(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の制御入力を有する第1の冷媒調節弁であって、輸送手段の中央集中液冷システムと前記熱電装置液冷放熱面側ヒートシンクとの間の冷媒路に沿った前記低温冷却液システムに連結され、前記第1の制御入力に従って、輸送手段の中央集中液冷システムから前記熱電装置液冷放熱面側ヒートシンクへの冷却液の流れを制御する第1の冷却液調節弁と、
第2の制御入力を有する第2の冷媒調節弁であって、輸送手段の中央集中液冷システムと前記熱電装置冷却面側熱交換器との間の冷媒路に沿った前記低温冷却液システムに連結され、前記第2の制御入力に従って、輸送手段の中央集中液冷システムから前記熱電装置冷却面側熱交換器への冷却液の流れを制御する第2の冷却液調節弁と、
センサデータ出力を有するセンサであって、前記隔室からの空気の温度を測定し、それを表すセンサデータを出力するように位置づけられたセンサと、
前記センサデータ出力、前記第1の冷媒調節弁の前記第1の制御入力、前記第2の冷媒調節弁の前記第2の制御入力及び前記熱電装置に連結され、前記第1の冷媒調節弁の前記第1の制御入力、前記第2の冷媒調節弁の前記第2の制御入力及び前記熱電装置に制御信号を送信することにより、前記センサデータに従って前記隔室の温度を制御するように構成されているコントローラと、をさらに備える、請求項8に記載の冷却システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
航空機等の輸送手段は近年、液冷システム(以下、LCSという)を搭載するようになってきた。LCSは一般に中央集中冷却システムとして機能し、これによって、低温冷却剤が中心部分から航空機全体に分散されて、フードワゴン/カートが組み込まれるギャレーの中のプレナムの冷却のほか、機内エンターテインメント用電子機器の冷却に使用される。LCSは一般に、中央冷却ユニットと、ポンプと、低温冷却液(PGW、60容量%のプロピレングリコール水溶液またはガルデン冷却剤等)を循環させるための冷却液ループ状配管(tubing loop)とを備える。低温冷却液はLCSによって、たとえば−8℃等の低温に保持されてもよい。低温冷却液は一般に、中央冷却ユニットによって冷却された後に、航空機全体を通じてすべてのギャレーとそれぞれの給食ワゴンにポンプで送出される。
【0009】
LCSに連結されるギャレー用冷却装置は、先行技術のギャレー用冷却装置より有利であろう。この新規な冷却装置は先行技術と比べて、より軽量で、内部部品が少なく、電気エネルギー消費量が少なく、蒸気サイクルシステム(またはその実質的部分)が省かれる分、より多くの内容物を収容できるかもしれない。その結果、LCSに接続されたギャレー用冷却装置は、信頼性が高く、維持費が安く済むかもしれない。LCSに接続され、内蔵型の蒸気サイクルシステムを持たないこのような冷却装置においては、冷却器周辺の空気の流れが必要でないかもしれない。従って、ギャレーの中に冷却装置からの熱を排出するためのエアダクトを設置することが不要となるかもしれない。
【0010】
図1は、一例としての航空機ギャレー用冷却装置100の斜視図である。一例としてのギャレー用冷却装置100は、ライン交換ユニット(LRU)であってもよく、航空機の離陸前および飛行中の両方で冷却機能を提供してもよい。冷却機能は、低温冷却液システム、蒸気サイクルシステムおよび/または熱電冷却システム等の冷却システムを使って提供されてもよい。冷却装置100は、ARINC 810規格に従って設計されてもよい。冷却装置100は、周波数360から900Hzの3相115または200ボルト交流(VAC)等の電源を使って動作するように構成されてもよい。冷却装置100は、AC−DC電力変換を用いて、予想可能で一貫した電源をファンモータおよび/またはバルブアクチュエータに提供してもよい。冷却装置100は同様に、多相変圧器(15パルス変圧器等)を備え、冷却装置100から反射されて、冷却装置100が連結されているかもしれない機体配電システムに戻る電流高調波を低減させるようになっていてもよい。
【0011】
冷却装置100は、冷却隔室120に続くドアを有する筐体110(シャシー等)を備える。冷却隔室120は、内部ライナと断熱材を備えていてもよい。内部ライナは、ステンレススチールで構成されていてもよい。内部ライナおよび/または筐体110は接地され、冷却装置100への外部電磁干渉(EMI)の影響を遮断しながら、内部で発生される高周波エネルギーを閉じ込めるのを助けるファラデーシールドとなっていてもよい。冷却装置100の各種の実施形態では、EMIフィルタを備えて、伝導されたEMIに対する感受性が低下し、EMIの放出が低減されるようになっていてもよい。筐体110は、取付レールと、脱着自在のエアフィルタと、ベゼルと、車輪を備えていてもよい。冷却隔室120に続くドアは、ドアハンドル130を備えていてもよく、これを用いてドアの開閉が行われる。
【0012】
冷却装置100は同様に、1つまたは複数の入力装置(コントロールボタンまたはスイッチ等)150と表示パネル(LCDディスプレイまたはLED等)160を有するコントロールパネル140を備えていてもよい。表示パネル160は、ユーザインタフェースディスプレイであってもよい。表示パネル160は、接地されたバックプレーンに取り付け、RF放出を低減させてもよい。表示パネル160のディスプレイガラスの裏に、ポリマに酸化インジウムスズ(ITO)を重ねた層を用いて、RFエネルギー放射を遮断または低減させてもよい。冷却装置100は、入力装置150と表示パネル160に接続されたコントローラを備えていてもよい。コントローラは、入力装置150を通じて使用者からの入力命令を受け取ってもよく、入力命令としては、冷却装置のスイッチのオンまたはオフ、動作モードの選択、および冷却隔室120の所望の温度の設定等がある。コントローラは、表示パネル160を使って、冷却装置の動作状態(動作モード、除霜サイクルの作動、冷却隔室120および/または冷却装置の構成要素の過熱状態によるシャットダウン等)に関する情報を使用者に対して出力してもよい。コントローラは、シールドツイストケーブルを使って入力装置150と表示パネル160に接続されていてもよく、電気的に堅牢な特性を有するRS−232通信プロトコルを使って、入力装置150および/または表示パネル160と通信してもよい。
