(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記推定されたダウンリンクチャンネル状態に基づいて生成されたチャンネル状態情報を前記サービングセルにフィードバックすることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
前記4つの周波数パーティションは、少なくとも1つのブースティングされた周波数パーティションと、少なくとも1つのノン−ブースティングされた周波数パーティションとを含む、請求項1に記載の方法。
前記隣接するセルの前記獲得されたダウンリンク電力レベルパターンに基づいて、前記隣接するセルのダウンリンクチャンネル状態を推定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
前記4つの周波数パーティションは、少なくとも1つのブースティングされた周波数パーティションと、少なくとも1つのノン−ブースティングされた周波数パーティションとを含む、請求項10に記載のMS。
【背景技術】
【0002】
周波数再使用は、セルラーシステムで単位面積当たりのチャンネル数を増加できる方法の一つである。電波の強さは一般に距離が遠くなるほど徐々に弱くなり、一定距離以上離れた場所では電波間の干渉が少ないので、同一の周波数チャンネルを使用することができる。このような原理を利用して、同一の周波数を同時に多くの地域で使用することによって加入者容量を大きく増加させることができる。このような周波数の効率的な活用を周波数再使用という。
【0003】
地域を区分するための単位をセル(又はセクター)といい、通話を維持するための各セル間の周波数チャンネル転換をハンドオフという。アナログセルラー移動通信方式では、周波数再使用技術が必須である。周波数再使用率は、セルラーシステムでの周波数効率を示すパラメーターの一つである。周波数再使用率は、多重セル構造で同時に同一の周波数を使用するセル(セクター)の総数を多重セル構造全体のセル(セクター)の総数で割った値である。
【0004】
1Gシステム(例えば、AMPS(Advanced Mobile Phone Service))の周波数再使用率は1より小さい。例えば、7−セル周波数再使用において、周波数再使用率は1/7である。2Gシステム(例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)及びTDMA(Time Division Multiple Access))の周波数再使用率は1Gに比べて向上した。例えば、FDMA(Frequncy Division Multiple Access)とTDMAが結合されたGSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)での周波数再使用率は1/4〜1/3に到達し得る。2G CDMAシステム及び3G WCDMA(Wide Code Division Multiple Access)システムの場合、周波数再使用率は1に到逹し得るので、スペクトルの効率を増加させ、ネットワーク配置費用が減少する。
【0005】
一つのセル内の全てのセクター、そして、一つのネットワーク内の全てのセルが同一の周波数を使用するとき、周波数再使用率1を得ることができる。しかし、周波数再使用率が1であるシステムの場合、セル又はセクターの境界では隣接セル間の干渉が激しく、処理量の低下が不可避であり、また、サービス不能(outage)状況に直面するおそれがある。すなわち、セルの境界では、隣接セルからの干渉によって信号受信性能が減少することを意味する。
【0006】
OFDMA(Orthogonal Frequency−Division Multiple Access)ではチャンネルが副チャンネル単位で分離されているので、副チャンネル上で信号が伝送され、3G(CDMA2000又はWCDMA)のように全てのチャンネルを使用しない。このような特徴を利用して、セルの中央に位置するユーザーとセルの境界に位置するユーザーの処理量を同時に向上させることができる。
【0007】
具体的に、セルの中央領域は、基地局から近いことから、隣接したセルからの共同−チャンネル干渉(co−channel interference)に対して安全な方である。したがって、セルの中央に位置する内部ユーザーは、使用可能な全ての副チャンネルを使用することができる。しかし、セルの境界に位置するユーザーは、使用可能な全ての副チャンネルのうち一部のみを使用することができる。互いに隣接したセル境界では、各セルが互いに異なる副チャンネルを使用するように周波数を割り当てる。このような方式を部分周波数再使用(FFR:Fractional Frequency Reuse)という。全体の副搬送波を多数の周波数パーティションに直交分割し、これら周波数パーティションを適宜配置し、各セルで一部の周波数パーティションを使用しないか、これを低いパワーで使用することによって隣接セル間の共同チャンネル干渉を緩和することができる。
【0008】
最近、広帯域無線移動通信技術として多重入出力(Multiple Input Multiple Output:MIMO)システムが脚光を浴びている。MIMOシステムは、多数のアンテナを使用してデータの通信効率を高めるシステムをいう。MIMOシステムは、同一データ伝送の可否によって空間多重化技法と空間ダイバーシティ技法などのMIMO方式を利用して具現することができる。
【0009】
空間多重化技法は、多数の送信アンテナを介して互いに異なるデータを同時に伝送することによって、システムの帯域幅を増加せずにも高速でデータを伝送できる方式をいう。空間ダイバーシティ技法は、多数の送信アンテナで同一のデータを伝送し、送信ダイバーシティを得ることのできる方式をいう。このような空間ダイバーシティ技法の一例としては、時空間チャンネルコーディング(Space Time Channel coding)がある。
【0010】
また、MIMO技術は、受信側から送信側へのチャンネル情報のフィードバック可否によって開ループ方式と閉ループ方式に区分することができる。開ループ方式には、送信端から情報を並列に伝送し、受信端ではZF(Zero Forcing)、MMSE(Minimum Mean Square Error)方式を繰り返して使用して信号を検出し、送信アンテナの数だけ情報量を増加できるブラスト(BLAST)、及び新しい空間領域を利用して伝送ダイバーシティと符号化利得を得ることのできるSTTC(Space−Time Trellis Code)方式などがある。そして、閉ループ方式にはTxAA(Transmit Antenna Array)方式などがある。
【0011】
無線チャンネル環境では、時間領域及び周波数領域上でチャンネル状態が不規則に変わるフェーディング現象が発生する。したがって、受信機は、送信機から伝送されたデータを復元し、正しい信号を検出するために、チャンネル情報を利用して受信信号を補正する。無線通信システムは、送信機と受信機の両方が知っている信号を伝送し、前記信号がチャンネルを介して伝送されるときの歪曲程度を利用してチャンネル情報を検出するが、前記信号を参照信号(又はパイロット信号)といい、チャンネル情報を検出することをチャンネル推定という。参照信号は、実際にデータを含まず、高い出力を有する。そして、多重アンテナを使用してデータを送受信する場合は各送信アンテナと受信アンテナとの間のチャンネル状況を知るべきであるので、各送信アンテナ別に参照信号が存在する。
