【0027】
本発明の低BET四三酸化マンガンの製造及び粒度制御の方法は、具体的には以下の工程を備える。
(1)空気の浄化工程:
空気に希薄アンモニア水溶液を噴霧して空気を浄化する工程であって、
具体的には、0.5〜1.0mol/L NH
4OH溶液を8〜10L/m
3の比率で噴霧して空気を浄化する。
(2)MnSO
4の不純物除去の前処理工程:
MnSO
4溶液の濃度を150〜200g/Lの範囲に調整し、溶液のpH値を5.5〜6.0に(好ましくは10mol/L NH
4OHアンモニア水で)調節し、pH値が2.5〜3.0になるようにH
2Sガスを導入し、固液分離し、ろ液をH
2O
2(好ましくは1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H
2O
2)で酸化して不純物を除去してから、アルカリ(好ましくは2mol/L Ba(OH)
2溶液)でpH値を5〜6に調節し、固液分離し、MnSO
4溶液を得る。
本発明に係るMnSO
4は、市販品を用いてもよく、SO
2煙霧を吸収させて得たMnSO
4を用いてもよい。
この工程に係る反応は主に以下のとおりである。
M+S
2− → MS(Mは金属イオンであり、Zn、Cu、Pb、Cdなどであってもよい)
Fe
2++H
2O
2 → Fe(OH)
3↓+2H
2O
(3)種結晶の製造工程:
前記工程(2)の不純物除去の前処理で得たMnSO
4溶液の一部分(残りの部分は次の工程(4)に用いる)を取り、40℃未満に冷却し、pH値が約10.5〜11.0(好ましくは11)になるように液体NH
3を導入し、固液分離(加圧濾過分離)し、得られた液体にNH
4HCO
3を加えてマンガンを回収し、固体を洗浄した後、脱イオン水を加えてスラリーにし(固液重量比1:6である)50〜60℃の熱水で1回あたり2〜2.5時間の洗浄で2回洗浄した後、固体を(固液重量比1:6の)脱イオン水に分散してスラリーにし、また浄化空気(浄化空気の流量又は気圧は限定されない)を導入し、Mn
3O
4種結晶に酸化し、固液分離(加圧濾過分離)して使用に備える固体のMn
3O
4種結晶を得る。該種結晶を測定した結果、D
50粒径は0.75〜0.90μmであり、好ましくはD
50粒径が0.82μmである。
この工程では、主に以下の反応が起こる。
種結晶の製造反応:
MnSO
4+2NH
4OH → Mn(OH)
2↓+(NH
4)
2SO
4
6Mn(OH)
2+O
2 → 2Mn
3O
4+6H
2O
ろ液に残ったマンガンを回収するための反応:
MnSO
4+2NH
4HCO
3 → MnCO
3↓+(NH
4)
2SO
4+CO
2↑+H
2O
(4)酸化制御、最終製品工程:
工程(2)の不純物除去の前処理で得たMnSO
4溶液を酸化反応器に入れ、MnSO
4溶液1立方メートルあたりMn
3O
4種結晶0.012〜0.040kgの比率で種結晶を加え、工程(1)で得た浄化空気を導入し、循環ポンプを動かし、系内温度を25±5℃の範囲に(好ましくは冷却水を通すことで)制御し、温度上昇を避けるために好ましくはMnSO
4溶液に液体NH
3を直接加え、反応を行い、反応系内のpH値を6.5〜7.5に制御し、1時間あたり6回以上循環するように循環ポンプの流量を調節する(例えば、反応系が20m
3である場合、循環ポンプの流量を120m
3/h以上に制御する)。なお、浄化空気の流量又は気圧は、反応が十分に進行すれば、特に限定されない。反応液中のMnSO
4含有量が1.5g/L以下になるまで反応させ、固液分離(好ましくは加圧濾過分離)し、固体(濾過ケーキ)を洗浄、乾燥してMn
3O
4製品を得る。
ここで、電池のサイクル特性を改良するために、MnSO
4溶液にAl含有塩、例えば10g/Lの硫酸アルミニウム溶液1325Lを加え、MnSO
4溶液とともに反応させ、アルミニウムドープのMn
3O
4製品を製造する。
なお、工程(4)において、固液分離して得た液体からCaOで(NH
4)
2SO
