【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の側面において、本発明は次の工程を含む光学装置の形成方法を提供する。
【0015】
第1のタイプの電荷輸送体を注入又は取得することができる第1電極を含む基板を提供し、
第1電極の上に、架橋性ビニル又はエチニル基のない積層時に溶媒に溶解する第1の半導体材料を積層して、溶媒に少なくとも部分的に不溶な第1層を形成し、
溶媒中の溶液から第2の半導体材料を積層して、第1層に接触し第2の半導体材料を含む第2層を形成し、
第2層上に、第2のタイプの電荷輸送体を注入又は取得することができる第2電極を形成する。
【0016】
ここで、第1層は、第1の半導体材料の積層後、熱、真空及び外気乾燥処理の1又は2以上によって少なくとも部分的に不溶性にされる。
【0017】
好ましくは、第1及び第2の半導体材料の少なくとも1つはポリマーである。より好ましくは、第1及び第2の半導体材料のどちらもポリマーである。
【0018】
好ましくは、本発明の方法は、第2層の形成前に第1層を加熱する工程を含む。より好ましくは、第1層は第1の半導体材料のガラス転移温度より高い温度で加熱される。
【0019】
ここで使用される「外気乾燥処理」とは、熱又は真空を含まずに第1層から溶媒を蒸発することを可能にする処理を意味する。特に、外気乾燥処理は外気環境、選択的に不活性ガス流の存在において第1層から溶媒を蒸発させることを可能にする。
【0020】
好ましくは、本発明の方法は、第2層の形成前に、第1の半導体材料が溶解する洗浄溶媒を用いて第1層を洗浄する工程を含む。
【0021】
好ましくは、第1層は溶媒中の溶液から積層される。
【0022】
好ましくは、溶媒は、芳香族炭化水素であり、より好ましくはアルキレートベンゼン及びより好ましくはトルエン又はキシレンである。
【0023】
好ましくは、第1の半導体材料はビニル又はエチニル基以外の架橋基の無い半導体材料である。
【0024】
第1及び第2の半導体材料の一方又は両方がポリマーである場合、第1及び第2の半導体ポリマーの繰り返し単位は少なくとも部分的に共役されたポリマー主鎖を形成するために隣接する繰返し単位に共役されることが好ましい。
【0025】
このようなポリマーは好ましくは9−置換又は9,9'−二置換フルオレン−2,7−ジイル繰返し単位、最も好ましくは選択的に置換された次式(I)の単位である。
【化1】
ここで、R及びR'は水素又は選択的に置換されたアルキル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルから独立して選択され、R及びR'の少なくとも1つは水素ではない。より好ましくは、R及びR'の少なくとも1つは選択的に置換されたC
4−C
20アルキル基を含む。
【0026】
本発明の方法によって作製される装置の第1の好ましい実施例においては、第1電極は正孔を注入又は取得することが可能であり、第2電極は電子を注入又は取得することが可能である。この実施例において、導電性有機材料層は好ましくは第1電極及び第1層の間に供給される。導電性有機材料は、典型的には、荷電種、特に電荷バランスドープ剤を有する帯電ポリマーを含む。導電性ポリマーの例は、電荷バランスポリ酸を有するPEDT又はポリアニリンの導電型である。好ましくは、導電性有機材料層はPEDT/PSSである。
【0027】
この実施例において、第1の半導体材料は好ましくは正孔輸送材料、より好ましくはトリアリールアミン繰返し単位を含むポリマーを含む。特に好ましいトリアリールアミン繰返し単位は、式1−6で表される選択的に置換された繰返し単位から選ばれる。
【化2】
ここで、X,Y,A,B,C及びDは、H又は置換基から独立して選択される。より好ましくは、1又は2以上のX,Y,A,B,C及びDはアルキル、アリール、ペルフルオロアルキル、チオアルキル、シアノ、アルコキシ、ヘテロアリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基である。
【0028】
また、特に好ましいトリアリールアミン繰返し単位は式7の選択的に置換された繰返し単位である。
ここで、Hetはヘテロアリールである。最も好ましくは、Hetは4−ピリジルである。
【化3】
【0029】
好ましくは、第1の半導体材料は、フルオレン繰返し単位とトリアリールアミン繰返し単位の1:1の規則的な交互共重合体を含む。