【0013】
コントローラは、電気回路と、印刷回路板と、演算処理機と、演算命令を記憶させたメモリ、および/またはデータ通信回路を備えていてもよい。コントローラは、アルミニウム製のシャシーまたはシートメタルの箱体の上に、またはこれを用いて構成されてもよく、シャシーまたは箱体は接地され、高周波数エネルギーの伝達をほとんど通さなくてもよい。高電圧および/または高周波数信号を冷却装置100に、または冷却装置100から伝送するワイヤは、撚り線および/またはシールド付のものとして、RF放射、感受性およびEMIを低減させてもよい。低周波数および低電圧導体ワイヤは一般に、高周波数ノイズをすべてグラウンドにバイパスするために、コントローラの印刷回路板でフィルタ処理されてもよい。
【0014】
コントローラは、航空機に搭載されるような中央コンピュータシステムによって制御されてもよく、またはこれと通信していてもよい。コントローラは、ARINC 810適合の物理インタフェース上にARINC 812適合の論理通信インタフェースを実装していてもよい。コントローラは、ギャレーデータバス(Galley Data Bus)(ギャレーネットワークGANバス等)を通じて通信し、ギャレーネットワークコントローラ(ARINC 812仕様書に記載されているようなマスターゲインコントロールユニット(Master GAIN Control Unit)等)とデータを交換してもよい。ARINC 812仕様書に従い、コントローラは、ネットワークモニタ、電源管理、遠隔操作、故障モニタ、およびデータ転送機能を提供してもよい。コントローラは、適切に応答するために、GNCタッチパネル表示装置上の表示についてギャレーネットワークコントローラ(GNC)から受け取ったメニュー定義要求を実行し、関連するボタンが押されるイベントを処理してもよい。コントローラは、RS−232通信インタフェースおよび/または赤外線データポートを使って、たとえばパーソナルコンピュータ(PC)や携帯情報端末(PDA)との通信等、その他の通信を可能にしてもよい。こうしたその他の通信には、冷却装置100の動作のリアルタイムモニタ、長期間のデータ読み出し、制御システムソフトウェアのアップグレード等が含まれていてもよい。さらに、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)バスを使って、冷却装置100の中のコントローラとモータコントローラとの間の通信を行ってもよい。
【0015】
冷却装置100は、冷却隔室120の中に入れられた飲料品および/または食料品を冷却するように構成されていてもよい。冷却装置100は、冷蔵、飲料品冷却、冷凍を含むいくつかのモードのうちの1つまたは複数で動作してもよい。使用者は、コントロールパネル140を使って、冷却隔室120の所望の温度を選択してもよい。冷却装置100に搭載されたコントローラは、所望の温度に従って、冷却隔室120内の温度を高い精度で制御してもよい。従って、冷却隔室120内に貯蔵される食料品の品質は、使用者が選択した冷却装置100の動作モードに応じて保持されてもよい。
【0016】
各種の実施形態において、冷却装置100は、事前にプログラムされたいくつかの温度の中の使用者による選択に従って、または使用者が入力した具体的な温度に従って、冷却隔室120内の温度を保持してもよい。たとえば、飲料保冷器モードでは、冷却隔室120内の温度は使用者による選択可能な約9℃、約12℃または約16℃の温度に保持されてもよい。冷蔵庫モードでは、冷却隔室120内の温度は使用者による選択可能な約4℃または約7℃の温度に保持されてもよい。冷凍庫モードでは、冷却隔室120内の温度は使用者による選択可能な約−18℃から0℃の温度に保持されてもよい。
【0017】
各種の実施形態において、冷却装置100はファンアセンブリも備えていてもよく、ファンアセンブリはファンモータと、モータコントローラと、ブロワアセンブリと、過熱サーモスタットとを備えていてもよい。ファンアセンブリは、熱交換器、蒸発器および/または冷却器に動作的に連結されていてもよい。冷却装置100は同様に、配管システムを備えていてもよく、これは、液体−気体(たとえば強制対流)熱交換器または液体伝導熱交換器、圧力ベゼル、温度調節弁、圧力調節破裂板、温度センサ、および1つまたは複数のクイックディスコネクトを有していてもよい。さらに、冷却装置100は電源モジュールを備えていてもよく、これは1つまたは複数のプリント配線板(PCB)、ワイヤハーネス、ARINCコネクタおよび/または電源変換ユニットを有する。冷却装置100は同様に、配管とエアインタフェースの構成要素と、冷却水排出装置の構成要素を備えてもよい。
【0018】
冷却装置100は、温度センサ等の1つまたは複数のセンサとアクチュエータも備えていてもよい。センサは、気温および冷媒温度を感知し、圧力を感知するように構成されていてもよく、アクチュエータは弁を開閉するように構成されていてもよい。たとえば、蒸発器入口気温センサ“RT1”は、冷却隔室120から蒸気サイクル冷却システムの蒸発器に戻る空気の温度を測定してもよく、蒸発器出口気温センサ“RT2”は、蒸発器から冷却隔室120に供給される空気の温度を測定してもよく、冷却器入口空気または液体温度センサ“RT3”は、冷却装置100付近の周辺空気または入口液体の温度を測定してもよく、排出空気または液体温度センサ“RT4”は、冷却装置100のリアパネルにおいて、蒸気サイクル冷却システムからの排気または排出液の温度を測定してもよい。コントローラは、センサから供給されるデータに基づき、アクチュエータを使って冷却装置100の動作を制御してもよい。
【0019】
コントローラは固定の最低レートでセンサをポーリングし、冷却装置100がその動作の制御に必要なすべてのデータを、冷却装置100の中の1つまたは複数の冷却システムのリアルタイムの動作に間に合うように取得できるようにしてもよい。ポーリングされた数値は、コントローラによってRS−232または赤外線インタフェースを介してパーソナルコンピュータまたはPDAに報告されてもよく、同様にコントローラエリアネットワーク(CAN)バスで報告されてもよい。ポーリングされた数値は、コントローラによって制御アルゴリズムにおいて使用されてもよく、後に読み出して分析するために、長期メモリまたはデータ記憶媒体に保存されてもよい。
