【実施例】
【0045】
以下の実施例は、上述の膣モデルをどのように使用するかを詳細に説明する。
【0046】
実施例1
この実施例では、
図2に示した図を用いてSIMAの実施例を構成した。以下は、その詳細及び構成要素の説明である。
【0047】
図7に概略を示した好ましい一実施形態では、圧力チャンバ30、流体ポンプ54、及びGUI端末56は安全フード70内に設置された。安全フード70に加えて、付随する構成要素は、空気制御パネル40、電気制御パネル50、ローカルコンピュータ例えばPC52、及びプリンター72を保有する。この実施例では安全圧力逃がし弁(例えば66)が使用されたが、なお圧力チャンバ30は安全目的のためにフッド70内に配置された。
【0048】
図2のように、圧力チャンバ30はインビトロ膣モデル20が背景体圧及び動的腹腔内圧を再現する圧力に曝されるのを可能にする閉じた環境を提供した。体圧は、圧力チャンバ30の内部を一定の圧力下に維持することによって提供された。腹腔内圧は、インビトロ膣モデル20の膣前面22上に向けた空気圧として導入された。これらの圧力は両方とも、空気制御パネル40及び下記に説明する付随する制御によって提供された。
図2の体圧空気ライン58は、
図4〜6の空気供給ポート34への空気を供給した。
図2の動的圧力空気ライン60は、
図4〜6の動的腹腔内圧を膣前面22に向けて方向付けるために可撓性空気供給ホース35及びノズル36へ空気を供給した。
【0049】
図2に示されるように、腹腔内圧シミュレーション要素の空気圧を測定するために圧力変換器64は空気ソレノイド弁62に接続された。圧力チャンバ内の(背景体圧をモデル化する)空気圧、及び動的圧力空気ライン60を介して膣モデル20に供給される動的(内腹)圧又は衝撃圧の両方を、この圧力変換器で測定した。
【0050】
図8は、SIMA装置の残りの部分の下に設置できる空気制御パネル40の概略図である。空気制御パネル40は、制圧器42に接続された、加圧空気供給41を有する。制圧器42の下流で、ソレノイド弁43は加圧された空気を2つの比例弁のいずれかに送達する。第1の比例弁44は、体圧システムに関係する制圧のための一体圧力センサーを有し、空気供給ポート34(
図4〜6)への体圧空気ライン58(
図2)を介して体圧を圧力チャンバ30に送達する。比例弁を使用して、一定の体圧を提供するため、及び試験終了後に圧力を解放するために、圧力を調整した。
【0051】
第2の比例弁は腹腔内圧システムに関係する制圧のための一体圧力センサーを有し、加圧空気を空気ライン46を介してアキュムレータタンク47へ送達した。ここでも、一定の腹腔内圧を供給するため、及び試験終了後に圧力を解放するために、比例弁でアキュムレータタンク47内の圧力を調整した。アキュムレータタンク47は、動的圧力空気ライン60を介して圧力チャンバ30で圧力チャンバソレノイド空気弁(咳弁)62(
図2)に接続された。インビトロ膣モデル20に腹腔内圧パルスを送達するために、圧力チャンバソレノイド空気弁62は一定の間隔でスイッチを「オン」「オフ」切り替えすることができる。空気アキュムレータタンク47の出口に設置された圧力逃がし弁48は、万一の過剰加圧からシステムを保護するために使用される。
【0052】
SIMA加圧システムは圧力チャンバ30(体圧)内部の空気圧の正確な制御を可能にする。動的腹腔内圧をシミュレートするために空気が圧力チャンバ30に導入されると、圧力チャンバ30内の空気圧(体圧)は瞬時に増加した。いったん腹腔内圧の送達が終わると、体圧は自動的に徐々に再調節されて元の体圧設定に戻った。圧力チャンバ30の頂部に設置された圧力逃がし弁66(
図2)は、チャンバ30の万一の過剰加圧に対する追加的な保護を提供した。
【0053】
図9に示されるように、流体ポンプ54はシミュレーション月経液を送達するために圧力チャンバ30の近くに設置された。任意のポンプを使用することができるが、流体の送達を正確に制御することが重要である。例えば、ポンプは一定の速度で流体を供給すること又は流体を噴出すること(湧出を模倣するために)が可能であった。リザーバ54aからの流体は流体ポンプ54によって管68を通して送達された。
図9Aに示されるように、接合部54bは管68をカニューレ31に連結し、流体をインビトロ膣モデル20の頸部ポート24へ供給した。また、接合部54bは、代替流体の注入のためのシリンジを受け入れる第2の流体投入口54cも有する(68を介しての流体送達から独立に又はそれと併用して)。
【0054】
