【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社ペーパーワールドが開催したウェブサイト上の「ペーパーワールドアワード」に出品(平成24年11月11日送付)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記本体部材に設けられた複数の前記スリットの内、1つの前記スリットは、前記シート状部材を折り曲げ加工することで形成される前記本体部材の接合部に形成されることを特徴とする請求項5に記載の組立構造物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る組立構造物を、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
【0017】
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る組立構造物である。
図1に示す組立構造物1は、全体として略アーチ状の外形を有し、主に複数の本体部材2およびシート状連結部材3によって構成される。なお、
図1では、簡単のためにシート状連結部材3の表示を省略している。
【0018】
図2(A)は、
図1に示す本体部材2の斜視図であり、
図2(B)は、
図2(A)に示す矢印方向から本体部材2を見た場合の正面図である。
本体部材2は、筒状であり、六角錐台の側面部分によって構成される。本体部材2は、互いに向かい合う一対の長方形状の側面4と、一対の長方形状の側面4の間にそれぞれ接続される2つの等脚台形の側面5とからなる。
【0019】
長方形状の側面4は、六角錐台の底面部分に対応する辺に第1のスリット6を備え、第1のスリット6によって2つに分割された第1の下辺8をそれぞれ備える。また、長方形状の側面4は、2つの第1の下辺8の反対側に第1の上辺9を備え、2つの縦辺12が2つの第1の下辺8と第1の上辺9との間にそれぞれ延びる。
等脚台形状の側面5は、同じく、六角錐台の底面部分に対応する辺、つまり、下底に第2のスリット7を備え、第2のスリット7によって2つに分割された第2の下辺10をそれぞれ備える。また、等脚台形状の側面5は、2つの第2の下辺10の反対側、つまり上底として第2の上辺11を備え、2つの斜辺13が2つの第2の下辺10と第2の上辺11との間に、つまり、下底と上底との間にそれぞれ延びる。
【0020】
図3に、
図2(A)、(B)に示す本体部材2を形成するシート状部材20の展開図を示す。
図2(A)、(B)に示す本体部材2は、
図3に示すシート状部材20を筒状に折り曲げ加工することで形成される。
本体部材2は、上述のとおりシート状部材20を折り曲げ加工することで形成されてもよく、また、金型を用いた射出成形等で形成されてもよい。なお、金型等を用いた射出成形等で形成された場合、本体部材2は、シート状部材20を用いて折り曲げ加工した場合よりも、高い強度を備える。
【0021】
図3に示すように、シート状部材20は、長方形状の側面4に対して略左右対称に構成されており、長方形状の側面4に対してその左右に、等脚台形状の側面5が2つずつ接続され、2つの等脚台形状の側面5の一端(左端)に第1の接続面14が、2つの等脚台形状の側面5のもう一端(右端)に第2の接続面15がそれぞれ接続される。
長方形状の側面4の縦辺12のそれぞれに対して、等脚台形状の側面5の斜辺がそれぞれ接続し、接続された等脚台形状の側面5のもう一方の斜辺13に対して、同じく等脚台形状の側面5がそれぞれ接続する。そして、左端の等脚台形状の側面5には、第1の接続面14が接続され、右端の等脚台形状の側面5には第2の接続面15が接続される。
【0022】
第1の接続面14は、第1の接続部16を備え、第2の接続面15は第2の接続部17を備え、シート状部材20が折り曲げられた際、第1の接続面14の第1の接続部16と第2の接続面15の第2の接続部17とを嵌合させることで、筒状の本体部材2が形成される。なお、第1の接続面14の第1の接続部16と第2の接続面15の第2の接続部17とが嵌合すると、長方形状の側面4が形成される。
【0023】
次に、シート状部材20を点線(縦辺12、斜辺13)で同一方向(全て山折り、または全て谷折り)に折り曲げることでシート状部材20から本体部材2を組み立てる。
本体部材2の向かい合う側面がそれぞれ所定の角度を備えるように縦辺12、斜辺13を折り曲げ、第1の接続面14の第1の接続部16と第2の接続面15の第2の接続部17とを嵌合させる。