4を回収し、得られる固体を60〜70℃の熱水(固体:水重量比1:6)で1回あたり2.5〜3時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、固液分離し、濾過ケーキを140〜150℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn
3O
4製品を得る。
なお、この工程に係る主な反応は以下のとおりである。
6MnSO
4+6H
2O+O
2+12NH
3 = 2Mn
3O
4+6(NH
4)
2SO
4
CaO+(NH
4)
2SO
4 → CaSO
4↓+NH
3↑
【0029】
(1)空気の浄化
図2に示すように、循環ポンプで希薄アンモニア水溶液槽5に貯めたNH
4OH溶液を空気浄化塔7中に導入し、該塔中を流れる空気と接触させ、空気を浄化する。
具体的には、空気は塵埃及び二酸化炭素を含み、製品の品質に影響を及ぼすため、本発明では、
図2に示す空気浄化塔7中に、0.5〜1.0mol/L NH
4OH溶液を8〜10L/m
3の比率で噴霧して空気を浄化する。
(2)MnSO
4/H
2Oの前処理
図2に不示の容器内で、SO
2煙霧を吸収させて得たMnSO
4を濃度150〜200g/Lの範囲に調整し、10mol/L NH
4OHアンモニア水を加え、溶液のpH値を5.5〜6.0に調節し、pH値が2.5〜3.0になるようにH
2Sガスを導入し、加圧濾過分離し、残渣を捨て、ろ液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H
2O
2を加え、昇温して沸騰させ、2mol/L Ba(OH)
2溶液でpH値を5〜6に調節し、30分間沸騰させ、加圧濾過分離し、残渣を捨て、使用に備える澄んだろ液を得る。
この工程に係る反応は主に以下のとおりである。
M+S
2− → MS(Mが金属イオンであって、Zn、Cu、Pb、Cdなどであってもよい)
Fe
2++H
2O
2 → Fe(OH)
3↓+2H
2O
(3)種結晶の製造
工程(2)により得られたMnSO
4溶液の一部(残りは次の工程(4)に用いる)を取って
図2に不示の反応容器に加え、40℃未満に冷却し、pH値が10.5〜11.0になるように液体NH
3を導入し、加圧濾過分離し、ろ液にNH
4HCO
3を加えてマンガンを回収し、ろ過ケーキを(固液重量比1:6である)50〜60℃の熱水で1回あたり2〜2.5時間の洗浄で2回洗浄した後、ろ過ケーキを(固液重量比1:6の)脱イオン水に分散してスラリーにし、また浄化空気(浄化した空気)を導入し、Mn
3O
4種結晶に酸化し、加圧濾過分離して使用に備えるMn
3O
4種結晶を得る。該種結晶を測定した結果、D
50粒径は0.75〜0.90μmであり、好ましくはD
50粒径が0.82μmである。
この工程では、主に以下の反応が起きる。
種結晶の製造反応:
MnSO
4+2NH
4OH → Mn(OH)
2↓+(NH
4)
2SO
4
6Mn(OH)
2+O
2 → 2Mn
3O
4+6H
2O
ろ液に残ったマンガンを回収するための反応:
MnSO
4+2NH
4HCO
3 → MnCO
3↓+(NH
4)
2SO
4+CO
2↑+H
2O
(4)酸化制御、最終製品工程:
図2に示すように、酸化反応器A内で酸化し、最終製品を製造する工程。
酸化反応器A内に工程(2)で得たMnSO
4溶液を入れ、種結晶を加え、酸化反応器Aに設置したコイルパイプ(図示せず)中の冷却水で系内温度を25±5℃の範囲に制御し、反応前に、排気弁6を動かし、工程(1)で浄化した空気を導入し、浄化空気で酸化反応器内の空気を置換した後、排気弁6を閉め、循環ポンプ4を動かしてMnSO
4溶液を噴射器1に導入し、必要に応じてAl塩投入口3を開いて定流でAl含有塩、例えば10g/Lの硫酸アルミニウム溶液1325Lを加え、得られたMnSO
4溶液を循環ポンプ4で噴射器1に導入して反応させ、アルミニウムドープのMn
3O
4製品を製造する。温度上昇を避けるため、液体アンモニア弁8を開き、液体NH
3を直接MnSO
4溶液に加え、液体NH
3とMnSO
4とを循環させ、反応系内のpH値を6.5〜7.5の範囲に制御し、1時間あたり6回以上循環するように循環ポンプの流量を調節する(例えば、反応系が20m
3である場合、循環ポンプの流量を120m
