射出装置から前記ホットランナノズルに及ぼされる押圧力に基づいて、または該ホットランナノズルを前記成形型に締結する締結力に基づいて、前記ショルダ面が、その全周に亘って、前記段付け面に押し付けられつつ、当接させられることにより、それらショルダ面と段付け面との間がシールされるようになっている請求項1に記載のホットランナノズルの当接構造。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、射出成形には、大別して、ホットランナシステムを採用する成形方式とコールドランナシステムを採用する成形方式とがある。それらのうち、ホットランナシステムを採用する射出成形方式では、ランナレス化を実現でき、それによって、成形材料の節減と成形サイクルの短縮化を達成できるといったコストダウンに繋がる大きなメリットが得られる。
【0003】
そこで、近年では、そのようなホットランナシステムを採用する射出成形方式を実施する際に用いられる射出装置やホットランナ型、或いはホットランナ型に組み付けられるホットランナノズル等の開発が進み、種々提案されてきている。そして、例えば、特開2012−20472号公報(特許文献1)には、ホットランナノズルを成形型に有利に組み付けるための構造が、明らかにされている。
【0004】
かかる公報に開示された組付構造により成形型に組み付けられるホットランナノズルは、ノズル本体とノズルチップとを有している。ノズル本体は、射出成形機の射出装置から射出される溶融樹脂が流通する樹脂流路が内部に設けられると共に、該樹脂流路内の該溶融樹脂を加熱する加熱手段が設けられて、構成されている。ノズルチップは、ノズル本体よりも熱伝導性の高い材料からなり、先端部に、ノズル本体の樹脂流路内を流通する溶融樹脂を吐出させるためのノズル孔が設けられて、構成されている。そして、このノズルチップのノズル孔が形成される先端部とは反対側の基端部が、ノズル本体の先端面に設けられたねじ孔に螺入されることにより、ノズルチップが、ノズル孔を有する先端部をノズル本体の先端面から突出させた状態で、ノズル本体に固定されている。一方、成形型には、ホットランナノズルを挿入可能な挿入孔が設けられている。また、この挿入孔の一方の開口部が、他方の開口部よりも小径とされて、この小径の開口部が、成形型内に形成される成形キャビティ内に連通するゲート口とされている。そして、そのような挿入孔内に、ホットランナノズルが、ゲート口とは反対の開口部から挿入されることにより、ノズルチップの先端部に設けられたノズル孔が、ゲート口に対応位置させられた状態で、ホットランナノズル40が、成形型に組み付けられるようになっている。
【0005】
また、挿入孔内に挿入されたホットランナノズルと成形型との間には、ホットランナノズルの挿入孔内への挿入量を規制する挿入量規制手段が設けられている。即ち、ホットランナノズルのノズル本体におけるノズルチップが固定される先端側とは反対側の基端側部位の外周面には、ノズル本体の基端部を先端部よりも大径化する段付け面が設けられている。また、かかるノズル本体の段付け面よりも先端部側には、スペーサリングが外挿されている。そして、このスペーサリングにおけるノズル本体の基端側に位置する端面が、ノズル本体の段付け面に係合することにより、ノズル本体の基端側への移動が阻止されるようになっている。更に、スペーサリングにおけるノズル本体の基端側の端部には、環状の外フランジ部が一体的に形成されており、この外フランジ部が、成形型における凹所の開口周縁部に係合している。これにより、かかる外フランジ部と成形型の凹所の開口周縁部とにて、挿入量規制手段が構成されて、ホットランナノズルの凹所内への挿入量が規制されるようになっているのである。
【0006】
このようなホットランナノズルの成形型への組付構造によれば、ホットランナノズルの挿入孔内への挿入量が規制されることによって、ノズルチップの先端部の外周面と挿入孔のゲート口側の内周面との間に、それらを非接触とする断熱空間が、確実に設けられる。このため、ノズルチップが熱伝導性の高い材料を用いて構成されているにも拘わらず、ノズルチップの先端部から成形型への熱伝導が、断熱空間の存在によって抑制される。そして、その結果、ノズルチップの先端部から成形型への熱伝導に起因したノズルチップの温度低下により、ノズルチップの先端部に設けられた微細なノズル孔内で溶融樹脂が固化して、スムーズな射出成形が阻害される事態が生ずることが可及的に防止されるようになっている。また、そうして、高サイクル成形の実現が図られているのである。
【0007】
ところが、本発明者が、かくの如き従来のホットランナノズルの組付構造について、種々検討を加えたところ、そこには、以下の如き問題が内在していることが判明した。
【0008】
すなわち、一般に、ホットランナノズルを構成するノズル本体とノズルチップは、何れも、軸方向長さにおいて、ある程度の寸法公差を有している。このため、上記の如き従来のホットランナノズルの組付構造を採用する場合には、ノズル本体の基端部が成形型の挿入孔の開口周縁部に係合することで、断熱空間が、ノズル本体の先端から突出するノズルチップの先端部と挿入孔の内周面との間に形成されるところから、そのような断熱空間の幅(挿入孔の内周面とノズルチップの先端部との間の距離)が、予め設計された大きさよりも、ノズル本体の軸方向長さの寸法公差分とノズルチップ先端部の軸方向長さの寸法公差分とを加えた分だけ大きくなったり、或いは小さくなったりする可能性があった。