第1の接続面14と第2の接続面15とが接続されることで長方形状の側面4が形成され、一対の長方形状の側面4、および対応する一対の等脚台形状の側面5が互いに所定の角度を有して向かい合い、また、本体部材2が六角錐台の側面部分を形成するように筒状になる。
【0024】
図4(A)は、
図1に示すシート状連結部材3の正面図であり、
図4(B)は、その側面図である。
図4(A)および(B)に示すように
、シート状連結部材3は、略円形状の外形を備え、下部に切り込み部18を備える。なお、シート状連結部材3は、切り込み部18に対して略左右対称に構成される。
【0025】
図5は、本体部材2、およびシート状連結部材3を用いて
図1に示す組立構造物1を組み立てる際の組立説明図である。
図5に示すように、複数の本体部材2を、長方形状の側面4には長方形状の側面4が、等脚台形状の側面5には等脚台形状の側面5がそれぞれ重なるように本体部材2どうしを並べて、隣接する本体部材2の重なった側面4の重なった2つの第1のスリット6にシート状連結部材3の切り込み部18を嵌合させ、また、隣接する本体部材2の重なった側面5の重なった2つの第2のスリット7にシート状連結部材3の切り込み部18を嵌合させて、隣接する本体部材2どうしを連結する。
【0026】
複数の本体部材2をシート状連結部材3で順次連結していくことで、
図5に示す組立構造物1を組み立てることができる。
図5に示す組立構造物は、シート状連結部材3の嵌合方向が、共通する円柱の中心軸上に集まるため、それらの連結をより強固に保つことができる。また、共通する円柱は、組立構造物に外接することが好ましい。
【0027】
また、
図1からも明らかなように、組立構造物1の側面などの端部は、本体部材2と形状の異なる四角錐台状や五角錐台状の他の本体部材によって構成され、本体部材2と同様に、シート状連結部材3によって互いに連結され、組立構造物1を構成する。
【0028】
第1実施形態に係る組立構造物1は、例えば、トンネル等の補強工事に用いることができる。トンネル内部の壁面に沿って組立構造物1を設置することで老朽化したトンネル壁面の大規模な崩落を防ぐことができる。
【0029】
第2実施形態
図6は、本発明の第2実施形態に係る組立構造物である。
図6に示す組立構造物101は、全体として略球状の外形を有し、20個の第1の本体部材102、12個の第2の本体部材103、および90個
のシート状連結部材104によって構成される。
【0030】
図7(A)は、
図6に示す第1の本体部材102の斜視図であり、
図7(B)は、
図7(A)に示す矢印方向から第1の本体部材102を見た場合の正面図である。
第1の本体部材102は、それぞれ筒状であり、円錐台の側面105によって構成される。
【0031】
第1の本体部材102の円錐台の側面105は、円錐台の下底面部分に対応する円周106と、円錐台の上底面部分に対応する円周107とをそれぞれ備える。
また、円錐台の下底面部分に対応する円周106は、円周106上に等間隔に設けられた6つの第1のスリット108によって、6つの円弧109に分けられる。
第1のスリット108は、それぞれ、下底面部分に対応する円周106から上底面に対応する円周107方向に向かって側面105の幅方向に延びて、円錐台の側面105上に形成される。
【0032】
また、
図8(A)は、
図6に示す第2の本体部材103の斜視図であり、
図8(B)は、
図8(A)に示す矢印方向から第2の本体部材103を見た場合の正面図である。
また、第1の本体部材102と同様に、第2の本体部材103は、それぞれ筒状であり、円錐台の側面110によって構成される。
【0033】
第2の本体部材103の円錐台の側面110は、円錐台の下底面部分に対応する円周111と、円錐台の上底面部分に対応する円周112とをそれぞれ備える。
また、円錐台の下底面部分に対応する円周111は、円周111上に等間隔に設けられた5つの第2のスリット113によって、5つの円弧114に分けられる。
第2のスリット113は、それぞれ、下底面部分に対応する円周111から上底面に対応する円周112方向に向かって側面110の幅方向に延びて、円錐台の側面110上に形成される。
【0034】
第1の本体部材102の円錐台の側面105の幅と第2の本体部材103の円錐台の側面
110の幅とは、それぞれ等しく、また、第1の本体部材102の円錐台の下底面部分に位置するそれぞれの円弧109の長さと、第2の本体部材103の円錐台の下底面部分に対応するそれぞれの円弧114の長さとは、それぞれ等しく、第1のスリット108の側面105の幅方向の大きさと第2のスリット113の側面110の幅方向の大きさとは、それぞれ等しい。