【0020】
コントローラは、たとえば過熱状態、過大圧力状態、過電流状態等の外部/内部の異常事象による冷却装置100とこれを構成する構成要素の損傷を防止し、異常事象に応じて冷却装置100および/またはその構成要素の1つまたは複数をシャットダウンする自己保護機能を果たしてもよい。自己保護機能としては、重要なシステムセンサをモニタし、センサからのモニタ結果のデータが、自己保護動作の作動を必要とする問題が発生したことを示した場合に適切な自己保護動作を実行することであってもよい。このような自己保護動作により、冷却装置100および/またはその構成要素が損傷を受けること、または安全でない状態を生じさせることが防止されてもよい。自己保護動作は同様に、モニタされた問題、自己保護動作および/またはこれに関連する何らかの必要なメンテナンスに関して、表示パネル160を介して適当な通知を行ってもよい。コントローラの自己保護機能は、冷却装置100の中に同様に配備されていてもよい機械的な保護装置に代わるのではなく、これを補足するものであってもよい。コントローラは、自己保護シャットダウンをトリガした異常事象が解消され、またはその程度が軽減された後に、センサからのモニタ結果データを使用して、インテリジェントに冷却装置100を再スタートさせ、所望の動作モードを再び作動させてもよい。
【0021】
冷却装置100は、モジュール式ユニットとして構成されてもよく、航空機内のARINCサイズ2の配置場所(ARINC size 2 locations)に適合するプラグアンドプレイ方式の嵌め込み式器具(insert)であってもよい。冷却装置100は、冷蔵庫/オーブンユニット等、他のギャレー用挿入器具(GAIN)と共有される部品を備えていてもよい。いくつかの実施形態において、冷却隔室120は、食料品保存のための内部容量が約40リットルであってもよく、ワインボトルのサイズの瓶入り飲み物15本を保存できてもよい。実施形態の一例では、冷却装置100は、重量が空の状態で約14kgであってよく、外寸は高さ約56.1cm、幅28.5cm、奥行き56.9cmであってよい。他の実施形態では、用途に応じて、重量が上記以上または以下であっても、または外寸が上記以外であってもよい。
【0022】
図2は、コールドウォール伝導式熱交換器210を備える、一例としての航空機ギャレー用冷却装置200を示す。コールドウォール伝導式熱交換器210は、筐体110の中で、少なくとも部分的に冷却隔室120を取り囲んでいてもよい。コールドウォール伝導式熱交換器210は、航空機液冷システム(LCS)220からの冷たい冷却液を、クイックディスコネクト230から受け取り、冷却隔室120からの熱がコールドウォール伝導式熱交換器210を流れる間にこの熱を吸収した後に、温められた冷却液を別のクイックディスコネクト230からLCS220へと排出する。コールドウォール伝導式熱交換器210が冷却隔室120のライナと接触するように構成されることによって、冷却隔室120の中の食料品や飲料品からの熱が、コールドウォール伝導式熱交換器210を流れる冷却液に伝導するのが促進されてもよい。冷却装置はLRUであってもよいため、クイックディスコネクト230により、冷却装置をLCS220に容易に素早く接続し、これから取り外すことができ、たとえばメンテナンスのために冷却装置を取り外し、再び取り付ける間などに、冷却液がこぼれない。
【0023】
コントローラ240は、冷却剤調節弁(CCV)250を制御してLCS220からコールドウォール伝導式熱交換器210への冷却液の流れを調整し、冷却隔室120内の正確な温度が保持されるようになっていてもよい。コントローラ240は、1つまたは複数の温度センサを使って、センサモニタ入力260から冷却隔室120内の気温をモニタしてもよい。コントローラは、データ接続270を通じて、外部のコンピューティングシステムにデータを出力し、および/または制御命令とデータを受け取ってもよい。いくつかの実施形態において、CCV250は、通常は閉じていて、コントローラ240から受け取った電気信号の大きさに応じて開いてもよい。電気信号は、冷却隔室120内で測定された温度に関係していてもよい。いくつかの実施形態において、電気信号の大きさとCCV250の開放とは略直線関係であってもよい。たとえば、CCV250は、冷却隔室120内の測定温度が所望の閾値温度以下である時には通常は閉じていてもよく、冷却隔室120の測定温度と所望の閾値温度との温度差に比例して、LCS220からの冷却液がコールドウォール伝導式熱交換器210の中に流れるように開いてもよい。
【0024】
図3は、
図2のコールドウォール伝導式熱交換器210の構成の一例を示す。コールドウォール伝導式熱交換器210は、冷却隔室120の内部に面した側にシートメタルで構成される内部ライナ310を備えていてもよい。コールドウォール伝導式熱交換器210は同様に、シートメタル等、熱伝導率のよい材料で構成された外表面320を備えていてもよい。冷却剤回路330が内部ライナ310と外表面320との間に形成されてもよい。冷却剤回路330は、その中をLCS220からの冷却液が流れる溝を有してもよい。冷却剤回路330の溝は、ろう付け材料340によって分離されてもよい。冷却剤回路330は、内部ライナ310および/または外表面320のシートメタル上に、スタンプ法によりグラファイトで形成してもよく、そして圧延工程で組み立ててもよい。
【0025】
図4は、液体−気体熱交換器410を有する、一例としての航空機ギャレー用冷却装置400を示す。液体−気体熱交換器410は、強制対流熱交換器を備えていてもよい。冷却ループが1つの
図2に示される冷却装置200と異なり、冷却装置400は効果的に2つの冷却ループを有する。第一の冷却ループは、LCS220によって冷却装置400に供給される冷却液を含む。第二の冷却ループは、冷却隔室120と液体−気体熱交換器410を通じて循環する空気420を含む。冷却隔室120の中の食料品および/または飲料品からの熱は、その中を循環する空気420に伝達されてもよい。液体−気体熱交換器410は次に、循環する空気420からの熱をLCS220からの冷却液に伝達してもよい。
