特許第5774619号(P5774619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5774619低BET四三酸化マンガンの製造及び粒度制御方法、並びに四三酸化マンガン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5774619
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】低BET四三酸化マンガンの製造及び粒度制御方法、並びに四三酸化マンガン
(51)【国際特許分類】
   C01G 45/02 20060101AFI20150820BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20150820BHJP
【FI】
   C01G45/02
   H01M4/505
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-26057(P2013-26057)
(22)【出願日】2013年2月13日
(65)【公開番号】特開2014-5191(P2014-5191A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2013年2月13日
(31)【優先権主張番号】201210213867.6
(32)【優先日】2012年6月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512119975
【氏名又は名称】貴州紅星発展股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100123618
【弁理士】
【氏名又は名称】雨宮 康仁
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】ジアン ジグアン
(72)【発明者】
【氏名】フア ドン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ジェンタオ
(72)【発明者】
【氏名】ゼン カイウェン
【審査官】 大城 公孝
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/046735(WO,A1)
【文献】 特開2014−058435(JP,A)
【文献】 特開2004−292264(JP,A)
【文献】 特開平05−208824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01G 45/00−45/12
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)空気の浄化工程:
空気に希薄アンモニア水溶液を噴霧して空気を浄化する工程と、
(2)MnSOの不純物除去の前処理工程:
濃度が150〜200g/LのMnSO溶液のpH値を5.5〜6.0に調節し、さらに、pH値が2.5〜3.0になるようにHSガスを導入し、固液分離し、Hでろ液を酸化して不純物を除去した後、アルカリでpH値を5〜6に調節し、固液分離し、使用に備えるMnSO溶液を得る工程と、
(3)種結晶の製造工程:
前記工程(2)の不純物除去の前処理で得たMnSO溶液を40℃未満に冷却し、pH値が10.5〜11.0になるように液体NHを導入し、固液分離し、得られた固体を洗浄してから脱イオン水を加えてスラリーにし、また、工程(1)で得た浄化空気を導入してMnに酸化し、固液分離し、使用に備える固体のMn種結晶を得る工程と、
(4)酸化制御、最終製品工程:
前記工程(2)の不純物除去の前処理で得たMnSO溶液を酸化反応器に入れ、MnSO溶液1立方メートルあたりMn種結晶0.012〜0.040kgの比率でMn種結晶を加え、また、液体NHを加え、工程(1)で得た浄化空気を導入し、循環ポンプを動かし、系内温度を25±5℃の範囲にし、反応系内のpH値を6.5〜7.5に制御し、MnSO溶液を1時間あたり6回以上循環させることで循環酸化反応を行い、反応液中のMnSO含有量が1.5g/L以下になった時に反応を停止し、固液分離し、得られた固体を洗浄、乾燥してMn製品を得る工程と、
を備えることを特徴とする四三酸化マンガンの製造方法。
【請求項2】
前記工程(1)において、0.5〜1.0mol/L NHOH溶液を8〜10L/mの比率で噴霧して空気を浄化する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記工程(2)において、前記MnSO溶液は、SO煙霧を吸収させて得たものであり、また、MnSO溶液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%Hの比率で前記MnSO溶液にH溶液を加える、請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
