(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサと通信する開始及び停止トリガーを更に含み、前記開始及び停止トリガーが、前記記憶デバイスに対する前記センサによる、前記パラメータ測定値に関連する前記複数のデータ点の伝送を開始及び停止するように構成される、請求項1に記載の装置。
前記埋め込み可能なデバイスが胃バンドを含み、パラメータ測定値が前記胃バンドに関連する圧力測定値を含み、前記少なくとも1つの事前にプログラムされた信号が、前記胃バンドに関連する患者の動作に関連している、請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、変更形態、及び利点は、以下の説明文から当業者には明らかとなろう。以下の説明文は、一例として本発明を実施する上で考えられる最良の形態の1つである。明らかなように、本発明は、本発明から逸脱することなく、他の様々な明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、例示的な性質のものであり、限定的なものであると見なされるべきではない。
【0007】
ここで図を詳細に参照すると(類似の番号は各図面を通して同一の要素を示している)、
図1は、埋め込まれた制限的開放デバイスと遠隔設置された監視ユニットとの間でデータを送信するための双方向通信システム(20)の簡略化された概略図を提供している。通信システム(20)を介して、患者の治療をモニタリングし、これに影響を及ぼすために、埋め込まれたデバイスと遠隔設置された医師との間でデータ及び指令信号を送信することができる。本発明の通信システムは、医師が、患者と直接会うことなく制限的開放デバイスを制御し、治療をモニタするのを可能にする。
図1及び以下の開示において、制限的開放デバイスは、肥満治療で使用するための食物摂取量制限デバイス(22)として図示され、記載される。しかしながら、食物摂取量制限デバイスの使用は代表的なものに過ぎず、本明細書に記載される実施例は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の種類の埋め込まれた制限的開放デバイスと共に使用されてもよい。
【0008】
図1に示されるように、摂取制限デバイス(22)の第1の部分(24)は、患者の皮膚(27)の下に埋め込まれ、第2の部分(26)は、患者の皮膚の外部に位置決めされる。埋め込まれた部分(24)は、病的肥満の治療のために胃腸管の周囲に埋め込まれた調節可能な制限バンド(28)を含む。本例では、調節可能なバンド(28)は、胃(30)の外壁の周りで輪にされて、胃の上部嚢(32)と下部嚢(34)との間に小孔を形成する。調節可能なバンド(28)は、シリコーンゴム、又は別の種類の生体適合性材料で作製されたブラダによって画定される空洞を含んでもよく、このプラダは、流体で充填されると胃(30)に対して内向きに膨らむ。あるいは、バンド(28)は、バンドの調節と共に圧力変化を受ける流体空洞を有する機械的に調節可能なデバイス、又は液圧調節可能なバンド/機械的に調節可能なバンドの組み合わせを含んでもよい。
【0009】
注入ポート(36)は、以下により詳細に説明されるが、針の注入及びテレメトリー通信信号でアクセス可能な身体領域内に埋め込まれる。図の形態では、注入ポート(36)は、カテーテル(40)を介して調節可能なバンド(28)と流体連通する。外科医は、食物摂取量制限部又は小孔の調節を行うために、患者の身体内部に注入ポート(36)を配置し、取りはずせないように埋め込むことができる。注入ポート(36)は、患者の腹部の側腹肋骨下部の、皮膚及び脂肪組織の層の下に埋め込まれてもよい。あるいは、外科医は、患者の胸骨の上、又はその他の任意の好適な位置に注入ポート(36)を埋め込んでもよい。
【0010】
図2は、調節可能なバンド(28)をより詳細に示している。この形態では、バンド(28)は容量可変空洞(42)を含み、この容量可変空洞(42)は、胃の外壁に対して拡張又は収縮して、胃の中への食糧摂取量を制御可能に制限するための調節可能な小孔を形成する。医師は、容量可変空洞(42)に流体を加えることによって、小孔開口部の寸法を減少させることができるし、あるいは、空洞(42)から流体を抜くことによって、小孔の寸法を増加させることができる。流体は、注入ポート(36)に針を挿入することによって加えること又は抜くことができる。流体は、0.9%食塩水であってもよいが、これに限定されない。
【0011】
ここで
図1に戻ると、摂取制限デバイス(22)の外部部分(26)は、この形態では電気ケーブルアセンブリ(56)を介してローカルユニット(60)に電気的に接続される手持ち式アンテナ(54)を含む。アンテナ(54)は、以下でより詳細に論じられる遠隔入力デバイス(7000)で囲まれたコイルを含む。電気ケーブルアセンブリ(56)は、外部部分(26)の洗浄、メンテナンス、使用、及び保管を容易にするために、ローカルユニット(60)又はアンテナ(54)に着脱可能に接続されてもよい。いくつかの形態では、電気ケーブルアセンブリ(56)は省略されて、アンテナ(54)はローカルユニット(60)と無線で連結される。本例のローカルユニット(60)は、埋め込まれたデバイス(22)と通信するマイクロプロセッサ制御のデバイスである。単なる例として、ローカルユニット(60)は、従来のデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、携帯用電子機器(例えば、BlackBerry、iPhone等)、カスタマイズされた/専用デバイス、又はこれらの組み合わせを含む、その他の任意の好適なタイプのデバイスを含み得る。いくつかの形態では、以下により詳細に説明するように、ローカルユニット(60)は、遠隔ユニット(170)と通信することも可能である。アンテナ(54)を介して、ローカルユニット(60)は埋め込まれた注入ポート(36)と非侵襲的に通信する。例えば、遠隔入力デバイス(7000)の中のアンテナ(54)は、注入ポート(36)の位置の近くで患者の皮膚(27)に接して保持されて、テレメトリー信号及び電力信号を注入ポート(36)に送信し、注入ポート(36)からテレメトリー信号を受信することができる。
【0012】
図1に更に示されるように、本例の通信システム(20)は、ローカルユニット(60)の他に遠隔監視ユニット(170)を更に含む。遠隔ユニット(170)は、医師のオフィス、病院若しくは診療所、又は他の場所に設置されてもよい。本例の遠隔ユニット(170)は、Intel Pentium(登録商標)マイクロプロセッサなどであり得るマイクロプロセッサ(172)を含む、パーソナルコンピュータタイプのデバイスである。あるいは、遠隔ユニット(170)は、インターネットなどのネットワークを介してアクセス可能な専用サーバー又は非専用サーバーを含んでもよい。本例では、システムバス(171)が、例えば、生理的パラメータ及び患者指示などのデータを記憶するためのメモリ(174)と、マイクロプロセッサ(172)とを相互接続する。データを表示し、患者に対する指示及び対応を入力するためのグラフィカルユーザーインターフェース(176)もまた、マイクロプロセッサ(172)に相互接続される。ユーザーインターフェース(176)は、ビデオモニタ、タッチスクリーン、又はその他の表示デバイス、並びに遠隔ユニット(170)に情報を入力するためのキーボード又はスタイラスを含んでもよい。遠隔ユニット(170)を提供するのに適したその他のデバイス及び構成は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかであろう。
【0013】
患者の容体に関する生理学的データを入力するために、多くの周辺機器(178)がローカルユニット(60)と直接インターフェースをとってもよい。この生理学的データは、ローカルユニット(60)に保存されて、読み取り呼出し又はその他のデータ交換の間に遠隔ユニット(170)にアップロードされてもよい。本発明とともに使用することができる周辺機器の例としては、重量計、血圧計、体温計、血糖モニタ、又は患者の現在の生理学的状態に関する入力を提供することができるように医師のオフィスの外で使用することができる任意の他の種類のデバイスが挙げられる。重量計は、例えば、患者の減量記録を生成するために、直接又はアンテナ(54)を介して無線でのいずれかで、ローカルユニット(60)と電気的に通信することができる。減量記録は、ローカルユニット(60)のメモリ(138)に記憶され得る。遠隔ユニット(170)による後続の読み取り呼出しの間に、又は予定された間隔で自動的に、減量記録は、マイクロプロセッサ(136)によって遠隔ユニット(170)にアップロードすることができる。減量記録は、医師がアクセスするまで、遠隔ユニット(170)のメモリ(174)に記憶されてもよい。