【0012】
協力マルチポイント(Coordinated Multi−Point:CoMP)システム(以下、CoMPシステムという)は、多重セル環境でのセル間干渉を減少させ、セル境界での端末の性能を改善するために提案されたものである。すなわち、CoMPシステムを利用すると、多重セル環境下でセル境界での端末の通信性能を向上させることができる。このためには、多重基地局からの参照信号に基づいた正確なチャンネル推定が必要である。CoMPシステムを利用すると、端末は、多重セルの基地局から共同でデータのサポートを受けることができる。このとき、各基地局は、システムの性能を向上させるために、同一の周波数資源を利用して一つ以上の端末(MS1、MS2、…、MSK)を同時にサポートすることができる。また、基地局は、基地局と端末との間のチャンネル状態情報に基づいて空間分割多重接続(Space Division Multiple Access:SDMA)方法を行うことができる。
【0013】
CoMPシステムでのサービング基地局及び一つ以上の協力基地局は、バックボーン網を介してスケジューラに連結される。スケジューラは、バックボーン網を介して各基地局(BS1、BS2、…、BSM)が測定した各端末(MS1、MS2、…、MSK)と協力基地局との間のチャンネル状態に関するチャンネル情報のフィードバックを受けて動作することができる。例えば、スケジューラは、サービング基地局及び一つ以上の協力基地局に対して協力的MIMO動作のための情報をスケジューリングする。すなわち、スケジューラから各基地局に協力的MIMO動作に対する指示を直接行うようになる。
【0014】
図1は、既存のイントラ基地局(intra eNB)とインター基地局(intere NB)のCoMPを概念的に示した図である。
【0015】
図1を参照すると、多重セル環境でイントラ基地局110、120及びインター基地局130が存在する。LTE(Long Term Evolution)でのイントラ基地局は、いくつかのセル(又はセクター)で構成されている。特定端末が属した基地局に属した各セルは、特定端末とイントラ基地局110、120の関係にある。すなわち、端末が属したセルのような基地局を共有する各セルはイントラ基地局110、120に該当するセルであって、他の基地局に属した各セルはインター基地局130に該当するセルである。このように、特定端末と同一の基地局を基盤としている各セルは、x2インターフェースなどを介して情報(例えば、データ、チャンネル状態情報)を取り交わすが、他の基地局を基盤としている各セルは、バックホール140などを介してセル間情報を取り交わすことができる。
【0016】
図1に示すように、単一セル内に位置する単一セルMIMOユーザー150は、一つのセル(セクター)で一つのサービング基地局と通信し、セル境界に位置した多重セルMIMOユーザー160は、多重セル(セクター)で多数のサービング基地局と通信することができる。
【0017】
上述したように、端末は、多重セル環境で各基地局(又はセル)間で協力的に動作するCoMP動作を行う。しかし、多重セル環境下でFFR方式を利用してCoMP動作を行う場合、セル境界の端末の性能を向上させるための隣接セルの干渉を効率的に推定する方法が未だに提案されていない。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る好適な実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。添付の図面と共に以下で開示する詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を説明するためのものであって、本発明が実施され得る唯一の実施形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、当業者であれば、本発明をこのような具体的な細部事項がなくても実施可能であることを知ることができる。例えば、以下の詳細な説明は、移動通信システムが3GPP LTEシステムである場合を仮定して具体的に説明するが、3GPP LTEの特有の事項を除いては、他の任意の移動通信システムにも適用可能である。
【0032】
いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略したり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示することができる。また、本明細書全体にわたって同一の構成要素については同一の図面符号を使用して説明する。
【0033】
併せて、以下の説明において、端末(又はユーザー機器)は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)などのような移動又は固定型のユーザー端機器を総称するものと仮定する。また、基地局は、Node B、eNode B、Base Stationなどのような端末と通信するネットワーク端の任意のノードを総称するものと仮定する。
【0034】
移動通信システムでは、端末が基地局からダウンリンクを通して情報を受信することができ、また、端末は、アップリンクを通して情報を伝送することができる。端末が伝送又は受信する情報としては、データ及び多様な制御情報があり、端末が伝送又は受信する情報の種類及び用途によって多様な物理チャンネルが存在する。
【0035】
図2は、移動通信システムの一例である3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)システムに利用される各物理チャンネル及びこれらを利用した一般的な信号伝送方法を説明するための図である。
【0036】
図2に示すように、電源がオフになってから再びオンになるか、新しくセルに進入した端末は、段階S201で基地局に同期を合わせるなどの初期セル探索作業を行う。このために、端末は、基地局から主同期チャンネル(P−SCH:Primary Synchronization Channel)及び副同期チャンネル(S−SCH:Secondary Synchronization Channel)を受信することによって基地局に同期を合わせ、セルIDなどの情報を獲得することができる。その後、端末は、基地局から物理放送チャンネルを受信することによってセル内の放送情報を獲得することができる。一方、端末は、初期セル探索段階でダウンリンク参照信号(DLRS:Downlink Reference Signal)を受信することによってダウンリンクチャンネル状態を確認することができる。
【0037】
初期セル探索を終了した端末は、段階S202で物理ダウンリンク制御チャンネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)及び前記物理ダウンリンク制御チャンネル情報に対応する物理ダウンリンク共有チャンネル(PDSCH:Physical Downlink Control Channel)を受信することによって、より具体的なシステム情報を獲得することができる。
【0038】