そして、断熱空間の幅が、予め設計された大きさよりも小さくなると、ノズルチップの先端部から成形型への熱伝導量が不可避的に大きくなって、ノズル孔内での樹脂詰まりが生じ易くなり、それによって、スムーズな射出成形、更には射出成形の繰返し操作を安定的に実施することが困難となる恐れがあることが、判明したのである。しかも、特に、スーパーエンプラのような非常に高い融点を有する樹脂材料を用いた射出成形を実施する際に、そのような問題が生ずる可能性が、格段に高くなることも判ったのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここにおいて、本発明は、上記した事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、ホットランナノズルのノズルチップの先端部と、ホットランナノズルが挿入される挿入孔の内周面との間に形成される断熱空間の幅が、設計値と可及的に一致する大きさとなるように、ホットランナノズルを成形型に組み付けることができ、それによって、ホットランナノズルが組み付けられた成形型を用いた射出成形が、樹脂材料の種類に拘わらず、スムーズに且つ高サイクルに、繰返し実施できるように改良されたホットランナノズルの組付構造を提供することにある。また、本発明は、ホットランナノズルのノズルチップの先端部と、ホットランナノズルが挿入される挿入孔の内周面との間に形成される断熱空間の幅が、設計値と可及的に一致する大きさとなるように、ホットランナノズルが組み付けられてなる構造の成形型を有し、射出成形が、樹脂材料の種類に拘わらず、スムーズに且つ高サイクルに、繰返し実施できるように改良された射出成形機を提供することをも、その解決課題とするところである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、射出装置から射出される溶融樹脂が流通する樹脂流路が内部に設けられると共に、該樹脂流路内
の溶融樹脂を加熱する加熱手段が設けられたノズル本体と、該ノズル本体の樹脂流路内を流通す
る溶融樹脂を吐出させるノズル孔が先端部に設けられたノズルチップとを有し、該ノズルチップの先端部が該ノズル本体の先端から突出するように、該ノズルチップが該ノズル本体に固定されてなるホットランナノズルを
、前記射出装置の加熱筒の先端に固定して、目的とする射出成形品が形成される成形型に
対して当接せしめるための構造であって、該成形型に設けられる成形キャビティに連通するゲート口を一方の開口部として、該成形型に形成された挿入孔内に、他方の開口部から該ホットランナノズルを挿入すると共に、該ホットランナノズルと該成形型との間に設けられた挿入量規制手段にて、該ホットランナノズルの該挿入孔内への挿入量を規制することにより、該ゲート口に、前記ノズルチップの前記ノズル孔を対応位置させると共に、該ノズルチップの前記先端部と該挿入孔の内周面との間に断熱空間を形成して、該ホットランナノズルを該成形型に
当接するようにしたものにおいて、
前記ノズルチップに外挿されて、該ノズルチップの先端部を除く基端側部位を被覆する、該ノズルチップよりも熱伝導性の低い材料からなるチップカバーが、前記ノズル本体に対して、その先端から突出するように、且つ該ノズルチップの先端部が該チップカバーの先端から突出するように、取り付けられて、固定されていると共に、該チップ
カバーの先端部の周囲に延びる位置固定の環状のショルダ面を、
該チップカバーの前記ノズル本体
先端からの突出部に設け
た外フランジ部に形成する一方、前記成形型の前記挿入孔の内周面に、該挿入孔の前記ゲート口側部分を、該ゲート口とは反対の開口部側部分よりも狭小化させる環状の段付け面を設けて、それらショルダ面と段付け面とにて前記挿入量規制手段を構成し、前記ホットランナノズルの該挿入孔内への挿入状態下で、該ショルダ面を該段付け面に当接させることにより、該ホットランナノズルの該挿入孔内への挿入量を規制するようにしたことを特徴とするホットランナノズルの
当接構造を、その要旨とするものである。
【0012】
なお、本発明の有利な態様の一つによれば、前記射出装置から前記ホットランナノズルに及ぼされる押圧力に基づいて、または該ホットランナノズルを前記成形型に締結する締結力に基づいて、前記ショルダ面が、その全周に亘って、前記段付け面に押し付けられつつ、当接させられることにより、それらショルダ面と段付け面との間がシールされるように構成される。
【0015】
更にまた、本発明の好適な態様の一つによれば、前記ショルダ面と前記段付け面のうちの少なくとも何れか一方に、環状突起が一体形成される。
【0016】
そして、本発明にあっては、(a)射出装置と、(b)該射出装置から射出される溶融樹脂が流通する樹脂流路が内部に設けられると共に、該樹脂流路内
の溶融樹脂を加熱する加熱手段が設けられたノズル本体と、該ノズル本体の樹脂流路内を流通す
る溶融樹脂を吐出させるノズル孔が先端部に設けられたノズルチップとを有し、該ノズルチップの先端部が該ノズル本体の先端から突出するように、該ノズルチップが該ノズル本体に固定されてなるホットランナノズルと、(c)一方の開口部が、成形キャビティに連通するゲート口とされた、該ホットランナノズルが挿入可能な挿入孔と、該ホットランナノズルの該挿入孔内への挿入量を規制する挿入量規制手段とを有し、該ホットランナノズルが該挿入孔内に挿入されて、該挿入量規制手段にて、該ホットランナノズルの該挿入孔内への挿入量が規制されることにより、前記ノズルチップの前記ノズル孔が、該ゲート口に対応位置させられると共に、該ノズルチップの前記先端部と該挿入孔の内周面との間に断熱空間が形成される成形型とを含んで構成された射出成形機であって、