【0014】
図1に示されるように、ユニット間で音声、ビデオ、操作情報、及び指令信号などのデータを送信するために、ローカルユニット(60)と遠隔ユニット(170)との間に通信リンク(180)が形成される。通信リンク(180)は、例えば、高速ケーブル又はダイアルアップ接続を利用するウェブ上のシステム、公衆電話回線、無線RFネットワーク、衛星、T1ライン、あるいは遠隔位置間でデータを送信するのに適した任意の他の種類の通信媒体などの、多様なデータ伝送媒体のいずれかを含んでもよい。言うまでもなく、本明細書に記載される他の構成要素と同様に、遠隔ユニット(170)はオプションに過ぎず、遠隔ユニット(170)は、必要に応じて完全に省略されてもよい。遠隔ユニット(170)が含まれる形態では、通信システム(20)は、データロガー、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0199997号、発明の名称「Monitoring of a Food Intake Restriction Device」(2006年9月7日発行)に記載されているような関連構成要素を更に含んでもよい。
【0015】
図3は、例示的な注入ポート(36)の側面部分断面図を示す。
図3に示されるように、注入ポート(36)は、環状フランジ(72)を有する剛性ハウジング(70)を含み、この環状フランジ(72)は、注入ポートを患者の組織に緊結するための複数の取り付け穴(74)を含んでいる。外科医は、縫合糸フィラメント、ステープル、及びクリップなどの様々な外科用締結具のうちの任意の1つを使用して、腹筋を覆っている筋膜などの組織に注入ポート(36)を取り付けることができる。いくつかの形態では、注入ポート(36)は、患者内に注入ポート(36)を固定するために選択的に伸長可能な一体型締結具を有する。例えば、注入ポート(36)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2005/0283118号、発明の名称「Implantable Medical Device with Simultaneous Attachment Mechanism and Method」(2005年12月22日公開)の教示のうちの少なくともいくつかに従って構成され得る。あるいは、注入ポート(36)は、その他の任意の好適な構成及び/又は操作性を有してもよい。
【0016】
本例の注入ポート(36)は、隔膜(76)を更に含む。隔膜(76)は、シリコーンゴムで作製することができ、ハウジング(70)内に圧縮して保持することができる。あるいは、隔膜(76)は、その他の任意の好適な材料で形成されてもよく、及び/又は他の任意の好適な様式でハウジング(70)内に保持されてもよい。隔膜(76)は、流体をポート(36)に加える又はそこから抜くために、ヒューバー針又は類似のタイプの注入器具によって貫通可能である。隔膜(76)は、注入ポート(36)内部の流体の量を維持するために、注射針が引き抜かれる際に自己密封する。注入ポート(36)は、流体を保持するためのリザーバ(80)とカテーテルコネクタ(82)とを更に含む。コネクタ(82)は、
図2に示されているカテーテル(40)を取り付けて、リザーバ(80)と、調節可能なバンド(28)内の空洞(42)との間に水圧式閉回路を形成する。ハウジング(70)及びコネクタ(82)は、一体にモールドされてもよく、チタン又はステンレス鋼などの材料で構成されてもよい。言うまでもなく、ポート(36)の種々のその他の構成及び形態は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。
【0017】
本例の注入ポート(36)はまた、リザーバ(80)内の流体圧力を測定するための圧力センサ(84)を含む。センサ(84)によって測定された圧力は、患者の胃(30)又は他の体腔に対してバンド(28)によって加えられる制限量に対応し得る。したがって、流体圧力の測定により、医師は、バンド(28)によってもたらされる制限、並びに制限を変更するためのバンド(28)に対する調節の結果を評価することが可能になり得る。圧力測定値は、アンテナ(54)を使用しテレメトリー信号を介して、センサ(84)からローカルユニット(60)に送信され得る。以下により詳細に説明するように、ローカルユニット(60)は、評価の目的で、圧力測定値を遠隔監視ユニットに対して処理、表示、印刷、及び/又は送信することができる。
図3に示される形態では、圧力センサ(84)は、ハウジング(70)内の流体リザーバ(80)の底部に位置付けられる。保持カバー(86)は、圧力センサ(84)の上方に延在し、センサ表面とリザーバ(80)とを実質的に分離して、センサを針貫入から保護する。保持カバー(86)は、例えば、アルミナなどのセラミック材料で作製されてもよく、この材料は、針貫入を阻むが、圧力センサ(84)とアンテナ(54)との間の電子通信を妨げない。保持カバー(86)はベント(90)を含み、このベント(90)は、リザーバ(80)内の流体を圧力センサ(84)の表面上に流して衝突させることができる。
【0018】
図4は、流体圧力を測定するための形態を示す、
図3の線A−Aに沿った圧力センサ(84)の側面断面図である。圧力センサ(84)は、流体が侵入してセンサ(84)の動作に影響を与えるのを防止するために、ハウジング(94)内に密閉されている。圧力センサ(84)の外面は、変形可能な表面を有する隔壁(92)を含んでいる。いくつかの形態では、隔壁(92)は、チタン製リザーバ(80)の底部の一画を0.025mm(0.001”)〜0.051mm(0.002”)の厚さに薄膜化することによって形成される。リザーバ(80)のベント(90)を通って流体が流れると、流体は、隔壁(92)の表面に衝突して、この表面を機械的に変位させる。隔壁(92)の機械的変位は、一対の可変抵抗シリコーンひずみゲージ(96、98)によって電気信号に変換される。ひずみゲージ(96、98)は、隔壁(92)の、リザーバ(80)内の作動流体と反対側に取り付けられる。ひずみゲージ(96)は、隔壁(92)の中央部分に取り付けられて、隔壁の変位を測定する。第2の整合ひずみゲージ(98)は、隔壁(92)の外側縁部の近くに取り付けられる。ひずみゲージ(96、98)は、接着剤によって隔壁(92)に取り付けられてもよく、隔壁構造内に散在してもよい。バンド(28)内の流体圧力が変動すると、隔壁(92)の表面はリザーバ(80)の底部において上下に変形する。隔壁(92)の変形は、中央のひずみゲージ(96)の抵抗変化を引き起こす。
【0019】
図5に示されるように、ひずみゲージ(96、98)は、半分補正済みの(half-compensated)ホイートストンブリッジ回路(100)の頂部の2つの抵抗要素を形成する。ひずみゲージ(96)が隔壁(92)の機械的変位に反応すると、ゲージの変化抵抗は、ブリッジ回路の上部部分わたって電位を変える。ひずみゲージ(98)は、ひずみゲージ(96)に適合しており、ホイートストンブリッジ回路を断熱化する。差動増幅器(102、104)がブリッジ回路(100)に接続されて、可変抵抗ひずみゲージによるブリッジ回路内の電位の変化を測定する。特に、差動増幅器(102)は、ブリッジ回路全体にわたる電圧を測定し、一方、差動増幅器(104)は、ブリッジ回路(100)のひずみゲージの半分にわたる差動電圧を測定する。ブリッジにわたる一定電圧に対してひずみゲージ電圧間の差動が大きくなるほど、圧力差が大きくなる。必要に応じて、完全に補正済みのホイートストンブリッジ回路が、圧力センサ(84)の感度及び精度を高めるために用いられてもよい。完全に補正済みのブリッジ回路では、
図4に示されるようなわずか2つのひずみゲージではなく、4つのひずみゲージが隔壁(92)の表面に取り付けられる。
【0020】
図4に戻ると、差動増幅器(102、104)からの出力信号が、マイクロコントローラ(106)に加えられる。マイクロコントローラ(106)は、ハウジング(94)内の回路基板(110)に組み込まれる。温度センサ(112)が、注入ポート(36)内部の温度を測定し、マイクロコントローラ(106)に温度信号を入力する。マイクロコントローラ(106)は、センサ(112)からの温度信号を用いて、体温の変動、及びひずみゲージ(98)により判明しなかった残余温度誤差を補正する。体温の変動について圧力測定信号を補正することは、圧力センサ(84)の精度を高める。更に、TET/テレメトリーコイル(114)が、ハウジング(94)内に位置している。コイル(114)は、ローカルユニット(60)から電力を受け取り、測定された流体圧力を含む生理学的データをローカルユニット(60)に送信するための同調タンク回路(tuned tank circuit)を形成するように、コンデンサ(116)に接続される。