一方、基地局に最初に接続したり、信号伝送のための無線資源がない場合、端末は、基地局に段階S203〜段階S206のような任意接続過程を行うことができる。このために、端末は、物理任意接続チャンネル(PRACH:Physical Random Access Channel)を介して特定シーケンスをプリアンブルとして伝送し(S203)、PDCCH及びこれに対応するPDSCHを介して前記任意接続に対する応答メッセージを受信することができる(S204)。ハンドオーバーの場合を除いた競争基盤の任意接続の場合、端末は、追加的なPRACHの伝送(S205)及びPDCCH/PDSCH受信(S206)のような衝突解決手順(Contention Resolution Procedure)を行うことができる。
【0039】
上述した手順を行った端末は、その後、一般的なアップリンク/ダウンリンク信号伝送手順としてPDCCH/PDSCH受信(S207)及び物理アップリンク共有チャンネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)/物理アップリンク制御チャンネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)伝送(S208)を行うことができる。このとき、端末がアップリンクを通して基地局に伝送したり、又は端末が基地局から受信する制御情報には、ダウンリンク/アップリンクACK/NACK信号、CQI(Channel Quality Indicator)/PMI(Precoding Matrix Index)/RI(Rank Indicator)などがある。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(Long Term Evolution)システムの場合、端末が上述したCQI、PMI、RIなどの制御情報をPUSCH及び/又はPUCCHを介して伝送することができる。
【0040】
本発明で使用される基地局という用語は、地域的な概念で使用される場合、セル又はセクターと称することができる。サービング基地局(又はセル)は、端末に既存の主要サービスを提供する基地局と見ることができ、協力多重伝送ポイント(coordinated multiple transmission point)上での制御情報の送受信を行うことができる。このような意味で、サービング基地局(又はセル)は、アンカー基地局(又はセル)と称することができる。同様に、隣接基地局は、地域的な概念で使用される隣接セルと称することができる。また、セル又はセクターは、FFRを運用する基本的なネットワーク要素を称するためのもので、FFRを運用してセル境界の端末にサービスを提供するという観点で、これらは互いに混用して称することができる。
【0041】
多重セル環境下でCoMP方式を利用すると、セル境界の端末の通信性能を改善することができる。このようなCoMP方式は、データ共有を通した協力的MIMO形態のジョイントプロセッシング(JP:Joint Processing)と、ワーストコンパニオン(worst companion)、ベストコンパニオン(best companion)のようなセル間干渉を減少させるための協力スケジューリング/ビームフォーミング(CS/CB:Coordinated Scheduling/Beamforming)方式などがある。ここで、ワーストコンパニオン方式は、端末がCoMPを行う各セルに対して最も干渉の大きいPMIをサービング基地局に報告することによって該当のセルがそれに該当するPMIを除いた次善のPMIを使用する干渉除去方法である。ベストコンパニオン方式は、端末がCoMPを行う各セルに対して最も干渉の少ないPMIを報告することによって該当のセルがそれに該当するPMIを使用するセル間干渉減少方法である。このようなCoMP方式は、多重セル基盤の環境でサービング基地局と隣接基地局との間で協力的に動作を行う通信方式を含む意味として使用することができる。
【0042】
多重セル環境で部分周波数再使用(FFR)を適用するために、各基地局は、副チャンネル上で互いに異なる周波数帯域(又は周波数パーティション)を使用することができる。しかし、一部のトーンは全てのセクターによって使用されるので、周波数再使用率が1である。一方、他のトーンは各セクターによって1/3のみが使用されるので、周波数再使用率が1/3である。このような周波数再使用率は、ネットワーク設定にしたがって多様に設定することができる。また、FFR方式としては、ハードFFR方式及びソフトFFR方式がある。ハードFFR方式では一部のトーンが全く使用されない。一方、ソフトFFR方式では、一部のトーンは低い電力で使用される。このように、FFRは、設定にしたがって多様に構成することができ、多重セル間の干渉を効果的に減少させる方案になり得る。したがって、FFRを実際の応用で効果的に運用するためには、FFRの構成に関する情報が各基地局及び/又は各端末の間で共有されなければならない。
【0043】
特に、ソフトFFR方式の場合、端末が多重セルから受信した信号に基づいたCQI(channel quality index)を測定するにおいて各周波数帯域(又は周波数パーティション)の伝送電力を知っていなければならない。すなわち、多重セル基盤下でFFR方式を利用してCoMP(特に協力スケジューリング方式(Coodinated Scheduling))動作を効率的に行うためには、隣接セルの干渉レベルなどの情報を推定する必要がある。
【0044】
セル境界に位置した各ユーザーの場合、隣接したセルからの干渉によって信号の受信性能が減少する。多重セル基盤のFFRは、このような隣接セルによる干渉を減少させることによってセル境界の端末の性能を向上させることができる。このような多重セル基盤のFFRは、CoMPシステムにおいて協力スケジューリング/ビームフォーミング(CS/CB:coordinated scheduling/beamforming)の一つの範疇として考慮することができる。
【0045】
多重セル基盤のFFR方式を利用する環境下で、FFRを行う各セルが特定周波数帯域をブースティング又はノン−ブースティングすることによって、特定周波数帯域を使用するセル境界端末に及ぶセル間干渉を減少させることができる。
【0046】
図3は、多重セル環境で特定端末がセル内の位置によって一つ以上の基地局からサービスを受ける一例を示した図である。
【0047】
図3を参照すると、端末aは、セルAの境界に属した端末としてセルAからサービスを受けるが、セルBの境界にも属しているためセルBの影響を受けるようになる。同様に、端末bは、セルBの境界に属した端末としてセルBからサービスを受けるが、セルAの境界にも属しているためセルAの影響を受けるようになる。また、端末c1は、セルCの境界に属した端末としてセルCからサービスを受けるが、セルBの境界にも属しているためセルBの影響を受けるようになる。端末c2は、セルCの境界に属した端末としてセルCからサービスを受けるが、他のセル(図示せず)の境界にも属しているため隣接セルの影響を受けるようになる。端末dは、セルDの境界に属した端末としてセルDからサービスを受けるが、セルB及びセルCの境界にも属しているためセルB及びセルCの影響を受けるようになる。
【0048】
すなわち、端末a、b、c1、c2及びdは、少なくとも2個のセルの境界に属した端末として隣接セルによって同時に影響を受ける。したがって、隣接セルによる共同−チャンネル干渉(co−channel interference)により、受信したサービスのデータ処理量が減少するようになる。一方、内部ユーザーは、隣接セルによって影響を受けない。
【0049】
図4は、多重セル環境でFFR方式を利用してCoMP動作を行う場合に適用可能なハードFFRの構成例を示した図である。
【0050】