好適な流体ポンプの一例は、この実施例で使用したPump Head Model 505L付きのWatson−Marlow Model 520 Diである。タンポンのような医療用具に対しては人工月経液が好ましいが、他の流体で代用してもよい。
【0055】
図4に示されるように、圧力チャンバ30を枢軸37上に装着した。これは、あたかも立位、座位、又は仰臥位にあるようにインビトロ膣モデル20を配向することができるように圧力チャンバ30を回転することを可能にした。代替実施形態では(図示せず)、横を向くこと又は眠ることを模倣するために第2の枢軸手段で箱を回転することができる。図示した実施形態では、枢軸手段は解放ピン38が係合される所望の位置まで圧力チャンバ30全体を回転した。試験の終了時、解放ピン38は外されて、圧力チャンバ30が元の位置に戻ることを可能にした。
【0056】
インビトロ膣モデル20は膣ルーメン21と、頸部ポート24と、陰唇25とを含む。腹腔内圧ノズル36はインビトロ膣モデル20(
図4〜6)の膣前面22の中央部分に隣接して配置された。
【0057】
合成月経液はカニューレ31を介して頸部ポート24を通して送達され、膣ルーメン21内を流れ、陰唇25を通って排出された(
図4〜6)。医療用具の試験中、用具は合成月経液の導入の前に膣モデル20に挿入された。
【0058】
図示した実施形態では、温度は室温であったが、追加的な制御を設置して、膣モデル及び流体を含むことになる箱の内部の温度を上昇又は下降させてもよい。
【0059】
SIMAは、手動及び自動の2つの動作モードを可能にする。これらのモードについては実施例2及び3で詳述する。
【0060】
SIMAのようなシステムのもう1つの利点は、データを取得する能力である。また、膣モデルは透明であり得るので、ビデオ録画装置で試験をモニタリングすること及び/又は試験中に写真撮影をすることも可能である。
【0061】
試験を開始するときは常に、データ取得システムも自動的に開始することができる。データ取得システムは、特定のサンプリング速度でイベントの記録をすること、及び日付、時刻、試験名、ユーザー名、体圧、アキュムレータタンクでの腹腔内圧、膣モデルに送達される腹腔内圧、月経液ポンプ流量及び月経液ポンプ流イベントを記録することが可能であるが、これらに限定されない。記録期間中、データは、割り当てられたファイル名でPCハードドライブに保存される。データはCSVとも呼ばれるコンマ区切りフォーマットで保存され、Excelスプレッドシートにインポートされ得る。データをExcelスプレッドシートにインポートして、更なるデータ可視化、データ管理、データアーカイビング、グラフィック表現、及びレポート作成することができる。
【0062】
データ取得プロセスの間、取得されたデータをリアルタイムでグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)端末に表示することができる。一時停止ボタンのいずれかの側の矢印を使用する場合に、早送り及び巻き戻しが可能である。一時停止ボタンを再度押すと、トレンド画面はリアルタイムモニタリングに戻る。また、画面印刷機能の実行能力もある。
【0063】
実施例2−手動モード
工程A−装置の使用の前に、人工月経液を米国特許公開US 20070219520号にしたがって調製する。コンピュータ、モニター、及び流体ポンプのスイッチを入れる。内部の膣腔は、綿棒を用いて前の試験からの残留月経液を全て取り除き、ホースが清浄になるまでポンプを水洗する。次いで、試験前に膣腔を人工月経液で下塗りする。流体ポンプを較正し、カニューレを膣モデルの頸部開口部内に配置する。次いで、箱を閉じ、所望の試験位置(座位、立位、又は仰臥位)に設定する。セロラップを外したタンポンを計量する(例えば、McNeill Consumer Products製の普通吸収力のo.b.(登録商標)タンポン)。KYゲル(登録商標)の少量(約0.1〜0.2グラム)をタンポンの先端に置く(挿入を容易にするため)。KY付きのタンポンを計量し、重量を記録する。タンポンを陰唇部分の開口部に挿入する。タンポンは典型的には膣の側壁(左又は右)に配置されるので、場合によっては、タンポンを膣の左側面に配置することが好ましい。タンポンの配置が記録され、頸部からの距離が測定される。好ましい実施形態では、タンポンは頸部から下の約10mmに配置される。
【0064】
工程B−タッチスクリーン制御装置で、「手動モード」動作を選択する。所望の体圧を選択する(cm H