3/h以上に制御する)。反応中、サンプル採取口2でサンプルを採取して分析し、反応液中のMnSO
4含有量が1.5g/L以下になるまで反応させ、加圧濾過分離し、ろ液からCaOで(NH
4)
2SO
4を回収し、ろ過ケーキを60〜70℃の熱水で1:6のケーキ:水重量比で1回あたり2.5〜3時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、加圧濾過分離し、濾過ケーキを140〜150℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn
3O
4製品を得る。
この工程に係る主な反応は以下のとおりである。
6MnSO
4+6H
2O+O
2+12NH
3 = 2Mn
3O
4+6(NH
4)
2SO
4
CaO+(NH
4)
2SO
4 → CaSO
4↓+NH
3↑
【実施例】
【0030】
まず、下記実施例で製造したMn
3O
4粉末の分析に使用した測定装置及び測定方法について説明する。
形態分析装置:JSM−6490LV型走査電子顕微鏡(拡大倍率が4000倍で、加速電圧が20KVである)、日本電子社製。
XRD測定装置:Rigaku D/max−IIIC型、日本理学社製。
元素分析方法:誘導結合プラズマ(ICP)原子発光スペクトル法により諸元素の重量含有量を測定した。
元素分析装置:IRIS Intrepid II XSP型誘導結合プラズマ原子発光計、米国Thermo Electron Corporation製。
粒径分析方法:湿式レザー法により測定した体積基準の平均粒径である。
粒径分析装置:2000MU型粒径計、英国マルバーン社製。
BET比表面積測定装置:NOVA 1000e型比表面積計、米国カンタクローム社製。
PH値測定器:PHS−3C型精密酸度計、上海精密儀器会社製。
【0031】
(実施例1)
(1)空気の浄化
図2に示すように、
図2に示す空気浄化塔7中に、0.5mol/L NH
4OH溶液を用いて8L/m
3の比率で空気を噴霧浄化し、浄化された空気を得た。
(2)MnSO
4/H
2Oの前処理
SO
2煙霧を吸収させて得たMnSO
4の濃度を(
図2に不示の容器内に)150g/Lに調整し、10mol/L NH
4OHアンモニア水を加えて溶液のpH値を5.5に調節し、pH値が2.5になるようにH
2Sガスを導入し、加圧濾過分離し、残渣を捨て、ろ液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H
2O
2溶液の比率でH
2O
2を加え、昇温して沸騰させ、2mol/L Ba(OH)
2溶液でpH値を5に調節し、30分間沸騰させ、加圧濾過分離し、残渣を捨て、使用に備える澄んだろ液を得た。
(3)種結晶の製造
工程(2)で得たMnSO
4溶液を反応容器(図示せず)に加え、35℃に冷却し、pH値が約10.8になるように液体NH
3を導入し、加圧濾過分離し、反応モル比に従ってろ液にNH
4HCO
3を加えてマンガンを回収し、ろ過ケーキを固液重量比1:6である50℃の熱水で1回あたり2時間の洗浄で2回洗浄した後、ろ過ケーキを固液重量比1:6の脱イオン水に分散してスラリーにし、また工程(1)で得た浄化空気を導入し、Mn
3O
4に酸化し、加圧濾過分離して使用に備える固体を得た。該種結晶を測定した結果、D
50粒径は0.82μmであった。
(4)酸化制御、最終製品工程
図2に示す酸化反応器A内に工程(2)で得たMnSO
4溶液80m
3を入れ、種結晶2.5kgを加え、酸化反応器Aに設置したコイルパイプ(図示せず)中の冷却水で体系温度を25℃の範囲に制御した。温度上昇を避けるため、液体アンモニア弁8を開き、液体NH
3を直接加え、反応系内のpHを6.5に制御した。反応前に、排気弁6を動かし、工程(1)で得た浄化空気を導入し、浄化空気で酸化反応器内の空気を置換した後、排気弁6を閉め、循環ポンプ4を動かし、MnSO
4及び液体アンモニアを含む混合溶液を噴射器1に導入した。1時間あたり7回循環するように循環ポンプの流量を調節した。反応中、サンプル採取口2でサンプルを採取して分析し、反応液中のMnSO