図4を参照すると、セルが使用可能な総周波数資源は、FFR適用と関連して様々な基準で区分/分類することができる。まず、各セルが使用可能な総周波数帯域(又はパーティション)は大きく二つの領域に区分することができる。第一の領域は、隣接セルとの境界に位置した境界ユーザー(境界端末)のための周波数帯域で、第二の領域は、セルの内部ユーザー(内部端末)のための周波数帯域である。
【0051】
FFR方式で、境界ユーザーのための周波数帯域は多数のより小さい領域に区分することができる。
図4に示したFFR方式は、FFR1/3(すなわち、FFRと関連した周波数再使用率が1/3であることを意味する)の場合を例示している。FFR1/3の場合、前記境界ユーザーのための周波数資源は3つの領域に区分され、各セルは、前記3つの領域のうち一つの領域のみを使用して境界ユーザーにサービスを提供する。
【0052】
本発明で各セルが端末にサービスを提供するのに利用する周波数資源は、いくつかの周波数資源グループに分割することができ、このとき、特定周波数資源グループは、特定周波数帯域又は特定周波数パーティションなどと称することができる。また、前記周波数資源グループは、FFRと関連した用途によって分類することができる。
図4に示すように、セルが使用可能な総周波数資源グループは、FFRと関連した用途によって3つの周波数帯域に分類することができる。
【0053】
例えば、セルAを基準にして説明すると、第1の周波数帯域410は、境界ユーザーのために実際に使用する周波数資源グループとして「FFR_band_edge」と称することができる。第2の周波数帯域420、430は、境界ユーザーのための周波数資源グループのうち境界ユーザーのために使用しない周波数資源グループとして「FFR_band_inner」と称することができる。第3の周波数帯域440は、内部ユーザーのための周波数資源グループとして「inner_band」と称することができる。
【0054】
また、
図4に示したように、各セルは、境界ユーザーのために割り当てられた周波数資源のうち1/3のみを使用するので、セル境界ユーザーのための周波数再使用率は1/3である。その一方、各セルは、内部ユーザーのために割り当てられた周波数資源を全て使用するので、内部ユーザーのための周波数再使用率は1である。
【0055】
図5は、多重セル環境でFFR方式を利用してCoMP動作を行う場合に適用可能なソフトFFRの構成例を示した図である。
【0056】
図5を参照すると、各セルに割り当てられた総周波数資源は4つの周波数資源グループ510〜540に分けることができる。各セルでの周波数資源グループ1〜周波数資源グループ3は、セル境界の端末のための周波数資源として
図4の410〜430に対応する。周波数資源グループ4は、各セルの内部に位置した端末のための周波数資源グループとして
図4の440に対応する。また、
図5に示したセルA〜Cは、
図4のセルA〜Cに対応する。
【0057】
図5で例示したソフトFFRの一具現例は、基本的に
図4に例示したハードFFRの一具現例と類似している。ただし、
図5に例示したソフトFFRは、
図4のハードFFRで未使用周波数資源グループ(例えば、
図4のセルAで420及び430に該当する周波数資源グループ)による帯域幅効率の減少を防止することができる。以下では、セルAを例に挙げて説明する。セルAが使用可能な総周波数資源は4つの周波数資源グループに分けることができる。
図5で、周波数資源グループ1〜周波数資源グループ3は、セル境界の端末のための周波数資源グループとして周波数再使用率が1/3である。したがって、セルAは、周波数資源グループ1〜3のうち一つの周波数資源グループ510(FFR_band_edge領域)のみを利用してセル境界の端末にサービスを提供することができる。一方、残りの二つの周波数資源グループ520、530(FFR_band_inner領域)は境界の端末のために使用しない。これと異なって、周波数資源グループ4は、セルA内の端末のために割り当てられた周波数資源グループ540(inner_band領域)として周波数再使用率が1である。
【0058】
図4で例示したハードFFR方式とは異なって、
図5でソフトFFR方式を適用したセルAは、周波数資源グループ2及び周波数資源グループ3に該当する周波数資源(FFR_band_inner)を追加的に利用してセルAの内部端末にサービスを提供することができる。このために、セルAは、周波数資源グループ2及び周波数資源グループ3に該当する周波数資源の電力水準を低く設定することによって、セルB及びセルCの境界に位置する端末との干渉を防止することができる。
【0059】
このように、ソフトFFR方式では、周波数資源をグループ化し、各グループの用途などによって各グループの電力水準を異なるように設定することによって周波数の効率性を向上させることができる。
【0060】
図5で、各セルが端末にサービスするために使用する電力レベルは、周波数資源グループの用途によって3つの種類(PFFR_band_edge≧Pinner_band>PFFR_band_inner)に区分することができる。ここで、PFFR_band_edgeは、セル境界に位置する端末に周波数再使用率が1/3の周波数資源グループ(FFR_band_edge)を利用してサービスを提供する場合に使用することができる。そして、PFFR_band_innerは、セルの内部に存在する端末に周波数再使用率が1/3の周波数資源グループ(FFR_band_inner)を利用してサービスを提供する場合に使用することができる。また、Pinner_bandは、セルの内部に存在する周波数再使用率が1である周波数資源グループ(inner_band)を利用してサービスを提供する場合に使用することができる。
【0061】
このようなソフトFFR方式を効率的に運営するために、周波数資源グループ別に電力レベルを設定する必要があり、基地局及び/又は端末は、周波数資源グループ別に電力レベルを知っていなければならない。特に、端末が多重セル基盤でFFR方式を利用してCoMP協力スケジューリング(CS)方式を効率的に行うためには、隣接セルの干渉レベルなどの情報を推定する必要がある。このために、端末が、サービングセルの周波数資源グループ別の電力レベルだけでなく、隣接セルの周波数資源グループ別の電力レベルを知っていると、CQI値などを効率的に推定するにおいて望ましい。
【0062】
また、セル(又はセクター)内のユーザー分布によってFFRを効率的に運営するために、FFRのために割り当てられた各周波数資源グループの帯域幅又は各周波数資源グループの構成比を柔軟に調節する適応的FFR技法を考慮することができる。このために、各基地局及び/又は端末は、各周波数資源グループの帯域幅又は各周波数資源グループの構成比と関連した情報を知っていなければならない。
【0063】
以下、端末が多重セル環境でCoMPのためのFFRを行うために必要なFFR情報について説明する。
【0064】
サービング基地局は、CoMPのためのFFRを行う端末にサービングセル及び/又はCoMPを行う各セルでブースティングされた周波数資源グループ、ノン−ブースティングされた周波数資源グループを知らせることができる。このとき、サービング基地局は、ブースティングされた周波数資源グループ及びノン−ブースティングされた周波数資源グループをビットマップ形式で端末に知らせることができる。また、サービング基地局は、各セルのブースティングされた周波数資源グループのインデックスを端末に知らせることもできる。