2O単位)。好ましい実施形態では、立位のシミュレーションのために2.65kPa(27cm H
2O)を選択した。緑色のスイッチ「オン」(「体圧」と記載された見出しの隣)を押圧して体圧を連動させる。咳圧力を選択する(cm H
2O単位)。好ましい一実施形態では、14.3kPa(146cm H
2O)を選択した。加えて、「1回の咳」及び「全サイクル時間の咳」を選択する。「1回の咳」は、1回の咳の持続時間を表し、好ましい実施形態では1.0秒を選択した。「全サイクル時間の咳」は咳が生じる期間を表す。好ましい実施形態では、10秒を選択した。これらの設定は、14.3kPa(146cm H
2O)の咳圧力に対して1秒の咳を10秒ごとにもたらす。緑色のスイッチ「オン」(「咳圧力」と記載された見出しの隣)を押圧して咳圧力を連動させる。次いで、mL/分単位で月経液を入力する。好ましい実施形態では、1mL/分を入力する。流れの持続時間である「フローオン時間」を入力する。好ましい実施形態では、10秒を選択した。「全サイクル時間の流れ」を入力する。好ましい一実施形態では、20秒を選択する。この設定は20秒ごとに10秒間の流体の流れをもたらす。ポンプの較正値を入力し、緑色の「オン」ボタン(「月経流」と記載された見出しの隣)を押圧して月経流を連動させる。
【0065】
工程C−スタートボタンを押圧して試験工程を開始する。試験中、ビデオ録画及び/又はデジタル写真を入手することができる。試験工程を停止するには、停止ボタンを押圧する。
【0066】
工程D−試験終了時に、タンポンを慎重に取り出し、染みのパターン及び重量を記録する。膣内解剖学的構造の膣モデルを綿棒で掃除し、流体ポンプ/ホースを用いて水洗する。
【0067】
実施例3−自動モード
実施例2の工程Aを繰り返す。
【0068】
工程B−タッチスクリーン制御装置の「自動モード」動作を押圧する。この動作モードは、ユーザーが以前に設定した「レシピ」を再実行すること又は新しい設定のパラメータを入力することを可能にする。本明細書で使用するとき、用語「レシピ」は、圧力(体圧、腹腔内圧)、タイムシーケンス、及び流れの組合せを意味するものとし、全ては予め設定された時間間隔で生じる。初めてのレシピの場合は、ユーザーが情報を入力し、レシピの名前又は番号を作成してから保存する。例えば、手動モードの工程Bの条件を入力し、新しいレシピとして保存する。体圧及び工程の長さ(入力した体圧を何秒間実行したいかを表す時間)のようなパラメータを入力する。同様に、cm H
2O単位での咳圧力、秒単位での1回の咳、回数(所望のサイクルの実行回数)、及び工程の長さ(回数×全サイクル時間)を含む咳圧力レシピを選択する。月経流レシピは、mL/分単位での月経流レシピ、秒単位での1回の流れ、秒単位での全サイクル時間、回数(サイクルの実行回数)、及び工程の長さ(回数×全サイクル時間)として入力される。画面上部の保存ボタンを連動させレシピを保存する。
【0069】
工程C−スタートボタンを押圧して試験工程を開始する。試験中、ビデオ録画及び/又はデジタル写真を入手することができる。適宜、システムに自動的にそのサイクルを完了させるか、手動でシステムを停止する。
【0070】
工程D−試験の終了時に、タンポンを慎重に取り出し、染みのパターン及び重量を記録する。膣内解剖学的構造の膣モデルを綿棒で掃除し、流体ポンプ/ホースを用いて水洗する。
【0071】
ユーザーは、以前に入力した「レシピ」を他のサイクル、トレンドなどを含むものに編集又は実行することもできる。
【0072】
SIMAの実行が手動モードであっても自動モードであっても、瞬間的圧力を手動で繰り返すこと又は自動的にプログラムして特定の時間間隔で繰り返すことができる。例えば、SIMAを使用して、それぞれの咳の持続時間を1秒として、60秒ごとに咳の影響を調査することができる。これは、SIMAの膣モデルが2.94kPa(30cm H
2O)の「体圧」下に60秒間置かれ、「腹腔内圧」が14.7kPa(150cm H
2O)に1秒間到達する可能性があることを意味する。この傾向変動化(trending)は、月経中又は失禁中の女性が咳(強烈で短い体の作用)をしたときの身体力学を再現することを目的とする。
【0073】
実施例4−外用衛生製品との使用
SIMAシステムは、女性をもとに注型された、ソフトで透明の伸縮可能な材料製の外陰唇解剖学的構造を含む。陰唇に沿った流体の移動及び噴出は、外用衛生ナプキンがどのように解剖学的構造と相互作用するかを理解する上で重要な態様である。流体の移動及び噴出は、SIMAシステムでシミュレートすることができる。