前記ノズルチップに外挿されて、該ノズルチップの先端部を除く基端側部位を被覆する、該ノズルチップよりも熱伝導性の低い材料からなるチップカバーが、前記ノズル本体に対して、その先端から突出するように、且つ該ノズルチップの先端部が該チップカバーの先端から突出するように、取り付けられて、固定されていると共に、該チップ
カバーの先端部の周囲に延びる位置固定の環状のショルダ面が、
該チップカバーの前記ノズル本体
先端からの突出部に位置するように設けられ
た外フランジ部に形成される一方、前記挿入孔の内周面に、該挿入孔の前記ゲート口側部分を該ゲート口とは反対の開口部側部分よりも狭小化させる環状の段付け面が設けられて、それらショルダ面と段付け面とにて前記挿入量規制手段が構成され、前記ホットランナノズルの該挿入孔内への挿入状態下で、該ショルダ面が該段付け面に当接させられることにより、該ホットランナノズルの該挿入孔内への挿入量が規制されるようになっていることを特徴とする射出成形機をも、また、その要旨とするものである。
【0017】
そのような射出成形機においては、有利には、前記射出装置の加熱筒の先端に、前記ホットランナノズルが固定されることとなる。
【発明の効果】
【0019】
すなわち、本発明に従うホットランナノズルの組付構造にあっては、ノズル本体の先端に位置するように設けられたショルダ面と、成形型の挿入孔の内周面に設けられた段付け面との当接により、ホットランナノズルの挿入孔内への挿入量が規制されるようになっている。それ故、ノズルチップの先端部と挿入孔の内周面との間に形成される断熱空間の幅が、予め設計された大きさよりも、ノズルチップの先端部の軸方向長さの寸法公差の分だけ増減する可能性はあるものの、その増減量は、ノズル本体の軸方向長さの寸法公差分とノズルチップ先端部の軸方向長さの寸法公差分とを加えた分よりも有利に小さくされ得る。しかも、ノズルチップの先端部の軸方向長さは、ノズル本体の軸方向長さよりも十分に小さくされているため、そのようなノズルチップの先端部の軸方向長さの寸法公差は、極めて小さな値とされる。
【0020】
従って、本発明に従うホットランナノズルの組付構造によれば、ホットランナノズルのノズルチップの先端部と、ホットランナノズルが挿入される挿入孔の内周面との間に形成される断熱空間の幅が、設計値と可及的に一致する大きさとなるように、ホットランナノズルを成形型に組み付けることができる。そして、それにより、ホットランナノズルが組み付けられた成形型を用いた射出成形を、樹脂材料の種類に拘わらず、スムーズに且つ高サイクルに、繰返し実施することが可能となるのである。
【0021】
そして、本発明に従う射出成形機にあっては、ホットランナノズルが、上記した組付構造によって成形型に組み付けられているところから、上記した本発明に従うホットランナノズルの組付構造において奏される作用・効果と実質的に同一の作用・効果が、有効に享受され得るのである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0024】
先ず、
図1には、本発明に従う構造を有する射出成形機の一実施形態の一部分が、その断面形態において示されている。かかる
図1から明らかなように、本実施形態の射出成形機10は、射出装置12と成形型14とを有している。それら射出装置12と成形型14は、何れも、従来と同様な基本構造を有している。
【0025】
すなわち、射出装置12は、ここでは、インラインスクリュ式の構造を有し、図示しないスクリュが内部に挿入配置された加熱筒16を備えている。また、図示されてはいないものの、かかる加熱筒16の外周面には、バンドヒータが装着されている。そして、従来と同様に、ホッパ(図示せず)を通じて加熱筒16内に投入された樹脂材料が、バンドヒータによる加熱とスクリュの回転による剪断作用により可塑化溶融されると共に、スクリュの前進作動により、加熱筒16の先端の射出孔18から、溶融状態で射出されるようになっている。
【0026】
一方、成形型14は、固定型20と可動型22とを有している。そして、
図1には明示されてはいないものの、この成形型14にあっては、従来と同様な構造を有する型開閉装置により、可動型22が固定型20に対して接近乃至離隔移動させられることによって、それら可動型22と固定型20とが、型閉め乃至型開きされるようになっている。
【0027】
また、可動型22には、固定型20との型合せ面28において開口するキャビティ形成凹所26が設けられている。そして、可動型22と固定型20とが型閉めされることにより、キャビティ形成凹所26の開口部が、固定型20の型合せ面24にて閉塞されて、目的とする射出成形品に対応した形状を有する成形キャビティ30が、固定型20と可動型22との間に形成されるようになっている。
【0028】
一方、固定型20には、可動型22との対向方向(
図1での上下方向)において固定型20を貫通して延びる挿入孔32が形成されている。この挿入孔32は、固定型20の型合せ面24とは反対側の面において開口する、他方の開口部としての第一開口部33と、型合せ面24において開口する、一方の開口部としての第二開口部34とを有している。そして、かかる挿入孔32が、第一開口部33を通じて外部に連通している一方、固定型20と可動型22との型閉じにより成形型14に形成される成形キャビティ30内に、第二開口部34を通じて連通している。これにより、かかる第二開口部34が、ゲート口35とされている。
【0029】
また、挿入孔32の内周面のうち、ゲート口35(第二開口部34)に近位の部位には、挿入孔32のゲート口35側部分を、それ以外の部分(挿入孔32の延出方向の中間に位置する部分と、挿入孔32のゲート口35とは反対の第一開口部33側に位置する部分)よりも小径化する段付け面36が、形成されている。この段付け面36は、挿入孔32の延出方向に対して直角な方向に広がる平坦な円環面にて構成されている。