図3〜
図5は、摂取量制限デバイス内部の流体圧力を測定するための、1つの単に例示的な形態を示す。言うまでもなく、注入ポート(36)内(及び/又は埋め込まれた部分(24)内のいずれかの場所)の圧力検出システムは、様々なその他の構成要素及び構成を有してもよい。単なる例として、前述の圧力検出要素は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国出願公開第2006/0211914号、発明の名称「System and Method for Determining Implanted Device Positioning and Obtaining Pressure Data」(2006年9月21日公開)に記載されている各種圧力検出要素のいずれかで置き換えられてもよく、又はこれによって捕捉されてもよい。埋め込み可能な圧力検出システムのための更にその他の好適な構成要素及び構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。
【0021】
図6は、デバイス(22)の埋め込まれた部分(24)のいくつかの例示的な構成要素を更に示している。
図6に示されるように、二次TET/テレメトリーコイル(114)は、外部アンテナ(54)から電力信号及び通信信号を受信する。コイル(114)は同調タンク回路を形成し、この同調タンク回路は、インプラントに電力供給する一次TETコイル(130)、又はデータを受信及び送信する一次テレメトリーコイル(144)のいずれかと誘導的に連結される。言うまでもなく、コイル(130、144)は、必要に応じて、TET及びテレメトリー機能の両方を提供する単一コイルに統合されてもよい。テレメトリートランシーバ(158)は、コイル(114)とのデータ交換を制御する。更に、埋め込まれた部分(24)は、整流器/電力レギュレータ(160)と、前述のマイクロコントローラ(106)と、マイクロコントローラと関連付けられたメモリ(162)と、温度センサ(112)と、圧力センサ(84)と、圧力センサ(84)からの信号を増幅するための信号調整回路(164)と、を含む。埋め込まれた構成要素は、TET/テレメトリーコイル(114)を介してセンサ(84)からローカルユニット(60)に温度調節された圧力測定値を送信し、ローカルユニット(60)は、アンテナ(54)を介して送信された信号を受信する。圧力測定値は、ローカルユニット(60)内部のメモリ(138)に記憶されるか、ローカルユニット(60)内部のディスプレイ上に示されるか、又は遠隔監視ステーション(例えば、
図1に示される遠隔ユニット(170))にリアルタイムで送信されることができる。
【0022】
図7〜
図8は、例示的な遠隔入力デバイス(7000)を示している。遠隔入力デバイス(7000)は、遠隔ハウジング(7010)と、アンテナ(54)と、入力インターフェース(7014)と、を含んでいる。遠隔入力デバイス(7000)はまた、
図6に示される外部部分(26)の種々のその他の構成要素を含んでもよい。更に、遠隔入力デバイス(7000)は、ケーブルアセンブリ(56)を介して及び/又は無線でローカルユニット(60)と連結されてもよい。
図6に示される外部部分(26)の構成要素は、遠隔入力デバイス(7000)とローカルユニット(60)とに本質的に分けることができることを理解すべきである。例えば、遠隔入力デバイス(7000)は、アンテナ(54)と、TET駆動回路(134)と、一次テレメトリートランシーバ(142)と、周囲気圧センサ(152)と、を含むことができる。一方で、ローカルユニット(60)は、マイクロプロセッサ(136)と、メモリ(138)と、グラフィカルユーザーインターフェース(140)と、モデム/USBポート(198)と、を含むことができる。電力供給(150)は、ローカルユニット(60)内のバッテリー、遠隔入力デバイス(7000)内のバッテリー、外部電源(例えば、壁コンセント)などによってもたらされてもよい。
図6に示される外部部分(26)の構成要素をローカルユニット(60)及び遠隔入力デバイス(7000)に配分する様々なその他の好適なやり方は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。同様に、ローカルユニット(60)及び/又は遠隔入力デバイス(7000)に加える(又はそれらから除外する)ことができる様々なその他の構成要素は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。
【0023】
本例の遠隔ハウジング(7010)の形状は、一般に円形又はドーナツ型であり、遠隔入力デバイス(7000)のドーナツ型形状の外側周辺部に概ね対応する外側表面(7016)と、遠隔入力デバイス(7000)のドーナツ型形状の内側周辺部によって画定される内側表面(7018)と、を含む。内側表面(7018)は開口部を画定し、それによって、遠隔入力デバイス(7000)を把持するために、ユーザーの手を挿入することができる。遠隔入力デバイス(7000)は、矩形、卵型(ovular)、楕円形、又は回転楕円体などであるがこれらに限定されない他の形状であってもよい。更に、本例では、内側表面(7018)によって画定される開口部は、注入ポート(36)の隔膜(76)を突き通して、調節可能なバンド(28)によって作り出された制限の程度を調節するために流体をリザーバ(80)に加える又はそこから抜くなどするために、ユーザーが開口部を介して注射器の針及び/又はその他の構成要素を挿入するのを可能にする。こうしてユーザーは、遠隔入力デバイス(7000)の中央開口部を介して挿入された針を用いて、調節可能なバンド(28)によって作り出された制限の程度を調節することができる一方で、また同時に遠隔入力デバイス(7000)を患者の近くで保持して圧力データを得ること、並びに以下により詳細に説明するように、圧力データに注釈をつける及び/又は他の入力を行うなどするために、ボタン(7022)を操作することも可能となる。本例のつかみ部(7020)は、ユーザーが遠隔入力デバイス(7000)を容易に把持することができるように、凹凸がつけられ、非平滑化される。つかみ部(7020)は、ゴム又はその他のエラストマー/滑らない材料で構成されてもよい。
【0024】
図9に示されるように、入力インターフェース(7014)は、押す、操作する、ないしは別の方法で係合することができる複数のボタン(7022)を含む。ボタン(7022)は、従来の電気機械的ボタン、薄膜スイッチ、容量性スイッチ、又はその他の任意の好適な種類のデバイス、構成要素、若しくは構造を含み得る。あるいは、入力インターフェース(7014)は、医師又はその他のユーザーが、入力信号を生成するないしは別の方法でトリガーするために係合することができるダイヤル、タッチスクリーン、キーボード、レバー、ノブ、スイッチ、スライダ、又はその他の任意のインターフェースを含み得る。入力インターフェース(7014)は、ユーザーが遠隔入力デバイス(7000)を保持したままでユーザーの親指で入力インターフェース(7014)と係合することができるように、遠隔ハウジング(7010)の外側表面(7016)上のつかみ部(7020)の近くに位置決めされる。入力インターフェースの操作は、複数のボタン(7022)のうちの選択された1つを押すことを必要とするが、ユーザーによる音声命令又はジェスチャーを非限定的に含むその他の入力を受け取るように構成されることも可能である。このように、例えば、ユーザーはボタン(7022)を押し、以下により詳細に説明するように、ボタンの押下はマイクロプロセッサ(7024)に送信される信号に変わる。
【0025】
遠隔入力デバイス(7000)はトリガー(7012)を更に含む。図示されている形態では、遠隔入力デバイス(7000)はトリガー(7012)を1つだけ備えているが、遠隔入力デバイス(7000)は複数のトリガー(図示せず)を備えていてもよい。トリガー(7012)は、遠隔入力デバイス(7000)の内側表面(7018)上に位置決めされる。トリガー(7012)は、医師又はその他のユーザーが、遠隔入力デバイス(7000)を把持した状態でトリガー(7012)と係合できるように位置決めされる。トリガー(7012)は、トリガー(7012)を下に押さえつけておくように構成されたロック(図示せず)を更に備えていてもよく、それによりユーザーはロック(図示せず)と係合して、追加の力を必要とせずにトリガー(7012)を一時的に下に押さえつけておくことができる。トリガー(7012)は、ユーザーがつかみ部(7020)を把持した状態でトリガー(7012)と係合できるようにする任意の形状であってもよく、例えば、引金状の形状、ボタン(図示せず)、摺動部材、レバー等、又は本明細書の記載を踏まえて当業者には明らかであるようなその他の任意の変形などが挙げられるが、これらに限定されない。トリガー(7012)又は複数のトリガー(図示せず)は、遠隔入力デバイス(7000)のあらゆる部分に位置決めされてもよいことを理解すべきである。例えば、複数のトリガー(図示せず)のそれぞれは、遠隔ハウジング(7010)の異なる部分を把持しているユーザーの異なる手と複数のトリガー(図示せず)のそれぞれが同時に係合できるように、異なる位置に配置されてもよい。