【0065】
FFRを行う多重セルのブースティングレベル、ノン−ブースティングレベルが互いに同一であり、各電力レベルが予め定められている場合、電力レベルは、オン−オフ形式のバイナリコードで表現可能である。そうすると、サービング基地局は、サービングセル及び隣接セルの周波数資源グループに対するブースティング又はノン−ブースティングのみを端末に知らせることができる。FFRを行う全てのセルでブースティング電力レベルが同一である場合、この値は予め定義された特定値にもなり得る。また、各セルのブースティング電力レベルは、サービングセルのブースティング電力レベルと同じ値に設定することもできる。
【0066】
他の方法で、部分周波数再使用率(例えば、1/2、1/3、1/4、…、1/n)によってブースティング電力レベル、ノン−ブースティング電力レベルによるパターンを予め設定することができる。すなわち、CoMPのためにFFRを行う各セルに対して予め設定された周波数再使用率によるFFRブースティングレベルパターンのみを端末に知らせることもできる。以下では、FFRブースティングレベルパターンを例に挙げて説明する。
【0067】
図5を参照すると、FFRは、部分周波数再使用率1/3で動作している。部分周波数再使用率1/3に該当するFFRパターンとしては、3つのFFRブースティングレベルパターンが存在し得る。FFRを行う各セルは、これらのうち一つのパターンに該当するブースティング電力レベル、ノン−ブースティング電力レベルによって伝送電力のレベルを決定することができる。
【0068】
次の表1は、部分周波数再使用率が1/3である場合の各セルに対するFFRブースティングレベルパターンの例を示した表である。
【0069】
【表1】
表1を参照すると、1番目のFFRブースティングレベルパターンは[グループ1、グループ2、グループ3]=[ブースティング、ノン−ブースティング、ノン−ブースティング]に、2番目のFFRブースティングレベルパターンは[グループ1、グループ2、グループ3]=[ノン−ブースティング、ブースティング、ノン−ブースティング]に、3番目のFFRブースティングレベルパターンは[グループ1、グループ2、グループ3]=[ノン−ブースティング、ノン−ブースティング、ブースティング]にそれぞれ表現することができる。
【0070】
次の表2は、部分周波数再使用率が1/4である場合の各セルに対するFFRブースティングレベルパターンの例を示した表である。
【0071】
【表2】
表2を参照すると、部分周波数再使用率が1/4である場合は、4つのFFRブースティングレベルパターンがあり得る。例えば、1番目のFFRブースティングレベルパターンは[グループ1、グループ2、グループ3、グループ4]=[ブースティング、ノン−ブースティング、ノン−ブースティング、ノン−ブースティング]に、2番目のFFRブースティングレベルパターンは[グループ1、グループ2、グループ3、グループ4]=[ノン−ブースティング、ブースティング、ノン−ブースティング、ノン−ブースティング]に、3番目のFFRブースティングレベルパターンは[グループ1、グループ2、グループ3、グループ4]=[ノン−ブースティング、ノン−ブースティング、ブースティング、ノン−ブースティング]に、4番目のFFRブースティングレベルパターンは[グループ1、グループ2、グループ3、グループ4]=[ノン−ブースティング、ノン−ブースティング、ノン−ブースティング、ブースティング]にそれぞれ表現することができる。サービングセルは、FFRを行う隣接セルに対するこのようなFFRブースティングレベルパターン情報を端末に知らせることができる。
【0072】
以上説明した内容である基地局が端末にFFRを行う多重セルに対するブースティング、ノン−ブースティングレベルを知らせる方法とは異なって、端末は、セルIDに基づいて予め設定されたFFRブースティングレベルパターンを使用することによって、基地局から別途の指示がなくてもFFRを効率的に行うことができる。すなわち、端末は、FFRを行う隣接セルのセルIDに基づいてFFRを効率的に行うことができる。端末は、隣接セルのセル関数値(例えば、(セルID modulus(1/部分周波数再使用率))値によって予め設定されたFFRブースティングレベルパターンを利用することによって効率的にFFRを行うことができる。この場合、端末は、測定過程で隣接セルのセルIDのみを獲得すると、基地局からの追加的な指示がなくてもFFRを行うことができる。このとき、FFRを行う多重セル間のブースティング、ノン−ブースティングレベルは同一の電力レベルを有することができる。
【0073】
例えば、部分周波数再使用率1/3で動作するFFRシステムを仮定すると、端末は、隣接セルの(セルID modulus 3)の値に基づいて予め定義されたFFRブースティングレベルパターンによってFFRを行うことができる。前記表1を参照すると、(セルID modulus 3)=0であるとき、セルAのFFRブースティングレベルパターン=[ブースティング、ノン−ブースティング、ノン−ブースティング]に定義することができ、(セルID modulus 3)=1であるとき、セルBのFFRブースティングレベルパターン=[ノン−ブースティング、ブースティング、ノン−ブースティング]に定義することができる。これと同様に、(セルID modulus 3)=2であるとき、セルCのFFRブースティングレベルパターン=[ノン−ブースティング、ノン−ブースティング、ブースティング]に定義することができる。このように、端末は、基地局から予め定義されたセルIDによるFFRブースティングレベルパターンに対する情報のみを知っていると、セルIDのみを利用して効率的にFFRを行うことができる。
【0074】
上述したように、各端末は、セルIDに基づいて予め定められた電力レベルパターンを利用するにおいて、各物理周波数領域に該当するブースティング、ノン−ブースティングレベルが決定されたパターンによってFFRを行うことができる。
【0075】
また、この方法の他に、各端末が使用するブースティングレベルを有する物理周波数領域をFFRグループ1と指定し、これを基準にした予め定められた電力レベルパターンによってFFRを行うこともできる。すなわち、端末は、予め区分された固有の周波数領域(例えば、
図5で、グループ1、グループ2、グループ3の順に予めFFRのための物理周波数領域が区分される場合)でFFRを行うのではなく、ブースティングされた周波数領域を基準にして周波数グループ1を選択する。この場合も、各端末は、セルIDに基づいてブースティングされた周波数領域を基準にして予め定義された電力レベルパターンを利用してFFRを行う。
【0076】
図5を例に挙げて説明すると、上述したセルIDに基づいて形成された電力レベルパターンを利用する場合、(セルID modulus 3)=0であるとき、セルAのFFRパターンは[グループ1(510):ブースティング、グループ2(520):ノン−ブースティング、グループ3(530):ノン−ブースティング]に定義され、(セルID modulus 3)=1であるとき、セルBのFFRパターンは[グループ1(510):ノン−ブースティング、グループ2(520):ブースティング、グループ3(530):ノン−ブースティング]に定義される。同様に、(セルID modulus 3)=2であるとき、セルCのFFRパターンは[グループ1(510):ノン−ブースティング、グループ2(520):ノン−ブースティング、グループ3(530):ブースティング]に定義される。