工程(2)において、HSガスを導入する前に、MnSO溶液に10mol/LのNHOHアンモニア水を加えて溶液のpH値を5.5〜6.0に調節する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
工程(3)で得たMn種結晶のD50粒径は0.75〜0.90μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
工程(3)で得たMn種結晶のD50粒径は0.82μmである、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
工程(3)において、pHが11.0になるように液体NHを導入し、固液分離し、得られた固体を洗浄した後、脱イオン水を加えてスラリーにし、得られた溶液にNHHCOを加え、マンガンを回収する、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
工程(4)において、前記乾燥は、140〜150℃で24時間乾燥する、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
工程(4)において、冷却水ジャケットを用いて系内温度を25±5℃の範囲に制御する、請求項1〜のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
工程(4)において、系内温度を25℃に制御する、請求項に記載の製造方法。
【請求項11】
工程(4)において、Al含有塩をMnSO溶液に加え、得られたMnSO溶液を、液体NH及び工程(1)で得た浄化空気と反応させる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項12】
BET比表面積が1m/g未満であり、D50が10〜12μm又は14〜16μmであり、Feの重量含有量が10ppm未満であり、Cu、Zn、Pb、及びCdの重量含有量が0.1ppm未満であり、D10が6.00〜7.50μmであり、D90が17.00〜19.00μmであり、Alを0.35重量%含有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法により得られた四三酸化マンガン。
【請求項13】
10を6.00〜7.50μmにし、D90を17.00〜19.00μmにし、D50を10〜12μm又は14〜16μmにするように、請求項1〜11のいずれか一項に記載の製造方法により四三酸化マンガンの粒径を制御することを特徴とする四三酸化マンガンの粒度制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の分野、特に四三酸化マンガンに関し、より具体的には、低BET四三酸化マンガンの製造及び粒度制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電解二酸化マンガンを用いたマンガン酸リチウム製造方法に基づいて、電解二酸化マンガンから製造したマンガン酸リチウムのサイクル特性を改善するため、国際的主要メーカーは、リチウムイオン二次電池専用の四三酸化マンガン材料を使用する傾向がある。また、国際的主要メーカーは、四三酸化マンガンの物理化学指標について、新しい要求を提出している。主な指標は以下のとおりである。
【0003】
50:10〜12μm又は14〜16μm、
BET<1m/g、
Fe<10ppm、
重金属<3ppm、
分布が狭く、球状顆粒で、単一相結晶体構造であること。
【0004】
特許文献1が開示する、MnSO/HO溶液にアンモニア水を加えてMnを製造する方法は、二価マンガンの酸化速度及びマンガンの回収率を大幅に高めるが、単一相結晶体のMnが得られることを保証できず、また、製造したMnの粒径分布や比表面積などの物理指標についての研究や制御をしていないため、適正なマンガン酸リチウム材料を製造できない。
【0005】
特許文献2が開示する、MnSO/HO/NHOH系で空気酸化してMnを製造する方法は、タップ密度を高めるが、Mnの粒度分布及び粒子外観について制御していないため、製品の比表面積が大きく、鉄及び重金属不純物の含有量が多く、国際的主要メーカーの要求との間に一定の溝がある。また、特許文献2では、電池のサイクル特性を改良するためのアルミニウムドープについて、研究が及んでいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許出願公開第1814551号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第101898796号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のMnの製造方法では、国際的に主流な要求である低比表面積と粒径分布について理想的に制御できず、重金属不純物の含有量が多く、及び結晶体完全度が理想的でない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような技術問題に対し、発明者らは長期に渡り多くの実験を行い、種結晶の製造、成長の制御によりMnの粒度分布を精密に制御し、低温での大流量循環酸化によりMnの結晶体完全度を高め、比表面積を下げ、球状粒子と単一相結晶体構造を得た。