【0030】
本発明の方法により製造される装置の第2の好ましい実施態様において、第1電極は電子を注入又は取得することができ、第2電極は正孔を注入又は取得することができる。この実施態様において、第1の半導体材料は好ましくは電子輸送材料、好ましくは選択的に置換された9,9−ジアルキルフルオレン−2,7−ジイルのホモポリマーを含む。
【0031】
好ましくは、第1層は20nm以下の厚さを有し、より好ましくは10nm以下の厚さを有し、最も好ましくは3−10nmの範囲である。
【0032】
好ましくは、第2の半導体ポリマーは複数の領域を含み、正孔輸送領域、電子輸送領域及び発光領域の少なくとも2つ、より好ましくはこれら3つの領域を含む。
【0033】
第2の側面において、本発明は、本発明の方法に従って作製される光学装置を提供する。好ましくは、光学装置は電子冷光放射性装置であり、特に、青色発光電子冷光放射装置である。青色発光電子冷光放射装置の一部は、白色発光電子冷光放射装置を提供するために青色光のダウンコンバート(downconvert)により赤色光及び緑色光を作ることができる蛍光体によってダウンコンバートされる。
【0034】
本発明の方法は第1層が特に薄いポリマーラミネートの形成を可能にする。したがって、第3の側面において、本発明は、次のものを順番に含む光学装置を提供する。
基板、
第1のタイプの電荷輸送体を注入又は取得することができる第1電極、
溶媒に不溶な第1の半導体ポリマーを含む20nm以下の厚さを有する第1層、
溶媒に溶解可能な第2の半導体ポリマーを含む第1層に接触する第2層、
第2のタイプの電荷輸送体を注入又は取得することができる第2電極、
を含む装置。
【0035】
第4の側面において、本発明は次の各工程を含む光学装置の形成方法を提供する。
【0036】
正孔を注入又は取得することができ、プロトンを提供することができる導電性有機材料を支持する基板を提供し、
プロトンを取得することができる半導体材料を積層することによって、導電性有機材料の上にこれに接して、第1層を形成する。ここで、半導体ポリマーは積層時に溶媒に溶解性を有し、
第1層に加熱、真空又は外気乾燥処理の1又は2以上の処理を施し、
第1層の上にこれと接触して、溶媒中の溶液から第2の半導体材料を積層することによって第2層を形成し、
第2層の上に、電子を注入又は取得することができる第2電極を形成する方法。
【0037】
好ましくは、第1の半導体ポリマーはトリアリールアミン繰返し単位を含む。より好ましくは、トリアリールアミン繰返し単位は上記の繰返し単位1−7から選ばれる。
【0038】
好ましくは、第1の半導体ポリマーは、フルオレン繰返し単位とトリアリールアミン繰返し単位の1:1の規則的な交互共重合体である。
【0039】
好ましくは、正孔を注入又は取得することができる無機材料層が基板と導電性有機材料の間に供給される。最も好ましくは、正孔を注入又は取得することができる無機材料はインジウム錫酸化物である。
【0040】
好ましくは、導電性有機材料はPEDT/PSSである。
【0041】
第5の側面において、本発明は次の工程を含む光学装置の形成方法を提供する。
【0042】
第1のタイプの電荷輸送体を注入又は取得することができる第1電極を含む基板を提供し、
フルオレン繰返し単位を含む第1の半導体ポリマーを第1電極上に積層することによって第1層を形成する。ここで、第1の半導体ポリマーは架橋性ビニル又はエチニル基であり、積層時に溶媒に可溶性を有し、
第1電極の上に、架橋性ビニル又はエチニル基のない第1の半導体材料を積層することによって、溶媒に少なくとも部分的に不溶な第1層を形成し、
第1層に加熱処理を施し、
第1層に接触し、溶媒中の溶液から第2の半導体材料を積層することによって第2の半導体材料を含む第2層を形成し、及び
第2層上に、第2のタイプの電荷輸送体を注入又は取得することができる第2電極を形成する。
【0043】
好ましくは、本発明の第5の側面の第1及び第2の半導体材料の少なくとも1つ、より好ましくは両方がポリマーである。
【0044】
第5の側面の第1の半導体材料は、第2の半導体ポリマーの積層に使用される溶媒に可溶であっても可溶でなくてもよい。
【0045】
第6の側面において、本発明は次の工程を含む光学装置を形成する方法を提供する。
【0046】
第1のタイプの電荷輸送体を注入又は取得することができる第1の電極を含む基板を提供し、