【0026】
コントローラ430は、冷却剤調節弁(CCV)440を制御して、LCS220から液体−気体熱交換器410への冷却液の流れを調節し、冷却隔室120の中の正確な温度が保持されるようにしてもよい。この点で、コントローラ430は、
図2のコントローラ240に関して説明したものと同様の方法で機能してもよい。コントローラは空気420の温度を、第二の冷却ループの中の1カ所または複数カ所、たとえば空気420が液体−気体熱交換器410に入る位置、液体−気体熱交換器410を出る位置、および/または冷却隔室120内を循環する箇所等で測定してもよい。コントローラは、CCV440を作動させることによって空気420の測定位置での空気420の温度を直接制御して、これによって冷却隔室120内の温度を間接的に制御してもよい。さらに、コントローラ430は、ファン450を制御し、循環空気420を強制的に冷却隔室120と液体−気体熱交換器410の中で循環させてもよい。コントローラ430は、冷却隔室120内の測定温度、液体−気体熱交換器410を通過する前または後の循環空気420および/またはCCV440の状態に応じて、ファン450をより高速またはより低速で回転させてもよい。コントローラ430は、CCV440とファン450の制御を調整してもよい。コントローラ430は同様に、ファン450が過熱状態に到達したことを示してもよいファン450のサーマルスイッチをモニタしてもよい。ファン450が過熱すると、ファン450はそのサーマルスイッチによって動作を停止してもよい。コントローラ430はその後、過熱状態が修正されるまで、CCV440を閉じる等によって冷却装置400の動作を相応に調節してもよく、ファン450は再び始動してもよい。
【0027】
ファン450は、遠心型のファンであってもよい。遠心ファンの場合、冷却装置400に必要な気流に関して、他のタイプのファンより空気力学的効率が高いかもしれない。従って、遠心ファンを用いることにより、排出される熱による性能の低下があっても最小限で済むかもしれない。遠心型ファンでは同様に、必要な空間が縮小され、冷却装置の筐体110をより小型化できる。エアダクト(図示せず)を筐体110の中に設置し、循環空気420を冷却隔室120から液体−気体熱交換器410とファン450を通って、冷却隔室120に戻るように方向づけてもよい。
【0028】
コントローラ430は、冷却装置の除霜サイクルを制御して、除霜サイクルが進行中であることを示す信号を供給してもよい。コントローラ430は、差圧式デバイスを使って着氷を感知してもよく、あるいは内部タイマによって計測される定期的間隔で除霜サイクルを実行してもよい。除霜サイクルは、ファン450の動作中にCCV440を閉じ、すべての氷が解けるまで空気420を循環させるステップを含んでいてもよい。除霜サイクルが完了したら、ファン450を約30秒間停止させ、熱交換器410に付着しているかもしれない水が滴下して、排出されるようにしてもよい。除霜サイクル中、冷却水は冷却装置400の底のトレイに回収され、クリーニングされる。
【0029】
図5は、一例としての液体−気体熱交換器の前面図である。この例の液体−気体熱交換器は、1つの実施形態の液体−気体熱交換器410を備えていてもよい。液体−気体熱交換器は、その中を
図4に示されるLCS220によって提供されるような冷却液が流れる溝を備える、冷却液回路510を備えていてもよい。液体−気体熱交換器は同様に、冷却液回路510に連結された複数のプレート/フィン520を備えていてもよい。循環空気420のような空気は複数のプレート/フィン520から吹き込まれ、冷却液回路510を流れる冷却液を使って、循環空気420を冷却してもよい。プレート/フィン520は効率的に熱を伝達し、空気から冷却液への熱の移転を促進する。液体−気体熱交換器がプレート/フィン520を有する構成であることから、必要な熱交換器の性能に対して、その大きさと重量が最小限で済むかもしれない。液体−気体熱交換器は、高強度アルミニウム合金等、強力であるが軽量の材料で構成してもよい。液体−気体熱交換器は同様に、冷却液回路510の内部通路と外表面の両方に、適当な防食手段を備えていてもよい。防食手段は、民間航空機用として一般的なものであってよい。
【0030】
図6は、多段階(cascade)冷却システムを有する、一例としての航空機ギャレー用冷却装置600を示す。冷却装置600は、2つの冷却システムによって提供される3つの冷却ループを効果的に有する。LCS220によって供給される冷却液を使って冷却される冷却液システムは、3つの冷却ループのうちの第一のループに含まれる液体−気体熱交換器610を備える。液体−気体熱交換器610は、
図5に示される液体−気体熱交換器の実施形態であってもよい。冷媒蒸気サイクルシステムは、3つの冷却ループのうちの第二のループに含まれる圧縮器620、冷却器630および蒸発器640を備える。第三の冷却ループには、冷却隔室120、液体−気体熱交換器610および蒸発器640を流れる循環空気650が含まれる。どの時点においても、低温冷却液システムと冷媒蒸発サイクルシステムの一方または両方を使って、循環空気650を介し、冷却隔室120が冷却されてもよい。液体−気体熱交換器610は、
図4に関して説明したものと同様の方法で、循環空気650からの熱をLCS220によって供給される冷却液に伝達することにより、冷却隔室120を冷却してもよい。同様に、蒸発器640は、循環空気650からの熱を、冷媒蒸気サイクル内を循環する冷媒に伝えることによって、冷却隔室120を冷却してもよい。
【0031】
冷媒蒸気サイクルシステム内の冷却器630は、LCS220によって供給される冷却液を用いる液冷式であってもよい。従って、冷却器630からの熱は、冷却器冷媒回路630Aの中で冷媒から冷却器630に伝達される熱を含め、冷却器二次冷却剤回路630Bの中の冷却液に伝達され、その後、冷却液がLCS220に戻されてもよい。
【0032】
コントローラ660は、冷媒蒸気サイクルシステムと低温冷却液システムの一方または両方の動作を制御して、冷却隔室120の中の所望の温度を保持してもよい。コントローラ660は同様に、ファン670を制御して、循環空気650が冷却隔室120、液体−気体熱交換器610および蒸発器640を通過するようにしてもよい。コントローラ660は、ファン670の制御および、冷媒蒸気サイクルシステムと低温冷却液システムの一方または両方の制御を調整してもよい。