【0009】
本発明によれば、種結晶の製造、及び定量添加による成長制御技術により、Mnの粒度分布を精密に制御できる。
本発明では、低温での大流量循環酸化技術により、結晶体の完全性を高め、Mnの比表面積を下げ、球状形態と単一相結晶体構造が得られる。
本発明では、原料を前処理することで、Mn製品の化学指標を高める。
本発明では、液相連続定流添加により、Mnにアルミニウムドープを行った。
【0010】
具体的には、本発明は以下の技術案を提供する。
(1)空気の浄化工程:
空気に希薄アンモニア水溶液を噴霧して空気を浄化する工程と、
(2)MnSOの不純物除去の前処理工程:
濃度が150〜200g/LのMnSO溶液のpH値を5.5〜6.0に調節し、さらに、pH値が2.5〜3.0になるようにHSガスを導入し、固液分離し、Hでろ液を酸化して不純物を除去した後、アルカリでpH値を5〜6に調節し、固液分離し、使用に備えるMnSO溶液を得る工程と、
(3)種結晶の製造工程:
前記工程(2)の不純物除去の前処理で得たMnSO溶液を40℃未満に冷却し、pH値が10.5〜11.0になるように液体NHを導入し、固液分離し、得られた固体を洗浄してから脱イオン水を加えてスラリーにし、また、工程(1)により得られた浄化空気を導入してMnに酸化し、固液分離し、使用に備える固体のMn種結晶を得る工程と、
(4)酸化制御、最終製品工程:
前記工程(2)の不純物除去の前処理で得たMnSO溶液を酸化反応器に入れ、MnSO溶液1立方メートルあたりMn種結晶0.012〜0.040kgの比率でMn種結晶を加え、また、液体NHを加え、工程(1)で得た浄化空気を導入し、循環ポンプを動かし、系内温度を25±5℃の範囲にし、反応系内のpH値を6.5〜7.5に制御し、得られたMnSO溶液を1時間あたり6回以上循環させることで循環酸化反応を行い、反応液中のMnSO含有量が1.5g/L以下になった時に反応を停止し、固液分離し、得られた固体を洗浄、乾燥して、Mn製品を得る工程と、
を備えることを特徴とする四三酸化マンガンの製造方法。
【0011】
ここで、前記工程(1)において、0.5〜1.0mol/L NHOH溶液を8〜10L/mの比率で噴霧して空気を浄化する。
【0012】
ここで、前記工程(2)において、前記MnSO溶液は、SO煙霧を吸収させて得たものであり、また、MnSO溶液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%Hの比率で前記MnSO溶液にH溶液を加える。
【0013】
ここで、工程(2)において、HSガスを導入する前に、MnSO溶液に10mol/LのNHOHアンモニア水を加えて溶液のpH値を5.5〜6.0に調節する。
【0014】
ここで、工程(3)で得たMn種結晶のD50粒径は、0.75〜0.90μmであり、好ましくは0.82μmである。
【0015】
ここで、工程(3)において、pH値が11.0になるように液体NHを導入し、固液分離して得た固体を洗浄した後、脱イオン水を加えてスラリーにし、得られた溶液にNHHCOを加えてマンガンを回収する。
【0016】
ここで、工程(4)において、前記乾燥は、140〜150℃で24時間乾燥する。
【0017】
ここで、工程(4)において、冷却水ジャケットを用いて系内温度を25±5℃の範囲に制御する。
【0018】
ここで、工程(4)において、系内温度を25℃に制御する。
【0019】
ここで、工程(4)において、MnSO溶液にAl含有塩を加え、得られたMnSO溶液を、液体NH及び工程(1)で得た浄化空気と反応させる。
【0020】
本発明は、前記の製造方法により得られた四三酸化マンガンをさらに提供する。
【0021】
本発明の四三酸化マンガンのBET比表面積は1m/g未満であり、D50は10〜12μm又は14〜16μmであり、Feの重量含有量は10ppm未満であり、Cu、Zn、Pb、及びCdの重量含有量は0.1ppm未満である。
【0022】
本発明の四三酸化マンガンのD10は6.00〜7.50μmであり、D90は17.00〜19.00μmである。
また、本発明の四三酸化マンガンは、好ましい製品がAlを0.35重量%含有する。
【0023】
また、本発明は、D10を6.00〜7.50μmにし、D90を17.00〜19.00μmにし、D50を10〜12μm又は14〜16μmにするように、前記の製造方法により四三酸化マンガンの粒径を制御する四三酸化マンガンの粒度制御方法を提供する。
【0024】
ここで、本発明に係る主な化学反応は以下のとおりである。
6MnSO+6HO+O+12NH = 2Mn+6(NHSO
【0025】