フルオレン繰返し単位を含む第1の半導体ポリマーを積層することによって第1の電極上に第1層を形成する。ここで、第1の半導体ポリマーは架橋性ビニル又はエチニル基を含まず、積層時に溶媒に可溶であり、
第1層に加熱、真空又は外気乾燥処理の1又は2以上を施し、
溶媒中の溶液から第2の半導体ポリマーを積層することにより、第1層に接触して第2の半導体ポリマーを含む第2層を形成し、
第2のタイプの電荷輸送体を注入又は取得することができる第2電極を第2層上に形成する。
【0047】
本発明のいずれの側面における第1及び第2の半導体ポリマーは異なる。例えば、第1及び第2のポリマーは2つのポリマーの分子量において異なってもよい。或いは、またはこれに加えて、第1及び第2のポリマーは、ポリマー内の繰返し単位の部位の規則性において異なってもよい。最も好ましくは、第1及び第2のポリマーの一方が、他のポリマーにおいて存在しない繰返し単位の少なくとも一つの型を含む点で異なる。したがって、例えば、繰返し単位の部位の規則性及び/又は化学的同一性に関する第1および第2のポリマー間の違いによって、第1のポリマーは積層時に正孔輸送層を形成してもよく、第2のポリマーは積層時に電子冷光放射層を形成してもよい。第2層は第2の半導体ポリマーからのみからなってもよいし、又は第2の半導体ポリマーを含む混合物であってもよい。
【0048】
「赤色光」は600〜750nm、好ましくは600〜700nm、より好ましくは610〜650nmの範囲の波長を有し、最も好ましくは約650〜660nmに発光ピークを有する放射線を意味する。
【0049】
「緑色光」は510〜580nm、好ましくは510〜570nmの範囲の波長を有する放射線を意味する。
【0050】
「青色有機光」は400〜500nm、より好ましくは430〜500nmの範囲の波長を有する放射線を意味する。
【0051】
本明細書で使用される「正孔輸送」、「電子輸送」及び「発光」は、例えば、WO00/55927及びWO00/46321において説明され、これらは当業者にとって自明であろう。
本発明は、実施例を用いて、添付の図面を参照して、より詳細に記載される。
【0052】
図1を参照すると、本発明の方法により製造される光起電装置は、基板1、インジウム錫酸化物のアノード2、有機正孔輸送材料層3、第1の溶解性半導体ポリマーの積層によって作成される不溶性材料層4、第2の半導体ポリマーの積層によって作成される層5及びカソード6を含む。
【0053】
光学装置は湿気及び酸素によって影響を受けやすい。したがって、基板は好ましくは湿気や酸素が装置に侵入するのを防止するための良好な障壁特性を有する。基板は、一般的にはガラスであり、しかしながら、特に装置の柔軟性が望まれる場合は代替の基板も使用することができる。例えば、基板は、プラスチック層および障壁層が交互になっている基板を開示するUS6268695にあるようなプラスチック又はEP0949850に開示されるような薄いガラスとプラスチックのラミネートを含む。
【0054】
本質的ではないが、正孔注入材料の層3の存在は、アノードから半導体ポリマー層への正孔の注入を助けるので望ましい。有機正孔注入材料の例は、EP0901176およびEP0947123に開示されるPEDT/PSS、またはUS5723873及びUS5798170に開示されるポリアニリンを含む。
【0055】
カソード6は電子が効率よく装置に注入されるように選ばれ、そのようなものとしてアルミニウム層のような単一導電性材料を含んでもよい。あるいは、それは複数の金属、例えば、WO98/10621に開示されるカルシウム及びアルミニウムの2層、又は、例えば、WO00/48258に開示されるような電子注入を促進するフッ化リチウムのような誘電体材料の薄膜である。
【0056】
本装置は好ましくは湿気及び酸素の侵入を防止するため封止材(示していない)によって封止されることが好ましい。適切な封止材はガラスのシート、例えばWO01/81649に開示されているようなポリマーと誘電体との交互スタックのような適切な障壁特性を有する薄膜、又は例えばWO01/19142に開示される機密性容器を含む。
【0057】
実用的装置においては、光が吸収され(光応答装置の場合)又は放射され(PLED装置の場合)るように、電極の少なくとも1つは半透明である。アノードが透明であるとき、典型的にはインジウム錫酸化物を含む。透明カソードの例は、例えば、GB2348316に開示されている。
【0058】