【0074】
このSIMAシステムは、実施例1〜3で使用されているパラメータのいずれかと同じパラメータで設定される。体圧は2.65kPa(27cm H
2O)でシステムに印加され、咳圧力は14.3kPa(146cm H
2O)(1回の咳は1秒、全サイクル時間は10秒)に設定され、月経液の流れは、1mL/分に設定され、20秒間サイクルにかけて流れを10秒間オンにする。3分間流れた後、シリンジを使用して噴出(3mL)もシステムに導入される。Stayfree(登録商標)超薄型標準サイズのナプキンをSIMAシステムに手動で適用し、流体の動き及び解剖学的構造との相互作用を観察する。漏れが生じるまでの時間及び追加物(グラム単位)を記録する。流体が体に沿ってどのように動き、ナプキンとどのように相互作用するかを観察する。これらの観察はナプキンの吸収材システム及び漏れがどのように生じ得るかに関する新しい洞察を展開させるのに重要である。
【0075】
実施例5−膣内失禁用具での使用
SIMAシステムは3D膣コンピュータモデルから複製された膣解剖学的構造を含む。この3Dモデルは2D MRIをもとに再構築されたものである。膣解剖学的構造の実際の立体形状を有することは、失禁用ペッサリーのような膣内用具が膣内にどのように装着及び配置されるかを理解する上で重要な態様である。
【0076】
SIMAシステムは実施例1〜3で使用されたのと同じ圧力パラメータに設定する。体圧は2.65kPa(27cm H
2O)でシステムに印加し、咳圧力は14.3kPa(146cm H
2O)(1回の咳を1秒、全サイクル時間を10秒)に設定する。失禁用具の試験工程では月経液の流れはオフにする。失禁用具を膣内に挿入し、定位置に置かれた用具の能力を記録及び観察する。
【0077】
上記の仕様及び実施形態は、本明細書にて開示する本発明を完全にかつ非限定的に理解するのを支援するために提示されたものである。本発明の多数の変形形態及び実施形態が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく可能となるため、本発明は、本願の以下に添付する特許請求の範囲に帰するものである。
【0078】
〔実施の態様〕
(1) 女性の膣を含むヒト女性下腹腔内に配置された解剖学的構造をシミュレートするための装置であって、
a)圧力チャンバであって、
i)内部と、
ii)前記圧力チャンバに流体圧力を提供する第1の手段と、
iii)前記圧力チャンバ内にて局所的な流体圧力を提供する第2の手段と、を備えるものである、圧力チャンバと、
b)前記圧力チャンバの前記内部に配置され、壁を含む膣モデルであって、前記壁が、
i)前記圧力チャンバの外面を貫通してボアに付随する膣開口部から頸部ポートに隣接する膣円蓋へと内向きに延びる膣ルーメンを画定し、
ii)膣前面及び膣後面を含む外面を有し、
iii)流体を前記頸部ポートに供給するための少なくとも1つの通路を有するものである、膣モデルと、
c)流体を前記頸部ポートに供給するための前記少なくとも1つの通路に液体を送達する手段と、を備える、装置。
(2) 流体圧力を提供する前記第1の手段が、第1の流体加圧サブシステムを備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第1の流体加圧サブシステムが、空気加圧システムを備える、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記圧力チャンバ内部にて局所的な流体圧力を提供する前記第2の手段が、第2の加圧サブシステムを備える、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記第2の流体加圧サブシステムが、空気加圧システムを備える、実施態様4に記載の装置。
(6) 前記第2の流体加圧サブシステムが、前記膣モデルの前記膣前面に近接した空気送達ノズルを備える、実施態様4に記載の装置。
(7) 前記第2の流体加圧サブシステムが、持ち上げること、咳をすること、笑うこと、歩くこと、深呼吸をすること、座ること、くしゃみをすることからなる群から選択される動的圧力を模倣するために、及びバルサルバ法によるなどして意図的に生成される圧力を模倣するために、圧力を送達するように制御される、実施態様4に記載の装置。