本発明の四三酸化マンガンの製造及び粒度制御方法で得たMn顆粒は、粒径、比表面積、形態などの諸指標がいずれもリチウムイオン二次電池マンガン系正極材料の製造における四三酸化マンガンの国際的な新しい要求に適合し、不純物の含有量が低く、球状顆粒で、単一相結晶体である。具体的には、Mn含有量が比較的高く、Mn%が70.48〜70.84重量%で、またK、Na、Ca、Mg、Fe、Cu、Zn、Pb、及びCd不純物の含有量が非常に低く、ここで、K含有量が10.0ppm未満であり、Na含有量が26.1ppm以下であり、Ca含有量が17.0ppm以下であり、Mg含有量が10.0ppm未満であり、特にCu、Zn、Pb、及びCd含有量が0.1ppm未満であり、Fe含有量が10ppm未満、さらには4ppm未満であり、また、そのBET比表面積も小さく、1m/g未満であり、D90が17.00〜19.00μmであり、D10が6.00〜7.50μmであり、その平均粒径D50が10〜12μm又は14〜16μmの範囲にある。また、本発明では、アルミニウムドープの球状の、不純物含有量が低く、単一相結晶体であり、粒径分布が狭く、電池のサイクル特性を改良できる四三酸化マンガンの製造に成功した。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の四三酸化マンガンの製造方法の工程図。
図2】本発明の四三酸化マンガンの製造方法に用いる反応装置の主要構造図。
図3】実施例3で製造した四三酸化マンガンのXRD回折図。
図4】実施例1で製造した四三酸化マンガンの走査電子顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の低BET四三酸化マンガンの製造及び粒度制御の方法は、具体的には以下の工程を備える。
(1)空気の浄化工程:
空気に希薄アンモニア水溶液を噴霧して空気を浄化する工程であって、
具体的には、0.5〜1.0mol/L NHOH溶液を8〜10L/mの比率で噴霧して空気を浄化する。
(2)MnSOの不純物除去の前処理工程:
MnSO溶液の濃度を150〜200g/Lの範囲に調整し、溶液のpH値を5.5〜6.0に(好ましくは10mol/L NHOHアンモニア水で)調節し、pH値が2.5〜3.0になるようにHSガスを導入し、固液分離し、ろ液をH(好ましくは1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H)で酸化して不純物を除去してから、アルカリ(好ましくは2mol/L Ba(OH)溶液)でpH値を5〜6に調節し、固液分離し、MnSO溶液を得る。
本発明に係るMnSOは、市販品を用いてもよく、SO煙霧を吸収させて得たMnSOを用いてもよい。
この工程に係る反応は主に以下のとおりである。
M+S2− → MS(Mは金属イオンであり、Zn、Cu、Pb、Cdなどであってもよい)
Fe2++H → Fe(OH)↓+2H
(3)種結晶の製造工程:
前記工程(2)の不純物除去の前処理で得たMnSO溶液の一部分(残りの部分は次の工程(4)に用いる)を取り、40℃未満に冷却し、pH値が約10.5〜11.0(好ましくは11)になるように液体NHを導入し、固液分離(加圧濾過分離)し、得られた液体にNHHCOを加えてマンガンを回収し、固体を洗浄した後、脱イオン水を加えてスラリーにし(固液重量比1:6である)50〜60℃の熱水で1回あたり2〜2.5時間の洗浄で2回洗浄した後、固体を(固液重量比1:6の)脱イオン水に分散してスラリーにし、また浄化空気(浄化空気の流量又は気圧は限定されない)を導入し、Mn種結晶に酸化し、固液分離(加圧濾過分離)して使用に備える固体のMn種結晶を得る。該種結晶を測定した結果、D50粒径は0.75〜0.90μmであり、好ましくはD50粒径が0.82μmである。
この工程では、主に以下の反応が起こる。
種結晶の製造反応:
MnSO+2NHOH → Mn(OH)↓+(NHSO
6Mn(OH)+O → 2Mn+6H
ろ液に残ったマンガンを回収するための反応:
MnSO+2NHHCO → MnCO↓+(NHSO+CO↑+H
(4)酸化制御、最終製品工程:
工程(2)の不純物除去の前処理で得たMnSO溶液を酸化反応器に入れ、MnSO溶液1立方メートルあたりMn種結晶0.012〜0.040kgの比率で種結晶を加え、工程(1)で得た浄化空気を導入し、循環ポンプを動かし、系内温度を25±5℃の範囲に(好ましくは冷却水を通すことで)制御し、温度上昇を避けるために好ましくはMnSO溶液に液体NHを直接加え、反応を行い、反応系内のpH値を6.5〜7.5に制御し、1時間あたり6回以上循環するように循環ポンプの流量を調節する(例えば、反応系が20mである場合、循環ポンプの流量を120m/h以上に制御する)。なお、浄化空気の流量又は気圧は、反応が十分に進行すれば、特に限定されない。反応液中のMnSO含有量が1.5g/L以下になるまで反応させ、固液分離(好ましくは加圧濾過分離)し、固体(濾過ケーキ)を洗浄、乾燥してMn製品を得る。
ここで、電池のサイクル特性を改良するために、MnSO溶液にAl含有塩、例えば10g/Lの硫酸アルミニウム溶液1325Lを加え、MnSO溶液とともに反応させ、アルミニウムドープのMn製品を製造する。