【0026】
本例の遠隔入力デバイス(7000)は、硬質材料で構成される。硬質材料は、プラスチック、グラスファイバー、セラミック、チタン、ゴム、又はアンテナ(54)から送信される若しくはアンテナ(54)で受信される信号と干渉するのを防ぐように使用可能なその他の材料を含み得る。上述の通り、入力インターフェース(7014)は複数のボタン(7022)を含むことができ、当該ボタンもまた、プラスチック、グラスファイバー、セラミック、チタン、又はゴムなどであるが、これらに限定されない硬質材料で構成され得る。同様に、トリガー(7012)は、プラスチック、ゴム、又はその他の材料などであるが、これらに限定されない硬質材料で構成され得る。トリガー(7012)及び/又は入力インターフェース(7014)の可視性を高めるために、トリガー(7012)及び/又は入力インターフェース(7014)は、ハウジングと対比色であってもよい。
【0027】
ここで
図10を参照すると、本例の遠隔ハウジング(7010)で囲まれているのは、アンテナ(54)、マイクロプロセッサ(7024)、メモリ(7026)、及び電源(7028)である。アンテナ(54)は、遠隔ハウジング(7010)の内部の周囲に位置するコイルを含む。マイクロプロセッサ(7024)は、入力インターフェース(7014)と通信している。マイクロプロセッサ(7024)は、アンテナ(54)とも通信している。マイクロプロセッサ(7024)は、例えば、Intel Pentium(登録商標)マイクロプロセッサなどであってもよい。本例では、マイクロプロセッサ(7024)は、複数のボタン(7022)のそれぞれを事象と関連付けるために、例えば、プログラムされた命令などのデータを記憶するためのメモリ(7026)と通信している。
【0028】
複数のボタン(7022)の1つを押すと、又はトリガー(7012)と係合すると、センサ(図示せず)はこの入力を、マイクロプロセッサ(7024)に伝達される信号に変換し、マイクロプロセッサ(7024)はこの信号を、電気ケーブルアセンブリ(56)を介してローカルユニット(60)に伝達する。あるいは、送信機(図示せず)は、テレメトリー信号を介して無線で又はその他の任意の好適なやり方で、信号をローカルユニット(60)に送信するように構成され得る。
【0029】
マイクロプロセッサ(7024)は、再充電可能バッテリーなどの再充電可能電池(図示せず)によって給電されてもよい。いくつかの形態では、再充電可能電池は取り外し可能であってもよく、また再充電ユニットを使用して再充電され、使用済み電池が再充電されている間、別の再充電可能電池に置き換えられてもよい。いくつかの他の形態では、再充電可能電池は、再充電アダプタを遠隔入力デバイス(7000)及び壁ユニットに差し込むことによって再充電される。いくつかの他の形態では、再充電可能電池は、無線再充電ユニットによって無線で再充電される。あるいは、マイクロプロセッサ(7024)は、電気ケーブルアセンブリ(56)を介してローカルユニット(60)から通信される電力信号によって、又はその他の任意の好適な供給源によって給電されてもよい。
【0030】
ここで
図9に戻って参照すると、複数のボタン(7022)を含む入力インターフェース(7014)は、様々な信号をマイクロプロセッサ(7024)経由でローカルユニット(60)に送信するようにプログラムされ、電気ケーブルアセンブリ(56)を介して通信される。外来診療の間又は長期にわたって、普通であればバンド内圧力に関する異常又は誤った読み取りであると見なされ得るものは何かを説明又は示唆するために、バンド内圧力データの測定値に影響を及ぼす可能性がある身体的事象(physical occurrences)を記録することが役に立ち得ることが理解されるであろう。各ボタン(7022)は、食べる、飲み物を飲む、バンドに流体を加える又はバンドから流体を除去する、咳、会話、笑う、しゃっくり、横になる、起き上がる、立ち上がる、げっぷ、くしゃみ、嘔吐、空嚥下、あるいはその他の事象を含むが、これらに限定されない物理事象に対応して、信号をローカルユニット(60)に送信するようにプログラムされる。更に、1つのボタン(7030)を、ボタンが誤って押されたことを示すようにプログラムしてもよい。複数のボタン(7022)のそれぞれは、個別にプログラム又は事前にプログラムされてもよい。例えば、各ボタン(7022)は、特定の物理事象に対応するようにプログラムされてもよく、それによりユーザーは、特定の事象の発生を示すために特定のボタン(7022)を選択することができる。
【0031】
患者が物理事象のいずれかを経験すると、ユーザーは、その物理事象に対応するボタン(7022)を押し、これにより、その物理事象に関連付けられた信号がローカルユニット(60)に送信される。以下により詳細に説明されるように、ボタン(7022)の押下に関連付けられた信号を用いて、物理事象が生じたのと同じ期間と関係がある圧力データにタイムスタンプする、注釈をつける、ないしは別の方法で圧力データと相関させることができる。複数のボタン(7022)のそれぞれは、複数回押下されて、複数の物理事象に対応する複数の信号を送信してもよい。物理事象は事象群に指定されてもよく、特定のボタン(7022)のそれぞれは、対応する特定の事象群に関連付けられてもよいことを理解すべきである。例えば、第1の事象群は、咳、しゃっくり、げっぷ、くしゃみ、及び嘔吐を含んでもよい。第2の事象群は、食べる、飲み物を飲む、又は空嚥下を含んでもよい。第3の事象群は、仰臥位から座位に移行している患者、座位から立位に移行している患者、及びその他を含んでもよい。第4の事象群は、バンド(28)に流体を加えている医師、及びバンド(28)から流体を抜いている患者を含んでもよい。こうした事象群のそれぞれは、それら自体に関連するボタン(7022)を有していてもよく、それによりユーザーは、ボタンが関連付けられた事象群の中の事象が生じたときに、適切なボタン(7022)を作動させることができる。
【0032】
以前のボタン(7022)の起動を効果的に「取り消す」ために、又はボタン(7022)の以前の起動が不注意によるものであったことを示す信号を別様に送信するために、追加のボタン(7030)が含まれてもよい。換言すれば、ボタン(7022)が不注意に押された場合には、ボタン(7022)が誤って押されたことを示すようにプログラムされた1つのボタン(7030)を使用して、ボタン(7022)が不注意に押されたことを示すことができる。
【0033】
更に、医師又はユーザーは、バンド内圧力データと関係している読み取り値がアンテナ(54)、ひいてはローカルユニット(60)に送信されるときに、遠隔入力デバイス(7000)を下に置かずにこれらの記録を開始及び停止することを望む場合があることが理解されるであろう。トリガー(7012)は、開始信号及び停止信号を生成するように構成され、開始及び停止信号は、それぞれ、バンド内圧力データの記録を開始及び停止する。したがって、トリガー(7012)と係合すると、遠隔入力デバイス(7000)はローカルユニット(60)に信号を伝達して、バンド内圧力データの記録及び/又は表示を開始する。トリガー(7012)を解除すると、あるいはトリガー(7012)と2度目に係合すると、遠隔入力デバイス(7000)はローカルユニット(60)に信号を伝達して、バンド内圧力データの記録及び/又は表示を停止する。
【0034】
図11は、サンプリング期間にわたって遠隔入力デバイス(7000)及びローカルユニット(60)によって繰り返された読み取り呼出しの間に、センサ(84)によって測定された例示的な圧力信号(294)のグラフィック表示である。圧力信号(294)は、ローカルユニット(60)のグラフィカルユーザーインターフェース(140)及び/又は遠隔ユニット(170)のグラフィカルユーザーインターフェース(176)を使用して表示されてもよい。圧力信号(294)はまた、外来診療の過程において生成され得る圧力測定値ログの少なくとも一部を形成してもよい。具体的には、遠隔入力デバイス(7000)は、患者の近くでローカルユニット(60)と共に使用するように構成される。