4含有量が1.5g/L以下になったら反応を停止させた。反応時間は47.5時間であった。この反応液を加圧濾過分離し、ろ液からCaOで(NH
4)
2SO
4を回収し、ろ過ケーキを70℃の熱水で1:6のケーキ水重量比で1回あたり3時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、加圧濾過分離し、濾過ケーキを150℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn
3O
4製品1
#を得た。そのXRD回折図には、製造されたMn
3O
4に不純相がなく、このMn
3O
4の結晶体構造が完璧で、欠陥が少ないことが明示された。
図4の電子顕微鏡写真により、それが略球状の顆粒で、その顆粒の平均粒径が10μm程度であることがわかる。その粒径分布の測定結果からわかるように、その顆粒分布は狭い。具体的な粒径分布値を表1に示す。
【0032】
(実施例2)
(1)空気の浄化
図2に示すように、
図2に示す空気浄化塔7中に、0.8mol/L NH
4OH溶液を用いて9L/m
3の比率で空気を噴霧浄化し、浄化された空気を得た。
(2)MnSO
4/H
2Oの前処理
SO
2煙霧を吸収させて得たMnSO
4の濃度を(
図2に不示の容器内に)150g/Lに調整し、10mol/L NH
4OHアンモニア水を加えて溶液のpH値を5.8に調節し、pH値が2.8になるようにH
2Sガスを導入し、加圧濾過分離し、残渣を捨て、ろ液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H
2O
2溶液の比率でH
2O
2を加え、昇温して沸騰させ、2mol/L Ba(OH)
2溶液でpH値を6に調節し、30分間沸騰させ、加圧濾過分離し、残渣を捨て、使用に備える澄んだろ液を得た。
(3)種結晶の製造
工程(2)で得たMnSO
4溶液を反応容器(図示せず)に加え、38℃に冷却し、pH値が約11になるように液体NH
3を導入し、加圧濾過分離し、反応モル比に従ってろ液にNH
4HCO
3を加えてマンガンを回収し、ろ過ケーキを固液重量比1:6である55℃の熱水で1回あたり2.5時間の洗浄で2回洗浄した後、ろ過ケーキを固液重量比1:6の脱イオン水に分散してスラリーにし、また工程(1)で得た浄化空気を導入し、Mn
3O
4に酸化し、加圧濾過分離して使用に備える固体を得た。この種結晶を測定した結果、D
50粒径は0.75μmであった。
(4)酸化制御、最終製品工程
図2に示す酸化反応器A内に工程(2)で得たMnSO
4溶液80m
3を入れ、種結晶0.95kgを加え、酸化反応器Aに設置したコイルパイプ(図示せず)中の冷却水で系内温度を30℃に制御した。温度上昇を避けるため、液体アンモニア弁8を開き、液体NH
3を直接加え、反応体系pHを7.0に制御した。反応前に、排気弁6を動かし、工程(1)で得た浄化空気を導入し、浄化空気で酸化反応器内の空気を置換した後、排気弁6を閉め、循環ポンプ4を動かし、MnSO
4及び液体アンモニアを含む混合溶液を噴射器1に導入した。1時間あたり8回循環するように循環ポンプの流量を調節した。反応中、サンプル採取口2でサンプルを採取して分析し、反応液中のMnSO
4含有量が1.5g/L以下になったら反応を停止させた。反応時間は48時間であった。この反応液を加圧濾過分離し、ろ液からCaOで(NH
4)
2SO
4を回収し、ろ過ケーキを60℃熱水で1:6のケーキ水重量比で1回あたり2.5時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、加圧濾過分離し、濾過ケーキを140℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn
3O
4製品2
#を得た。そのXRD回折図は、製造したMn
3O
4に不純相がなく、このMn
3O
4の結晶体構造が完璧で、欠陥が少ないことを明示した。電子顕微鏡写真から、それが略球状の顆粒であることがわかった。その粒径分布の測定結果からわかるように、その顆粒分布は狭い。具体的な粒径分布値を表1に示す。
【0033】
(実施例3)
(1)空気の浄化