なお、工程(4)において、固液分離して得た液体からCaOで(NHSOを回収し、得られる固体を60〜70℃の熱水(固体:水重量比1:6)で1回あたり2.5〜3時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、固液分離し、濾過ケーキを140〜150℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn製品を得る。
なお、この工程に係る主な反応は以下のとおりである。
6MnSO+6HO+O+12NH = 2Mn+6(NHSO
CaO+(NHSO → CaSO↓+NH
【0028】
以下、図1及び図2を参照し、本発明の四三酸化マンガンの製造工程を詳しく説明する。具体的には、本発明の一つの具体的実施様態において、図1に示すように、本発明の四三酸化マンガンの製造方法は、以下の工程を含む。
【0029】
(1)空気の浄化
図2に示すように、循環ポンプで希薄アンモニア水溶液槽5に貯めたNHOH溶液を空気浄化塔7中に導入し、該塔中を流れる空気と接触させ、空気を浄化する。
具体的には、空気は塵埃及び二酸化炭素を含み、製品の品質に影響を及ぼすため、本発明では、図2に示す空気浄化塔7中に、0.5〜1.0mol/L NHOH溶液を8〜10L/mの比率で噴霧して空気を浄化する。
(2)MnSO/HOの前処理
図2に不示の容器内で、SO煙霧を吸収させて得たMnSOを濃度150〜200g/Lの範囲に調整し、10mol/L NHOHアンモニア水を加え、溶液のpH値を5.5〜6.0に調節し、pH値が2.5〜3.0になるようにHSガスを導入し、加圧濾過分離し、残渣を捨て、ろ液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%Hを加え、昇温して沸騰させ、2mol/L Ba(OH)溶液でpH値を5〜6に調節し、30分間沸騰させ、加圧濾過分離し、残渣を捨て、使用に備える澄んだろ液を得る。
この工程に係る反応は主に以下のとおりである。
M+S2− → MS(Mが金属イオンであって、Zn、Cu、Pb、Cdなどであってもよい)
Fe2++H → Fe(OH)↓+2H
(3)種結晶の製造
工程(2)により得られたMnSO溶液の一部(残りは次の工程(4)に用いる)を取って図2に不示の反応容器に加え、40℃未満に冷却し、pH値が10.5〜11.0になるように液体NHを導入し、加圧濾過分離し、ろ液にNHHCOを加えてマンガンを回収し、ろ過ケーキを(固液重量比1:6である)50〜60℃の熱水で1回あたり2〜2.5時間の洗浄で2回洗浄した後、ろ過ケーキを(固液重量比1:6の)脱イオン水に分散してスラリーにし、また浄化空気(浄化した空気)を導入し、Mn種結晶に酸化し、加圧濾過分離して使用に備えるMn種結晶を得る。該種結晶を測定した結果、D50粒径は0.75〜0.90μmであり、好ましくはD50粒径が0.82μmである。
この工程では、主に以下の反応が起きる。
種結晶の製造反応:
MnSO+2NHOH → Mn(OH)↓+(NHSO
6Mn(OH)+O → 2Mn+6H
ろ液に残ったマンガンを回収するための反応:
MnSO+2NHHCO → MnCO↓+(NHSO+CO↑+H
(4)酸化制御、最終製品工程:
図2に示すように、酸化反応器A内で酸化し、最終製品を製造する工程。
酸化反応器A内に工程(2)で得たMnSO溶液を入れ、種結晶を加え、酸化反応器Aに設置したコイルパイプ(図示せず)中の冷却水で系内温度を25±5℃の範囲に制御し、反応前に、排気弁6を動かし、工程(1)で浄化した空気を導入し、浄化空気で酸化反応器内の空気を置換した後、排気弁6を閉め、循環ポンプ4を動かしてMnSO溶液を噴射器1に導入し、必要に応じてAl塩投入口3を開いて定流でAl含有塩、例えば10g/Lの硫酸アルミニウム溶液1325Lを加え、得られたMnSO溶液を循環ポンプ4で噴射器1に導入して反応させ、アルミニウムドープのMn製品を製造する。温度上昇を避けるため、液体アンモニア弁8を開き、液体NHを直接MnSO溶液に加え、液体NHとMnSOとを循環させ、反応系内のpH値を6.5〜7.5の範囲に制御し、1時間あたり6回以上循環するように循環ポンプの流量を調節する(例えば、反応系が20mである場合、循環ポンプの流量を120m/h以上に制御する)。反応中、サンプル採取口2でサンプルを採取して分析し、反応液中のMnSO含有量が1.5g/L以下になるまで反応させ、加圧濾過分離し、ろ液からCaOで(NHSOを回収し、ろ過ケーキを60〜70℃の熱水で1:6のケーキ:水重量比で1回あたり2.5〜3時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、加圧濾過分離し、濾過ケーキを140〜150℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn製品を得る。
この工程に係る主な反応は以下のとおりである。
6MnSO+6HO+O+12NH = 2Mn+6(NHSO
CaO+(NHSO → CaSO↓+NH
【実施例】
【0030】
まず、下記実施例で製造したMn粉末の分析に使用した測定装置及び測定方法について説明する。