図12に示されるように、医師は、遠隔入力デバイス(7000)を患者の近く(患者内の調節可能なバンド(28)の近く)に保持してもよい。つまり、医師は、患者の真正面の、調節可能なバンド(28)が位置する場所あたりに遠隔入力デバイス(7000)を保持してもよい。しかしながら、いくつかの形態では、遠隔入力デバイス(7000)は、遠隔入力デバイス(7000)の患者に対する向きに関係なく、適正に機能することができる。更に、遠隔入力デバイス(7000)は、患者が座っているか、立っているか、又は横になっているかに関わらず、患者とともに使用され得る。
【0035】
図11〜
図12に示される例では、バンド(28)内の流体圧力は、最初に患者が安定しているときに測定され、その結果図のように安定した圧力読取値が得られる。次に、バンド(28)に調節を加えて、小孔寸法を減少させる。具体的には、注射器の針が隔膜(76)に経皮的に挿入され、注射器のプランジャが作動されて、注入ポート(36)を介してバンド(28)に流体を加える。バンドの調節の間、圧力センサ(84)は、継続的に流体圧力を測定して、患者の皮膚を通して圧力読取値をローカルユニット(60)に送信する。具体的には、圧力センサ(84)からの圧力読取値は、注入ポート(36)内のコイル(114)から、遠隔入力デバイス(7000)内のアンテナ(54)まで経皮的に伝達され、遠隔入力デバイス(7000)はこの圧力読取値を、ケーブルアセンブリ(56)を介してローカルユニット(60)まで更に送信する。いくつかの形態では、特にアンテナ(54)が環状コイルを含む場合、アンテナ(54)のコイルは、かかる通信の間、注入ポート(36)内のコイル(114)と実質的に同軸上に整列される。いくつかの他の形態では、アンテナ(54)のコイルは、かかる通信の間、注入ポート(36)内のコイル(114)に対して軸方向にオフセットされる。あるいは、他の好適な構成及び/又は関係を用いてもよい。
図11のグラフに見られるように、流体圧力はバンドの調節後に上昇する。
【0036】
図示されている例では、調節の精度をチェックするために、患者は調節後に液体を飲むように求められる。患者が飲んでいる最中に、圧力センサ(84)は、液体を嚥下する蠕動性圧力に起因する圧力スパイクを引き続き測定する。医師は、患者の治療を評価し、指示するために、これら圧力スパイクを(近くで又は遠隔位置から)評価することができる。グラフが所望のレベルを超える圧力スパイクを示す場合、医師は直ちに修正措置をとり(近くで又は通信システム(20)を介して)、望ましい結果が達成されるまで、修正措置の結果を見ることができる。したがって、医師は、調節を行い、調節の結果を視覚的に見ることができる。
【0037】
圧力読み取りセッションの間に、ある事象がアンテナ(54)によって受信された圧力測定値に意図せずに影響を与える場合、医師は、ローカルユニット(60)に信号を送信するために、複数のボタン(7022)のうちの1つを押すことができ、それによって、対応する圧力データに関する注釈が記される。例えば、ローカルユニット(60)が圧力測定値を記録している間に患者がくしゃみをすると、このくしゃみは、患者のくしゃみの認識又は記憶を有さずに、後で圧力データ情報を観察する誰かにデータを誤って特徴付ける可能性がある圧力データ情報を生成する可能性がある。そのため、医師は、患者のくしゃみに対応するようにプログラムされた遠隔入力デバイス(7000)のボタン(7022)を押すことができ、これは次に、ローカルユニット(60)に信号を伝達して、同時期に発生した圧力データに対応する時間的瞬間に患者がくしゃみをしたことを示す覚書を有する注釈を圧力データにつける。医師は、このように、遠隔入力デバイス(7000)を下に置かずに、ないしは別の方法でくしゃみの発生を注記するためにローカルユニット(60)に近付く必要なく、圧力データに注釈をつけることができる。
【0038】
ローカルユニット(60)のグラフィカルユーザーインターフェース、遠隔監視ユニット(170)、又は通信システム(20)の別の外部若しくは生理学的モニタリングデバイスは、制限デバイス(22)からのデータ又は情報に基づきあるいはこれに関して、多様なディスプレイを提供することができる。ディスプレイは、流体充填可能な制限デバイス内で感知された流体圧力の測定値、機械的に調節可能な制限デバイス内の圧力、又はその他のパラメータ(例えば、パルス幅、パルス継続時間、パルス振幅、パルス計数若しくはパルス周波数、感知された電気的特性等)などの、制限デバイス(22)によって取得された測定値に関する情報、あるいは生理学的事象、状態(例えば、制限状態若しくは充填状態などの制限デバイス(22)の状態)、又は傾向についての情報を含むことができる。
図13Aは、例えば、グラフィカルユーザーインターフェース(例えば、ローカルユニット(60)のグラフィカルユーザーインターフェース(140)など)の一部として使用することができるディスプレイ(1900)の1つの例示的な形態を示している。
【0039】
図13Aに示されるように、ディスプレイ(1900)は、経時的な圧力のプロット又はグラフ(1902)を含み、これは、折れ線グラフとして示されているが、棒グラフ、散布図、又は実質的にあらゆる他のグラフィック表現であることも可能である。横軸(1901)に沿ったタイムスケールは、利用可能な圧力データの量に合わせて自動的にサイズ決めされてよく、又は例えば、目的の期間を調査するために、ユーザーにより調節可能であってよい。ディスプレイ(1900)は、図のように現在の又は瞬間的な圧力読取値を数値的に提供する文字インジケータ(1904)を含んでもよい。多様な他の種類の情報もまた、ディスプレイ(1900)上に表示されてもよく、当該情報には、圧力の定常状態又は基線値を示す基線インジケータ(1906)、パルスの数を示すパルスインジケータ(1908)(例えば、パルスは、患者の嚥下の蠕動収縮を表すか、又はその蠕動収縮により生じ得る圧力パルスであってもよい)が挙げられる。いくつかの形態では、この情報は、(例えば、「基線設定」ボタン(1912)を介した、又は視覚的に検出されたパルスを入力することによる)ユーザー入力を通じて得ることができるが、多くの形態では、この情報は、以下により詳細に説明される1つ又は2つ以上のアルゴリズムにより、制限デバイス(22)からの圧力又はその他のデータを分析、フィルタリング、ないしは別の方法で処理することによって得ることができる。ローカルユニット(60)、遠隔監視ユニット(170)、及び/又はその他のデバイスは、これらアルゴリズムを実行し、その結果でディスプレイ(1900)を連続して更新することができる。ディスプレイ1900は、いつ圧力がファイルに記録されるか、又はログをとられるかをユーザーに制御させるために、記録制御部のクラスター(1910)も含むことができ、そのようなログファイルの場所は、ウィンドウ(1924)に示されることができる。加えて、注釈機能が制御部(1914)により提供され得る。注釈制御部(1914)を使用して、ディスプレイ(1900)に示される圧力読取値に注釈をつけることができる。以下により詳細に説明するように、この注釈制御部(1914)は、遠隔入力デバイス(7000)のボタン(7022)で置き換えられる又はボタン(7022)で補足されてもよい。いくつかの形態では、ディスプレイ(1900)は、先の訪問から(例えば、同じ患者の前回の訪問、若しくは制限デバイスの前回の調節から)取得された圧力読取値、及び/又は嚥下、心拍数、呼吸速度、若しくは実質的にあらゆる他の生理学的パラメータを表す前回の蠕動性事象の圧力読取値を含むことができる。ディスプレイ(1900)は、患者のための覚書、活動リスト、又はガイドラインなどに加えて、患者の名前又は他の身元確認情報も含み得る。
【0040】
図13Aでは、ディスプレイ(1900)はメニュー(1916)を有し、メニュー(1916)は、3つのグラフィック、すなわち(1918、1920、1922)を含む。これらのアイコン(1918、1920、1922)のうちそれぞれ1つを選択することで、異なるディスプレイスクリーンを示すことができる。
図13Aに示されるように、第2のアイコン1920が選択され、経時的な、感知された圧力のグラフ(1902)が示されている。第1のアイコン(1918)を選択すると、