【0077】
しかし、ブースティングレベルを有する周波数領域をFFRグループ1と指定する場合、(セルID modulus 3)=0であるとき、セルAのFFRパターンは[グループ1(510):ブースティング、グループ2(520):ノン−ブースティング、グループ3(530):ノン−ブースティング]又は[グループ1(510):ブースティング、グループ3(520):ノン−ブースティング、グループ2(530):ノン−ブースティング]に定義され、(セルID modulus 3)=1であるとき、セルBのFFRパターンは[グループ2(510):ノン−ブースティング、グループ1(520):ブースティング、グループ3(530):ノン−ブースティング]又は[グループ3(510):ノン−ブースティング、グループ1(520):ブースティング、グループ2(530):ノン−ブースティング]に定義される。
【0078】
同様に、(セルID modulus 3)=2であるとき、セルCのFFRパターンは[グループ2(510):ノン−ブースティング、グループ3(520):ノン−ブースティング、グループ1(530):ブースティング]又は[グループ3(510):ノン−ブースティング、グループ2(520):ノン−ブースティング、グループ1(530):ブースティング]に定義することができる。
【0079】
すなわち、各セル別に電力ブースティングが行われた物理周波数領域を同一のグループ(例えば、グループ1)にインデクシングすることによって、同一の物理周波数領域に対するグループインデクシングが各セル別に変わり得る。各セル別に電力ブースティングが行われた物理周波数領域をグループ1と指定し、残りの物理周波数領域に対してグループ2、グループ3にインデクシングすることによって構成した新しいパターンのFFR情報は、基地局が各端末に知らせたり、又は、予め設定された情報として、シグナリングがなくても端末が予め知っている場合がある。
【0080】
このように、電力ブースティングが行われた周波数領域をグループ1と指定したことに基づいて、各端末は、セルIDによって予め定められたパターンを利用してFFRを行うことができる。これについては、
図6を参考にして詳細に説明する。
【0081】
図6は、多重セル環境でFFR方式を利用してCoMP動作を行う場合に適用可能なソフトFFRの構成例を示した図である。
【0082】
図5では、各セルのFFR周波数領域を物理的に整列された領域で構成することができる。すなわち、
図5では、各セルの同一の物理周波数領域が同一のインデクシング(例えば、610領域:グループ1、620領域:グループ2、630領域:グループ3)に表現される。
【0083】
しかし、
図6では、各セルの物理周波数領域とこれに該当するインデクシングが異なり得る。すなわち、セルAの610に該当する物理周波数領域をブースティングレベルを有するグループ1に、セルBの610に該当する物理周波数領域をノン−ブースティングレベルを有するグループ3に、セルCの610に該当する物理周波数領域をグループ2にそれぞれ示すことができる。
【0084】
これと同様に、セルAの620領域をグループ2に、セルBの620領域をグループ1に、セルCの620領域をグループ3にそれぞれ示すことができる。また、セルAの630領域をグループ3に、セルBの630領域をグループ2に、セルCの630領域をグループ1にそれぞれ示すことができる。
【0085】
このように、同一の物理周波数領域に対して、各セルが互いに異なるインデクシングで周波数領域を表現して使用することができる。
【0086】
以下では、端末がセルIDに基づいて効率的なFFRを行うために、CoMP動作を行う一つ以上の隣接セルからセルIDを獲得する過程について簡略に説明する。
【0087】
図7は、移動通信システムの一例である3GPP LTEシステムでの周波数分割デュプレックス(FDD:Frequency Division Duplex)形態のダウンリンクフレーム構造の一例を示した図である。
【0088】
図7を参照すると、一つのダウンリンク無線フレームは10個のサブフレームで構成することができる。すなわち、ダウンリンク伝送に10個のサブフレームを利用することができる。そして、一つのサブフレームは2個のスロットで構成することができる。一つのスロットは、6個又は7個のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルを含むことができる。具体的に、一般の循環前置部(Normal CP)を利用する構造の場合、一つのスロットは7個のOFDMシンボルを含むことができ、拡張された循環前置部(Extended CP)を利用する構造の場合、一つのスロットは6個のOFDMシンボルを含むことができる。
【0089】
主同期チャンネル(P−SCH:Primary−Synchronization CHannel)及び副同期チャンネル(S−SCH:Second−Synchronization CHannel)は、それぞれダウンリンクサブフレームのうちsubframe0の1番目のスロット及びsubframe5の1番目のスロットに割り当てることができる。そして、主同期信号は、slot0及びslot10の最後のOFDMシンボルにマッピングすることができる。そして、副同期信号は、slot0及びslot10のスロットで主同期信号がマッピングされたシンボルの直前のシンボルにマッピングすることができる。
【0090】
LTEシステムで、端末はCoMP動作を行う隣接セルの情報を知らない場合がある。しかし、端末は、サービング基地局から隣接セルID情報を含むセルIDセット情報を受けることができる。したがって、端末は、セルIDセット、各セルの同期チャンネルを介してどのセルが隣接セルであるかを区分することができる。
【0091】
LTEシステムには504個の物理セルID(PCI:Physical Cell Identity)が存在する。この物理セルIDは、168個のセルIDグループに分けられ、各セルIDグループは3個のセルIDを有している。これを次の数学式1のように示すことができる。
【0093】
【化1】
は物理セルIDの個数を示し、
【0094】
【化2】
は物理セルIDグループの個数を示し、
【0095】
【化3】
は物理セルグループID内のセルIDの個数を示す。
【0096】
端末は、各セルの主同期チャンネルを介してセルIDグループ内の3個のセルID情報を得ることができ、副同期チャンネルを介して168個のセルIDグループ情報を得ることができる。端末は、各セルの同期チャンネルを介したセルID情報に基づいて各セルが隣接セルであるかどうかを判断することができる。すなわち、端末は、各隣接セルの同期チャンネルから各隣接セルがパイロット信号伝送に利用するシーケンス情報を獲得することができる。
【0097】
このとき、各隣接セルの主同期チャンネル信号に利用されるシーケンス
【0098】
【化4】
は、次の数学式2によって周波数領域でザドフ−チュー(Zadoff−Chu)シーケンスから生成することができる。
【0099】
【数2】
ここで、ザドフ−チュー(Zadoff−Chu)ルートシーケンスインデックスuは、次の表1のように与えることができる。
【0100】
【表3】
表3は、主同期信号(PSS;Primary Synchronization Signal)のための各ルートインデックスを示したもので、表3のルートインデックスによって主同期信号のためのシーケンスを生成することができる。