形態分析装置:JSM−6490LV型走査電子顕微鏡(拡大倍率が4000倍で、加速電圧が20KVである)、日本電子社製。
XRD測定装置:Rigaku D/max−IIIC型、日本理学社製。
元素分析方法:誘導結合プラズマ(ICP)原子発光スペクトル法により諸元素の重量含有量を測定した。
元素分析装置:IRIS Intrepid II XSP型誘導結合プラズマ原子発光計、米国Thermo Electron Corporation製。
粒径分析方法:湿式レザー法により測定した体積基準の平均粒径である。
粒径分析装置:2000MU型粒径計、英国マルバーン社製。
BET比表面積測定装置:NOVA 1000e型比表面積計、米国カンタクローム社製。
PH値測定器:PHS−3C型精密酸度計、上海精密儀器会社製。
【0031】
(実施例1)
(1)空気の浄化
図2に示すように、図2に示す空気浄化塔7中に、0.5mol/L NHOH溶液を用いて8L/mの比率で空気を噴霧浄化し、浄化された空気を得た。
(2)MnSO/HOの前処理
SO煙霧を吸収させて得たMnSOの濃度を(図2に不示の容器内に)150g/Lに調整し、10mol/L NHOHアンモニア水を加えて溶液のpH値を5.5に調節し、pH値が2.5になるようにHSガスを導入し、加圧濾過分離し、残渣を捨て、ろ液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H溶液の比率でHを加え、昇温して沸騰させ、2mol/L Ba(OH)溶液でpH値を5に調節し、30分間沸騰させ、加圧濾過分離し、残渣を捨て、使用に備える澄んだろ液を得た。
(3)種結晶の製造
工程(2)で得たMnSO溶液を反応容器(図示せず)に加え、35℃に冷却し、pH値が約10.8になるように液体NHを導入し、加圧濾過分離し、反応モル比に従ってろ液にNHHCOを加えてマンガンを回収し、ろ過ケーキを固液重量比1:6である50℃の熱水で1回あたり2時間の洗浄で2回洗浄した後、ろ過ケーキを固液重量比1:6の脱イオン水に分散してスラリーにし、また工程(1)で得た浄化空気を導入し、Mnに酸化し、加圧濾過分離して使用に備える固体を得た。該種結晶を測定した結果、D50粒径は0.82μmであった。
(4)酸化制御、最終製品工程
図2に示す酸化反応器A内に工程(2)で得たMnSO溶液80mを入れ、種結晶2.5kgを加え、酸化反応器Aに設置したコイルパイプ(図示せず)中の冷却水で体系温度を25℃の範囲に制御した。温度上昇を避けるため、液体アンモニア弁8を開き、液体NHを直接加え、反応系内のpHを6.5に制御した。反応前に、排気弁6を動かし、工程(1)で得た浄化空気を導入し、浄化空気で酸化反応器内の空気を置換した後、排気弁6を閉め、循環ポンプ4を動かし、MnSO及び液体アンモニアを含む混合溶液を噴射器1に導入した。1時間あたり7回循環するように循環ポンプの流量を調節した。反応中、サンプル採取口2でサンプルを採取して分析し、反応液中のMnSO含有量が1.5g/L以下になったら反応を停止させた。反応時間は47.5時間であった。この反応液を加圧濾過分離し、ろ液からCaOで(NHSOを回収し、ろ過ケーキを70℃の熱水で1:6のケーキ水重量比で1回あたり3時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、加圧濾過分離し、濾過ケーキを150℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn製品1を得た。そのXRD回折図には、製造されたMnに不純相がなく、このMnの結晶体構造が完璧で、欠陥が少ないことが明示された。図4の電子顕微鏡写真により、それが略球状の顆粒で、その顆粒の平均粒径が10μm程度であることがわかる。その粒径分布の測定結果からわかるように、その顆粒分布は狭い。具体的な粒径分布値を表1に示す。
【0032】
(実施例2)
(1)空気の浄化
図2に示すように、図2に示す空気浄化塔7中に、0.8mol/L NHOH溶液を用いて9L/mの比率で空気を噴霧浄化し、浄化された空気を得た。
(2)MnSO/HOの前処理
SO煙霧を吸収させて得たMnSOの濃度を(図2に不示の容器内に)150g/Lに調整し、10mol/L NHOHアンモニア水を加えて溶液のpH値を5.8に調節し、pH値が2.8になるようにHSガスを導入し、加圧濾過分離し、残渣を捨て、ろ液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H溶液の比率でHを加え、昇温して沸騰させ、2mol/L Ba(OH)溶液でpH値を6に調節し、30分間沸騰させ、加圧濾過分離し、残渣を捨て、使用に備える澄んだろ液を得た。
(3)種結晶の製造
工程(2)で得たMnSO溶液を反応容器(図示せず)に加え、38℃に冷却し、pH値が約11になるように液体NHを導入し、加圧濾過分離し、反応モル比に従ってろ液にNHHCOを加えてマンガンを回収し、ろ過ケーキを固液重量比1:6である55℃の熱水で1回あたり2.5時間の洗浄で2回洗浄した後、ろ過ケーキを固液重量比1:6の脱イオン水に分散してスラリーにし、また工程(1)で得た浄化空気を導入し、Mnに酸化し、加圧濾過分離して使用に備える固体を得た。この種結晶を測定した結果、D50粒径は0.75μmであった。