図13Bに示されるようなディスプレイ(1930)が表示され、このディスプレイ(1930)は、メーター(1932)により圧力を示す。この形態では、メーター(1932)は、垂直及び直線状であるが、水平なメーター、円形などといった種々の他の向き及び形状を用いることができる。メーター(1932)は、1つ又は2つ以上のゾーン又は範囲(1936A〜C)に分割され得る、別個のインジケータ、つまりバー(1934)を含み得る。図示のとおり、3つの別個の圧力範囲(1936a〜c)は、限界を備えているが(この例では、10.7〜18.7kPa(80〜140mmHg)、0〜10.7kPa(0〜80mmHg)、及び−1.3〜0kPa(−10〜0mmHg))、任意の数の圧力範囲が設けられてよく、それらのサイズ及び端点は、調節可能であり得る。当業者は理解するように、範囲(1936A〜C)は、医師又は他のユーザーによって設定されることができ、患者ごとに様々であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、圧力範囲(1936A〜C)は、埋め込み可能な制限デバイス(22)に関連する状態に対応し得る。例えば、最も高い範囲は、制限デバイス(22)が過度に充填されているか、又は過度に締められていることを示すことができ、中間の範囲は、最適に充填されているか、又は最適に締められた制限デバイス(22)を示すことができ、より低い範囲は、不十分に充填されているか、もしくは緩い制限デバイスを示すことができる。使用中、圧力は、マーカー(1937)により示されてよく、マーカー(1937)は、現在の圧力、平均圧力、又は圧力に関連する他の測定基準を表すことができる。いくつかの実施形態では、マーカー(1937)は、メーター(1932)に沿って連続して動くことができるが、他の形態では、マーカー(1936)は、バー(1934)からバー(1934)へと別個の方式で動くことができる。ディスプレイ(1930)は、記録制御部のクラスター(1910)、ログファイルの場所を示すウィンドウ(1924)、及び/又は注釈制御部(1914)など、
図13Aに示されたディスプレイ(1900)と同じ又は同様のインターフェース要素のうちの多くを含むこともできる。
【0042】
図13Aに戻ると、第3のアイコン(1922)を選ぶことで、パルスのシーケンス中のパルスの数を数えるための、
図13Cに示されるようなパルス計数ディスプレイ(1940)がもたらされ得る。パルスのシーケンスは、嚥下などの蠕動性事象を表すことができる。ディスプレイ(1940)は、番号又はインジケータを周辺部に備えた、円形メーター1944を含むことができる。使用中、インジケータの針(1932)がメーター(1944)の中で回転して、シーケンス中で検知されたパルスの数を示すことができる。文字インジケータ(1946、1948)もまた、現在又は過去のパルスシーケンス中のパルスの数を示すために設けられてよい。制御部(1950)が計数をリセットすることができる。
【0043】
図13A〜
図13Cに示されるディスプレイ(1900、1930)に関連し得る種々のその他の特徴及び態様は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国出願公開第2008/0250340号、発明の名称「GUI for an Implantable Restriction Device and a Data Logger」(2008年10月9日公開)に開示されている。本明細書の教示及び米国出願公開第2008/0250340号の教示を組み合わすことができる及び/又は置き換えることができる種々の好適な方法が、当業者には明らかであろう。
【0044】
制限デバイス(22)からのデータ又は情報に基づく又は関連する多様なディスプレイを提供することに加えて、ローカルユニット(60)又はいくつかの他の構成要素を介して提供されたグラフィカルユーザーインターフェースは、ユーザーによって記録された関連データを提供又は考慮することができる。例えば、ユーザーは、物理事象(例えば、食べる、飲み物を飲む、バンドに流体を加える又はバンドから流体を除去する、咳、笑う、しゃっくり、横になる、起き上がる、立ち上がる、げっぷ、くしゃみ、嘔吐、空嚥下等)の発生を、前述の通り、例えば、圧力データグラフのタイムスタンプの形式で注釈することを望む場合がある。そうしたタイムスタンプ又は他の形式の表示は、特定の物理事象が生じたこと、及び圧力データを評価する人物又はコンピュータシステムが、圧力データを評価する際にこの物理事象の発生を共慮すべきであることを、同じユーザーに後日注意喚起する役割を果たすことができる(又は、圧力データを評価する別の人物若しくはコンピュータシステムに通知することができる)。例えば、物理事象の発生の直前、発生中、及び又は発生直後に取得された圧力読取値を単純に無視することが望ましい場合がある。これを受けて、
図14A〜
図14Cは、
図13A〜
図13Cに示されるディスプレイ(1900、1930)の変形を示す。
【0045】
図13A〜
図13Cに示されるディスプレイ(1900、1930)と同様に、
図14A〜
図14Cに示されるディスプレイ(1700)は、ローカルユニット(60)を通じてもたらすことができる。更に、
図14A〜
図14Cのディスプレイ(1700)が遠隔入力デバイス(7000)のユーザーによって作成された注釈を含むことを除き、
図14A〜
図14Cに示されるディスプレイ(1700)は、
図13A〜
図13Cのディスプレイ(1900、1930)に示されるディスプレイと同様のデータを示す。例えば、
図14Aは、生理食塩水が制限デバイス(22)に加えられるとき、又は患者が咳をしたときに、圧力データ(1736)がそれに応じて反応し得ることを示している。グラフ(1750)は、時間を表す横軸(1732)と、圧力読取値を表す縦軸(1734)とを備えて示されている。グラフ(1750)の部分(1710)は、生理食塩水が加えられるときの圧力読取値を反映する。グラフ(1750)の別の部分(1720)は、患者が咳をした場合の圧力読取値を反映する。更に、
図14Bは、圧力読取値が水嚥下(wet swallow)に対応しているグラフ(1750)の部分(1742)を示す。最後に、
図14Cは、圧力読取値が一般的な対象領域に対応しているグラフ(1750)の部分(1744)を示す。このように、これら視覚的表示(1710、1720、1742、1744)は、ディスプレイ(1700)を見ている人物に、ある種の事象がおよそ一定期間生じたことを視覚的に注意喚起することができ、ユーザーは、その同一期間からの圧力読取値の評価の際に、その事象の発生を考慮することができる。
【0046】
生理食塩水の添加(1710)、患者の咳(1720)、患者の嚥下(1742)、又はその他のいくつかの対象となる出来事の前述の表示は、以下により詳細に説明するように、遠隔入力デバイス(7000)の選択されたボタン(7022)によってトリガーされ得る。したがって、
図14A〜
図14Cに示されるように、ユーザーは、遠隔入力デバイス(7000)のボタン(7022)を選択的に作動させることによって、圧力グラフ(1750)と相互作用することができる。圧力グラフ(1750)とのかかる相互作用は、ディスプレイ(1700)のグラフィカルユーザーインターフェース上に直接設けられた機能部を利用することで達成され得ることを理解すべきである。例えば、ユーザーは、一連のフラグ付け事象アイコン(flagging events icon)(1730)と相互作用して、覚書(図示せず)を加えることによって又は単にアイコン(図示せず)を加えることによって、グラフ(1750)に注釈をつけることができる。フラグ付け事象アイコン(1730)は、遠隔入力デバイス(7000)のボタン(7022)に関して上述された同じ種類の物理事象と一致し得る。換言すれば、フラグ付け事象アイコン(1730)群の中の各アイコン(1730)は、特定の物理事象(例えば、食べる、飲み物を飲む、バンドに流体を加える又はバンドから流体を除去する、咳、笑う、しゃっくり、横になる、起き上がる、立ち上がる、げっぷ、くしゃみ、嘔吐、空嚥下など)、あるいは特定の事象群と関連付けることができ、その結果ユーザーは、適切なアイコン(1730)を選択して、示された物理事象とほぼ同時に発生した圧力読取値に印を付けること又は注釈を付けることができる。
【0047】
ユーザーは、スタート/ストップアイコン(1740)で圧力の記録を開始及び停止することができる。更に、ユーザーは、後で再検討するために、ハイライトアイコン(1738)でグラフ(1750)の一部を強調表示することができる。例えば、ユーザーは、スタート/ストップアイコン(1730)を押すことによって圧力の記録を開始することができ、圧力データの記録中に患者が咳をした場合には、ユーザーは、一連のフラグ付け事象アイコン(1730)のうちの咳に対応し得る1つを押すことができる。例えば、一連のフラグ付け事象アイコン(1730)で説明されていない事象が発生した場合には、ユーザーは、対象領域を強調表示するために、ハイライトアイコン(1738)を単に使用することができ、必要な記録が得られた時点で、ユーザーは再度スタート/ストップアイコン(1730)を押して、圧力記録セッションを終了させることができる。