【0030】
そして、挿入孔32においては、段付け面36よりも第一開口部33側の部分が、第一挿入部37とされている一方、段付け面36よりもゲート口35側の部分が、第二挿入部38とされている。第一挿入部37は、内周面が、一定の内径をもって延びる円筒形状を有している。また、第二挿入部38は、段付け面36側の内周面部分が、第一挿入部37の内周面よりも小径の円筒面形状とされている一方、ゲート口35側の内周面部分が、ゲート口35に向かって次第に小径化するテーパ面形状とされている。これによって、ゲート口35の径が、第一開口部33の径よりも十分に小さくされている。
【0031】
そして、
図1に示されるように、本実施形態の射出成形機10にあっては、ホットランナノズル40が、射出装置12の加熱筒16の先端に固定されており、このホットランナノズル40が、成形型14に対して、従来には見られない特別な構造において組み付けられているのである。
【0032】
より詳細には、ホットランナノズル40は、ノズル本体42と、ノズル本体42の先端(
図1での下端)に固定されたノズルチップ44とを有して、構成されている。ノズル本体42は、例えば、鉄や鉄合金等の金属材料を用いて形成された略厚肉の円筒体46と、この円筒部46の外周面の全体を覆う、鉄や鉄合金等の金属製の本体カバー48とを、更に有している。
【0033】
そして、かかるノズル本体42においては、その内孔50の内周面のうち、円筒体46の軸方向中央よりも先端側に所定寸法だけ偏倚した内周面部分に、先端側の内周面部分を基端側(
図1での上端側)の内周面部分よりも大径化する、軸直角方向に広がる平坦な円環面からなる段差面51が形成されている。これにより、段差面51よりもノズル本体42の基端側に位置する内孔50部分が、前記射出孔18と略同一の径を有して延びる本体側樹脂流路52とされている。また、段差面51よりもノズル本体の先端側に位置する内孔50部分が、本体側樹脂流路52よりも大径の収容孔部54とされている。そして、この収容孔部54の内周面のうち、ノズル本体42の先端側の内孔50の開口部から所定深さに至るまでの内周面部分に、雌ねじ56が形成されている。
【0034】
また、円筒体46の外周面には、加熱手段としてのコイルヒータ58が、円筒体46の略全長に亘って巻き付けられている。このコイルヒータ58は、円筒体46の外周面と、それを覆う本体カバー48の内周面との間で挟持されることにより、ノズル本体42に固定されている。また、コイルヒータ58には、給電線を介して、電源装置(共に図示せず)が接続されている。かくして、電源装置からの給電によるコイルヒータ58の発熱により、ノズル本体42の全体が加熱され、それにより、後述するように、本体側樹脂流路52内を流通する溶融樹脂と、収容孔部54内に収容されるノズルチップ44とを共に加熱するようになっているのである。
【0035】
さらに、ノズル本体42においては、軸方向(長さ方向)中央よりも基端側に所定寸法だけ偏倚して位置する外周面部分に、軸直角方向外方に突出して、周方向に連続して延びる円環状の段差部60が設けられている。これにより、ノズル本体42の段差部60よりも基端側部分が大径部62とされている一方、段差部60よりも先端側部分が小径部64とされている。ここでは、ノズル本体42の小径部64の外径が、固定型20に設けられた挿入孔32の第一挿入部37の径よりも僅かに小さな大きさとされている。
【0036】
一方、ノズルチップ44は、例えば、チタン合金やタングステン、或いはアルミニウムやアルミニウム合金等、ノズル本体42の円筒体46や本体カバー48の形成材料よりも熱伝導性の高い金属材料を用いて形成された筒体からなっている。そして、この筒体からなるノズルチップ44は、軸方向一方側(
図1での下側)に位置する先端部が、先端に向かって次第に小径となるテーパ形状を呈するテーパ部66とされている。また、かかるテーパ部66を除くノズルチップ44部分のうち、テーパ部66と隣接する軸方向一方側部分が、テーパ部66の最大径と同一の外径を有する小径部68とされている一方、軸方向中間部が、小径部68よりも外径の大きな中径部70とされ、更に、テーパ部66側とは反対の基端側(
図1での上側)部分が、中径部70よりも更に外径の大きな大径部72とされている。なお、ここでは、ノズルチップ44の大径部72の外径が、ノズル本体42の収容孔部54の内径よりも所定寸法だけ小さくされていると共に、ノズルチップ44の軸方向長さが、収容孔部54の軸方向長さよりも所定寸法だけ大きくされている。
【0037】
また、
図1及び
図2から明らかなように、かかるノズルチップ44においては、その内孔が、ノズル本体42の内部に設けられた本体側樹脂流路52と略同一の径を有するチップ側樹脂流路76とされている。更に、このチップ側樹脂流路76は、ノズルチップ44の先端部内で二つに分岐しており、そのようなチップ側樹脂流路76の二つの分岐流路が、ノズルチップ44のテーパ部66に形成された二つのノズル孔78,78を通じて、それぞれ外部に開口している。これにより、後述するように、本体側樹脂流路52からチップ側樹脂流路76内に流入した溶融樹脂が、チップ側樹脂流路76から二つのノズル孔78,78を通じて吐出されるようになっているのである。
【0038】