【0035】
図9(A)に、
図7(A)、(B)に示す第1の本体部材102を形成する第1のシート状部材120の展開図を示す。
図7(A)、(B)に示す第1の本体部材102は、
図9(A)に示す第1のシート状部材120を筒状に加工することで形成される。
第1のシート状部材120は、一方の端部に第1の接続部121を備え、もう一方の端部に第2の接続部122を備え、第1の接続部121と第2の接続部122とを重ね合せることで筒状の第1の本体部材102が形成される。
【0036】
また、同様に、
図9(B)に、
図8(A)、(B)に示す第2の本体部材103を形成する第2のシート状部材130の展開図を示す。
図8(A)、(B)に示す第2の本体部材103は、
図9(
B)に示す第2のシート状部材130を筒状に加工することで形成される。
第2のシート状部材130は、一方の端部に第1の接続部131を備え、もう一方の端部に第2の接続部132を備え、第1の接続部131と第2の接続部132とを重ね合わせることで筒状の第2の本体部材103が形成される。なお、第2の本体部材103は、第1のシート状部材120の両端部を所定量ずつ更に余分に重ねることでも形成され得る。
なお、第1実施形態と同様に、第1の本体部材102および第2の本体部材103は、上述のとおり第1のシート状部材120および第2のシート状部材130を折り曲げ加工することで形成されてもよく、また、金型を用いた射出成形等で形成されてもよい。なお、金型を用いた射出成形等で形成された場合、第1の本体部材102および第2の本体部材103はそれぞれ、第1のシート状部材120および第2のシート状部材130を用いて折り曲げ加工した場合よりも、高い強度を備える。
【0037】
第1の本体部材102と第2の本体部材103とを、あるいは、第1の本体部材102どうしを連結させるシート状連結部材104は、例えば、
図10(A)に示す第3のシート状部材140を図示された点線で折り曲げ加工することで形成される。
図10(B)は、第3のシート状部材140を折り曲げ加工して形成されたシート状連結部材104の正面図であり、
図10(C)は、シート状連結部材104の側面図である。シート状連結部材104は、第1の本体部材102の第1のスリット108や第2の本体部材103の第2のスリット113に嵌合する切り
込み部141を備える。
なお、上述と同様、シート状連結部材104は、金型を用いて射出成形等で形成されてもよい。
【0038】
図11は、第1の本体部材102、第2の本体部材103、およびシート状連結部材104を用いて
図6に示す組立構造物101を組み立てる際の組立説明図である。
組立構造物101を組み立てるには、20個の第1の本体部材102、12個の第2の本体部材103、および90個のシート状連結部材104が必要である。
【0039】
例えば、第2の本体部材103の周りに第1の本体部材102を5つ並べて、第2の本体部材103の第2のスリット113と第1の本体部材102の第1のスリット108とをそれぞれ重ねて、重なった第1のスリット108および第2のスリット113にシート状連結部材104の切り込み部141をそれぞれ嵌合させ、また、隣接する第1の本体部材102の第1のスリット108どうしをそれぞれ重ねて、重なった2つの第1のスリット108にシート状連結部材104の切り込み部141をそれぞれ嵌合させて、隣接する第2の本体部材103と第1の本体部材102とそれぞれ連結し、隣接する第1の本体部材102どうしをそれぞれ連結する。
【0040】
同様に、複数の第1の本体部材102と第2の本体部材103とを、切頂二十面体に対応するようにシート状連結部材104で順次連結していくことで、
図11に示す組立構造物101を組み立てることができる。
図11に示す組立構造物101は、シート状連結部材
104の嵌合方向が、共通する球の中心に集まるため、それらの連結をより強固に保つことができる。また、共通する球は、組立構造物101に外接することが好ましい。
【0041】
第2実施形態に係る組立構造物101は、例えば、ドーム状の建築物を構成することができる。その際、組立構造物101全体を覆うようにビニールシート等の布材を被せてもよく、また、積雪の多い地方であれば、組立構造物101の上に降り積もった雪が自然に固まって、組立構造物101を骨組みの基礎とするドーム状の屋根が形成される。
【0042】
第3実施形態