図2に示すように、
図2に示す空気浄化塔7中に、1.0mol/L NH
4OH溶液を用いて10L/m
3の比率で空気の噴霧浄化を行い、浄化された空気を得た。
(2)MnSO
4/H
2Oの前処理
SO
2煙霧を吸収させて得たMnSO
4を(
図2に不示の容器内に)濃度200g/Lに調整し、10mol/L NH
4OHアンモニア水を加えて溶液のpH値を6.0に調節し、pH値が3.0になるようにH
2Sガスを導入し、加圧濾過分離し、残渣を捨て、ろ液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H
2O
2溶液の比率でH
2O
2を加え、昇温して沸騰させ、2mol/L Ba(OH)
2溶液でpH値を5.5に調節し、30分間沸騰させ、加圧濾過分離し、残渣を捨て、使用に備える澄んだろ液を得た。
(3)種結晶の製造
工程(2)で得たMnSO
4溶液を反応容器(図示せず)に加え、30℃に冷却し、pH値が約11になるように液体NH
3を導入し、加圧濾過分離し、反応モル比に従ってろ液にNH
4HCO
3を加えてマンガンを回収し、ろ過ケーキを固液重量比1:6である60℃の熱水で1回あたり2時間の洗浄で2回洗浄した後、ろ過ケーキを固液重量比1:6の脱イオン水に分散してスラリーにし、また工程(1)で得た浄化空気を導入し、Mn
3O
4に酸化し、加圧濾過分離して使用に備える固体を得た。該種結晶を測定した結果、D
50粒径は0.90μmであった。
(4)酸化制御、最終製品工程:
図2に示す酸化反応器A内に工程(2)で得たMnSO
4溶液80m
3を入れ、種結晶3.2kgを加え、酸化反応器Aに設置したコイルパイプ(図示せず)中の冷却水で系内温度を20℃の範囲に制御した。温度上昇を避けるため、液体アンモニア弁8を開き、液体NH
3を直接加え、反応系内のpH値を7.5に制御した。反応前に、排気弁6を動かして工程(1)で得た浄化空気を導入し、浄化空気で酸化反応器内の空気を置換した後、排気弁6を閉め、循環ポンプ4を動かし、MnSO
4及び液体アンモニアを含む混合溶液を噴射器1に導入して酸化反応を行い、1時間あたり7回循環するように循環ポンプの流量を調節した。反応中、サンプル採取口2でサンプルを採取して分析し、反応液中のMnSO
4含有量が1.5g/L以下になったら反応を停止させた。反応時間は70時間であった。この反応液を加圧濾過分離し、ろ液からCaOで(NH
4)
2SO
4を回収し、ろ過ケーキを65℃の熱水で1:6のケーキ水重量比で1回あたり3時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、加圧濾過分離し、濾過ケーキを145℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn
3O
4製品3
#を得た。
図3のXRD回折図から各ピークは形状がシャープで、ピークが狭いことが見られ、これは、製造したMn
3O
4に不純相がなく、該Mn
3O
4の結晶体構造が完璧で、欠陥が少ないことを明示する。また、その電子顕微鏡写真は、それが略球状の顆粒であることを明示した。その粒径分布の測定結果からわかるように、その顆粒分布は狭い。具体的な粒径分布値を表1に示す。
【0034】
(実施例4)
(1)空気の浄化
図2に示すように、
図2に示す空気浄化塔7中に、1.0mol/L NH
4OH溶液を用いて10L/m
3の比率で空気の噴霧浄化を行い、浄化された空気を得た。
(2)MnSO
4/H
2Oの前処理
SO
2煙霧を吸収させて得たMnSO
4を(
図2に不示の容器内で)濃度200g/Lに調整し、10mol/L NH
4OHアンモニア水を加えて溶液のpH値を5.8に調節し、pH値が2.8になるようにH
2Sガスを導入し、加圧濾過分離し、残渣を捨て、ろ液1立方メートルあたり2.5Lの27.5重量%H
2O
2溶液の比率でH
2O
2を加え、昇温して沸騰させ、2mol/L Ba(OH)
2溶液でpH値を6に調節し、30分間沸騰させ、加圧濾過分離し、残渣を捨て、使用に備える澄んだろ液を得た。
(3)種結晶の製造
工程(2)で得たMnSO