【0048】
一連のフラグ付け事象アイコン(1730)、ハイライトアイコン(1738)、及び/又はスタート/ストップアイコン(1740)によって実行される機能のいずれか又は全ては、上述のように、遠隔入力デバイス(7000)に組み込まれることができる。例えば、前述と同じスタート/ストップアイコン(1740)の機能性が、遠隔入力デバイス(7000)のトリガー(7102)に提供されてもよい。同様に、フラグ付け事象アイコン(1730)及び/又はハイライトアイコン(1738)の同じ機能性が、遠隔入力デバイス(7000)のボタン(7022)に提供されてもよい。例えば、
図12に示されるように患者の上に位置付けられ、コイル(114)から圧力読取値を受信し、圧力読取値をローカルユニット(60)に送信する遠隔入力デバイス(7000)では、ユーザーは、入力デバイス(7000)のボタン(7022)を作動させ、圧力グラフ(1750)に、生理食塩水がバンドに加えられているという表示(1710)で注釈をつけることができる。同様に、遠隔入力デバイス(7000)がコイル(114)から圧力読取値を受信し、ローカルユニット(60)に圧力読取値を送信している間に患者が咳をした場合、ユーザーは、入力デバイス(7000)のボタン(7022)を作動させ、圧力グラフ(1750)に、患者が咳をしたという表示(1720)で注釈をつけることができる。ボタン(7022)を同様に使用して、圧力グラフ(1750)に、患者が水を嚥下したという表示(1742)、又はその他の事象が発生したという表示(1744)で注釈をつけることができる。
【0049】
図14A〜
図14Cに示される例では、視覚的表示(1710、1720、1742、1744)は、圧力グラフ(1750)の中に描かれた、記録された事象が発生した時間に対応した単純なボックスとして示されている。しかしながら、視覚的表示(1710、1720、1742、1744)が様々な形態をとり得ることを理解すべきである。単なる例として、表示(1710、1720、1742、1744)は、記録された物理事象を表す(例えば、くしゃみを図形として表わすアイコン)、又は記録された物理事象が入れられている群を表す図形アイコンを含み得る。別の単に例証的な別の実施例としては、表示(1710、1720、1742、1744)は、圧力グラフ(1750)中の記録された物理事象が生じた時間に対応する位置に位置付けられる文字による注釈を含んでもよい。更に別の単に例証的な別の実施例としては、表示(1710、1720、1742、1744)は、グラフ(1750)中の圧力データ(1736)を表す線の色の変化、グラフ(1750)中の圧力データ(1736)を表す線の質の変化(例えば、破線、点線、薄線(faded line)等)、又はグラフ(1750)中の圧力データ(1736)を表す線の何らかの他の変化として提供されてもよい。グラフ(1750)中の圧力データ(1736)を表す線のこうした変化は、記録された物理事象が生じた時間に対応するように位置付けられてもよい。あるいは、グラフ(1750)中の圧力データ(1736)を表す線は、記録された物理事象が生じた期間の間、単純に削除されてもよく又は空白のままにしておかれてもよい。例えば、1つ又は2つ以上のボタン(7022)を使用して、患者の会話、咳等に対応する圧力データ(1736)の特定領域を削除してもよい。
【0050】
別の単に例証的な別の実施例として、1つ又は2つ以上のボタン(7022)を使用して、例えば圧力データ(1736)に対して所望の時間に水平マーカー又は他の種類のマーカーを加えることによって、リアルタイムの圧力値に印を付ける(例えば、ハードウェア上に圧力データ(1736)が取り込まれた時点の圧力データ(1736)に印を付ける)ことができる。例えば、調節可能なバンド(28)内の流体圧力が、静止又は定常状態であるときに(例えば、患者が静止/安静状態にある間、あるいは流体が調節可能なバンド(28)に加えられている又は調節可能なバンド(28)から抜かれているときなど)、1つ又は2つ以上のボタン(7022)を使用して、グラフ(1750)に現在の圧力レベルに一致する横線を加えてもよく、かかる横線は、時間の経過とともにその垂直位置を維持してもよい。したがって、かかる横線を基線として用いることができ、後続の圧力データ(1736)をこの基線と比較することができる。記録された物理事象をレンダリングする、ないしは別の方法でディスプレイ(1700)に組み込む更なるその他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。
【0051】
いくつかの形態では、特に遠隔入力デバイス(7000)がローカルユニット(60)と無線で通信する形態では、システムの遠隔入力デバイス(7000)及び/又は他の構成要素は、動作せずに特定期間が経過した後に「スリープ」モード又は「スタンバイ」モードに入るように構成されてもよい。例えば、こうしたモードは、ボタン(7022、7030)及びトリガー(7012)のどちらも一定期間作動されなかった場合にトリガーされる。システムの遠隔入力デバイス(7000)及び/又は他の構成要素は、そうした休止状態に起因して「スリープ」モード又は「スタンバイ」モードがトリガーされたときに消費電力が少なくなるように構成されてもよい。いくつかのそのような形態では、システムの遠隔入力デバイス(7000)及び/又は他の構成要素は、1つ又は2つ以上のボタン(7022、7030)及び/又はトリガー(7012)のいずれかがユーザーによって作動されると、こうした「スリープ」モード又は「スタンバイ」モードから「スリープ解除」して、完全動作モードに移行するように構成されてもよい。1つ又は2つ以上のボタン(7022、7030)及び/又はトリガー(7012)をユーザーが作動させることにより、ワイヤレス技術、他のハードウェア、ソフトウェア等を「スリープ解除」することができることを理解すべきである。
【0052】
本明細書に記載される例は、他のタイプの埋め込み可能なバンドに対する適用性を有することは、当業者には容易に明らかになろう。例えば、バンドは、便失禁の治療に用いられる。そうしたバンドの1つは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,461,292号、発明の名称「Anal Incontinence Treatment with Wireless Energy Supply」(2002年10月8日発行)に記載されている。バンドは、尿失禁の治療にも使用され得る。そうしたバンドの1つは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,621,863号、発明の名称「Urinary Incontinence Treatment with Wireless Energy Supply」(2009年11月24日発行)に記載されている。バンドは、胸焼け及び/又は胃酸の逆流の治療にも使用され得る。そうしたバンドの1つは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,470,892号、発明の名称「Mechanical Heartburn and Reflux Treatment」(2002年10月29日発行)に記載されている。バンドは、インポテンスの治療にも使用され得る。そうしたバンドの1つは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,442,165号、発明の名称「Penile Prosthesis」(2008年10月28日発行)に記載されている。本明細書の教示とこれらの特許参照文献の教示とを組み合わせる様々な方法は、当業者には明らかであろう。
【0053】
本明細書に記載の例は、他のタイプのデバイス(即ち、単に埋め込み可能なバンド自体だけではない)に対する適用性を有し得ることは、当業者には容易に明らかになろう。例えば、圧力検出要素を装備した注射器及び針を使用して、胃内バルーン又は他の容積占有デバイス内の流体圧力、注入ポート内の流体圧力などを調節してもよい。本明細書に記載されている例を用いることができる様々な他のタイプのデバイス及びシステムは、当業者には明らかであろう。
【0054】