【0033】
コントローラ660は、CCV680とCCV685を制御して、LCS220から液体−気体熱交換器610および/または冷却器二次冷却剤回路630Bの中への冷却液の流れを、それぞれ
図2と
図4のコントローラ240、440に関して説明したものと同様の方法で制御してもよい。たとえば、冷媒蒸気サイクルシステムが蒸発器640を使って循環空気650を冷却するように制御されていて、低温冷却液システムの液体−気体熱交換器610が使用されていない場合、コントローラ660は、CCV685を開き、CCV680を閉じるように制御し、冷却液がLCS220から冷却器二次冷却剤回路630Bに流れ、液体−気体熱交換器610には流れないようにしてもよい。その一方で、コントローラ660は、冷媒膨張弁(REV)690を開き、冷媒が冷却器冷媒回路630Aから蒸発器640に流れるように制御してもよい。あるいは、低温冷却液システムが液体−気体熱交換610を使って循環空気650を冷却するように制御され、冷媒蒸気サイクルシステムの蒸発器640は使用されていない場合、コントローラ660は、CCV685を閉じ、CCV680を開いて、LCS220からの冷却液が液体−気体熱交換器610に流れるように制御してもよい。その一方で、コントローラ660は、REV690を閉じ、冷媒が冷却器冷媒回路630Aまたは蒸発器640に流れないように制御してもよい。低温冷却液システムの液体−気体熱交換器610と冷媒蒸気サイクルシステムの蒸発器640の両方が制御され、循環空気650を冷却している場合、コントローラ660は、CCV680を開いて、LCS220からの冷却液が液体−気体熱交換器610に流れるようにし、REV690を開いて、冷媒が冷却器冷媒回路630Aから蒸発器640に流れるようにしてもよい。コントローラ660はCCV685を閉じて、液体−気体熱交換器610からの冷却液だけが冷却器二次冷却剤回路630Bに流れるようにするか、あるいはCCV685を開いて、液体−気体熱交換器610とLCS220からの冷却液の混合物が冷却器二次冷却剤回路630Bに直接流れるように制御してもよい。
【0034】
一例としての冷却装置600は自立型の嵌め込み式ギャレー冷却装置(a self-contained galley refrigeration insert)として構成してもよく、これはそれぞれ冷却隔室120を異なる温度範囲に冷却してもよい複数のモードのうちの1つで動作可能である。飲料保冷器モードでは、冷却隔室120が46から61°F(8から16℃)の温度範囲に冷却されてもよく、冷蔵庫モードでは、冷却隔室120が約39から45°F(約4から7℃)の温度範囲に冷却されてもよく、冷凍庫モードでは、冷却隔室120が約0から10°F(−18から−12℃)または16から32°F(−3から0℃)の温度範囲に冷却されてもよい。冷却装置が飲料保冷器モードと冷蔵庫モードで動作するときには、冷却は低温冷却液システムによって行われてもよい。冷却装置600が冷凍庫モードで動作するときには、低温冷却液システムに加えて冷媒蒸気サイクルシステムを用いて、多段階冷却システムとしてもよい。
【0035】
冷却隔室120内の温度が冷却装置600の動作モードに関する所望の温度より高く、(たとえば、冷却隔室120の温度を所望の温度まで急速に低下させるために、冷却能力を全開にする冷却装置600のプルダウン工程により)冷却隔室120内の温度を所望の温度まで引き下げる必要がある場合、低温冷却液システムと冷媒蒸気サイクルシステムの両方を、多段階冷却システムとして一緒に動作させてもよい。このモードでは、冷却隔室120からの温かい循環空気650は、液体−気体熱交換器610を循環し、続いて蒸発器640を循環して、冷却されてから、冷却隔室120に戻されてもよい。冷却隔室120の中の温度が所望の温度に引き下げられたら、冷却装置600の動作は、LCS220によって供給される冷却液の温度、冷却隔室120および/または循環空気650の温度および、冷却装置600の動作モードに応じて、冷媒蒸気サイクルシステムと低温冷却液システムのいずれかまたは両方によって行われてもよい。
【0036】
たとえば、冷却装置600が冷凍庫モードで動作していて、蒸発器640または液体−気体熱交換器610での循環空気650の測定温度が−6℃より低い場合、低温冷却液システムはオフにされ、冷媒蒸気サイクルシステムはそのまま動作を続けてもよい(たとえば、CCV680が閉じ、CCV685とREV690が開いてもよい)。
【0037】
別の例として、冷却装置が飲料保冷器モードで動作していて、蒸発器640または液体−気体熱交換器610から排出される循環空気650の測定温度が8℃より低い場合、冷媒蒸気サイクルシステムがオフにされ、低温冷却液システムはそのまま動作を続けてもよい(たとえば、CCV680が開き、REV690とCCV685が閉じてもよい)。しかしながら、この例において、LCS220から冷却液の温度が約7℃より高ければ、低温冷却液システムに加えて、あるいはその代わりに、冷媒蒸気サイクルシステムもオンにしてもよい。
【0038】
さらに別の例として、LCS220によって供給される冷却液が約−8℃の温度に保持されるとき、冷蔵庫モードと飲料保冷器モードの両方において、低温冷却液システムをオンにして、冷媒蒸気サイクルシステムをオフにしてもよい。しかしながら、LCS220によって供給される冷却液の温度が約5℃より高ければ、冷媒蒸気サイクルシステムをオンにしてもよい。LCS220によって供給される冷却液の温度が約40℃より高い場合、安全のために、冷媒蒸気サイクルシステムと低温冷却液システムの両方をオフにしてもよい。
【0039】