4溶液を反応容器(図示せず)に加え、36℃に冷却し、pH値が約10.5になるように液体NH
3を導入し、加圧濾過分離し、反応モル比に従ってろ液にNH
4HCO
3を加えてマンガンを回収し、ろ過ケーキを固液重量比1:6である53℃の熱水で1回あたり2.5時間の洗浄で2回洗浄した後、ろ過ケーキを固液重量比1:6で脱イオン水に分散してスラリーにし、また工程(1)で得た浄化空気を導入し、Mn
3O
4に酸化し、加圧濾過分離して使用に備える固体を得た。該種結晶の粒径を測定した結果、D
50は0.82μmであった。
(4)酸化制御、最終製品工程
図2に示す酸化反応器A内に工程(2)で得たMnSO
4溶液80m
3を入れ、種結晶3.2kgを加え、酸化反応器Aに設置したコイルパイプ(図示せず)中の冷却水で系内温度を23℃の範囲に制御した。温度上昇を避けるため、液体アンモニア弁8を開き、液体NH
3を直接加え、反応系内のpH値を7.0に制御した。反応前に、排気弁6を動かして工程(1)で得た浄化空気を導入し、浄化空気で酸化反応器内の空気を置換した後、排気弁6を閉め、循環ポンプ4を動かし、同時にAl塩投入口3を開いて定流で10g/Lの硫酸アルミニウム溶液1325Lを加え、MnSO
4及び液体アンモニアを含む混合溶液を噴射器1に導入して反応を行い、1時間あたり8回循環するように循環ポンプの流量を調節した。反応中、サンプル採取口2でサンプルを採取して分析し、反応液中のMnSO
4含有量が1.5g/L以下になったら反応を停止させた。反応時間は70時間であった。この反応液を加圧濾過分離し、ろ液からCaOで(NH
4)
2SO
4を回収し、ろ過ケーキを70℃の熱水で1:6のケーキ水重量比で1回あたり3時間の攪拌洗浄で2回洗浄し、加圧濾過分離し、濾過ケーキを150℃のオーブンで24時間乾燥した後、Mn
3O
4製品4
#を得た。そのXRD回折図は、製造したMn
3O
4に不純相がなく、該Mn
3O
4の結晶体構造が完璧で、欠陥が少ないことを明示した。また、その電子顕微鏡写真は、それが略球状の顆粒であることを明示した。その粒径分布の測定結果からわかるように、その顆粒分布は狭い。具体的な粒径分布値を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1からわかるように、本発明の方法で製造したMn
3O
4顆粒は、Mn含有量が高く、Mn%が70.48〜70.84重量%であった。また不純物の含有量が少なく、K、Na、Ca、Mg、Fe、Cu、Zn、Pb、及びCd不純物の含有量が低く、ここで、K含有量が10.0ppm未満であり、Na含有量が26.1ppm以下であり、Ca含有量が17.0ppm以下であり、Mg含有量が10.0ppm未満であり、Fe含有量が10ppm未満である。具体的には、本発明に係る四つのサンプルは、Fe含有量が4ppm未満で、特にCu、Zn、Pb、及びCdの含有量が0.1ppm未満である。また、Mn
3O
4顆粒の粒径分布が狭く、そのBET比表面積が小さく、1m
2/g未満であり、D
90が17.00〜19.00μmであり、D
10が6.00〜7.50μmである。具体的には、サンプル1
#〜4
#のBET比表面積は0.40〜0.48m
2/gであり、D
90は17.01〜18.55μmであり、D
10は6.44〜7.13μmであり、嵩密度は2.60〜2.84g/cm
3である。2
#サンプルのD
50が15.10μmである以外、残った三つのサンプルのD
50は11.10〜11.52μmである。つまり、本発明に係るMn
3O
4顆粒の粒径は、国際指標に一致し、平均粒径が10〜12μm又は14〜16μmの範囲にある。また、実施例4からわかるように、本発明の方法によれば、アルミニウムドープの球状の、不純物含有量が低く、単一相結晶体の、粒径分布が狭く、電池のサイクル特性を改良できる四三酸化マンガンの製造に成功した。
前記実施例1〜4からわかるように、本発明の方法で製造したMn
3O
4顆粒は、粒径、比表面積、形態などの諸指標がいずれも国際的な新しいリチウムイオン二次電池マンガン系正極材料の製造における四三酸化マンガンの要求に適合し、その不純物含有量が低く、球状顆粒で、単一相結晶体である。