(4)酸化制御、最終製品工程
図2に示す酸化反応器A内に工程(2)で得たMnSO溶液80mを入れ、種結晶0.95kgを加え、酸化反応器Aに設置したコイルパイプ(図示せず)中の冷却水で系内温度を30℃に制御した。温度上昇を避けるため、液体アンモニア弁8を開き、液体NHを直接加え、反応体系pHを7.0に制御した。反応前に、排気弁6を動かし、工程(1)で得た浄化空気を導入し、浄化空気で酸化反応器内の空気を置換した後、排気弁6を閉め、循環ポンプ4を動かし、MnSO及び液体アンモニアを含む混合溶液を噴射器1に導入した。1時間あたり8回循環するように循環ポンプの流量を調節した。反応中、サンプル採取口2でサンプルを採取して分析し、反応液中のMnSO含有量が1.5g/L以下になったら反応を停止させた。反応時間は48時間であった。この反応液を加圧濾過分離し、ろ液からCaOで(NHSOを回収し、ろ過ケーキを60℃熱水で1:6のケーキ水重量比で1回あたり2.5時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、加圧濾過分離し、濾過ケーキを140℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn製品2を得た。そのXRD回折図は、製造したMnに不純相がなく、このMnの結晶体構造が完璧で、欠陥が少ないことを明示した。電子顕微鏡写真から、それが略球状の顆粒であることがわかった。その粒径分布の測定結果からわかるように、その顆粒分布は狭い。具体的な粒径分布値を表1に示す。
【0033】
(実施例3)
(1)空気の浄化
図2に示すように、図2に示す空気浄化塔7中に、1.0mol/L NHOH溶液を用いて10L/mの比率で空気の噴霧浄化を行い、浄化された空気を得た。
(2)MnSO/HOの前処理
SO煙霧を吸収させて得たMnSOを(図2に不示の容器内に)濃度200g/Lに調整し、10mol/L NHOHアンモニア水を加えて溶液のpH値を6.0に調節し、pH値が3.0になるようにHSガスを導入し、加圧濾過分離し、残渣を捨て、ろ液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H溶液の比率でHを加え、昇温して沸騰させ、2mol/L Ba(OH)溶液でpH値を5.5に調節し、30分間沸騰させ、加圧濾過分離し、残渣を捨て、使用に備える澄んだろ液を得た。
(3)種結晶の製造
工程(2)で得たMnSO溶液を反応容器(図示せず)に加え、30℃に冷却し、pH値が約11になるように液体NHを導入し、加圧濾過分離し、反応モル比に従ってろ液にNHHCOを加えてマンガンを回収し、ろ過ケーキを固液重量比1:6である60℃の熱水で1回あたり2時間の洗浄で2回洗浄した後、ろ過ケーキを固液重量比1:6の脱イオン水に分散してスラリーにし、また工程(1)で得た浄化空気を導入し、Mnに酸化し、加圧濾過分離して使用に備える固体を得た。該種結晶を測定した結果、D50粒径は0.90μmであった。
(4)酸化制御、最終製品工程:
図2に示す酸化反応器A内に工程(2)で得たMnSO溶液80mを入れ、種結晶3.2kgを加え、酸化反応器Aに設置したコイルパイプ(図示せず)中の冷却水で系内温度を20℃の範囲に制御した。温度上昇を避けるため、液体アンモニア弁8を開き、液体NHを直接加え、反応系内のpH値を7.5に制御した。反応前に、排気弁6を動かして工程(1)で得た浄化空気を導入し、浄化空気で酸化反応器内の空気を置換した後、排気弁6を閉め、循環ポンプ4を動かし、MnSO及び液体アンモニアを含む混合溶液を噴射器1に導入して酸化反応を行い、1時間あたり7回循環するように循環ポンプの流量を調節した。反応中、サンプル採取口2でサンプルを採取して分析し、反応液中のMnSO含有量が1.5g/L以下になったら反応を停止させた。反応時間は70時間であった。この反応液を加圧濾過分離し、ろ液からCaOで(NHSOを回収し、ろ過ケーキを65℃の熱水で1:6のケーキ水重量比で1回あたり3時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、加圧濾過分離し、濾過ケーキを145℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn製品3を得た。図3のXRD回折図から各ピークは形状がシャープで、ピークが狭いことが見られ、これは、製造したMnに不純相がなく、該Mnの結晶体構造が完璧で、欠陥が少ないことを明示する。また、その電子顕微鏡写真は、それが略球状の顆粒であることを明示した。その粒径分布の測定結果からわかるように、その顆粒分布は狭い。具体的な粒径分布値を表1に示す。
【0034】
(実施例4)
(1)空気の浄化
図2に示すように、図2に示す空気浄化塔7中に、1.0mol/L NHOH溶液を用いて10L/mの比率で空気の噴霧浄化を行い、浄化された空気を得た。