図12は、本発明の第3実施形態に係る組立構造物である。
図12に示す組立構造物31は、切頂二十面体の外形を備え、20個の第1の本体部材32、12個の第2の本体部材33、60個の第1のシート状連結部材34、および30個の第2のシート状連結部材35からなる。第1の本体部材32および第2の本体部材33は、板状のプラスチックまたは金属などからなり、例えば、射出成形によって形成される。
【0043】
図13(A)は、
図12に示す第1の本体部材32の斜視図であり、
図13(B)は、
図13(A)に示す矢印方向から第1の本体部材32を見た場合の正面図である。
第1の本体部材32は、六角錐台の側面を構成する6つの等脚台形状の第1の側面37と六角錐台の下底面である正六角形状の第1の正面36とからなり、第1の正面36に対向する面(上底面)が開放されている。なお、第1の正面36と第1の側面37との為す角は、約72.6°である。
【0044】
正六角形状の第1の正面36は、6つの第1の側面37と接続する辺の中央から第1の正面36自身へ延びる第1の正面スリット38をそれぞれ備え、第1の側面37のそれぞれは、第1の正面36の第1の正面スリット38から連続して第1の側面37自身へ延びる第1の側面スリット39を備える。
【0045】
等脚台形状の第1の側面37は、開放された面に接続される第1の上底42と、第1の正面36に接続される第1の下底40と、他の第1の側面37にそれぞれ接続される一対の第1の脚部41とからなる。第1の下底40は、第1の正面スリット38によって第1の左下底部40aと第1の右下底部40bとの2つに分けられる。
また、上述のとおり正六角形状の第1の正面36は、第1の下底40によって囲まれ、第1の下底40は、第1の側面スリット39によって、第1の左下底部40aと第1の右下底部40bとの2つに分けられる。
【0046】
図14(A)は、
図12に示す第2の本体部材33の斜視図であり、
図14(B)は、
図14(A)に示す矢印方向から第2の本体部材33を見た場合の正面図である。
第2の本体部材33は、五角錐台の側面を構成する5つの等脚台形状の第2の側面44と五角錐台の下底面である正五角形状の第2の正面43とからなり第2の正面43に対向する面(上底面)が開放されている。なお、第2の正面43と第2の側面44との為す角は、約77°である。
【0047】
正五角形状の第2の正面43は、5つの第2の側面44とそれぞれ接続する辺の中央から第2の正面43自身へ延びる第2の正面スリット45を備え、第2の側面44はそれぞれ、第2の正面43の第2の正面スリット45から連続して第2の側面44自身へ延びる第2の側面スリット46を備える。
【0048】
等脚台形状の第2の側面44は、開放された面に接続される第2の上底49と、第2の正面43に接続される第2の下底47と、他の第2の側面44にそれぞれ接続される一対の第2の脚部48とからなり、第2の下底47は、第2の側面スリット46によって、第2の左下底部47aと第2の右下底部47bとに分けられる。
また、第2の正面43は、上述のとおり正五角形状であり、第2の下底47によって囲まれており、第2の下底47は、上述と同様に、第2の正面スリット45によって、第2の左下底部47aと第2の右下底部47bとに分けられる。
【0049】
図15は、第1の本体部材32、第2の本体部材33、第1のシート状連結部材34、および第2のシート状連結部材35を用いて
図12に示す組立構造物31を組み立てる際の組立説明図である。
図15に示すように、20個の第1の本体部材32の正六角形状の第1の正面36と12個の第2の本体部材33の正五角形状の第2の正面43とが切頂二十面体の外形を呈するように並べて、隣接する第1の本体部材32と第2の本体部材33との連続する第1の正面36と第2の正面43とに互いに連なる対応する第1の正面スリット38と第2の正面スリット45とに、第1のシート状連結部材34を嵌合させることで、隣接する第1の本体部材32と第2の本体部材33とを連結する。
また、同様に、隣接する第1の本体部材32どうしの連続する第1の正面36に互いに連なる対応する2つの第1の正面スリット38に、第2のシート状連結部材35を嵌合させることで、隣接する第1の本体部材32どうしを連結する。
このとき、60個の第1のシート状連結部材34および30個の第2のシート状連結部材35の全ての嵌合方向が上述の切頂二十面体の外形の中心に集まることで、組立構造物31の連結構造を強固なものとすることができる。
【0050】
また、