そして、ここでは、ノズルチップ44に対して、チップカバー74が外挿されて、二つのノズル孔78,78が設けられるテーパ部66の先端部を除くノズルチップ44の大部分が、チップカバー74にて被覆されている。このチップカバー74は、ノズルチップ44を形成する金属材料よりも熱伝導性の低い材料、例えば、鉄や鉄合金等の金属材料を用いて形成された筒体からなっている。また、この筒体からなるチップカバー74は、ノズルチップ44の中径部70と小径部68とテーパ部66の軸方向長さの合計よりも所定寸法だけ短い軸方向長さを有している。また、チップカバー74の内径が、ノズルチップ44の中径部70の外径よりも極僅かに大きく且つノズルチップ44の大径部72の外径よりも所定寸法だけ小さな寸法とされている。
【0039】
これによって、チップカバー74のノズルチップ44に対する外挿状態下で、ノズルチップ44のテーパ部66の先端部位が、そこに設けられた二つのノズル孔78,78を外部に露出させるように、チップカバー74の軸方向一方側の先端側開口部から突出位置させられている。また、ノズルチップ44の大径部72が、チップカバー74の先端側とは反対の基端側開口部を通じて、外部に突出位置している。そして、かかる配置状態下で、ノズルチップ74の大径部72と中径部70との間に形成される、軸直角方向に広がる平坦な円環面からなる段差面が、チップカバー74の基端側端面に当接している。
【0040】
また、チップカバー74においては、ノズルチップ44の先端側のテーパ部66に外挿される(テーパ部66を被覆する)先端部が、前記固定型20に設けられた挿入孔32の第二挿入部38の内周面形状に対応した形状、つまり、基端側が円筒面とされ、且つ先端側がテーパ面とされた形状の外周面を有して、かかる第二挿入部38内に挿入可能な形状とされている。なお、第二挿入部38の内周面に対応した形状の外周面を有するチップカバー74の先端部は、その軸方向長さが、第二挿入部38の軸方向長さよりも所定寸法短い長さとされている。
【0041】
さらに、ノズルチップ44の中径部70に外挿される(中径部70を被覆する)基端側部分の外周面には、雄ねじ80が形成されている。また、ノズルチップ44の小径部68に外挿される(小径部68を被覆する)、チップカバー74の軸方向中間部の外周面には、軸直角方向外方に所定高さで突出し、且つ周方向に連続して延びる円環板状の外フランジ部82が一体形成されている。そして、この外フランジ部82の厚さ方向両側端面のうち、チップカバー74の先端側に位置する端面が、ノズルチップ44の先端部の周囲に、かかる先端部の周方向に延出した、軸直角方向に広がる平坦な円環面からなるショルダ面84とされている。
【0042】
そして、そのようなチップカバー74が外挿されたノズルチップ44が、チップカバー74と共に、ノズル本体42における円筒体46の内孔50の収容孔部54内に、内孔50の先端開口部側から挿入されて、収容されている。また、かかる収容状態下で、チップカバー74の基端側部分の外周面に形成された雄ねじ80が、収容孔部54の内周面に形成された雌ねじ56に螺合されている。そして、この雄ねじ80の雌ねじ56に対する締付けにより、ノズルチップ44のチップ側樹脂流路76が、ノズル本体42の本体側樹脂流路52に連通した状態で、ノズルチップ44の大径部72が、チップカバー74の基端側端面と、ノズル本体42の内孔50の内周面の軸方向中間部に設けられた段差面51との間で挟持されて、ノズルチップ44が、ノズル本体42の先端部に固定されている。
【0043】
かくして、ノズル本体42の先端部へのノズルチップ44の固定状態下において、チップカバー74の外フランジ部82と、外フランジ部82よりも先端側部分とが、ノズル本体42の内孔50から、その先端開口部を通じて突出配置されている。それにより、外フランジ部82の端面からなるショルダ面84が、ノズル本体42の先端において、ノズルチップ44の先端部の周囲に、軸直角方向に広がるように配置されている。また、ノズルチップ44の先端部に設けられた二つのノズル孔78,78が、ノズル本体42の先端において、外部に露出されている。
【0044】
そして、本実施形態にあっては、かくの如き構造とされたホットランナノズル40が、射出装置12の加熱筒16の先端に、以下のようにして固定されて、成形型14に組み付けられている。
【0045】
すなわち、
図1に示されるように、射出装置12の加熱筒16の先端には、高さの低い円柱形状を呈する射出孔形成ブロック86が、加熱筒16と同軸的に位置した状態で、複数(
図1には1個のみを示す)の取付ボルト88にて固定されている。この射出孔形成ブロック86には、加熱筒16への固定側とは反対側の端面において開口する凹部90が設けられている。この凹部90は、ノズル本体42の大径部62が収容可能な大きさを有している。
【0046】
また、射出孔形成ブロック86の中心部には、軸方向に延出して、凹部90の底面と、加熱筒16への固定側の端面とにおいて、それぞれ開口する貫通孔92が形成されている。この貫通孔92は、加熱筒16への固定側の端面において開口する一方の開口部の径が、加熱筒16の内孔の径と同一の大きさとされ、この一方の開口部を通じて、加熱筒16の内孔と連通している。また、かかる貫通孔92においては、延出方向中間に位置する内周面部分が、加熱筒16への固定側の端面の側から凹部90の底面の側に向かって次第に小径となるテーパ面とされている。これにより、凹部90の底面において開口する他方の開口部が、加熱筒16の内孔と同一径とされた一方の開口部よりも十分に小径化され、そして、この他方の開口部が、射出孔18とされている。なお、
図1から明らかなように、ここでは、射出孔18の径が、ノズル本体42の本体側樹脂流路52の径と同一の大きさとされている。
【0047】