図7は、冷却面側空気熱交換器710を用いた熱電多段階冷却システムを有する、一例としての航空機ギャレー用冷却装置700を示す。一例としての冷却装置700は、熱電冷却システム(TECS)による熱電(TE)冷却を利用する多段階冷却システムとして動作してもよい。熱電冷却システムは、片側が熱電装置冷却面側空気熱交換器710に連結され、もう一方の側が熱電装置放熱面側液冷ヒートシンク(a liquid cooled thermoelectric hot side heat sink)730に連結された、1つまたは複数の熱電装置(TED)720を備えていてもよい。TED720は、熱伝導性材料を使って、熱電装置冷却面側空気熱交換器710および/または熱電装置放熱面側液冷ヒートシンク730に連結されていてもよい。TED720はペルチエ効果で機能してもよく、この場合、電圧またはDC電流が2つの異なる導電体の間に供給されて、電気回路が形成され、これがキャリア移動の方向に熱を伝える。このように、TED720は冷却面側空気交換器710からの熱をヒートシンク730に伝える(すなわち送り出す)。冷却面側空気熱交換器710は、冷却隔室120、LCS220に連結された液体−気体熱交換器750および、冷却面側空気熱交換器710を循環する循環空気740からの熱を吸収してもよい。TED720は、冷却面側空気熱交換器710により吸収された熱をヒートシンク730に伝送してもよい。ヒートシンク730は、TED720から受け取った熱(すなわち、排出された熱)をLCS220により供給された冷却液に伝達する液冷ヒートシンクであってもよい。ヒートシンク730は同様に、TED720自体が発する熱も冷却液に伝送してよい。TED720は筐体110の上に設置され、筐体110内部の熱がTED720によって冷却面側空気熱交換器710から筐体110の外側のヒートシンク730に送り出されるようになっていてもよい。冷却面側空気熱交換器710はTED720の内向き面に取り付けてもよく、その一方で、ヒートシンク730はTED720の外向き面に取り付けてもよい。冷却面側空気熱交換器710は、TED720によって、筐体110内の空気(たとえば循環空気740)の温度より低い温度に冷却されてもよく、空気が冷却面側空気熱交換器710のフィンの間を循環する際に空気からの熱を吸収してもよい。
【0040】
図と文章で説明したように、一例としての冷却装置700には、3つの熱交換器を備える2つの冷却システムによって提供される3つの冷却ループがある。第一の冷却ループには低温冷却液システムが含まれ、このシステムは、LCS220に連結され、循環空気740からの熱をLCS220によって供給される冷却液に伝送する液体−気体熱交換器750を備える。第二の冷却ループには熱電冷却システム(TECS)が含まれ、このシステムは冷却面側空気熱交換器710を備え、これが循環空気740からの熱を、TED720からヒートシンク730に伝え、ヒートシンク730がその熱を第三の熱交換手段となるLCS220によって供給される冷却液に伝える。第三の冷却ループは冷却システムの一方または両方と一緒に機能し、この第三の冷却ループには、冷却隔室120、液体−気体熱交換器750および、冷却面側空気熱交換器710を循環する循環空気740が含まれる。
【0041】
コントローラ760は、TECSと低温冷却液システムの一方または両方の動作を制御して、冷却隔室120内の所望の温度を保持してもよい。コントローラ760は同様に、ファン770を制御して、循環空気740が冷却隔室120、液体−気体熱交換器750および冷却面側空気熱交換器710に流れるようにしてもよい。コントローラ760は、ファン770の制御を、TECSと低温冷却液システムの一方または両方の制御とともに調整してもよい。
【0042】
コントローラ760は、CCV780とCCV790を制御して、冷却液のLCS220から液体−気体熱交換器750および/またはヒートシンク730への流れを、それぞれ
図2、
図4、
図6のコントローラ240、440、660に関して説明したものと同様の方法で制御してもよい。たとえば、TECSが冷却面側空気熱交換器710を使って循環空気740を冷却するように制御されていて、低温冷却液システムの液体−気体熱交換器750が使用されていない場合、コントローラ760は、CCV790を開き、CCV780を閉じて、冷却液がLCS220からヒートシンク730に流れ、冷却液が液体−気体熱交換器750には流れないように制御してもよい。その一方で、コントローラ760は、TED720を制御して、熱が冷却面側空気熱交換器710からヒートシンク730に伝達されるようにしてもよい。
【0043】
あるいは、低温冷却液システムが液体−気体熱交換器750を使って循環空気740を冷却するように制御され、TECSのTED720が使用されていない場合、コントローラ760は、CCV790を閉じ、CCV780を開いて、冷却液がLCS220から液体−気体熱交換器750に流れるように制御してもよい。その一方で、コントローラ760は、TED720をオフにして、熱がTED720の電気的動作によって冷却面側空気熱交換器710からヒートシンク730に積極的に伝送されないように制御してもよい。低温冷却液システムの液体−気体熱交換器750とTECSのTED720の両方が循環空気740を冷却するように制御されている場合、コントローラ760は、CCV780を開いて、LCS220からの冷却液が液体−気体熱交換器750に流れるようにし、CCV790を開いて、冷却液がヒートシンク730に流れて、熱をTECSから冷却液内に伝え、この冷却液がLCS220に戻るようにしてもよい。
【0044】
コントローラ760は、
図6の冷却装置600に関して説明したものと同様の方法で、3つの動作モードの1つで冷却装置700を動作させてもよいが、相違点として、冷却装置600の冷媒蒸気サイクルシステムの代わりに
図7のTECSを使用してもよい。たとえば、飲料保冷器モードと冷蔵庫モードでは、低温冷却液システムを使って動作してもよく、冷凍庫モードではTECSを使用してもよい。TECSと低温冷却液システムは、多段階冷却システムとして一緒に動作させてもよい。プルダウン中は、3つのモードのいずれかまたはすべてにおいて、TECSと低温冷却液システムの両方を動作させてもよい。プルダウン後の飲料保冷器モードと冷蔵庫モードでは、TECSをオフにしてもよい。プルダウン後の冷凍庫モードでは、TECSをオンにして、その一方、CCV780を閉じてCCV790を開くことにより、液体−気体熱交換器750を備える低温冷却液システムをオフにしてもよい。
【0045】
コントローラ760は、DC電源を使ってTED720を動作させてもよい。TED720の冷却能力は、TED720へのDC電流入力の量によって制御されてもよい。TED20は、広い範囲の入力電圧および電流を使って動作するように設計してもよい。