図16に示すように、第3実施形態の変形例に係る組立構造物として、下底面部分を開放し、上底面部分を塞いだ第1の本体部材および第2の本体部材を組み合わせて組立構造物51を構成してもよい。
なお、組立構造物51では、第1のシート状連結部材34および第2のシート状連結部材35を組立構造物51の内側から外側へ向けて嵌合することとなるが、その場合、組立構造物51は最後に連結される本体部材によって内部が閉じられてしまう。
そのため、最後に連結される本体部材については、第1のシート状連結部材34および第2のシート状連結部材35を内側から外側へ向けて嵌合することはできないが、例えば、本体部材の少なくとも1つの本発明の第2の面に孔を開け、その孔からシート状連結部材を嵌合させてもよく、また、最後の本体部材のみ、その側面部分に設けられたスリットに対してシート状連結部材を組立構造物51の外側から嵌合してもよい。この場合のシート状連結部材は、例えば、長方形状のシート状連結部材であって、本体部材の側面に設けられたスリットに嵌合させることで最後の本体部材と残りの組立構造物とを連結することができる。なお、最後の本体部材と残りの組立構造物とを連結するために、種々の公知の手法を用いることができる。
【0051】
なお、第1実施形態および第2実施形態において、本体部材の側面に設けられたスリットは、下底面側から上底面側に向けて設けられたが、本体部材の側面の中央付近に設けられてもよく、また、本体部材の側面の上底面側から下底面側へ向けて設けられてもよい。
いずれの場合でも、シート状連結部材は、隣接する本体部材の重なったスリットに嵌合するように設置される。
【0052】
また、本体部材の接合部の形状、例えば、第1実施形態の本体部材2の第1の接続面14の第1の接続部16と第2の接続面15の第2の接続部17の形状、第2実施形態の第1の本体部材102の第1の接続部121と第2の接続部122の形状、および第2の本体部材103の第1の接続部131と第2の接続部132の形状は、それぞれ特に限定されないが、第1の接続部と第2の接続部とが互いに嵌合し、接着剤等を用いなくとも本体部材が筒の形状を維持でき、上下左右からの引張り応力等にも強い形状を備えることが好ましい。
【0053】
本発明に係る組立構造物は、それぞれ形状の異なる複数種類の本体部材を組み合わせて構成されてもよい。組立構造物は、正多面体や半正多面体の構造に対応した形状を備えてもよく、例えば、変形十二面体に対応した組立構造物としては、正三角錐台の側面からなる本体部材80個と、正五角錐台の側面からなる本体部材12個と、シート状連結部材150個とからなる。この場合、正三角錐台の下底面の一辺と正五角錐台の下底面の一辺との長さはそれぞれ等しく、正三角錐台の側面を構成する等脚台形と正五角錐台の側面を構成する等脚台形とは、隙間なく接することが好ましい。
【0054】
本発明では、本体部材を形成するシート状部材、およびシート状連結部材を形成するシート状部材のそれぞれは、同一の材料シートから複数枚ずつ切り出されてもよい。この材料シートは、材質については特に限定されず、例えば、防水加工や防火加工などの特殊加工がなされた段ボールや厚紙でもよく、折り曲げ可能なプラスチックシートなどでもよく、また、アルミニウムシートやスチールシートなどの可撓性の金属シートであってもよい。
なお、これら本体部材を形成するシート状部材、およびシート状連結部材を形成するシート状部材のそれぞれは、別々の材料シートから切り出されたものでもよく、また、それぞれ材質の異なるシートから切り出されたものでもよい。
【0055】
また、上述の折り曲げ加工とは、紙等のシート状の部材を人間の手によって折り曲げる場合はもちろん、金属板等を、金型を用いてプレス加工する場合や、プラスチックシート等を熱を加えて塑性変形させる場合も含む。
また、本体部材およびシート状連結部材の形成方法として、上述では折り曲げ加工と金型を用いた射出成形を記載しているが、特にこれらに限定されるものでなく、例えば、鋳造、鍛造、削り出し等、種々の公知の形成方法を利用することができる。
【0056】
また、本発明の本体部材とシート状連結部材によって構成される組立構造物は、他の部材を用いなくとも頑丈な構造を有するが、本体部材どうしを連結させるにあたって、本体部材の側面にボルト用の穴を設け、ボルトを用いて、重なる2つの本体部材側面を固定することで、さらに組立構造物の強度を増すことが可能となる。
【0057】
以上、本発明の組立構造物について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。