一方、ホットランナノズル40におけるノズル本体42の小径部64には、取付板94が外挿されている。この取付板94は、厚肉の円環板からなり、中心部に、小径部64が挿通される挿通孔96を有している。かかる挿通孔96は、ノズル本体42の小径部64の外径よりも僅かに大きく、且つノズル本体42の大径部62の外径よりも小さな内径を有している。また、挿通孔96の二つの開口部のうち、ノズル本体42の大径部62側に位置する開口側の内周面部分には、係合部98が設けられている。この係合部98は、ノズル本体42の大径部62側の開口部を、それとは反対の開口部よりも所定寸法だけ大径化するように段付けする、軸直角方向に広がる段付け面を有している。
【0048】
そして、そのような取付板94の小径部64への外挿状態下で、ノズル本体42の大径部62が、加熱筒16の先端に固定された射出孔形成ブロック86の凹部90内に収容されていると共に、取付板94が、かかる凹部90を覆蓋するように位置して、射出孔形成ブロック90の先端面に重ね合わされている。また、かかる状態下において、ノズル本体42が、射出孔形成ブロック86及び加熱筒16と同軸上で、大径部62の端面を凹部90の底面に当接させると共に、ノズル本体42の本体側樹脂流路52を、射出孔形成ブロック86の射出孔18に連通させて、配置されている。更に、ノズル本体42の大径部62と小径部64とを段付けする段差部60が、取付板94の挿通孔96の内周面に設けられた係合部98に対して、ノズル本体42の軸方向において当接して、係合している。そして、取付板94が、複数(
図1には2個のみ示す)の取付ボルト100にて、射出孔形成ブロック86に固定されている。
【0049】
かくして、ノズル本体42の大径部62が、取付板94の係合部98と射出孔形成ブロック86の凹部90の底面との間で挟持されて、ホットランナノズル40が、射出装置12の加熱筒16の先端に固定されている。これにより、加熱筒16の射出孔18から射出された溶融樹脂が、ホットランナノズル40のノズル本体42の本体側樹脂流路52内に流入して、コイルヒータ58により加熱されつつ、本体側樹脂流路52内を流動し、更に、コイルヒータ58により加熱されたノズルチップ44のチップ側樹脂流路76内を流動して、二つのノズル孔78,78から吐出させられるようになっている。
【0050】
そして、本実施形態では、加熱筒16の先端に固定されたホットランナノズル40が、固定型20に設けられた挿入孔32内に、第一開口部33を通じて、同軸的に挿入されている。具体的には、ホットランナノズル40の先端からノズル本体42の小径部64の軸方向中間部までの部分が、挿入孔32の第一挿入部37の内周面に摺接して、案内されつつ、挿入孔32の第一挿入部37内に挿入配置されている。また、それと共に、ノズル本体42の小径部64の先端から突出するノズルチップ44の小径部68と、この小径部68に外挿されるチップカバー74部分に一体形成された外フランジ部82も、挿入孔32の第一挿入部37内に挿入配置されている。
【0051】
そして、
図2に示されるように、かくの如きホットランナノズル40の挿入孔32内への挿入状態下で、チップカバー74の外フランジ部82が有するショルダ面84の全面が、挿入孔32の段付け面36に当接して、ショルダ面84が、段付け面36に対して、ホットランナノズル40の軸方向(ホットランナノズル40の挿入孔32内への挿入方向)において係合している。これによって、ホットランナノズル40の挿入孔32内への更なる挿入が阻止されて、ホットランナノズル40の挿入孔32内への挿入量が規制されている。
【0052】
また、そのようなホットランナノズル40の挿入孔32内への挿入規制状態下において、ノズルチップ44のテーパ部66と、このテーパ部66の基端側部分に外挿された、チップカバー74のショルダ面84よりも先端側の部分だけが、挿入孔32の第二挿入部38内に挿入されて、かかる第二挿入部38の内周面と離間配置されている。
【0053】
かくして、チップカバー74の先端部、及びかかる先端部から突出するノズルチップ44のテーパ部66の先端部のそれぞれの外周面と、第二挿入部38の内周面との間に、断熱空間102が形成されている。これにより、高い熱伝導性を有するノズルチップ44が、固定型20(成形型14)に対して直接に接触することが回避され、また、ノズルチップ44の大部分を被覆するチップカバー74も、外フランジ部82のショルダ面84のみの限定された部分以外は、固定型20と非接触とされている。そうして、ノズルチップ44から固定型20への熱伝導が可及的に防止されるようになっている。
【0054】
さらに、ここでは、第二挿入部38内に挿入されたノズルチップ44のテーパ部66とチップカバー74の先端部の軸方向長さ(
図1にLにて示される長さ)が、第二挿入部38の軸方向長さと同じ長さとされて、ノズルチップ44のテーパ部66の先端縁が、前記ゲート口35に配置されている。これにより、ノズルチップ44のテーパ部66の先端部に設けられた二つのノズル孔78,78が、断熱空間102を通じてゲート口35に連通するように、ゲート口35に対して対応配置されている。これらのことから明らかなように、本実施形態では、チップカバー74のショルダ面84と挿入孔32の段付け面36とにて、挿入量規制手段が構成されている。
【0055】
そして、本実施形態の射出成形機10においては、上記の如きホットランナノズル40の挿入孔32内への挿入下で、射出装置12から、ホットランナノズル40に対して、加熱筒46を固定型20に接近させる方向に向かって押圧トルクが加えられている。
【0056】