本明細書で開示したデバイスの形態は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらの形態は、複数回使用するように設計することができる。諸形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整することは、デバイスを分解する工程、それに続いて特定の部品を洗浄及び交換する工程、並びにその後の再組み立てする工程の任意の組み合わせを含んでよい。特に、デバイスの実施形態は分解されてもよく、また、デバイスの任意の数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、又は取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、デバイスの実施形態は、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前に外科チームによって、その後の使用のために再組み立てされてよい。デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることが、当業者には理解されよう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整されたデバイスは、全て、本出願の範囲内にある。
【0055】
単に例として、本明細書で説明した形態は、手術の前及び/又は後に、滅菌してもよい。1つの滅菌技術では、デバイスは、プラスチック又はTYVEK(登録商標)バッグなど、閉められ密閉された容器に入れられる。次いで、容器及びデバイスは、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌されたデバイスは、後の使用のために、滅菌した容器内に保管してもよい。デバイスはまた、限定されるものではないが、ベータ若しくはガンマ放射線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含めて、当該技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0056】
本発明の形態は、従来の内視鏡的手術及び開腹手術の機器、並びにロボット支援手術に用途を有する。
【0057】
本発明において様々な変形形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく達成され得る。そうした可能な改変例の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記に論じた実施例、形態、幾何学的図形、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の「特許請求の範囲」から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示し説明した構造及び操作の細部に限定されると解釈されるものではない。
【0058】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)埋め込み可能なデバイスに関連するパラメータ測定値を受信するように構成されたセンサと、
(b)前記センサと通信する記憶デバイスであって、前記記憶デバイスが、前記パラメータ測定値に関連する複数のデータ点を前記センサから受信するように構成される、記憶デバイスと、
(c)前記記憶デバイスと通信する遠隔配置された入力デバイスであって、前記遠隔配置された入力デバイスが、ユーザーの動作に応答して、前記パラメータ測定値に関連する前記受信した複数のデータ点の少なくとも1つに対応する少なくとも1つの事前にプログラムされた信号を、前記記憶デバイスに送信するように構成される、遠隔配置された入力デバイスと、を含む、装置。
(2) 前記センサと通信する開始及び停止トリガーを更に含み、前記開始及び停止トリガーが、前記記憶デバイスに対する前記センサによる、前記パラメータ測定値に関連する前記複数のデータ点の伝送を開始及び停止するように構成される、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記パラメータ測定値が圧力測定値を含む、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記圧力測定値が、埋め込み可能なデバイスの中に含まれるデバイス内圧に対応する、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記複数のデータ点を示すように構成されたディスプレイを更に含む、実施態様1に記載の装置。
(6) 前記ディスプレイが、前記複数のデータ点と共に、前記少なくとも1つの事前にプログラムされた信号の表示を示すように更に構成される、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記少なくとも1つの事前にプログラムされた信号の前記表示が、身体的事象のグラフィック表示である、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記複数のデータ点を示す前記ディスプレイが、前記ディスプレイの一部を視覚的に強調するために、ユーザーによって修正可能である、実施態様5に記載の装置。
(9) 前記遠隔配置された入力デバイスが、前記センサと無線で通信するように更に構成される、実施態様5に記載の装置。
(10) 前記埋め込み可能なデバイスが胃バンドを含み、パラメータ測定値が前記胃バンドに関連する圧力測定値を含み、前記少なくとも1つの事前にプログラムされた信号が、前記胃バンドに関連する患者の動作に関連している、実施態様1に記載の装置。
【0059】
(11) 装置であって、
(a)圧力センサであって、前記圧力センサが、埋め込み可能な制限デバイスに関連する圧力を感知するように構成される、圧力センサと、
(b)前記圧力センサから圧力データを受信するように構成された外部アンテナデバイスであって、前記外部アンテナデバイスが1つ又は2つ以上のユーザー入力機能部を含み、前記外部アンテナデバイス上の前記1つ又は2つ以上のユーザー入力機能部のうちの少なくとも1つが、前記圧力センサからの前記圧力データに注釈をつけるように動作可能である、外部アンテナデバイスと、
(c)前記外部アンテナデバイスと通信する表示デバイスであって、前記表示デバイスが、前記外部アンテナデバイスから注釈のついた圧力データを受信するように構成され、前記表示デバイスが、前記注釈のついた圧力データの少なくとも一部を表示するように更に構成される、表示デバイスと、を含む、装置。
(12) 前記1つ又は2つ以上のユーザー入力機能部が、トリガースイッチを更に含み、前記トリガースイッチが、前記圧力センサから前記外部アンテナデバイスへの圧力データの通信、又は前記外部アンテナデバイスから前記表示デバイスへの注釈のついた圧力データの通信のうちの選択された1つを選択的に作動させるように構成される、実施態様11に記載の装置。
(13) 前記表示デバイスが、前記注釈のついた圧力データの圧力成分を、時間と対比した圧力のプロットとして表示するように構成される、実施態様11に記載の装置。
(14) 前記表示デバイスが、前記注釈のついた圧力データの注釈要素を、前記時間と対比した圧力のプロット中の注釈として表示するように更に構成される、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記注釈要素が、物理事象の発生を表す図形アイコンを含み、前記図形アイコンが、前記プロット上又は前記プロットの近くの、前記物理事象の発生の時間に対応する場所に配置される、実施態様14に記載の装置。
(16) 前記注釈要素が、前記時間と対比した圧力のプロットに関するハイライト機能部を含み、前記ハイライト機能部が、物理事象の発生を表し、前記ハイライト機能部が、前記プロット上又は前記プロットの近くの、前記物理事象の発生の時間に対応する場所に配置される、実施態様14に記載の装置。
(17) 前記注釈要素が、物理事象の発生の文字表示(textural representation)を含み、前記文字表示が、前記プロット上又は前記プロットの近くの、前記物理事象の発生の時間に対応する場所に配置される、実施態様14に記載の装置。
(18) 前記1つ又は2つ以上のユーザー入力機能部に関連する注釈が、物理事象の発生に関する、実施態様11に記載の装置。
(19) 前記埋め込み可能な制限デバイスに関連する注入ポートを更に含み、前記圧力センサが、前記注入ポート内の流体の圧力を感知するように構成される、実施態様11に記載の装置。
(20) 遠隔入力デバイスを用いて測定値を記録する方法であって、前記測定値が、埋め込み可能なデバイスに関連しており、前記方法は、
(a)前記遠隔入力デバイスと係合することによって、測定値読み取りセッションを開始することと、
(b)前記埋め込み可能なデバイスに関連する複数の測定値を受信することと、
(c)前記遠隔入力デバイスで注釈を作成することであって、前記注釈が前記複数の測定値の少なくとも1つに関連している、ことと、
(d)前記遠隔入力デバイスと係合することによって、前記セッションを終了することと、を含む、方法。