【0101】
また、副同期信号(SSS;Second Synchronization Signal)に利用するためのシーケンス
【0102】
【化5】
は、2個の31長さのバイナリシーケンス(two length−31 binary sequences)のインターリービングされた連関(interleaved concatenation)である。連関シーケンスは、主同期信号によって所定のスクランブリングシーケンスとスクランブリングされる。
【0103】
2個の31長さシーケンスの組み合わせは、次の数学式3によってサブフレーム0〜サブフレーム5の異なる副同期信号を定義することができる。
【0107】
【化8】
は、次の数学式4による物理−階層セルIDグループ
【0108】
【化9】
から算出することができる。
【0109】
【数4】
端末がセルIDに基づいて予め設定されたFFRブースティングレベルパターンを利用して効率的にFFRを行う場合、セルIDは、物理セルID又はグローバルセルIDであるか、物理セルID及びグローバルIDであり得る。
【0110】
また、多重セル環境で、FFRを行う多重セルに対するブースティング電力レベル、ノン−ブースティング電力レベルをそれぞれ異なるように設定することもできる。各セルに対するブースティング電力レベル、ノン−ブースティング電力レベルを量子化された電力レベルに関する各値として予め定義することができる。サービング基地局は、ブースティング電力レベル、ノン−ブースティング電力レベルの量子化された電力レベルに該当するインデックスを端末に知らせることができる。
【0111】
サービング基地局は、各周波数資源グループに該当する量子化された電力レベルをビットマップ形式で端末に知らせることができる。また、サービング基地局は、各セルの量子化された電力レベルだけでなく、ブースティングされた周波数資源グループのインデックスを共に端末に知らせることもできる。例えば、周波数資源に対する電力レベルをP
0〜P
9のレベルに表示し、3個のセルが3個の周波数資源グループに対してFFRを行うと仮定する場合、次の表3のようなビットマップ形式で示すことができる。
【0112】
【表4】
上述した内容のように、端末がサービング基地局からFFR情報を獲得し、隣接セルの干渉レベルを効率的に推定することによって、セル境界のユーザーの通信性能が改善される。
【0113】
以上、サービング基地局が端末に知らせるFFR情報の内容について説明した。サービング基地局がこのようなFFR情報を端末に知らせる方法は、CoMPセットを構成する方法によって2つの場合に分けることができる。したがって、CoMP動作を行う無線通信システムでCoMPセットを構成する方法について説明する必要がある。
【0114】
CoMP動作を効率的に行うために、端末がどの隣接セルとCoMPを行うかを定義する必要がある。CoMPセットは、端末とCoMPを行う隣接セルに対するセットと定義することができる。
【0115】
第一の場合として、基地局及び端末がCoMPセットに対する情報を予め共有することができる。
【0116】
基地局及び端末が共有しているCoMPセットは、端末測定に基づいて構成することができる。このような端末測定に基づいたCoMPセットの構成は、実際に端末に直接的な影響を及ぼす隣接セルに対するCoMPセットを設定するにおいて柔軟性を確保できるという長所を有する。端末は、予めサービング基地局などから与えられた隣接セルに対するリストを受けたり、直接隣接セルに対する測定を通して隣接セルリストを形成することができる。このように、端末は、このような隣接セルリストに基づいて測定を行うことができる。すなわち、端末は、隣接セルの干渉レベルに対する測定を行うことができる。干渉レベルに対する測定値は、参照シンボル受信電力(RSRP:Reference Symbol Received Power)、参照シンボル受信品質(RSRQ:Reference Symbol Received Quality)、参照信号強さ指示子(RSSI:Reference Signal Strength Indicator)、搬送波対干渉及び雑音比(CINR:Carrier to Interference plus Noise Ratio)、信号対干渉及び雑音比(SINR:Signal to Interference plus Noise Ratio)値、PD(Propagation Delay)などになり得る。
【0117】
このように、LTEシステムで、端末は、パイロット信号の電力に該当する参照信号受信電力(RSRP)などを利用して端末自分とセルとの間のチャンネル品質状態を測定することができる。ここで、参照信号受信電力とは、考慮された測定周波数帯域幅内でセル−特定(cell−specific)参照信号が割り当てられた資源要素に分配された電力の線形平均をいう。資源ブロック上の各資源要素の電力は、循環前置部(CP:Cyclic Prefix)を除いたシンボルの有効な区間から受信したエネルギーから決定することができる。このような参照信号受信電力は、RRC_idle状態及びRRC_connected状態の全ての端末に適用することができる。また、端末によって受信機ダイバーシティが利用される場合、報告された値は、全てのダイバーシティブランチ(diversity branch)の各電力値の線形平均と均等になり得る。
【0118】
このような端末の隣接セルに対する測定(例えば、参照信号受信電力測定)に基づいて、端末は、CoMPセットを構成するのに必要な情報をサービング基地局に報告することができる。サービング基地局に報告される情報は、上述した隣接セルの測定値のうち一つ又はそれ以上の値と該当の隣接セルのセルID情報を含むことができる。端末が隣接セルリストを形成する場合、セルID情報は、端末が測定した該当の隣接セルに対する情報と共に報告することができる。
【0119】
サービング基地局が予め隣接セルに対するリストを端末に提供する場合、端末は、予め定義されたセルIDの順に該当のセルに対して測定した測定値を伝送したり、測定値の他にセルIDに該当するインデックスをさらに伝送することができる。また、セルIDに該当するインデックス情報を干渉レベルの順に整列し、インデックスとこれに該当する測定値をサービング基地局に伝送することができる。
【0120】
このように、端末測定に基づいてサービング基地局と端末がCoMPセットに対するセルIDなどの情報を共有している場合、サービング基地局は、予め定義されたCoMPセットに対するFFR情報を端末に知らせることができる。このとき、サービング基地局は、別途のセルID情報がなくても、FFR情報を予め定義されたセルIDの順に、又はセルIDに該当する干渉レベルの順に整列して端末に知らせることもできる。
【0121】
第二の場合として、サービング基地局がCoMPセットに対する情報を端末に知らせることができる。
【0122】