【0046】
TECSは、冷媒蒸気サイクルシステムと比較した場合に、特に信頼性、大きさ、および重量が重要な検討事項であるような航空機における用途において、数多くの利点を有する。TED720は、可動部品を使用せずに機能するソリッドステート構成を有する電気的デバイスである。従って、TED720は、冷媒蒸気サイクルシステムと比較して、事実上メンテナンスフリーであり、信頼性が高い。たとえば、一般的なTED720の想定寿命は200,000時間を超えるかもしれない。さらに、TED720は、機械的な冷却システムと異なり、機械音や振動あるいは電気的ノイズを発生しない。従って、TED720は、感度の高い電子センサを備えているシステムや音響ノイズが好ましくないシステムにとって理想的であり得る。同様に、TED720は小型で、同レベルの機械的システムより小型で軽量な冷却装置を実現し得る。TED720は、どの向きでも、および無重力環境でさえも動作可能であり得る。TED720は、適当な閉ループ温度制御回路と併用すれば、非常に精密に、たとえば+/−0.1℃より高い精度で温度を制御し得る。従って、TED720は、精密な温度制御が要求される場合に有利であり得る。さらに、TED720は、クロロフルオロカーボンや、環境に有害となり得るその他の化学物質を必要とするかもしれない従来の冷却システムと異なり、いかなるガスも使用せず、または発生させないかもしれない。同様に、TECSは、蒸気サイクルシステムより低い成績係数(COP)を有し得る。TECSのCOPは1未満であり得る。参考として、空気調整ユニットの一般的なCOPの範囲は0.4から0.7である。
【0047】
図8は、冷却面側液体熱交換器810を有する熱電多段階冷却システムを備える、一例としての航空機ギャレー用冷却装置800を示す。一例としての冷却装置800の熱電冷却システム(TECS)は、片側で熱電装置冷却面側液体熱交換器810に連結された1つまたは複数の熱電装置(TED)820と、もう一方の側で熱装置放熱面側液冷ヒートシンク830を備えていてもよい。一例としての冷却装置800は
図7に示される冷却装置700と同様であるが、相違点として、
図7の冷却面側空気熱交換器710の代わりに、
図8では冷却面側液体熱交換器810が用いられている。冷却面側液体熱交換器810は、アルミニウムブロック等、熱を伝導する軽量の材料で構成してもよい。LCS220によって供給される冷却液は、冷却面側液体熱交換器810を通過してから、液体−気体熱交換器850を通過してもよい。冷却面側液体熱交換器810は、TED820によって、LCS220により供給される冷却液より低い温度まで冷却されてもよい。冷却面側液体熱交換器810は次に、冷却液を、冷却液がLCS220によって供給された時の温度より低い温度まで冷却してから、液体−気体熱交換器850に入るようにしてもよい。冷却隔室120から液体−気体熱交換器850を通過する循環空気840はその後、液体−気体熱交換器850がLCS220から直接冷却液を受け取った場合に可能な温度より低い温度まで冷却されてもよい。
【0048】
コントローラ860は、TECSと低温冷却液システムの一方または両方を制御して、冷却隔室120内の所望の温度を保持してもよい。コントローラ860は同様に、ファン870を制御して、循環空気840が冷却隔室120と液体−気体熱交換器850に流れるようにしてもよい。コントローラ860は、ファン870の制御および、TECSと低温冷却液システムの一方または両方の制御とをともに調整してもよい。
【0049】
コントローラ860は、CCV880とCCV890とを制御して、LCS220から冷却面側液体熱交換器810、液体−気体熱交換器850および/またはヒートシンク830への冷却液の流れを、それぞれ
図2、
図4、
図6、および
図7のコントローラ240、440、660、および760に関して説明したものと同様の方法で制御してもよい。たとえば、低温冷却液システムの液体−気体熱交換器850とTECSのTED820の両方が、一緒に機能して循環空気840を冷却するように制御されている場合、コントローラ860は、CCV880を開いて、LCS220からの冷却液が冷却面側液体熱交換器810と液体−気体熱交換器850に流れるようにし、CCV890を開いて、冷却液がヒートシンク830に流れて、熱をTECSから冷却液へと伝達し、その後LCS220に戻るように制御してもよい。その一方で、コントローラ860は、TED820を制御して、熱を冷却面側液体熱交換器810からヒートシンク830に伝達し、冷却面側液体熱交換器810の中の冷却液を冷却してから液体−気体熱交換器850に入るようにしてもよい。
【0050】
あるいは、低温冷却液システムが液体−気体熱交換器850を使って循環空気840を冷却するように制御され、TECSのTED820が使用されていない場合、コントローラ860は、CCV890を閉じて、CCV880を開き、冷却液がLCS220から液体−気体熱交換器850に流れるように制御してもよい。その一方で、コントローラ860はTED820をオフにして、熱がTED820の電気的動作によって冷却面側液体熱交換器810からヒートシンク830に積極的に伝達されない(すなわち、送り出されない)ように制御してもよい。
【0051】
コントローラ860は、
図7の冷却装置700に関して説明したものと同様の方法で、3つの動作モードの1つで冷却装置800を動作させてもよい。たとえば、飲料保冷器モードと冷蔵庫モードでは、(たとえば、CCV880を開き、CCV890を閉め、TED820をオフにすることにより)プルダウンの後にTECSを使用することなく、低温冷却液システムを使って動作させてもよく、冷凍庫モードでは、(CCV880およびCCV890を両方とも開き、TED820をオンにすることにより)プルダウン後に、低温冷却液システムに加えてTECSを使用して、多段階冷却システムとして動作させてもよい。TECSと低温冷却液システムの両方は、3つのモードのいずれかまたは全部におけるプルダウン中に、多段階冷却システムとして動作させてもよい。
【0052】
図では、筐体110の中であるが冷却隔室120の外に描かれているが、いくつかの実施形態において、
図4、
図6、
図7、および