(8) 前記圧力チャンバが枢軸の周囲を回転可能である、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記膣モデルが、前記圧力チャンバの外側に配置され、前記ボアに隣接して配置及び構成される陰唇を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記膣モデルが、膣屈曲を更に備える、実施態様1に記載の装置。
【0079】
(11) 前記液体を頸部ポートに送達するための手段が、流体ポンプ及びシリンジからなる群から選択される少なくとも1つの送達要素を備える、実施態様1に記載の装置。
(12) プログラム可能なコントローラを更に備える、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記プログラム可能なコントローラがローカルコンピュータを備える、実施態様12に記載の装置。
(14) 前記膣ルーメンが、前記ボアを介して婦人衛生用品を受け入れるように配置及び構成される、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記膣モデルが立位の女性と一致するように配向される場合に、前記頸部ポートに近接する前記膣ルーメンが水平面から約40°傾斜される、実施態様1に記載の装置。
(16) 圧力チャンバ内に配置された膣モデル内の流体の流れをシミュレートするための方法であって、前記膣モデルは壁を有し、この壁は、(1)前記圧力チャンバの外面を貫通してボアに付随する膣開口部から頸部ポートに隣接する膣円蓋まで内向きに延びる膣ルーメンを画定し、(2)膣前面及び膣後面を備える外面を有し、(3)流体を前記頸部ポートに供給するための少なくとも1つの通路を有し、前記方法が、
a)前記圧力チャンバ内に第1の圧力を提供する工程と、
b)流体を前記頸部ポートに供給するための前記少なくとも1つの通路に液体を送達する工程と、
c)前記膣前面に第2の圧力を提供する工程と、を含む、方法。
(17) 前記第1の圧力が、シミュレーション中に実質的に維持される、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記第1の圧力が、約1.96kPa(20cm H
2O)〜約4.9kPa(50cm H
2O)の間に維持される、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記第1の圧力が、前記シミュレーション中に約0.49kPa(5cm H
2O)以内の圧力中央値(median pressure)に維持される、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記第2の圧力が前記第1の圧力よりも大きい、実施態様16に記載の方法。
【0080】
(21) 前記第2の圧力が少なくとも約4.9kPa(50cm H
2O)である、実施態様16に記載の方法。
(22) 前記第2の圧力が少なくとも約7.35kPa(75cm H
2O)である、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記第2の圧力が、シミュレーションの一部分に向けて提供される、実施態様16に記載の方法。
(24) 前記第2の圧力が、前記シミュレーション中に断続的に提供される、実施態様23に記載の方法。
(25) 前記第2の圧力が、前記シミュレーション中に1回の適用ごとに約10秒未満の持続時間の間にずっと提供される、実施態様24に記載の方法。
(26) 前記第2の圧力が、前記シミュレーション中に1回の適用ごとに約5秒未満の持続時間の間にずっと提供される、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記第2の圧力がシミュレーション中に変動する、実施態様16に記載の方法。
(28) 立位の女性と一致するように前記膣モデルを配向させる工程を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(29) 仰臥位の女性と一致するように前記膣モデルを配向させる工程を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(30) 立位と仰臥位との間で前記膣モデルの配向を変化させる工程を更に含む、実施態様16に記載の方法。
【0081】
(31) 前記膣モデルがヒトの膣開口部に対応する入口ポートを更に備え、かつ実施態様16の方法が前記入口ポートを通して前記膣ルーメン内に医療用具を挿入する工程を更に含む、実施態様16に記載の方法。