かくして、外フランジ部82のショルダ面84が、挿入孔32の段付け面36に対して、射出装置12から加えられる押圧トルクの大きさに応じた力で押し付けられている。そして、それにより、ホットランナノズル40が、射出装置12と固定型20との間で挟持された状態で、固定型20に対して固定的に組み付けられている。また、それと共に、外フランジ部82のショルダ面84と挿入孔32の段付け面36との間が、ショルダ面84の段付け面36への押し付け力に基づいて、流体密にシールされるようになっているのである。
【0057】
以上の説明から明らかなように、本実施形態の射出成形機10にあっては、固定型20の段付け面36に当接して、係合するショルダ面84よりもホットランナノズル40の先端側に位置する部分が、ノズルチップ44のテーパ部66とチップカバー74の先端部のみとされている。そして、そのようなショルダ面84よりもホットランナノズル40の先端側に位置する部分(ノズルチップ44のテーパ部66)の軸方向長さ:Lが、十分に小さくされている。
【0058】
このため、本実施形態では、ノズルチップ44のテーパ部66やチップカバー74の先端部と、挿入孔32の第二挿入部37の内周面との間に形成される断熱空間102の最小幅(
図2にWにて示される寸法)が、予め設計された大きさに比して、ノズルチップ44のテーパ部66の軸方向長さ;Lの寸法公差の分だけ、誤差が生じている。しかしながら、テーパ部66の軸方向長さ:Lが十分に小さくされていることで、そのようなテーパ部66の寸法公差も極めて小さなものとされている。それ故、断熱空間102の最小幅:Wが、略設計値通りの値とされている。
【0059】
従って、かくの如き本実施形態の射出成形機10にあっては、断熱空間102の最小幅:Wが設計値よりも狭小化することによって、熱伝導性の高いノズルチップ44から成形型14(固定型20)への熱伝導量が設計量よりも大きくなってしまうことが、効果的に回避され得る。そして、その結果として、汎用樹脂を用いた射出成形は勿論、例えば、スーパーエンプラのような非常に高い融点を有する樹脂材料を用いた射出成形をも、極めてスムーズに且つ安定的に、繰返し実施することが可能となっているのである。
【0060】
また、本実施形態では、チップカバー74に一体形成された外フランジ部82のショルダ面84が、挿入孔32の段付け面36に対して、射出装置12から及ぼされる押圧トルクにより押し付けられて、それらショルダ面84と段付け面36との間がシールされるようになっている。これによって、ノズルチップ44のテーパ部66と挿入孔32の第二挿入部37の内周面との間に形成される断熱空間102以外の挿入孔32部分内への溶融樹脂の漏れが確実に防止され得る。
【0061】
さらに、本実施形態においては、段付け面36と接触するショルダ面84が、ノズルチップ44には設けられておらず、ノズルチップ44に外挿された、ノズルチップ44よりも熱伝導性の低い材料からなるチップカバー74に一体形成されている。これによって、ショルダ面84から段付け面36への熱伝導量が効果的に小さくされ、その結果、スムーズな射出成形が、より有利に実現され得るのである。
【0062】
また、本実施形態では、ホットランナノズル40が、射出装置12の加熱筒16の先端に固定されている。それ故、ホットランナノズル40を成形型14に取り付ける必要がなく、その分だけ、成形型14の構造の簡略化が図られ得る。
【0063】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0064】
例えば、前記実施形態では、ホットランナノズル40が、加熱筒16の先端に固定されていたが、ホットランナノズル40を加熱筒16とは独立した部材として構成しても良い。その場合には、例えば、以下のようにして、ホットランナノズル40が、成形型14に対して固定的に組み付けられることとなる。
【0065】
すなわち、
図3に示されるように、ノズル本体42の基端側端面、つまり、ノズルチップ44の固定側とは反対側の端面に、球面状のタッチ面104が設けられたホットランナノズル40が、挿入孔32内に挿入される。また、その挿入状態下で、ノズル本体42の先端から突出するチップカバー74の先端部に設けられた外フランジ部82のショルダ面84が、挿入孔32の内周面に設けられた段付け面36に当接させられる。そして、加熱筒16が、その先端に固定された射出孔形成ブロック86に設けられる球面状の先端面をノズル本体42のタッチ面104に当接させた状態で、ノズル本体42に押し付けられる。これによって、ホットランナノズル40が、加熱筒16と固定型20との間で挟持されて、成形型14に対して固定的に組み付けられるのである。
【0066】
また、ホットランナノズル40が、加熱筒16に対して非固定とされる場合には、例えば、
図4に示されるように、ホットランナノズル40を、複数(
図4には2個のみを示す)のブラケット106にて、成形型14(ここでは、固定型20)に固定することも可能である。
【0067】
すなわち、
図4に示されるように、ブラケット106は、鉄等の金属材料を用いて形成された略L字状の厚肉板材からなっている。そして、L字の脚部において、固定型20の型合わせ面24とは反対側の面に、挿入孔32の周囲に位置するようにボルト固定されている。また、ブラケット106の上端部には、板状突起108が、挿入孔32の中心軸側に向かって一体的に突設されている。一方、ホットランナノズル40には、ノズル本体42の大径部64に、軸直角方向に所定高さで突出し且つ周方向に連続して延びる外フランジ部110が、一体形成されている。
【0068】