不溶性層4は、好ましくはフルオレン繰返し単位を含むポリマーを含む。
図1の実施例のように不溶性層がアノードと層5の間に位置するとき、それは好ましくは正孔を輸送することができる半導体ポリマー、例えば、WO99/54385に開示されるようなフルオレン繰返し単位及びトリアリールアミン繰返し単位のコポリマーから形成される。あるいは、不溶性層はカソード上に積層される。この例においては、不溶性層は好ましくは電子を輸送することができる半導体ポリマー、例えば、EP0842208に開示されるようなフルオレンのホモポリマーから形成される。
不溶性層4は、第1の半導体ポリマーの積層に続いて形成される。層は、積層時、完全に不溶性でも、部分的に不溶性でもよい。第1の層が部分的にのみ不溶性である場合、層中の不溶性フラクションは、積層時、層を加熱することによって増大してもよい。任意の可溶性の第1の半導体ポリマーは、完全に不溶性の層にしておくため、適切な溶媒中でリンスすることにより、層から除去されうる。
【0059】
層5を形成するために使用される本発明の第2の半導体ポリマーは、不溶性層4を形成するために使用される第1の半導体ポリマーと同じ溶媒に溶解することができる半導体材料であり得る。適切な第2の半導体ポリマーの例は、Adv.Mater.2000 12(23) 1737−1750及びこれの引用刊行物に開示される溶解性ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリフェニレン及びポリフルオレンを含む。単一ポリマー又は複数のポリマーが層5を形成するために溶液から積層されうる。複数のポリマーが積層されるとき、これらは好ましくは、正孔輸送ポリマー、電子輸送ポリマー、及び装置がPLEDの場合、WO99/48160に開示されるような発光ポリマーの少なくとも2つの混合物を含む。あるいは、層5は、正孔輸送領域、電子輸送領域及び例えばWO00/55927及びUS6353083に開示される発光領域の2又はそれ以上を含む単一の第2の半導体ポリマーから形成することができる。正孔輸送、電子輸送及び発光の各機能は、分離されたポリマー又は単一ポリマーの分離された領域によって供給されうる。あるいは、2以上の機能が単一の領域又はポリマーによって達成されうる。特に、単一のポリマー又は領域は電荷輸送及び発光の両方ができる領域であり得る。各領域は単一の繰返し単位を含むことができ、例えば、トリアリールアミン繰返し単位は正孔輸送領域であり得る。あるいは、各領域は、電子輸送領域としてポリフルオレン単位の鎖のような繰返し単位の鎖であり得る。そのようなポリマー内の異なる領域は、US6353083のようにポリマーの主鎖に沿って、又はWO01/62869のようにポリマーの主鎖からの分岐基として供給される。不溶性層4が正孔又は電子輸送特性を有する場合、この特性を有するポリマー又はポリマー領域は層5を含むポリマーから選択的に除外されうる。
【0060】
本発明の第1及び第2のポリマーは共に半導体である。いずれかのポリマーの主鎖は少なくとも部分的に共役されていてもよいし、共役されていなくてもよい。少なくとも部分的に共役された主鎖を有する半導体ポリマーの例としては、上記のポリフルオレン及びポリフェニレン並びにポリ(アリーレンビニレン)のようなポリアリーレンを含む。本発明は、また、例えば、ポリ(ビニルカルバゾール)のような共役された主鎖を有しない第1及び第2の半導体ポリマーを包含する。
【0061】
本発明の方法によって製造される光学装置は、第1及び第2電極が電荷輸送体を注入する場合、好ましくはPLEDである。この場合、層5は発光層である。
【0062】
光学装置は、第1及び第2電極が電荷輸送体を取得する場合、好ましくは光起電装置又は光検出器である。この場合、第2層は好ましくは正孔及び電子を輸送することができるポリマーを含む。
【0063】
本発明の発明者は、驚くべきことに、半導体ポリマーの複数層を提供することによって製造されれば、ポリマー光学装置の性能が向上することを発見した。第1層と第2層の実質的な混合を防ぐために、本発明の発明者は、驚くべきことに、第1層の適切な処理、特に加熱処理は第1層を不溶性にすることを発見した。
【0064】