(2)MnSO/HOの前処理
SO煙霧を吸収させて得たMnSOを(図2に不示の容器内で)濃度200g/Lに調整し、10mol/L NHOHアンモニア水を加えて溶液のpH値を5.8に調節し、pH値が2.8になるようにHSガスを導入し、加圧濾過分離し、残渣を捨て、ろ液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H溶液の比率でHを加え、昇温して沸騰させ、2mol/L Ba(OH)溶液でpH値を6に調節し、30分間沸騰させ、加圧濾過分離し、残渣を捨て、使用に備える澄んだろ液を得た。
(3)種結晶の製造
工程(2)で得たMnSO溶液を反応容器(図示せず)に加え、36℃に冷却し、pH値が約10.5になるように液体NHを導入し、加圧濾過分離し、反応モル比に従ってろ液にNHHCOを加えてマンガンを回収し、ろ過ケーキを固液重量比1:6である53℃の熱水で1回あたり2.5時間の洗浄で2回洗浄した後、ろ過ケーキを固液重量比1:6で脱イオン水に分散してスラリーにし、また工程(1)で得た浄化空気を導入し、Mnに酸化し、加圧濾過分離して使用に備える固体を得た。該種結晶の粒径を測定した結果、D50は0.82μmであった。
(4)酸化制御、最終製品工程
図2に示す酸化反応器A内に工程(2)で得たMnSO溶液80mを入れ、種結晶3.2kgを加え、酸化反応器Aに設置したコイルパイプ(図示せず)中の冷却水で系内温度を23℃の範囲に制御した。温度上昇を避けるため、液体アンモニア弁8を開き、液体NHを直接加え、反応系内のpH値を7.0に制御した。反応前に、排気弁6を動かして工程(1)で得た浄化空気を導入し、浄化空気で酸化反応器内の空気を置換した後、排気弁6を閉め、循環ポンプ4を動かし、同時にAl塩投入口3を開いて定流で10g/Lの硫酸アルミニウム溶液1325Lを加え、MnSO及び液体アンモニアを含む混合溶液を噴射器1に導入して反応を行い、1時間あたり8回循環するように循環ポンプの流量を調節した。反応中、サンプル採取口2でサンプルを採取して分析し、反応液中のMnSO含有量が1.5g/L以下になったら反応を停止させた。反応時間は70時間であった。この反応液を加圧濾過分離し、ろ液からCaOで(NHSOを回収し、ろ過ケーキを70℃の熱水で1:6のケーキ水重量比で1回あたり3時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、加圧濾過分離し、濾過ケーキを150℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn製品4を得た。そのXRD回折図は、製造したMnに不純相がなく、該Mnの結晶体構造が完璧で、欠陥が少ないことを明示した。また、その電子顕微鏡写真は、それが略球状の顆粒であることを明示した。その粒径分布の測定結果からわかるように、その顆粒分布は狭い。具体的な粒径分布値を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1からわかるように、本発明の方法で製造したMn顆粒は、Mn含有量が高く、Mn%が70.48〜70.84重量%であった。また不純物の含有量が少なく、K、Na、Ca、Mg、Fe、Cu、Zn、Pb、及びCd不純物の含有量が低く、ここで、K含有量が10.0ppm未満であり、Na含有量が26.1ppm以下であり、Ca含有量が17.0ppm以下であり、Mg含有量が10.0ppm未満であり、Fe含有量が10ppm未満である。具体的には、本発明に係る四つのサンプルは、Fe含有量が4ppm未満で、特にCu、Zn、Pb、及びCdの含有量が0.1ppm未満である。また、Mn顆粒の粒径分布が狭く、そのBET比表面積が小さく、1m/g未満であり、D90が17.00〜19.00μmであり、D10が6.00〜7.50μmである。具体的には、サンプル1〜4のBET比表面積は0.40〜0.48m/gであり、D90は17.01〜18.55μmであり、D10は6.44〜7.13μmであり、嵩密度は2.60〜2.84g/cmである。2サンプルのD50が15.10μmである以外、残った三つのサンプルのD50は11.10〜11.52μmである。つまり、本発明に係るMn顆粒の粒径は、国際指標に一致し、平均粒径が10〜12μm又は14〜16μmの範囲にある。また、実施例4からわかるように、本発明の方法によれば、アルミニウムドープの球状の、不純物含有量が低く、単一相結晶体の、粒径分布が狭く、電池のサイクル特性を改良できる四三酸化マンガンの製造に成功した。
前記実施例1〜4からわかるように、本発明の方法で製造したMn顆粒は、粒径、比表面積、形態などの諸指標がいずれも国際的な新しいリチウムイオン二次電池マンガン系正極材料の製造における四三酸化マンガンの要求に適合し、その不純物含有量が低く、球状顆粒で、単一相結晶体である。
【符号の説明】
【0037】
1 噴射器
2 サンプル採取口
3 Al塩投入口
4 循環ポンプ
5 希薄アンモニア水溶液槽
6 排気弁
7 空気浄化塔
8 液体アンモニア弁
A 酸化反応器
図1
図2
図3
図4