端末の測定に基づいてCoMPセットを設定すると、セット設定の柔軟性を保障できるが、それによる端末の測定オーバーヘッド及びフィードバック情報伝送オーバーヘッドが相当増加し得る。このような状況で、適切な測定オーバーヘッド及びフィードバック情報伝送オーバーヘッドのために、ネットワークパラメーターに基づいたCoMPセット設定を考慮することができる。すなわち、サービング基地局は、特定の基準にしたがって端末の測定がなくてもCoMPセットを設定することができる。このようにサービング基地局が任意にCoMPセットを設定する場合、サービング基地局は、端末にCoMPセットに対する多重セル情報を知らせる必要がある。このとき、このようなCoMPセットに属した多重セルのID情報は、臨時基地局インデックス(temp BS index)と定義することができる。サービング基地局は、CoMPセットを設定し、それに該当する隣接セル(又は基地局)の臨時基地局インデックスを端末に知らせることができる。サービング基地局がこのような臨時基地局インデックスを端末に知らせるとき、サービング基地局は、各臨時基地局インデックスに該当するFFR情報(すなわち、臨時基地局インデックス+FFR情報形態の情報)を共に端末に伝送することができる。
【0123】
サービング基地局は、各FFR情報を上位階層シグナリング又はL1/L2制御シグナリングを通して端末に伝送することができる。サービング基地局は、上位階層シグナリングを通してCoMPセットに該当する隣接セルのセルID情報又はセルIDインデックスを端末に知らせることができる。サービング基地局は、必要に応じて該当の隣接セルのFFR情報に対する内容も端末に知らせることができる。また、サービング基地局は、この情報を、CoMPを行うべき端末にイベント−トリガー(event−triggering)された時点に伝送したり、又は周期的に伝送することができる。
【0124】
一般に、基地局は、PDCCHを介してスケジューリング割り当て情報及び他の制御情報を伝送することができる。物理制御チャンネルは、一つのアグリゲーション(aggregation)又は複数の連続制御チャンネル要素(CCE:Control Channel Element)で伝送することができる。一つのCCEは、9個の資源要素グループを含む。PCFICH(Physical Control Format Indicator CHhannel)又はPHICH(Physical Hybrid Automatic Repeat Request Indicator Chanel)に割り当てられない資源要素グループの個数はN
REGである。システムで利用可能なCCEは0〜N
CCE−1である(ここで、
【0125】
【化10】
である)。PDCCHは、次の表5に示したように多重フォーマットをサポートする。n個の連続CCEで構成された一つのPDCCHは、i mod n=0を行うCCEから始める(ここで、iはCCE番号である)。多重PDCCHは一つのサブフレームに伝送することができる。
【表5】
表5を参照すると、基地局は、制御情報などを何個の領域に伝送するかによってPDCCHフォーマットを決定することができる。端末は、CCE単位で制御情報などを読むことによってオーバーヘッドを減少させることができる。
【0126】
サービング基地局は、CoMPセットに対するセルID情報及びFFR情報をL1/L2制御シグナリングを通して端末に伝送することができる。すなわち、サービング基地局が伝送しようとする制御情報によるフォーマットで構成されたDCIフォーマット形態のPDCCHを区別して設計することができる。このとき、既存のDCIフォーマットを再使用するという観点で、任意のDCIフォーマット上の一部のフィールドを使用し、その他のフィールドをゼロパディング(zero padding)又は任意の値で充填する形態でDCIフォーマットを構成することもできる。
【0127】
以下では、本発明に係るFFR方式を利用してCoMP動作モードでチャンネル状態を推定する端末装置について簡略に説明する。
【0128】
図8は、本発明に係る端末装置の好適な構成の実施例を示した図である。
【0129】
図8を参照すると、端末装置800は、受信モジュール810、プロセッサ820、メモリユニット830及び伝送モジュール840を含む。
【0130】
受信モジュール810は、サービングセルからサービングセルのブースティング電力レベル値を受信するサービングセルのブースティング電力レベル値受信モジュール811と、隣接セルから隣接セルのブースティング電力レベル値を受信する隣接セルのブースティング電力レベル値受信モジュール812とを含むことができる。受信モジュール810は、サービング基地局などの外部から各種信号又は情報を受信することができる。例えば、受信モジュール810は、チャンネル状態を推定するためにサービングセル、隣接セルなどから参照信号を受信することができる。その一方、本発明に係る端末装置800は、前記隣接セルのセルID別に前記FFR方式が適用される一つ以上の周波数帯域に対して予め設定された電力レベルパターン情報を予め知っている場合がある。
【0131】
プロセッサ820は、セルID獲得モジュール821、電力レベルパターン情報獲得モジュール822、チャンネル状態推定モジュール823などを含むことができる。
【0132】
セルID獲得モジュール821は、サービングセル及び一つ以上の隣接セルからそれぞれセルのID情報を獲得することができる。電力レベルパターン情報獲得モジュール822は、前記の獲得したセルID情報に対応する予め設定された電力レベルパターン情報を獲得することができる。チャンネル推定モジュール823は、前記の獲得した電力レベルパターンを利用してサービングセルのチャンネル状態を推定することができる。また、チャンネル推定モジュール823は、前記の獲得した電力レベルパターン情報の他に、受信モジュール811が受信したサービングセルのブースティングされた周波数パーティションに対するブースティング電力レベル値を共に利用してサービングセル及び/又は一つ以上の隣接セルのチャンネル状態を推定することができる。また、チャンネル推定モジュール823は、前記の獲得した電力レベルパターンの他に、受信モジュール812が受信した一つ以上の隣接セルのブースティングされた周波数パーティションに対するブースティング電力レベル値を共に利用して前記一つ以上の隣接セルのチャンネル状態を推定することもできる。
【0133】
メモリユニット830は、受信モジュール810が受信した情報、プロセッサ820で算出された情報などを所定時間の間格納することができる。このようなメモリユニット830は、バッファー(図示せず)などに取り替えることができる。
【0134】
伝送モジュール840は、サービング基地局などの外部に各種信号、情報などを伝送することができる。例えば、伝送モジュール840は、隣接セルに対して測定した干渉レベル情報及び前記隣接セルのセルID情報などをサービング基地局に伝送することができる。また、伝送モジュール840は、隣接セルに対して推定されたチャンネル状態に基づいてチャンネル状態情報を生成し、これをサービング基地局などにフィードバックすることができる。
【0135】
上述したように開示された本発明の好適な各実施例に対する詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施できるように提供された。以上では、本発明の好適な各実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者であれば、本発明の領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能であることを理解できるだろう。例えば、当業者は、上述した各実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で利用することができる。
【0136】
したがって、本発明は、ここで開示された各実施形態に制限されるものではなく、ここで開示された各原理及び新規の各特徴と一致する最広の範囲を付与しようとするものである。