本発明の発明者は、驚くべきことに、架橋(例えば、ビニル又はエチニル)部位を有しないフルオレン繰返し単位を含む半導体ポリマーは、不溶層4を形成するために積層されるとき部分的に不溶性となることを発見した。本発明の発明者は、この不溶層は(a)PEDT/PSS層の使用如何に関わらず、(b)空気又は窒素のみの雰囲気中で形成することを発見した。しかしながら、本発明の発明者は、装置特性を最大化するためにこの不溶層に熱、真空又は外気乾燥処理を施し、続いてポリフルオレンを積層すること、及び特に第1層の不溶性を高めることによって第2層と第1層が混合するのを最低にすることが必要であることを発見した。理論に拘束されないで言うならば、第1層の形成による溶解性の低下の可能性のあるメカニズムは、第1の半導体ポリマー内のフルオレン繰返し単位の9位に結合する溶解性基の喪失、又はポリマーからの溶媒の除去に続いて第1の半導体ポリマーが積層される表面への固着を含む。
【0065】
本発明の発明者は、他の半導体ポリマー、例えば、ポリ(ビニルカルバゾール)(PVK)が本発明の条件下で不溶層を形成できることを発見した。
【0066】
上記に概説したように、層4は、本発明の方法におけるポリマーの積層及び溶媒の蒸発に典型的に採用される条件下において、層5の積層に使用される溶媒への溶解に抵抗性がある。さらに、層4は上記溶媒で洗浄される時、溶解に抵抗性があることが発見された。層4の溶解は強制的な条件下前記溶媒中へ可能であるが、層4は、本発明の方法に従って、前記溶媒中の半導体ポリマーの積層に典型的に採用される条件下で、複数の電気活性有機層の形成を可能にするのに十分な程度に不溶性であることが望ましい。「不溶性」という用語は、したがってこのように解釈されるべきである。
【0067】
記載の処理はPLEDの効率及び寿命を改善することがわかった。理論に拘束されないで言うならば、次の事実が増加要因として働きうる。
【0068】
第1層は、アノードと第2層の間に位置するとき、正孔輸送、電子遮断層として働きうる。
【0069】
PEDT/PSS層が使用される場合、不溶層はプロトンが酸性のPSS材料から第2層に侵入するのを防ぐことができる。これは、プロトンを取得することができるピリジルのような、ポリマーが式1−6のアミン又は式7の範囲内のHet基のような塩基性単位を含むときに特に適用されうる。
【0070】
特にスピン洗浄(spin-rinsing)工程の採用によって達成される層の薄さは、高い稼動電圧のようにより厚い層が原因で生じうる装置特性の損害を生ずることなく、電荷の遮断を可能にしうる。
【0071】
一般的手続き
本発明は、第1の半導体ポリマーとして、下記に示すWO99/54385に開示されるポリマーF8−TFBを使用して具体化される。
【化4】
【0072】
一般的な工程は次のとおりである。
【0073】
1)Baytron P(登録商標)としてBayer社から入手可能なPEDT/PSSをガラス基板(米国コロラド州のApplied Films社から入手可能)に支持されたインジウム錫酸化物上にスピンコートにより積層する。
【0074】
2)濃度2%w/vを有するキシレン溶液からスピンコートによって正孔輸送ポリマーの層を積層する。
【0075】
3)正孔輸送材料の層を不活性(窒素)雰囲気中で加熱する。
【0076】
4)残留溶解性正孔輸送材料を除去するためにキシレン中で基板を任意にスピン洗浄する。
【0077】
5)キシレン溶液からスピンコートによって第2の半導体ポリマーを積層する。
【0078】
6)WO03/012891に開示されるプロセスにしたがって第2の半導体ポリマー上にNaF/Alカソードを積層し、Saes Getters SpAから入手可能な気密性の金属封止を用いて装置を密閉する。
【0079】
この一般的プロセス内のパラメータは変化し得る。特に、F8−TFBは濃度約3%w/vまで上げてもよく、0.5%w/vの濃度は特に薄い膜を提供するために使用することができる。選択的な加熱工程は約2時間までの適当な長さで続けることができる。選択的な加熱工程は約220℃までの適当な温度で行なうことができるが、好ましくは積層ポリマーのガラス転移温度以上がよい。当業者にとって自明なことであるが、第1及び/又は第2のポリマー、並びにPEDT/PSSのような他の装置要素は加熱温度が過剰であると熱劣化が起きてしまうので、過熱温度はそれに応じて選択されなければならない。最後に、本発明の発明者は第1層の厚さは第1の半導体ポリマーの分子量(Mw)の適切な選択によって改変できることを発見した。このように、Mwが50,000を有するF8−TFBは約2nmと同じくらいまで薄くでき、Mwが約250,000〜300,000では約15nmまで厚くすることができる。