図8のいずれかに描かれた液体−気体熱交換器は、部分的または全体的に、冷却隔室120内に囲まれていてもよい。従って、これらの実施形態では、関連する循環空気、配管および/またはファンは、少なくとも部分的に、または全体的に冷却隔室120内に囲まれていてもよい。各種の実施形態において、複数の液体−気体熱交換器を、図の単独の液体−気体熱交換器が描かれている箇所に使用してもよい。
【0053】
図9は、航空機ギャレー用冷却装置の一例の3つの動作モードの冷却能力を示すグラフである。冷却能力は、ある範囲の冷却剤流量でのQ
Chiller,w[w]として表され、単位はリットル/分である。例示的な冷却装置では、通常、気温29℃、相対湿度70%の環境で動作し得る。グラフに示されているように、この例の冷却装置は、175から351W(600から1200Btu/時)の範囲の定常時の熱負荷の「地上」条件で動作する。図のように、各定常時熱負荷において、冷凍庫モードで流量が最も大きく、飲料保冷器モードの流量が最も小さい。この例の冷却装置は、周波数範囲が360から900Hzの3相115VAC電源を使って動作し得る。この例の冷却装置は、約149VAの皮相電力を使用してもよく、消費電力は約0.5アンペアである。
【0054】
この例の冷却装置では、飲料保冷器モードでの平均プルダウン時間は、12本の瓶の温度を室温から8℃に引き下げるのに約40分であり得、同様に冷蔵庫モードでは、約5分間の冷蔵庫モードでの平均プルダウン時間は、空の冷却隔室120の温度を室温から4℃に引き下げるのに約5分間であり得る。冷凍庫モードにおいて、この冷却装置が空の冷却隔室120を室温から−18°Cにする平均プルダウン時間は約15分であり得る。
【0055】
本明細書で説明した例の冷却装置の機能は、コントローラによってソフトウェアプログラムの命令に従って制御されてもよく、この命令はコントローラのプロセッサによって読み出し、実行される記憶媒体に記録される。ソフトウェアプログラムは、コンピュータプログラミング言語(C、C++等)で書かれ、コントローラのプロセッサ上で実行されるようにクロスコンパイルされてもよい。記憶媒体の例としては、磁気記憶媒体(フロッピーディスク、ハードディスクまたは磁気テープ等)、光記録媒体(CD−ROMまたはデジタルバーサタイルディスク(DVD)等)、および電子記憶媒体(集積回路(IC))、ROM、RAM、EEPROMまたはフラッシュメモリ等)がある。記憶媒体は、ネットワークに接続されたコンピュータシステム上で分配されて、プログラム命令が分散方式で保存され、実行されてもよい。
【0056】
本発明を、機能ブロックの構成要素と各種の処理ステップの点から説明した。このような機能ブロックは、特定の機能を実行するように構成された、いくつのハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素で実行されてもよい。たとえば、本発明は、各種の集積回路の構成要素、たとえばメモリ要素、処理要素、論理要素、ルックアップテーブル等、1つまたは複数のマイクロプロセッサやその他の制御装置の制御の下でさまざまな機能を実行するものを用いてもよい。同様に、本発明の要素がソフトウェアブログラミング要素またはソフトウェア要素を使って実装される場合、本発明は、C、C++、Java、アセンブラ等の任意のプログラミングまたはスクリプト言語を用いて実現されもよく、各種のアルゴリズムが、データ構造、オブジェクト、処理、ルーチンまたはその他のプログラミング要素をどのように組み合わせたもので実装されてもよい。さらに、本発明は、電子部品の構成、信号処理および/または制御、データ処理等の任意の数の従来の技術を用いてもよい。用語の仕組みは広い範囲で用いられ、機械的または物理的実施形態に限定されず、プロセッサと組み合わせたソフトウェアルーチン等を含めることができる。
【0057】
本明細書において図または文章で説明された特定の実施態様は、本発明の説明のための例であり、それ以外に本発明の範囲を一切限定するものではない。簡潔さを期して、従来の電子部品、制御システム、ソフトウェア開発およびその他のシステムの機能面(およびシステムの各動作要素の構成要素)については、詳しく説明していないことがある。さらに、添付の各種図面に示されている接続線またはコネクタは、種々の要素の間の機能的関係および/または物理的または論理的連結の例を示すものである。注意すべき点として、実際の装置では、多数の代替または追加の機能関係、物理的接続または論理接続があってもよい。本明細書で用いたあらゆるすべての例または例示を表す文言(「等」など)は、本発明がよりよく理解されるようにするためのものにすぎず、別に主張されていないかぎり、本発明の範囲に対する限定を設けるものではない。さらに、特段に「不可欠」または「重要」と記されている要素を除き、いかなる品目も構成要素も、本発明の実施に不可欠ではない。
【0058】
本発明の上記の実施形態は図に関連して説明されているが、当業者であれば、説明した方法および/または具体的な構造に対する各種の改変や改良が明らかになるかもしれない。本発明の教示に基づいており、それらの教示が当業界の技術を進歩させるようなこれらすべての改変、改良または変更は、本発明の精神と特許請求の範囲に含まれるものとみなす。従って、説明文と図面は限定的な意味で考えるべきではなく、本発明は紹介された実施形態にのみ限定されることはないと理解するべきである。
【0059】
本明細書における「〜を備える」、「〜を含む」、「〜を有する」という用語は、制約のない専門用語として読み取られるべきである。発明の説明箇所で使用される不定冠詞(“a”)、接続詞(“and”)および定冠詞(“the”)の単語は、(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)単数と複数の両方を指すものと解釈する。さらに、本明細書において引用した数値の範囲は、本明細書に別段の明記がないかぎり、その範囲内に含まれる個々の数値を個々に引用するための簡略的な方法とされるもので、それぞれの数値は、本明細書に個別に明記されているかのように、本明細書に組み込まれる。最後に、本明細書で説明したすべての方法のステップは、本明細書に別段の明記がなく、文脈上、明確に矛盾しないかぎり、任意の好適な順序で実行してもよい。