そして、ここでは、ホットランナノズル40が、ノズル本体42の大径部64に設けられた外フランジ部110を、挿入孔32の周囲に固設された各ブラケット106の板状突起108に対して、その下方において対向位置させた状態で、挿入孔32内に挿入されている。また、それら互いに対向配置されたホットランナノズル40の外フランジ部110と、各ブラケット106の板状突起108の間には、圧縮コイルばね112等の弾性部材乃至は付勢部材が、所定量だけ圧縮された状態で介装されている。
【0069】
かくして、本実施形態の射出成形機10においては、挿入孔32に挿入されたホットランナノズル40と各ブラケット106の間に介装された各圧縮コイルばね112の付勢力により、ホットランナノズル40が、固定型20と各ブラケット106との間で挟持された状態で、固定型20に組み付けられるのである。
【0070】
そして、本実施形態では、加熱筒16の射出孔形成ブロック86の先端面が、ホットランナノズル40におけるノズル本体42の大径部62のタッチ面104に押圧接触されることにより、そのような加熱筒16から及ぼされる押圧力と、各圧縮コイルばね112の付勢力とに基づいて、ホットランナノズル40におけるチップカバー74の先端部に設けられた外フランジ部82のショルダ面84が、挿入孔32の内周面に設けられた段付け面36に押し付けられて、ホットランナノズル40の挿入孔32内での挿入量が規制されるようになっている。従って、このような本実施形態においても、前記第一の実施形態において奏される作用・効果と同様な作用・効果が、有効に享受され得る。
【0071】
また、
図5に示されるように、ホットランナノズル40を、挿入孔32内に挿入した状態で、固定型20に対して取付ボルト114にてボルト固定しても良い。
【0072】
この場合には、
図5に示されるように、挿入孔32の第一開口部33を通じて外部に突出するホットランナノズル40のノズル本体42の大径部62に、外フランジ部110が一体形成され、この外フランジ部110が、固定型20に対して、取付ボルト114にて固定される。また、そのような外フランジ部110と固定型20の型合せ面24の間には、圧縮コイルばね112等の弾性部材乃至は付勢部材が、介装される。これにより、取付ボルト114の固定型20への締結時に、外フランジ部110と固定型20の型合せ面24との非接触が維持される一方で、チップカバー74の先端部に設けられた外フランジ部82のショルダ面84が、取付ボルト114の締結力(締付力)に基づいて、挿入孔32の内周面に設けられた段付け面36に押し付けられる。そうして、ホットランナノズル40の挿入孔32内での挿入量が規制されると共に、ショルダ面84と段付け面36とが、取付ボルト114の締結力に基づいてシールされた状態で、ホットランナノズル40が、固定型20に固定されているのである。従って、このような本実施形態においても、前記第一の実施形態において奏される作用・効果と同様な作用・効果が、有効に享受され得る。
【0073】
また、
図6に示されるように、チップカバー74の先端部に設けられた外フランジ部82のショルダ面84に対して、ショルダ面84よりも面積の小さな先端面を有する環状突起116を一体形成し、この環状突起116の先端面を段付け面36に押圧接触させるようにしても良い。これにより、ショルダ面84の段付け面36に対する接触面積が十分に小さくされて、ショルダ面84から段付け面36への熱伝導量が、より有利に小さくされ得る。
【0074】
なお、そのような環状突起116は、ノズルチップ44の周方向に連続して延びる突条形態を有するものであれば、その全体形状や断面形状が、何等限定されるものではない。また、ショルダ面84に代えて、或いはショルダ面84に加えて、段付け面36に形成することも可能である。ショルダ面84と段付け面36の両方に形成する場合には、ショルダ面84と段付け面36の相互の接触面積を減少させる上から、それらショルダ面84と段付け面36にそれぞれ形成された環状突起116,116の先端面同士が、互いに当接するようになっていることが望ましい。
【0080】
さらに、前記幾つかの実施形態では、ショルダ面84が、段付け面36に押圧接触することにより、断熱空間102のシールが実現されていた。しかしながら、例えば、挿入孔32の第二挿入部38内に挿入されたチップカバー74の先端部のうち、円筒状の外周面部分を、チップカバー74の先端部の熱膨張により、第二挿入部38の円筒状内周面に接触させることで、断熱空間102をシールするように構成しても、何等差し支えない。即ち、ショルダ面84は、少なくとも、挿入孔32内でのホットランナノズル40の挿入量を規制し得るように、段付け面36に当接しておれば良いのである。
【0081】
また、前記幾つかの実施形態では、ショルダ面84と段付け面36とが、ホットランナノズル40や挿入孔32の軸直角方向に広がる平坦面とされていたが、それらショルダ面84と段付け面36は、ホットランナノズル40と挿入孔32の軸方向において互いに係合する形状を有しておれば良い。従って、ショルダ面84と段付け面36とを、ホットランナノズル40や挿入孔32の軸直角方向に交差する方向に広がる傾斜面や湾曲面とすることも可能である。
【0082】
加えて、ホットランナノズル40を加熱筒16の先端に固定する場合にあっても、また、ホットランナノズル40を成形型14に固定する場合にあっても、それらの固定構造は、前記幾つかの実施形態に示されるものに、何等限定されるものでないことは、勿論である。
【0083】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。